JP2011034740A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質溶液による酸化剤電極の劣化を抑制できる燃料電池を提供すること。
【解決手段】燃料電極70と、触媒層21cを具備する酸化剤電極80と、親水性結合材と撥水性粒子からなり触媒層21cの表面に形成された撥水層25cとを有し、撥水層25cと燃料電極70との間に電解質溶液が流される。親水性結合材と撥水性粒子の含有比によって撥水層の撥水性が制御され、親水性結合材としてNafion(登録商標)、撥水性粒子として多孔質炭素が使用される。撥水層の組成は、Nafion(登録商標)60±3質量%、多孔質炭素40±3質量%である。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、特に、電解質溶液による酸化剤電極の劣化を抑えることができる直接型メタノール燃料電池(DMFC;Direct Methanol Fuel Cell)に関する。
燃料電池は、供給された燃料と酸化剤の電気化学反応による化学エネルギーを電力として取出すものであり、近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動して高出力密度が得られる燃料電池が移動体用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。燃料電池は、料電池自動車から携帯機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末、携帯音楽プレイヤ、ノート型パソコン等)まで幅広い分野での移動体用電源として期待されている。
燃料電池の基本構造は、電解質膜の両側に触媒層及びガス拡散電極が接合された膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の両側にセパレータが配置された単セルを含んでいる。膜電極接合体(MEA)には高い信頼性が要求される。
燃料電池では、燃料電極のセパレータに供給された燃料は、セパレータ内の燃料流路を通って燃料電極のガス拡散層に導かれその中を拡散して触媒層に導かれ、白金等の触媒作用によって水素イオンと電子とに分離される。水素イオンは電解質膜を通って電解質膜を挟んで反対側の酸化剤電極の触媒層に導かれる。一方、燃料電極で発生した電子は、負荷を含み外部回路を通って、酸化剤電極のガス拡散層に導かれ触媒層に導かれる。酸化剤電極のセパレータに供給された酸素は、セパレータ内の酸化剤流路を通って、酸化剤電極のガス拡散層に導かれその中を拡散して触媒層に導かれ、酸素、電子、水素イオンとから水を生成する。このようにして発電サイクルが完結する。
燃料電池として、メタノール水溶液を直接燃料として用いる直接メタノール型燃料電池(DMFC)では、燃料電極では、酸化反応(CH3OH+H2O → CO2 +6H+ +6e-)により電子が放出され、酸化剤電極では、還元反応(6H+ +3/2O2 +6e- → 3H2O)により電子が取込まれ、メタノールと酸素から炭酸ガスと水を生成する反応(CH3OH+3/2O2 → CO2 +2H2O)が進行して、起電力が生じる。
触媒層は、通常、白金族元素が炭素粒子に担持され形成される。電解質膜は、燃料電極と酸化剤電極を隔て両極間で水素イオンを移動させる役割を有し、例えば、Nafion(デュポン社、登録商標)が使用される。
拡散層は、拡散層の外面に配置された燃料流路から触媒層へ均一に燃料又は酸化剤を供給するために、燃料又は酸化剤を拡散させる機能、触媒層で生成した水を速やかに酸化剤流路に排出する機能、触媒層の反応に必要な電子を導電する機能等を満たすために、高いガス透過性能、水蒸気透過性能、電子導電性が要求される。このため、従来のガス拡散層は、多孔質構造とすることによってガス透過能を与え、フッ素樹脂で代表とされる撥水性の高分子材料を層中に分散することによって水蒸気透過能を与え、カーボン繊維や金属繊維、炭素微粉末等の電子導電性材料で拡散層を構成することによって電子導電性を与えていた。
ガス拡散層の通気性(ガス透過性)は燃料電池の発電効率に大きな影響を与え、ガス拡散層の導電性を重視して空隙を少なくすると、燃料、酸化剤を触媒層に供給量が少なくなり発電効率が低下してしまう。逆に、ガス拡散層の通気性を重視して空隙を多くすると、導電性が低下しイオン化の効率が低下してしまう。
直接メタノール型燃料電池には、メタノールが燃料電極側から電解質膜を透過して酸化剤電極側に拡散するメタノールクロスオーバーの問題がある。メタノールクロスオーバーが生じると、透過したメタノールは酸化剤電極の触媒層で酸化され浪費され、メタノールが燃料電極で発電に使われず、電池の出力電圧を低下させ発電効率を低下させる原因になっている。
また、酸化剤電極におけるフラッディング、水分管理の問題、更に、酸化剤電極の触媒層はその表面に一酸化炭素が吸着されやすく、触媒毒が生じる等の問題もある。
このような問題を解決し、直接メタノール型燃料電池の発電効率を高めるために、電池を構成する各層(膜)を形成する材料の研究開発が進められている。その一つに、電解質膜を使用せず、電解質を含む流動体を流通させる電解質流路を、酸化剤電極と燃料電極の間に設け、酸化剤電極におけるフラッディング、水分管理の問題を解消し、メタノールクロスオーバーを抑制し高エネルギー密度を得ようとする試みがなされている(例えば、後記の特許文献1、特許文献2を参照。)。
電解質膜を使用する直接メタノール燃料電池(DMFC)では、膜電極接合体(MEA)には高い信頼性が要求される。燃料電池の特性の低下、更には、機能停止に至る原因の1つに、膜電極接合体の性能劣化をもたらす電解質膜からの触媒層の剥離がある。これを解決する方法の1つとして、電解質膜を電解質溶液に置き換え、電解質溶液を燃料電極と酸化剤電極の間に流す構成の燃料電池がある。
しかし、この構成の燃料電池では、常に、燃料電極及び酸化剤電極は電解質溶液に接触している状態にあり、触媒層に電解質溶液が吸着され、触媒層を不活性化させ腐食させ劣化させてしまう。燃料電極の劣化はメタノールクロスオーバーを促進させ、酸化剤電極の劣化は酸化剤ガスの流れを妨害してしまい、更には、電解質溶液の漏洩の原因となってしまい、このため、燃料電池の特性が大きく劣化する。更に、未反応の燃料が電解質溶液に溶解して酸化剤電極側に運ばれて反応するため、燃料電池の特性が低下してしまう。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電解質溶液による酸化剤電極の劣化を抑えることができる燃料電池を提供することにある。
即ち、本発明は、燃料電極と、触媒層(例えば、後述の実施の形態における触媒層21c)を具備する酸化剤電極と、親水性結合材(例えば、後述の実施の形態におけるNafion(デュポン社、登録商標))と撥水性粒子(例えば、後述の実施の形態におけるPTFE又は炭素粒子)からなり前記触媒層の表面に形成された撥水層とを有し、前記撥水層における前記親水性結合材の含有比が60±3質量%、前記撥水性粒子の含有比が40±3質量%であり、前記撥水層と前記燃料電極との間に電解質溶液が流される、燃料電池に係るものである。
本発明によれば、燃料電極と、触媒層を具備する酸化剤電極と、親水性結合材と撥水性粒子からなり前記触媒層の表面に形成された撥水層とを有し、前記撥水層における前記親水性結合材の含有比が60±3質量%、前記撥水性粒子の含有比が40±3質量%であり、前記撥水層と前記燃料電極との間に電解質溶液が流されるので、前記撥水層は、前記電解質溶液の前記触媒層内部への流れを抑制する障壁、燃料の触媒層内部への流れを抑制する障壁となるため、前記撥水層を設けない燃料電池と比較して、燃料クロスオーバーを低下させ、前記電解質溶液の前記触媒層への吸着を低下させることができ、前記触媒層の劣化を軽減することができ、燃料電池の特性を向上させることができ、耐久性を向上させることができる燃料電池を提供することができる。
本発明の実施の形態における、燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。 同上、撥水層の製造方法の一例を説明する図である。 本発明の実施例における、燃料電池の特性を説明する図である。 同上、燃料電池の特性を説明する図である。 同上、燃料電池の特性を説明する図である。 同上、燃料電池の特性を説明する図である。
本発明の燃料電池では、前記親水性結合材がプロトン解離性基を有する樹脂である構成とするのがよい。このような構成によれば、前記撥水層にプロトン伝導性を付与することができる。
また、前記親水性結合材がポリパーフルオロアルキルスルホン酸系樹脂である構成とするのがよい。このような構成によれば、前記撥水層のプロトン伝導性が良好なものとすることができる。
また、前記撥水性粒子がPTFE粒子又は炭素粉末である構成とするのがよい。このような構成によれば、前記撥水層を、前記電解質溶液と前記触媒層との直接接触を防止する障壁とすることができ、前記撥水層によって前記触媒層の腐食又は触媒毒の生成を防止することができ、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
また、前記撥水層の表面において、水との接触角が140度以上、150度以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、前記撥水層を設けない燃料電池と比較して、燃料電池の耐久性を向上させることができ、その出力密度を向上させることができる。
また、前記撥水層の密度が0.05mg/cm2 以上、1mg/cm2 以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、前記撥水層を設けない燃料電池と比較して、燃料電池の耐久性を向上させることができ、その出力密度を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態]
本発明の燃料電池では、酸化剤電極の触媒層に撥水層が設けられており、発電時に、電解質溶液が燃料電極と撥水層の間に流される。この撥水層は、親水性結合材と撥水性粒子から構成され、撥水層の撥水性は、親水性結合材と撥水性粒子の含有比によって制御することができる。撥水層は、好ましくは、親水性結合材の含有比が40質量%以上、70質量%以下であり、撥水性粒子の含有比が30質量%以上、60質量%以下である構成を有し、更に好ましくは、親水性結合材の含有比が60±3質量%、撥水性粒子の含有比が40±3質量%である構成を有する。
触媒層の表面に形成される撥水層は、電解質溶液の触媒層内部への流れを抑制する障壁、メタノールの触媒層内部への流れを抑制する障壁として作用している。この結果、撥水層を設けない燃料電池と比較して、メタノールクロスオーバーを低下させ、電解質溶液の触媒層への吸着を低下させることができ、触媒層の劣化を軽減し耐久性を向上させることができ、燃料電池の特性を向上させ出力密度を向上させることができる。
本発明による燃料電池は、耐久性に優れ、工場内や家庭内に固定設置され使用される装置の電源、電話やPC等の携帯用の可搬型情報機器に使用される電源、自動車等の移動体装置に搭載される電源として使用することができる。
<燃料電池の構成>
図1は、本発明の実施の形態における、燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、燃料電極(アノード)70と酸化剤電極(酸素電極)(カソード)80とが対向して配置されている。燃料電極70は、酸化剤電極80の側から順に、触媒層11a、拡散層12aが積層された構成を有し、酸化剤電極80は、燃料電極70の側から順に、撥水層25c、触媒層21c、拡散層22cが積層された構成を有し、外装部材60に収納されている。なお、拡散層12a、22cに、金属メッシュ製の集電体(図示せず。)がそれぞれ設けられている。
燃料電極70と酸化剤電極80との間には、電解質溶液を流通させる電解質溶液(電解液)流路30が設けられている。電解質溶液は、プロトン(H+)伝導性を有するものであれば特に限定されず、例えば、硫酸、リン酸等の無機酸、イオン性液体等を使用することができる。
燃料電極70の外側、即ち、酸化剤電極80とは反対側に、燃料を流通させる燃料流路40が設けられており、酸化剤電極80の外側、即ち、燃料電極70とは反対側に、酸化剤(酸素、空気、酸素を含むガス)を流通させる酸化剤流路50が設けられている。なお、酸化剤流路50を設けないで空気が自然換気される構成とすることもできる。
酸化剤電極80の触媒層21c上に設けられた撥水層25cは、電解質溶液と触媒層21cの間のイオンパスを保持しながら、触媒層21cと電解質溶液との直接接触を防止し、酸化剤電極80の劣化を抑制する劣化防止層であり、電解質溶液の漏洩を防止する漏洩防止層でもある。
また、撥水層25cは、燃料(メタノール)クロスオーバーによって酸化剤電極80で生じる過電圧を防ぐ機能を有する過電圧抑制層であり、酸化剤電極80のフラッディングを抑制する機能を有するフラッディング抑制層でもある。酸化剤電極80は、常に、電解質溶液と接触しており、燃料電池が発電時、非発電時の何れの場合でも、常に、フラッディングしている状態となっているが、撥水層25cを設けているので、酸化剤電極80のフラッディング状態を抑制することができる。
触媒層11a、21cは、多孔質炭素に担持された触媒金属(例えば、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)等の金属の単体又は合金)により構成されており、プロトン伝導体、バインダーを含んでいてもよい。このプロトン伝導体は、例えば、Nafion(デュポン社、登録商標)、バインダーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の樹脂であり、これによって触媒層11a、21cの強度や柔軟性が保持される。
拡散層12a、22cは、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー又はカーボンシートにより構成され、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等により撥水化処理が行われていることが望ましい。
電解質溶液流路30は、外装部材60に設けられた電解液入口及び電解液出口を介して電解質溶液供給部又は電解質溶液溜め(図1には図示せず。)に連結されており、電解質溶液供給部から電解質溶液が供給される構成となっている。燃料流路40は、外装部材60に設けられた燃料入口及び燃料出口を介して燃料供給部又は燃料溜め(図1には図示せず。)に連結されており、燃料供給部から燃料(メタノール)が供給される構成となっている。
図1に示す燃料電池において、更に、撥水層を燃料電極70の触媒層11a上に設ける構成とすることもできる。
燃料電極70の触媒層11a上に設けられる撥水層は、電解質溶液と触媒層11aの間のイオンパスを保持しながら、触媒層11aと電解質溶液との直接接触を防止し、燃料電極70の劣化を抑制する劣化防止層であり、燃料(メタノール)クロスオーバーを低減するクロスオーバー抑制層、及び、燃料電極70における反応で発生する二酸化炭素(CO2)が気泡として電解質溶液に放出されるのを抑制する気泡放出抑制層でもある。
この気泡が、電解質溶液流路30を流れる電解質溶液に放出されると、プロトンパスが阻害されてしまい気泡が存在するところではプロトン伝導性が変化し、電池特性が不安定になってしまうので、二酸化炭素(CO2)の気泡の電解質溶液への放出を低減することは非常に重要である。
次に、撥水層25cについての構成、製造方法について説明する。
<撥水層の構成>
撥水層25cは、親水性のプロトン伝導性ポリマー(親水性結合材)と撥水性粒子から構成される。このプロトン伝導性ポリマーは結合材及びプロトン伝導体として作用し、撥水性粒子は、電解質溶液と触媒層との直接接触を防止する障壁となっているので、撥水層を設けることによって触媒層の腐食又は触媒毒の生成を防止することができ、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
親水性のプロトン伝導性ポリマーは、プロトン解離性基を有し、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー(パーフルオロアルキルカーボンスルホン酸ポリマー)、その他、部分フッ素化スルホン化ポリスチレン等のフッ素系プロトン伝導性ポリマー、炭化水素系プロトン伝導性ポリマー、ポリスチレンスルホン酸、フラーレン誘導体、固体酸等であり、代表的な例は、Nafion(デュポン社、登録商標)である。
プロトン解離性基は、スルホン酸基、ホスホン基、ビススルホンイミド基、スルホンアミド基、カルボキシル基、ジホスホノメタノ基、及び、ジスルホノメタノ基、リン酸基、ホウ酸基等からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、代表的な例は、スルホン酸基である。
撥水性粒子は、例えば、ケッチェンブラック(商標登録)等の炭素粒子、或いは、例えば、PTFE等のフッ素系樹脂の粒子である。
撥水層25cの撥水性は、親水性結合材と撥水性粒子の含有比によって制御することができる。撥水層25cにおける親水性結合材の含有比は40質量%以上、70質量%以下であり、また、撥水性粒子の含有比が30質量%以上、60質量%以下であることが望ましく、親水性結合材の含有比が60±3質量%、撥水性粒子の含有比が40±3質量%であることがより望ましい。
撥水層25cの密度は0.05mg/cm2以上、1mg/cm2以下であることが望ましく、撥水層の厚さは薄い方がよい。
撥水層25cの表面は、水との接触角が140度以上、150度以下であり、良好な撥水性を示すことが望ましい。
<撥水層の製造方法>
図2は、本発明の実施の形態における、撥水層の製造方法の一例を説明する図である。
図2に示すように、親水性結合材と撥水性粒子を有機溶媒に混合し混合液を調製し、これを噴霧させて触媒層の面に沈着させ沈着層を形成し、この沈着層から有機溶媒を揮散させることによって、撥水層を触媒層の面に形成することができる。
<燃料電池の製造方法>
図1に示す、燃料電池は特許文献2に記載の方法と同様にして製造することができるので、説明は省略する。
<撥水層の形成>
図2に示す方法によって、以下に説明する実施例1〜実施例4では、酸化剤電極(陰極)の触媒層の面に撥水層を形成した。親水性結合材としてNafion(デュポン社、登録商標)、及び、撥水性粒子としてケッチェンブラック(商標登録)を有機溶媒に分散し、これを触媒層の面に噴霧沈着させ沈着層を形成した後、有機溶媒を揮散させ撥水層を触媒層上に形成した。
親水性結合材と撥水性粒子の混合比を変化させ、それぞれ異なる組成を有する撥水層を有する燃料電池を作成して、その出力電圧0.3Vにおける最大出力密度(mW/cm2)と撥水層の組成の関係を求めた。撥水層を設けない燃料電池を比較例とし、後述する図3〜図6ではその最大出力密度(mW/cm2)のレベルを点線で示している。
触媒層上に形成した撥水層の組成を、親水性結合材の含有比をWb(質量%)、撥水性粒子の含有比をWc(質量%)として、以下、(Wb,Wc)によって表す。以下に説明する実施例1〜実施例4における燃料電池の撥水層の組成(Wb,Wc)は(50,50)、(55,45)、(60,40)、(65,35)である。
<燃料電池の構成>
以下に説明する実施例1〜実施例4の燃料電池は、図1に示す構成を有している。
電解質溶液を電解質溶液流路30に流し、外装部材60と拡散層12aによって形成される燃料流路40にメタノール溶液を流し、酸化剤電極80の拡散層22cの外側には、外装部材60を置かない構成とし、酸化剤流路50を形成せず、拡散層22cに直接に空気が接し自然換気される構成とした。
比較例の燃料電池は、触媒層21cの面に撥水層25cを設けない点を除いたその他の構成は、以下に説明する実施例1〜実施例4の燃料電池と同一とした。なお、比較例の燃料電池の触媒層21cにおける結合材としてのNafion(デュポン社、登録商標)の含有比は48質量%である。
次に、撥水層の組成(Wb,Wc)として、(50,50)、(55,45)、(60.40)、(65,35)を有する燃料電池について、3M、5Mメタノールを燃料として使用した23℃、50℃における電池の0.3V時の最大出力密度(mW/cm2)を調べた結果について、説明する。
[実施例1]
図3は、本発明の実施例における、燃料電池の特性を説明する図であり、5Mメタノールを燃料として使用した23℃における特性を示し、横軸は親水性結合材の濃度(質量%)、縦軸は電池の0.3V時の最大出力密度(mW/cm2)を示す。
図3に示すように、撥水層の組成(Wb,Wc)として、(50,50)、(55,45)、(60.40)、(65,35)を有する燃料電池の最大出力密度は何れも、撥水層を設けない比較例の燃料電池の点線によって示す最大出力密度よりも大きな値を示している。
そして、親水性結合材60質量%、撥水性粒子40質量%の組成を有する撥水層が形成された触媒層を具備する酸化剤電極を有する燃料電池が最大出力密度を与えている。
[実施例2]
図4は、本発明の実施例における、燃料電池の特性を説明する図であり、5Mメタノールを燃料として使用した50℃における特性を示し、横軸は親水性結合材濃度(質量%)、縦軸は電池の0.3V時の最大出力密度(mW/cm2)を示す。
図4に示すように、撥水層の組成(Wb,Wc)として、(50,50)、(55,45)、(60.40)、(65,35)を有する燃料電池の最大出力密度は何れも、撥水層を設けない比較例の燃料電池の点線によって示す最大出力密度の約85%以上の値を示している。
そして、実施例1の場合と同様に、親水性結合材60質量%、撥水性粒子40質量%の組成を有する撥水層が形成された触媒層を具備する酸化剤電極を有する燃料電池が最大出力密度を与えている。
また、撥水層の組成(Wb,Wc)が、(56,44)〜(63,37)の範囲では、撥水層を設けない比較例の燃料電池の点線によって示す最大出力密度よりも大きな値を示している。
[実施例3]
図5は、本発明の実施例における、燃料電池の特性を説明する図であり、2Mメタノールを燃料として使用した23℃における特性を示し、横軸は親水性結合材の濃度(質量%)、縦軸は電池の0.3V時の最大出力密度(mW/cm2)を示す。
図5に示すように、撥水層の組成(Wb,Wc)として、(50,50)、(55,45)、(60.40)、(65,35)を有する燃料電池の最大出力密度は何れも、撥水層を設けない比較例の燃料電池の点線によって示す最大出力密度よりも大きな値を示している。
そして、実施例1の場合と同様に、親水性結合材60質量%、撥水性粒子40質量%の組成を有する撥水層が形成された触媒層を具備する酸化剤電極を有する燃料電池が最大出力密度を与えている。
[実施例4]
図6は、本発明の実施例における、燃料電池の特性を説明する図であり、2Mメタノールを燃料として使用した50℃における特性を示し、横軸は親水性結合材の濃度(質量%)、縦軸は電池の0.3V時の最大出力密度(mW/cm2)を示す。
図6に示すように、撥水層の組成(Wb,Wc)として、(50,50)、(55,45)、(60.40)、(65,35)を有する燃料電池の最大出力密度は何れも、撥水層を設けない比較例の燃料電池の点線によって示す最大出力密度の約85%以上の値を示している。
そして、実施例1の場合と同様に、親水性結合材60質量%、撥水性粒子40質量%の組成を有する撥水層が形成された触媒層を具備する酸化剤電極を有する燃料電池が最大出力密度を与えている。
また、撥水層の組成(Wb,Wc)が、(56,44)〜(62.5,37.5)の範囲では、撥水層を設けない比較例の燃料電池の点線によって示す最大出力密度よりも大きな値を示している。
図4、図6に示す結果から、親水性結合材の含有比がWb=60±3質量%、撥水性粒子の含有比がWc=40±3質量%である撥水層を有する燃料電池の0.3V時の最大出力密度は、3M〜5Mの濃度のメタノールを燃料として使用した場合、50℃において、撥水層が設けられていない燃料電池の0.3V時の最大出力密度に比較して、同程度以上の値となる。
以上、本発明を説明したが、上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形が可能である。例えば、発電時に、撥水層と燃料電極の間に電解質溶液を流す構成に換えて、電解質溶液を撥水層と燃料電極の間に静止させた状態としてもよい。また、燃料電池の各層の材料構成、各層の厚さは上述の例に限定されるものではなく、種々変更することができることは言うまでもない。
更に、本発明は、メタノールのほか、エタノールやジメチルエーテル等の他の液体燃料を燃料として用いることができ、また、図1に示されるような燃料電池を単位セルとして、複数の単位セルを、三次元に積層し接続し、又は、二次元に配列して接続して、燃料電池スタックとして構成することもできる。
本発明によれは、耐久性に優れた燃料電池を提供することができる。
11a…触媒層、12a…拡散層、21c…触媒層、22c…拡散層、25c…撥水層、
30…電解質溶液流路、40…燃料流路、50…酸化剤流路、60…外装部材、
70…燃料電極、80…酸化剤電極
特開2008−77851号公報:(段落0035〜0036、段落0042、図2) 特開2009−48953号公報:(段落0029〜0036、段落0074、段落0042、段落0084、図2)

Claims (6)

  1. 燃料電極と、
    触媒層を具備する酸化剤電極と、
    親水性結合材と撥水性粒子からなり前記触媒層の表面に形成された撥水層と
    を有し、前記撥水層における前記親水性結合材の含有比が60±3質量%、前記撥水性粒子の含有比が40±3質量%であり、前記撥水層と前記燃料電極との間に電解質溶液が流される、燃料電池。
  2. 前記親水性結合材がプロトン解離性基を有する樹脂である、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記親水性結合材がポリパーフルオロアルキルスルホン酸系樹脂である、請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記撥水性粒子がPTFE粒子又は炭素粉末である、請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記撥水層の表面において、水との接触角が140度以上、150度以下である、請求項1に記載の燃料電池。
  6. 前記撥水層の密度が0.05mg/cm2以上、1mg/cm2以下である、請求項1に記載の燃料電池。
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