JP4440088B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質を用いた燃料電池に関し、特に厚みを薄くすることのできる高分子型燃料電池に関する。
ポリマー電解質のような固体高分子電解質を使用した高分子型燃料電池は、高いエネルギー変換効率を持ち、薄型小型・軽量であることから、家庭用コージェネレーションシステムや自動車向けに開発が活発化している。かかる燃料電池の従来技術の構造として、図8に示すものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
即ち、図8に示すように、固体高分子電解質膜100を挟んでアノード101とカソード102とを配設する。さらに、ガスケット103を介して一対のセパレータ104により挟持して単位セル105を構成する。各々のセパレータ104にはガス流路溝が形成されており、アノード101との接触により、還元ガス(例えば、水素ガス)の流路が形成され、カソード102との接触により、酸化ガス(例えば、酸素ガス)の流路が形成される。各々のガスは、単位セル105内の各流路を流通しながら、アノード101又はカソード102の内部に担持された触媒の作用により電極反応(電極における化学反応)に供され、電流の発生とイオン伝導が生じる。
この単位セル105を多数個積層し、単位セル105どうしを電気的に直列に接続して燃料電池Nを構成し、電極106は、積層した両端の単位セル105から取り出すことができる。このような燃料電池Nは、クリーンかつ高効率という特徴から、種々の用途、特に、電気自動車用電源や家庭用分散型電源として注目されている。
一方、近年のIT技術の活発化に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジカメなどモバイル機器が頻繁に使用される傾向があるが、これらの電源は、ほとんどリチウムイオン二次電池が用いられている。ところが、モバイル機器の高機能化に伴って消費電力がどんどん増大し、その電源用としてクリーンで高効率な燃料電池が注目されてきている。
しかしながら、図8に示すような従来の構造では、構造に自由度が無いため、モバイル機器の電源として求められる薄型小型軽量化や形状の高自由度化に難があり、メンテナス性が悪いという問題もあった。また、燃料電池セル内で酸化還元ガスを相互に混合させないように供給し、かつ、密閉化することが難しく、これらの条件を満たしながら、燃料電池セルの大きさや重量を低減化することは困難であった。つまり、従来、セル部品をボルト及びナットの締結部品で相互結合して、セル部品に一定の圧力を加えていたため、シール性を確保する上で、各部材の剛性を高める必要性があり、どうしても薄型化、小型化、軽量化、自由な形状設計が困難であった。
ところで、下記の特許文献1には、単位セルからなり、液体燃料をセル内に貯蔵する偏平型液体燃料電池であって、燃料極、電解質、及び酸化剤極の積層体を、その周囲をシール材で一体化し、電池ケース内に収納した構造の燃料電池が開示されている。また、この燃料電池では、電池ケースの酸化剤極に対向する部分に、複数の酸化剤供給孔が設けられている。
しかしながら、このような燃料電池に水素ガスのような気体燃料を使用すると共に、空気を酸化剤として自然供給する場合、酸化剤供給孔の開口率が大きいほど、一般に初期の発電効率が高くなるものの、開口率が大き過ぎると、高分子固体電解質の乾燥によって徐々に出力が低下することが判明した。
また、上記のセル構造では、電極を含む積層体の側壁とシール材との圧接力を十分高めることができないため、例えば水素ガス燃料を加圧して燃料極側を流通させた場合、水素ガスが酸化剤極側にリークし、発電効率の低下や水素燃焼の危険を伴うといった問題があった。つまり、燃料電池の電極は一般に多孔構造になっており、このため、上記のセル構造において、加圧された水素ガスが燃料極の内部を通り、電解質の側壁とシール材との間から、酸化剤極側にリークし易い構造となっている。
日経メカニカル別冊「燃料電池開発最前線」発行日2001年6月29日、発行所:日経BP社、第3章PEFC、3.1原理と特徴p46 特開昭58−176881号公報
そこで、本発明の目的は、単位セルごとに確実に封止を行うことができ、これによって薄型化が可能となり、高い出力を安定して維持することができ、しかも小型軽量かつ自由な形状設計が可能な燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、気体燃料を使用し空気をカソード側電極に自然供給する薄型の燃料電池に着想し、そのカソード側電極板に特定範囲の開口率で開口部を設けることによって、実用域において初期の高い発電効率が長時間維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の燃料電池は、板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板と、前記アノード側電極板の表面に配置され内面側への燃料ガスの流通を可能とするアノード側金属板と、を備える燃料電池であって、前記カソード側金属板のカソード側電極板との接触領域には、開口率7〜30%で開口部が設けられると共に、前記両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で機械的に封止してあることを特徴とする。
本発明の燃料電池によると、カソード側金属板の開口部から空気を自然供給できるため、アノード側金属板の注入口から燃料ガスを供給することで、各々の電極板で電極反応を生じさせることができ、電極板に接する金属板から電流を取り出すことができる。その際、開口部の開口率を特定の範囲とすることによって、実用域において初期の高い発電効率が長時間維持できるようになる。また、両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で機械的に封止してあるため、両者の短絡を防止しながら、厚みをさほど増加させずに単位セルごとに確実に封止を行うことができる。更に、固体高分子電解質や金属板を使用するため、自由な平面形状や屈曲が可能となり、小型軽量かつ自由な形状設計が可能となる。
上記において、前記両側の電極板から前記固体高分子電解質の周縁部を延出させ、その周縁部をこれに対向する前記金属板によって挟持してあることが好ましい。両側の電極板から固体高分子電解質の周縁部を延出させ、その周縁部を対向する金属板によって挟持しながら、金属板の周縁を曲げプレス等により機械的に封止してあるため、固体高分子電解質の周縁部と金属板との間に十分な圧接力が得られるので、燃料ガスがカソード側にリークするのを防止することができる。
本発明では、生産性やコスト、封止性能などの理由から、特に、両側の金属板の周縁が、曲げプレスにより機械的に封止されていることが好ましい。
また、前記アノード側金属板又はカソード側金属板の少なくとも一方の周縁部は、エッチングにより他の部分より厚みを薄くしてあることが好ましい。これら金属板は、加工性の面からエッチングにより開口部や流路溝を形成するのが好ましいが、その際に周縁部をエッチングにより薄くすることで、曲げプレスにより機械的な封止をより好適に行えるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す組み立て斜視図であり、図2は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す縦断面図である。
本発明の燃料電池は、図1〜図2に示すように、板状の固体高分子電解質1と、その固体高分子電解質1の一方側に配置されたカソード側電極板2と、他方側に配置されたアノード側電極板3と、カソード側電極板2の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板4と、アノード側電極板3の表面に配置され内面側への燃料ガスの流通を可能とするアノード側金属板5とを備えるものである。本実施形態では、アノード側金属板5に、エッチングにより燃料の流路溝9が形成され、アノード側金属板5とカソード側金属板4の周縁部がエッチングにより他の部分より厚みを薄くしてある例を示す。
固体高分子電解質1としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。
その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板2,3は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや、酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質1と接する内面2b,3bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板2,3や固体高分子電解質1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気が用いられると共に、還元ガスとして水素ガスや用いられるのが好ましい。
例えば、水素ガスと空気を使用する場合、空気が自然供給される側のカソード側電極板2では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。特に、低作動温度、高電流密度及び高ガス利用率の運転条件では、特に水が生成する空気極において水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディング)現象が起こりやすい。したがって、長期にわたって燃料電池の安定な特性を得るためには、フラッディング現象が起こらないように電極の撥水性を確保することが有効である。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。
電極板2,3と固体高分子電解質1とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、薄膜電極組立体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
カソード側電極板2の表面にはカソード側金属板4が配置され、アノード側電極板3の表面にはアノード側金属板5が配置される。アノード側金属板5には、例えば燃料の注入口5c及び排出口5dが設けられ、更に本実施形態では、アノード側金属板5に流路溝9が設けられている。
カソード側金属板4のカソード側電極板2との接触領域には、開口率7〜30%、好ましくは開口率10〜25%で開口部4cが設けられる。開口部4cは、空気中の酸素を自然供給するものであり、開口率が大き過ぎると、固体高分子電解質1の乾燥等の理由から徐々に燃料電池の出力が低下するためである。また、このような開口率の範囲では、実用域電圧において略最大値の出力が得られる。但し、開口率が低すぎると、実用域電圧においても出力の低下が見られる。
従って、開口部4cは、上記の開口率の範囲であれば、その個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。カソード側金属板4の開口部4cは、例えば規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けたり、または金属メッシュによって開口部を設けてもよい。
金属板4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性、エッチング加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。
アノード側金属板5に設けられる流路溝9は、電極板3との接触により水素ガス等の流路が形成できるものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。但し、流路密度、積層時の積層密度、屈曲性などを考慮すると、金属板5の一辺に平行な縦溝9aと垂直な横溝9bを主に形成するのが好ましい。本実施形態では、複数本(図示した例では3本)の縦溝9aが横溝9bに直列接続されるようにして、流路密度と流路長のバランスを取っている。
なお、このような金属板5の流路溝9の一部(例えば横溝9b)を電極板3の外面に形成してもよい。電極板3の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板2,3の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板5の流路溝9に連通する注入口5c及び排出口5dは、それぞれ1個又は複数を形成することができる。なお、金属板4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、強度、伸び、重量、弾性率、ハンドリング性などを考慮すると、0.1〜1mmが好ましい。
金属板5に流路溝9を形成する方法としては、加工の精度や容易性から、エッチングが好ましい。エッチングによる流路溝9では、幅0.1〜10mm、深さ0.05〜1mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
金属板4への開口部4cの形成、金属板4,5の周辺部の薄肉化、金属板5への注入口5c等の形成についても、エッチングを利用するのが好ましい。
エッチングは、例えばドライフィルムレジストなどを用いて、金属表面に所定形状のエッチングレジストを形成した後、金属板4,5の種類に応じたエッチング液を用いて行うことが可能である。また、2種以上の金属の積層板を用いて、金属ごとに選択的にエッチングを行うことで、流路溝9の断面形状をより高精度に制御することができる。
本発明では、両側の金属板4,5の周縁を電気的に絶縁した状態で機械的に封止してあるが、その際、両側の電極板2,3から固体高分子電解質1の周縁部1aを延出させ、その周縁部1aをこれに対向する前記金属板4,5によって挟持しながら、機械的に封止するのが好ましい。機械的な封止は、例えば曲げプレス、即ち所謂カシメにより行うことができる。本実施形態では、固体高分子電解質1の周縁部1aが絶縁材料6を介在させつつ金属板4,5によって挟持されると共に、金属板4,5の周縁が、絶縁材料6を介在させつつカシメにより封止されている例を示す。
図2に示す実施形態は、金属板4,5のカシメ部(周辺部)をエッチングにより厚みを薄くした例である。このように、カシメ部をエッチングして適切な厚さにすることで、カシメによる封止をより容易に行うことができる。この観点から、カシメ部の厚みとしては、0.05〜0.3mmが好ましい。
本発明では、金属板4,5の周縁は、電気的に絶縁した状態で機械的に封止されている。電気的な絶縁は、絶縁材料6や固体高分子電解質1の周縁部、又はその両者を介在させることで行うことができる。
本発明では、カシメを行う際、図2に示すように、金属板4,5の周縁によって固体高分子電解質1を挟持する構造が好ましく、絶縁材料6を介在させつつ固体高分子電解質1を挟持する構造がより好ましい。このような構造によると、電極板2,3の一方から他方へのガス等の流入を効果的に防止することができる。絶縁材料6の厚みとしては、薄型化の観点から、0.1mm以下が好ましい。なお、絶縁材料をコーティングすることにより、更なる薄型化が可能である(例えば絶縁材料6の厚み1μmも可能)。
絶縁材料6としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミドが好ましい。絶縁材料6は、金属板4,5の周縁に直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板4,5に一体化しておくことも可能である。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図2に示すものが好ましい。つまり、一方の金属板5の外縁部5aを他方の外縁部4aより大きくしておき、絶縁材料6を介在させつつ、一方の金属板5の外縁部5を他方の金属板4の外縁部4aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このカシメ構造では、プレス加工等によって、金属板4の外縁部4aに段差を設けておくのが好ましい。このようなカシメ構造自体は金属加工として公知であり、公知のカシメ装置によって、それを形成することができる。
本発明では、図2に示すような単位セルを1個又は複数個使用することができるが、固体高分子電解質1、一対の電極板2,3、及び一対の金属板4,5で単位セルを構成し、この単位セルを複数積層したり、同一面に配列して使用することも可能である。このようにすると、ボルト及びナットの締結部品で相互結合して、セル部品に一定の圧力を加えなくても、高出力の燃料電池を提供することができる。
使用の際、金属板5の燃料の注入口5c及び排出口5dには、直接、燃料供給用のチューブを接合することも可能であるが、燃料電池の薄型化を行う上で、厚みが小さく、金属板5の表面に平行なパイプを有するチューブジョイントを設けるのが好ましい。
本発明の燃料電池は、薄型化が可能で小型軽量かつ自由な形状設計が可能なため、特に、携帯電話、ノートPC等のモバイル機器に好適に使用することができる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、図2に示すカシメ構造を採用する例を示したが、本発明では、図3(a)〜(b)に示すようなカシメ構造を採用してもよい。
図3(a)に示すカシメ構造は、両方の金属板4,5の外縁部4a,5aを折り返したカシメ構造である。なお、この単位セルでは、各々の電極板2,3から拡散したガスが混合しないように、金属板4,5の各々と固体高分子電解質1との間に、シール部材Sを介在させている。
更に、図3(b)に示すカシメ構造は、両方の金属板4,5の外縁部4a,5aを折り返さずに、別の金属板7によって、各々の金属板4,5を絶縁する絶縁材料6a,6bを介して、挟圧したカシメ構造である。なお、カシメ構造では、両者の金属板4,5をプレス加工せずに平板のまま使用することも可能である。
(2)前述の実施形態では、エッチングによりアノード側金属板に流路溝を形成する例を示したが、本発明では、プレス加工、切削などの機械的な方法により、アノード側金属板に流路溝を形成してもよい。
図4は、プレス加工による金属板5の変形により流路溝9を形成した例である。プレス加工により流路溝9を形成する場合、流路溝9としては幅0.1〜10mm、深さ0.1〜10mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
(3)前述の実施形態では、アノード側金属板に燃料の流路溝を形成する例を示したが、本発明では、図5(a)〜(b)に示すように、アノード側電極板3に、燃料の流路溝3aを形成してもよい。その場合、アノード側金属板5には流路溝を設けないことも可能である。
また、この例では、開口部4cを有する側のカソード側電極板2にも、流路溝2aを形成しているが、カソード側金属板の開口部4cからの空気の拡散性を高める目的で、カソード側電極板2にも流路溝2aを形成してもよい。
(4)前述の実施形態では、カソード側金属板の開口部から、そのままカソード側電極板を露出させる例を示したが、本発明では、カソード側金属板に、前記開口部を覆うように疎水性の高分子多孔質膜を積層してもよい。高分子多孔質膜の積層は、カソード側金属板の内側でも外側でもよい。
高分子多孔質膜の平均孔径は、通気性を維持しながら水滴の漏出を防止する上で、0.01〜3μmが好ましい。また、高分子多孔質膜の厚みは10〜100μmが好ましい。高分子多孔質膜の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、シリコーン樹脂などが挙げられる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例1
耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.3mm厚)に溝(幅0.8mm、深さ0.2mm、間隔1.6mm、本数21本)、及び周辺カシメ部、ガス導入、排出孔を塩化第二鉄水溶液によるエッチングにより設け、これをアノード側金属板とした。同様に、耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.3mm厚)に貫通孔(0.6mmφ、ピッチ1.5mm、個数357個、接触領域の開口率14%)、及び周辺カシメ部、ガス導入、排出孔を塩化第二鉄水溶液によるエッチングにより設け、これをカソード側金属板とした。そして絶縁シート(50mm×26mm×2mm幅、厚み80μm)をSUSに張り合わせた。
また、薄膜電極組立体(49.3mm×25.3mm)は、下記のようにして作製した。白金触媒は、米国エレクトロケム社製20%白金担持カーボン触媒(EC−20−PTC)を用いた。この白金触媒と、カーボンブラック(アクゾ社ケッチェンブラックEC)、ポリフッ化ビニリデン(カイナー)を、それぞれ75重量%、15重量%、10重量%の割合で混合し、ジメチルホルムアミドを、2.5重量%のポリフッ化ビニリデン溶液となるような割合で、上記白金触媒、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデンの混合物中に加え、乳鉢中で溶解・混合して、触媒ペーストを作製した。カーボンペーパー(東レ製TGP−H−90、厚み370μm)を20mm×43mmに切断し、この上に、上記のようにして作製した触媒ペースト約20mgをスパチュラにて塗布し、80℃の熱風循環式乾燥機中で乾燥した。このようにして4mgの触媒組成物が担持されたカーボンペーパーを作製した。白金担持量は、0.6mg/cm2 である。
上記のようにして作製した白金触媒担持カーボンペーパーと、固体高分子電解質(陽イオン交換膜)としてナフィオンフィルム(デュポン社製ナフィオン112、25.3mm×49.3mm、厚み50μm)を用い、その両面に、金型を用いて、135℃、2MPaの条件にて2分間ホットプレスした。こうして得られた薄膜電極組立体を上記のSUS板2枚の中央で挟み込み、図2に示すようにカシメ合わせることで、外寸50mm×26mm×1.4mm厚という薄型小型のマイクロ燃料電池を得る事ができた。
このマイクロ燃料電池の電池特性を評価した。燃料電池特性は、東陽テクニカ製燃料電池評価システムを用い、室温下、アノード側に純水素ガスを流した(カソード側は大気開放とした)。ガス流量は、0.1L/minとした。その結果を図6〜図7に示す。
図6(a)には、初期における電圧と出力との関係を示すグラフを、図6(b)には、初期における電流と出力との関係を示すグラフを示す。また、図7(a)には、電圧の経時変化を示すグラフを、図7(b)には、セル抵抗の経時変化を示すグラフを示す。
実施例2
実施例1において、カソード側金属板に接触領域の開口率24%で貫通孔(0.8mmφ、ピッチ1.5mm、個数357個)を設けたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図6〜図7に示す。
比較例1
実施例1において、カソード側金属板に接触領域の開口率38%で貫通孔(1.0mmφ、ピッチ1.5mm、個数357個)を設けたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図6〜図7に示す。
比較例2
実施例1において、カソード側金属板に接触領域の開口率54%で貫通孔(1.2mmφ、ピッチ1.5mm、個数357個)を設けたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図6〜図7に示す。
比較例3
実施例1において、カソード側金属板に接触領域の開口率5.0%で貫通孔(0.37mmφ、ピッチ1.5mm、個数357個)を設けたこと以外は、実施例1と同じ方法で燃料電池を作製し、燃料電池特性を評価した。その結果を図6〜図7に示す。
図6〜図7の結果が示すように、燃料電池の実用領域である電圧0.6V付近では、5%以外の開口率で出力がほとんど同じ(即ち、略最大値)であった。また、開口率が14%と24%の場合には、セル電圧及びセル抵抗がほとんど変化しないのに対して、開口率38%以上又は5%の場合では、セル電圧及びセル抵抗の経時的な劣化がみられた。
本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す組み立て斜視図 本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す縦断面図 本発明の燃料電池のカシメ構造の他の例を示す要部断面図 本発明の燃料電池の単位セルの他の例を示す縦断面図 本発明の燃料電池の単位セルの他の例を示す縦断面図であり、(a)は組み立て斜視図、(b)は縦断面図 実施例等の結果を示すグラフであり、(a)は、初期における電圧と出力との関係を示すグラフ、(b)は、初期における電流と出力との関係を示すグラフ 実施例等の結果を示すグラフであり、(a)は、電圧の経時変化を示すグラフ、(b)は、セル抵抗の経時変化を示すグラフ 従来の燃料電池の一例を示す組み立て斜視図
符号の説明
1 固体高分子電解質
1a 固体高分子電解質の周縁部
2 カソード側電極板
3 アノード側電極板
4 カソード側金属板
4c 開口部
5 アノード側金属板
5c 注入口
5d 排出口
6 絶縁材料
9 流路溝

Claims (3)

  1. 板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板と、前記アノード側電極板の表面に配置され内面側への燃料ガスの流通を可能とするアノード側金属板と、を備える燃料電池であって、
    前記カソード側金属板のカソード側電極板との接触領域には、開口率7〜30%で開口部が設けられると共に、前記両側の電極板から前記固体高分子電解質の周縁部を延出させ、その周縁部をこれに対向する前記金属板によって挟持してあり、前記両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態で機械的に封止してある燃料電池。
  2. 前記両側の金属板の周縁が、曲げプレスにより機械的に封止されている請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記アノード側金属板又はカソード側金属板の少なくとも一方の周縁部は、エッチングにより他の部分より厚みを薄くしてある請求項2記載の燃料電池。
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