JP2007287466A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料供給を広範囲で制御する必要がなく、燃料電池への過負荷も生じにくく、蓄電手段の充放電を好適に行って要求される電力を供給可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料を供給する燃料供給手段10と、そこから供給された燃料により発電して出力する燃料電池FCと、その出力電圧を変換する直流電圧変換回路20と、蓄電手段Batと、その充電および放電を制御する充放電制御回路30とを備え燃料電池システムであり、充放電制御回路30は、直流電圧変換回路20の出力が設定した電流値以下に制御されながら入力されると共に、出力に対して負荷LOADが要求する出力電流値より入力電流値が大きい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段Batに充電され、負荷LOADが要求する出力電流値より入力電流値が小さい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段Batから放電されて出力電流の増加分となるように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池と二次電池等の蓄電手段とを併用する燃料電池システムおよびその制御方法に関し、特にモバイルパソコン、PDAなどの携帯電子機器に電源を供給するための燃料電池システムとして有用である。
ポリマー電解質のような固体高分子電解質を使用した高分子型燃料電池は、高いエネルギー変換効率を持ち、薄型小型・軽量であることから、家庭用コージェネレーションシステムや自動車向けに開発が活発化している。
また、近年のIT技術の活発化に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジカメなどモバイル機器が頻繁に使用される傾向があるが、これらの電源は、ほとんどリチウムイオン二次電池が用いられている。ところが、モバイル機器の高機能化に伴って消費電力がどんどん増大し、その電源用としてクリーンで高効率な燃料電池が注目されてきている。
モバイル機器の電源として燃料電池を使用する場合、燃料であるメタノールを用いた電極反応によって直接電流を取り出すことができる直接メタノール型燃料電池が、これまで開発の主流であった(例えば非特許文献1)。直接メタノール型では、改質型のように改質器を必要とせず、また、燃料が液体のため、ガスと比べて燃料の貯留や取り扱いが簡易に行えるためである。
しかしながら、直接メタノール型燃料電池は、メタノールのクロスオーバー(膜透過)の問題があるため、メタノールの濃度を十分高めることができず、エネルギー変換効率が悪いという問題があった。
一方、このような理由から、自動車向けの燃料電池では、水素ガスを燃料として用いるタイプが開発の主流になっている。しかし、水素ガスの貯留の方法、水素ガスの供給インフラなど、残された問題も多い。特に、モバイル機器では、水素ガスの貯留容器を配置するためのスペースが確保しにくく、ポンプなどのガス供給・制御装置の組み込みなどについても問題が多い。
モバイル機器に水素ガス燃料を用いる燃料電池を適用した例としては、燃料の貯蔵に水素吸蔵合金を収納したタンクを用いる方式が知られている(例えば非特許文献1)。しかし、この方式では、合金に対する水素の吸蔵量が十分でないため、合金の重量が大きくなるという問題があった。また、水素の吸蔵には高圧に耐える圧力容器が必要となり、これも重量増加の要因となり、更に、圧力制御が困難になり易いという問題もある。
他方、下記の特許文献1には、水との反応により水素を生成する水素発生装置として、鉄等の金属を反応容器に収容し、これに水を供給して反応させる水素発生装置が開示されている(例えば、金属として鉄を用いた場合の反応式は、3Fe+4HO→Fe+4Hと表わせる)。この装置では、金属を収容した反応容器を着脱できるようにし、別途、水素ガス等で金属の加熱・還元を行うようにしている。
しかし、水素発生装置で発生する水素ガスを燃料電池に供給して発電するシステムでは、一般的に、発電電力が一定以上になるまでに時間を要する。また負荷(機器)が変動する際に、水素供給量を変化させて燃料電池からの出力を増減させる制御は、一般に困難であった。
このような燃料電池の立ち上がりの遅さなどを補完するシステムとして、二次電池を併用するハイブリッド型の燃料電池システムが提案されている。例えば、下記の特許文献2には、ダイレクトメタノール型の燃料電池における発電初期の不安定な状態を回避するために、発電初期には二次電池から機器に電力を供給し、両電池の電圧を検出して燃料電池の電圧が二次電池より高い場合には、二次電池の充電を行う燃料電池システムが提案されている。
また、下記の特許文献3には、上記と同様のハイブリッド型の燃料電池システムにおいて、二次電池の過充電状態を検出して二次電池への充電を好適に制御するものが提案されている。その際、機器に流れる電流を検出して、充電モードへの移行を行う制御をしている。
しかしながら、特許文献2〜3の燃料電池システムでは、二次電池の充電・放電を利用することによって、燃料電池の出力を補完する制御を行うものの、燃料電池に要求される電池出力(電力)を一定以下に制御するものではなく、これが一定以上に変化するため、燃料電池への燃料の供給量を制御する必要があり、煩雑な制御操作や複雑な制御機構が必要となっていた。つまり、燃料電池からの電流制御を行っておらず、二次電池の充電状態に応じて、充放電を制御するシステムのため、燃料電池に要求される電池出力が変動し易く、過負荷状態が生じる場合があった。
「燃料電池2004」発行日2003年10月7日、発行所:日経BP社 特開2004−149394号公報 特開2004−71260号公報 特開2004−342551号公報
そこで、本発明の目的は、燃料供給を広範囲で制御する必要がなく、燃料電池への過負荷も生じにくく、蓄電手段の充放電を好適に行って要求される電力を供給可能な燃料電池システムを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の燃料電池システムは、充電および放電が可能な蓄電手段と、燃料を供給する燃料供給手段と、その燃料供給手段から供給された燃料により発電して出力する燃料電池と、その燃料電池の出力電圧を所定の電圧に変換して出力する直流電圧変換回路と、前記直流電圧変換回路の出力が設定した電流値以下に制御されながら入力されると共に、出力に対して負荷が要求する出力電流値より入力電流値が大きい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段に充電され、前記負荷が要求する出力電流値より入力電流値が小さい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段から放電されて出力電流の増加分となるように制御する充放電制御回路と、を備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池システムによると、直流電圧変換回路の出力が設定した電流値以下に制御されながら入力される充放電制御回路を備えるため、燃料電池に要求される電池出力が変化しにくいので、燃料電池への燃料の供給量を広範囲で制御する必要性が小さくなる。また、入力電流値を一定以下に制御できるため、負荷が変動しても燃料電池への過負荷が生じにくい。しかも、充放電制御回路によって、蓄電手段の充電及び放電を効率良く行えるため、負荷に要求される電力を過不足なく供給することができる。その結果、燃料供給を広範囲で制御する必要がなく、燃料電池への過負荷も生じにくく、蓄電手段の充放電を好適に行って要求される電力を供給可能な燃料電池システムとなる。
上記において、前記充放電制御回路は、入力される電流を設定した電流値以下に制限して負荷へと出力する電流制限回路と、その電流制限回路の出力が分岐して入力され、負荷が要求する出力電流値と前記電流制限回路への入力電流値との略差電流を前記蓄電手段に対して出力する充電電流制御回路と、前記充電電流制御回路に並列に設けられ前記蓄電手段から負荷への電流を許容する整流回路とを備えることが好ましい。
このような充放電制御回路によると、直流電圧変換回路の出力を、設定した電流値に制御しながら入力することができ、出力に対して負荷が要求する出力電流値より入力電流値が大きい場合は両電流値の略差電流が蓄電手段に充電され、一方、負荷が要求する出力電流値より入力電流値が小さい場合は両電流値の略差電流が蓄電手段から放電されて出力電流の増加分となるように制御することができる。また、蓄電手段の電圧をそのまま負荷に接続せずに、中間電圧を負荷に出力する方式(中間電圧バス方式)なので、蓄電手段の電圧に影響されずに、余剰の電流を充電に使用することができ、電力損失を低減することができる。
また、前記燃料供給手段は水素ガスを燃料として供給するものであり、前記燃料電池は、水素ガスにより発電を行うものであることが好ましい。
このような燃料電池は、出力電力密度が高いものの、燃料供給の制御等が一般に困難であったが、本発明により、燃料供給を広範囲で制御する必要がなくなるため、より実用性が高いものとなる。過負荷に対する耐久性も懸念されるが、本発明によると燃料電池への過負荷も生じにくくなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の燃料電池システムの一例を示す概略構成図であり、図2は、本発明の燃料電池システムに用いられる直流電圧変換回路及び充放電制御回路の一例を示す回路図である。図3〜図4は、本発明の燃料電池システムに用いる単位セルの一例を示す組み立て斜視図及び縦断面図である。
本発明の燃料電池システムは、図1に示すように、燃料を供給する燃料供給手段10と、そこから供給された燃料により発電して出力する燃料電池FCと、その出力電圧を変換する直流電圧変換回路20と、二次電池53等の蓄電手段Batと、その充電および放電を制御する充放電制御回路30とを備える。本実施形態では、水素発生剤11を用いた燃料供給手段10と、水素供給型の燃料電池FCとを用いる場合の例を示す。
本発明の燃料電池システムは、図2(a)に示すように、このような燃料電池システムにおいて、充放電制御回路30は、直流電圧変換回路20の出力が設定した電流値以下に制御されながら入力されると共に、出力に対して負荷LOADが要求する出力電流値より入力電流値が大きい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段Batに充電され、負荷LOADが要求する出力電流値より入力電流値が小さい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段Batから放電されて出力電流の増加分となるように制御することを特徴とする。
本実施形態では、図2(b)に示すように、充放電制御回路30は、入力される電流を設定した電流値以下に制限して負荷LOADへと出力する電流制限回路31と、その電流制限回路31の出力が分岐して入力され、負荷が要求する出力電流値と前記電流制限回路31への入力電流値との略差電流を前記蓄電手段Batに対して出力する充電電流制御回路32と、充電電流制御回路32に並列に設けられ蓄電手段Batから負荷LOADへの電流を許容する整流回路33とを備える例を示す。
直流電圧変換回路20は、DC−DCコンバータとも呼ばれており、直流の入力電圧を変換して、電圧のより大きい直流を出力する回路である。本発明において、特に、小型の燃料電池システムを構成する場合、ステップアップ回路を利用したステップアップコンバータを用いるのが好ましい。
ステップアップ回路の原理は、コイルに対する入力電力のオン−オフによって電流変化を生じさせ、これに応じた電圧の上昇分を、発振回路で継続的に生じさせて出力として取り出すというものである。このため、ステップアップコンバータは、発振回路と電力回路とを備え、必要に応じて、出力電圧調整回路、二次フィルタ、外部クロック同期回路などが追加される。
ステップアップコンバータ用の集積回路(パッケージ)は、各種市販されており、推奨される標準的な回路構成によって、本発明における直流電圧変換回路20を構成することができる(図2(a)参照)。本発明では、特に入力電圧が変動しても出力電圧を一定に制御する直流電圧変換回路20であることが好ましい。つまり、燃料電池FCでは、出力電流が低下すると出力電圧が増加する性質があり、燃料電池FCの出力電流が変動して電圧が変動しても、直流電圧変換回路20の出力電圧を維持する観点から、入力電圧が変動しても出力電圧を一定に制御する直流電圧変換回路20が好ましい。
直流電圧変換回路20は、一般に入力VIN+,VIN−、出力OUT+,OUT−、グランドGNDなどを備えている。直流電圧変換回路20の入力VIN+,VIN−は燃料電池FCの電極2,3に接続され、出力OUT+,OUT−は充放電制御回路30の入力INに接続される。
直流電圧変換回路20からの出力電圧は、電力供給の対象となる機器などによって決定される。例えば携帯電話の場合には、4〜5V付近の出力電圧が採用される。一方、直流電圧変換回路20に対する入力電圧は、燃料電池FCの特性や個数によって決定することができるが、直流電圧変換回路20が4〜5V付近の出力電圧の場合には、2〜4Vの入力電圧とするのが直流電圧変換回路20の安定動作や効率の点で好ましい。
充放電制御回路30用の集積回路(パッケージ)は、各種市販されており、推奨される標準的な回路構成によって、本発明における充放電制御回路30を構成することができる。例えばリニアテクノロジー社製のLTC4055EUFを用いて構成することができる。図2(b)は、この集積回路の簡略ブロック図を示している。
本発明では、充放電制御回路30において、直流電圧変換回路20の出力が設定した電流値以下に制御されながら入力されるが、これは、入力される電流を設定した電流値以下に制限して負荷LOADへと出力する電流制限回路31によって実現される。具体的には、制御回路31bにより、出力電流を検出してフィードバックすることで、MOSFET31aのゲート電圧を制御することによって、ソース−ドレイン間電流が制御される。
また、充放電制御回路30によって、その出力に対して負荷LOADが要求する出力電流値より入力電流値が大きい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段Batに充電され、一方、負荷LOADが要求する出力電流値より入力電流値が小さい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段Batから放電されて出力電流の増加分となるように制御される。この制御は、電流制限回路31の出力が分岐して入力される充電電流制御回路32とこれに並列に設けられ整流回路33とによって行われる。
充電電流制御回路32は、負荷LOADが要求する出力電流値と電流制限回路31への入力電流値との略差電流を蓄電手段Batに対して出力するものであり、具体的には、制御回路32bにより、各電流値をセンシングした信号に基づき、MOSFET32aのゲート電圧を制御することによって、ソース−ドレイン間電流が制御される。
整流回路33は蓄電手段Batから負荷LOADへの電流を許容するものであり、好ましくは理想ダイオードで構成される。この整流回路33によって、負荷LOADが要求する出力電流値より入力電流値が小さい場合は、両電流値の略差電流が前記蓄電手段Batから放電されるのは、負荷LOADが要求する出力電流値が入力電流値より大きいためである。
また、もう1つの充電電流制御回路34は、負荷LOADが無負荷状態の場合に、入力IN2から蓄電手段Batに流れる充電電流を制御するものであり、省略することも可能である。この充電電流制御回路34は、具体的には、制御回路34bにより、蓄電手段Batへの出力電流又は出力電圧を検出してフィードバックすることで、MOSFET34aのゲート電圧を制御することによって、ソース−ドレイン間電流が制御される。
更に、図2(b)に示す回路構成の例では、ACアダプターからの蓄電手段Batの充電と、負荷LOADへの電力供給とが可能である。このため、ACアダプターの接続検出回路35が設けられている。接続検出回路35では、ACアダプターの接続によって生じる中間電圧を検出して参照電圧と比較することによって、制御回路31bと制御回路34bとの制御を停止して電流を停止し、制御回路32bのみによって、ACアダプターから蓄電手段Batへの充電電流を制御する。
図2(a)に示す回路構成の例では、電流制限をプログラムするピン9に対して、可変抵抗VR1を設けており、充放電制御回路30に入力される電流を160〜480mAで可変できるようにしている。携帯電話50に電力を供給する場合、200〜300mA程度(例えば250mA)に設定するのが好ましい。
充放電制御回路30には、蓄電手段Batとして、例えば、3.7V出力のリチウム二次電池が接続される。蓄電手段Batとしては、各種二次電池や大容量のキャパシタ等を用いることができ、例えばリチウムイオン二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池などの二次電池が挙げられる。
水素供給型の燃料電池FCとしては、図3〜図4に示すように、板状の固体高分子電解質1と、その固体高分子電解質1の一方側に配置されたカソード側電極板2と、他方側に配置されたアノード側電極板3と、前記カソード側電極板2に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板3に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで形成される単位セルの単数又は複数を備えることが好ましい。
本実施形態では、図3〜図4に示すように、アノード側金属板5にエッチングにより水素ガスの流路溝9が形成されて水素ガス流路部が構成され、カソード側金属板4に空気を自然供給するための開口部4cが形成されて酸素含有ガス供給部が構成されている単位セルを用いる例を示す。このように、金属板4,5によってガス供給部が構成されることにより、燃料電池の薄型化・軽量化を図ることができる。
固体高分子電解質1としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。
その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板2,3は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質1と接する内面2b,3bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板2,3や固体高分子電解質1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気、純酸素等の酸素含有ガスが用いられると共に、還元ガス(燃料)として水素ガスが用いられる。本発明では、空気が自然供給される側のカソード側電極板2では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。
燃料電池24に供給する水素ガスは、水素ガスの排出量を少なくして、安定かつ継続して効率良く発電を行う理由から、水素ガスの純度95%以上が好ましく、純度99%以上がより好ましく、純度99.9%以上が更に好ましい。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。
電極板2,3と固体高分子電解質1とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、薄膜電極組立体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
本実施形態では、カソード側電極板2の表面にはカソード側金属板4が配置され、アノード側電極板3の表面にはアノード側金属板5が配置される。また、アノード側金属板5には水素ガスの注入口5c及び排出口5dが設けられ、その間に流路溝9が設けられている。
本発明では、酸素含有ガス供給部には、カソード側から外部へ水分の拡散を抑制する拡散抑制機構が設けてあることが好ましい。本実施形態では、カソード側金属板4に、空気中の酸素を自然供給するための開口部4cが設けられており、これが拡散抑制機構として機能する拡散抑制板に相当し、その拡散抑制板を介して空気を自然供給できるように構成してある。
拡散抑制板であるカソード側金属板4には、カソード側電極板2の面積に対して開口率10〜30%で開口部4cを設けることが好ましい。このような開口率とする場合、この開口率の範囲内であれば、開口部4cの個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。なお、上記の開口率の範囲内であれば、カソード側電極板2からの集電も十分行うことができる。カソード側金属板4の開口部4cは、例えば規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けることができる。
金属板4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性、エッチング加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。金属板4,5には、電極板2,3との接触抵抗を低減するために、金メッキなどの貴金属メッキを施すのが好ましい。
アノード側金属板5に設けられる流路溝9は、電極板3との接触により水素ガス等の流路が形成できるものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。但し、流路密度、積層時の積層密度、屈曲性などを考慮すると、金属板5の一辺に平行な縦溝9aと垂直な横溝9bを主に形成するのが好ましい。本実施形態では、複数本(図示した例では3本)の縦溝9aが横溝9bに直列接続されるようにして、流路密度と流路長のバランスを取っている。
なお、このような金属板5の流路溝9の一部(例えば横溝9b)を電極板3の外面に形成してもよい。電極板3の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板2,3の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板5の流路溝9に連通する注入口5c及び排出口5dは、それぞれ1個又は複数を形成することができる。なお、金属板4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、強度、伸び、重量、弾性率、ハンドリング性などを考慮すると、0.1〜1mmが好ましい。
金属板5に流路溝9を形成する方法としては、加工の精度や容易性から、エッチングが好ましい。エッチングによる流路溝9では、幅0.1〜10mm、深さ0.05〜1mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
金属板4への開口部4cの形成、金属板4,5の周辺部の薄肉化、金属板5への注入口5c等の形成についても、エッチングを利用するのが好ましい。
エッチングは、例えばドライフィルムレジストなどを用いて、金属表面に所定形状のエッチングレジストを形成した後、金属板4,5の種類に応じたエッチング液を用いて行うことが可能である。また、2種以上の金属の積層板を用いて、金属ごとに選択的にエッチングを行うことで、流路溝9の断面形状をより高精度に制御することができる。
図4に示す実施形態は、金属板4,5のカシメ部(外縁部)をエッチングにより厚みを薄くした例である。このように、カシメ部をエッチングして適切な厚さにすることで、カシメによる封止をより容易に行うことができる。この観点から、カシメ部の厚みとしては、0.05〜0.3mmが好ましい。
本発明では、カソード側電極板2に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、アノード側電極板3に水素ガスを供給する水素ガス流路部とが形成されていれば、流路部等の形成構造は何れでもよい。金属板4,5で流路部等を形成する場合には、金属板4,5の周縁は、電気的に絶縁した状態で曲げプレスにより封止することが好ましい。本実施形態では、カシメにより封止されている例を示す。
電気的な絶縁は、絶縁材料6や固体高分子電解質1の周縁部、又はその両者を介在させることで行うことができる。絶縁材料6を用いる場合、その厚みとしては、薄型化の観点から、0.1mm以下が好ましい。なお、絶縁材料をコーティングすることにより、更なる薄型化が可能である(例えば絶縁材料6の厚み1μmも可能)。
絶縁材料6としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミドが好ましい。絶縁材料6は、金属板4,5の周縁に直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板4,5に一体化しておくことも可能である。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図2に示すものが好ましい。つまり、一方の金属板5の外縁部5aを他方の外縁部4aより大きくしておき、絶縁材料6を介在させつつ、一方の金属板5の外縁部5aを他方の金属板4の外縁部4aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このカシメ構造では、プレス加工等によって、金属板4の外縁部4aに段差を設けておくのが好ましい。このようなカシメ構造自体は金属加工として公知であり、公知のカシメ装置によって、それを形成することができる。
本発明では、以上のような単位セルを1個又は複数個使用して、燃料電池FCを構成することができる。この燃料電池FCでは、電気的には、各々の単位セルは直列に接続されるのが通常であるが、電流値を優先させて並列に接続してもよい。
単位セルを使用する際、金属板5の水素ガスの注入口5c及び排出口5dには、直接、水素ガス供給用のチューブを接合することも可能であるが、燃料電池の薄型化を行う上で、図4に示すように、厚みが小さく、金属板5の表面に平行なパイプ5fを有するチューブジョイント5eを設けるのが好ましい。
本発明における燃料供給手段10は、燃料電池FCの燃料を供給可能なものであれば何れでもよく、燃料電池FCの種類に応じて、各種の燃料供給手段10が選択される。例えば、水素供給型の燃料電池FCの場合には、水素発生剤や水素吸蔵合金を用いた燃料供給手段が採用され、燃料供給手段は水素を収容する圧力容器などでもよい。また、ダイレクトメタノール型の場合には、液体の供給系や流量制御系などで燃料供給手段10が構成され、メタノール改質型の場合には、改質器などが更に付加される。
本発明において、小型の燃料電池システムを構成する場合、水素発生剤を用いた燃料供給手段10と、水素供給型の燃料電池FCとの組合せが特に好ましい。本実施形態では、水素発生剤11を用いた燃料供給手段10の例を示す。
本実施形態の燃料供給手段10は、例えば、図1に示すように、水等の反応液14との反応により水素ガスを発生する水素発生剤11を収容する反応容器12と、反応液14の供給部13を備える。また、燃料電池FCへの水素ガスの供給量を調節する供給側調節機構を備えていてもよい。
反応液14の供給部13には、貯液部15を有していてもよく、反応容器12に直接、水などの反応液14を供給できる構造にしてもよい。貯液部15を設ける場合、注水口を設けて、水の消費量に応じて、水を追加供給できるようにしてもよい。貯液部15には、繊維集合体や多孔質体を配置して、毛管現象によって所定の部分に水が保持されるようにしてもよい。反応液14の供給部には、貯液部15の反応液14を輸送する圧送手段を有していてもよい。
燃料供給手段10である水素ガス発生手段は、水分(水又は水蒸気)との反応で水素ガスを発生させる水素発生剤11などを反応容器12内に備え、これにより燃料電池FCに水素ガスを供給することができる。水素発生剤11の反応が加熱を要する場合、加熱手段が設けられる。
水素発生剤11としては、水分と反応して水素を生成する金属粒子が好ましく、Fe、Al、Mg、Zn、Siなどから選ばれる1種以上の金属の粒子や、これらが部分的に酸化された金属の粒子が挙げられる。また、酸化反応を促進するための金属触媒などを添加することで、より低温で水素ガスを発生させることができる。更に、MgH等の水素化金属を単独又は上記と併用して用いることも可能である。水素発生剤11は、反応容器12内に金属粒子のまま充填することも可能であるが、金属粒子を結着させた多孔質体を使用することもできる。
このような水素ガス発生手段によって、水素組成が略100%(水分は除く)の水素ガスを発生させることができる。水素ガス発生セルと燃料電池FCとは、水素供給管で連結されており、発生した水素ガス(H)が燃料電池FCの単位セルのアノード側空間に供給される。
本発明の燃料電池システムは、例えば図1に示すように、携帯電話50に電力を供給するのに使用することができる。携帯電話50では、電源のオンオフ、バックライトのオンオフ、待ち受け、通話などの状態で消費される電力が異なる(図5参照)。その際、本発明の燃料電池システムを利用すると、携帯電話50が要求する出力電流値(例えば150mA)より、充放電制御回路30への入力電流値(例えば250mA)が大きい場合は両電流値の略差電流(例えば100mA)が前記蓄電手段Batに充電される。逆に、携帯電話50が要求する出力電流値(例えば350mA)より、充放電制御回路30への入力電流値(例えば250mA)が小さい場合は両電流値の略差電流(例えば100mA)が前記蓄電手段Batから放電されて出力電流の増加分となる。
本発明の燃料電池システムは、燃料供給を広範囲で制御する必要がなく、燃料電池への過負荷も生じにくく、蓄電手段の充放電を好適に行って要求される電力を供給可能なので、携帯型に構成できるため、特に、携帯電話、ノートPC等のモバイル機器に好適に使用することができる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、水素供給型の燃料電池を用いる例を示したが、本発明に用いられる燃料電池FCとしては、燃料により発電可能な燃料電池FCであれば何れでもよく、例えばメタノール改質型、ダイレクトメタノール型、炭化水素供給型などが挙げられる。その他の燃料を用いる燃料電池も各種知られており、それらを何れも採用できる。
(2)前述の実施形態では、カソード側電極板の面積に対して一定の開口率で開口部を設けた拡散抑制板(金属板)をカソード側電極板の表面に配置して、酸素含有ガス供給部を形成する例を示したが、酸素含有ガス供給部を、アノード側と同様に酸素含有ガスの流路溝によって構成してもよい。その場合、アノード側金属板と同様に、エッチングやプレス加工により、空気等の酸素含有ガスの流路溝、注入口、排出口を形成し、アノード側金属板と同様に、カソード側金属板の注入口から空気等を供給しつつ発電を行うことができる。その際、カソード側から外部へ水分の拡散を抑制する方法としては、例えば水分を含有する酸素含有ガスを供給する方法が挙げられる。
(3)前述の実施形態では、金属板をカソード側電極板とアノード側電極板との表面に配置して、酸素含有ガス供給部と水素ガス流路部とを形成する例を示したが、金属板の代わりに、その他の材料や、従来から使用されている各種セパレータを用いることも可能である。
また、前述の実施形態では、エッチングによりアノード側金属板に流路溝を形成する例を示したが、本発明では、プレス加工、切削などの機械的な方法により、アノード側金属板に流路溝を形成してもよい。
(4)前述の実施形態では、水素ガス供給手段である水素ガス発生セルが燃料電池システム内に一体的に構成されている例を示したが、水素ガス発生セル等を燃料電池システムに対して、着脱自在に装着できるように構成してもよい。その場合、水素ガス供給管に対して、連結可能な配管を水素ガス発生セルが備える。
(5)前述の実施形態では、携帯電話に電力供給を行う例を示したが、ノートPC、PDA等のモバイル機器にも使用することが可能である。その場合でも、要求される電圧(例えば12V)を出力部から出力できるように、直流電圧変換回路の出力電圧が設定される。また、制御される電流のしきい値は、充放電の効率などを考慮して、更に高い電流値(例えば1.0A)に設定してもよい。
このように、携帯電話と比較して大きな消費電力を有するモバイル機器の場合、燃料電池の出力電圧をより大きくする方が効率が良く、直列に接続する燃料電池の数を増加させることで対応できる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例1
耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.3mm厚)に溝(幅0.8mm、深さ0.2mm、間隔1.6mm、本数21本)、及び周辺カシメ部、ガス導入、排出孔を塩化第二鉄水溶液によるエッチングにより設け、これをアノード側金属板とした。同様に、耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.3mm厚)に貫通孔(0.6mmφ、ピッチ1.5mm、個数357個、接触領域の開口率13%)、及び周辺カシメ部、ガス導入、排出孔を塩化第二鉄水溶液によるエッチングにより設け、これをカソード側金属板とした。そして絶縁シート(50mm×26mm×2mm幅、厚み80μm)をSUSに張り合わせた。
また、薄膜電極組立体(49.3mm×25.3mm)は、下記のようにして作製した。白金触媒は、米国エレクトロケム社製20%白金担持カーボン触媒(EC−20−PTC)を用いた。この白金触媒と、カーボンブラック(アクゾ社ケッチェンブラックEC)、ポリフッ化ビニリデン(カイナー)を、それぞれ75重量%、15重量%、10重量%の割合で混合し、ジメチルホルムアミドを、2.5重量%のポリフッ化ビニリデン溶液となるような割合で、上記白金触媒、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデンの混合物中に加え、乳鉢中で溶解・混合して、触媒ペーストを作製した。カーボンペーパー(東レ製TGP−H−90、厚み370μm)を20mm×43mmに切断し、この上に、上記のようにして作製した触媒ペースト約20mgをスパチュラにて塗布し、80℃の熱風循環式乾燥機中で乾燥した。このようにして4mgの触媒組成物が担持されたカーボンペーパーを作製した。白金担持量は、0.6mg/cm2 である。
上記のようにして作製した白金触媒担持カーボンペーパーと、固体高分子電解質(陽イオン交換膜)としてナフィオンフィルム(デュポン社製ナフィオン112、25.3mm×49.3mm、厚み50μm)を用い、その両面に、金型を用いて、135℃、2MPaの条件にて2分間ホットプレスした。こうして得られた薄膜電極組立体を上記のSUS板2枚の中央で挟み込み、図4に示すようにカシメ合わせることで、外寸50mm×26mm×1.4mm厚という薄型小型のマイクロ燃料電池を得る事ができた。これを単位セルとし、4個の単位セルを直列(ガスおよび電気)に接続して燃料電池を構成した。
上記の燃料電池の初段の単位セルに水素ガス供給手段を接続し、次のようにして水素ガスを供給した。アルミニウム粉末(高純度化学研究所製:平均粒径3μm)と、カーボンブラック(キャボット社製:バルカンXC−72R、平均粒径20nm)と、酸化カルシウム(和光純薬工業A−12112、粉末試薬)とからなる水素発生剤(重量比は1/0.23/0.015)2.8gを反応容器に入れ、吸水紙を介して水を供給し、水素ガスを発生させて、燃料電池に供給した。
更に、上記の燃料電池の出力を、図2(a)に示すように、ステップアップ(DC/DC)コンバータ(MAXIM社製、MAX1708EEE使用)を利用して構成された直流電圧変換回路(出力4.5V)に入力し、その出力を充放電制御回路(リニアテクノロジー社製のLTC4055EUFを利用、電流制限250mA)に接続し、その出力を携帯電話(入力5.3V)に接続すると共に、3.7Vのリチウムイオン二次電池(容量800mA・h)の充放電を行った。
携帯電話は、電源オフの状態から、電源オンし(待ち受け、バックライトオン)、バックライトオフ、通話(バックライトオン)、通話(バックライトオフ)へと状態を変化させた。その際の燃料電池からの出力電力の変化を、図5に示した。
比較例1
実施例1において、充放電制御回路を介さずに直流電圧変換回路から携帯電話へ出力したこと以外は、実施例1と同様にして燃料電池の発電による電力供給を行った。その際の燃料電池からの出力電力の変化を、図5に示した。
図5の結果から、実施例1では、通話時などの要求電力が大きい場合でも、二次電池からの放電によって燃料電池からの出力電力が一定以下に保たれているのに対し、充放電制御回路を介していない比較例1では、通話時などの要求電力が大きい場合に、燃料電池からの出力電力が一定以上に変化した。なお、実施例1において、バックライトオフ時に燃料電池からの出力電力が低下しているのは、二次電池がほぼ満充電されているためであり、二次電池の充電量が少ない場合には、バックライトオフ時にも燃料電池からの出力電力が略一定に維持される。
本発明の燃料電池システムの一例を示す概略構成図 本発明の燃料電池システムに用いられる電流制御回路等の回路図 本発明の燃料電池システムに用いられる電流制御回路の回路図 本発明の燃料電池システムに用いる単位セルの一例を示す組み立て斜視図 本発明の燃料電池システムに用いる単位セルの一例を示す縦断面図 実施例、比較例における燃料電池からの出力電力の変化を示すグラフ
符号の説明
1 固体高分子電解質
2 カソード側電極板
3 アノード側電極板
4 カソード側金属板
5 アノード側金属板
10 燃料供給手段
11 水素発生剤
20 直流電圧変換回路
30 充放電制御回路
31 電流制限回路
32 充電電流制御回路
33 整流回路
FC 燃料電池
Bat 蓄電手段
LOAD 負荷

Claims (3)

  1. 充電および放電が可能な蓄電手段と、
    燃料を供給する燃料供給手段と、
    その燃料供給手段から供給された燃料により発電して出力する燃料電池と、
    その燃料電池の出力電圧を所定の電圧に変換して出力する直流電圧変換回路と、
    前記直流電圧変換回路の出力が設定した電流値以下に制御されながら入力されると共に、出力に対して負荷が要求する出力電流値より入力電流値が大きい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段に充電され、前記負荷が要求する出力電流値より入力電流値が小さい場合は両電流値の略差電流が前記蓄電手段から放電されて出力電流の増加分となるように制御する充放電制御回路と、
    を備える燃料電池システム。
  2. 前記充放電制御回路は、入力される電流を設定した電流値以下に制限して負荷へと出力する電流制限回路と、その電流制限回路の出力が分岐して入力され、負荷が要求する出力電流値と前記電流制限回路への入力電流値との略差電流を前記蓄電手段に対して出力する充電電流制御回路と、前記充電電流制御回路に並列に設けられ前記蓄電手段から負荷への電流を許容する整流回路とを備える請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料供給手段は水素ガスを燃料として供給するものであり、前記燃料電池は、水素ガスにより発電を行うものである請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
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