JP2010211959A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気極で生成された水の蒸散を抑制しつつ、燃料電池の発電反応で生じた熱の系外への放出性を向上させる。
【解決手段】燃料電池1は、膜電極接合体(MEA)12を備える起電部2と、MEA12の空気極10上に積層された保湿板17と、起電部2と保湿板17との積層体を保持するカバープレート22と、液体燃料を収容する燃料収容部4と、燃料収容部4から燃料極7に燃料を供給する燃料供給機構3とを具備する。保湿板17には、熱伝導性と保湿性とを兼ね備える材料として、金属多孔質体が用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は液体燃料を用いた燃料電池に関する。
直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源や充電器として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させる内部気化型等のパッシブ方式が知られている。さらに、パッシブ方式に準じた方式として、燃料供給ポンプ等を用いて燃料収容部から電池内部に液体燃料を供給し、液体燃料を電池内部で気化させる方式(セミパッシブ方式)等も知られている。
DMFCは燃料極、電解質膜および空気極を有する膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を起電部として備えている。このようなDMFCにおいて、燃料極(アノード)側に供給されるメタノール(燃料)は水と反応して水素イオンを生じさせる。水素イオンはプロトン伝導性の電解質膜を経由して空気極(カソード)側に移動し、空気中の酸素と結合して水を生成する。この反応における水素イオンの燃料極から空気極への移動に基づいて発電が行われる。
燃料極(アノード)側ではメタノールを水と反応させるため、燃料極に気化成分として供給されるメタノール量に対応した水が必要とされる。液体燃料にメタノール水溶液を用いた場合、メタノールと共に気化された水が燃料極に供給されるが、水はメタノールに比べて蒸気圧が低いことから、メタノール量に対して水の量が相対的に不足するおそれがある。特に、液体燃料として高濃度のメタノール水溶液や純メタノールを用いた場合には、燃料極に供給する水量が不足する。そこで、空気極で生成した水を燃料極に還流させるように、空気極上に保湿板を積層した構造が提案されている(特許文献1,2参照)。
空気極上に積層される保湿板には、例えばポリエチレン樹脂やポリウレタン樹脂の多孔質板(樹脂製多孔質板)が用いられている。保湿板は空気極側で生成される水の蒸散を抑制することによって、空気極から燃料極への水の還流を促進するものである。このような保湿板を適用することによって、燃料極におけるメタノールの内部改質反応に必要とされる水の量を確保することができる。しかしながら、樹脂製多孔質板からなる保湿板は熱伝導性に劣ることから、発電反応で生じた熱の系外への放出を妨げる要因となる。
燃料電池を携帯用電子機器の電源や充電器に適用する場合、燃料電池自体の小型化等を図る上で、発電反応で生じた熱を自然空冷によって系外に放出する必要がある。燃料電池からの放熱が不十分であると燃料電池の温度が上昇し、例えばメタノール等の液体燃料が燃料極から空気極へ通過するクロスオーバーが発生する。クロスオーバーは燃料電池の発電効率や出力の低下、また電池寿命の減少等を招く要因となる。そこで、空気極からの水の蒸散を抑制しつつ、燃料電池の放熱性を高めることが求められている。
特許文献3には起電部に金属多孔質体を用いた燃料電池が記載されている。ここで用いられている金属多孔質体は燃料極および空気極の集電体を構成するものである。金属多孔質体は導電性と通気性とを兼ね備える材料として使用されており、空気極からの水の蒸散を抑制する保湿板としての機能は考慮されていない。さらに、特許文献3では発電反応によって生じた水蒸気や水の排出性を高めるために、集電体を構成する金属多孔質体の表面に撥水処理を施しており、この点からも保水性は期待されていない。
特開2007−095558号公報 特開2006−269126号公報 特開2006−164947号公報
本発明の目的は、空気極からの水の蒸散を抑制しつつ、放熱性を高めることを可能にした燃料電池を提供することにある。
本発明の態様に係る燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体を備える起電部と;前記膜電極接合体の前記空気極上に積層され、金属多孔質体からなる保湿板と;前記起電部と前記保湿板との積層体を、前記保湿板上から保持するように取り付けられ、前記空気極に空気を導入する開口部を有するカバープレートと;液体燃料を収容する燃料収容部と;前記燃料収容部から前記燃料極に燃料を供給する燃料供給機構と;を具備することを特徴としている。
本発明の態様に係る燃料電池においては、空気極上に積層される保湿板に金属多孔質体を適用しているため、空気極からの水の蒸散を抑制しつつ、燃料電池自体の放熱性を高めることができる。従って、電池温度の過剰な上昇に伴う不都合を解消し、発電効率や出力の向上、また長寿命化等を図った燃料電池を提供することが可能となる。
本発明の実施形態による燃料電池の構成を示す断面図である。 図1に示す燃料電池の起電部の一例を示す断面図である。 図2に示す起電部の平面図である。 図1に示す燃料電池の燃料供給部の一例を示す斜視図である。 図4に示す燃料供給部の平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態による燃料電池の構成を示す断面図である。図1に示す燃料電池1は、膜電極接合体(MEA)を備える起電部2と、起電部2に燃料を供給する燃料供給機構3と、液体燃料を収容する燃料収容部4とから主として構成されている。
起電部2は、アノード触媒層5とアノードガス拡散層6とを有するアノード(燃料極)7と、カソード触媒層8とカソードガス拡散層9とを有するカソード(空気極/酸化剤極)10と、アノード触媒層5とカソード触媒層8とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜11とから構成される膜電極接合体(MEA)12を備えている。電解質膜11はアノード触媒層5およびカソード触媒層8と接している。
電解質膜11は、例えばプロトン(水素イオン)伝導性の高分子膜により構成される。プロトン伝導性の高分子材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料が挙げられる。プロトン伝導性の高分子膜は例えば20〜130μmの範囲の厚さを有する。
アノード触媒層5やカソード触媒層8に含有される触媒としては、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層5にはメタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有し、かつメタノールから水素を引き抜く脱水素反応を生じさせやすいPt−RuやPt−Mo等のPt合金を用いることが好ましい。カソード触媒層8にはPt、Pt−Ni等のPt合金、Pd、Pd−Pt等のPd合金を用いることが好ましい。触媒は炭素材料等の導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
アノード触媒層5に積層されるアノードガス拡散層6は、アノード触媒層5に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層5の集電機能を有するものである。カソード触媒層8に積層されるカソードガス拡散層9は、カソード触媒層8に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層8の集電機能を有するものである。アノードガス拡散層6やカソードガス拡散層9は、例えばカーボンペーパーやカーボンクロス等の導電性を有する多孔質基材で構成されている。
MEA12をアノード集電体13とカソード集電体14とで挟み込むことによって、燃料電池1の起電部2が構成されている。アノードガス拡散層6はアノード集電体13と積層されている。カソードガス拡散層9はカソード集電体14と積層される。集電体13、14にはAuやNi等の導電性金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)や箔体、ステンレス鋼のような導電性金属材料にAu等の良導電性金属を被覆した複合材等が用いられる。集電体13、14は燃料や空気を流通させる貫通孔を有している。起電部2はOリング等のシール部材15でシールされている。
起電部2は図2や図3に示すように、電解質膜11を介して配置されたアノード(燃料極)7とカソード(空気極)10とで構成される単セル16を複数有している。これら複数の単セル16、16…は電解質膜11の平面内に分離して配置され、かつ集電体13、14により電気的に接続されている。複数の単セル16、16…は直列に接続されている。起電部2上には保湿板17が配置されている。保湿板17はMEA12のカソード(空気極)10上に積層されている。保湿板17は複数の単セル16を覆うように配置されている。なお、図3では保湿板17を図示していない。
保湿層17はカソード触媒層8で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層8への空気の均一拡散を促進するものである。この実施形態の燃料電池1においては、保湿層17に金属多孔質体を適用している。金属多孔質体は気孔率やそれに基づく透気抵抗によって、水の蒸散を抑制する機能を有するものである。その上で、金属多孔質体を形成する金属材料自体の熱伝導率に基づいて、保湿層17の熱伝導性を向上させることが可能となる。金属多孔質体は熱伝導性と保湿性とを兼ね備える材料として保湿層17に適用されているものである。
保湿層17を構成する金属多孔質体には、例えばステンレス、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、あるいはそれらの合金からなる焼結金属や発泡金属等を使用することが好ましい。さらに、金属多孔質体は1〜1000μmの範囲の平均孔径と20〜80%の範囲の気孔率とを有することが好ましい。このような金属多孔質体は良熱伝導性と保湿性とを兼ね備えるものである。金属多孔質体の平均孔径が1μm未満であったり、気孔率が20%未満であると、カソード(空気極)10への空気の供給性が低下するおそれがある。金属多孔質体の平均孔径が1000μmを超えたり、気孔率が80%を超えると、カソード(空気極)10で生成された水の蒸散を抑制する効果(保湿性)が低下しやすい。
上述したように、保湿層17を構成する金属多孔質体は熱伝導性と保湿性とを兼ね備える材料であればよく、導電性は必要とされない。図2に示したように、複数の単セル16、16…上に保湿板17を積層する際には、金属多孔質体は少なくとも単セル16との接触面に絶縁性を付与する必要がある。このような場合、単セル16(空気極10)との接触面に絶縁処理、例えばフッ素樹脂を吹き付けて絶縁処理した金属多孔質体を使用する。あるいは、単セル16(空気極10)と金属多孔質体からなる保湿板17との間に絶縁フィルム(例えば透気性を有するポリエチレン樹脂フィルム)を配置してもよい。
起電部2は燃料拡散室18を形成する容器19上に配置されている。容器19は上部が開口された箱状の形状を有している。このような容器19の開口部側にMEA12のアノード7が位置するように起電部2が配置されている。容器19内には燃料拡散材20が配置されている。燃料拡散材20は板状の多孔質材料等で形成されており、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等からなる樹脂製多孔質板が用いられる。燃料拡散室18、容器19および燃料拡散材20は、アノード7の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ供給する燃料供給部21を構成するものである。
そして、燃料拡散材20が配置された容器19上に起電部2と保湿層17とを積層し、さらにその上から例えばステンレス製のカバープレート22を被せて全体を保持することによって、この実施形態の燃料電池(DMFC)1の発電ユニットが構成されている。カバープレート22は起電部2をカソード(空気極)10側から保持するものであり、空気取入れ用の開口部23を有している。カソード(空気極)10には開口部23を介して自然吸気により空気が取り込まれる。なお、保湿層17とカバープレート22との間には必要に応じて表面層が配置される。表面層は空気の取入れ量を調整するものであり、自然吸気による空気の取入れ量に応じて個数や大きさが調整された複数の空気導入口を有する。
燃料拡散材20は容器19に設けられた燃料注入部24と接している。燃料注入部24は配管のような液体燃料の流路25を介して燃料収容部4と接続されている。燃料収容部4にはMEA12に応じた液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。液体燃料はこれに限られるものではない。液体燃料はエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。
流路25にはポンプ26が介在されている。ポンプ26は燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部4から燃料供給部21に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。燃料供給部21からMEA12に供給された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。燃料電池1は燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。液体燃料の供給にポンプ26を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。燃料電池1はセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
ポンプ26の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーベーンポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。
燃料供給部21から放出された燃料は、MEA12のアノード(燃料極)7に供給される。MEA12内において、燃料はアノードガス拡散層6を拡散してアノード触媒層5に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層5で下記の式(1)に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層8で生成した水や電解質膜11中の水をメタノールと反応させて式(1)の内部改質反応を生起させる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は集電体13を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体14を経由してカソード(空気極)10に導かれる。式(1)の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜11を経てカソード10に導かれる。カソード10には酸化剤として空気が供給される。カソード10に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層8で空気中の酸素と下記の式(2)にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
この実施形態の燃料電池1においては、金属多孔質体からなる保湿板17を適用している。金属多孔質体は気孔率や透気抵抗に基づく保湿性(水の蒸散を抑制する機能)と金属材料の熱伝導率に基づく良熱伝導性とを有するものである。従って、カソード(空気極)10で生成された水の蒸散を抑制し、アノード(燃料極)7への水の還流を促進した上で、保湿板17の熱伝導性を向上させることが可能となる。すなわち、起電部2における発電反応によって生じた熱を、保湿板17を介して系外に良好に放出することができる。
例えば、多孔質ポリエチレン樹脂からなる保湿板の有効熱伝導率を1とした場合、気孔率が75%の発泡ステンレスの有効熱伝導率は10〜15程度、また気孔率が75%の発泡アルミニウムの有効熱伝導率は約150、気孔率が75%の発泡銅の有効熱伝導率は約300である。このような金属多孔質体からなる保湿板17を、発熱体であるMEA12から放熱面(カパープレート22の表面)までの熱伝達経路に介在させることによって、燃料電池1全体の放熱量を大幅に向上させることができる。
従って、起電部2の過剰な温度上昇が抑制され、燃料電池1の出力特性等を向上させることが可能となる。すなわち、過剰な温度上昇に伴うクロスオーバーの発生、またクロスオーバーに起因する発電効率や出力の低下、さらには電池寿命の低下等を抑制することができる。これらによって、出力特性や寿命特性等に優れる燃料電池1を提供することが可能となる。なお、この実施形態の燃料電池1においては、金属多孔質体からなる保湿板17を使用しているが、保湿板17は金属多孔質体と同等の熱伝導性と保湿性を有するセラミックス多孔質体で構成することも可能である。
上述した実施形態では燃料を面方向に分散させつつ供給する燃料供給部21として、燃料拡散室18内に配置した燃料拡散材20を適用しているが、燃料供給部21の構成はこれに限られるものではない。燃料供給部21は例えば図4および図5に示すように、燃料注入口31と複数の燃料排出口32とを細管33のような燃料通路で接続した燃料分配板34で構成することも可能である。
図4および図5に示す燃料供給部21は、液体燃料が流入する少なくとも1個の燃料注入口31と、液体燃料もしくはその気化成分を排出する複数個の燃料排出口32とを有する燃料分配板34を備えている。燃料分配板34の内部には、液体燃料の通路として機能する細管33が形成されている。細管33の一端(始端部)には燃料注入口31が設けられている。細管33は途中で複数に分岐しており、これら分岐した細管33の各終端部に燃料排出口32がそれぞれ設けられている。
さらに、上述した実施形態は本発明をセミパッシブ型の燃料電池に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。金属多孔質体からなる保湿板17は純パッシブ型の燃料電池に対しても適用可能である。本発明はパッシブ型やセミパッシブ型等の燃料電池に適用することができる。これらの場合に空気極10で生じた水の蒸散を抑制しつつ、発電反応に伴う熱の系外への放出性を高めることができる。
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組合せたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除する等、種々の変形が可能である。
1…燃料電池、2…起電部、3…燃料供給機構、4…燃料収容部、5…アノード触媒層、6…アノードガス拡散層、7…アノード(燃料極)、8…カソード触媒層、9…カソードガス拡散層、10…カソード(空気極)、11…電解質膜、12…MEA、13…アノード集電体、14…カソード集電体、16…単セル、17…保湿板、18…燃料拡散室、19…容器、20…燃料拡散材、21…燃料供給部、22…カバープレート、23…開口部、25…流路、26…ポンプ。

Claims (5)

  1. 燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体を備える起電部と;
    前記膜電極接合体の前記空気極上に積層され、金属多孔質体からなる保湿板と;
    前記起電部と前記保湿板との積層体を、前記保湿板上から保持するように取り付けられ、前記空気極に空気を導入する開口部を有するカバープレートと;
    液体燃料を収容する燃料収容部と;
    前記燃料収容部から前記燃料極に燃料を供給する燃料供給機構と
    を具備を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、
    前記金属多孔質体は1〜1000μmの範囲の平均孔径および20〜80%の範囲の気孔率を有することを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2記載の燃料電池において、
    前記金属多孔質体は発泡ステンレス、発泡アルミニウム、または発泡銅からなることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1記載の燃料電池において、
    前記保湿板は少なくとも前記空気極と接する面に絶縁処理が施されていることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1記載の燃料電池において、
    さらに、前記膜電極接合体の前記空気極と前記保湿板との間に配置された絶縁フィルムを具備することを特徴とする燃料電池。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109860674A (zh) * 2019-01-21 2019-06-07 西安交通大学 一种弹性势能驱动直接甲醇燃料电池及其工作方法

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