JP2009070571A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電極に液体燃料を効率よく供給できるとともに、燃料電極で生成する二酸化炭素を排出可能であり、出力の向上を図ることができる燃料電池を提供する。
【解決手段】液体燃料から陽イオンを生成する燃料電極と、燃料電極に隣接して配置され、燃料電極からの陽イオンが透過する電解質膜と、電解質膜を介して燃料電極と対向して配置され、電解質膜を透過した陽イオンと酸化剤とを反応させる酸化剤電極と、燃料電極に液体燃料を供給するための燃料供給機構と、燃料電極と燃料供給機構との間に介在され、燃料供給機構側に配置された、親水性を有する多孔質材料で形成された燃料拡散層および燃料電極側に配置された、疎水性を有する材料で形成された第一疎水性層とを備える、燃料電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電極、電解質膜および酸化剤電極を備える燃料電池に関する。
燃料電池は、水素含有ガスまたは有機アルコールなどと、酸素を含むガスとを電極に供給して、発電を行う発電機であり、通常、電解質膜を介して燃料電極と酸化剤電極とが対向して配置された基本構造を備える。このような基本構造において、燃料電極上で水素が酸化され、生成した水素イオンが電解質膜を伝導して酸化剤電極側に移動し、酸化剤電極において、移動してきた水素イオンと供給された酸素とが反応して水を生成するとともに、電子が外部回路を流通することで電気エネルギーが生成される。
燃料電池は、発電により排出物の環境に対する負荷が少なく、クリーンな発電システムとして注目されている。燃料電池のうち、電解質膜として水素イオン導電体を有する固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池は、現在、宇宙用、車両用などの移動用電源としての用途が提案されている。
ここで、図6は、従来の典型的な燃料電池の一例として、たとえば特開2003−86192号公報(特許文献1)に開示されたような固体高分子型燃料電池101を模式的に示す断面図である。図6に示す例の固体高分子型燃料電池101は、たとえば電解質膜105を介して燃料電極103と酸化剤電極104とが対向して配置された発電素子102を備える。この発電素子102の両側にそれぞれ流路板106,107が配置されて、燃料電極103に燃料を供給するための燃料流路108と、酸化剤電極104に酸化剤を供給するための酸化剤流路109とが形成されている。
固体高分子型燃料電池の燃料としては現在、高エネルギー効率、高出力が得られるメタノールが有望視されている。一般には、燃料を水で1〜3mol/l程度に薄めた希釈燃料が用いられる。また、酸化剤としては、大気中に含まれる酸素を用いることが一般的である。燃料電極、酸化剤電極でそれぞれ生じる化学反応は、次に示す反応式(1)、(2)で表される。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e- (1)
3/2O2+6H++6e-→3H2O (2)
図6に示すような固体高分子型燃料電池101においては、通常、燃料電極103と燃料流路板106との間に燃料拡散層110が介在され、この燃料拡散層110を通して液体燃料が燃料電極103に供給されるように構成される。同様に、酸化剤電極104と酸化剤流路板107との間には酸化剤拡散層111が介在され、この酸化剤拡散層111を通して酸化剤が酸化剤電極104に供給されるように構成される。図6に示すような構成において、液体燃料が常に燃料電極103に供給されるためには、液体燃料が燃料流路108側から燃料電極103側に向かう方向の流れを有していることが望まれる。
しかしながら、図6に示すような固体高分子燃料電池101において、液体燃料が燃料流路108側から燃料電極103側に向かう方向の流れを有するためには、燃料流路108内を、液体燃料が燃料拡散層110を透過するのに十分な高圧力に保つ必要がある。換言すれば、燃料流路108内と、燃料拡散層110の燃料電極103側との間に、圧力差が得られるようにしなければならない。
図6に示すような構造において、燃料流路108内を高圧力に保ち、液体燃料が燃料拡散層110内を透過できるようにするためには、単位時間あたりの液体燃料の供給量を増やす方法が考えられる。しかしながら、より多くの液体燃料を燃料流路108に送り込むためには、将来的に燃料ポンプ、圧力調整機構など、電池以外の二次的な装置が必要となる可能性が高い。この場合、燃料電池で発電した電力の一部がそれら燃料ポンプなどの稼動に使用され、燃料電池全体としての発電効率が悪化することに繋がる。
また、上記反応式(1)に示されるように、燃料電極103での反応によって二酸化炭素が生成されるが、この二酸化炭素が燃料電極103内または燃料拡散層110内に留まっているという状態が生じると、液体燃料の流れが阻止され、反抗効率が低下するという問題もある。
特開2003−86192号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、燃料電極に液体燃料を効率よく供給できるとともに、燃料電極で生成する二酸化炭素を排出可能であり、出力の向上を図ることができる燃料電池を提供することである。
本発明の燃料電池は、液体燃料から陽イオンを生成する燃料電極と、燃料電極に隣接して配置され、燃料電極からの陽イオンが透過する電解質膜と、電解質膜を介して燃料電極と対向して配置され、電解質膜を透過した陽イオンと酸化剤とを反応させる酸化剤電極と、燃料電極に液体燃料を供給するための燃料供給機構と、燃料電極と燃料供給機構との間に介在され、燃料供給機構側に配置された、親水性を有する多孔質材料で形成された燃料拡散層および燃料電極側に配置された、疎水性を有する材料で形成された第一疎水性層とを備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池は、第一疎水性層が、燃料拡散層側から燃料電極側に向かうよりも、燃料電極側から燃料拡散層側に向かう液体燃料の透過速度が小さいことを特徴とすることが好ましい。
本発明の燃料電池は、燃料拡散層が、厚み方向に貫通する1以上の孔を有することが、好ましい。この場合、孔の内壁に、疎水性を有する材料で形成された第二疎水性層が設けられてなることが好ましい。
また本発明の燃料電池において、第二疎水性層は、第一疎水性層よりも液体燃料の透過速度が小さいことが好ましい。また、第二疎水性層は、第一疎水性層よりも大きな厚みを有することが好ましい。
本発明の燃料電池は、第一疎水性層に液体燃料を透過させるための微細孔が形成されていることが、好ましい。
また本発明の燃料電池において、燃料拡散層は、第一疎水性層側から燃料供給機構側に向かうよりも、燃料供給機構側から第一疎水性層側に向かう液体燃料の透過速度が大きいことが、好ましい。
また、本発明の燃料電池において、燃料拡散層は、液体燃料に対する接触角が、燃料供給機構側よりも第一疎水性層側の方が小さいことが、好ましい。
本発明の燃料電池によれば、親水性を有する燃料拡散層の燃料電極側に、疎水性を有する第一疎水性層が設けられてなることによって、液体燃料を燃料供給機構から燃料拡散層に容易に浸透させ、燃料拡散層から燃料電極側へと液体燃料を効率よく活用して排出させることができる。液体燃料は触媒を含有する燃料電極の表面で反応により消費されるため、燃料拡散層内の液体燃料が第一疎水性層を介して燃料電極側に継続的に供給される状態となる。また、燃料拡散層と燃料電極との間に第一疎水性層が存在することで、燃料供給機構と燃料電極との間に親水性の燃料拡散層のみが設けられた場合と比較して、二酸化炭素が滞留しにくくできるのみならず、燃料拡散層側から燃料電極側に排出される液体燃料の流量を抑制し、また、排出された液体燃料が燃料拡散層側に逆流するのを防ぎ、燃料電極側に排出される液体燃料を効率よく活用することができる。また、排出される液体燃料の逆流が抑制されることで、未反応の燃料が電解質膜を通して酸化剤電極まで拡散することによって起こるクロスオーバーを抑制することができ、燃料電池の出力を向上させる効果がある。
図1は、本発明の好ましい一例の燃料電池1を模式的に示す断面図である。本発明の燃料電池1は、燃料電極3と、燃料電極3に隣接して配置された電解質膜4と、電解質膜4を介して燃料電極3と対向して配置された酸化剤電極5とで構成された発電素子2を基本的に備える。本発明の燃料電池1は、上述した基本構成に加え、燃料電極3に液体燃料を供給するための燃料供給機構(図1に示す例では、燃料電極3の電解質膜4と隣接する側とは反対側に設けられた、燃料流路7を有する燃料流路板6)を備え、この燃料供給機構と燃料電極3との間に、燃料供給機構側に配置された燃料拡散層8と、燃料電極3側に配置された第一疎水性層9とが介在された構成を備える。
本発明の燃料電池1における燃料電極3は、金属触媒を含む樹脂層にて実現されるが、従来公知の材料で作製でき、この金属触媒の一例として白金−ルテニウム合金などが用いられるが、その他に、白金と金、白金とオスミウム、白金とロジウムなど合金を用いることができる。また、燃料電極3の樹脂層としては、たとえばパーフルオロアルキルスルホン酸系樹脂が用いられる。
本発明の燃料電池1における電解質膜4は、プロトン伝導性の耐熱耐酸性の材料であれば有機材料、無機材料を問わず、従来公知の材料で作製でき、有機系の含フッ素高分子を骨格とするスルホン酸基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン117(デュポン社製))が用いられ得る。なお、本発明の燃料電池1における電解質膜4はプロトン伝導性の機能を有するのであれば、他の基材に電解質膜を埋め込んだ構造にて実現されていてもよい。
また本発明の燃料電池1における酸化剤電極5は、上述した燃料電極3と同様にたとえば、金属触媒を含む樹脂層にて実現されるが、これに限定されるものではなく当分野において従来より広く用いられている適宜の材料にて形成されたものを用いることができる。酸化剤電極5に用いられ得る金属触媒についても、特に限定されるものではなく、たとえば白金、白金−ルテニウム合金、白金−金合金、白金−オスミウム合金、白金−ロジウム合金などが好適に用いられるが、酸化剤電極側ではCOによる被毒の影響が少ないことから、白金で対応し得る。また、酸化剤電極5の形成に用いられる樹脂材料としては、特に限定されるものではなく、従来公知の材料で作製でき、たとえばパーフルオロアルキルスルホン酸系樹脂が用いられる。
本発明の燃料電池1において、上述した燃料電極3、電解質膜4および酸化剤電極5で構成された発電素子2は、以下のような燃料電池反応により発電する。ます、燃料流路板6から燃料拡散層8および第一疎水性層9を介して燃料電極3に液体燃料(たとえば、メタノール(CH3OH)と水(H2O)との混合物)が供給されると、燃料電極3において液体燃料から陽イオン(たとえば水素イオン(H+))が生成される。この際、陽イオンとともに、電子および排出ガスとしての二酸化炭素が生成する。燃料電極3で生成した陽イオンは、電解質膜4を透過して酸化剤電極5側へと移動する。一方、燃料電極3で生成した電子は、燃料電極3から外部回路(図示せず)を経由して、酸化剤電極5に導かれる。酸化剤電極5に移動した陽イオンは、酸化剤電極5において酸化剤(たとえば酸素(O2))および電子と反応して水を生成する。すなわち、たとえば、液体燃料がメタノール(CH3OH)と水(H2O)との混合物であり、燃料電極3で生成する陽イオンが水素イオン(H+)であり、酸化剤電極5に供給される酸化剤が酸素(O2)である場合には、以下の反応式(1)、(2)に示すような化学反応が起こることになる。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e- (1)
3/2O2+6H++6e-→3H2O (2)
本発明の燃料電池は、上述した燃料電極3に液体燃料を供給するための機構(燃料供給機構)をさらに備える。図1には、一例として、燃料電極3の電解質膜4に隣接する側とは反対側に配置された、燃料流路7を有する燃料流路板6で燃料供給機構を実現した場合が示されている。この場合、燃料流路板6としては、液体燃料に対し透過性を有しない適宜の基板であれば特に制限されるものではなく、たとえば金属基板、シリコン基板、ガラス基板、樹脂基板などを用いて実現することができる。中でも、量産性という観点からは、既存のシリコンデバイス作製プロセスと互換性のあるシリコン基板が好ましく、図1には、微細加工によって燃料流路7が形成されたシリコン基板にて燃料流路板6を実現した例が示されている。なお、燃料流路7は、燃料拡散層8に液体燃料が供給されるような流路を形成しているのであれば、その形状、大きさなどは特に制限されるものではない。また、本発明の燃料電池における燃料供給機構は、図1に示したような燃料流路7を有する燃料流路板6に限定されるものではなく、たとえば、液体燃料の貯蔵槽と隣接し、毛細管作用によって液体燃料を燃料拡散層8にまで運搬し得るような多孔質材料にて実現されていてもよい。
本発明の燃料電池1は、上述した燃料供給機構と燃料電極3との間の、燃料供給機構側に配置された燃料拡散層8が、親水性を有する多孔質材料にて形成されていることをその特徴の1つとする。ここで、「親水性」とは、液滴法(所定量の水滴を水平に設置した当該材料表面に接触させた際の水滴と材料表面とが形成する接触角を測定する方法)により測定された接触角が40度以下であることを指す。燃料拡散層8は、カーボンペーパー、カーボン焼結体、多孔質シリコン、多孔質シリコン酸化物、ニッケルなどの焼結金属、発泡金属などの多孔質材料のうち、液体燃料に対して親水性を有するものを用いることができる。好適な具体例としては、多孔質のシリコン酸化物で燃料拡散層8を形成する場合が挙げられる。多孔質のシリコン酸化物は、The Royal Society of Chemistry 2005, Chem. Commun, 2005, 3135-3137(参考文献1)、Langmuir 2003, 19, 5627-5631(参考文献2)に示されるように、作製に用いる原料、または作製時の焼成温度などの条件によって、液体に対する濡れ性が制御可能であることが知られている。また、この多孔質のシリコン酸化物作製時の原料、作製時の焼結温度の選択によって、異なる親水性、すなわち液体燃料との接触角が異なる多孔質層の積層、または透過速度の異なる多孔質層の積層を実現することが可能である。なお、燃料拡散層8の空孔率(たとえばX線小角散乱を用いた密度測定から算出される)は、60〜90%の範囲内であることが好ましく、70〜80%の範囲内であることがより好ましい。
本発明の燃料電池1では、燃料供給機構と燃料電極3との間に、上述した燃料拡散層8よりも燃料電極3側に、疎水性を有する材料で形成された第一疎水性層が形成されてなることも特徴の1つとする。ここで、「疎水性」とは、上述した液滴法により測定された接触角が90度以上であることを指す。第一疎水性層9を形成する疎水性を有する材料としては、たとえばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂材料などが例示される。また、燃料拡散層8が、上述した多孔質シリコン酸化物で形成されている場合、その表面をフルオライド系ガスを用いた高周波プラズマ(CF4プラズマ処理など)を用いて疎水化処理することによって、疎水化された表面を第一疎水性層9として実現するようにしてもよい。
本発明の燃料電池1によれば、燃料拡散層8から燃料電極3側に排出されてきた液体燃料を効率よく活用し、また、二酸化炭素の排出も阻害されにくいことから、従来よりも出力が向上した燃料電池を実現することができる。すなわち、まず、親水性を有する燃料拡散層8の燃料電極3側に、疎水性を有する第一疎水性層9が設けられてなることによって、液体燃料を燃料供給機構から燃料拡散層8に容易に浸透させ、燃料拡散層8から燃料電極3側へと液体燃料を効率よく活用して排出させることができる。液体燃料は触媒を含有する燃料電極3の表面で反応により消費されるため、燃料拡散層8内の液体燃料が第一疎水性層9を介して燃料電極3側に継続的に供給される状態となる。また、燃料拡散層8と燃料電極3との間に第一疎水性層9が存在することで、燃料供給機構と燃料電極との間に親水性の燃料拡散層のみが設けられた場合と比較して、二酸化炭素が滞留しにくくできるのみならず、燃料拡散層8側から燃料電極側に排出される液体燃料の流量を抑制し、また、排出された液体燃料が燃料拡散層8側に逆流するのを防ぎ、燃料電極3側に排出される液体燃料を効率よく活用することができる。また、排出される液体燃料の逆流が抑制されることで、未反応の燃料が電解質膜4を通して酸化剤電極5まで拡散することによって起こるクロスオーバーを抑制することができ、燃料電池1の出力を向上させる効果がある。
本発明の燃料電池1における第一疎水性層9は、燃料拡散層8側から燃料電極3側に向かうよりも、燃料電極3側から燃料拡散層8側に向かう液体燃料の透過速度が小さいことが好ましい。これによって、第一疎水性層9によって、燃料拡散層8から燃料電極3に向かって供給されてきた液体燃料の逆流を確実に防止することができる。なお、このように第一疎水性層9が、燃料拡散層8側から燃料電極3側に向かうよりも、燃料電極3側から燃料拡散層8側に向かう液体燃料の透過速度が小さいことは、たとえば燃料拡散層と第一疎水性層側の二層構造において、燃料拡散層の燃料流路に対向する側の表面から一定量の液体を導入したときに、その液体が第一疎水性層表面側に排出される時間と、第一疎水性層表面から同様に一定量の液体を導入したときに、その液体が燃料拡散層側に排出される時間を計測することで確認することができる。また、このように第一疎水性層9が、燃料拡散層8側から燃料電極3側に向かうよりも、燃料電極3側から燃料拡散層8側に向かう液体燃料の透過速度が小さい構成は、第一疎水性層の、燃料拡散層8側からみたときの平均孔径よりも、燃料電極3側からみたときの平均孔径の方が小さくなるように構成することで好適に実現することができる。
また本発明の燃料電池1は、図1に示す例のように、燃料拡散層8が、厚み方向に貫通する1以上の孔(貫通孔10)を有することが好ましい。このような貫通孔10が形成されていることによって、燃料電極3での反応によって生成された二酸化炭素を、この貫通孔10を通して燃料電池外に排出しやすくなるとともに、燃料拡散層8内の液体燃料の流れを阻止しにくくなる。
また本発明の燃料電池1は、図1に示すように、燃料拡散層8に上述した貫通孔10が形成されている場合には、当該貫通孔10の内壁に、疎水性を有する材料で形成された第二疎水性層11が設けられてなることが好ましい。燃料拡散層に貫通孔が形成されただけの状態では、燃料拡散層内に含まれている液体燃料が貫通孔内に染み出す可能性がある。そこで、貫通孔10の内壁に疎水性を有する材料で形成された第二疎水性層11が設けられてなることによって、液体燃料が燃料拡散層から貫通孔内に流入して、生成された二酸化炭素の排出を妨げるのを抑制し、より確実に安定して二酸化炭素を排出させることができる。
第二疎水性層11を形成する疎水性を有する材料としては、第一疎水性層9の形成材料として上述したものと同様、たとえばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂材料などが例示される。また、燃料拡散層8が、上述した多孔質シリコン酸化物で形成されている場合、その貫通孔の内壁の表面をフルオライド系ガスを用いた高周波プラズマ(CF4プラズマ処理など)を用いて疎水化処理することによって、疎水化された内壁表面を第二疎水性層11として実現するようにしてもよい。
本発明の燃料電池1において、上述した第二疎水性層11は、第一疎水性層9よりも液体燃料の透過速度が小さいことが、好ましい。これによって、第一疎水性層9を介して、燃料拡散層8から燃料電極3に液体燃料を効率的に供給することができ、かつ、第二疎水性層11によって液体燃料が貫通孔10内に流入するのを抑制することができる。なお、このように第二疎水性層11が、第一疎水性層9よりも液体燃料の透過速度が小さいことは、たとえば第一および第二疎水性層表面に一定量の液体を滴下した際、その液滴が各疎水性層を透過するのに要する時間を計測することで確認することができる。また、このように第二疎水性層11が、第一疎水性層9よりも液体燃料の透過速度が小さい構成は、第一疎水性層よりも第二疎水性層を厚くすることで好適に実現することができる。
また、本発明の燃料電池1において、第二疎水性層11は、第一疎水性層9よりも大きな厚みを有することが好ましい。これによって、第一疎水性層9を介して液体燃料を燃料電極3に効率的に供給することができ、かつ、第二疎水性層11によって液体燃料が貫通孔10内に流入することを抑制できる。
具体的には、本発明の燃料電池1における第一疎水性層9の厚みは、10nm〜0.1μmの範囲内であることが好ましい。第一疎水性層9内を透過する液体燃料の流れには圧力損失が発生する。すなわち、第一疎水性層9の燃料拡散層8側と燃料電極3側との間に液体燃料を通過させるために十分な圧力差がなければ、一定量以上の液体燃料が第一疎水性層9を透過し続けることが不可能となる。液体燃料が通過しなければならない距離が長いほど、すなわち第一疎水性層9の層厚が厚いほど、液体燃料が第一疎水性層9を通過するために必要な圧力は大きくなる。第一疎水性層9の厚みが0.1μmを超える場合には、発電に必要とされる量の液体燃料が、燃料拡散層8側から燃料電極3側に向かって第一疎水性層9を継続的に通過させるために必要な圧力差を得るのが困難となる虞がある。一方、第一疎水性層9の厚みが10nm未満である場合には、第一疎水性層9が燃料拡散層8の表面を均一に被覆するのが困難となり、被覆が完全でない部分から液体燃料が燃料電極3側から燃料拡散層8側に向かって流入し得るため、液体燃料が燃料電極3側から燃料拡散層8側へと逆流するのを阻止するという第一疎水性層9が有する役割が十分に果たされない虞がある。
また本発明の燃料電池1における第二疎水性層11は、0.1〜10μmの範囲内であることが好ましい(第一疎水性層9の厚みを0.1μmとする場合には、第二疎水性層11の厚みは0.1μmを超える値とする)。液体燃料が第二疎水性層11を透過する量は、第二疎水性層11の厚みに反比例する。すなわち、第二疎水性層11の厚みが小さい場合には、液体燃料が貫通孔10に染み出す可能性がある。第二疎水性層11の厚みが0.1μm未満である場合には、液体燃料の貫通孔10内への染み出しを阻止する能力が十分でない場合がある。また、第二疎水性層11の厚みが10μmを超える場合には、第二疎水性層11の層内応力が大きくなることから、第二疎水性層11にクラックが生じ、そのクラックを通じて液体燃料が染み出すという問題が生じる場合がある。
また本発明の燃料電池1は、図1に示すように、第一疎水性層9に、液体燃料を透過させるための微細孔12が形成されてなることが好ましい。このような微細孔12が第一疎水性層9に形成されていることによって、燃料拡散層8内を浸透してきた液体燃料が第一疎水性層9を透過するのがより容易になるともに、二酸化炭素の滞留を防ぎ、滞留させやすくする効果がある。微細孔12は、図1に示す例のように、第一疎水性層9の厚み方向に貫通するように形成されてなることが、好ましい。
微細孔12の平均孔径は、特に制限されるものではないが、0.05〜2μmの範囲内であることが好ましい。液体燃料が、微細孔12内で流れを有するために必要とされる圧力差は、一般に孔径の2乗に反比例する。すなわち、孔径が小さいほど液体燃料が流れを有するのに必要な圧力差が大きくなる。微細孔12の平均孔径が0.05μm未満である場合には、発電に必要とされる量の液体燃料が第一疎水性層9を透過し続けるために必要な圧力差が極めて大きく、燃料電極3側に排出されてきた液体燃料が、この微細孔12を通過できず燃料拡散層8側に逆戻りしてしまう虞がある。また、微細孔12の平均孔径が2μmを超える場合には、発電に必要とされる量の液体燃料が第一疎水性層9を透過し続けるために必要な圧力差が極めて小さく、この微細孔12を透過して燃料電極3に供給される液体燃料の量が過剰になり、電解質膜をクロスオーバーする虞がある。なお、上述した微細孔12の平均孔径は、たとえば従来公知のバブルポイント法などで測定が可能である。
本発明の燃料電池はまた、燃料拡散層が、第一疎水性層側から燃料供給機構側に向かうよりも、燃料供給機構側から第一疎水性層側に向かう液体燃料の透過速度が大きいことが、好ましい。これによって、燃料拡散層は、第一疎水性層側から燃料供給機構側に向かうよりも、燃料供給機構側から第一疎水性層側に向かう方が液体燃料の透過速度が大きいため、燃料供給機構から供給されてきた液体燃料が燃料電極側に向かって流れ、より効率的に液体燃料を燃料流路板側から第一疎水性層側へ浸透させることができるようになる。なお、燃料拡散層が、第一疎水性層側から燃料供給機構側に向かうよりも、燃料供給機構側から第一疎水性層側に向かう液体燃料の透過速度が大きいことは、たとえば燃料拡散層の燃料流路に対向する側の表面から一定量の液体を導入したときに、その液体が第一疎水性層表面側に排出される時間と、第一疎水性層表面から同様に一定量の液体を導入したときに、その液体が燃料拡散層側に排出される時間を計測することで確認することができる。
ここで、図2は、本発明の好ましい他の例の燃料電池21の燃料電極3側のみを模式的に示す断面図である。なお、図2に示す例の燃料電池21は、図1に示した例の燃料電池1と一部を除いては同様の構成を有するものであり、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図2に示す例の燃料電池21は、燃料供給機構(図1に示した例と同様、燃料流路7が形成された燃料流路板6にて実現)と燃料電極3との間に、燃料供給機構側に燃料拡散層22、燃料電極3側に第一疎水性層25が介在され、燃料拡散層22が、燃料供給機構側に配置された第一燃料拡散層23と、燃料電極3側に配置された第二燃料拡散層24とを備えるように構成されている。図2に示す例では、第二燃料拡散層として第一燃料拡散層よりも親水性の高い材料を選択することで、燃料拡散層22が、第一疎水性層25側から燃料供給機構側に向かうよりも、燃料供給機構側から第一疎水性層25側に向かう液体燃料の透過速度が大きくなる構成が実現されている。なお、図2には、燃料拡散層22は上述したような貫通孔、第二疎水性層を有さず、また、第一疎水性層25が上述した微細孔を有しない例が示されているが、図1に示した例と同様に、これら貫通孔、第二疎水性層、微細孔から選ばれる少なくともいずれかが形成されていても勿論よい。
また本発明の燃料電池における燃料拡散層は、液体燃料に対する接触角が、燃料供給機構側よりも第一疎水性層側の方が小さいことが、好ましい。これによって、燃料供給機構側よりも第一疎水性層側の方が親水性が高いため、燃料拡散層に進入した液体燃料は、第一疎水性層側から燃料供給機構側よりも燃料供給機構側から第一疎水性層側へと浸透しやすく、したがって、液体燃料が燃料供給機構側から燃料電極側へと向かう流れを持つことができ、より効率的に液体燃料を燃料供給機構側から燃料電極側に浸透させることができる。また、従来の燃料電池では、燃料流路を高圧力に保つことで、燃料流路から燃料電極に向かう方向への液体燃料の流れを創出していたことに対し、燃料拡散層内での親水性の差により液体燃料が燃料流路から燃料電極側への方向に流れるため、燃料流路内で必要とされる圧力が従来と比較して低くなり、燃料ポンプ、圧力調整機構など、電池以外の二次的な装置が簡略化され、燃料電池システム全体として発電効率が向上する効果がある。このような構成も、たとえば、上述したように燃料拡散層22を第一燃料拡散層23と第二燃料拡散層24との二層構造とすることで、好適に実現することができる。
なお、本発明の燃料拡散層は、図1に示したような単層構造、図2に示した二層構造の他、燃料流路側から燃料電極側に向かう方向に親水性が上がるように、3種類以上の異なる親水性を有する多孔質材料から形成された三層以上で実現されていてもよい。
本発明の燃料電池は、上述してきたように、燃料供給機構と燃料電極との間に、燃料供給機構側に配置された、親水性を有する多孔質材料で形成された燃料拡散層および燃料電極側に配置された、疎水性を有する材料で形成された第一疎水性層とを備える構成に特徴を有するものであり、当該特徴以外の構成については特に制限されるものではなく、従来公知の適宜の構成を採用することができる。たとえば、図1には、酸化剤電極5の電解質膜4と隣接する側とは反対の側は、酸化剤を供給する機構(酸化剤供給機構)として酸化剤流路17が形成された酸化剤流路板16が、酸化剤拡散層18を介して設けられた例の燃料電池1が示されている。
酸化剤流路板16としては、金属基板、シリコン基板、ガラス基板、樹脂基板など液体および酸化剤である酸素に対する透過性を有しない材料が使用可能であり、たとえば上述した燃料流路板6と同様に、酸化剤流路17を微細加工により形成したシリコン基板を好適に用いることができる。また、酸化剤流路を有さず、大気が透過できる空孔が形成された板状物を酸化剤供給機構として用いても勿論よい。
また酸化剤拡散層18としては、上述した燃料拡散層8と同様、カーボンペーパー、カーボンの焼結体、多孔質シリコン、多孔質シリコン酸化物、ニッケルなどの焼結金属、発泡金属などの多孔質材を用いることができるが、これらに制限されるものではない。なお、上述した燃料電池反応で酸化剤電極5において生成した水は、この酸化剤拡散層18内を拡散し、排出口(図示せず)から燃料電池外に排出される。
本発明の燃料電池は、上述したような特徴を有するものであれば、その製造方法は特に制限されるものではない。ここで、図3は、燃料拡散層を作製する方法の一例を段階的に示す図である。まず、図3(a)に示すように、シリコン基板30の表面に、従来公知の適宜の材料、たとえばSi(OC254(TEOS)などを用いて第一の多孔質シリコン酸化膜31を形成する。具体的には、第一の多孔質シリコン酸化膜31の原料としてC7183Si(M−TEOS)を用い、塗布した溶液を400℃以上の温度で焼成し、親水性、すなわち液体燃料に対する接触角が40度以下で、かつ、後述する第二の多孔質シリコン酸化膜よりも大きい接触角を有する多孔質層を作製する。第一の多孔質シリコン酸化膜31の厚みは、約10μmとすることができる。
次に、図3(b)に示すように、第一の多孔質シリコン酸化膜31の表面に、第二の多孔質シリコン酸化膜32を形成する。第二の多孔質シリコン酸化膜32の原料としては、たとえばTEOSおよびC65Si(OC253(Ph−TEOS)の混合溶液を用いることができ、これによって塗布した溶液を550℃以上の温度で焼成し、超親水性、すなわち液体燃料に対する接触角が殆どゼロに近い第二の多孔質シリコン酸化膜32を形成できる。また、この接触角の値は上記第一の多孔質シリコン酸化膜31よりも低い値である。第二の多孔質シリコン酸化膜31の厚みは、約10μmとすることができる。このようにして、図2に示したような第一燃料拡散層23と第二燃料拡散層24との二層構造を有する燃料拡散層22を作製することができる。
なお、TEOS原料および焼成温度の選定によって異なる親水性を有する多孔質膜の積層にて燃料拡散層を実現する場合について上述したが、たとえばJournal of Electrochemical Society, 153(4) G341-G346, 2006(参考文献3)に示されるように、TEOSに混入する添加物の割合を変化させることで多孔質の開孔率を変化させ、異なる開孔率の多孔質膜を積層することで、燃料拡散層を実現することも可能である。
また、図4は、燃料拡散層を作製する方法の他の例を段階的に示す図である。図4に示す例では、図3(a)に示したように、シリコン基板30の表面に第一の多孔質シリコン酸化膜31を形成した後、公知のフォトリソグラフィおよびドライエッチング法を用いて貫通孔34を形成する(図4(a))。次に、CF系高周波プラズマを用いて貫通孔34内に第二疎水性層35を形成する(図4(b))。この際、燃料拡散層の表面には、貫通孔加工用のフォトマスクが形成されているので、燃料拡散層表面直上には第二疎水性層は堆積されない。次に、燃料拡散層上のフォトマスクを取り除いた後、燃料拡散層表面に第一疎水性層36を形成する(図4(c))。次に、公知のフォトリソグラフィおよびエッチング法を用いて、第一疎水性層36に微細孔37を加工する(図4(d))。次に、エッチングなどの手段で、シリコン基板30を取り除く。このようにして、図1に示したような、貫通孔10および第二疎水性層11が形成された燃料拡散層8および微細孔12が形成された第一疎水性層9との積層体が作製される。
上述したように形成された燃料拡散層および第一疎水性膜以外の構成要素として、たとえば図5(a)に示すような燃料流路板6または酸化剤流路板16、図5(b)に示すような燃料電極3、電解質膜4および酸化剤電極5で構成される発電素子2を順次積層させることで、図1、図2に示したような本発明の燃料電池を製造することができる。本発明の燃料電池に用いられる燃料流路板6および酸化剤流路板16は、適宜の基板材料に、公知のフォトリソグラフィおよびDeep−RIE法を用いて微細加工を施して燃料流路7または酸化剤流路17を形成することで、作製することができる。また、図5(b)に示されるように、発電素子2は、電解質膜4の片面に、燃料電極3としてのAu層、逆側に酸化剤電極5としてのPt、Ruの合金層を形成することにより作製される。また、酸化剤拡散層としては、燃料電極と同様に、多孔質シリコン酸化物などを用いることもできるが、カーボンペーパーによる酸化剤拡散層が一般的である。
本発明の好ましい一例の燃料電池1を模式的に示す断面図である。 本発明の好ましい他の例の燃料電池21の燃料電極3側のみを模式的に示す断面図である。 燃料拡散層を作製する方法の一例を段階的に示す図である。 燃料拡散層を作製する方法の他の例を段階的に示す図である。 図5(a)は、本発明の燃料電池に用いられる燃料流路板6または酸化剤流路板17を模式的に示す図であり、図5(b)は、本発明の燃料電池に用いられる発電素子2を模式的に示す図である。 従来の典型的な燃料電池の一例として、たとえば特開2003−86192号公報に開示されたような固体高分子型燃料電池101を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1,21 燃料電池、2 発電素子、3 燃料電極、4 電解質膜、5 酸化剤電極、6 燃料流路板、7 燃料流路、8,22 燃料拡散層、9,25 第一疎水性層、10 貫通孔、11 第二疎水性層、12 微細孔、23 第一燃料拡散層、24 第二燃料拡散層、16 酸化剤流路板、17 酸化剤流路、18 酸化剤拡散層。

Claims (9)

  1. 液体燃料から陽イオンを生成する燃料電極と、
    燃料電極に隣接して配置され、燃料電極からの陽イオンが透過する電解質膜と、
    電解質膜を介して燃料電極と対向して配置され、電解質膜を透過した陽イオンと酸化剤とを反応させる酸化剤電極と、
    燃料電極に液体燃料を供給するための燃料供給機構と、
    燃料電極と燃料供給機構との間に介在され、燃料供給機構側に配置された、親水性を有する多孔質材料で形成された燃料拡散層および燃料電極側に配置された、疎水性を有する材料で形成された第一疎水性層とを備える、燃料電池。
  2. 第一疎水性層は、燃料拡散層側から燃料電極側に向かうよりも、燃料電極側から燃料拡散層側に向かう液体燃料の透過速度が小さいことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 燃料拡散層が、厚み方向に貫通する1以上の孔を有する、請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 孔の内壁に、疎水性を有する材料で形成された第二疎水性層が設けられてなる、請求項3に記載の燃料電池。
  5. 第二疎水性層は、第一疎水性層よりも液体燃料の透過速度が小さい、請求項4に記載の燃料電池。
  6. 第二疎水性層が、第一疎水性層よりも大きな厚みを有する、請求項4または5に記載の燃料電池。
  7. 第一疎水性層に液体燃料を透過させるための微細孔が形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池。
  8. 燃料拡散層は、第一疎水性層側から燃料供給機構側に向かうよりも、燃料供給機構側から第一疎水性層側に向かう液体燃料の透過速度が大きいことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池。
  9. 燃料拡散層は、液体燃料に対する接触角が、燃料供給機構側よりも第一疎水性層側の方が小さいことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池。
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