JP2004171844A - 液体燃料電池 - Google Patents

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康夫 有島
Shoji Nishihara
昭二 西原
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博志 柏野
Shinsuke Shibata
進介 柴田
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Abstract

【課題】高濃度の液体燃料を用いてもクロスオーバー現象を抑制でき、エネルギー密度が大きく、小型の液体燃料電池を提供できる。
【解決手段】酸素を還元する正極8と、燃料を酸化する負極9と、正極8と負極9との間に設けられた電解質10と、液体燃料4を含浸・保持し、負極9に液体燃料4を供給する液体燃料含浸部5とを含む液体燃料電池であって、液体燃料含浸部5が、負極9と接する部分に配置され、液体燃料含浸部5が、空隙率が10%〜80%で、連続孔がある多孔体を含む液体燃料電池とし、この多孔体は繊維状多孔体、発泡状多孔体などから形成されていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料として液体を用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウム二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
【0003】
このような状況の中で上記要望に応え得る電池として、固体高分子電解質を用いた燃料電池が期待されている。中でも、液体燃料を直接電池の反応に利用する直接メタノール型燃料電池は、液体燃料の供給に毛管力などを利用することで燃料供給装置などの補器を不要にできることから小型化が可能であり、将来のポータブル電源として有望であるとして期待されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−268836号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記固体高分子電解質としてプロトン導電性固体高分子膜などを用いた場合、メタノールなどの液体燃料が電解質膜を通して正極側に透過してしまうというクロスオーバー現象が生じる。この現象が生じると液体燃料と酸素が直接反応し、燃料電池の電圧や出力が低下し、燃料効率も悪くなるという問題が生じる。
【0006】
このクロスオーバー現象を抑制する方法としては、従来から液体燃料の濃度を下げることが有効であるとされてきた。しかし、液体燃料の濃度を下げると燃料電池のエネルギー密度が低下するという問題がある。
【0007】
そこで、液体燃料の濃度を下げずにこのクロスオーバー現象を抑制する方法が種々研究されている。例えば、電解質膜の改良による方法、負極の拡散層に撥水処理を施し、液体燃料の供給速度を制御する方法などが提案されている。しかし、いずれも未だ実用化には至っていない。
【0008】
本発明は、例えば50質量%以上の高濃度の液体燃料を用いてもクロスオーバー現象を抑制でき、エネルギー密度が大きく、小型の液体燃料電池を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質と、液体燃料を含浸・保持し、負極に液体燃料を供給する液体燃料含浸部とを含む液体燃料電池であって、
前記液体燃料含浸部が、前記負極と接する部分に配置され、
前記液体燃料含浸部が、空隙率が10%〜80%で、連続孔がある多孔体を含むことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
本発明の一実施形態は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、正極と負極との間に設けられた電解質と、液体燃料を含浸・保持し、負極に液体燃料を供給する液体燃料含浸部とを含む液体燃料電池であり、この液体燃料含浸部が、負極と接する部分に配置されているとともに、空隙率が10%〜80%、より好ましくは10%〜60%、さらに好ましくは10%〜30%で、連続孔がある多孔体を含んでいる液体燃料電池である。
【0012】
これにより、液体燃料含浸部を通過して負極に達する液体燃料の供給速度が低下するため、発電で消費される液体燃料の量が、供給される液体燃料の量より多くなり、その結果、負極へ供給される液体燃料の濃度が低下する。従って、高濃度の液体燃料を使用しても、負極に直接供給される液体燃料の濃度は低下することになるため、前述のクロスオーバー現象を抑制することができ、電池のエネルギー密度を大きくできる。連続孔がある多孔体の空隙率が10%未満であると液体燃料の供給速度が遅くなりすぎて電圧や出力が低下する。また、空隙率が80%を超えると液体燃料の供給速度が速くなりすぎてクロスオーバー現象を抑制できない。
【0013】
この連続孔がある多孔体としては、液体燃料の供給量を制御することができ、液体燃料に対して不活性であり、耐酸化性などを有すればその種類は問わないが、繊維状多孔体、発泡状多孔体などが好ましい。また、その材質としては、例えば、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、メチルペンテン、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンアクリレート、エチレンテレフタレートなどの高分子材料、メチルセルロースなどの紙材料、ガラス繊維、脱脂綿などを1種または2種以上用いることができる。
【0014】
また、本実施形態の液体燃料電池は、負極と接する部分に燃料供給孔をさらに含み、この燃料供給孔内に上記液体燃料含浸部が配置されていることが好ましい。これにより、液体燃料含浸部に含まれる多孔体の毛管力により負極に液体燃料を供給できるとともに、液体燃料の供給速度を制御できるからである。
【0015】
また、本実施形態の液体燃料電池は、さらに液体燃料貯蔵部を含むことが好ましい。これにより、外部から液体燃料を常時供給する必要がなくなり、燃料電池の携帯性を向上できる。また、その液体燃料貯蔵部は着脱可能であることが好ましい。液体燃料の交換・補充が容易となるからである。
【0016】
また、本実施形態の液体燃料電池の正極と、負極と、電解質とは、電極・電解質一体化物を形成し、複数の電極・電解質一体化物が同一平面上に配置されていることが好ましい。電池の厚さを薄くすることができるからである。
【0017】
正極は、例えば、多孔性の炭素材料を含む拡散層と、触媒を担持した炭素粉末を含む触媒層とを積層して構成される。この触媒層は酸素を電気化学的に還元する機能を有しており、その触媒には、例えば、白金微粒子や、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウムまたは金などと白金との合金微粒子などが用いられる。
また、上記触媒層には、PTFE樹脂やプロトン交換樹脂が含まれる場合がある。プロトン交換樹脂としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂やスルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂などを用いることができる。
【0018】
電解質としては、電子伝導性を持たずプロトンを輸送することが可能な材料により構成された固体電解質を用いることができる。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂膜、具体的には、デュポン社製の“ナフィオン”(商品名)、旭硝子社製の“フレミオン”(商品名)、旭化成工業社製の“アシプレックス”(商品名)などにより固体電解質膜を構成することができる。その他では、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂膜、スルホン化ポリイミド樹脂膜、硫酸ドープポリベンズイミダゾール膜、固体電解質であるリン酸ドープSiO膜、高分子と固体電解質のハイブリッド膜、または高分子および酸化物に酸性溶液を含浸したゲル電解質などからも構成することができる。
【0019】
負極は、例えば、多孔性の炭素材料を含む拡散層と、触媒を担持した炭素粉末を含む触媒層とを積層して構成される。この触媒層は、燃料からプロトンを生成する機能、即ち燃料を電気化学的に酸化する機能を有しており、その触媒には、例えば、白金微粒子単独、またはルテニウム、インジウム、イリジウム、スズ、鉄、チタン、金、銀、クロム、ケイ素、亜鉛、マンガン、モリブデン、タングステン、レニウム、アルミニウム、鉛、パラジウム、オスミウムなどと白金との合金微粒子などが用いられる。
【0020】
液体燃料としては、例えば、メタノール水溶液、エタノール水溶液、1−プロパノール水溶液、2−プロパノール水溶液、ジメチルエーテル水溶液、水素化ホウ素ナトリウム水溶液、水素化ホウ素カリウム水溶液、水素化ホウ素リチウム水溶液などが用いられる。液体燃料の溶媒である水に対する溶質の濃度は、5質量%〜65質量%が好ましく、より好ましくは20質量%〜65質量%、さらに好ましくは50質量%〜65質量%である。5質量%未満では電池のエネルギー密度が低下し、65質量%を超えると固体電解質が溶解するおそれがあるからである。
【0021】
なお、液体燃料の酸化剤については、正極と接する部分に設けた空気孔を通して取り入れる大気中の酸素が用いられる。
【0022】
また、発電反応により負極で生成する二酸化炭素などについては、液体燃料貯蔵部または液体燃料電池本体に、気液分離膜を装着した気液分離孔を設けることで電池外に排出することができる。即ち、この気液分離膜は細孔を持つ例えばPTFE製シートからなり、液体燃料を漏液させることなく、負極で生成する二酸化炭素などを電池外へ放出させることができる。
【0023】
次に、本発明を図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施形態における液体燃料電池の断面図である。正極8は、例えば、多孔性の炭素材料からなる拡散層8aと、触媒を担持した炭素粉末からなる触媒層8bとを積層して構成される。固体電解質10は、電子伝導性を持たずプロトンを輸送することが可能な材料により構成される。負極9は、拡散層9aと触媒層9bとからなり、燃料からプロトンを生成する機能、即ち燃料を酸化する機能を有しており、例えば、上記正極と同様に構成することができる。
【0024】
上記正極8、負極9および固体電解質10は、積層されて電極・電解質一体化物を構成している。また、この電極・電解質一体化物は同一電池容器内の同一平面上に複数個備えられている。
【0025】
負極9の固体電解質10と反対側には液体燃料4を貯蔵する液体燃料貯蔵部3が隣接して設けられている。なお、この液体燃料貯蔵部3は前述のとおり着脱可能とすることができる。液体燃料貯蔵部3は、例えば、PTFE、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂や、ステンレス鋼などの耐食性金属から構成することができる。ただし、液体燃料貯蔵部3を金属で構成する場合には、同一電池容器内に配置されているそれぞれの負極同士が電気的に短絡しないように、液体燃料貯蔵部3の表面を絶縁体で被覆する必要がある。液体燃料貯蔵部3の負極9と接する部分には燃料供給孔3aが設けられており、この部分から液体燃料4が負極9へと供給される。
【0026】
また、液体燃料を含浸して保持し且つ負極に液体燃料を供給する液体燃料含浸部5が、上記燃料供給孔3a内に設けられている。液体燃料含浸部5は、液体燃料4の供給量を制御することができ、連続孔がある多孔体を含んでいる。また、図示していないが、液体燃料貯蔵部3内の少なくとも一部にも液体燃料含浸部5を配置することができる。これにより、液体燃料4が消費されても、液体燃料4を燃料供給孔3aまで吸上げることができ、液体燃料4を最後まで使い切ることができる。
【0027】
正極8の固体電解質10と反対側にはカバー板2が設けられており、カバー板2の正極8と接する部分には空気孔1が設けられている。これにより、空気孔1を通して大気中の酸素が正極8と接することになる。カバー板2の端部には、カバー板2と液体燃料貯蔵部3を貫通する気液分離孔6bが設けられている。この気液分離孔6bは脱着可能な気液分離膜6aを備えている。この気液分離膜6aは細孔を持つPTFE製シートなどからなり、放電反応で生成した二酸化炭素などを、液体燃料4を漏液させることなく外部へ放出させることができる。また、気液分離膜6aを脱着可能とすることで、液体燃料を補充する時の充填口ともなる。気液分離孔6b、カバー板2および空気孔1は、例えば、液体燃料貯蔵部3と同様の材料から構成することができる。
【0028】
隣接する正極8と負極9との間には集電体7が設置されており、両者は電気的に接続されている。集電体7は隣接する電極・電解質一体化物を電気的に直列に接続する役割を持ち、同一電池容器内に並べられた全ての電極・電解質一体化物は集電体7によって電気的に直列に接続されている。集電体7は、例えば、白金、金などの貴金属や、ステンレス鋼などの耐食性金属、またはカーボンなどから構成することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の液体燃料電池を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
以下のようにして、図1と同様の構造の実施例1の液体燃料電池を作製した。
【0031】
正極は次のようにして作製した。先ず、ライオンアクゾ社製の“ケッチェンブラックEC”(商品名)を50質量部、平均粒子径3nmの白金微粒子を50質量部担持した白金担持カーボンを10質量部、エレクトロケミ(Electrochem)社製のプロトン導電性物質“ナフィオン(Nafion)”(商品名、固形分濃度5質量%)を75質量部、バインダとしてダイキン社製のポリテトラフルオロエチレンエマルジョン溶液“D1”(商品名、エマルジョン濃度60質量%)を10質量部および水を5質量部準備した。これらをホモジナイザーで混合分散し、拡散層であるカーボンクロスに白金量が8mg/cmになるように塗布して乾燥した。次に、120℃、10MPaの条件で2分間熱プレスを行ない電極として成型し、正極を得た。
【0032】
負極は次のように作製した。先ず、上記“ケッチェンブラックEC”を50質量部、平均粒子径3nmの白金ルテニウム合金(合金比1:1)微粒子を50質量部担持した白金担持カーボンを10質量部、上記“ナフィオン”を75質量部、バインダとして上記ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン溶液“D1”を10質量部および水を5質量部準備した。これらをホモジナイザーで均一に混合分散し、拡散層であるカーボンクロスに白金量が8mg/cmになるように塗布して乾燥した。次に、120℃、10MPaの条件で2分間熱プレスを行ない電極として成型し、負極を得た。
【0033】
電解質は、デュポン社製の固体高分子膜“ナフィオン117”(商品名)を用い、正極および負極でこの固体電解質を挟持し、120℃、10MPaの条件で3分間熱プレスを行ない、電極・電解質一体化物を作製した。なお、電極面積は正極、負極ともに10cmとした。
【0034】
カバー板および液体燃料貯蔵部は、ステンレス(SUS316)に絶縁性の塗膜として日本ペイント社製のフェノール樹脂系塗料“マイカスA”(商品名)を塗布したもので構成した。正極集電体は厚さ10μmの金製のシートからなり、エポキシ樹脂を用いて正極と接着した。液体燃料としては、5質量%のメタノール水溶液を用いた。負極集電体は正極集電体と同様の材質からなるメッシュ状シートで構成した。気液分離膜は細孔を持つPTFE製の膜から構成した。
【0035】
また、液体燃料を含浸・保持し、負極に液体燃料を供給する液体燃料含浸部を燃料供給孔内に配置した。この液体燃料含浸部は、連続孔がある多孔体である空隙率80%、繊維径7μmのガラス繊維から構成した。
【0036】
(実施例2)
液体燃料として10質量%のメタノール水溶液、多孔体として空隙率70%、繊維径7μmのガラス繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の液体燃料電池を作製した。
【0037】
(実施例3)
液体燃料として20質量%のメタノール水溶液、多孔体として空隙率60%、繊維径7μmのガラス繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例3の液体燃料電池を作製した。
【0038】
(実施例4)
液体燃料として50質量%のメタノール水溶液、多孔体として空隙率30%、繊維径7μmのガラス繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例4の液体燃料電池を作製した。
【0039】
(実施例5)
液体燃料として65質量%のメタノール水溶液、多孔体として空隙率10%、繊維径7μmのガラス繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例5の液体燃料電池を作製した。
【0040】
(比較例1)
液体燃料として5質量%のメタノール水溶液、多孔体として空隙率85%、繊維径7μmのガラス繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の液体燃料電池を作製した。
【0041】
(比較例2)
液体燃料として65質量%のメタノール水溶液、多孔体として空隙率5%、繊維径7μmのガラス繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例2の液体燃料電池を作製した。
【0042】
実施例1〜5および比較例1、2の電池を用いてメタノールのクロスオーバー量を測定した。実際に正極を透過したメタノール量を測定することは困難であるので、ここでは温度25℃で、燃料電池の正極と負極との間に0.9Vの電圧を外部から加え、正極を透過したメタノールを正極(空気極)側で酸素と反応させ、その反応により発生した電流値を測定してクロスオーバー量の大きさを評価した。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004171844
【0044】
表1から明らかなように、連続孔がある多孔体の空隙率を10%〜80%とした実施例1〜5では、メタノール水溶液の有効濃度である5質量%〜65質量%においてクロスオーバー量を低減できることが分かる。特に、ガラス繊維の空隙率が10%〜30%の範囲では、メタノールの濃度が50質量%〜65質量%の高濃度の範囲であってもクロスオーバー量を低減できる。
【0045】
一方、ガラス繊維の空隙率が80%を超えた比較例1では、液体燃料の供給速度が速くなりすぎてクロスオーバー現象を低減できなかった。また、ガラス繊維の空隙率が10%未満である比較例2では、クロスオーバー量は低減するが、液体燃料の供給速度が遅くなりすぎて電池の出力が低下した。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の液体燃料電池は、高濃度の液体燃料を用いてもクロスオーバー現象を抑制でき、エネルギー密度が大きく、小型の液体燃料電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における液体燃料電池の断面図である。
【符号の説明】
1 空気孔
2 カバー板
3 液体燃料貯蔵部
3a 燃料供給孔
4 液体燃料
5 液体燃料含浸部
6a 気液分離膜
6b 気液分離孔
7 集電体
8 正極
8a 拡散層
8b 触媒層
9 負極
9a 拡散層
9b 触媒層
10 固体電解質

Claims (7)

  1. 酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質と、液体燃料を含浸・保持し、負極に前記液体燃料を供給する液体燃料含浸部とを含む液体燃料電池であって、
    前記液体燃料含浸部が、前記負極と接する部分に配置され、
    前記液体燃料含浸部が、空隙率が10%〜80%で、連続孔がある多孔体を含むことを特徴とする液体燃料電池。
  2. 前記多孔体が、繊維状多孔体および発泡状多孔体から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の液体燃料電池。
  3. 前記多孔体が、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、メチルペンテン、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンアクリレート、エチレンテレフタレート、メチルセルロース、ガラス繊維および脱脂綿から選ばれる少なくとも一つからなる請求項1または2に記載の液体燃料電池。
  4. 前記負極と接する部分に燃料供給孔をさらに含み、前記燃料供給孔内に前記液体燃料含浸部が配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の液体燃料電池。
  5. さらに液体燃料貯蔵部を含む請求項1〜4のいずれかに記載の液体燃料電池。
  6. 前記液体燃料貯蔵部が、着脱可能である請求項5に記載の液体燃料電池。
  7. 前記正極と、前記負極と、前記電解質とが、電極・電解質一体化物を形成し、複数の前記電極・電解質一体化物が同一平面上に配置されている請求項1〜6のいずれかに記載の液体燃料電池。
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