JPWO2008056615A1 - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

電解質膜と、電解質膜の一方側の面に積層され、少なくとも2種類の異なる形状または大きさに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数のカソード電極と、電解質膜の他方側の面に積層され、少なくとも2種類の異なる形状または大きさに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数のアノード電極と、発電出力を取り出すために複数のカソード電極および複数のアノード電極を直列に接続する集電体とを有する。本発明によれば、膜電極接合体における複数の電極について、温度が高く出力が出やすい部分と温度が低く出力が出にくい部分との配置を調整することにより、出力の偏りを小さくし、それぞれの電極に加わる負荷(ダメージ)のバランスを保ち、燃料電池全体の寿命を延ばすことができる。

Description

本発明は、携帯機器の動作に有効な平面配置直列接続の燃料電池に関する。
携帯電話やノートパソコンなどのモバイル機器の電源として充電が不要な小型の燃料電池が注目されている。一般的にモバイル機器の電源として使用されている二次電池は電池容量を使い果たした場合に充電する必要があるが、これに対して燃料電池は燃料を補充するだけでよく、使い勝手が良いとされている。しかし、小型の燃料電池は単電池の出力が低いことが一つの欠点である。
燃料電池を電源として電気機器を駆動させる場合、1個の単電池の出力電圧は一般的な電気機器を駆動させるには不足するので、複数の電極を直列に接続して複数の単電池を構成するのが一般的である。
例えば特開2004−014148号公報および国際公開番号2005/112172A1公報には、電気機器を駆動させる出力を得るために、複数の電極を同一の電解質膜上に配置して直列に接続した多直型燃料電池が記載されている。しかし、多直型燃料電池においては各電極間や電極内で温度分布を生じやすい。例えば、発電反応により燃料電池自体が発熱するため、燃料電池の中心部に蓄熱されやすく、周縁部よりも中心部のほうが高温になる傾向がある。また、燃料電池の周辺に配置される補機(ポンプ、バルブ、ファン等)の配置やその構成部品の発熱の有無によっても燃料電池に温度分布を生じることがある。
一般に燃料電池は高温環境で高い出力が得られるため、温度分布を生じると、出力に偏りを生じることになる。この出力に偏りを生じた状態で燃料電池の運転を続けると、温度が低いために出力が出にくい部分は、温度が高く出力が出やすい部分と比べて負荷(ダメージ)が大きくなり、相対的に寿命が低下することが分かっている。このように多直型燃料電池においては、出力の偏りが過負荷部分の寿命を短縮し、燃料電池全体の寿命を低下させる原因となる。このため、出力の偏りをできるだけ小さくし、燃料電池全体の寿命を延ばすことが要望されている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、温度分布による出力の偏りを小さくし、燃料電池の寿命を良好なものとすることを目的とする燃料電池を提供する。
本発明に係る燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜の一方側の面に積層され、少なくとも2種類の異なる形状または大きさに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数のカソード電極と、前記電解質膜の他方側の面に積層され、少なくとも2種類の異なる形状または大きさに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数のアノード電極と、発電出力を取り出すために、前記複数のカソード電極および前記複数のアノード電極を直列に接続する集電体と、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る燃料電池の全体の概要を示す内部透視断面図。 実施例1,3の膜電極接合体(3直列)を示す平面図。 実施例2の膜電極接合体(3直列)を示す平面図。 実施例4,6の膜電極接合体(6直列)を示す平面図。 実施例5の膜電極接合体(6直列)を示す平面図。 比較例1の膜電極接合体(3直列)を示す平面図。 比較例2の膜電極接合体(6直列)を示す平面図。 本発明の他の実施の形態に係る燃料電池を示す内部透視断面図。 燃料分配機構を示す斜視図。
本発明において、複数のカソード電極および複数のアノード電極をそれぞれ電解質膜の面に投影したときの二次元投影面積を、前記電解質膜、前記カソード電極および前記アノード電極からなる膜電極接合体の発電中の温度分布に応じて決めることができる。この場合に、(発電中に温度上昇して高温になる)第1の部位に配置される前記電極の二次元投影面積のほうを、前記第1の部位よりも発電中の温度が低い第2の部位に配置される前記電極の二次元投影面積よりも小さくすることが好ましい。
第1の部位の電極面積を第2の部位の電極面積より小さくすると、単位面積当たりの出力密度でみたときには発電中の温度が第1の部位の電極のほうが第2の部位の電極よりも高いので、第1の部位の電極からの出力と第2の部位の電極からの出力とが均衡するようになる。このため、膜電極接合体において一部の電極のみに過負荷がかかることがなくなり、燃料電池全体としてみたときに発電出力のバランスが改善され、寿命の延長が図られるようになる。この場合に、第2の部位の電極に対する第1の部位の電極の面積比を0.75以上1.00未満とすることが好ましい。第1の部位(高温部位)/第2の部位(低温部位)の電極面積比が0.75を下回ると、高温部位からの出力が過小になりすぎて、燃料電池全体としてみた場合に出力のバランスが崩れるからである。
次のように第1及び第2の部位に配置される電極を種々の形態とすることができる。
第1の部位に配置される電極は、中央の幅を長手両端の幅よりも小さくすることができる(図3、図5)。
第2の部位に配置される電極は、中央の幅を長手両端の幅よりも大きくすることができる(図3、図5)。
第1及び第2の部位にそれぞれ配置される電極は、電解質膜に投影させたときの二次元投影形状がそれぞれ一様な幅をもつ長方形であり、第1の部位に配置される電極の幅のほうを第2の部位に配置される電極の幅よりも小さくすることができる(図4)。
また、複数の電極の配列において、一方側から他方側へ移行するに従って電極の面積を漸次増加させることができる(図4)。
さらに、複数の電極の配列において、両側から中央へ移行するに従って電極の面積を漸次減少させることができる(図3、図5)。
次のように複数の電極を少なくとも2種類の異なる形状とすることができる。
中央部の幅が長手端部の幅(短辺の長さ)よりも小さい凹状電極と、中央部の幅が長手端部の幅(短辺の長さ)よりも大きい凸状電極と、を組み合わせることができる(図3)。また、中央部の幅が長手端部の幅(短辺の長さ)よりも小さい凹状電極と、中央部の幅が長手端部の幅(短辺の長さ)よりも大きい凸状電極と、中央部の幅が長手端部の幅(短辺の長さ)とが等しい長方形電極と、を組み合わせることもできる(図5)。
同一の電解質膜上に配列される電極の数は、燃料電池が使用される電気機器の定格電圧に応じて2〜20とすることができ、3〜12とすることが好ましく、より好ましくは3〜6とする(図2〜図5)。
電極のアスペクト比は、電解質膜の大きさと電極の数にもよるが、4〜10の範囲とすることが好ましく、より好ましくは5〜8の範囲とする。アスペクト比が4を下回ると、レイアウト設計において平面スペースを分割して多直化することが困難になる。一方、アスペクト比が10を超えると、発電反応に偏りを生じやすくなって出力が不安定になるとともに、隣り合う電極を確実に絶縁することが困難になる。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための種々の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、燃料電池の全体の概要について図1を参照して説明する。
燃料電池1は、外側を外装材20,21で覆われ、内部に平面配置・直列接続された複数の電極A1〜A3を有する発電部10Aを備えている。燃料電池1は、例えばカソード側の外装材21の端部をアノード側の外装材20の外面にかしめ加工および/またはねじ止めすることにより、複数の単電池を一体化した1つのユニットとして構成してもよいし、両外装材20,21をボルトとナットで締め付けることにより一体化してもよい。なお、アノード側の外装材20は、側部に燃料供給孔15を有するとともに、液体燃料収容室14を規定するフレーム構造体である。燃料供給孔15に図示しない燃料カートリッジのノズルを挿入し、カートリッジ容器の内圧の作用で液体燃料が液体燃料収容室14内に供給できるようになっている。液体燃料収容室14の上部には不織布からなる燃料含浸層13が配置されている。液体燃料は、燃料含浸層13に吸収・保持された後に、発電部10Aのアノード側へ供給されるようになっている。
発電部10Aは、有機質膜と無機質層を一体成形して複合化した膜電極接合体11を有している。本実施形態において、膜電極接合体11は、プロトン伝導性を有する固体電解質膜6と、3対のカソード電極2,4およびアノード電極3,5(A1,A2,A3)とを備えている。
固体電解質膜6を間に挟んでその両側にカソード電極2,4とアノード電極3,5が一体成形積層され、さらにその外側に正極集電体7と負極集電体9が一体成形積層されている。これらの一体成形加工には例えば熱プレス法が利用される。
カソード電極は、カソード触媒層2およびガス分散層4を含む複合体である。カソード触媒層2は固体電解質膜6の一方側の面に接している。同様にアノード電極も、アノード触媒層3およびガス分散層5を含む複合体である。アノード触媒層3は固体電解質膜6の他方側の面に接している。本実施形態では、カソード/アノード触媒層2,3には、白金または白金とその他の金属からなる触媒を塗布したカーボンペーパーを使用した。
カソードガス分散層4は正極集電体7に接触導通している。同様に、アノードガス分散層5は負極集電体9に接触導通している。これら正負一対の集電体7,9を介して発電部10Aで発電された電力が図示しない負荷(電気機器)に出力されるようになっている。
正極集電体7には複数の孔7aが開口している。これらの孔7aは保湿板(図示せず)を介して外装ケース21の通気孔22に連通している。空気が通気孔22から導入されると、空気調整スペースの保湿板を通って加湿され、集電体の孔7aを通ってカソードガス拡散層4および触媒層2に導入され、発電反応に寄与する。同様に負極集電体9にも複数の孔9aが開口している。これらの孔9aは、アノードガス拡散層5の側にそれぞれ連通している。液体燃料収容室14内の液体燃料の一部が気化すると、気化燃料は図示しない気液分離膜を通って気化室内に入り、さらに気化室から集電体の孔9aを通ってアノードガス拡散層5および触媒層3に導入され、発電反応に寄与する。
なお、燃料電池1において、複数の単電池が一体的に形成され、これらの単電池のうちの少なくとも2つが同一平面上に配置されていることが望ましい。携帯機器では厚みサイズが厳しく制限されるため、それに内蔵される燃料電池にも同様の要求があり、複数の単電池を積み重ねるスタック構造を採用することが困難であるため、同一平面上に並べて配置する平置き配置構造を採用する。本実施形態では、複数の電極が実質的に同一の平面上に配置され、これら同一平面に平置き配置された複数の電極は正負両極の集電体7,9を介して直列に接続されている。
燃料電池1の内部にはゴムシール8やOリング(図示せず)によって種々のスペースや間隙が形成されている。それらのスペースや間隙のうち、例えばカソード側のスペースは保湿板を有する空気導入部として用いられ、アノード側のスペースは図示しない気液分離膜を介して液体燃料収容室14に連通する気化室として用いられる。
気化室(図示せず)は液体燃料収容室14に隣接して設けられ、両室間は気液分離膜(図示せず)により仕切られている。気液分離膜は、多数の細孔を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートからなり、液体燃料(メタノール液又はその水溶液など)を遮断し、気化燃料(メタノールガスなど)を透過させるものである。
固体電解質膜6は、アノード触媒層3において発生したプロトンをカソード触媒層2に輸送するためのものであり、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な材料により構成されている。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜、具体的には、デュポン社製のナフィオン膜、旭硝子社製のフレミオン膜、あるいは旭化成工業社製のアシプレックス膜などにより構成されている。なお、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜以外にも、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜、あるいは脂肪族炭化水素系樹脂膜などプロトンを輸送可能な電解質膜6を構成するようにしてもよい。
アノード触媒層3は、ガス拡散層5を介して供給される気化燃料を酸化して燃料から電子とプロトンとを取り出すものである。アノード触媒層3は、例えば、触媒を含む炭素粉末により構成されている。触媒には、例えば、白金(Pt)の微粒子、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)あるいはモリブデン(Mo)などの遷移金属あるいはその酸化物あるいはそれらの合金などの微粒子が用いられる。但し、触媒をルテニウムと白金との合金により構成するようにすれば、一酸化炭素(CO)の吸着による触媒の不活性化を防止することができるので好ましい。
また、アノード触媒層3は、電解質膜6に用いられる樹脂の微粒子を含むほうがより望ましい。発生させたプロトンの移動を容易とするためである。アノードガス拡散層5は、例えば多孔質の炭素材料よりなる薄膜で構成され、具体的にはカーボンペーパーまたは炭素繊維などで構成されている。
カソード触媒層2は、酸素を還元して、電子とアノード触媒層3において発生したプロトンとを反応させて水を生成するものであり、例えば上述のアノード触媒層3及びアノードガス拡散層5と同様に構成されている。すなわち、カソード電極は、固体電解質膜6の側から順に触媒を含む炭素粉末よりなるカソード触媒層3と多孔質の炭素材料よりなるカソードガス拡散層5とが積み重ねられた積層構造をなしている。カソード触媒層2に用いられる触媒はアノード触媒層3のそれと同様であり、アノード触媒層3が固体電解質膜6に用いられる樹脂の微粒子を含む場合があることもアノード触媒層3と同様である。ちなみに、電解質膜6の厚さは10〜250μm、カソード触媒層2およびアノード触媒層3の厚さはそれぞれ50〜100μm、カソードガス拡散層4およびアノードガス拡散層5の厚さはそれぞれ250〜500μmの範囲からそれぞれ最適値を選択することができる。また、正極集電体7および負極集電体9の厚さはそれぞれ30μm〜1mm、好ましくは30〜500μm、さらに好ましくは30〜200μmの範囲からそれぞれ最適値を選択することができる。
集電体には、白金や金のような貴金属、またはニッケルやステンレス鋼のような耐食性金属からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体を用いることが好ましい。また、集電体には、金やカーボンのような導電性材料で異種金属の表面を処理した表面処理材料、例えば銅やステンレス鋼に金をコーティング被覆した複合材料を用いることも可能である。
外装ケース21の主面には複数の通気孔22が所定ピッチ間隔ごとに開口し、図示しない保湿板にそれぞれ連通している。これらの通気孔22は、外気が通過する開口を形成するが、外気の通過を阻害せずに、外部からカソードガス拡散層4への微小あるいは針状の異物の浸入・接触を防止しうるような形状が工夫されている。
外装ケース21の材料には、ステンレス鋼やニッケル合金などの耐食性に優れた金属材料を用いることが望ましいが、金属材料に限られることなく樹脂材料を用いることもでき、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス ピーエルシー社の商標)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの液体燃料で膨潤等を生じにくい硬質の樹脂を用いてもよい。
シール部材8には、硬質から軟質までの各種のゴム系材料、樹脂系材料または金属材料を用いることができるが、このうちゴム系材料(例えばEPDM(エチレンプロピレンゴム)、FKM(フッ素ゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム))が適している。
液体燃料収容室14に収容する液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、もしくはその他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池に応じた液体燃料が収容される。
次に、図2〜図7を参照して種々の実施例および比較例について説明する。
電極の形状及び/又は大きさを種々変えて実施例1〜6および比較例1,2の膜電極積層体サンプルをそれぞれ作製し、これらの膜電極積層体サンプルを組み込んだ燃料電池を実際に発電させ、その出力維持率(平均値)を調べた。
[実施例1]
触媒を含む炭素粉末ペースト(触媒層)をカーボンペーパー(ガス拡散層)に塗布したシートを切断して、同サイズの長方形の電極を作製した。固体電解質膜6の両面に3対の電極A1,A2,A3を図2に示すように長手軸が平行となるように並べて配置し、これらを熱プレス法で積層した。本実施例では、1枚の固体電解質膜を複数の電極に共通のものとして使用したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、固体電解質膜を電極毎に分割して使用するようにしてもよい。
一体化した積層体の両面に正負両極の集電体7,9をそれぞれ配置し、これを熱プレス法で積層して一体化した。正負両極の集電体7,9として金メッキを施したステンレス鋼の薄板を使用した。負極集電体9には複数の孔9aが開口し、燃料が孔9aを通ってアノード極3,5に供給されるようになっている。また、正極集電体7には複数の孔7aが開口し、空気が孔7aを通ってカソード極2,4に供給されるようになっている。
これら正負両極の集電体7,9および図示しないリード配線等を用いて3対のカソード/アノード電極A1,A2,A3を直列に接続した。すなわち、電極A1の負極集電体9と電極A2の正極集電体7とを電気的に接続し、電極A2の負極集電体9と電極A3の正極集電体7を電気的に接続する。電極A1のカソード極に接続された正極集電体7を外部に引き出す一方で、電極A3のアノード極に接続された負極集電体9を外部に引き出している。このように配線することにより、電極A1,A2およびA3の3直列の回路を形成した。これにより実施例1の膜電極接合体11を得た(集電体7,9は図示せず)。なお、隣接する電極に接続されない両端の集電体(図示せず)は燃料電池外部に引き出され、外部端子の役割を有する。
実施例1の発電部10Aの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
電解質膜6は幅(短辺)X=80mm,長さ(長辺)Y=110mmとした。中央位置の電極A2は幅(短辺)W2=18mm,長さ(長辺)L1=100mmとし、その両側に配置される外寄りの電極A1,A3はそれぞれ幅(短辺)W1=W3=21mm,長さ(長辺)L1=100mmとした。また、電極A1〜A3からの電解質膜6のはみ出し長さC1,C2および各電極間の距離C3は全て5mmとした。
このようにして作製した発電部10Aを外装材20,21となるプラスチック部品によりゴムシール8を介して挟み込み、ネジ止めすることにより封止して燃料電池とした。ゴムシール8は電極A1,A2,A3からの固体電解質膜6のはみ出し部分に当たるように設置し、その部分でシールした。なお、アノード極側の外装材20の材質にはポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用した。外装材20の内側がアノード極に隣接することにより燃料収容室14を形成し、この燃料収容室14に連通する燃料供給孔15が外装材20の側部に設けられる。また、カソード極側の外装材21にもPPSを使用し、外部から空気を取り入れられるよう複数の通気孔22が開口している。
さらに、本実施例ではアノード極への均一な燃料供給を補助する目的で燃料収容室14と負極集電体9との間に燃料を吸収・保持できる不織布13を配置した。ただし、アノード極への燃料供給およびカソード電極へのエアー供給については、ポンプなどの補機を使用して供給するようにしてもよく、また、その場合に流路を形成した部品を利用して燃料およびエアーを供給するようにしてもよい。
以上のようにして実施例1の発電部10Aを有する燃料電池を50個作製した。
[実施例2]
実施例2では、電極A1〜A3の形状を変えたことを除いて、上記の実施例1と同様にして図3に示す発電部10Bを有する燃料電池を50個作製した。
具体的な実施例2の発電部10Bの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
外寄りの電極A1,A3は、中央部を少し膨らませて凸状とし、中央部の幅W1=W3=21mm、短辺S1=S3=19mm、長辺L1=100mmとした。また、中央位置の電極A2は、中央部を少し細くして凹状とし、中央部の幅W2=18mm、短辺S2=22mm、長辺L1=100mmとした。
[実施例3]
実施例3では、電極A1〜A3の形状(幅)を変えたことを除いて、上記の実施例1と同様にして3対の長方形電極を含む発電部10Aを備えた燃料電池を50個作製した。
具体的な実施例3の発電部10Aの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
実施例3では3対の長方形電極A1〜A3の幅が全て異なる。図2を参照して説明すると、図中にて左側に位置する電極A1は幅(短辺)W1=18mm,長さ(長辺)L1=100mmとし、中央に位置する電極A2は幅(短辺)W2=19mm,長さ(長辺)L1=100mmとし、右側に位置する電極A3は幅(短辺)W3=23mm,長さ(長辺)L1=100mmとした。
[比較例1]
比較例1では、3対の電極A1〜A3の形状と大きさをすべて同じとし、上記の実施例1と同様にして図6に示す3対の長方形電極を含む発電部100を備えた燃料電池を100個作製した。
具体的な比較例1の発電部100の膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
比較例1では3対の長方形電極A1〜A3の幅が全て同じとし、幅(短辺)W=20mm、長さ(長辺)L1=100mmとした。
[出力維持率による評価]
上記の実施例1〜3および比較例1の燃料電池を実際に長時間にわたり発電させ、時々刻々変わる発電出力を計測して出力維持率をサンプル毎に求め、それらの平均値をとって評価した。
具体的には、実施例1、2および比較例1の燃料電池各50個を25℃の環境で1000時間発電させた。発電の条件は1Aの定電流負荷をかけ続け、初期の出力電圧に対する1000時間経過後の出力電圧の維持率の平均値を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2008056615
また、実施例3の燃料電池50個と比較例1の残りの燃料電池50個も25℃環境で1000時間発電したが、こちらの燃料電池については実際に組み込まれることになる装置の内臓部品が発熱することを想定し、A1の電極のすぐ外側にヒーターを設置し、ヒーターの温度を40℃に設定して連続発電した。発電の条件は、上記と同様に1Aの定電流負荷をかけ続け、初期の出力電圧に対する1000時間経過後の出力電圧の維持率の平均値を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2008056615
比較例1の燃料電池については、直列に配置した3つの電極の面積が等しく20cmなので、全ての電極で1cm当たりの電流値は50mAとなる。このとき、電極が発電時に発熱するため燃料電池には温度分布が生じ、中央部の電極A2が蓄熱されやすいため、両側に配置された電極A1,A3より中央部の電極A2の方が温度は高くなる。この結果、両側の電極A1,A3は中央部の電極A1よりも出力が低いため、等しく50mA/cm2の電流が流れた結果、長期間発電したときの出力低下が中央部の電極A2より両側の電極A1,A3のほうが大きくなる。そのために燃料電池全体としての寿命は、両側の電極A1,A3の影響を受けて短くなる。
これに対して実施例1の燃料電池は両側(外寄り)の電極A1,A3の面積を中央部の電極A2の面積より大きくしている。このため、中央部の電極A2は55.6mA/cm2の電流が流れることになるが、外寄りの電極A1,A3には47.6mA/cm2の電流しか流れない。このため、温度が低い外寄りの電極A1,A3に加わる負荷(ダメージ)が軽減され、全体の負荷バランスが取れるようになり、燃料電池全体としての寿命は良好なものとなる。
また、実施例2については電極A1,A2,A3の面積は全て同じであるが、外寄りの電極A1,A3についても蓄熱されやすい燃料電池中央付近の部分を増やして各電極に加わる負荷(ダメージ)のバランスを取った結果、良好な出力を確認することができた。
表2の比較例1の燃料電池は、ヒーターにより温められるため、ヒーターが無い場合よりも良好な寿命を示している。ただし、実施例3に示すとおり、温度分布に応じて電極の形状を変え、負荷のバランスを取ることによりさらに良好な寿命が実現できることを確認できた。
これらの実験の結果より、比較例1の燃料電池と比較して実施例1〜3の燃料電池の寿命が優れていることを確認できた。
上記の実施例1〜3では直列に3対の電極A1〜A3を接続した例を示したが、次に6対の電極B1〜B6を直列に接続した実施例4〜6を説明する。なお、各実施例において6対の電極の形状を図に示すが、それを収納する燃料電池の構造や製造方法は上述した3直列の実施例と同様のため説明を省略する。
[実施例4]
実施例4では、6対の電極B1〜B6を用いて膜電極接合体を作製し、これを用いて図4に示す発電部10Cを有する燃料電池を50個作製した。6対の電極B1〜B6はすべて長方形であり、図4に示すように長手軸が平行となるように並べて配置している。
正負両極の集電体4,5および図示しないリード配線を用いて6対のカソード/アノード電極B1〜B6を直列に接続した。すなわち、電極B1の負極集電体9と電極B2の正極集電体7、電極B2の負極集電体9と電極B3の正極集電体7、電極B3の負極集電体9と電極B4の正極集電体7、電極B4の負極集電体9と電極B5の正極集電体7、電極B5の負極集電体9と電極B6の正極集電体7をそれぞれ電気的に接続した。さらに、電極B1の正極集電体7を外部に引き出す一方で、電極B6の負極集電体9を外部に引き出している。このように配線することにより、電極B1,B2,B3,B4,B5およびB6の6直列の回路を形成した。これにより実施例4の発電部10Cを得た(集電体7,9は図示せず)。なお、隣接する電極に接続されない両端の集電体(図示せず)は燃料電池外部に引き出され、外部端子の役割を有する。
実施例4の発電部10Cの膜電極積層体の各部サイズは次のようにした。
電解質膜6は幅(長辺)X=125mm,長さ(短辺)Y=110mmとし、6対の長方形電極B1〜B6はすべて長辺=100mmとした。中央位置の電極B3,B4はそれぞれ幅(短辺)W3=W4=13.5mm、その両側に配置される電極B2、B5はそれぞれ幅(短辺)W2=W5=16.5mm、その両側に配置される電極B1、B6はそれぞれ幅(短辺)W1=W6=15mmとした。また、電極B1〜B6からの電解質膜6のはみ出し長さC1,C2および各電極間の距離C3は全て5mmとした。
[実施例5]
実施例5では、中央に位置する2つのB3,B4は長方形とし、中間に位置するB2,B5は一方側(外側)の長辺を凹ませて中央部を両端部より細くし、外側に位置するB1,B6は一方側(内側)の長辺を凸状に膨らませて中央部を両端部より太くし、上記の実施例4と同様にして図5に示す発電部10Dを有する燃料電池を50個作製した。
具体的な実施例5の発電部10Dの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
電解質膜6は幅(長辺)X=125mm,長さ(短辺)Y=110mmとし、6対の長方形電極B1〜B6はすべて長辺=100mmとした。最も外寄りの電極B1,B6は、中央部を少し膨らませて凸状とし、中央部の幅W1=W6=17mm、短辺S1=S6=16.5mmとした。また、中間位置の電極B2,B5は、中央部を少し細くして凹状とし、中央部の幅W2=W5=14.5mm、短辺S2=S5=15mmとした。また、中央に位置する電極B3,B4は、短辺S3=S4=13.5mmの長方形とした。
[実施例6]
実施例6では、6対の電極B1〜B6を用いて膜電極接合体を作製し、これを用いて図4に示す発電部10Cを有する燃料電池を50個作製した。6対の電極B1〜B6はすべて長方形であり、図4に示すように長手軸が平行となるように並べて配置している。但し、本実施例6では各電極の幅(短辺)を上記実施例4とは異なるものとしている。
実施例6の発電部10Cの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
図4の左側から順に、電極B1の幅W1=13.5mm、電極B2の幅W2=14mm、電極B3の幅W3=14.5mm、電極B4の幅W4=15mm、電極B5の幅W5=16mm、電極B6の幅W6=17mmとした。
[比較例2]
比較例2では、6対の電極B1〜B6の形状と大きさをすべて同じとし、上記の実施例と同様にして図7に示す6対の長方形電極を含む発電部200を備えた燃料電池を100個作製した。
具体的な比較例2の発電部200の膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
比較例2では6対の長方形電極B1〜B6の幅を全て同じとし、幅(短辺)W=20mmとした。
[出力維持率による評価]
上記の実施例4〜6および比較例2の燃料電池を実際に長時間にわたり発電させ、時々刻々変わる発電出力を計測して出力維持率をサンプル毎に求め、それらの平均値をとって評価した。
具体的には、実施例4、5および比較例2の燃料電池各50個を25℃の環境で1000時間発電した。発電の条件として1Aの定電流負荷をかけ続け、初期の出力電圧に対する1000時間経過後の出力電圧の維持率の平均値をそれぞれ測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2008056615
実験の結果より、上記実施例1〜3(3直列)のときと同様に、比較例2の燃料電池と比べて実施例4,5の燃料電池の寿命が良好なことを確認できた。実施例4,5では電極の合計面積はすべて同じであるが、直列に接続するときのバランスを最適化することで燃料電池の寿命をさらに延ばすことができている。
また、実施例6の燃料電池50個と比較例2の残りの燃料電池50個も25℃環境で1000時間発電したが、こちらの燃料電池については実際に組み込まれることになる装置の内蔵部品が発熱することを想定し、電極B1のすぐ外側にヒーターを設け、ヒーターによる加熱温度を40℃に設定して連続発電した。このときの出力維持率の平均値を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2008056615
実験の結果より、比較例2の燃料電池よりも実施例6の燃料電池の寿命が良好なことを確認できた。
以上の結果より、本発明による燃料電池は良好な寿命延長を実現できていると考えられる。
上記の実施の形態では、燃料電池の構造として膜電極接合体10Bの下部に液体燃料収容室14を有するパッシブ方式の燃料電池について説明したが、本発明を他の構造の燃料電池に適用することもできる。例えば図8に示すようなセミパッシブ方式の燃料電池301に本発明を用いるようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
本実施形態に係る燃料電池の発電部303は、膜電極接合体302と、カソード集電体7及びアノード集電体9とを備えている。膜電極接合体302は、プロトン伝導性の電解質膜6を間に挟んでその両側にカソード触媒層2とアノード触媒層3が熱プレス法で一体成形され、さらにその外側にカソードガス拡散層4とアノードガス拡散層5を有する。さらに、膜電極接合体302のカソードガス拡散層4には正極集電体7が導通し、アノードガス拡散層5には負極集電体9が導通している。これら正負一対の集電体7,9を介して発電部で発電された電力が図示しない負荷に出力されるようになっている。
電解質膜6と後述する燃料分配機構306およびカバープレート21との間には、それぞれゴム製のOリング8が挿入され、これら一対のOリング8によって燃料電池発電部303からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止するようにしている。
カバープレート21は酸化剤(空気)を取入れるための複数の開口(図示せず)を有している。カバープレート21と発電部303のカソードとの間には、必要に応じて保湿層や表面層が配置される。保湿層(図示せず)は、カソード触媒層2で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層2への空気の均一拡散を促進するものである。表面層(図示せず)は、空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
発電部303のアノード側には燃料分配機構306が配置されている。燃料分配機構306には配管のような燃料の流路307を介して燃料収容部304が接続されている。燃料収容部304には、発電部303に対応するタイプの液体燃料が収容されている。
燃料分配機構306には燃料収容部304から流路307を介して燃料が導入される。流路307は燃料分配機構306や燃料収容部304と独立した配管に限られるものではない。例えば、燃料分配機構306と燃料収容部304とを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ液体燃料の流路であってもよい。燃料分配機構306は流路307を介して燃料収容部304と接続されていればよい。
ここで、燃料分配機構306は図9に示すように、燃料が流路307を介して流入する少なくとも1個の燃料注入口25と、液体燃料やその気化成分を排出する複数個の燃料排出口26とを有する燃料分配板23とを備えている。燃料分配板23の内部には図8に示すように空隙部24が形成されている。空隙部24は、燃料注入口25から導入された燃料が通流する一方で一時的に滞留する流路の機能とヘッダの機能を兼ね備えたものである。複数の燃料排出口26は空隙部24にそれぞれ直接連通している。
燃料は、燃料注入口25から燃料分配機構306に導入され、空隙部24に入り、空隙部24から複数の燃料排出口22にそれぞれ導かれる。複数の燃料排出口22には、例えば燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離体(図示せず)を配置してもよい。これによって、発電部303のアノード3,5には燃料の気化成分が供給される。なお、気液分離膜(図示せず)を燃料分配機構306と発電部303のアノード3,5との間に挿入するようにしてもよい。液体燃料の気化成分は複数の燃料排出口26から発電部303のアノード3,5の複数個所に向けて排出される。
燃料排出口26は発電部303の全体に燃料を供給することが可能なように、燃料分配板23が発電部303のアノード3,5と接する面に複数設けられている。燃料排出口26の個数は2個以上であればよいが、発電部303の面内における燃料供給量を均一化する上で、0.1〜10個/cm2の燃料排出口26が存在するように形成することが好ましい。
燃料分配機構306と燃料収容部304との間を接続する流路307には、ポンプ305が挿入されている。このポンプ305は燃料を循環される循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部304から燃料分配機構306に燃料を移送する燃料供給ポンプである。このようなポンプ305で必要時に燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めるものである。この場合、ポンプ305としては、少量の燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーベーンポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
このような構成において、燃料収容部304に収容された液体燃料は、ポンプ305により流路307内を移送され、燃料分配機構306に供給される。そして、燃料分配機構306から放出された燃料は、発電部303のアノード3,5に供給される。発電部303内において、燃料はアノードガス拡散層5を拡散してアノード触媒層3に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層3で所定のメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層2で生成した水や電解質膜6中の水をメタノールと反応させる内部改質反応が生じる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
なお、燃料分配機構306からMEA302への燃料供給が行われる構成であればポンプ305に代えて燃料遮断バルブを用いることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブ(図示せず)を流路307に設け、遮断バルブにより流路307を流れる液体燃料の供給をオンオフ制御することができる。
本発明によれば、膜電極接合体における複数の電極について、温度が高く出力が出やすい部分と温度が低く出力が出にくい部分との配置を調整することにより、出力の偏りを小さくし、それぞれの電極に加わる負荷(ダメージ)のバランスを保ち、燃料電池全体の寿命を延ばすことができる。本発明によれば、良好な電池性能が安定して得られるようになり、携帯電話、ノートパソコン、携帯オーディオ、携帯ゲーム機などのモバイル機器の電源としてばらつきの少ない出力特性を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、MEAへ供給される液体燃料の蒸気においても、全て液体燃料の蒸気を供給してもよいが、一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用することができる。

Claims (8)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方側の面に積層され、少なくとも2種類の異なる形状または大きさに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数のカソード電極と、
    前記電解質膜の他方側の面に積層され、少なくとも2種類の異なる形状または大きさに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数のアノード電極と、
    発電出力を取り出すために、前記複数のカソード電極および前記複数のアノード電極を直列に接続する集電体と、を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記複数のカソード電極および前記複数のアノード電極をそれぞれ前記電解質膜の面に投影したときの二次元投影面積が、前記電解質膜、前記カソード電極および前記アノード電極からなる膜電極接合体の発電中の温度分布に応じて決められることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 発電中の温度が高くなる第1の部位に配置される前記電極の二次元投影面積のほうが、前記第1の部位よりも発電中の温度が低くなる第2の部位に配置される前記電極の二次元投影面積よりも小さいことを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
  4. 前記第1の部位に配置される電極は、中央の幅が長手両端の幅よりも小さいことを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
  5. 前記第2の部位に配置される電極は、中央の幅が長手両端の幅よりも大きいことを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
  6. 前記第1及び第2の部位にそれぞれ配置される電極は、前記電解質膜に投影させたときの二次元投影形状がそれぞれ一様な幅をもつ長方形であり、前記第1の部位に配置される電極の幅のほうが前記第2の部位に配置される電極の幅よりも小さいことを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
  7. 前記少なくとも2種類の異なる形状の電極は、中央部の幅が長手端部の幅よりも小さい凹状電極と、中央部の幅が長手端部の幅よりも大きい凸状電極と、を含むことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  8. 前記少なくとも2種類の異なる形状の電極は、中央部の幅が長手端部の幅よりも小さい凹状電極と、中央部の幅が長手端部の幅よりも大きい凸状電極と、中央部の幅と長手端部の幅とが等しい長方形電極と、を含むことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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