JP2008010273A - 充電装置 - Google Patents

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泰一 杉田
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和彦 竹野
Takayuki Kanai
孝之 金井
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Abstract

【課題】充電の終了後直ちに、残余の水素ガスを簡易な装置で好適に処理することができる充電装置を提供する。
【解決手段】水素ガスを供給する水素ガス供給手段10と、充電のための電力を出力する出力コネクタ30と、水素ガス供給手段10から供給された水素ガスにより発電して出力する燃料電池FCと、その燃料電池FCの出力電圧を所定の電圧に変換して出力コネクタ30に出力する直流電圧変換回路20と、出力コネクタ30の着脱状態を検出する検出部33と、その検出部33からの離脱信号に基づいて、燃料電池FCの出力に対し負荷を生じさせる負荷付与手段40とを備える充電装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素ガスの供給により発電を行う燃料電池を用いて充電を行う充電装置に関し、特に、携帯機器の充電に使用する携帯型の充電装置として有用である。
固体高分子電解質を使用した燃料電池は、高いエネルギー変換効率を持ち、薄型小型・軽量であることから、家庭用コージェネレーションシステムや自動車向けに開発が活発化している。
一方、近年のIT技術の活発化に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジカメなどモバイル機器が頻繁に使用されており、これらモバイル機器の高機能化に伴って、消費電力は増大する傾向にある。このため、これらの電源として主に使用されているリチウムイオン二次電池についても、電池容量を高めるための開発が盛んに行われている。
しかし、リチウムイオン二次電池の電池容量には、理論的に限界があり、このため、燃料電池を用いた携帯型の充電器の開発も進んでいる。例えば、下記の特許文献1には、直接型メタノール燃料電池を用い、燃料電池を安定して動作させるために温度制御を行う携帯電話用の充電器が開示されている。しかし、直接型メタノール燃料電池を用いる充電器では、燃料に対する電池出力(出力密度)が十分でなく、急速充電を行う際に、出力不足になるいという問題がある。
また、下記の特許文献2には、水素ガスにより発電を行う燃料電池を用い、水の電気分解により発生させた水素ガスを水素吸蔵合金等に貯蔵しておき、この水素ガスを燃料電池に供給して発電した電力により、二次電池を充電する携帯型の充電器が開示されている。
しかしながら、上記の充電器のように、水素ガスを水素吸蔵合金等に貯蔵する方式では、充電終了後にバルブ等で水素ガスの供給を直ちに止めないと、余分な水素ガスが燃料電池から排出される可能性がある。また、これを行っても系内の水素ガスは幾らか放出されるため、排ガスの処理が必要となる。そして、水素ガスは、空気中の濃度が4vol%を越えると火災や爆発の危険性があるため、一定以上の濃度で大気中に排出することが規制されている。
なお、水素ガスを排ガス処理する方法としては、工業的には燃焼式処理や触媒式処理が知られているが、何れの方法でも装置の大型化や処理剤の寿命などの問題があり、小型の充電装置に使用するのは困難であった。
特開2004−194434号公報 特開2004−56985号公報
そこで、本発明の目的は、充電の終了後直ちに、残余の水素ガスを簡易な装置で好適に処理することができる充電装置を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の充電装置は、水素ガスを供給する水素ガス供給手段と、充電のための電力を出力する出力コネクタと、前記水素ガス供給手段から供給された水素ガスにより発電して出力する燃料電池と、その燃料電池の出力電圧を所定の電圧に変換して前記出力コネクタに出力する直流電圧変換回路と、前記出力コネクタの着脱状態を検出する検出部と、その検出部からの離脱信号に基づいて、前記燃料電池の出力に対し負荷を生じさせる負荷付与手段とを備えることを特徴とする。
本発明の充電装置によると、出力コネクタの着脱状態を検出する検出部からの離脱信号に基づいて、前記燃料電池の出力に対し負荷を生じさせる負荷付与手段を備えるため、充電の終了後、出力コネクタを取り外すことで、直ちに追加の負荷を燃料電池に生じさせることができる。これによって、燃料電池内に存在する水素ガス及び新たに供給される水素ガスを消費することができるため、簡易な装置で残余の水素ガスを好適に処理することができる。
上記において、前記検出部は前記出力コネクタに設けられた検出用端子であり、前記負荷付与手段は、前記検出用端子の電位の変化による離脱信号に基づいて、前記燃料電池の出力に対する負荷の電流を制御する電流制御回路を備えることが好ましい。このような検出用端子と電流制御回路とを備える場合、より簡易な装置構成によって、電位の変化で離脱を検出して追加の負荷を燃料電池に生じさせることができる。
また、前記燃料電池は、板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで構成されることが好ましい。
このような構造の単位セルは、放熱性能が高く、大電流に対応できるため、充電の終了後に、十分な量の水素ガスを消費して処理することができる。
また、前記水素ガス供給手段は、反応液との反応により水素ガスを発生する水素発生剤を収容する反応容器と、反応液の供給部とを有するものであることが好ましい。本発明では、充電後に生じる不要な水素ガスを全て消費することができるため、このような単純で水素発生量の制御が困難な水素ガス供給手段を用いた場合でも、充電の終了後直ちに、残余の水素ガスを簡易な装置で好適に処理することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の充電装置の一例を示す概略構成図である。図2〜図3は、本発明の充電装置に用いる単位セルの一例を示す組み立て斜視図及び縦断面図である。
本発明の充電装置は、図1に示すように、水素ガスを供給する水素ガス供給手段10と、充電のための電力を出力する出力コネクタ30と、水素ガス供給手段10から供給された水素ガスにより発電して出力する燃料電池FCと、その燃料電池FCの出力電圧を所定の電圧に変換して出力コネクタ30に出力する直流電圧変換回路20とを備える。
水素供給型の燃料電池FCとしては、図2〜図3に示すように、板状の固体高分子電解質1と、その固体高分子電解質1の一方側に配置されたカソード側電極板2と、他方側に配置されたアノード側電極板3と、前記カソード側電極板2に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板3に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで形成される単位セルの単数又は複数を備えることが好ましい。
本実施形態では、図2〜図3に示すように、アノード側金属板5にエッチングにより水素ガスの流路溝9が形成されて水素ガス流路部が構成され、カソード側金属板4に空気を自然供給するための開口部4cが形成されて酸素含有ガス供給部が構成されている単位セルを用いる例を示す。このように、金属板4,5によってガス供給部が構成されることにより、燃料電池の薄型化・軽量化を図ることができる。
固体高分子電解質1としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。
その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板2,3は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質1と接する内面2b,3bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板2,3や固体高分子電解質1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気、純酸素等の酸素含有ガスが用いられると共に、還元ガス(燃料)として水素ガスが用いられる。本発明では、空気が自然供給される側のカソード側電極板2では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。
燃料電池24に供給する水素ガスは、水素ガスの排出量を少なくして、安定かつ継続して効率良く発電を行う理由から、水素ガスの純度95%以上が好ましく、純度99%以上がより好ましく、純度99.9%以上が更に好ましい。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。
電極板2,3と固体高分子電解質1とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、薄膜電極組立体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
本実施形態では、カソード側電極板2の表面にはカソード側金属板4が配置され、アノード側電極板3の表面にはアノード側金属板5が配置される。また、アノード側金属板5には水素ガスの注入口5c及び排出口5dが設けられ、その間に流路溝9が設けられている。
本発明では、酸素含有ガス供給部には、カソード側から外部へ水分の拡散を抑制する拡散抑制機構が設けてあることが好ましい。本実施形態では、カソード側金属板4に、空気中の酸素を自然供給するための開口部4cが設けられており、これが拡散抑制機構として機能する拡散抑制板に相当し、その拡散抑制板を介して空気を自然供給できるように構成してある。
拡散抑制板であるカソード側金属板4には、カソード側電極板2の面積に対して開口率10〜30%で開口部4cを設けることが好ましい。このような開口率とする場合、この開口率の範囲内であれば、開口部4cの個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。なお、上記の開口率の範囲内であれば、カソード側電極板2からの集電も十分行うことができる。カソード側金属板4の開口部4cは、例えば規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けることができる。
金属板4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性、エッチング加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。金属板4,5には、電極板2,3との接触抵抗を低減するために、金メッキなどの貴金属メッキを施すのが好ましい。
アノード側金属板5に設けられる流路溝9は、電極板3との接触により水素ガス等の流路が形成できるものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。但し、流路密度、積層時の積層密度、屈曲性などを考慮すると、金属板5の一辺に平行な縦溝9aと垂直な横溝9bを主に形成するのが好ましい。本実施形態では、複数本(図示した例では3本)の縦溝9aが横溝9bに直列接続されるようにして、流路密度と流路長のバランスを取っている。
なお、このような金属板5の流路溝9の一部(例えば横溝9b)を電極板3の外面に形成してもよい。電極板3の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板2,3の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板5の流路溝9に連通する注入口5c及び排出口5dは、それぞれ1個又は複数を形成することができる。なお、金属板4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、強度、伸び、重量、弾性率、ハンドリング性などを考慮すると、0.1〜1mmが好ましい。
金属板5に流路溝9を形成する方法としては、加工の精度や容易性から、エッチングが好ましい。エッチングによる流路溝9では、幅0.1〜10mm、深さ0.05〜1mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
金属板4への開口部4cの形成、金属板4,5の周辺部の薄肉化、金属板5への注入口5c等の形成についても、エッチングを利用するのが好ましい。
エッチングは、例えばドライフィルムレジストなどを用いて、金属表面に所定形状のエッチングレジストを形成した後、金属板4,5の種類に応じたエッチング液を用いて行うことが可能である。また、2種以上の金属の積層板を用いて、金属ごとに選択的にエッチングを行うことで、流路溝9の断面形状をより高精度に制御することができる。
図3に示す実施形態は、金属板4,5のカシメ部(外縁部)をエッチングにより厚みを薄くした例である。このように、カシメ部をエッチングして適切な厚さにすることで、カシメによる封止をより容易に行うことができる。この観点から、カシメ部の厚みとしては、0.05〜0.3mmが好ましい。
本発明では、カソード側電極板2に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、アノード側電極板3に水素ガスを供給する水素ガス流路部とが形成されていれば、流路部等の形成構造は何れでもよい。金属板4,5で流路部等を形成する場合には、金属板4,5の周縁は、電気的に絶縁した状態で曲げプレスにより封止することが好ましい。本実施形態では、カシメにより封止されている例を示す。
電気的な絶縁は、絶縁材料6や固体高分子電解質1の周縁部、又はその両者を介在させることで行うことができる。絶縁材料6を用いる場合、その厚みとしては、薄型化の観点から、0.1mm以下が好ましい。なお、絶縁材料をコーティングすることにより、更なる薄型化が可能である(例えば絶縁材料6の厚み1μmも可能)。
絶縁材料6としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミドが好ましい。絶縁材料6は、金属板4,5の周縁に直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板4,5に一体化しておくことも可能である。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図2に示すものが好ましい。つまり、一方の金属板5の外縁部5aを他方の外縁部4aより大きくしておき、絶縁材料6を介在させつつ、一方の金属板5の外縁部5aを他方の金属板4の外縁部4aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このカシメ構造では、プレス加工等によって、金属板4の外縁部4aに段差を設けておくのが好ましい。このようなカシメ構造自体は金属加工として公知であり、公知のカシメ装置によって、それを形成することができる。
本発明では、以上のような単位セルを1個又は複数個使用して、燃料電池FCを構成することができる。この燃料電池FCでは、電気的には、各々の単位セルは直列に接続されるのが通常であるが、電流値を優先させて並列に接続してもよい。
単位セルを使用する際、金属板5の水素ガスの注入口5c及び排出口5dには、直接、水素ガス供給用のチューブを接合することも可能であるが、燃料電池の薄型化を行う上で、図3に示すように、厚みが小さく、金属板5の表面に平行なパイプ5fを有するチューブジョイント5eを設けるのが好ましい。
本発明における水素ガス供給手段10は、例えば、水素発生剤や水素吸蔵合金を用いた水素ガス供給手段10が採用されるが、水素を収容する圧力容器などでもよく、メタノール改質型の水素ガス供給手段10などでもよい。
本発明において、小型の充電装置を構成する場合、水素発生剤を用いた水素ガス供給手段10を用いるのが好ましい。本実施形態の水素ガス供給手段10は、例えば、図1に示すように、水等の反応液14との反応により水素ガスを発生する水素発生剤11を収容する反応容器12と、反応液14の供給部13を備える。また、燃料電池FCへの水素ガスの供給量を調節する供給側調節機構を備えていてもよい。
反応液14の供給部13には、貯液部15を有していてもよく、反応容器12に直接、水などの反応液14を供給できる構造にしてもよい。貯液部15を設ける場合、注水口を設けて、水の消費量に応じて、水を追加供給できるようにしてもよい。貯液部15には、繊維集合体や多孔質体を配置して、毛管現象によって所定の部分に水が保持されるようにしてもよい。反応液14の供給部には、貯液部15の反応液14を輸送する圧送手段を有していてもよい。
水素ガス供給手段10である水素ガス発生手段は、水分(水又は水蒸気)との反応で水素ガスを発生させる水素発生剤11などを反応容器12内に備え、これにより燃料電池FCに水素ガスを供給することができる。水素発生剤11の反応が加熱を要する場合、加熱手段が設けられる。
水素発生剤11としては、水分と反応して水素を生成する金属粒子が好ましく、Fe、Al、Mg、Zn、Siなどから選ばれる1種以上の金属の粒子や、これらが部分的に酸化された金属の粒子が挙げられる。また、酸化反応を促進するための金属触媒などを添加することで、より低温で水素ガスを発生させることができる。更に、MgH等の水素化金属を単独又は上記と併用して用いることも可能である。水素発生剤11は、反応容器12内に金属粒子のまま充填することも可能であるが、金属粒子を結着させた多孔質体を使用することもできる。
このような水素ガス発生手段によって、水素組成が略100%(水分は除く)の水素ガスを発生させることができる。水素ガス発生セルと燃料電池FCとは、水素供給管で連結されており、発生した水素ガス(H)が燃料電池FCの単位セルのアノード側空間に供給される。
直流電圧変換回路20は、DC−DCコンバータとも呼ばれており、直流の入力電圧を変換して、電圧のより大きい直流を出力する回路である。本発明において、特に、小型の充電装置を構成する場合、ステップアップ回路を利用したステップアップコンバータを用いるのが好ましい。
ステップアップ回路の原理は、コイルに対する入力電力のオン−オフによって電流変化を生じさせ、これに応じた電圧の上昇分を、発振回路で継続的に生じさせて出力として取り出すというものである。このため、ステップアップコンバータは、発振回路と電力回路とを備え、必要に応じて、出力電圧調整回路、二次フィルタ、外部クロック同期回路などが追加される。
ステップアップコンバータ用の集積回路(パッケージ)は、各種市販されており、推奨される標準的な回路構成によって、本発明における直流電圧変換回路20を構成することができる。本発明では、特に入力電圧が変動しても出力電圧を一定に制御する出力電圧調整回路を備えた直流電圧変換回路20が好ましい。つまり、燃料電池FCでは、出力電流が低下すると出力電圧が増加する性質があり、出力電流が低下して電圧が増加しても、直流電圧変換回路20の出力電圧を維持する観点から、出力電圧調整回路を備える直流電圧変換回路20が好ましい。
直流電圧変換回路20は、一般に入力VIN+,VIN−、出力OUT+,OUT−、グランドGNDなどを備えている。直流電圧変換回路20の入力VIN+,VIN−は燃料電池FCの電極板2,3に接続され、出力OUT+は出力コネクタ30の+側端子31に接続され、出力OUT−は出力コネクタ30の−側端子32に接続される。直流電圧変換回路20のVIN−と出力OUT−は共にグランドされる。
直流電圧変換回路20からの出力電圧は、充電の対象となる機器や内蔵される電池の種類などによって決定される。例えば3.7V出力のリチウム二次電池を内蔵する携帯電話の場合には、5V付近の出力電圧が採用される。一方、直流電圧変換回路20に対する入力電圧は、燃料電池FCの特性や個数によって決定することができるが、5V付近の出力電圧の場合には、2〜4Vの入力電圧とするのが直流電圧変換回路20の安定動作や効率の点で好ましい。
出力コネクタ30は、充電のための電力を出力するものであり、充電中は、携帯電話50などの形態機器の充電用のコネクタ51に接続される。また、充電後は出力コネクタ30をコネクタ51から離脱させる。
本発明の充電装置は、図1に示すように、以上のような充電装置において、出力コネクタ30の着脱状態を検出する検出部33と、その検出部33からの離脱信号に基づいて、燃料電池FCの出力に対し負荷を生じさせる負荷付与手段40とを備えることを特徴とする。本実施形態では、検出部33は出力コネクタ30に設けられた検出用端子であり、負荷付与手段40は、検出用端子の電位の変化による離脱信号に基づいて、燃料電池FCの出力に対する負荷の電流を制御する電流制御回路41を備える例を示す。
この本実施形態では、相手側のコネクタ51は、出力コネクタ30の装着時に、検出用端子(検出部33)と−側端子32とを短絡させる構造になっている。このため、グランドを0Vとした場合、出力コネクタ30の装着時には、検出用端子の電位が0Vになり、離脱時には、検出用端子の電位が抵抗R1,R2で決定される電圧になる。
図示した電流制御回路41は、この電圧の変化による離脱信号に基づいてトランジスタ等のスイッチング素子42をオンさせて、燃料電池FCの出力に対し負荷を生じさせることができる。スイッチング素子42の代わりに、オペアンプを用いて、これに電圧の変化を入力しつつ基準電圧との比較によりスイッチングを行うことで、同様の電流制御回路41を構成することも可能である。
本発明の充電装置は、例えば図1に示すように、リチウムイオン二次電池53を内蔵する携帯電話50を充電するのに使用することができる。充電は、各種二次電池や大容量のキャパシタ等に対して行うことができ、例えばリチウムイオン二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池などの二次電池に対して行うことができる。
一般的に、図1に示すように、携帯電話50は充電回路52を介してリチウムイオン二次電池53等を充電する構成になっており、コネクタ51を介して出力コネクタ30からの電力が携帯電話50に供給される。携帯電話50の充電回路52は、ACアダプターのような定電圧・定電流の入力を予定しているため、本発明の充電装置を接続することによって、充電の前半では、定電流かつ定電圧の充電が行われ、後半では定電圧での充電が行われる。その際、リチウムイオン二次電池53等には、充電回路52によって制御された、電圧・電流が印加される。
充電回路52としては、二次電池53等に応じて、充電電圧を変化させるものが一般的である。
本発明の充電装置は、燃料供給を特に制御する必要がなく、簡易な装置で好適に二次電池を充電することができ、燃料電池への過負荷も生じにくいので、携帯型に構成できるため、特に、携帯電話、ノートPC等のモバイル機器の充電に好適に使用することができる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、着脱状態を検出する検出部が出力コネクタに設けられた検出用端子である例を示したが、本発明では、着脱によってオンオフするスイッチを出力コネクタに設けたり、出力コネクタの+側端子と−側端子とを用いて、その電流や電圧を検出することによって、出力コネクタの着脱状態を検出するようにしてもよい。
負荷付与手段としては、検出部としてスイッチを用いる場合、例えば離脱によりスイッチがオンすることで、抵抗が燃料電池の出力に負荷されるように構成したものが挙げられる。また、出力電流等を検出する場合、例えば電流の変化を電圧の変化に変換することで、前述した実施形態と同様の電流制御回路を利用することができる。
(2)前述の実施形態では、カソード側電極板の面積に対して一定の開口率で開口部を設けた拡散抑制板(金属板)をカソード側電極板の表面に配置して、酸素含有ガス供給部を形成する例を示したが、酸素含有ガス供給部を、アノード側と同様に酸素含有ガスの流路溝によって構成してもよい。その場合、アノード側金属板と同様に、エッチングやプレス加工により、空気等の酸素含有ガスの流路溝、注入口、排出口を形成し、アノード側金属板と同様に、カソード側金属板の注入口から空気等を供給しつつ発電を行うことができる。その際、カソード側から外部へ水分の拡散を抑制する方法としては、例えば水分を含有する酸素含有ガスを供給する方法が挙げられる。
(3)前述の実施形態では、金属板をカソード側電極板とアノード側電極板との表面に配置して、酸素含有ガス供給部と水素ガス流路部とを形成する例を示したが、金属板の代わりに、その他の材料や、従来から使用されている各種セパレータを用いることも可能である。
また、前述の実施形態では、エッチングによりアノード側金属板に流路溝を形成する例を示したが、本発明では、プレス加工、切削などの機械的な方法により、アノード側金属板に流路溝を形成してもよい。
(4)前述の実施形態では、水素ガス供給手段である水素ガス発生セルが充電装置内に一体的に構成されている例を示したが、水素ガス発生セル等を充電装置に対して、着脱自在に装着できるように構成してもよい。その場合、水素ガス供給管に対して、連結可能な配管を水素ガス発生セルが備える。
(5)前述の実施形態では、携帯電話に充電を行う例を示したが、ノートPC、PDA等のモバイル機器の充電にも使用することが可能である。その場合でも、充電に要求される電圧(例えば12V)を出力部から出力できるように、直流電圧変換回路の出力電圧が設定される。
このように、携帯電話と比較して大きな消費電力を有するモバイル機器の場合、燃料電池の出力電圧をより大きくする方が効率が良く、直列に接続する燃料電池の数を増加させることで対応できる。
(6)前述の実施形態では、充電回路を介して二次電池の充電を行う場合の例を示したが、二次電池等を直接充電することも可能である。その場合、例えば、二次電池のフル充電後の出力電圧に対して、100〜120%の電圧を直流電圧変換回路の出力電圧として設定すればよい。
本発明の充電装置の一例を示す概略構成図 本発明の充電装置に用いる単位セルの一例を示す組み立て斜視図 本発明の充電装置に用いる単位セルの一例を示す縦断面図
符号の説明
1 固体高分子電解質
2 カソード側電極板
3 アノード側電極板
4 カソード側金属板
5 アノード側金属板
10 水素ガス供給手段
11 水素発生剤
20 直流電圧変換回路
30 出力コネクタ
33 検出部
40 負荷付与手段
41 電流制御回路
FC 燃料電池

Claims (4)

  1. 水素ガスを供給する水素ガス供給手段と、
    充電のための電力を出力する出力コネクタと、
    前記水素ガス供給手段から供給された水素ガスにより発電して出力する燃料電池と、
    その燃料電池の出力電圧を所定の電圧に変換して前記出力コネクタに出力する直流電圧変換回路と、
    前記出力コネクタの着脱状態を検出する検出部と、
    その検出部からの離脱信号に基づいて、前記燃料電池の出力に対し負荷を生じさせる負荷付与手段と
    を備える充電装置。
  2. 前記検出部は前記出力コネクタに設けられた検出用端子であり、
    前記負荷付与手段は、前記検出用端子の電位の変化による離脱信号に基づいて、前記燃料電池の出力に対する負荷の電流を制御する電流制御回路を備える請求項1記載の充電装置。
  3. 前記燃料電池は、板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、前記カソード側電極板に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで構成される請求項1又は2に記載の充電装置。
  4. 前記水素ガス供給手段は、反応液との反応により水素ガスを発生する水素発生剤を収容する反応容器と、反応液の供給部とを有するものである請求項1〜3いずれかに記載の充電装置。
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