JP3946228B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、水素ガスと酸素含有ガスとを単位セルに供給(自然供給を含む)して発電を行う燃料電池に関し、特に、携帯機器に有用な技術である。
ポリマー電解質のような固体高分子電解質を使用した高分子型燃料電池は、高いエネルギー変換効率を持ち、薄型小型・軽量であることから、家庭用コージェネレーションシステムや自動車向けに開発が活発化している。かかる燃料電池の従来技術の構造として、図9に示すものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
即ち、図9に示すように、固体高分子電解質膜100を挟んでアノード101とカソード102とを配設する。さらに、ガスケット103を介して一対のセパレータ104により挟持して単位セル105を構成する。各々のセパレータ104にはガス流路溝が形成されており、アノード101との接触により、還元ガス(例えば、水素ガス)の流路が形成され、カソード102との接触により、酸化ガス(例えば、酸素ガス)の流路が形成される。各々のガスは、単位セル105内の各流路を流通しながら、アノード101又はカソード102の内部に担持された触媒の作用により電極反応(電極における化学反応)に供され、電流の発生とイオン伝導が生じる。
この単位セル105を多数個積層し、単位セル105どうしを電気的に直列に接続して燃料電池Nを構成し、電極106は、積層した両端の単位セル105から取り出すことができる。このような燃料電池Nは、クリーンかつ高効率という特徴から、種々の用途、特に、電気自動車用電源や家庭用分散型電源として注目されている。
一方、近年のIT技術の活発化に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジカメなどモバイル機器が頻繁に使用される傾向があるが、これらの電源は、ほとんどリチウムイオン二次電池が用いられている。ところが、モバイル機器の高機能化に伴って消費電力がどんどん増大し、その電源用としてクリーンで高効率な燃料電池が注目されてきている。
このため、より小型化が可能な燃料電池として、固体高分子電解質膜/電極接合体と、酸化剤ガスの流路を形成したカソード側金属板と、燃料ガスの流路を形成したアノード側金属板とを備え、両側の金属板の周縁を固定ピンで締結しつつ、その内側周囲にガスパッキンを介在させて封止した構造の燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の燃料電池は、いずれも、水素ガス等の燃料ガスを供給した後、その50〜80%が反応で消費され、残りの燃料ガスは最終段の単位セルから排出される構造となっている。このため、燃料として水素ガスを用いる場合では、水素ガスの排出量が多くなり、その排ガス処理やガス放出の問題が生じるため、コストや装置サイズ等の観点から、携帯機器用途には不向きであった。
一方、下記の特許文献2には、純水素ガスを単位セルのアノード側に供給して発電を行いながら、アノード側の不純物ガスの濃度を検出して、その濃度が一定以上の場合に、アノード側からガスをパージ(排出)する燃料電池システムが開示されている。
しかしながら、この燃料電池システムでは、一般的な燃料電池セルを使用しているため、例えば、アノード側からの排出ガス中の不純物ガスの濃度が50%以上になると、発電効率が50%未満になり、通常の電力供給の用途には使用できないという問題があった。また、排出ガス中の水素ガスの濃度を50%未満に低減しても、パージガスの排出量が多くなるため、排出される水素ガスの絶対量が多くなるという問題があった。
更に、上記の燃料電池システムでは、濃度の検出やそれに基づくパージ制御は、装置構成が複雑でコストも高くなり、携帯機器用の小型・軽量の燃料電池には適用が困難であった。なお、水素ガスを単位セルから排出させずに、全て単位セルで消費する方法では、単位セル内の水素ガス流路に不純物ガスが濃縮され、発電開始から短時間で電池出力が低下する。
日経メカニカル別冊「燃料電池開発最前線」発行日2001年6月29日、発行所:日経BP社、第3章PEFC、3.1原理と特徴p46 特開平8−162145号公報 特開2003−243020号公報
そこで、本発明の目的は、複雑な制御機構を必要とせず、水素ガスの排出量が少なく排ガス処理やガス放出の問題が生じにくく、しかも、安定かつ継続して効率良く発電を行うことができる燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、アノード側の水素ガス流路部の流路断面積が十分小さい単位セルを用いて、これに供給された水素ガスに対して0.02〜4体積%のガスを排出しながら発電を行うことによって、安定かつ継続して効率良く発電を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の燃料電池は、板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで形成される単位セルの単数又は複数を備える燃料電池において、水素ガス供給の最終段となる前記単位セルについて、前記水素ガス流路部の流路断面積を前記アノード側電極板の面積の1%以下にすると共に、前記水素ガス流路部の排出口には、単位セルに供給された水素ガスに対して0.02〜4体積%のガスを排出する排出制御機構が設けられていることを特徴とする。
本発明の燃料電池によると、水素ガス流路部の流路断面積が電極面積に対して十分小さい単位セルを用いるため、水素ガス供給の線速度が大きくなり、固体高分子電解質の略全体で水素ガスが消費される際に、不純物ガスが上流側へ拡散せずに下流側に濃縮されるので、排出制御機構で微小量のガスを排出するだけで、単位セル内への不純物ガスの蓄積を防止することができる。その際、排出制御機構の近傍のみで不純物ガスの濃度が高くなるため、単位セル全体で見た場合に、不純物ガスが殆ど存在しないので、発電効率を高く維持することができる。その結果、複雑な制御機構を必要とせず、安定かつ継続して効率良く発電を行うことができ、水素ガスの排出量が少ないため、排ガス処理やガス放出の問題が生じにくく、携帯機器用途に特に有利な燃料電池となる。
上記において、前記排出制御機構は、一次側の圧力が一定以下になるようにガスを排出させる圧力制御弁であることが好ましい。水素ガスは単位セルに対して、略一定量で過剰に供給されることが多く、このような圧力制御弁によって圧力が一定以上になるとガスの一部を排出させることができ、これを供給された水素ガスに対して0.02〜4体積%の排出量に調整するのが容易になる。このような圧力制御弁は、小型化することも可能であり、これを用いることで携帯機器用途に有利な燃料電池となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す組み立て斜視図であり、図2は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す縦断面図である。図3は、複数の単位セルで構成された本発明の燃料電池の一例を示す概略構成図である。
本発明の燃料電池は、図1〜図3に示すように、板状の固体高分子電解質1と、その固体高分子電解質1の一方側に配置されたカソード側電極板2と、他方側に配置されたアノード側電極板3と、前記カソード側電極板2に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板3に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで形成される単位セルUCの単数又は複数を備える。本実施形態では、図3に示すように、複数の単位セルUCで燃料電池が構成される例を示す。
まず、単位セルUCについて説明する。本実施形態では、図1〜図2に示すように、アノード側金属板5にエッチングにより水素ガスの流路溝9が形成されて水素ガス流路部が構成され、カソード側金属板4に空気を自然供給するための開口部4cが形成されて酸素含有ガス供給部が構成されている単位セルUCを用いる例を示す。このように、金属板4,5によってガス供給部が構成されることにより、燃料電池の薄型化・軽量化を図ることができる。
固体高分子電解質1としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。
その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板2,3は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質1と接する内面2b,3bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板2,3や固体高分子電解質1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気、純酸素等の酸素含有ガスが用いられると共に、還元ガス(燃料)として水素ガスが用いられる。本発明では、空気が自然供給される側のカソード側電極板2では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。
水素ガスは、水素ガスの排出量を少なくして、安定かつ継続して効率良く発電を行う理由から、水素ガスの純度95%以上が好ましく、純度99%以上がより好ましく、純度99.9%以上が更に好ましい。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。
電極板2,3と固体高分子電解質1とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、薄膜電極組立体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
本実施形態では、カソード側電極板2の表面にはカソード側金属板4が配置され、アノード側電極板3の表面にはアノード側金属板5が配置される。また、アノード側金属板5には水素ガスの注入口5c及び排出口5dが設けられ、その間に流路溝9が設けられている。
本発明では、酸素含有ガス供給部には、カソード側から外部へ水分の拡散を抑制する拡散抑制機構が設けてあることが好ましい。本実施形態では、カソード側金属板4に、空気中の酸素を自然供給するための開口部4cが設けられており、これが拡散抑制機構として機能する拡散抑制板に相当し、その拡散抑制板を介して空気を自然供給できるように構成してある。
拡散抑制板であるカソード側金属板4には、カソード側電極板2の面積に対して開口率10〜30%で開口部4cを設けることが好ましい。このような開口率とする場合、この開口率の範囲内であれば、開口部4cの個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。なお、上記の開口率の範囲内であれば、カソード側電極板2からの集電も十分行うことができる。カソード側金属板4の開口部4cは、例えば規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けることができる。
金属板4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性、エッチング加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。金属板4,5には、電極板2,3との接触抵抗を低減するために、金メッキなどの貴金属メッキを施すのが好ましい。
本発明では、不純物ガスを上流側へ拡散させずに下流側に濃縮する観点から、水素ガス供給の最終段となる単位セルUCについて、水素ガス流路部の流路断面積をアノード側電極板3の面積の1%以下にする。この割合は、0.5%以下が好ましく、0.2%以下がより好ましく、0.001〜0.1%が更に好ましい。本発明において、水素ガス流路部の流路断面積とは、電極板3が完全に平面と仮定した場合に、流路として形成される空間の流路方向に垂直な断面の面積を指す。この面積が殆どゼロであっても、電極板3の多孔質空隙部を水素ガスが流れることにより、発電を行うことができる。また、アノード側電極板3の面積とは、電極反応の有無に係わらず、アノード側電極板3の全体の面積を指す。
このように、流路断面積を小さくするには、流路溝の深さを小さくしたり、流路の長さを長くして流路の幅を小さくするのが有効である。
上記の流路断面積以外については、アノード側金属板5に設けられる流路溝9は、電極板3との接触により水素ガス等の流路が形成できるものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。但し、流路密度、積層時の積層密度、屈曲性などを考慮すると、金属板5の一辺に平行な縦溝9aと垂直な横溝9bを主に形成するのが好ましい。本実施形態では、複数本(図示した例では3本)の縦溝9aが横溝9bに直列接続されるようにして、流路密度と流路長のバランスを取っている。
なお、このような金属板5の流路溝9の一部(例えば横溝9b)を電極板3の外面に形成してもよい。電極板3の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板2,3の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板5の流路溝9に連通する注入口5cは、1個又は複数を形成することができる。排出口5dは、1個だけ形成するのが好ましく、流路溝9の下流側端に設けるのが好ましい。排出口5dが流路溝9の下流側端に近づくほど、より高い濃度に濃縮した不純物ガスを効率良く排出するのが可能になる。
なお、金属板4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、強度、伸び、重量、弾性率、ハンドリング性などを考慮すると、0.1〜1mmが好ましい。
金属板5に流路溝9を形成する方法としては、加工の精度や容易性から、エッチングが好ましい。例えばエッチングによる流路溝9では、幅0.1〜10mm、深さ0.05〜1mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
金属板4への開口部4cの形成、金属板4,5の外縁部の薄肉化、金属板5への注入口5c等の形成についても、エッチングを利用するのが好ましい。
エッチングは、例えばドライフィルムレジストなどを用いて、金属表面に所定形状のエッチングレジストを形成した後、金属板4,5の種類に応じたエッチング液を用いて行うことが可能である。また、2種以上の金属の積層板を用いて、金属ごとに選択的にエッチングを行うことで、流路溝9の断面形状や薄肉化した外縁部の厚みをより高精度に制御することができる。
図2に示す実施形態は、金属板4,5のカシメ部(外縁部)をエッチングにより厚みを薄くした例である。このように、カシメ部をエッチングして適切な厚さにすることで、カシメによる封止をより容易に行うことができる。この観点から、カシメ部の厚みとしては、0.05〜0.3mmが好ましい。
本発明では、カソード側電極板2に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、アノード側電極板3に水素ガスを供給する水素ガス流路部とが形成されていれば、流路部等の形成構造は何れでもよい。金属板4,5で流路部等を形成する場合には、金属板4,5の周縁は、電気的に絶縁した状態で曲げプレスにより封止することが好ましい。本実施形態では、カシメにより封止されている例を示す。
電気的な絶縁は、絶縁材料6や固体高分子電解質1の周縁部、又はその両者を介在させることで行うことができる。絶縁材料6を用いる場合、その厚みとしては、薄型化の観点から、0.1mm以下が好ましい。なお、絶縁材料をコーティングすることにより、更なる薄型化が可能である(例えば絶縁材料6の厚み1μmも可能)。
絶縁材料6としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミドが好ましい。絶縁材料6は、金属板4,5の周縁に直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板4,5に一体化しておくことも可能である。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図2に示すものが好ましい。つまり、一方の金属板5の外縁部5aを他方の外縁部4aより大きくしておき、絶縁材料6を介在させつつ、一方の金属板5の外縁部5aを他方の金属板4の外縁部4aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このカシメ構造では、プレス加工等によって、金属板4の外縁部4aに段差を設けておくのが好ましい。このようなカシメ構造自体は金属加工として公知であり、公知のカシメ装置によって、それを形成することができる。
本発明の燃料電池は、図1〜図3に示すように、水素ガス供給の最終段Snとなる単位セルUCについて、水素ガス流路部の排出口5dには、最終段Snの単位セルUCからのガスの排出量を制御する排出制御機構が設けられる。本実施形態では、排出制御機構として、一次側の圧力が一定以下になるようにガスを排出させる圧力制御弁10を設けた例を示す。
本発明における、排出制御機構からのガスの排出は、間欠的でも連続的でもよく、一定量でも排出量が変化してもよい。但し、不純物ガスの濃縮状態を安定化し、発電効率を高く維持する観点から、ほぼ一定量でガスを排出するのが好ましい。
本発明における排出制御機構では、最終段Snの単位セルUCに供給された水素ガス(厳密には不純物ガスも含む総量)に対して0.02〜4体積%、好ましくは0.05〜3体積%、より好ましくは0.1〜2体積%のガス(不純物ガスを含む)を排出するように制御する。ここで、ガスの排出量が変化する場合は、平均値で求める。ガスの排出量が0.02体積%未満であると、濃縮した不純物ガスが十分排出できず、燃料電池の出力が経時的に低下し、発電が短時間で停止する。またガスの排出量が4体積%を超えると、水素ガスの排出量が多くなり、その排ガス処理やガス放出の問題が生じる。
水素ガスの注入口5cから水素ガスを一定量以上供給すると、内面側空間の圧力が上昇し、圧力制御弁10によって、内面側空間(即ち、水素ガス)の圧力を所定値に制御することができる。これにより、封止部からリークや、金属板5と電極板3との接触不良を防止することも可能である。
圧力制御弁10としては、内面側空間の圧力を所定値に制御できれば何れの形式でもよいが、構造を簡易化する上で、自力式の制御弁が好ましく、外部検出型より内部検出型の方がより好ましい。
本実施形態では、図4に示すように、弁座11に弁体12を付勢する付勢手段13と、その付勢手段13の付勢力を調節する調節機構14と、弁座11を有し弁体12を収容する弁座空間15と、その弁座空間15まで連通し弁体12によって封鎖可能な導入流路16と、弁座空間15から外部に連通する排出流路17とを備える圧力制御弁10を用いる例を示す。
圧力制御弁10は、弁座空間15を形成する筒状本体18の連結部18aを、アノード側金属板5の排出口5dに挿入して、端部のカシメを行うことで、気密に連結してある。また、筒状本体18のメネジ部18bに調節機構14のオネジ部14aを螺合してあり、螺合量によって付勢手段13であるバネの長さを調節することで、付勢手段13の付勢力を調節することができる。弁体12は、例えば金属板12bとシリコーンゴム12aとの積層体で形成されている。
この圧力制御弁10では、導入流路16を封鎖する弁体12に対する水素ガスの圧力が一定以上になると、付勢手段13の付勢力に抗して弁体12と弁座11との間に隙間が生じて、水素ガスが弁座空間15と排出流路17とを経て外部に排出されるため、内部圧を略一定に維持することができる。また、弁体12を付勢する付勢手段13の付勢力を調節する調節機構14を備えるため、内部圧制御の設定値を変化させることができる。
この圧力制御弁10によると、最も簡易な構成で圧力制御弁を構成できるため、圧力制御弁を小型化・薄型化でき(例えば直径4mm、高さ5mmも可能)、燃料電池全体の薄型化が容易になる。
本発明では、単位セルUCを1個又は複数個使用することができ、1個の単位セルUCを使用する場合、これが水素ガス供給の最終段となるため、この単位セルUCに排出制御機構が設けられる。複数の単位セルUCを使用する場合、次のように構成される。
電気的には、各々の単位セルUCは直列に接続されるのが通常であるが、電流値を優先させて並列に接続してもよい。また、電圧が不足する場合には、ブートアップ回路(DC−DCコンバータ)が必要に応じて接続される。
水素ガスについては、初段S1から最終段Snまでの各単位セルUCが直列に接続されるか、直列に接続した単位セルUC群を複数構成し、各々の単位セルUC群に並列に水素ガスを供給することもできる。後者の場合、各々の単位セルUC群の最終段に排出制御機構が設けられる。本発明では、不純物ガスを最終段Snの単位セルUCに効率良く濃縮する観点から、水素ガスを直列に供給する形態が好ましい。
図3に示した例では、初段S1から最終段Snまでの各単位セルUCが、水素供給管25で直列に接続され、水素ガスの供給手段である水素ガス発生セル20から初段S1の単位セルUCに水素ガスが供給される。供給された水素ガスは各々の単位セルUCで消費されながら、最終段側に流動し、最終段Snの単位セルUCの排出制御機構から排出される。
単位セルUCを使用する際、金属板5の水素ガスの注入口5c及び排出口5dには、直接、水素ガス供給用のチューブを接合することも可能であるが、燃料電池の薄型化を行う上で、厚みが小さく、金属板5の表面に平行なパイプを有するチューブジョイントを設けるのが好ましい。
水素ガスの供給方法としては、前記のような圧力制御弁10を用いて、内面側空間の圧力を好適に制御する上で、化学反応により水素ガスを発生させる水素発生器を用いる方法が好ましい。かかる水素発生器としては、ナノ鉄粒子、アルミニウム粉末や反応触媒、又はそれらを多孔質体にしたものを容器内に収容し、加熱手段や水分供給手段を更に備えたものが挙げられる。
一方、本発明の発電方法は、本発明の燃料電池を用いて好適に行うことができる。即ち、本発明の発電方法は、板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで形成される単位セルの単数又は複数に、水素ガスと酸素含有ガスとを供給して発電を行う発電方法において、水素ガス供給の最終段となる前記単位セルについて、水素ガスの流動によって不純物ガスを排出口付近に濃縮しながら、濃縮された不純物ガスの量が一定以下になるように単位セルからガスを少量排出しつつ発電を行うことを特徴とする。
その際、水素ガス供給の最終段となる前記単位セルとして、前記水素ガス流路部の流路断面積が前記アノード側電極板の面積の1%以下のものを使用すると共に、水素ガス供給の最終段となる前記単位セルに供給された水素ガスに対して、0.02〜4体積%のガスをその単位セルから排出しながら発電を行うことが好ましい。
その際、下流側に効率よく不純物ガスを濃縮する観点から、水素ガス供給の最終段となる前記単位セルに対して、前記水素ガス流路部の流路断面積を基準として計算される供給ガスの線流速が0.1m/秒以上となるように水素ガスを供給するのが好ましい。より好ましくは、供給ガスの線流速が0.5m/秒以上であり、1m/秒以上である。
また、最終段となる単位セルUCから排出されるガス中に含まれる水素ガスの濃度が50体積%未満であることが好ましく、40体積%未満であることがより好ましく、30体積%未満であることが更に好ましい。
本発明では、排出制御機構を設けた位置における水素ガス流路部の圧力が、7KPa以上が好ましい。これによって、カソード側からの不純物ガスの透過を抑制することができ、排出制御機構からのガスの排出量がより小さくても、発電効率を高く維持することができる。
本発明の燃料電池は、水素ガスの排出量が少なく排ガス処理やガス放出の問題が生じにくく、しかも、安定かつ継続して効率良く発電を行うことができるため、特に、携帯電話、ノートPC等のモバイル機器に好適に使用することができる。
但し、上記のような排ガス処理や発電効率の問題は、携帯機器に限られるものではないため、本発明は、自動車用の燃料電池やコージェネなどの発電装置に広く適用することができる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、排出制御機構として、一次側の圧力が一定以下になるようにガスを排出させる圧力制御弁を使用する例を示したが、本発明における排出制御機構としては、単位セルに供給された水素ガスに対して平均値で0.02〜4体積%のガスを排出できるものであれば何れでもよい。
例えば、手動で開度調整可能な弁、あるいは開度調整できないオリフィス、細孔、などいずれでもよい。これらを用いる場合、連続的にガスが排出されるが、間欠的にガスが排出される排出制御機構でもよい。また、定期的に一定時間だけガスを排出させる排出制御機構を設けて、圧力の変化とは無関係に、単位セルから間欠的にガスを排出してもよい。
(2)前述の実施形態では、カソード側電極板の面積に対して一定の開口率で開口部を設けた拡散抑制板(金属板)をカソード側電極板の表面に配置して、酸素含有ガス供給部を形成する例を示したが、酸素含有ガス供給部を、アノード側と同様に酸素含有ガスの流路溝によって構成してもよい。その場合、アノード側金属板と同様に、エッチングやプレス加工により、空気等の酸素含有ガスの流路溝、注入口、排出口を形成し、アノード側金属板と同様に、カソード側金属板の注入口から空気等を供給しつつ発電を行うことができる。その際、カソード側から外部へ水分の拡散を抑制する方法としては、例えば水分を含有する酸素含有ガスを供給する方法が挙げられる。
(3)前述の実施形態では、金属板をカソード側電極板とアノード側電極板との表面に配置して、酸素含有ガス供給部と水素ガス流路部とを形成する例を示したが、金属板の代わりに、その他の材料や、従来から使用されている各種セパレータを用いることも可能である。
また、前述の実施形態では、エッチングによりアノード側金属板に流路溝を形成する例を示したが、本発明では、プレス加工、切削などの機械的な方法により、アノード側金属板に流路溝を形成してもよい。
(4)前述の実施形態では、カソード側金属板の開口部から、そのままカソード側電極板を露出させる例を示したが、本発明では、カソード側金属板に、前記開口部を覆うように疎水性の高分子多孔質膜を積層してもよい。高分子多孔質膜の積層は、カソード側金属板の内側でも外側でもよい。
(5)前述の実施形態では、排出制御機構として、一次側の圧力が一定以下になるようにガスを排出させる圧力制御弁を使用する例を示したが、排出制御機構として、二次側のガスの流量が略一定になるように制御する排出制御機構を設けることも可能である。その場合、排ガスの流量を検出して弁の開度をフィードバック制御するのが好ましい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例1
耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.3mm厚)に溝(幅0.8mm、深さ0.2mm、間隔1.6mm、本数21本)、及び周辺カシメ部、ガス導入、排出孔を塩化第二鉄水溶液によるエッチングにより設け、これをアノード側金属板とした。このときアノード側金属板に設けられた水素ガス流路部の流路断面積は、0.16mmであった。同様に、耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.3mm厚)に貫通孔(0.6mmφ、ピッチ1.5mm、個数357個、接触領域の開口率13%)、及び周辺カシメ部、ガス導入、排出孔を塩化第二鉄水溶液によるエッチングにより設け、これをカソード側金属板とした。そして絶縁シート(50mm×26mm×2mm幅、厚み80μm)をSUSに張り合わせた。
また、薄膜電極組立体(49.3mm×25.3mm)は、下記のようにして作製した。白金触媒は、米国エレクトロケム社製20%白金担持カーボン触媒(EC−20−PTC)を用いた。この白金触媒と、カーボンブラック(アクゾ社ケッチェンブラックEC)、ポリフッ化ビニリデン(カイナー)を、それぞれ75重量%、15重量%、10重量%の割合で混合し、ジメチルホルムアミドを、2.5重量%のポリフッ化ビニリデン溶液となるような割合で、上記白金触媒、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデンの混合物中に加え、乳鉢中で溶解・混合して、触媒ペーストを作製した。カーボンペーパー(東レ製TGP−H−90、厚み370μm)を20mm×43mmに切断し、この上に、上記のようにして作製した触媒ペースト約20mgをスパチュラにて塗布し、80℃の熱風循環式乾燥機中で乾燥した。このようにして4mgの触媒組成物が担持されたカーボンペーパーを作製した。白金担持量は、0.6mg/cm2 である。
上記のようにして作製した白金触媒担持カーボンペーパーと、固体高分子電解質(陽イオン交換膜)としてナフィオンフィルム(デュポン社製ナフィオン112、25.3mm×49.3mm、厚み50μm)を用い、その両面に、金型を用いて、135℃、2MPaの条件にて2分間ホットプレスした。こうして得られた薄膜電極組立体を上記のSUS板2枚の中央で挟み込み、図2に示すようにカシメ合わせることで、外寸50mm×26mm×1.4mm厚という薄型小型のマイクロ燃料電池を得る事ができた。この単位セルの水素ガス流路部の流路断面積は、アノード側電極板の面積に対して、0.019%であった。これを単位セルとし、図3に示すように、3個の単位セルを直列(ガスおよび電気)に接続して燃料電池を構成した。
このマイクロ燃料電池の電池特性を評価した。燃料電池特性は、東陽テクニカ製燃料電池評価システムを用い、室温下、アノード側に水素ガス(純度100%)を流し、カソード側は大気開放とし、電流1.0A(電流密度120mA/cm)の一定運転で測定した。その際、水素ガスの供給ガス流量は、最上流の単位セルに対して22.8mL/min、最終段の単位セルに対して7.6mL/minであった。また、最終段の単位セルの排出口に圧力制御弁を設けて、これを調節することで(設定圧力10KPa)、平均のガスの排出量を0.1mL/minとした。つまり、最終段の単位セルに供給された水素ガスに対して1.3体積%のガスを排出するように設定した。
その際の電圧の経時変化を図5に示す。この結果から、略同一の出力電圧値を長期間にわたって維持できることが判った。
比較例1
実施例1において、圧力制御弁を設けずに、最終段の単位セルからガスを排出させないようにしたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図5に示す。この結果が示すように、単位セルからガスを排出させない場合、燃料電池の出力電圧が約20分で半分以下になり、発電が早期に停止することが判った。
参考例1
実施例1において、電流1.0Aの一定運転を行いながら、圧力制御弁を設けずに、最終段の単位セルからの平均ガスの排出量を4.56mL/min(総供給量の20体積%)としたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図5に示す。この結果が示すように、参考例1では実施例1と比較して若干、電圧が上昇するものの、実施例1と殆ど差がないことが判明した。
実施例2
実施例1において、電流0.5Aの一定運転(最終段の単位セルに対して3.8mL/min供給)を行いながら、最終段の単位セルに供給された水素ガスに対して1.3体積%のガスを排出したこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図5に示す。この結果が示すように、略同一の出力電圧値を長期間にわたって維持できることが判った。
比較例2
比較例1において、電流0.5Aの一定運転(最終段の単位セルに対して3.8mL/min供給)を行いながら、最終段の単位セルからガスを排出させないようにしたこと以外は、比較例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図5に示す。この結果が示すように、単位セルからガスを排出させない場合、燃料電池の出力電圧が約15分で半分以下になり、発電が早期に停止することが判った。
実施例3
実施例1において、電流1.5Aの一定運転(最終段の単位セルに対して11.4mL/min供給)を行いながら、最終段の単位セルに供給された水素ガスに対して1.3体積%のガスを排出したこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図5に示す。この結果が示すように、略同一の出力電圧値を長期間にわたって維持できることが判った。
比較例3
比較例1において、電流1.5Aの一定運転(最終段の単位セルに対して11.4mL/min供給)を行いながら、最終段の単位セルからガスを排出させないようにしたこと以外は、比較例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図5に示す。この結果が示すように、単位セルからガスを排出させない場合、燃料電池の出力電圧が約30分で半分以下になり、発電が早期に停止することが判った。
実施例4
実施例1において、電流1.0Aの一定運転(最終段の単位セルに対して7.6mL/min供給)を行いながら、最終段の単位セルからのガスの排出量を0〜12cc/hに変えたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図6に示す。この結果が示すように、0.6cc/h(排出量0.13体積%)以上では、略同一の出力電圧値を長期間にわたって維持でき、0cc/h(0体積%)との間に臨界値があることが判った。
実施例5
実施例1において、排出口に設けた圧力制御弁で5KPaの圧力に設定し、電流1.0Aの一定運転(最終段の単位セルに対して7.6mL/min供給)を行いながら、最終段の単位セルからのガスの排出量を4.0〜8.0cc/hに変えたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図7に示す。この結果が示すように、7.7cc/h(排出量1.7体積%)以上では、略同一の出力電圧値を長期間にわたって維持でき、5.4cc/h(1.2体積%)との間に臨界値があることが判った。
実施例6
実施例1において、排出口に設けた圧力制御弁で5KPaの圧力に設定し、電流1.0Aの一定運転(最終段の単位セルに対して7.6mL/min供給)を行いながら、最終段の単位セルからのガスの排出量を5〜15cc/hに変えたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、排ガスの組成をガスクロマトグラフィーで測定した。その結果を図8に示す。この結果が示すように、ガスの排出量が5cc/h〜10cc/hの場合には、排ガス中の水素ガスの濃度が50体積%未満となることが判った。この結果と実施例1と参考例1との対比から、圧力制御弁の近傍のみに不純物ガスが濃縮されており、このため発電効率が高くなっていることがわかる。
本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す組み立て斜視図 本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す縦断面図 複数の単位セルで構成された本発明の燃料電池の一例を示す概略構成図 本発明の燃料電池(単位セル)に用いた圧力制御弁の一例を示す断面図 実施例1〜3、比較例1〜3、参考例1における電圧の経時変化を示すグラフ 実施例4においてガスの排出量を変えた場合の電圧の経時変化を示すグラフ 実施例5においてガスの排出量を変えた場合の電圧の経時変化を示すグラフ 実施例6においてガスの排出量を変えた場合のガス組成の変化を示すグラフ 従来の燃料電池の一例を示す組み立て斜視図
符号の説明
1 固体高分子電解質
2 カソード側電極板
3 アノード側電極板
4 カソード側金属板
4c 開口部
5 アノード側金属板
5c 注入口
5d 排出口
9 流路溝
10 圧力制御弁(排出制御機構)
Sn 最終段
UC 単位セル

Claims (2)

  1. 板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで形成される単位セルの単数又は複数を備える燃料電池において、
    水素ガス供給の最終段となる前記単位セルについて、前記水素ガス流路部の流路断面積を前記アノード側電極板の面積の1%以下にすると共に、前記水素ガス流路部の排出口には、単位セルに供給された水素ガスに対して0.02〜4体積%のガスを排出する排出制御機構が設けられていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記排出制御機構は、一次側の圧力が一定以下になるようにガスを排出させる圧力制御弁である請求項1記載の燃料電池。
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