WO2008056615A1 - Pile à combustible - Google Patents
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Description
明 細 書
燃料電池
技術分野
[0001] 本発明は、携帯機器の動作に有効な平面配置直列接続の燃料電池に関する。
背景技術
[0002] 携帯電話やノートパソコンなどのモパイル機器の電源として充電が不要な小型の燃 料電池が注目されている。一般的にモパイル機器の電源として使用されている二次 電池は電池容量を使!/、果たした場合に充電する必要があるが、これに対して燃料電 池は燃料を補充するだけでよぐ使い勝手が良いとされている。しかし、小型の燃料 電池は単電池の出力が低いことが一つの欠点である。
[0003] 燃料電池を電源として電気機器を駆動させる場合、 1個の単電池の出力電圧は一 般的な電気機器を駆動させるには不足するので、複数の電極を直列に接続して複 数の単電池を構成するのが一般的である。
[0004] 例えば特開 2004— 014148号公報および国際公開番号 2005/112172A1公 報には、電気機器を駆動させる出力を得るために、複数の電極を同一の電解質膜上 に配置して直列に接続した多直型燃料電池が記載されている。しかし、多直型燃料 電池においては各電極間や電極内で温度分布を生じやすい。例えば、発電反応に より燃料電池自体が発熱するため、燃料電池の中心部に蓄熱されやすぐ周縁部よ りも中心部のほうが高温になる傾向がある。また、燃料電池の周辺に配置される補機 (ポンプ、バルブ、ファン等)の配置やその構成部品の発熱の有無によっても燃料電 池に温度分布を生じることがある。
[0005] 一般に燃料電池は高温環境で高い出力が得られるため、温度分布を生じると、出 力に偏りを生じることになる。この出力に偏りを生じた状態で燃料電池の運転を続け ると、温度が低いために出力が出にくい部分は、温度が高く出力が出やすい部分と 比べて負荷 (ダメージ)が大きくなり、相対的に寿命が低下することが分かっている。こ のように多直型燃料電池においては、出力の偏りが過負荷部分の寿命を短縮し、燃 料電池全体の寿命を低下させる原因となる。このため、出力の偏りをできるだけ小さく
し、燃料電池全体の寿命を延ばすことが要望されている。
発明の開示
[0006] 本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、温度分布による出力の偏 りを小さくし、燃料電池の寿命を良好なものとすることを目的とする燃料電池を提供す
[0007] 本発明に係る燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜の一方側の面に積層され、 少なくとも 2種類の異なる形状または大きさに形成され、触媒層およびガス拡散層を 含む複数の力ソード電極と、前記電解質膜の他方側の面に積層され、少なくとも 2種 類の異なる形状または大きさに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数のァ ノード電極と、発電出力を取り出すために、前記複数の力ソード電極および前記複数 のアノード電極を直列に接続する集電体と、を有することを特徴とする。
図面の簡単な説明
[0008] [図 1]本発明の実施形態に係る燃料電池の全体の概要を示す内部透視断面図。
[図 2]実施例 1 , 3の膜電極接合体(3直列)を示す平面図。
[図 3]実施例 2の膜電極接合体(3直列)を示す平面図。
[図 4]実施例 4, 6の膜電極接合体(6直列)を示す平面図。
[図 5]実施例 5の膜電極接合体(6直列)を示す平面図。
[図 6]比較例 1の膜電極接合体(3直歹 1])を示す平面図。
[図 7]比較例 2の膜電極接合体(6直列)を示す平面図。
[図 8]本発明の他の実施の形態に係る燃料電池を示す内部透視断面図。
[図 9]燃料分配機構を示す斜視図。
発明を実施するための最良の形態
[0009] 本発明にお!/、て、複数の力ソード電極および複数のアノード電極をそれぞれ電解 質膜の面に投影したときの二次元投影面積を、前記電解質膜、前記力ソード電極お よび前記アノード電極からなる膜電極接合体の発電中の温度分布に応じて決めるこ とができる。この場合に、(発電中に温度上昇して高温になる)第 1の部位に配置され る前記電極の二次元投影面積のほうを、前記第 1の部位よりも発電中の温度が低い 第 2の部位に配置される前記電極の二次元投影面積よりも小さくすることが好ましい
〇
[0010] 第 1の部位の電極面積を第 2の部位の電極面積より小さくすると、単位面積当たり の出力密度でみたときには発電中の温度が第 1の部位の電極のほうが第 2の部位の 電極よりも高いので、第 1の部位の電極からの出力と第 2の部位の電極からの出力と が均衡するようになる。このため、膜電極接合体において一部の電極のみに過負荷 力 Sかかることがなくなり、燃料電池全体としてみたときに発電出力のバランスが改善さ れ、寿命の延長が図られるようになる。この場合に、第 2の部位の電極に対する第 1の 部位の電極の面積比を 0. 75以上 1. 00未満とすることが好ましい。第 1の部位(高 温部位)/第 2の部位(低温部位)の電極面積比が 0. 75を下回ると、高温部位から の出力が過小になりすぎて、燃料電池全体としてみた場合に出力のバランスが崩れ るカゝらである。
[0011] 次のように第 1及び第 2の部位に配置される電極を種々の形態とすることができる。
[0012] 第 1の部位に配置される電極は、中央の幅を長手両端の幅よりも小さくすることがで きる(図 3、図 5)。
[0013] 第 2の部位に配置される電極は、中央の幅を長手両端の幅よりも大きくすることがで きる(図 3、図 5)。
[0014] 第 1及び第 2の部位にそれぞれ配置される電極は、電解質膜に投影させたときの二 次元投影形状がそれぞれ一様な幅をもつ長方形であり、第 1の部位に配置される電 極の幅のほうを第 2の部位に配置される電極の幅よりも小さくすることができる(図 4)。
[0015] また、複数の電極の配列にお!/、て、一方側から他方側へ移行するに従って電極の 面積を漸次増加させることができる(図 4)。
[0016] さらに、複数の電極の配列において、両側から中央へ移行するに従って電極の面 積を漸次減少させることができる(図 3、図 5)。
[0017] 次のように複数の電極を少なくとも 2種類の異なる形状とすることができる。
[0018] 中央部の幅が長手端部の幅(短辺の長さ)よりも小さい凹状電極と、中央部の幅が 長手端部の幅 (短辺の長さ)よりも大き!/、凸状電極と、を組み合わせることができる( 図 3)。また、中央部の幅が長手端部の幅 (短辺の長さ)よりも小さい凹状電極と、中 央部の幅が長手端部の幅 (短辺の長さ)よりも大き!/、凸状電極と、中央部の幅が長手
端部の幅 (短辺の長さ)とが等しい長方形電極と、を組み合わせることもできる(図 5)
〇
[0019] 同一の電解質膜上に配列される電極の数は、燃料電池が使用される電気機器の 定格電圧に応じて 2〜20とすることができ、 3〜; 12とすることが好ましぐより好ましく は 3〜6とする(図 2〜図 5)。
[0020] 電極のアスペクト比は、電解質膜の大きさと電極の数にもよる力 S、 4〜; 10の範囲とす ること力 S好ましく、より好ましくは 5〜8の範囲とする。アスペクト比が 4を下回ると、レイ アウト設計において平面スペースを分割して多直化することが困難になる。一方、ァ スぺタト比が 10を超えると、発電反応に偏りを生じやすくなつて出力が不安定になる とともに、隣り合う電極を確実に絶縁することが困難になる。
[0021] 以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための種々の実施の形態を説明 する。
[0022] (第 1の実施の形態)
先ず、燃料電池の全体の概要について図 1を参照して説明する。
[0023] 燃料電池 1は、外側を外装材 20, 21で覆われ、内部に平面配置 ·直列接続された 複数の電極 A1〜A3を有する発電部 10Aを備えている。燃料電池 1は、例えばカソ ード側の外装材 21の端部をアノード側の外装材 20の外面にかしめ加工および/ま たはねじ止めすることにより、複数の単電池を一体化した 1つのユニットとして構成し てもよいし、両外装材 20, 21をボルトとナットで締め付けることにより一体化してもよい 。なお、アノード側の外装材 20は、側部に燃料供給孔 15を有するとともに、液体燃 料収容室 14を規定するフレーム構造体である。燃料供給孔 15に図示しない燃料力 ートリッジのノズルを揷入し、カートリッジ容器の内圧の作用で液体燃料が液体燃料 収容室 14内に供給できるようになつている。液体燃料収容室 14の上部には不織布 力もなる燃料含浸層 13が配置されている。液体燃料は、燃料含浸層 13に吸収-保 持された後に、発電部 10Aのアノード側へ供給されるようになっている。
[0024] 発電部 10Aは、有機質膜と無機質層を一体成形して複合化した膜電極接合体 11 を有している。本実施形態において、膜電極接合体 11は、プロトン伝導性を有する 固体電解質膜 6と、 3対の力ソード電極 2, 4およびアノード電極 3, 5 (A1 , A2, A3)
とを備えている。
[0025] 固体電解質膜 6を間に挟んでその両側に力ソード電極 2, 4とアノード電極 3, 5がー 体成形積層され、さらにその外側に正極集電体 7と負極集電体 9がー体成形積層さ れている。これらの一体成形加工には例えば熱プレス法が利用される。
[0026] 力ソード電極は、力ソード触媒層 2およびガス分散層 4を含む複合体である。カソー ド触媒層 2は固体電解質膜 6の一方側の面に接している。同様にアノード電極も、ァ ノード触媒層 3およびガス分散層 5を含む複合体である。アノード触媒層 3は固体電 解質膜 6の他方側の面に接している。本実施形態では、力ソード/アノード触媒層 2 , 3には、白金または白金とその他の金属からなる触媒を塗布したカーボンペーパー を使用した。
[0027] 力ソードガス分散層 4は正極集電体 7に接触導通している。同様に、アノードガス分 散層 5は負極集電体 9に接触導通している。これら正負一対の集電体 7, 9を介して 発電部 10Aで発電された電力が図示しない負荷(電気機器)に出力されるようになつ ている。
[0028] 正極集電体 7には複数の孔 7aが開口している。これらの孔 7aは保湿板(図示せず) を介して外装ケース 21の通気孔 22に連通している。空気が通気孔 22から導入され ると、空気調整スペースの保湿板を通って加湿され、集電体の孔 7aを通って力ソード ガス拡散層 4および触媒層 2に導入され、発電反応に寄与する。同様に負極集電体 9にも複数の孔 9aが開口している。これらの孔 9aは、アノードガス拡散層 5の側にそ れぞれ連通している。液体燃料収容室 14内の液体燃料の一部が気化すると、気化 燃料は図示しない気液分離膜を通って気化室内に入り、さらに気化室から集電体の 孔 9aを通ってアノードガス拡散層 5および触媒層 3に導入され、発電反応に寄与する
〇
[0029] なお、燃料電池 1において、複数の単電池が一体的に形成され、これらの単電池 のうちの少なくとも 2つが同一平面上に配置されていることが望ましい。携帯機器では 厚みサイズが厳しく制限されるため、それに内蔵される燃料電池にも同様の要求があ り、複数の単電池を積み重ねるスタック構造を採用することが困難であるため、同一 平面上に並べて配置する平置き配置構造を採用する。本実施形態では、複数の電
極が実質的に同一の平面上に配置され、これら同一平面に平置き配置された複数 の電極は正負両極の集電体 7, 9を介して直列に接続されている。
[0030] 燃料電池 1の内部にはゴムシール 8や Oリング(図示せず)によって種々のスペース や間隙が形成されている。それらのスペースや間隙のうち、例えば力ソード側のスぺ 一スは保湿板を有する空気導入部として用いられ、アノード側のスペースは図示しな い気液分離膜を介して液体燃料収容室 14に連通する気化室として用いられる。
[0031] 気化室(図示せず)は液体燃料収容室 14に隣接して設けられ、両室間は気液分離 膜(図示せず)により仕切られている。気液分離膜は、多数の細孔を有するポリテトラ フルォロエチレン(PTFE)シートからなり、液体燃料 (メタノール液又はその水溶液な ど)を遮断し、気化燃料 (メタノールガスなど)を透過させるものである。
[0032] 固体電解質膜 6は、アノード触媒層 3において発生したプロトンを力ソード触媒層 2 に輸送するためのものであり、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な 材料により構成されている。例えば、ポリパーフルォロスルホン酸系の樹脂膜、具体 的には、デュポン社製のナフイオン膜、旭硝子社製のフレミオン膜、あるいは旭化成 工業社製のァシプレックス膜などにより構成されている。なお、ポリパーフルォロスル ホン酸系の樹脂膜以外にも、トリフルォロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸 させたポリべンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜、あるいは 脂肪族炭化水素系樹脂膜などプロトンを輸送可能な電解質膜 6を構成するようにし てもよい。
[0033] アノード触媒層 3は、ガス拡散層 5を介して供給される気化燃料を酸化して燃料から 電子とプロトンとを取り出すものである。アノード触媒層 3は、例えば、触媒を含む炭 素粉末により構成されている。触媒には、例えば、白金 (Pt)の微粒子、鉄 (Fe)、ニッ ケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)あるいはモリブデン(Mo)などの遷移金 属あるいはその酸化物あるいはそれらの合金などの微粒子が用いられる。但し、触媒 をルテニウムと白金との合金により構成するようにすれば、一酸化炭素(CO)の吸着 による触媒の不活性化を防止することができるので好ましい。
[0034] また、アノード触媒層 3は、電解質膜 6に用いられる樹脂の微粒子を含むほうがより 望ましい。発生させたプロトンの移動を容易とするためである。アノードガス拡散層 5
は、例えば多孔質の炭素材料よりなる薄膜で構成され、具体的にはカーボンぺーパ 一または炭素繊維などで構成されて!/、る。
[0035] 力ソード触媒層 2は、酸素を還元して、電子とアノード触媒層 3において発生したプ 口トンとを反応させて水を生成するものであり、例えば上述のアノード触媒層 3及びァ ノードガス拡散層 5と同様に構成されている。すなわち、力ソード電極は、固体電解質 膜 6の側から順に触媒を含む炭素粉末よりなる力ソード触媒層 3と多孔質の炭素材料 よりなる力ソードガス拡散層 5とが積み重ねられた積層構造をなしている。力ソード触 媒層 2に用いられる触媒はアノード触媒層 3のそれと同様であり、アノード触媒層 3が 固体電解質膜 6に用いられる樹脂の微粒子を含む場合があることもアノード触媒層 3 と同様である。ちなみに、電解質膜6の厚さは10〜250 111、力ソード触媒層 2およ びアノード触媒層 3の厚さはそれぞれ 50〜; 100 m、力ソードガス拡散層 4およびァ ノードガス拡散層 5の厚さはそれぞれ 250〜500 mの範囲からそれぞれ最適値を 選択すること力 Sできる。また、正極集電体 7および負極集電体 9の厚さはそれぞれ 30 a m〜; lmm、好ましくは 30〜500 μ m、さらに好ましくは 30〜200 μ mの範囲力、ら それぞれ最適値を選択することができる。
[0036] 集電体には、白金や金のような貴金属、またはニッケルやステンレス鋼のような耐食 性金属からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体を用いることが好ましい。また、 集電体には、金やカーボンのような導電性材料で異種金属の表面を処理した表面処 理材料、例えば銅やステンレス鋼に金をコーティング被覆した複合材料を用いること も可能である。
[0037] 外装ケース 21の主面には複数の通気孔 22が所定ピッチ間隔ごとに開口し、図示し ない保湿板にそれぞれ連通している。これらの通気孔 22は、外気が通過する開口を 形成するが、外気の通過を阻害せずに、外部から力ソードガス拡散層 4への微小ある いは針状の異物の浸入 ·接触を防止しうるような形状が工夫されている。
[0038] 外装ケース 21の材料には、ステンレス鋼やニッケル合金などの耐食性に優れた金 属材料を用いることが望ましいが、金属材料に限られることなく樹脂材料を用いること もでき、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK :ヴィクトレックスピーエルシー社 の商標)、ポリフエ二レンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルォロエチレン(PTFE)な
どの液体燃料で膨潤等を生じにくい硬質の樹脂を用いてもよい。
[0039] シール部材 8には、硬質から軟質までの各種のゴム系材料、樹脂系材料または金 属材料を用いることができる力 このうちゴム系材料(例えば EPDM (エチレンプロピ レンゴム)、 FKM (フッ素ゴム)、 NBR (二トリルブタジエンゴム)、 SBR (スチレンブタ ジェンゴム))が適している。
[0040] 液体燃料収容室 14に収容する液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるもの ではなぐ例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノー ル水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液ゃ純グリコール 等のダリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、もしくはその他の液体燃料であっても よい。いずれにしても、燃料電池に応じた液体燃料が収容される。
[0041] 次に、図 2〜図 7を参照して種々の実施例および比較例について説明する。
[0042] 電極の形状及び/又は大きさを種々変えて実施例;!〜 6および比較例 1 , 2の膜電 極積層体サンプルをそれぞれ作製し、これらの膜電極積層体サンプルを組み込んだ 燃料電池を実際に発電させ、その出力維持率(平均値)を調べた。
[0043] [実施例 1]
触媒を含む炭素粉末ペースト (触媒層)をカーボンペーパー(ガス拡散層)に塗布し たシートを切断して、同サイズの長方形の電極を作製した。固体電解質膜 6の両面に 3対の電極 Al , A2, A3を図 2に示すように長手軸が平行となるように並べて配置し 、これらを熱プレス法で積層した。本実施例では、 1枚の固体電解質膜を複数の電極 に共通のものとして使用したが、本発明はこれのみに限定されるものではなぐ固体 電解質膜を電極毎に分割して使用するようにしてもよい。
[0044] 一体化した積層体の両面に正負両極の集電体 7, 9をそれぞれ配置し、これを熱プ レス法で積層して一体化した。正負両極の集電体 7, 9として金メッキを施したステン レス鋼の薄板を使用した。負極集電体 9には複数の孔 9aが開口し、燃料が孔 9aを通 つてアノード極 3, 5に供給されるようになっている。また、正極集電体 7には複数の孔 7aが開口し、空気が孔 7aを通って力ソード極 2, 4に供給されるようになっている。
[0045] これら正負両極の集電体 7, 9および図示しないリード配線等を用いて 3対のカソー ド/アノード電極 Al , A2, A3を直列に接続した。すなわち、電極 A1の負極集電体
9と電極 A2の正極集電体 7とを電気的に接続し、電極 A2の負極集電体 9と電極 A3 の正極集電体 7を電気的に接続する。電極 A1の力ソード極に接続された正極集電 体 7を外部に引き出す一方で、電極 A3のアノード極に接続された負極集電体 9を外 部に引き出している。このように配線することにより、電極 Al , A2および A3の 3直列 の回路を形成した。これにより実施例 1の膜電極接合体 11を得た (集電体 7, 9は図 示せず)。なお、隣接する電極に接続されない両端の集電体(図示せず)は燃料電 池外部に引き出され、外部端子の役割を有する。
[0046] 実施例 1の発電部 1 OAの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
[0047] 電解質膜 6は幅(短辺) X = 80mm,長さ(長辺) Y= 110mmとした。中央位置の電 極 A2は幅(短辺) W2 = 18mm,長さ(長辺) LI = 100mmとし、その両側に配置さ れる外寄りの電極 A1 , A3はそれぞれ幅(短辺) Wl =W3 = 21mm,長さ(長辺) L1 = 100mmとした。また、電極 A1〜A3からの電解質膜 6のはみ出し長さ CI , C2およ び各電極間の距離 C 3は全て 5mmとした。
[0048] このようにして作製した発電部 10Aを外装材 20, 21となるプラスチック部品によりゴ ムシール 8を介して挟み込み、ネジ止めすることにより封止して燃料電池とした。ゴム シール 8は電極 Al , A2, A3からの固体電解質膜 6のはみ出し部分に当たるように 設置し、その部分でシールした。なお、アノード極側の外装材 20の材質にはポリフエ 二レンサルファイド (PPS)を使用した。外装材 20の内側がアノード極に隣接すること により燃料収容室 14を形成し、この燃料収容室 14に連通する燃料供給孔 15が外装 材 20の側部に設けられる。また、力ソード極側の外装材 21にも PPSを使用し、外部 から空気を取り入れられるよう複数の通気孔 22が開口して!/、る。
[0049] さらに、本実施例ではアノード極への均一な燃料供給を補助する目的で燃料収容 室 14と負極集電体 9との間に燃料を吸収 -保持できる不織布 13を配置した。ただし、 アノード極への燃料供給および力ソード電極へのエアー供給にっレ、ては、ポンプな どの補機を使用して供給するようにしてもよぐまた、その場合に流路を形成した部品 を利用して燃料およびエアーを供給するようにしてもよい。
[0050] 以上のようにして実施例 1の発電部 10Aを有する燃料電池を 50個作製した。
[0051] [実施例 2]
実施例 2では、電極 A1〜A3の形状を変えたことを除いて、上記の実施例 1と同様 にして図 3に示す発電部 10Bを有する燃料電池を 50個作製した。
[0052] 具体的な実施例 2の発電部 10Bの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
[0053] 外寄りの電極 A1 , A3は、中央部を少し膨らませて凸状とし、中央部の幅 W1 =W3 = 21mm、短辺 S l = S3 = 19mm、長辺 LI = 100mmとした。また、中央位置の電 極 A2は、中央部を少し細くして凹状とし、中央部の幅 W2 = 18mm、短辺 S2 = 22m m、長辺 LI = 100mmとした。
[0054] [実施例 3]
実施例 3では、電極 A1〜A3の形状(幅)を変えたことを除いて、上記の実施例 1と 同様にして 3対の長方形電極を含む発電部 10Aを備えた燃料電池を 50個作製した
〇
[0055] 具体的な実施例 3の発電部 1 OAの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
[0056] 実施例 3では 3対の長方形電極 A1〜A3の幅が全て異なる。図 2を参照して説明す ると、図中にて左側に位置する電極 A1は幅(短辺) Wl = 18mm,長さ(長辺) Ll = 100mmとし、中央に位置する電極 A2は幅(短辺) W2 = 19mm,長さ(長辺) LI = 1 OOmmとし、右側に位置する電極 A3は幅(短辺) W3 = 23mm,長さ(長辺) Ll = 10 Ommとした。
[0057] [比較例 1]
比較例 1では、 3対の電極 A1〜A3の形状と大きさをすベて同じとし、上記の実施 例 1と同様にして図 6に示す 3対の長方形電極を含む発電部 100を備えた燃料電池 を 100個作製した。
[0058] 具体的な比較例 1の発電部 100の膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
[0059] 比較例 1では 3対の長方形電極 A1〜A3の幅が全て同じとし、幅(短辺) W = 20m m、長さ(長辺) LI = 100mmとした。
[0060] [出力維持率による評価]
上記の実施例;!〜 3および比較例 1の燃料電池を実際に長時間にわたり発電させ、 時々刻々変わる発電出力を計測して出力維持率をサンプル毎に求め、それらの平 均値をとつて評価した。
具体的には、実施例 1、 2および比較例 1の燃料電池各 50個を 25°Cの環境で 100 0時間発電させた。発電の条件は 1Aの定電流負荷をかけ続け、初期の出力電圧に 対する 1000時間経過後の出力電圧の維持率の平均値を求めた。その結果を表 1に 示す。
[表 1]
[0062] また、実施例 3の燃料電池 50個と比較例 1の残りの燃料電池 50個も 25°C環境で 1 000時間発電した力、こちらの燃料電池については実際に組み込まれることになる装 置の内臓部品が発熱することを想定し、 A1の電極のすぐ外側にヒーターを設置し、ヒ 一ターの温度を 40°Cに設定して連続発電した。発電の条件は、上記と同様に 1Aの 定電流負荷をかけ続け、初期の出力電圧に対する 1000時間経過後の出力電圧の 維持率の平均値を求めた。その結果を表 2に示す。
[表 2]
[0063] 比較例 1の燃料電池については、直列に配置した 3つの電極の面積が等しく 20cm
2なので、全ての電極で lcm2当たりの電流値は 50mAとなる。このとき、電極が発電 時に発熱するため燃料電池には温度分布が生じ、中央部の電極 A2が蓄熱されや すいため、両側に配置された電極 A1 , A3より中央部の電極 A2の方が温度は高くな る。この結果、両側の電極 A1 , A3は中央部の電極 A1よりも出力が低いため、等しく 50mA/cm2の電流が流れた結果、長期間発電したときの出力低下が中央部の電極 A2より両側の電極 A1 , A3のほうが大きくなる。そのために燃料電池全体としての寿 命は、両側の電極 A1 , A3の影響を受けて短くなる。
[0064] これに対して実施例 1の燃料電池は両側(外寄り)の電極 Al , A3の面積を中央部 の電極 A2の面積より大きくしている。このため、中央部の電極 A2は 55. 6mA/cm2 の電流が流れることになるが、外寄りの電極 Al , A3には 47. 6mA/cm2の電流しか 流れない。このため、温度が低い外寄りの電極 A1 , A3に加わる負荷(ダメージ)が軽 減され、全体の負荷バランスが取れるようになり、燃料電池全体としての寿命は良好 なものとなる。
[0065] また、実施例 2については電極 Al , A2, A3の面積は全て同じであるが、外寄りの 電極 A1 , A3についても蓄熱されやすい燃料電池中央付近の部分を増やして各電 極に加わる負荷 (ダメージ)のバランスを取った結果、良好な出力を確認することがで きた。
[0066] 表 2の比較例 1の燃料電池は、ヒーターにより温められるため、ヒーターが無い場合 よりも良好な寿命を示している。ただし、実施例 3に示すとおり、温度分布に応じて電 極の形状を変え、負荷のバランスを取ることによりさらに良好な寿命が実現できること を確認できた。
[0067] これらの実験の結果より、比較例 1の燃料電池と比較して実施例;!〜 3の燃料電池 の寿命が優れてレヽることを確認できた。
[0068] 上記の実施例 1〜3では直列に 3対の電極 A1〜A3を接続した例を示した力 次に
6対の電極 B1〜B6を直列に接続した実施例 4〜6を説明する。なお、各実施例にお いて 6対の電極の形状を図に示すが、それを収納する燃料電池の構造や製造方法 は上述した 3直列の実施例と同様のため説明を省略する。
[0069] [実施例 4]
実施例 4では、 6対の電極 B1〜B6を用いて膜電極接合体を作製し、これを用いて 図 4に示す発電部 10Cを有する燃料電池を 50個作製した。 6対の電極 B1〜B6はす ベて長方形であり、図 4に示すように長手軸が平行となるように並べて配置している。
[0070] 正負両極の集電体 4, 5および図示しないリード配線を用いて 6対の力ソード/ァノ ード電極 B1〜B6を直列に接続した。すなわち、電極 B1の負極集電体 9と電極 B2の 正極集電体 7、電極 B2の負極集電体 9と電極 B3の正極集電体 7、電極 B3の負極集 電体 9と電極 B4の正極集電体 7、電極 B4の負極集電体 9と電極 B5の正極集電体 7
、電極 B5の負極集電体 9と電極 B6の正極集電体 7をそれぞれ電気的に接続した。さ らに、電極 B1の正極集電体 7を外部に引き出す一方で、電極 B6の負極集電体 9を 外部に引き出している。このように配線することにより、電極 Bl , B2, B3, B4, B5お よび B6の 6直列の回路を形成した。これにより実施例 4の発電部 10Cを得た (集電体 7, 9は図示せず)。なお、隣接する電極に接続されない両端の集電体(図示せず)は 燃料電池外部に弓 Iき出され、外部端子の役割を有する。
[0071] 実施例 4の発電部 10Cの膜電極積層体の各部サイズは次のようにした。
[0072] 電解質膜 6は幅(長辺) X= 125mm,長さ(短辺) Y= 110mmとし、 6対の長方形 電極 B1〜B6はすべて長辺 = 100mmとした。中央位置の電極 B3, B4はそれぞれ 幅(短辺) W3=W4 = 13. 5mm、その両側に配置される電極 B2、 B5はそれぞれ幅 (短辺) W2=W5 = 16. 5mm、その両側に配置される電極 Bl、 B6はそれぞれ幅( 短辺)\¥1 =\¥6 = 1 5111111とした。また、電極 B1〜B6からの電解質膜 6のはみ出し長 さ C 1 , C 2および各電極間の距離 C 3は全て 5mmとした。
[0073] [実施例 5]
実施例 5では、中央に位置する 2つの B3, B4は長方形とし、中間に位置する B2, B5は一方側(外側)の長辺を凹ませて中央部を両端部より細くし、外側に位置する B 1 , B6は一方側(内側)の長辺を凸状に膨らませて中央部を両端部より太くし、上記 の実施例 4と同様にして図 5に示す発電部 10Dを有する燃料電池を 50個作製した。
[0074] 具体的な実施例 5の発電部 10Dの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
[0075] 電解質膜 6は幅(長辺) X= 125mm,長さ(短辺) Y= 110mmとし、 6対の長方形 電極 B1〜B6はすべて長辺 = 100mmとした。最も外寄りの電極 Bl , B6は、中央部 を少し膨らませて凸状とし、中央部の幅\¥1 =\¥6 = 1 7111111、短辺 S1 = S6 = 16. 5 mmとした。また、中間位置の電極 B2, B5は、中央部を少し細くして凹状とし、中央 部の幅 W2=W5 = 14. 5mm、短辺 S2 = S5 = 15mmとした。また、中央に位置する 電極 B3, B4は、短辺 S3 = S4 = 13. 5mmの長方形とした。
[0076] [実施例 6]
実施例 6では、 6対の電極 B1〜B6を用いて膜電極接合体を作製し、これを用いて 図 4に示す発電部 10Cを有する燃料電池を 50個作製した。 6対の電極 B1〜B6はす
ベて長方形であり、図 4に示すように長手軸が平行となるように並べて配置している。 但し、本実施例 6では各電極の幅 (短辺)を上記実施例 4とは異なるものとして!/、る。
[0077] 実施例 6の発電部 10Cの膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
[0078] 図 4の左側から順に、電極 B1の幅 Wl = 13. 5mm、電極 B2の幅 W2 = 14mm、電 極 B3の幅 W3 = 14. 5mm、電極 B4の幅 W4 = 15mm、電極 B5の幅 W5 = 16mm、 電極 B 6の幅 W6 = 17mmとした。
[0079] [比較例 2]
比較例 2では、 6対の電極 B1〜B6の形状と大きさをすベて同じとし、上記の実施例 と同様にして図 7に示す 6対の長方形電極を含む発電部 200を備えた燃料電池を 10
0個作製した。
[0080] 具体的な比較例 2の発電部 200の膜電極接合体の各部サイズは次のようにした。
[0081] 比較例 2では 6対の長方形電極 B1〜B6の幅を全て同じとし、幅(短辺) W = 20m mとした。
[0082] [出力維持率による評価]
上記の実施例 4〜6および比較例 2の燃料電池を実際に長時間にわたり発電させ、 時々刻々変わる発電出力を計測して出力維持率をサンプル毎に求め、それらの平 均値をとつて評価した。
[0083] 具体的には、実施例 4、 5および比較例 2の燃料電池各 50個を 25°Cの環境で 100 0時間発電した。発電の条件として 1Aの定電流負荷をかけ続け、初期の出力電圧に 対する 1000時間経過後の出力電圧の維持率の平均値をそれぞれ測定した。その 結果を表 3に示す。
[表 3]
表 3
実験の結果より、上記実施例 1〜3 (3直歹 IJ)のときと同様に、比較例 2の燃料電池と 比べて実施例 4, 5の燃料電池の寿命が良好なことを確認できた。実施例 4, 5では
電極の合計面積はすべて同じである力 直列に接続するときのバランスを最適化す ることで燃料電池の寿命をさらに延ばすことができている。
[0085] また、実施例 6の燃料電池 50個と比較例 2の残りの燃料電池 50個も 25°C環境で 1 000時間発電した力、こちらの燃料電池については実際に組み込まれることになる装 置の内蔵部品が発熱することを想定し、電極 B1のすぐ外側にヒーターを設け、ヒータ 一による加熱温度を 40°Cに設定して連続発電した。このときの出力維持率の平均値 を求めた。その結果を表 4に示す。
[表 4]
[0086] 実験の結果より、比較例 2の燃料電池よりも実施例 6の燃料電池の寿命が良好なこ とを確認できた。
[0087] 以上の結果より、本発明による燃料電池は良好な寿命延長を実現できていると考え られる。
[0088] 上記の実施の形態では、燃料電池の構造として膜電極接合体 10Bの下部に液体 燃料収容室 14を有するパッシブ方式の燃料電池について説明した力 本発明を他 の構造の燃料電池に適用することもできる。例えば図 8に示すようなセミパッシブ方式 の燃料電池 301に本発明を用いるようにしてもよい。
[0089] (第 2の実施の形態)
本実施形態に係る燃料電池の発電部 303は、膜電極接合体 302と、力ソード集電 体 7及びアノード集電体 9とを備えている。膜電極接合体 302は、プロトン伝導性の電 解質膜 6を間に挟んでその両側に力ソード触媒層 2とアノード触媒層 3が熱プレス法 で一体成形され、さらにその外側に力ソードガス拡散層 4とアノードガス拡散層 5を有 する。さらに、膜電極接合体 302の力ソードガス拡散層 4には正極集電体 7が導通し 、アノードガス拡散層 5には負極集電体 9が導通している。これら正負一対の集電体 7, 9を介して発電部で発電された電力が図示しない負荷に出力されるようになって
いる。
[0090] 電解質膜 6と後述する燃料分配機構 306およびカバープレート 21との間には、そ れぞれゴム製の Oリング 8が揷入され、これら一対の Oリング 8によって燃料電池発電 部 303からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止するようにしている。
[0091] カバープレート 21は酸化剤(空気)を取入れるための複数の開口(図示せず)を有 している。カバープレート 21と発電部 303の力ソードとの間には、必要に応じて保湿 層や表面層が配置される。保湿層(図示せず)は、力ソード触媒層 2で生成された水 の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、力ソード触媒層 2への空気の均 一拡散を促進するものである。表面層(図示せず)は、空気の取入れ量を調整するも のであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口 を有している。
[0092] 発電部 303のアノード側には燃料分配機構 306が配置されて!/、る。燃料分配機構 306には配管のような燃料の流路 307を介して燃料収容部 304が接続されている。 燃料収容部 304には、発電部 303に対応するタイプの液体燃料が収容されている。
[0093] 燃料分配機構 306には燃料収容部 304から流路 307を介して燃料が導入される。
流路 307は燃料分配機構 306や燃料収容部 304と独立した配管に限られるもので はない。例えば、燃料分配機構 306と燃料収容部 304とを積層して一体化する場合 、これらを繋ぐ液体燃料の流路であってもよい。燃料分配機構 306は流路 307を介し て燃料収容部 304と接続されて!/、ればよ!/、。
[0094] ここで、燃料分配機構 306は図 9に示すように、燃料が流路 307を介して流入する 少なくとも 1個の燃料注入口 25と、液体燃料やその気化成分を排出する複数個の燃 料排出口 26とを有する燃料分配板 23とを備えている。燃料分配板 23の内部には図 8に示すように空隙部 24が形成されている。空隙部 24は、燃料注入口 25から導入さ れた燃料が通流する一方で一時的に滞留する流路の機能とヘッダの機能を兼ね備 えたものである。複数の燃料排出口 26は空隙部 24にそれぞれ直接連通している。
[0095] 燃料は、燃料注入口 25から燃料分配機構 306に導入され、空隙部 24に入り、空隙 部 24から複数の燃料排出口 22にそれぞれ導かれる。複数の燃料排出口 22には、 例えば燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させな!/、気液分離体(図示
せず)を配置してもよい。これによつて、発電部 303のアノード 3, 5には燃料の気化 成分が供給される。なお、気液分離膜(図示せず)を燃料分配機構 306と発電部 30 3のアノード 3, 5との間に揷入するようにしてもよい。液体燃料の気化成分は複数の 燃料排出口 26から発電部 303のアノード 3, 5の複数個所に向けて排出される。
[0096] 燃料排出口 26は発電部 303の全体に燃料を供給することが可能なように、燃料分 配板 23が発電部 303のアノード 3, 5と接する面に複数設けられている。燃料排出口 26の個数は 2個以上であればよいが、発電部 303の面内における燃料供給量を均 一化する上で、 0. ;!〜 10個/ cm2の燃料排出口 26が存在するように形成することが 好ましい。
[0097] 燃料分配機構 306と燃料収容部 304との間を接続する流路 307には、ポンプ 305 が揷入されている。このポンプ 305は燃料を循環される循環ポンプではなぐあくまで も燃料収容部 304から燃料分配機構 306に燃料を移送する燃料供給ポンプである。 このようなポンプ 305で必要時に燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性 を高めるものである。この場合、ポンプ 305としては、少量の燃料を制御性よく送液す ること力 Sでき、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電 気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。口 一タリーべーンポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポ ンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイァフ ラムポンプは電磁石ゃ圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するもので ある。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るも のである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプゃ圧電 セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
[0098] このような構成において、燃料収容部 304に収容された液体燃料は、ポンプ 305に より流路 307内を移送され、燃料分配機構 306に供給される。そして、燃料分配機構 306から放出された燃料は、発電部 303のアノード 3, 5に供給される。発電部 303内 において、燃料はアノードガス拡散層 5を拡散してアノード触媒層 3に供給される。液 体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層 3で所定のメタノールの内 部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、
力ソード触媒層 2で生成した水や電解質膜 6中の水をメタノールと反応させる内部改 質反応が生じる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生 じさせる。
[0099] なお、燃料分配機構 306から MEA302への燃料供給が行われる構成であればポ ンプ 305に代えて燃料遮断バルブを用いることも可能である。この場合には、燃料遮 断バルブ(図示せず)を流路 307に設け、遮断バルブにより流路 307を流れる液体燃 料の供給をオンオフ制御することができる。
[0100] 本発明によれば、膜電極接合体における複数の電極について、温度が高く出力が 出やすい部分と温度が低く出力が出にくい部分との配置を調整することにより、出力 の偏りを小さくし、それぞれの電極に加わる負荷 (ダメージ)のバランスを保ち、燃料 電池全体の寿命を延ばすことができる。本発明によれば、良好な電池性能が安定し て得られるようになり、携帯電話、ノートパソコン、携帯オーディオ、携帯ゲーム機など のモパイル機器の電源としてばらつきの少ない出力特性を得ることができる。
[0101] なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなぐ実施段階ではそ の要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態 に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成で きる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても よい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
[0102] また、 MEAへ供給される液体燃料の蒸気にお!/、ても、全て液体燃料の蒸気を供 給してもよいが、一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用すること ができる。
Claims
[1] 電解質膜と、
前記電解質膜の一方側の面に積層され、少なくとも 2種類の異なる形状または大き さに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数の力ソード電極と、
前記電解質膜の他方側の面に積層され、少なくとも 2種類の異なる形状または大き さに形成され、触媒層およびガス拡散層を含む複数のアノード電極と、
発電出力を取り出すために、前記複数の力ソード電極および前記複数のアノード電 極を直列に接続する集電体と、を有することを特徴とする燃料電池。
[2] 前記複数の力ソード電極および前記複数のアノード電極をそれぞれ前記電解質膜 の面に投影したときの二次元投影面積が、前記電解質膜、前記力ソード電極および 前記アノード電極からなる膜電極接合体の発電中の温度分布に応じて決められるこ とを特徴とする請求項 1記載の燃料電池。
[3] 発電中の温度が高くなる第 1の部位に配置される前記電極の二次元投影面積のほう
1S 前記第 1の部位よりも発電中の温度が低くなる第 2の部位に配置される前記電極 の二次元投影面積よりも小さいことを特徴とする請求項 2記載の燃料電池。
[4] 前記第 1の部位に配置される電極は、中央の幅が長手両端の幅よりも小さいことを特 徴とする請求項 3記載の燃料電池。
[5] 前記第 2の部位に配置される電極は、中央の幅が長手両端の幅よりも大きいことを特 徴とする請求項 3記載の燃料電池。
[6] 前記第 1及び第 2の部位にそれぞれ配置される電極は、前記電解質膜に投影させた ときの二次元投影形状がそれぞれ一様な幅をもつ長方形であり、前記第 1の部位に 配置される電極の幅のほうが前記第 2の部位に配置される電極の幅よりも小さいこと を特徴とする請求項 3記載の燃料電池。
[7] 前記少なくとも 2種類の異なる形状の電極は、中央部の幅が長手端部の幅よりも小さ い凹状電極と、中央部の幅が長手端部の幅よりも大きい凸状電極と、を含むことを特 徴とする請求項 1記載の燃料電池。
[8] 前記少なくとも 2種類の異なる形状の電極は、中央部の幅が長手端部の幅よりも小さ い凹状電極と、中央部の幅が長手端部の幅よりも大きい凸状電極と、中央部の幅と
長手端部の幅とが等しい長方形電極と、を含むことを特徴とする請求項 1記載の燃料
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122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 07831151 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |