JPWO2008023634A1 - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
カソード触媒層と、アノード触媒層と、カソード触媒層とアノード触媒層との間に配置されるプロトン伝導膜とを有する膜電極接合体と、カソード触媒層に電気的に導通するカソード導電層と、アノード触媒層に電気的に導通するアノード導電層と、液体燃料を収容する液体燃料収容室と、液体燃料の気化した成分を前記液体燃料収容室からアノード触媒層に選択的に透過させる気液分離膜と、気液分離膜からアノード導電層までの間に形成された気化燃料収容室と、を具備する燃料電池であって、気液分離膜から前記アノード導電層までの距離を0mm以上2mm以下とする燃料電池。
Description
本発明は、携帯機器の動作に有効な平面配置の燃料電池に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の各種電子機器は、半導体技術の発達と共に小型化され、燃料電池をこれらの小型機器用の電源に用いることが試みられている。燃料電池は、燃料と酸化剤を供給するだけで発電することができ、燃料のみを補充・交換すれば連続して発電できるという利点を有している。このため、小型化が出来れば携帯電子機器の作動に極めて有利なシステムといえる。特に直接メタノール燃料電池(DMFC;Direct Methanol Fuel Cell)は、エネルギ密度の高いメタノールを燃料に用い、メタノールから電極触媒上で直接電流を取り出せるため、小型化が可能であり、また燃料の取り扱いも水素ガス燃料に比べて容易なことから小型機器用電源として有望であることから、ノートパソコン、携帯電話、携帯オーディオ、携帯ゲーム機などのコードレス携帯機器に最適な電源としてその実用化が期待されている。
DMFCの燃料供給方法には、気化した液体燃料をブロワ等で燃料電池内に送り込む気体供給方式と、液体燃料をそのままポンプ等で燃料電池内に送り込む液体供給方式とがある。さらに、後者の液体供給方式には、取り込んだ液体燃料を内部で気化して膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)のアノード触媒層において発電反応させる内部気化方式がある。内部気化型のDMFCは、例えば国際公開番号WO2005/112172 A1に開示されている。
しかし、従来の内部気化型のDMFCにおいて、気化燃料収容室の高さを高くしすぎると、すなわち気液分離膜から触媒層を含む膜電極接合体までの距離を過大にすると、膜電極接合体からの反応熱が燃料タンクに伝わり難くなり、これにより液体燃料の気化速度が小さくなり、気化燃料生成量の不足や濃度の低下を生じて、発電初期の出力が不足するおそれがある。
また、気化燃料収容室の容量に対して燃料タンクの容量が相対的に大きくなり、燃料の量的、質的(濃度)ばらつきが増大するばかりでなく、モバイル機器などの小型電子機器に電源として内蔵させる際に不利となる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、起動時の立ち上がりが速く、高い初期出力を得ることができる小型軽量の燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池は、カソード触媒層と、アノード触媒層と、前記カソード触媒層と前記アノード触媒層との間に配置されるプロトン伝導膜とを有する膜電極接合体と、前記カソード触媒層に電気的に導通するカソード導電層と、前記アノード触媒層に電気的に導通するアノード導電層と、液体燃料を収容する液体燃料収容室と、液体燃料の気化した成分を前記液体燃料収容室から前記アノード触媒層に選択的に透過させる気液分離膜と、前記気液分離膜から前記アノード導電層までの間に形成された気化燃料収容室と、を具備する燃料電池であって、前記気液分離膜から前記アノード導電層までの距離L1を0mm以上2mm以下とすることを特徴とする。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための種々の形態を説明する。
図1に示すように気液分離膜13からアノード導電層9までの距離L1を0mm以上2mm以下(0mm≦L≦2mm)とするので、発電部から液体燃料収容室15へ伝わる反応熱の熱量が増え、液体燃料が速やかに気化されて発電初期から高い出力が得られる。距離L1を小さくすればするほど立ち上がりの速い出力特性となる。特に、気液分離膜13からアノード導電層9までの距離L1を2mmにすると、最大限に高い初期出力が得られる(表1)。さらに、距離L1をゼロとし、かつガス拡散層5を無くして距離L2をゼロにした場合、または同様に距離L1をゼロとし、かつアノード導電層9をアノード触媒層3のなかに埋め込み、ガス拡散層5の機能を気液分離膜13または触媒層3に代用させることにより実質的にガス拡散層5を無くして距離L2をゼロにした場合でも、従来よりも高い初期出力が得られる(表1)。一方、距離L1が2mmを超えると、電池サイズが大きくなって携帯機器の内蔵電源に用いるという目的に不利になるばかりでなく、発電部から液体燃料収容室15へ伝わる熱量が不足して液体燃料の気化速度が小さくなるため、初期出力が低下する。このような理由から、本発明では、気液分離膜13からアノード導電層9までの距離L1を0mm以上2mm以下の範囲に規定した。
(第1の実施の形態)
図1を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
燃料電池1は、外側を外装ケース21で覆われ、内部に平面配置・直列接続された複数の単電池を有するものである。燃料電池1は、例えば外装ケース21の端部23を燃料収容室構造体14の外面にかしめ加工することにより、複数の単電池を直列接続し一体化した1つのユニットとして構成されている。なお、外装ケース21と燃料収容室構造体14とをボルトとナット等で締め付けることにより、これらを一体化形成するようにしてもよい。
燃料電池1は、発電部としての膜電極接合体10、集電体としてのカソード導電層7及びアノード導電層9、気液分離膜13、液体燃料スペースとしての燃料収容室構造体14、保温材18、および保湿板19を備えている。膜電極接合体10は、プロトン伝導性のプロトン伝導膜6を間に挟んでその両側にカソード触媒層2とアノード触媒層3が熱プレス法で一体成形され、さらにその外側にカソードガス拡散層4とアノードガス拡散層5を有している。さらに、膜電極接合体10のカソードガス拡散層4にはカソード導電層7が導通し、アノードガス拡散層5にはアノード導電層9が導通している。これら一対の導電層7,9を介して発電部で発電された電力が図示しない負荷に出力されるようになっている。
なお、燃料電池1において、複数の単電池が一体的に形成され、これらの単電池のうちの少なくとも2つが同一平面上に配置されていることが望ましい。携帯機器では厚みサイズが厳しく制限されるため、それに内蔵される燃料電池にも同様の要求があり、複数の単電池を積み重ねるスタック構造を採用することが困難であるため、同一平面上に並べて配置する平置き配置構造を採用する。このように平置き配置する複数の単電池を直列に接続することにより、組電池を形成する。
燃料電池1の内部にはシール部材8としての複数のOリングや剛体フレーム11によって液密にシールされ、これらシール部材8や剛体フレーム11等により種々のスペースや間隙が形成されている。それらのスペースや間隙のうち、例えばカソード側のスペースは保湿板19を有する空気導入部として用いられ、アノード側のスペースは気液分離膜13を介して液体燃料収容室15に連通する気化室16として用いられる。
外装ケース21の主面には複数の通気孔22が所定ピッチ間隔ごとに開口し、内部の保湿板19にそれぞれ連通している。これらの通気孔22は、外気が通過する開口を形成するが、外気の通過を阻害せずに、外部からカソードガス拡散層4への微小あるいは針状の異物の浸入・接触を防止しうるような形状の工夫がされていることが好ましい。
なお、保湿板19は、外装カバー21の通気孔22を通って導入される空気の通過を阻害せず、かつ、カソード触媒層2で発生した水をアノード触媒層3での反応に有効に利用するために、カソード触媒層2で発生した水をアノード触媒層3へプロトン伝導膜6を介して効率的に送るためのものである。この保湿板19には好ましくは気孔率が例えば20〜60%の多孔性フィルムを用いることができる。
外装ケース21の材料には、ステンレス鋼やニッケル金属などの耐食性に優れた金属材料を用いることが望ましいが、金属材料に限られることなく樹脂材料を用いることもでき、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス ピーエルシー社の商標)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの液体燃料で膨潤等を生じにくい硬質の樹脂を用いてもよい。
外装ケース21の外面の一部に断熱材18が貼り付けられ、発電部10のアノード側および気化室16が保温されている。断熱材18には炭素繊維、ガラス繊維、樹脂およびこれらの多孔体材料を用いることができる。なお、本実施の形態では断熱材18を外装ケース21の外面に設けたが、外装ケース21の内面に断熱材18貼り付けるようにしてもよい。
発電部から負極リードとしてのアノード導電層9に電子を取り出して、発電エネルギの効率良い利用を可能とするために、所定空間の気化室16を形成している。気化室16の形状は、矩形状、円筒状、多角形筒状など種々のものとすることができるが、矩形状とすることが好ましい。携帯機器の内部レイアウトを容易にする形状であるからである。気化室16は液体燃料収容室15に隣接して設けられ、両室15,16間は気液分離膜13により仕切られている。気液分離膜13は、その周縁部が剛体フレーム11と燃料収容室構造体14のフランジとの間に挟みこまれた状態で支持されている。気液分離膜13は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートからなり、液体燃料(メタノール液又はその水溶液など)を遮断し、気化燃料(メタノールガスなど)を透過させるものである。
気化室16は、外装ケース21、アノード導電層9および気液分離膜13によって周囲を規定されている。気液分離膜13から発電部のアノード導電層9までの距離L1が2mm以下となるように、気液分離膜13は発電部に近接して配置されている。気液分離膜13からアノード導電層9までの距離L1が短くなるに従って、発電部からの反応熱が液体燃料収容室15内の液体燃料に伝わりやすくなり、液体燃料の気化速度が上昇し、高い初期出力が得られる。ちなみに、電解質膜6の厚さを10〜100μm、アノード触媒層3の厚さを50〜100μm、アノードガス拡散層5の厚さを250〜400μm、アノード導電層9の厚さを10〜30μmとした場合に、気液分離膜13からアノード導電層9までの距離L1を2mm以下とすることが好ましい。
アノード導電層9には複数の気化燃料供給口(図示せず)が開口している。これらの気化燃料供給口は、アノードガス拡散層3の側にそれぞれ連通している。液体燃料収容室15内の液体燃料の一部が気化すると、気化燃料は気液分離膜13を通って気化室16内に入り、さらに気化室16からアノード導電層9の気化燃料供給口を通ってアノード触媒層3の側に導入され、発電反応に寄与する。なお、アノード導電層9は、例えば、金、ニッケルなどの金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔、あるいはステンレス鋼などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材などをそれぞれ使用することができる。
液体燃料収容室15には図示しない液受入口に連通する燃料供給流路(図示せず)が適所に開口している。液受入口には例えばバイオネット式のカプラーが取り付けられ、このカプラーに図示しない燃料カートリッジのノズルが差し込まれ、液体燃料が液体燃料収容室15に補給されるようになっている。
なお、使用される液体燃料は、必ずしもメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、エチレングリコール、ジメチルエーテル、ギ酸、ギ酸水溶液、ギ酸ナトリウム水溶液、水素化ホウ素ナトリウム水溶液、水素化ホウ素カリウム水溶液、水素化リチウム水溶液、もしくはその他の液体燃料であってもよい。中でもメタノール水溶液は、炭素数が1で反応の際に発生するのが炭酸ガスであると共に、低温での発電反応が可能であり、産業廃棄物から比較的容易に製造することができるので好ましい。また、燃料は濃度100%から数%までの範囲で種々の濃度のものを用いることができる。
液体燃料収容室15は、保護カバーとしての外装ケース21および液体燃料収容室構造体14によって周囲を規定される所定容量のスペースからなり、このスペースの適所に図示しない液受入口が開口している。液受入口には例えばバイオネット式のカプラーが取り付けられ、燃料を補給するときを除いて、カプラーにより燃料供給口が閉鎖されている。この燃料電池本体側のカプラーは別体の燃料カートリッジ側のカプラーが液密に係合され得るような形状に形成されている。例えば燃料カートリッジ側カプラーの溝(図示せず)を燃料電池本体側のカプラーの突起に係合させて案内しながら、燃料カートリッジ側カプラーを燃料本体側カプラーのなかに押し込むと、内蔵バルブが開いてカートリッジ側の流路が燃料電池本体側の流路に連通し、燃料カートリッジの内圧によって液体燃料(メタノール液など)が輸送チューブを通って液受入口から液体燃料収容室15内に流入するようになっている。
また、液体燃料収容室15内には液体燃料含浸層(図示せず)が収容されている。液体燃料含浸層には例えば多孔質ポリエステル繊維、多孔質オレフィン系樹脂等多硬質繊維や、連続気泡多孔質体樹脂を用いることが好ましい。液体燃料含浸層は、燃料タンク内の液体燃料が減少した場合や燃料電池本体が傾斜して載置され燃料供給が偏った場合においても、気液分離膜に均質に燃料供給され、その結果、アノード触媒層3に均質に気化された液体燃料を供給することが可能となる。ポリエステル繊維以外にも、アクリル酸系の樹脂などの各種吸水性ポリマーにより構成してもよく、スポンジまたは繊維の集合体など液体の浸透性を利用して液体を保持することができる材料により構成する。本液体燃料含浸部は,本体の姿勢に関わらず適量の燃料を供給するのに有効である。
プロトン伝導膜6は、アノード触媒層3において発生したプロトンをカソード触媒層2に輸送するためのものであり、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な材料により構成されている。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜、具体的には、デュポン社製のナフィオン膜、旭硝子社製のフレミオン膜、あるいは旭化成工業社製のアシプレックス膜などにより構成されている。なお、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜以外にも、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜、あるいは脂肪族炭化水素系樹脂膜などプロトンを輸送可能なプロトン伝導膜6を構成するようにしてもよい。
アノード触媒層3は、ガス拡散層5を介して供給される気化燃料を酸化して燃料から電子とプロトンとを取り出すものである。アノード触媒層3は、例えば、触媒を含む炭素粉末により構成されている。触媒には、例えば、白金(Pt)の微粒子、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)あるいはモリブデン(Mo)などの遷移金属あるいはその酸化物あるいはそれらの合金などの微粒子が用いられる。但し、触媒をルテニウムと白金との合金により構成するようにすれば、一酸化炭素(CO)の吸着による触媒の不活性化を防止することができるので好ましい。
また、アノード触媒層3は、プロトン伝導膜6に用いられる樹脂を含むほうがより望ましい。発生させたプロトンの移動を容易とするためである。アノードガス拡散層5は、例えば多孔質の炭素材料よりなる薄膜で構成され、具体的にはカーボンペーパーまたは炭素繊維などで構成されている。
カソード触媒層2は、酸素を還元して、電子とアノード触媒層3において発生したプロトンとを反応させて水を生成するものであり、例えば上述のアノード触媒層3及びアノードガス拡散層5と同様に構成されている。すなわち、カソードは、固体電解質膜11の側から順に触媒を含む炭素粉末よりなるカソード触媒層3と多孔質の炭素材料よりなるカソードガス拡散層5とが積み重ねられた積層構造をなしている。カソード触媒層2に用いられる触媒はアノード触媒層3のそれと同様であり、アノード触媒層3がプロトン伝導膜6に用いられる樹脂を含む場合があることもアノード触媒層3と同様である。
カソード導電層7は、カソードガス拡散層4の主面に接触導通し、発電電極を織り出すための正極リードとして機能する。カソード導電層7には複数の空気導入孔(図示せず)が開口している。これらの空気導入孔を通って外装ケース21の通気孔22からの空気がカソードガス拡散層4に供給されるようになっている。アノード導電層9は、例えば、金、ニッケルなどの金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔、あるいはステンレス鋼などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材料などをそれぞれ使用することができる。
外装ケース21および燃料収容室構造体14は、ステンレス鋼やニッケル金属などの耐食性に優れた金属材料でつくることができる。この場合、金属イオンの溶出を防ぐために樹脂コーティングを施すことが望ましい。これらをポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス ピーエルシー社の商標)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、などの液体燃料で膨潤等を生じいくい硬質のプラスチックでつくることもできる。
本実施の形態によれば、発電部10から液体燃料収容室15へ伝わる反応熱の熱量が増え、発電初期において液体燃料が速やかに気化されるので、従来よりも高い初期出力を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図3を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施の形態が上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。
次に、図3を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施の形態が上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。
本実施形態に係る燃料電池1Aでは、アノード導電層9Aをアノード触媒層3に積層配置している。すなわち、アノード触媒層3およびアノード導電層9Aをそれぞれ短冊状の細長いストライプとし、アノード触媒層3の上にほぼ同幅のアノード導電層9Aを重ねて置き、アノード導電層9Aをアノード触媒層3を積層配置させている。このようにして一体化した触媒層/導電層アッセンブリを形成している。同様にカソード側においても、カソード導電層7Aをカソード触媒層2に積層配置している。
このような触媒層/導電層アッセンブリに気液分離膜13を直接接触させると、気液分離膜13からアノード導電層9Aまでの距離L1がゼロになる。この場合に、気液分離膜13からアノード触媒層3までの距離L2もゼロになる。
燃料電池において距離L2を小さくすればするほど立ち上がりの速い出力特性となるが、本実施の形態のように距離L2をゼロとしても高い初期出力が得られる。
(第3の実施の形態)
次に、図4を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施の形態が上記の実施の形態と重複する部分の説明は省略する。
次に、図4を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施の形態が上記の実施の形態と重複する部分の説明は省略する。
本実施形態に係る燃料電池1Bでは、アノード導電層9Bをアノード触媒層3と同一平面上に配置している。すなわち、アノード導電層9Bを短冊状の細長いストライプとし、これらを所定の間隔をあけてほぼ平行にアノード触媒層3の上に重ねて置き、これらを一体化させ、触媒層/導電層アッセンブリを形成している。カソード側においても同様にしてカソード導電層7Bをカソード触媒層2のなかに一体化させている。このような触媒層/導電層アッセンブリに気液分離膜13を直接接触させると、気液分離膜13からアノード導電層9Bまでの距離L1がゼロになる。この場合に、気液分離膜13からアノード触媒層3までの距離L2もゼロになる。
燃料電池において距離L2を小さくすればするほど立ち上がりの速い出力特性となるが、本実施の形態のように距離L2をゼロとしても高い初期出力が得られる。
次に、表1および図2、図4、図5を参照して実施例1〜6を比較例1と比べて説明する。
(実施例1)
実施例1として、室温にて一定電圧で発電を行い、その際の電池出力の経時変化を測定するとともに、温度および内圧を同時にモニタリングした。ここで、温度はアノード導電層9の直下の位置で、圧力はL1がゼロを超える場合には気化燃料収容室5の中央部の位置あるいはL1がゼロの場合には隣り合う単電池の間隙の中央部の位置でそれぞれ測定した。一方、濃度は気化燃料収容室16とアノード導電層9との境界位置で解析的に算出した。
実施例1として、室温にて一定電圧で発電を行い、その際の電池出力の経時変化を測定するとともに、温度および内圧を同時にモニタリングした。ここで、温度はアノード導電層9の直下の位置で、圧力はL1がゼロを超える場合には気化燃料収容室5の中央部の位置あるいはL1がゼロの場合には隣り合う単電池の間隙の中央部の位置でそれぞれ測定した。一方、濃度は気化燃料収容室16とアノード導電層9との境界位置で解析的に算出した。
<条件>
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:2.0mm
距離L2:2.43mm
但し、各層の厚みは、測定点を10点とする平均値でそれぞれ表示した。
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:2.0mm
距離L2:2.43mm
但し、各層の厚みは、測定点を10点とする平均値でそれぞれ表示した。
また、距離L1は、図2に示す9つの測定点(1)〜(9)の平均値で表示した。すなわち、距離L1の測定点は、アノード導電層9の4つの隅角部(1),(3),(7),(9)、4辺の中点部(2),(4),(6),(8)、および1つの中央部(5)に対応する位置で得られた値の平均値である。距離L1,L2は、例えば切断方法で切断した断面を測定することで得ることができる。
(実施例2)
実施例2として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
実施例2として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
<条件>
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:0.5mm
距離L2:0.93mm
(実施例3)
実施例3として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:0.5mm
距離L2:0.93mm
(実施例3)
実施例3として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
<条件>
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:1.0mm
距離L2:1.43mm
(実施例4)
実施例4として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:1.0mm
距離L2:1.43mm
(実施例4)
実施例4として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
<条件>
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:1.5mm
距離L2:1.90mm
(実施例5)
実施例5として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:1.5mm
距離L2:1.90mm
(実施例5)
実施例5として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
<条件>
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:1.9mm
距離L2:2.33mm
(実施例6)
実施例6として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:1.9mm
距離L2:2.33mm
(実施例6)
実施例6として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
<条件>
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:ゼロ
距離L2:0.43mm
(比較例1)
比較例1として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:ゼロ
距離L2:0.43mm
(比較例1)
比較例1として下記の条件を満たす燃料電池をそれぞれ連続的に発電動作させて、膜電極接合体の温度と内圧を測定するとともに、長期出力を測定した。その結果を表1に相対値で示した。
<条件>
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:5.0mm
距離L2:5.43mm
単電池の有効面積:70×10mm
単電池の数:6直列
電解質膜の厚さ:45μm
アノード触媒層の厚み:100μm
カソード触媒層の厚み:100μm
アノードガス拡散層の厚み:350μm
カソードガス拡散層の厚み:350μm
アノード導電層の厚み:80μm
カソード導電層の厚み:80μm
距離L1:5.0mm
距離L2:5.43mm
表1に示すように、距離L1が2mmで初期出力が最大になり、距離L1が減少するに従って初期出力が漸次減少することが認められた(実施例1〜6)。また、距離L1が5mmと大きくなると初期出力が低くなることを確認できた(比較例1)。
なお、比較例1の気化燃料濃度の結果を基準値の1とした場合に、実施例1の気化燃料濃度は1.20と比較例1のそれを上回り、また気化室の温度は1.25と比較例1のそれを上回った。これから、実施例1では発電初期において燃料の気化速度が大きく、かつ反応熱が気化室に速やかに伝わることが認められた。
図5は横軸に気液分離膜から集電体までの距離L1(mm)をとり、縦軸に初期出力(相対値)、気化室内の燃料濃度(相対値)、気化室内の温度(相対値)をとって、距離L1が各特性に及ぼす影響について調べた結果をそれぞれ示す特性線図である。図中の特性線P(実線)は初期出力特性を、特性線C(二点鎖線)は気化室内の燃料濃度特性を、特性線T(破線)は気化室内の温度特性をそれぞれ示す。初期出力は、距離L1を2mmに設定した燃料電池の出力を基準値(100)としたときの相対値である。また、気化室内の燃料濃度と温度は、それぞれ距離L1が0mmのところを基準値(100)としたときの相対値である。
図から明らかなように、初期出力Pは距離L1が2mm近辺のところに最大値を有する。また、気化室内の燃料濃度および温度は、距離L1が増加するに従ってそれぞれ低下する傾向にあり、距離L1が2mmを超えると急激に低下している。初期出力だけに注目してみると距離L1が2mmを超えるものであっても使用可能なようにも思われるが、両特性線C,Tに示したように気化室内の燃料濃度と温度が急激に低下するため、燃料供給の状態が不安定となり、出力安定性が低下するおそれがある。したがって、初期出力と出力安定性とのバランスを考慮して、その適切な距離L1の範囲は2mm以下となる。
本発明によれば、アノード触媒層が気液分離膜に近接しているため反応熱が液体燃料収容室に伝わりやすく、液体燃料が速やかに気化され、発電初期から高い出力を得ることができるようになる。このため、ノートパソコン、携帯電話、携帯オーディオ、携帯ゲーム機などのコードレス携帯機器などの電源として起動時の立ち上がりの速い出力特性を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜の組合せにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を省略してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記の説明では、燃料電池の構成として膜電極接合体(MEA)の下部に燃料貯蔵部を有する構造で説明したが、燃料収容部からMEAへの燃料の供給は流路を介するものであってもよい。また、上記実施形態ではパッシブ型の燃料電池の例について説明したが、アクティブ型またはセミパッシブ型の燃料電池にも本発明を適用することができる。ここでセミパッシブ型の燃料電池とは、毛管力および機械的駆動力を利用して液体燃料を供給する方式の燃料電池のことをいう。セミパッシブ型の燃料電池においては、燃料は、燃料収容部からMEAに供給され、MEAで発電反応に消費されてしまい、再び燃料収容部へ戻されることはない。このようにセミパッシブ型の燃料電池では、燃料をシステム内で循環させないことから、アクティブ型とは異なる。また、セミパッシブ型の燃料電池は、装置の小型化を損なうものではない。また、セミパッシブ型の燃料電池は、燃料の供給にポンプを使用しており、純パッシブ型(毛管力のみで燃料を供給する方式)の燃料電池とも異なる。なお、このセミパッシブ型の燃料電池では、燃料収容部からMEAへの燃料供給が行われる構成であればよく、ポンプの代わりに遮断バルブを用いることも可能である。遮断バルブは、毛管力による液体燃料の通流をON/OFF制御するものである。また、MEAへ供給される燃料の蒸気は、全て燃料の蒸気を供給するようにしてもよいが、その一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用することができる。
Claims (6)
- カソード触媒層と、アノード触媒層と、前記カソード触媒層と前記アノード触媒層との間に配置されるプロトン伝導膜とを有する膜電極接合体と、前記カソード触媒層に電気的に導通するカソード導電層と、前記アノード触媒層に電気的に導通するアノード導電層と、液体燃料を収容する液体燃料収容室と、液体燃料の気化した成分を前記液体燃料収容室から前記アノード触媒層に選択的に透過させる気液分離膜と、前記気液分離膜から前記アノード導電層までの間に形成された気化燃料収容室と、を具備する燃料電池であって、
前記気液分離膜から前記アノード導電層までの距離L1を0mm以上2mm以下とすることを特徴とする燃料電池。 - 前記気化燃料収容室の形状が矩形状であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 複数の単電池が一体的に形成され、前記単電池のうちの少なくとも2つが同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記気化燃料収容室の前記気液分離膜側および前記アノード導電層側と接する境界の側壁にシール部材がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記気化燃料収容室の側壁の外面が保温用の断熱材で覆われていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記液体燃料は、濃度が50モル%を超えるメタノール水溶液、またはメタノールの液体であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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