JPWO2008050640A1 - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

電解質膜の両面に触媒層と拡散層を含む電極がそれぞれ配置された膜電極接合体と、発電出力を取り出すために両電極の拡散層にそれぞれ面接触する集電体とを具備する燃料電池であって、集電体の少なくとも一部が拡散層のなかに侵入している。

Description

本発明は、携帯機器の動作に有効な平面配置直列接続の燃料電池に関する。
携帯電話やノートパソコンなどのモバイル機器の電源として充電が不要な小型の燃料電池が注目されている。一般的にモバイル機器の電源として使用されている二次電池は電池容量を使い果たした場合に充電する必要があるが、これに対して燃料電池は燃料を補充するだけでよく、使い勝手が良いとされている。しかし、小型の燃料電池は単電池の出力が低いことが一つの欠点である。このため、機器を駆動させる出力を得るために、例えば特開2004−014148号公報および国際公開番号2005/112172A1号公報に記載されているように複数の単電池を直列に接続しなければならない。この場合に、出力の低下を抑えるために、接続部で発生する電気抵抗を極力小さくする必要がある。
単電池間の接続部の電気抵抗には多くのパラメータが関与するが、そのなかでも特に集電体と拡散層の材質と構造が接続部の電気抵抗に強い影響力をもっている。したがって、集電体と拡散層の構造を工夫することで、接続部の電気抵抗を小さくできれば、材料選択の幅が広がり、設計の自由度が増すなどのメリットがある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、単電池間を接続する接続部の電気抵抗を小さくすることができる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池は、電解質膜の両面に触媒層と拡散層を含む電極がそれぞれ配置された膜電極接合体と、発電出力を取り出すために前記両電極の拡散層にそれぞれ面接触する集電体と、を具備する燃料電池であって、前記集電体の少なくとも一部が前記拡散層のなかに侵入していることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る燃料電池を示す内部透視断面図。 集電体の一例を示す平面図。 実施の形態に係る集電体の断面図。 他の実施の形態に係る集電体の断面図。 他の実施の形態に係る集電体(6直)の平面図。 本発明の他の実施の形態に係る燃料電池を示す内部透視断面図。 燃料分配機構を示す斜視図。
集電体を拡散層に食い込ませるためには、拡散層が集電体よりも軟らかく変形しやすい材料でできていることが必要である。拡散層にはカーボンペーパーやカーボンクロス等を用いる。集電体には白金、金などの貴金属、ニッケル、ステンレス鋼などの耐食性金属などの金属材料からなる多孔質層(例えば金属メッシュ)または箔体を用いることが好ましく、また、金やカーボンなどの導電性材料を異種金属で表面処理した材料、例えば、銅やステンレス鋼に金などの良導電性金属を被覆した複合材などをそれぞれ使用することが可能である。カーボンペーパーはアノードに供給される燃料やカソードに供給されるエアーの拡散層としての役割があるため多孔体を使用するが、均一に燃料やエアーを拡散させるために細孔分布は均一であることが望ましい。また、カーボンペーパーは導電体としての役割も担うため体積抵抗率が小さいほうが良く、例えば東レ社製のTGP(Toray Graphite Paper:商品名)やジャパンゴアテックス社製のカーベル(商品名)などを用いることができる。集電体の厚みは30μm以上、200μm以下の範囲とすることが好ましく、より好ましい範囲として50〜100μmである。集電体の厚みが30μm未満になると、材料種にもよるが、剛性が不足して変形しやすくなり、これを拡散層に食い込ませることができなくなる。一方、集電体の厚みが200μmを超えると、燃料電池自体の厚みが不必要に厚くなり、スペース効率が悪化してしまうからである。
集電体を拡散層のなかに侵入させる方法には、プレス加工に代表されるような圧力により押し付ける方法が簡易な方法として挙げられる。例えば、膜電極接合体の両側に配置される集電体で膜電極接合体を挟み込み、その状態でプレス機により押し付けて侵入させる方法である。このとき、プレス加工は、ワークを100℃以上(例えば100〜150℃)に加熱して熱間で行ってもよく、室温より少し高い温度(例えば40〜60℃)に加熱して温間で行ってもよく、また室温で行ってもよい。また、この集電体で挟み込まれた膜電極接合体は最終的には外装材に内蔵されて燃料電池となるが、この内蔵される過程で集電体を押し付けて侵入させても良い。具体的にはカシメやネジ止めなどにより外装材は固定されることになるが、このとき、集電体が膜電極接合体の拡散層に侵入するよう、圧力が加わるようにしておいても良い。
前記のように、前記集電体は前記拡散層に押し込まれることにより前記集電体の少なくとも一部が前記拡散層のなかに侵入している場合に、前記集電体を前記拡散層に押し込む前の体積平均空孔率をα%とし、集電体の少なくとも一部を拡散層に押し込んだときの前記拡散層が潰れる部分の潰れ率をβ%とした場合に、β≦α/3の関係を満たすことが好ましい。これから外れるβ>α/3の範囲では、拡散層が潰れすぎることにより拡散が阻害されたり、また、極端なケースでは拡散層が過度に変形して破断したりするおそれがあるからである。ここで「体積平均空孔率」とは、単位体積当たりの平均の空孔率であり、拡散層に集電体を押し込む前の拡散層の空孔率であるが、拡散層に集電体が押し込まれた後のものを評価する場合には、拡散層に集電体が押し込まれていない部分の空孔率に置き換えて定義することができる。体積平均空孔率は例えばポロシメーターを用いて測定することができる。また、「潰れ率」は、集電体が押し込まれていない部分の拡散層の厚さに対する集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分との割合(集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分/集電体が押し込まれていない部分の拡散層の厚さ)である。例えば拡散層が矩形の場合には、拡散層に集電体が押し込まれていない部分を5点(部分の中央部近傍と、各辺の中央近傍)測定した結果の平均を集電体が押し込まれていない部分の拡散層の厚さとする。また、集電体を同一拡散層上に多数直列配置した場合には、各集電体の中央近傍の集電体が存在する部分で測定した結果の平均を集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分とする。
集電体として、燃料または空気を通流させるための複数の孔が開口する有孔平板を用いることができる。この有孔平板の開口率を35%以上とすることが好ましく、50%以上とすることがより好ましい。すなわち、複数の孔を二次元投影した合計面積を集電体全体を二次元投影した全面積に対して35%以上とする。開口率が35%未満になると、集電体の押し込みにより拡散層のつぶれる部分が増加し、かえって燃料電池の出力特性を低下させるからである。開口率を50%以上にすれば、更に出力特性が向上し、安定した出力特性が得られる。
本発明の燃料電池では、拡散層の上に集電体を重ね合わせ、プレス等により面圧をかけて集電体を拡散層のなかに食い込ませているので、両者の密着性が向上するとともに両者の相互接触面積が増加する。このため、集電体/拡散層間の接続部における接触抵抗が小さくなり、発電出力の損失が少なくなる。
また、集電体の侵入部分が従来の構造よりも触媒層に近いところに位置するようになるので、発電部内での電流経路が短縮され、内部抵抗が小さくなる。これによっても発電出力の損失が少なくなる。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための種々の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、燃料電池の全体の概要について図1を参照して説明する。
燃料電池1は、外側を外装ケース21で覆われ、内部に平面配置・直列接続された複数の単電池を有するものである。燃料電池1は、例えば外装ケース21の端部を燃料収容室構造体20の外面にかしめ加工することにより、複数の単電池を一体化した1つのユニットとして構成してもよいし、外装ケース21と燃料収容室構造体20とをボルトとナットで締め付けることにより、これらを一体化形成するようにしてもよい。
燃料電池1は、発電部としての膜電極接合体10、集電体としてのカソード集電体7及びアノード集電体9、気化膜としての気液分離膜13、液体燃料スペース14を形成する燃料収容室構造体20を備えている。膜電極接合体10は、プロトン伝導性の固体電解質膜6を間に挟んでその両側にカソード触媒層2とアノード触媒層3が熱プレス法で一体成形され、さらにその外側にカソードガス拡散層4とアノードガス拡散層5を有している。さらに、膜電極接合体10のカソードガス拡散層4には正極集電体7が導通し、アノードガス拡散層5には負極集電体9が導通している。これら正負一対の集電体7,9を介して発電部で発電された電力が図示しない負荷に出力されるようになっている。
燃料電池1の内部にはゴムシール8やOリング(図示せず)によって種々のスペースや間隙が形成されている。それらのスペースや間隙のうち、例えばカソード側のスペースは保湿板を有する空気導入部として用いられ、アノード側のスペースは気液分離膜13を介して液体燃料収容室14に連通する気化室として用いられる。
気化室(図示せず)は液体燃料収容室14に隣接して設けられ、両室間は気液分離膜13により仕切られている。気液分離膜13は、その周縁部がシール部材(図示せず)と燃料収容室構造体20のフランジとの間に挟みこまれた状態で支持されている。気液分離膜13は、多数の細孔を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートからなり、液体燃料(メタノール液又はその水溶液など)を遮断し、気化燃料(メタノールガスなど)を透過させるものである。
外装ケース21の主面には複数の通気孔22が所定ピッチ間隔ごとに開口し、内部の保湿板19にそれぞれ連通している。これらの通気孔22は、外気が通過する開口を形成するが、外気の通過を阻害せずに、外部からカソードガス拡散層4への微小あるいは針状の異物の浸入・接触を防止しうるような形状が工夫されている。
外装ケース21の材料には、ステンレス鋼やニッケル合金などの耐食性に優れた金属材料を用いることが望ましいが、金属材料に限られることなく樹脂材料を用いることもでき、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス ピーエルシー社の商標)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの液体燃料で膨潤等を生じにくい硬質の樹脂を用いてもよい。
シール部材には、硬質から軟質までの各種のゴム系材料、樹脂系材料または金属材料を用いることができるが、このうちゴム系材料(例えばEPDM(エチレンプロピレンゴム)、FKM(フッ素ゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム))が最も適している。
燃料電池1の内部において、1つの単電池の負極集電体9を図2に示す。負極集電体9には複数の開口部16が開口している。これらの開口部16は、アノードガス拡散層3の側にそれぞれ連通している。液体燃料収容室14内の液体燃料の一部が気化すると、気化燃料は気液分離膜13を通って気化室内に入り、さらに気化室から集電体9の開口部16を通ってアノードガス拡散層5およびアノード触媒層3に導入され、発電反応に寄与する。
同様に、正極集電体7にも複数の開口部16が開口している。これらの開口部16は保湿板(図示せず)を介して外装ケース21の通気孔22に連通している。空気が通気孔22から導入されると、空気調整スペースの保湿板を通って加湿され、集電体7の開口部16を通ってカソードガス拡散層4およびカソード触媒層2に導入され、発電反応に寄与する。
集電体7,9は、図2に示すように、全体の形状がほぼ正方形であり、その一辺の中央からリード7a,9aが延び出ている。リード7a,9aは図示しない負荷の両極端子にそれぞれ接続される。集電体の開口部16は、実質的に同じ大きさの長方形であり、縦5列×横4列の合計20が格子状に規則配列されている。
発電部10のアノード側から負極集電体9に電子を取り出して、発電エネルギの効率良い利用を可能とするために、図3に示すように集電体9の一部を拡散層5のなかに食い込ませている。カソード側においても同様に、正極集電体7の一部を拡散層4のなかに食い込ませている。本実施の形態では、プレス加工機を用いて約100℃の温度で温間プレスすることにより、各集電体7,9を厚さの半分(t1/2)まで拡散層4,5にそれぞれ食い込ませた。集電体7,9の厚さt1を例えば0.1mm(100μm)とすると、拡散層4,5に対する集電体7,9の食い込み深さd1は50μmになる。
また、図4は集電体9Aの一部を拡散層5Aのなかに食い込ませている例である。カソード側においても同様に、正極集電体7Aの一部を拡散層4Aのなかに食い込ませている。本実施の形態では、プレス加工機を用いて約150℃の温度でホットプレスすることにより、各集電体7A,9Aをその厚さt1まで拡散層4,5にそれぞれ食い込ませた。集電体7A,9Aの厚さt1を例えば0.1mm(100μm)とすると、拡散層4A,5Aに対する集電体7A,9Aの食い込み深さd1は100μmになる。
集電体7,9には0.1mm厚のステンレス鋼板に金メッキを施したものを用い、アノード極に供給されることになる燃料とカソード極で必要となる空気の取り込みを妨げないための穴加工がそれぞれ施してある。これらの集電体7,9の一部は燃料電池外部に引き出され、外部端子の役割をする。
固体高分子膜6の両面に白金または白金とその他の金属からなる触媒を塗布して触媒層2,3を形成し、その両側に配置する拡散層4,5にはカーボンペーパーを使用した。使用するカーボンペーパーの厚みt2はアノード側、カソード側とも0.4mm厚とし、発電に寄与する触媒部分及びカーボンペーパーの大きさは40mm角の正方形、その発電部の各辺において固体高分子膜6が5mm突出するように固体高分子膜6のサイズを50mm×50mm角とした。
液体燃料収容室14には燃料導入口15が開口している。燃料導入口15には例えばキー溝型のカプラーが取り付けられ、このカプラーに図示しない燃料カートリッジのノズルが差し込まれ、液体燃料が液体燃料収容室14に補給されるようになっている。
液体燃料収容室14内には液体燃料含浸層(図示せず)が収容されている。液体燃料含浸層には例えば多孔質ポリエステル繊維、多孔質オレフィン系樹脂等多硬質繊維や、連続気泡多孔質体樹脂を用いることが好ましい。液体燃料含浸層は、燃料タンク内の液体燃料が減少した場合や燃料電池本体が傾斜して載置され燃料供給が偏った場合においても、気液分離膜に均質に燃料供給され、その結果、アノード触媒層3に均質に気化された液体燃料を供給することが可能となる。ポリエステル繊維以外にも、アクリル酸系の樹脂などの各種吸水性ポリマーにより構成してもよく、スポンジまたは繊維の集合体など液体の浸透性を利用して液体を保持することができる材料により構成する。本液体燃料含浸部は,本体の姿勢に関わらず適量の燃料を供給するのに有効である。
なお、液体燃料には、メタノール水溶液、純メタノール等のメタノール燃料、エタノール水溶液、純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ギ酸水溶液、ギ酸ナトリウム水溶液、酢酸水溶液、水素化ホウ素ナトリウム水溶液、水素化ホウ素カリウム水溶液、水素化リチウム水溶液、エチレングリコール水溶液、ジメチルエーテルなどの水素を含む有機系の水溶液が用いられる。中でもメタノール水溶液は、炭素数が1で反応の際に発生するのが炭酸ガスであると共に、低温での発電反応が可能であり、産業廃棄物から比較的容易に製造することができるので好ましい。また、燃料は濃度100%から数%までの範囲で種々の濃度のものを用いることができる。
固体電解質膜6は、アノード触媒層3において発生したプロトンをカソード触媒層2に輸送するためのものであり、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な材料により構成されている。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜、具体的には、デュポン社製のナフィオン膜、旭硝子社製のフレミオン膜、あるいは旭化成工業社製のアシプレックス膜などにより構成されている。なお、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜以外にも、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜、あるいは脂肪族炭化水素系樹脂膜などプロトンを輸送可能な電解質膜6を構成するようにしてもよい。
アノード触媒層3は、ガス拡散層5を介して供給される気化燃料を酸化して燃料から電子とプロトンとを取り出すものである。アノード触媒層3は、例えば、触媒を含む炭素粉末により構成されている。触媒には、例えば、白金(Pt)の微粒子、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)あるいはモリブデン(Mo)などの遷移金属あるいはその酸化物あるいはそれらの合金などの微粒子が用いられる。但し、触媒をルテニウムと白金との合金により構成するようにすれば、一酸化炭素(CO)の吸着による触媒の不活性化を防止することができるので好ましい。
また、アノード触媒層3は、電解質膜6に用いられる樹脂の微粒子を含むほうがより望ましい。発生させたプロトンの移動を容易とするためである。アノードガス拡散層5は、例えば多孔質の炭素材料よりなる薄膜で構成され、具体的にはカーボンペーパーまたは炭素繊維などで構成されている。
カソード触媒層2は、酸素を還元して、電子とアノード触媒層3において発生したプロトンとを反応させて水を生成するものであり、例えば上述のアノード触媒層3及びアノードガス拡散層5と同様に構成されている。すなわち、カソードは、固体電解質膜11の側から順に触媒を含む炭素粉末よりなるカソード触媒層3と多孔質の炭素材料よりなるカソードガス拡散層5とが積み重ねられた積層構造をなしている。カソード触媒層2に用いられる触媒はアノード触媒層3のそれと同様であり、アノード触媒層3が固体電解質膜6に用いられる樹脂の微粒子を含む場合があることもアノード触媒層3と同様である。ちなみに、電解質膜6の厚さは10〜250μm、カソード触媒層2、アノード触媒層3の厚さは50〜100μm、カソード拡散層4、アノード拡散層5の厚さは250〜500μm、正極集電体7、負極集電体9の厚さは30〜200μmの範囲からそれぞれ最適値を選択することができる。
外装ケース21および燃料収容室構造体20は、ステンレス鋼やニッケル金属などの耐食性に優れた金属材料でつくることができる。この場合、金属イオンの溶出を防ぐために樹脂コーティングを施すことが望ましい。これらをポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス ピーエルシー社の商標)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、などの液体燃料で膨潤等を生じいくい硬質のプラスチックでつくることもできる。
(第2の実施の形態)
次に、図5を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態が上記第1の実施の形態と重複する部分の説明は省略する。
燃料電池1Aは、実質的に同一の平面上に配置された複数の単電池を内部に有している。これら同一平面に平置き配置された複数の単電池は正負両極の集電体7A,9Aを介して直列に接続されている。携帯機器では厚みサイズが厳しく制限されるため、それに内蔵される燃料電池にも同様の要求があり、複数の単電池を積み重ねるスタック構造を採用することが困難であるため、同一平面上に並べて配置する平置き配置構造を採用する。このように平置き配置する複数の単電池を直列に接続することにより、組電池を形成する。
本実施形態の燃料電池1Aでは、集電体7A,9Aは、図5に示すように、略長方形の集電体7A,9Aを6列配置したものであり、その一辺の中央からリード7a,9aが延び出ている。リード7a,9aは図示しない負荷の両極端子にそれぞれ接続される。
集電体7A,9Aには0.1mm厚のステンレス鋼板に金メッキを施したものを用い、アノード極に供給されることになる燃料とカソード極で必要となる空気の取り込みを妨げないための穴加工がそれぞれ施してある。これらの集電体7A,9Aの一部は燃料電池外部に引き出され、外部端子の役割をする。
集電体7A,9Aの開口部16は、実質的に同じ大きさの長方形であり、縦8個で規則配列されている。
発電部10のアノード側から負極集電体9Aに電子を取り出して、発電エネルギの効率良い利用を可能とするために、第1の実施形態と同様に図3あるいは図4に示すように集電体の一部を拡散層のなかに食い込ませている。
[実施例1〜5]
一般的な燃料電池では、複数の単電池を直列に接続した組電池で出力電圧を確保することになるが、以下に述べる実施例1〜5では本発明の効果を確認する目的のために、単電池で燃料電池を構成することとした。
固体高分子膜6の両面に白金または白金とその他の金属からなる触媒を塗布して触媒層2,3を形成し、その両側に配置する拡散層4,5にはカーボンペーパーを使用した。使用するカーボンペーパーの厚みt2はアノード側、カソード側とも0.4mm厚とし、発電に寄与する触媒部分及びカーボンペーパーの大きさは40mm角の正方形、その発電部の各辺において固体高分子膜6が5mm突出するように固体高分子膜6のサイズを50mm×50mm角とした。
集電体7,9には0.1mm厚のステンレス鋼板に金メッキを施したものを用い、アノード極に供給されることになる燃料とカソード極で必要となる空気の取り込みを妨げないための穴加工がそれぞれ施してある。これらの集電体7,9の一部は燃料電池外部に引き出され、外部端子の役割をする。
これらの積層体を外装材となるプラスチック部品によりゴムシール8を介して挟み込み、ネジ止めすることにより封止して燃料電池とするが、ゴムシール8はカーボンペーパー4,5からの固体高分子膜6のはみ出し部分に当たるように設置し、その部分でシールした。
挟み込むアノード側外装材20の材質はPPSとした。外装材20の内側がアノード極に隣接することにより液体燃料収容室14を形成し、外部からの燃料供給口15が設置されることとなる。また、カソード極側外装材21にもPPSを使用し、外部から空気を取り入れられるよう複数の通気孔22が開口している。
さらに、本実施例ではアノード極への均一な燃料供給を補助する目的で燃料保持部とアノード側集電体の間に燃料を吸収・保持できる不織布13を配置した。
ただし、アノード極への燃料供給およびカソード電極へのエアー供給については、ポンプなどの補機を使用して供給しても構わず、また、その場合に流路を形成した部品を利用して燃料およびエアーを供給しても構わない。
[実施例1]
実施例1として、以下の燃料電池を50個作成した。
上述した通り、アノード側、カソード側とも膜電極構造体の拡散層4,5には厚さ0.4mmのカーボンペーパーを使用しているが、このカーボンペーパーは空孔率75%のものを選択した。その外側に配置される集電体の厚みは0.1mmとしているが、実施例1の燃料電池では電極膜構造体を集電体で挟み込んだ状態でプレスし、集電体の厚み全体をカーボンペーパーに埋設させ、カーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.4mmとなるようにした。
この場合の潰れ率βは、集電体が押し込まれていない部分の拡散層の厚さ0.4mmと、集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分0.1mmとの割合(0.1/0.4)となり25%である。したがって、空孔率αが75%であるため、β≦α/3の関係となる。なお、集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分は、(プレス前のカーボンペーパーと集電体を合わせた厚み)―(プレス後のカーボンペーパーと集電体を合わせた厚み)である。
集電体の形状については、カーボンペーパーのサイズと同じ40mm角の部分に外部端子となる端子部を延出させるが、アノード極への燃料とカソード極への空気を供給するための穴として、5×8mmサイズの穴を図2の通り20箇所開けた。このときの穴の間隔はDx=1.6mm、Dy=2.5mmとなり、集電体の開口率は50%となる。
[実施例2]
実施例2として、集電体をプレスによりカーボンペーパーに埋設させる際、カーボンペーパーに食い込ませる集電体の厚みを0.05mmとし、アノード側、カソード側それぞれのカーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.45mmになる点のみ実施例1と異なる燃料電池を50個作成した。
電極膜構造体と集電体を合わせた厚みは実施例1より厚くなるが、外装材を締め込むネジのトルクを同じにし、締め付けは実施例と同じにした。後述する厚みの違う例についても同様の処置を施している。
この場合の潰れ率βは、集電体が押し込まれていない部分の拡散層の厚さ0.4mmと、集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分0.05mmとの割合(0.05/0.4)となり12.5%である。したがって、空孔率αが75%であるため、β≦α/3の関係となる。
[実施例3]
実施例3として、集電体の穴の大きさを5×6mmとし、穴の間隔はDx=3.2mm、Dy=2.5mm、集電体の開口率を37.5%に変更した以外は実施例1と同じ燃料電池を50個製作した。
[実施例4]
実施例4として、集電体の穴の大きさを5×5mmとし、穴の間隔はDx=4.0mm、Dy=2.5mm、集電体の開口率を31.2%に変更した以外は実施例1と同じ燃料電池を50個製作した。
[実施例5]
実施例5として、集電体の厚みを0.15mmに変更し実施例1と同じくプレス加工により集電体の厚みを全体をカーボンペーパーに埋設させ、カーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.4mmとなるようにした燃料電池を50個作成した。
この場合の潰れ率βは、集電体が押し込まれていない部分の拡散層の厚さ0.4mmと、集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分0.15mmとの割合(0.15/0.4)となり37.5%である。β≧α/3の関係となる。
[比較例1]
比較例1として、実施例1と燃料電池を構成する部品は同じだが、電極膜構造体のみプレスしてカーボンペーパーの厚みを0.3mmとなるようにし、その両側に集電体を配置して、カーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.4mmとなるようにした点のみ実施例1と異なる燃料電池を50個作成した。
[比較例2]
比較例2として、実施例1と燃料電池を構成する部品は同じだが、カーボンペーパーに集電体を食い込ませることをせず、カーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.5mmになる点のみ実施例1と異なる燃料電池を50個作成した。
各実施例および比較例の燃料電池を50個ずつ作成して出力を確認した。出力を確認する条件は、燃料に5質量%のメタノール水溶液を使用し、0.2Vの定電圧出力を確認した。
比較例1の出力平均値を100とした場合の、実施例1〜5および比較例1,2による燃料電池の出力平均値を表1に示した。
Figure 2008050640
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5では比較例1、2よりも良好な出力が確認できた。その中で、集電体の開口率が31.2%と小さい実施例4については拡散層の潰れる部分が多く、出力平均値105.0%とやや効果が小さい結果となっており、本発明による燃料電池で使用する集電体の開口率は35%以上が望ましく、より好ましくは50%以上である。
また、空孔率75%のカーボンペーパーを使用しているが、集電体が該当する部分のカーボンペーパーの潰れる割合が37.5%である実施例5の燃料電池も出力平均値が106.5%と効果がやや小さい結果となり、カーボンペーパーの潰し過ぎにより効果が薄れることが確認できた。
[実施例6〜10]
以下に述べる実施例6〜10では複数の単電池を直列に接続した組電池の例である。組電池である以外は、基本的な燃料電池としての構成は実施例1〜5と同様である。
実施例6として、図5に示すような発電部を持つ燃料電池を50個作成した。
集電体7,9は、全体の形状が短冊状に細長い長方形であり、その一辺の中央からリード7a,9aが延び出ている。リード7a,9aは図示しない負荷の両極端子にそれぞれ接続される。集電体の開口部16は、実質的に同じ大きさの長方形であり、縦8列×横6列の合計48が格子状に規則配列されている。
使用する膜電極複合体は同一平面に配置された6つの発電部からなるが、固体電解質膜は共通のものを使用している。固体電解質膜の大きさは106mm×111mmの大きさで、そこに長さGy=100mm、幅Gx=15mmの電極を6個配置するが、電極間の距離Mxや電極からの固体電解質膜のハミ出しMyは全て3mmとした。
各電極のアノード側、カソード側それぞれに対し、長さEy=100mm、幅Ex=11mmの集電体を配置する。配置された集電体、電極外部に引き出される端子部(リード)7a,9aを介して隣接する電極のアノードとカソードが電気的に接続され、6個の電極が直列に接続される。本実施例では集電体の幅Exは電極の幅より狭くなっているが、集電体の幅方向の中心が電極の幅方向の中心に一致するように集電体を配置した。それぞれの集電体には燃料やエアーを取り入れるための孔16を開口しており、本実施例で長さHy=8mm、幅Hx=5mmの孔を長さ方向1列に8箇所空けた。孔の長さ方向の間隔Dy=4mm、幅方向は集電体の中央に孔が位置するようにし、枠部分の幅Dx=3mmとした。
各電極の面積に占める集電体の面積は52%となり、開口率は48%である。
アノード側、カソード側の拡散層にはそれぞれ厚さ0.4mm、空孔率75%のカーボンペーパーを使用した。集電体にはステンレスの表面に金メッキを施した材料を使用し、メッキ後の材料厚みは0.1mmとした。これらの電極膜構造体を集電体で挟み込んだ状態でプレスし、集電体の厚み全体をカーボンペーパーに埋設させ、アノード側、カソード側それぞれのカーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.4mmとなるようにした。
この場合の潰れ率βは、集電体が押し込まれていない部分の拡散層の厚さ0.4mmと、集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分0.1mmとの割合(0.1/0.4)となり25%である。したがって、空孔率αが75%であるため、β≦α/3の関係となる。なお、集電体を拡散層に押し込んでいる部分の拡散層の厚さ減少分は、(プレス前のカーボンペーパーと集電体を合わせた厚み)―(プレス後のカーボンペーパーと集電体を合わせた厚み)である。
[実施例7]
実施例7として、集電体をプレスによりカーボンペーパーに埋設させる際、カーボンペーパーに食い込ませる集電体の厚みを0.05mmとし、アノード側、カソード側それぞれのカーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.45mmになる点のみ実施例6と異なる燃料電池を50個作成した。
電極膜構造体と集電体を合わせた厚みは実施例6より厚くなるが、外装材を締め込むネジのトルクを同じにし、締め付けは実施例と同じにした。後述する厚みの違う例についても同様の処置を施している。
[実施例8]
実施例8として、各電極のアノード側、カソード側それぞれに配置する集電体の大きさを以下の通り変更した以外は実施例6と同じ燃料電池を50個製作した。
使用した集電体は長さEy=100mm、幅Ex=13mmとし、孔の大きさは長さHy=4mm、幅Hx=5mmとした。孔は実施例6同様長さ方向1列に配置するが、孔の数は12箇所とし、孔の長さ方向の間隔Dy=4mm、幅方向は集電体の中央に孔が位置するようにし、枠部分の幅Dx=3mmとした。
各電極に占める集電体の面積は約64.3%となり、開口率は35.7%である。
[実施例9]
各電極のアノード側、カソード側それぞれに配置する集電体の大きさを以下の通り変更した以外は実施例6と同じ燃料電池を50個製作した。
使用した集電体は長さEy=100mm、幅Ex=13mmとし、孔の大きさは長さHy=2mm、幅Hx=5mmとした。孔は実施例1同様長さ方向1列に配置するが、孔の数は16箇所とし、孔の長さ方向の間隔Dy=4mm、幅方向は集電体の中央に孔が位置するようにし、枠部分の幅Dx=3mmとした。
各電極に占める集電体の面積は約71.8%となり、開口率は28.2%である。
[実施例10]
実施例10として、集電体の厚みを0.15mmとする以外は実施例6と同じとし、プレス加工により集電体の厚み全体をカーボンペーパーに埋設させ、アノード側、カソード側それぞれでカーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.4mmとなるようにした燃料電池を50個作成した。
[比較例3]
比較例3として、実施例6と燃料電池を構成する部品は同じだが、電極膜構造体のみプレスしてカーボンペーパーの厚みを0.3mmとなるようにし、その両側に集電体を配置して、カーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.4mmとなるようにした点のみ実施例1と異なる燃料電池を50個作成した。
[比較例4]
比較例4として、実施例6と燃料電池を構成する部品は同じだが、カーボンペーパーに集電体を食い込ませることをせず、カーボンペーパーと集電体を合わせた厚みが0.5mmになる点のみ実施例6と異なる燃料電池を50個作成した。
上記の実施例6〜10および比較例3,4の集電体7,9の各部サイズを表2にまとめて示した。
Figure 2008050640
各実施例および比較例の燃料電池を50個ずつ作成して出力を確認した。出力を確認する条件は、燃料に5質量%のメタノール水溶液を使用し、0.2Vの定電圧出力を確認した。
従来例の一つである比較例3の出力平均値を100とした場合の、実施例6〜10および比較例4による燃料電池の出力平均値を表3に示した。
Figure 2008050640
表3の結果から明らかなように、実施例6〜10では比較例3,4よりも良好な出力が確認できた。その中で、集電体の開口率が28.3%と小さい実施例9については拡散層の潰れる部分が多く、出力平均値101%とやや効果が小さい結果となっており、本発明による燃料電池で使用する集電体の開口率は35%以上が望ましく、より好ましくは50%以上である。
また、空孔率75%のカーボンペーパーを使用しているが、集電体が該当する部分のカーボンペーパーの潰れる割合が37.5%である実施例10の燃料電池も出力平均値が106.5%と効果がやや小さい結果となり、カーボンペーパーの潰し過ぎにより効果が薄れることが確認できた。
以上の実施例1〜10および比較例1〜4より、電解質膜の両面に触媒層および多孔質の拡散層からなる電極が配置された膜電極接合体を発電部に持ち、前記膜電極接合体の両側に配置された集電体を通じて電気エネルギを取り出す燃料電池にあって、集電体を拡散層に侵入させ、カーボンペーパーを潰す割合や集電体の開孔率をコントロールすることで燃料や空気の供給を良好に保つ本発明の燃料電池が良好な特性を示すことが確認できた。
上記の実施の形態では、燃料電池の構造として膜電極接合体(MEA)10の下部に液体燃料収容室14を有するパッシブ方式の燃料電池について説明したが、本発明を他の構造の燃料電池に適用することもできる。例えば図6に示すようなセミパッシブ方式の燃料電池301に本発明を用いるようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
本実施形態に係る燃料電池の発電部301aは、膜電極接合体10と、集電体としてのカソード集電体7及びアノード集電体9とを備えている。膜電極接合体10は、プロトン伝導性の電解質膜6を間に挟んでその両側にカソード触媒層2とアノード触媒層3が熱プレス法で一体成形され、さらにその外側にカソードガス拡散層4とアノードガス拡散層5を有している。さらに、膜電極接合体10のカソードガス拡散層4には正極集電体7が導通し、アノードガス拡散層5には負極集電体9が導通している。正極集電体7は、その一部が図3に示すようにカソードガス拡散層4のなかに侵入している。同様に、負極集電体9は、その一部が図3に示すようにアノードガス拡散層5のなかに侵入している。これら正負一対の集電体7,9を介して発電部で発電された電力が図示しない負荷に出力されるようになっている。
電解質膜6と後述する燃料分配機構301eおよびカバープレート21との間には、それぞれゴム製のOリング8が挿入され、これら一対のOリング8によって燃料電池発電部301aからの燃料漏れや酸化剤漏れを防止するようにしている。
カバープレート21は酸化剤(空気)を取入れるための複数の開口(図示せず)を有している。カバープレート21と発電部301aのカソードとの間には、必要に応じて保湿層や表面層が配置される。保湿層(図示せず)は、カソード触媒層2で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層2への空気の均一拡散を促進するものである。表面層(図示せず)は、空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
発電部301aのアノード側には燃料分配機構301eが配置されている。燃料分配機構301eには配管のような燃料の流路301cを介して燃料収容部301bが接続されている。燃料収容部301bには、発電部301aに対応するタイプの液体燃料が収容されている。
燃料分配機構301eには燃料収容部301bから流路301cを介して燃料が導入される。流路301cは燃料分配機構301eや燃料収容部301bと独立した配管に限られるものではない。例えば、燃料分配機構301eと燃料収容部301bとを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ液体燃料の流路であってもよい。燃料分配機構301eは流路301cを介して燃料収容部301bと接続されていればよい。
ここで、燃料分配機構301eは図7に示すように、燃料が流路301cを介して流入する少なくとも1個の燃料注入口25と、液体燃料やその気化成分を排出する複数個の燃料排出口26とを有する燃料分配板23を備えている。燃料分配板23の内部には図6に示すように空隙部24が形成されている。空隙部24は、燃料注入口25から導入された燃料が通流する一方で一時的に滞留する流路の機能とヘッダの機能を兼ね備えたものである。複数の燃料排出口26は空隙部24にそれぞれ直接連通している。
燃料は、燃料注入口25から燃料分配機構301eに導入され、空隙部24に入り、空隙部24から複数の燃料排出口22にそれぞれ導かれる。複数の燃料排出口22には、例えば燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離体(図示せず)を配置してもよい。これによって、発電部301aのアノード3,5には燃料の気化成分が供給される。なお、気液分離膜(図示せず)を燃料分配機構301eと発電部301aのアノード3,5との間に挿入するようにしてもよい。液体燃料の気化成分は複数の燃料排出口26から発電部301aのアノード3,5の複数個所に向けて排出される。
燃料排出口26は発電部301aの全体に燃料を供給することが可能なように、燃料分配板23が発電部301aのアノード3,5と接する面に複数設けられている。燃料排出口26の個数は2個以上であればよいが、燃料電池発電部301aの面内における燃料供給量を均一化する上で、0.1〜10個/cm2の燃料排出口26が存在するように形成することが好ましい。
燃料分配機構301eと燃料収容部301bの間を接続する流路301cには、ポンプ301dが挿入されている。このポンプ301dは燃料を循環される循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部301bから燃料分配機構301eに燃料を移送する燃料供給ポンプである。このようなポンプ301dで必要時に燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めるものである。この場合、ポンプ301dとしては、少量の燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーベーンポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
このような構成において、燃料収容部301bに収容された液体燃料は、ポンプ301dにより流路301cを移送され、燃料分配機構301eに供給される。そして、燃料分配機構301eから放出された燃料は、発電部301aのアノード3,5に供給される。発電部301a内において、燃料はアノードガス拡散層5を拡散してアノード触媒層3に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層3で所定のメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層2で生成した水や電解質膜6中の水をメタノールと反応させる内部改質反応が生じる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
なお、燃料分配機構301eからMEAへの燃料供給が行われる構成であればポンプ301dに代えて燃料遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
本発明によれば、単電池間を接続する接続部の電気抵抗の小さい燃料電池が提供される。本発明によれば、良好な電池性能が安定して得られるようになり、携帯電話、ノートパソコン、携帯オーディオ、携帯ゲーム機などのモバイル機器の電源としてばらつきの少ない出力特性を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、MEAへ供給される液体燃料の蒸気においても、全て液体燃料の蒸気を供給してもよいが、一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用することができる。

Claims (3)

  1. 電解質膜の両面に触媒層と拡散層を含む電極がそれぞれ配置された膜電極接合体と、発電出力を取り出すために前記両電極の拡散層にそれぞれ面接触する集電体と、を具備する燃料電池であって、
    前記集電体の少なくとも一部が前記拡散層のなかに侵入していることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記集電体は前記拡散層に押し込まれることにより前記集電体の少なくとも一部が前記拡散層のなかに侵入しており、前記集電体を前記拡散層に押し込む前の前記拡散層の体積平均空孔率をα%とし、前記集電体を前記拡散層に押し込んだときの前記拡散層が潰れる部分の潰れ率をβ%とした場合に、β≦α/3の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記集電体として燃料または空気を通流させるための複数の孔が開口する有孔平板を用い、前記有孔平板の開口率を35%以上とすることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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