JP2006294628A - 燃料電池およびこれを搭載した携帯機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機液体燃料を用いる燃料極で生成する二酸化炭素を効率よく除去し、安定した出力が得られる燃料電池を提供する。
【解決手段】有機液体燃料を燃料極に供給することにより発電する燃料電池において、燃料極と酸化剤極ならびにこれらに挟持された固体電解質膜とを少なくとも備えた発電部と、前記発電部に前記有機燃料を供給するための燃料用流路310と、前記燃料極に面して設けられている集電体104を備え、前記集電体が、前記燃料極から前記燃料用流路への方向へ広がった貫通孔333を有していることを特徴とする燃料電池。
【選択図】図5

Description

本発明は、有機化合物を燃料として用いた燃料電池およびそれを備えた携帯機器に関する。
固体高分子型燃料電池はパーフルオロスルフォン酸膜等の固体高分子電解質膜を電解質とし、この膜の両面に燃料極および酸化剤極を接合して構成され、燃料極に水素、酸化剤極に酸素を供給して電気化学反応により発電する装置である。
燃料極および酸化剤極では、それぞれ反応式(1)および(2)の電気化学反応が生じている。
燃料極:H→2H+2e (1)
酸化剤極:1/2O+2H+2e→HO (2)
この反応によって、固体高分子型燃料電池は常温・常圧で1A/cm以上の高出力を得ることができる。
燃料極および酸化剤極には、触媒物質が担持された炭素粒子と固体高分子電解質との混合体が設けられる。一般的に、この混合体は、燃料のガスの拡散層となるカーボンペーパーなどの電極基体上に塗布されて構成される。これら2つの電極により固体高分子電解質膜を挟み、熱圧着することにより燃料電池が構成される。
この燃料電池において、燃料極に供給された水素ガスは、電極中の貫通孔を通過して触媒に達し、電子を放出して水素イオンとなる。放出された電子は燃料極内の炭素粒子および固体電解質を通って外部回路へ導き出され、外部回路より酸化剤極に流れ込む。
一方、燃料極において発生した水素イオンは、燃料極中の固体高分子電解質および両電極間に配置された固体高分子電解質膜を通って酸化剤極に達する。この水素イオンは、酸化剤極に供給された酸素および外部回路より流れ込む電子と反応して上記反応式に示すように水を生じる。この結果、外部回路では燃料極から酸化剤極へ向かって電子が流れ、電力が取り出される。
以上、水素を燃料とした燃料電池について説明したが、近年はメタノールなどの有機化合物を燃料として用いる燃料電池の研究開発も盛んに行われている。これらの燃料電池には、有機化合物を水素ガスに改質してから燃料として使用するものや、ダイレクトメタノール型燃料電池に代表されるような、有機液体燃料を改質せずに燃料極に直接供給するものがある。中でも、後者の燃料電池は、メタノールなどの有機液体燃料を直接燃料極に供給する構造であるため、改質器のような装置を必要としない。そのため、電池の構成を簡単なものとすることができ、装置全体を小型化することが可能であるというメリットを有している。また、水素ガスや炭化水素ガス等の気体燃料と比較して、有機液体燃料は、安全性、携帯性の面で優れるという特徴も有している。そのため、こうした有機液体燃料を用いた燃料電池は、将来、携帯電話、ノート型パソコンおよびPDAなどの小型機器への搭載が期待されている。
ところで、上記反応式(2)に示されるように酸化剤極においては水が生成する。これを酸化剤極から除去するために以下のような技術が提案されている。
下記特許文献1には酸化剤ガス流路中に圧電素子および振動板を備えた燃料電池が開示されている。この燃料電池は圧電素子および振動板をセル内に設けられた構成であるため、製造プロセスおよび構造が複雑化するという課題を有する。
また、下記特許文献2には、加振器を備えた燃料電池が開示されている。この加振器を駆動するために別途電源を必要としているため、十分に小型化・軽量化を図ることが難しい。
特開2002−184430号公報 特開2002−203585号公報
一方で、有機液体燃料、例えばメタノールを用いる燃料電池などにおいては、次に述べるように、燃料極において生成する二酸化炭素の除去も重要な課題である。
メタノールを用いる燃料電池における燃料極および酸化剤極で生じる電気化学反応は、それぞれ下記反応式(3)および(4)で表される。
燃料極:CHOH+HO→CO+6H+6e (3)
酸化剤極:O+4H+4e→2HO (4)
上記反応式(3)で表されるように、燃料極においては二酸化炭素が発生する。円滑に発電を行うには、メタノールを効率良く金属触媒表面に供給し、上記反応式(3)の反応を活発に生じさせる必要がある。しかし、従来の燃料電池においては、上記反応式(3)により生じた二酸化炭素が燃料極中に滞留し、気泡が形成されることにより、燃料極における触媒反応が阻害されることがあった。その結果、安定した出力が得られない場合もあった。
このような事情に鑑み、本発明の目的は、燃料極から二酸化炭素を効率良く除去し、安定した出力が得られる燃料電池を提供することにある。また、本発明の別の目的は簡便な製造プロセスおよび構造を有し、高出力な燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決する本発明によれば、有機液体燃料を燃料極に供給することにより発電する燃料電池において、燃料極と酸化剤極ならびにこれらに挟持された固体電解質膜とを少なくとも備えた発電部と、前記発電部に前記有機燃料を供給するための燃料用流路と、前記燃料極に面して設けられている集電体を備え、前記集電体が、前記燃料極から前記燃料用流路への方向へ広がった貫通孔を有していることを特徴とする燃料電池が提供される。
上述したように、燃料極において発生し、滞留する二酸化炭素の気泡は、燃料極へのメタノールの供給の障害となる。そのため、燃料極から速やかに除去する必要がある。本発明の燃料電池においては、上記のような形状の貫通孔により、二酸化炭素の気泡が燃料極から速やかに除去される。
また本発明によれば、上記の燃料電池において、前記集電体が、親水性コート材によりコーティングされていることを特徴とする燃料電池が提供される。
また本発明によれば、上記の燃料電池において、前記集電体が、疎水性コート材によりコーティングされていることを特徴とする燃料電池が提供される。
集電体にコーティングを施すことにより、燃料極における二酸化炭素の気泡の移動が促進される。この効果により効率的に燃料極から二酸化炭素が除去されるため、高出力の燃料電池を実現できる。
また本発明によれば、上記の燃料電池を搭載したことを特徴とする携帯機器が提供される。
本発明に係る燃料電池は小型かつ高出力であるため、携帯電話、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、各種カメラ、ナビゲーションシステム、ポータブル音楽再生プレーヤー等の携帯機器に好適に用いることができる。
また本発明によれば、上記の燃料電池において、燃料極に振動を与えるための加振手段をさらに備えたことを特徴とする燃料電池が提供される。
この燃料電池では、上記のような形状の貫通孔と加振手段による振動との相乗効果により、二酸化炭素の気泡が燃料極から速やかに除去される。
また本発明によれば、上記の燃料電池を搭載したことを特徴とする携帯機器が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、燃料電池本体に加振手段を備えることにより、燃料極から二酸化炭素を効率良く除去し、安定した出力が得られる燃料電池を提供することができる。
(第一の実施の形態)
図1は、本実施の形態にかかる燃料電池350の構成を示す模式図である。この燃料電池350は、燃料電池本体100とインバータ装置316および圧電振動子314を含んでおり、加振手段として圧電振動子314が採用されている。燃料電池本体100は、第一プラス端子318、第一マイナス端子319、第二プラス端子320、第二マイナス端子321の4つの端子を備える。第一プラス端子318および第一マイナス端子319は外部回路に接続するための端子である。一方、第二プラス端子320および第二マイナス端子321は、図示されるように、燃料電池本体100と圧電振動子314とをインバータ装置316を介して電気的に接続するためのものである。第一プラス端子318および第一マイナス端子319の間を流れる電流と、第二プラス端子320および第二マイナス端子321の間を流れる電流とは図示されない分流器によって分流される。
図2は、図1における燃料電池本体100の断面図である。電極−電解質接合体101は、燃料極102、酸化剤極108および固体高分子電解質膜114からなる。燃料極102は、燃料極側集電体104および燃料極側触媒層106から構成される。酸化剤極108は、酸化剤極側集電体110および酸化剤極側触媒層112から構成される。燃料極側集電体104および酸化剤極側集電体110はそれぞれ図示されない多数の貫通孔を有している。
複数の電極−電解質接合体101が、燃料極側セパレータ120および酸化剤極側セパレータ122を挟んで積層され、電気的に接続されて燃料電池本体100が構成される。
燃料極側セパレータ120と燃料極側集電体104との間には燃料124が流通する燃料用流路310が設けられる。また、酸化剤極側セパレータ122と燃料極側集電体104との間には酸化剤126が流通する酸化剤用流路312が設けられる。
以上の燃料電池本体100において、各電極−電解質接合体101の燃料極102には、燃料用流路310を通じて燃料124が供給される。燃料124は、燃料極側集電体104の貫通孔を通過して燃料極側触媒層106に到達し、前述の反応式(3)の反応に供される。その結果、水素イオン、電子および二酸化炭素を生じる。水素イオンは固体高分子電解質膜114を通過して酸化剤極108へ移動する。また、電子は、燃料極側集電体104および外部回路を経由して酸化剤極108へ移動する。
一方、各電極−電解質接合体101の酸化剤極108には、酸化剤用流路312を通じて空気あるいは酸素などの酸化剤126が供給される。この酸素と、上記のように燃料極102で生成して酸化剤極108へ移動してきた水素イオンおよび電子が前述の反応式(4)のように反応して水を生成する。こうして、燃料極102から酸化剤極108へ向かって外部回路に電子が流れるため、電力が得られるのであるが、二酸化炭素だけは酸化剤極108へ移動しないため、燃料極102から排出することが必要となる。二酸化炭素は常圧では気体であるため、燃料電池本体100を開放系にしておくことで、気泡としてある程度自然に燃料極102から除かれる。しかし、相当量の二酸化炭素の気泡が燃料極102に留まると、燃料の燃料極側触媒層106への移動が阻害されることにより、前述の反応式(3)の反応がスムーズに進行しなくなることがある。このような場合、安定して出力を得ることができなくなる。そこで、本実施の形態では、図1に示される圧電振動子314により燃料極102に振動を与えて、二酸化炭素の気泡の移動を促す。これにより、燃料極102に滞留する二酸化炭素量を少なくすることができるため、前述の反応式(3)の反応を円滑に進行させ、安定した出力を得ることが可能となる。
圧電振動子314の振動は次のように発生させる。燃料電池本体100から出力される直流電流の一部がインバータ装置316に供給され、交流電流に変換される。次いで、この交流電流が圧電振動子314に供給され、振動を発する。この振動は燃料電池本体100全体に伝達されるため、燃料極108にも振動が伝わる。したがって、上記した二酸化炭素の離脱を実現できる。
圧電振動子314は、電圧を印加すると歪むという圧電セラミックスの性質を利用している。そのため、直流電流を断続的に圧電振動子314へ流すことによっても振動を発生させることができる。しかし、本実施の形態のようにインバータ装置316により交流電流に変換して圧電振動子314を駆動すると、直流電流による場合の2倍の変位の振動を発生させることができる。そのため、より強い振動を燃料極102に与えることができることから、より効果的に二酸化炭素を除去することが可能となる。
圧電振動子314としては、例えばバイモルフ型、モノモルフ型、ユニモルフ型などの圧電振動子を用いることができる。中でもバイモルフ型圧電振動子が好ましい。消費電力が小さく、低電圧で大きな変位量が得られるためである。こうしたバイモルフ型圧電振動子としては、例えばTFT株式会社製の圧電セラミックアクチュエータを使用することができる。
インバータ装置316としては、例えば松下電子部品株式会社製のTCXFシリーズなどを用いることができる。
ここで、上記の振動は常に発生させてもよいが、例えば、出力が所定の閾値より下回ったときにのみ振動を発生させるようにフィードバック制御を行ってもよい。具体的には、例えば図6(a)に示されるような構成を採用することによりフィードバック制御を実現できる。図6(a)は、フィードバック制御機能を有する燃料電池の構成の一例を示す図である。図6(a)において、圧電振動子314の振動はインバータ装置316を介して振動制御部463により制御される。負荷453および燃料電池本体100には、それぞれ第1の電圧計417および第2の電圧計419が図6(a)に示すように接続されている。第1の電圧計417、第2の電圧計419の値は、それぞれ負荷453からの出力および参照出力として振動制御部463に入力される。
図6(b)において、振動制御部463には、負荷453からの出力信号および参照出力467の信号が入力され、これらを変数とする量を算出する演算を行う。そして、算出された量と、予め設定された一定の閾値との大小関係を比較し、フィードバック制御を行うことが可能となる。演算は、たとえばこれらの比や差とする。
振動制御部463で計算された上述の演算量と、予め設定された閾値との大小関係を比較した結果、負荷453からの信号と、参照出力467からの信号との比または差が閾値より低い場合、振動制御部463は、インバータ装置316を駆動させる。これにより、圧電振動子314から振動が生じ、燃料極102から二酸化炭素の気泡が除去されるため、燃料電池本体100の出力が上昇する。一方、上記の比または差が閾値を上回った場合、振動制御部463は、インバータ装置316を停止させる。以上のようなフィードバック制御を行いつつ運転することにより、圧電振動子314を効率的に駆動させることができることから、負荷を大きくすることなく安定した発電状態を維持することが可能となる。
図6(c)は、図6(a)における第1の電圧計417と第2の電圧計419との間の回路構成の一例を示す図であり、燃料電池本体100と並列にツェナーダイオード471を設けた例である。ツェナーダイオード471を設けることにより、一定の参照出力が得られ、第2の電圧計419によりこれを検出することができる。
なお、上記では参照出力467を設けて負荷453からの出力と比較する場合の制御方法であるが、燃料124の供給は、参照出力467を設けずに、燃料電池本体100からの出力のみを検知して、この出力が一定となるようにインバータ装置316の周波数または電圧を変化させる方法によっても可能である。
また、フィードバック制御については、上述したような、出力が所定の閾値より下回ったときにのみ振動を発生させるもののほか、例えば出力の低下率に基づいて所定の振動数の振動を発生させるようなフィードバック制御を行ってもよい。
固体高分子電解質膜114は、燃料極102と酸化剤極108を隔てるとともに、両者の間で水素イオンを移動させる役割を有する。このため、固体高分子電解質膜114は、水素イオンの導電性が高い膜であることが好ましい。また、化学的に安定であって機械的強度が高いことが好ましい。固体高分子電解質膜114を構成する材料としては、
スルホン基、リン酸基、ホスホン基、ホスフィン基などの強酸基や、カルボキシル基などの弱酸基などの極性基を有する有機高分子が好ましく用いられる。
燃料極側集電体104および酸化剤極側集電体110としては、カーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属などの多孔性基体を用いることができる。上述したように、燃料極側集電体104における二酸化炭素の気泡の滞留は発電効率の低下の原因となる。この気泡滞留の原因は、気泡を覆う水分が燃料極側集電体104に付着して留まっているためである。そこで、燃料極側集電体104の表面に、親水性コート材あるいは疎水性コート材による表面処理を行うことが好ましい。親水性コート材により表面処理することで、燃料極側集電体104の表面における燃料の流動性が高められる。これにより二酸化炭素の気泡は燃料とともに移動しやすくなる。また、疎水性コート材により処理することにより、燃料極側集電体104の表面に、気泡の形成の原因となる水分の付着を軽減できる。したがって、燃料極側集電体104の表面上における気泡の形成を軽減できる。さらに、これらの表面処理による作用と上記の振動との相乗作用により、燃料極から二酸化炭素が一層効率的に除去されるため、高い発電効率が実現する。親水性コート材としては、例えば酸化チタン、酸化ケイ素などが挙げられる。一方、疎水性コート材としては、ポリテトラフルオロエチレン、シランなどが例示される。
また、図5のように、燃料極側集電体104にテーパー形状の貫通孔333を設けてもよい。こうすることにより上記の振動との相乗効果が生じ、二酸化炭素の気泡が燃料極側集電体104から燃料用流路310へと一層移動しやすくなる。したがって、燃料極の反応の円滑化が図られる。
こうした燃料極側集電体104は、例えば次のようにして作製することができる。ステンレス板を集電体として選択し、このステンレス板に対して直径1mmのドリルを用いて貫通孔を設ける。次に直径2mmのドリルを用いて、その貫通孔にざぐり加工を施すことによりテーパー形状の貫通孔333を設けることができる。
また燃料極102の触媒としては、白金、白金とルテニウム、金、レニウムなどとの合金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムなどが例示される。一方、酸化剤極108の触媒としては、燃料極102の触媒と同様のものが用いることができ、上記例示物質を使用することができる。なお、燃料極102および酸化剤極108の触媒は同じものを用いても異なるものを用いてもよい。
また、触媒を担持する炭素粒子としては、アセチレンブラック(デンカブラック(登録商標、電気化学工業社製)、XC72(Vulcan社製)など)、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが例示される。
燃料電池の燃料としては、例えばメタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの有機液体燃料を用いることができる。
燃料電池本体100の作製方法は特に制限がないが、たとえば以下のようにして作製することができる。
まず炭素粒子へ触媒を担持する。この工程は、一般的に用いられている含浸法によって行うことができる。次に触媒を担持させた炭素粒子と、例えばナフィオン(登録商標、デュポン社製)のような固体高分子電解質粒子を溶媒に分散させ、ペースト状とした後、これを基体に塗布、乾燥させることによって触媒層を得ることができる。ペーストを塗布した後、使用するフッ素樹脂に応じた加熱温度および加熱時間で加熱し、燃料極102または酸化剤極108が作製される。
固体高分子電解質膜114は、用いる材料に応じて適宜な方法を採用して作製することができる。たとえば、有機高分子材料を溶媒に溶解ないし分散した液体を、ポリテトラフルオロエチレン等の剥離性シート等の上にキャストして乾燥させることにより得ることができる。
以上のようにして作製した固体高分子電解質膜114を、燃料極102および酸化剤極108で挟み、ホットプレスし、電極−電解質接合体101を得る。
圧電振動子314は、図1のように燃料電池本体100の表面に直接固定することもできるが、必ずしも両者を隣接させる必要はない。例えば、一枚の基板上に燃料電池本体100および圧電振動子314を離間して固定してもよい。圧電振動子314の振動がこの基板を介して燃料電池本体100に伝達されるため、上記の効果が得られるからである。
なお、上記では加振手段として圧電振動子314を加振手段用いた形態について説明したが、これに限られない。例えば、振動モーターを加振手段として採用することもできる。こうした振動モーターとしては、秋月電子製のFM23A、CM5M、マブチモーター株式会社製のFF-H30WA、RF-J20WAなどが例示される。振動モーターは通常、直流電流で振動を発生する。そのため、振動モーターを加振手段として使用する場合はインバータ装置を省略でき、よりシンプルな構成とすることが可能である。
(第二の実施の形態)
本実施の形態では、加振手段を備えた燃料電池を電源とする携帯電話機について示す。
従来、携帯電話機にはユーザに対して着信していることを振動モーターなどによる振動により伝える機能を有するものがある。本実施の形態の携帯電話機は、こうした振動モーターを上記加振手段として兼用することを特徴とする。
図3(a)は、本実施の形態の携帯電話機360の断面図であり、主要部のみを表示したものである。
携帯電話機360は、外筺体327および内筺体326を有する。図示されるように、内筺体326の外壁および外筺体327の内壁との間には制振材328が挟まれ、この状態で外筺体327と内筺体326とは互いに接合されている。外筺体327、内筺体326、制振材328および基板325を図3(a)の上方から見た上面図を図3(b)に示す。内筺体326の周囲に制振材328が配され、さらにその外側に外筺体327が位置する構成である。さらに、内筺体326の内部には、基板325が固定されている。基板325上には、図3(a)に示されるように燃料電池322、プランジャ323および振動モーター324が設置されている。また、プランジャ323上には、制振性を有しないパッド329が設けられている。燃料電池322は、第一の実施の形態で示したものと同様のものを用いることができる。燃料電池322と振動モーター324とは配線332によって電気的に接続されている。
第一の実施の形態で示した燃料電池と同様に、燃料電池322の出力の一部が振動モーター324に供される。これにより振動モーター324から振動が発せられる。この振動は基板325を介して燃料電池322に伝達されるため、燃料電池322内の燃料極から二酸化炭素が効果的に除去される。その結果、燃料電池322の円滑な運転が実現する。ところで、図3は非着信時の状態を示している。振動モーター324から発せられた振動は、基板325を通じて内筺体326に伝わるものの、その振動は制振材328により吸収される。したがって、外筺体327へは振動が伝わらないため、ユーザが振動を感知することはない。一方、図4は着信時の状態を示す図である。プランジャ323がパッド329を押し上げ、パッド329と外筺体327を密着させる。これにより、振動モーター324からの振動が外筺体327へ伝達されるため、ユーザは振動を感知し、着信していることを知る。図3および図4の状態の切り替えは、例えば通常携帯電話機に装備されている情報処理ユニットである中央演算処理装置によりプランジャ323を制御することにより行うことができる。
制振材328としては、例えばイイダ産業株式会社製のゼトロ制振シートなどのブチルゴム系制振材、同社製の防振ゴムU-NBCなどを用いることができる。また、プランジャ323としては、TDK株式会社製の小型プランジャMAシリーズが例示される。パッド329は、振動を外筺体327へ効果的に伝達するために摩擦係数の大きな材料が好ましく、例えばシリコンラバー材などが例示される。
振動モーター324としては、秋月電子製のFM23A、CM5M、マブチモーター株式会社製のFF-H30WA、RF-J20WAなどが例示される。また、振動モーター324に代えて、第一の実施の形態で示したようなインバータ装置および圧電振動子を使用することも可能である。
以下、図1および図2を参照して、本実施例について説明する。
図1は本実施例の構成を示した図である。加振手段として圧電振動子314を備え、電力変換手段としてインバータ装置316を備える。インバータ装置316は燃料電池本体100の出力の一部を交流電流に変換し、この交流電流により圧電振動子314が駆動する。図2は、図1における燃料電池本体100の構成を示したものである。燃料極側触媒層106および酸化剤極側触媒層112中に含まれる触媒として、炭素微粒子(デンカブラック;電気化学社製)に粒子径3〜5nmの白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金を重量比で50%担持させた触媒担持炭素微粒子を使用した。なお、合金組成は50at%Ruで、合金と炭素微粉末の重量比は1:1とした。この触媒担持炭素微粒子1gにアルドリッチ・ケミカル社製5wt%ナフィオン溶液18mlを加え、50℃にて3時間超音波混合機で攪拌し触媒ペーストとした。このペーストを、ポリテトラフルオロエチレンで撥水処理されたカーボンペーパー(東レ製:TGP−H−120)上にスクリーン印刷法で2mg/cm塗布し、120℃で乾燥させて燃料極102および酸化剤極108とした。
次に、1枚の固体高分子電解質膜114(デュポン社製ナフィオン(登録商標)、膜厚150μm)に対し、上記で得た燃料極102および酸化剤極108を120℃で熱圧着して単位セルを作製した。
上記の単位セルをステンレス製の燃料極側セパレータ120および酸化剤極側セパレータ122を介して8個積層し、直列に接続して燃料電池本体100とした。
こうして得た燃料電池本体100のプラス端子およびマイナス端子から、図示されない分流器を介して第一プラス端子318および第一マイナス端子319、ならびに第二プラス端子320および第二マイナス端子321へと配線した。さらに、第二プラス端子320および第二マイナス端子321によりインバータ装置316と燃料電池本体100とを接続した。また、インバータ装置316と圧電振動子314は電気的に接続され、圧電振動子314は燃料電池本体100の側面に粘着テープにより固定した。
燃料電池本体100の燃料極に10%メタノール水溶液を2ml/分で供給すると、燃料電池本体100に発電が生じ、圧電振動子314が振動していることが確認できた。次いで、第一プラス端子318および第一マイナス端子319間の出力特性を調べたところ、電圧4.0Vの時、270mAの電流値を観測し、この出力は10時間後も変化しなかった。
(比較例)
本比較例の燃料電池は、上記実施例の燃料電池からインバータ装置316、圧電振動子314、第二プラス端子320、第二マイナス端子321および分流器を除いた構成である。この燃料電池の燃料極に10%メタノール水溶液を2ml/分で供給した。このとき、プラス端子およびマイナス端子間の出力特性を調べたところ、電圧4.0Vの時、300mAの電流値を観測したが、この出力は時間の経過とともに低下し、10時間後には50%の出力であった。
実施例および比較例の燃料電池の上記データより、実施例の燃料電池の出力特性は比較例の燃料電池のそれよりも優れることが分かる。実施例の燃料電池においては、圧電振動子314の振動により、燃料極に発生する二酸化炭素が効果的に除去されるため、円滑に電池反応が進行することによると考えられる。
第一の実施の形態にかかる燃料電池の構成を示す模式図である。 燃料電池本体の断面図である。 第二の実施の形態にかかる携帯電話機の断面図である。 第二の実施の形態にかかる携帯電話機の断面図である。 第一の実施の形態にかかる燃料電池の燃料極側集電体の構成を説明するための図である。 第一の実施の形態にかかる燃料電池の構成を示す図である。
符号の説明
100 燃料電池本体
101 電極−電解質接合体
102 燃料極
104 燃料極側集電体
106 燃料極側触媒層
108 酸化剤極
110 酸化剤極側集電体
112 酸化剤極側触媒層
114 固体高分子電解質膜
120 燃料極側セパレータ
122 酸化剤極側セパレータ
124 燃料
126 酸化剤
310 燃料用流路
312 酸化剤用流路
314 圧電振動子
316 インバータ装置
318 第一プラス端子
319 第一マイナス端子
320 第二プラス端子
321 第二マイナス端子
322,350 燃料電池
323 プランジャ
324 振動モーター
325 基板
326 内筺体
327 外筺体
328 制振材
329 パッド
332 配線
333 貫通孔
360 携帯電話機
417 第1の電圧計
419 第2の電圧計
453 負荷
463 振動制御部
467 参照出力
471 ツェナーダイオード

Claims (6)

  1. 有機液体燃料を燃料極に供給することにより発電する燃料電池において、
    燃料極と酸化剤極ならびにこれらに挟持された固体電解質膜とを少なくとも備えた発電部
    と、
    前記発電部に前記有機燃料を供給するための燃料用流路と、
    前記燃料極に面して設けられている集電体を備え、
    前記集電体が、前記燃料極から前記燃料用流路への方向へ広がった貫通孔を有しているこ
    とを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、前記集電体が、親水性コート材によりコーティング
    されていることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1に記載の燃料電池において、前記集電体が、疎水性コート材によりコーティング
    されていることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1乃至4いずれかに記載の燃料電池を搭載したことを特徴とする携帯機器。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の前記燃料電池が、燃料極に振動を与えるための加振手段をさらに備えたことを特徴とする
    燃料電池。
  6. 請求項5記載の燃料電池を搭載したことを特徴とする携帯機器。
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