JP2012004098A - 配線回路基板、燃料電池および配線回路基板の製造方法 - Google Patents

配線回路基板、燃料電池および配線回路基板の製造方法 Download PDF

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圭佑 奥村
Hiroshi Ebe
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Abstract

【課題】燃料電池の構造を簡単にすることを可能にする配線回路基板、燃料電池および配線回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ケーシング40内にFPC基板1、電極膜35および燃料収容室50が収容される。FPC基板1においては、ベース絶縁層2上に接着剤パターン7を介して複数の集電部3e,3jが接合される。ベース絶縁層2は多孔質性のePTFEからなり、通気性を有する。集電部3e,3jには開口H11,H12が形成されている。接着剤パターン7は複数の集電部3e,3jと同一形状を有する。FPC基板1は、屈曲部B1に沿って折曲された状態でケーシング40の上面部41および下面部42により狭持される。FPC基板1の複数の集電部3e,3j間に電極膜35が配置される。ベース絶縁層2に接するように、FPC基板1と下面部42との間に燃料収容室50が設けられる。燃料収容室50には液体燃料が供給される。
【選択図】図6

Description

本発明は、配線回路基板、燃料電池および配線回路基板の製造方法に関する。
携帯電話等のモバイル機器には、小型でかつ高容量の電池が求められる。そこで、リチウム二次電池等の従来の電池に比べて、高エネルギー密度を得ることが可能な燃料電池の開発が進められている。燃料電池としては、例えば直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cells)がある。
直接メタノール型燃料電池では、メタノールが触媒によって分解され、水素イオンが生成される。その水素イオンと空気中の酸素とを反応させることにより電力を発生させる。この場合、化学エネルギーを極めて効率良く電気エネルギーに変換することができ、非常に高いエネルギー密度を得ることができる。
特許文献1には、気化膜、集電体、負極、電解質膜および正極がこの順に配置された液体燃料供給型燃料電池が記載されている。この液体燃料供給型燃料電池においては、気化膜に液体燃料が供給されることにより、気化膜と液体燃料との界面で蒸発した燃料気体が気化膜を通して負極に到達する。
また、特許文献2には、カソード導電層、発電部、アノード導電層、気液分離膜および燃料収容室がこの順に配置された燃料電池が記載されている。この燃料電池においては、燃料収容室内で液体メタノールの一部が気化することにより、気化されたメタノールが気液分離膜を通して発電部に送られる。
さらに、特許文献3には、フレキシブル配線回路基板の導体層を集電体として用いた燃料電池が記載されている。特許文献3の燃料電池の内部においては、屈曲されたフレキシブル配線回路基板間に、燃料極、空気極および電解質極からなる電極膜が配置される(例えば特許文献1参照)。このフレキシブル配線回路基板においては、ベース絶縁層上に集電体としての導体層が形成されている。
特開2009−140618号公報 国際公開第2008/023634号 特開2008−300238号公報
特許文献3のフレキシブル配線回路基板には、ベース絶縁層に空気およびメタノールを供給するための開口が設けられる。さらに、電解質極に気化したメタノールを供給するためには、導体層の上面またはベース絶縁層の下面に、上記の気化膜または気液分離膜を配置する必要がある。
本発明の目的は、燃料電池の構造を簡単にすることを可能にする配線回路基板、燃料電池および配線回路基板の製造方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る配線回路基板は、燃料電池に用いられる配線回路基板であって、多孔質材料からなる絶縁層と、絶縁層上に設けられる接着剤層と、接着剤層上に設けられる導体層とを備え、導体層および接着剤層は、同一または異なるパターンを有するものである。
この配線回路基板においては、多孔質材料からなる絶縁層上に接着剤層を介して導体層が設けられる。導体層は、燃料電池の集電体として用いられる。また、絶縁層は気体を透過することができ、かつ導体層と接着剤層とが同一または異なるパターンを有する。それにより、燃料電池において、絶縁層に開口を形成することなく、導体層および接着剤層が存在しない領域を通して気体または気化された燃料を電池要素に効率よく供給することができる。
また、液体燃料から気化された燃料を分離するために絶縁層を用いることができる。したがって、別途気液分離膜を配置することなく、気化された燃料を電池要素に供給することが可能となる。
このように、配線回路基板が集電作用と気液分離作用とを有するので、燃料電池の構造を簡単にすることができる。
さらに、導体層が接着剤層により絶縁層に接着されているので、気液分離作用を有する絶縁層が導体層から剥離することが防止される。それにより、電池要素への気化された燃料の供給効率の低下が防止される。その結果、燃料電池の発電効率の低下が防止され、燃料電池の信頼性が向上する。
(2)導体層および接着剤層のパターンは、導体層および接着剤層が共通の開口を有するように形成されてもよい。
この場合、多孔質材料からなる絶縁層を透過した気体または気化された燃料が導体層および接着剤層の共通の開口を通して効率的に電池要素に供給される。
(3)絶縁層は、一面および他面を有するとともに、互いに隣接する第1の領域および第2の領域を一面に有し、絶縁層は、第1の領域と第2の領域との間の屈曲部で第1の領域と第2の領域とが対向するように屈曲可能であり、導体層は、絶縁層の第1の領域内に形成される第1の導体部と、絶縁層の第2の領域内に形成される第2の導体部とを有してもよい。
この場合、配線回路基板の絶縁層を、第1の領域と第2の領域とが対向するように第1の領域と第2の領域との間の屈曲部で屈曲させ、屈曲された絶縁層上の第1および第2の導体部の間に電池要素を配置することができる。
これにより、屈曲された絶縁層の他面から第1および第2の領域にそれぞれ異なる気体または気化された燃料を供給することができる。したがって、第1の領域のうちの第1の導体部および接着剤層が存在しない領域、ならびに第2の領域のうちの第2の導体部および接着剤層が存在しない領域を通して、電池要素に互いに気体および気化された燃料をそれぞれ効率よく供給することができる。その結果、燃料電池の構造をさらに簡単にすることができる。
(4)導体層の表面を被覆する導電性を有する被覆層をさらに備えてもよい。
この場合、導体層の表面が導電性を有する被覆層により被覆される。これにより、燃料電池において、導体層の集電作用を阻害することなく、導体層の腐食を防止することができる。
(5)導体層は、第1および第2の主面ならびに側面を有し、被覆層は、導体層の第1および第2の主面ならびに側面に形成され、導体層は、第1の主面と絶縁層との間に被覆層が介在するように絶縁層上に設けられてもよい。
この場合、燃料電池において、導体層の腐食をより確実に防止することができる。
(6)接着剤層は、感光性材料からなってもよい。
これにより、感光性材料の露光および現像を行うことにより、パターンを有する接着剤層を容易に形成することができる。したがって、配線回路基板を容易かつ低コストで作製することができる。
(7)第2の発明に係る燃料電池は、配線回路基板と、電池要素と、配線回路基板および電池要素を収容する筺体とを備え、配線回路基板は、多孔質材料からなる絶縁層と、絶縁層上に設けられる接着剤層と、接着剤層上に設けられる導体層とを備え、導体層および接着剤層は、同一または異なるパターンを有し、絶縁層は、一面および他面を有するとともに、互いに隣接する第1の領域および第2の領域を一面に有し、絶縁層は、第1の領域と第2の領域との間の屈曲部で第1の領域と第2の領域とが対向するように屈曲可能であり、導体層は、絶縁層の第1の領域内に形成される第1の導体部と、絶縁層の第2の領域内に形成される第2の導体部とを有し、配線回路基板の絶縁層の第1の領域および第2の領域が一面を内側にして屈曲部に沿って屈曲された状態で、第1の導体部と第2の導体部との間に電池要素が配置されるものである。
この燃料電池においては、配線回路基板および電池要素が筐体内に収容される。電池要素は、屈曲部で屈曲された絶縁層上の第1および第2の導体部の間に配置される。
配線回路基板においては、多孔質材料からなる絶縁層上に接着剤層を介して導体層が設けられる。導体層は、燃料電池の集電体として用いられる。また、絶縁層は気体を透過することができ、かつ導体層と接着剤層とが同一または異なるパターンを有する。それにより、絶縁層に開口を形成することなく、第1の領域のうちの第1の導体部および接着剤層が存在しない領域、ならびに第2の領域のうちの第2の導体部および接着剤層が存在しない領域を通して、電池要素に互いに気体および気化された燃料をそれぞれ効率よく供給することができる。
また、液体燃料から気化された燃料を分離するために絶縁層を用いることができる。したがって、別途気液分離膜を配置することなく、気化された燃料を電池要素に供給することが可能となる。
このように、配線回路基板が集電作用と気液分離作用とを有するので、燃料電池の構造を簡単にすることができる。
さらに、導体層が接着剤層により絶縁層に接着されているので、気液分離作用を有する絶縁層が導体層から剥離することが防止される。それにより、電池要素への気化された燃料の供給効率の低下が防止される。その結果、燃料電池の発電効率の低下が防止され、燃料電池の信頼性が向上する。
(8)第3の発明に係る配線回路基板の製造方法は、燃料電池に用いられる配線回路基板の製造方法であって、支持層と導体層との積層構造を有する基材を用意するステップと、導体層を加工することにより支持層の一面上に所定のパターンを有する導体パターンを形成するステップと、導体パターン上に導体層と同一または異なるパターンを有する接着剤層からなる接着剤パターンを形成するステップと、接着剤パターンを介して導体パターン上に多孔質材料からなる絶縁層を接合するステップと、導体パターンから支持層を剥離するステップとを含むものである。
この配線回路基板の製造方法においては、支持層と導体層との積層構造を有する基材が用意され、導体層が加工されることにより支持層の一面上に所定のパターンを有する導体パターンが形成される。続いて、導体パターン上に導体層と同一または異なるパターンを有する接着剤層からなる接着剤パターンが形成され、接着剤パターンを介して導体パターン上に多孔質材料からなる絶縁層が接合される。その後、導体パターンから支持層が剥離される。
このようにして作製された配線回路基板は、多孔質材料からなる絶縁層と、絶縁層上に設けられる接着剤パターンと、接着剤パターン上に設けられる導体パターンとを備える。導体パターンおよび接着剤パターンは、同一または異なるパターンを有する。
この場合、導体パターンは、燃料電池の集電体として用いられる。また、絶縁層は気体を透過することができ、かつ導体層と接着剤層とが同一または異なるパターンを有する。それにより、燃料電池において、絶縁層に開口を形成することなく、導体パターンおよび接着剤パターンが存在しない領域を通して気体または気化された燃料を電池要素に効率よく供給することができる。
また、液体燃料から気化された燃料を分離するために絶縁層を用いることができる。したがって、別途気液分離膜を配置することなく、気化された燃料を電池要素に供給することが可能となる。
このように、この配線回路基板の製造方法により作製される配線回路基板が集電作用と気液分離作用とを有するので、燃料電池の構造を簡単にすることができる。
さらに、この配線回路基板の製造方法においては、接着剤パターンを介して導体パターン上に絶縁層が接合されるので、導体パターンが絶縁層から剥離することが防止される。
また、接着剤パターンは導体パターンとが同一の形状を有する場合、導体パターンから露出する絶縁層の領域には接着剤パターンが形成されない。これにより、配線回路基板のフレキシブル性の低下を防止することができる。
(9)接着剤層は感光性を有し、接着剤パターンを形成するステップは、導体パターンを覆うように支持層上に接着剤層を形成するステップと、接着剤層に露光処理および現像処理を行うことにより接着剤パターンを形成するステップを含んでもよい。
この場合、接着剤層に露光処理および現像処理を行うことにより容易に接着剤パターンを形成することができる。
(10)第4の発明に係る配線回路基板の製造方法は、燃料電池に用いられる配線回路基板の製造方法であって、支持層と導体層との積層構造を有する基材を用意するステップと、導体層上に所定のパターンを有する接着剤層からなる接着剤パターンを形成するステップと、接着剤パターンをマスクとして用いて導体層の露出した領域を除去することにより導体パターンを形成するステップと、接着剤パターンを介して導体パターン上に多孔質材料からなる絶縁層を接合するステップと、導体パターンから支持層を剥離するステップとを含むものである。
この配線回路基板の製造方法においては、支持層と導体層との積層構造を有する基材が用意され、導体層上に所定のパターンを有する接着剤層からなる接着剤パターンが形成される。続いて、接着剤パターンをマスクとして用いて導体層の露出した領域を除去することにより導体パターンが形成され、接着剤パターンを介して導体パターン上に多孔質材料からなる絶縁層が接合される。その後、導体パターンから支持層が剥離される。
このようにして作製された配線回路基板は、多孔質材料からなる絶縁層と、絶縁層上に設けられる接着剤パターンと、接着剤パターン上に設けられる導体パターンとを備える。導体パターンおよび接着剤パターンは、共通のパターンを有する。
この場合、導体パターンは、燃料電池の集電体として用いられる。また、絶縁層は気体を透過することができ、かつ導体層と接着剤層とが共通のパターンを有する。それにより、燃料電池において、絶縁層に開口を形成することなく、導体パターンおよび接着剤パターンが存在しない領域を通して気体または気化された燃料を電池要素に効率よく供給することができる。
また、液体燃料から気化された燃料を分離するために絶縁層を用いることができる。したがって、別途気液分離膜を配置することなく、気化された燃料を電池要素に供給することが可能となる。
このように、この配線回路基板の製造方法により作製される配線回路基板が集電作用と気液分離作用とを有するので、燃料電池の構造を簡単にすることができる。
さらに、この配線回路基板の製造方法においては、接着剤パターンをマスクとして用いることにより導体パターンが形成される。これにより、別途マスクパターンを用意することなく導体パターンを形成することができる。その結果、配線回路基板の製造工程および製造コストを削減することができる。
(11)接着剤層は、感光性を有し、導体層上に接着剤パターンを形成するステップは、接着剤層に露光処理および現像処理を行うことにより接着剤パターンを形成するステップを含んでもよい。
この場合、接着剤層に露光処理および現像処理を行うことにより容易に接着剤パターンを形成することができる。
(12)第5の発明に係る配線回路基板の製造方法は、燃料電池に用いられる配線回路基板の製造方法であって、支持層と導体層との積層構造を有する基材を用意するステップと、導体層を加工することにより支持層の一面上に導体パターンを形成するステップと、導体パターン上に接着剤層および多孔質材料からなる絶縁層の積層構造を形成するステップと、導体パターンから支持層を剥離するステップと、支持層を剥離した後、導体パターンから露出する接着剤層の領域を除去することにより所定のパターンを有する接着剤パターンを形成するステップとを含むものである。
この配線回路基板の製造方法においては、支持層と導体層との積層構造を有する基材が用意され、導体層が加工されることにより支持層の一面上に導体パターンが形成される。続いて、導体パターン上に接着剤層および多孔質材料からなる絶縁層の積層構造が形成され、導体パターンから支持層が剥離される。支持層が剥離された後、導体パターンから露出する接着剤層の領域が除去される。それにより所定のパターンを有する接着剤パターンが形成される。
このようにして作製された配線回路基板は、多孔質材料からなる絶縁層と、絶縁層上に設けられる接着剤パターンと、接着剤パターン上に設けられる導体パターンとを備える。導体パターンおよび接着剤パターンは、共通のパターンを有する。
この場合、導体パターンは、燃料電池の集電体として用いられる。また、絶縁層は気体を透過することができ、かつ導体層と接着剤層とが共通のパターンを有する。それにより、燃料電池において、絶縁層に開口を形成することなく、導体パターンおよび接着剤パターンが存在しない領域を通して気体または気化された燃料を電池要素に効率よく供給することができる。
また、液体燃料から気化された燃料を分離するために絶縁層を用いることができる。したがって、別途気液分離膜を配置することなく、気化された燃料を電池要素に供給することが可能となる。
このように、この配線回路基板の製造方法により作製される配線回路基板が集電作用と気液分離作用とを有するので、燃料電池の構造を簡単にすることができる。
さらに、この配線回路基板の製造方法においては、導体パターンをマスクとして用いることができるので、別途マスクパターンを用意することなく接着剤パターンを形成することができる。その結果、配線回路基板の製造工程および製造コストを削減することができる。
(13)導体パターンから露出する接着剤層の領域を除去するステップは、プラズマを用いて接着剤層の領域を除去するステップを含んでもよい。
この場合、接着剤層が感光性であるか非感光性であるかにかかわらず、接着剤層に所定のパターンを容易に形成することができる。
本発明によれば、燃料電池の構造を簡単にすることが可能となる。
(a)は第1の実施の形態に係るFPC基板の平面図であり、(b)は(a)のFPC基板のA−A線断面図である。 FPC基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 FPC基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 FPC基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 FPC基板を用いた燃料電池の外観斜視図である。 燃料電池内における作用を説明するための図である。 第2の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第2の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第3の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第4の実施の形態に係る配線回路基板の平面図および断面図である。 第4の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第4の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第4の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第4の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第4の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第4の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第5の実施の形態に係る配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
[1]第1の実施の形態
以下、第1の実施の形態に係る配線回路基板、燃料電池および配線回路基板の製造方法について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、配線回路基板の例として、屈曲性を有するフレキシブル配線回路基板(以下、FPC基板と略記する)について説明する。このFPC基板は、燃料電池に用いられる。
(1)FPC基板の構成
図1(a)は第1の実施の形態に係るFPC基板の平面図であり、図1(b)は図1(a)のFPC基板のA−A線断面図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、FPC基板1は、例えば多孔質性のePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)からなるベース絶縁層2を備える。これにより、ベース絶縁層2は通気性を有する。ベース絶縁層2は、第1絶縁部2a、第2絶縁部2b、第3絶縁部2cおよび第4絶縁部2dからなる。第1絶縁部2aおよび第2絶縁部2bは、それぞれ矩形形状を有し、互いに隣接するように一体的に形成される。以下、第1絶縁部2aと第2絶縁部2bとの境界線に平行な辺を側辺と称し、第1絶縁部2aおよび第2絶縁部2bの側辺に垂直な一対の辺を端辺と称する。
第3絶縁部2cは、第1絶縁部2aの1つの角部における側辺の一部から外方へ延びるように形成される。第4絶縁部2dは、第1絶縁部2aの上記角部の対角に位置する第2絶縁部2bの角部における側辺の一部から外方へ延びるように形成される。
第1絶縁部2aと第2絶縁部2bとの境界線上にベース絶縁層2をほぼ二等分するように屈曲部B1が設けられる。後述のように、ベース絶縁層2は、屈曲部B1に沿って折曲可能である。屈曲部B1は、例えば線状の浅い溝であってもよく、または、線状の印等でもよい。あるいは、屈曲部B1でベース絶縁層2を折曲可能であれば、屈曲部B1に特に何もなくてもよい。ベース絶縁層2を屈曲部B1に沿って折曲する場合、第1絶縁部2aと第2絶縁部2bとが対向する。この場合、第3絶縁部2cと第4絶縁部2dとは対向しない。
ベース絶縁層2の一面に、図1(b)の接着剤パターン7を介して、矩形の集電部3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3i,3j、接続導体部3k,3l,3m,3nおよび引き出し導体部3o,3pが形成される。集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pは例えば銅からなる。
接着剤パターン7としては、例えばエポキシ樹脂系の接着剤、フェノール樹脂系の接着剤、ポリエステル樹脂系の接着剤、アクリル樹脂系の接着剤またはポリイミド系の接着剤等の任意の接着剤が用いられる。本実施の形態において、接着剤パターン7には光酸発生剤が添加される。これにより、接着剤パターン7は感光性を有する。
集電部3a〜3jの各々は長方形状を有する。集電部3a〜3eは、第1絶縁部2aの端辺に沿って平行に延びかつ第1絶縁部2aの側辺方向に沿って設けられる。同様に、集電部3f〜3jは、第2絶縁部2bの端辺に沿って平行に延びかつ第2絶縁部2bの側辺方向に沿って設けられる。この場合、集電部3a〜3eと集電部3f〜3jとは、屈曲部B1を中心として対称な位置に配置される。
接続導体部3k〜3nは、屈曲部B1をまたぐように第1絶縁部2aおよび第2絶縁部2bにわたって形成される。接続導体部3kは集電部3bと集電部3fとを電気的に接続し、接続導体部3lは集電部3cと集電部3gとを電気的に接続し、接続導体部3mは集電部3dと集電部3hとを電気的に接続し、接続導体部3nは集電部3eと集電部3iとを電気的に接続する。
集電部3a〜3eの各々には、端辺方向に沿って複数(本例では4個)の開口H11が形成される。また、集電部3f〜3jの各々には、端辺方向に沿って複数(本例では4個)の開口H12が形成される。
引き出し導体部3oは、集電部3aの外側の短辺から第3絶縁部2c上に直線状に延びるように形成される。引き出し導体部3pは、集電部3jの外側の短辺から第4絶縁部2d上に直線状に延びるように形成される。
集電部3aおよび引き出し導体部3oの一部を覆うように、第1絶縁部2a上に被覆層6aが形成される。これにより、引き出し導体部3oの先端部は被覆層6aに覆われずに露出する。この露出した引き出し導体部3oの部分を、引き出し電極5aと称する。また、集電部3b〜3eをそれぞれ覆うように、第1絶縁部2a上に被覆層6b,6c,6d,6eが形成される。集電部3a〜3eの開口H11内において、被覆層6a〜6eは第1絶縁部2aの上面に接する。
集電部3jおよび引き出し導体部3pの一部を覆うように、第2絶縁部2b上に被覆層6jが形成される。これにより、引き出し導体部3pの先端部は被覆層6jに覆われずに露出する。この露出した引き出し導体部3pの部分を、引き出し電極5bと称する。また、集電部3f〜3iをそれぞれ覆うように、第2絶縁部2b上に被覆層6f,6g,6h,6iが形成される。集電部3f〜3jの開口H12内において、被覆層6f〜6jは第2絶縁部2bの上面に接する。
接続導体部3k〜3nをそれぞれ覆うように、第1絶縁部2a上および第2絶縁部2b上に被覆層6k,6l,6m,6nが形成される。被覆層6a〜6nは、導電材料を含有しかつ耐腐食性を有する樹脂組成物からなる。
樹脂組成物として、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂もしくはポリエステル樹脂、またはこれらの樹脂を2種類以上混合した樹脂を用いることができる。
樹脂組成物は、温度40℃でかつ相対湿度90%の環境において150g/(m2・24h)以下の透湿度を有することが好ましい。また、樹脂組成物は、60℃以上のガラス転移温度Tgを有することが好ましい。
一方、導電材料として、例えば金(Au)、銀もしくはナノ銀粒子等の金属材料、カーボンブラック、黒鉛もしくはカーボンナノチューブ等の炭素材料、またはポリチオフェンもしくはポリアニリン等の導電性高分子材料を用いることができ、またはこれらの材料を2種類以上混合した材料を用いることができる。
この場合、このFPC基板1を用いた燃料電池において、燃料として用いられるメタノール等の酸がFPC基板1に接触する状態であっても、集電作用を阻害することなく、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3n、および引き出し導体部3o,3pの腐食を防止することができる。
特に、導電材料として、上記の炭素材料を用いる場合には、金等の高価な材料を用いなくてもよいので、低コストで集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3n、および引き出し導体部3o,3pの腐食を防止することができる。
(2)FPC基板の製造方法
次に、図1に示したFPC基板1の製造方法を説明する。図2、図3および図4は、FPC基板1の製造方法を説明するための工程断面図であり、各断面図は図1のA−A線における断面図に相当する。
まず、図2(a)に示すように、キャリア層8と導体層30とからなる二層基材を用意する。キャリア層8としては、粘着剤層を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂または粘着剤層を有するステンレス等の金属薄膜を用いることができる。また、導体層30は例えば銅からなる。キャリア層8と導体層30とは、ラミネータにより貼り付けられていてもよいし、プレス機により圧着されていてもよい。キャリア層8と導体層30との圧着は、加温された状態または真空の状態で行われてもよい。
次に、図2(b)に示すように、導体層30上に例えば、感光性ドライフィルムレジスト等によりレジスト膜22を形成する。図2(c)に示すように、レジスト膜22を所定のパターンで露光した後、現像することによりエッチングレジストパターン22aを形成する。
次に、図2(d)に示すように、塩化第二鉄を用いてエッチングレジストパターン22aから露出する導体層30の領域をエッチングにより除去する。次に、図3(e)に示すように、エッチングレジストパターン22aを剥離液により除去する。これにより、キャリア層8上に集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p(図1(a)参照)が形成される。また、集電部3a〜3eには複数の開口H11が形成され、集電部3f〜3jには複数の開口H12が形成される。
スパッタリング、蒸着またはめっき等の他の方法によりキャリア層8上に集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを形成してもよい。
続いて、図3(f)に示すように、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの上面(キャリア層8と接しない面)を含む全面に接着剤層前駆体7pを塗布する。次に、図3(g)に示すように、所定のマスクパターンを介して接着剤層前駆体7pを露光した後、現像することにより、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p上に、所定のパターンを有する接着剤パターン7を形成する。
ここで、接着剤層前駆体7pがネガ型の感光性を有する場合、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの反転形状を有するマスクパターンを介して接着剤層前駆体7pを露光する。接着剤層前駆体7pがポジ型の感光性を有する場合、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと同一形状を有するマスクパターンを介して接着剤層前駆体7pを露光する。
また、接着剤層前駆体7pがポジ型の感光性を有する場合、接着剤層前駆体7pの下面(集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと接する面)側から露光を行ってもよい。この場合、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pをマスクパターンとして用いることができるので、別途マスクパターンを用いなくてよい。なお、PETからなるキャリア層8は露光光を透過するため、接着剤層前駆体7pの下面(集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと接する面)側からの露光の妨げとならない。
集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p上を除く部分に塗布された接着剤層前駆体7pの部分を、薬液、レーザ光またはプラズマ処理により除去してもよい。この場合、接着剤層前駆体7pの露光時にマスクパターンを用いなくてよい。同様に、スクリーン印刷またはペーストディスペンサにより、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p上のみに接着剤層前駆体7pを塗布してもよい。この場合も、接着剤層前駆体7pの露光時にマスクパターンを用いなくてよい。
次に、図3(h)に示すように、接着剤パターン7を介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p上にベース絶縁層2を接合する。その後、図4(i)に示すように、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pからキャリア層8を剥離する。
次に、図4(j)に示すように、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを覆うように、ベース絶縁層2上に塗布またはラミネートにより被覆層6a〜6n(図1(a)参照)を形成する。ここで、引き出し電極5a,5b(図1(a)参照)が被覆層6a,6jから露出する。なお、図4(j)および図4(k)の断面図は、図4(i)の断面図とは上下を逆にして示している。
最後に、図4(k)に示すように、ベース絶縁層2を所定の形状に切断することにより、ベース絶縁層2、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3n、引き出し導体部3o,3pおよび被覆層6a〜6nを備えるFPC基板1が完成する。
なお、キャリア層8の厚みは10μm以上200μm以下であることが好ましく、25μm以上100μm以下であることがより好ましい。キャリア層8の厚みが10μm以上であるとキャリア層8の取り扱い性が向上し、キャリア層8の厚みが200μm以下であるとキャリア層8のフレキシブル性が向上する。本実施の形態では、キャリア層8の厚みは35μmである。
導体層30の厚みは2μm以上70μm以下であることが好ましく、5μm以上35μm以下であることがより好ましい。導体層30の厚みが2μm以上であると抵抗等の電気特性が向上し、導体層30の厚みが70μm以下であると導体層30の取り扱い性が向上する。本実施の形態では、導体層30の厚みは25μmである。
接着剤パターン7の厚みは5μm以上100μm以下であることが好ましく、15μm以上50μm以下であることがより好ましい。接着剤パターン7の厚みが5μm以上であると接着剤の接着力が向上し、接着剤パターン7の厚みが100μm以下であると接着剤パターン7の取り扱い性が向上する。本実施の形態では、接着剤パターン7の厚みは25μmである。
ベース絶縁層2の厚みは10μm以上500μm以下であることが好ましく、35μm以上150μm以下であることがより好ましい。ベース絶縁層2の厚みが10μm以上であるとベース絶縁層2の取り扱い性が向上し、ベース絶縁層2の厚みが500μm以下であるとベース絶縁層2のコストが低下する。上述のように、ベース絶縁層2は多孔質性のePTFEからなる。
ベース絶縁層2に含まれる複数の孔の直径(孔径)は、0.03μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。本実施の形態では、ベース絶縁層2の厚みは75μmであり、ベース絶縁層2に含まれる複数の孔の孔径は1μmである。
図2〜図4では、サブトラクティブ法によるFPC基板1の製造方法を示したが、これに限定されず、セミアディティブ法等の他の製造方法を用いてもよい。
(3)FPC基板を用いた燃料電池
図5は、FPC基板1を用いた燃料電池100の外観斜視図である。図6は、燃料電池100内における作用を説明するための図であり、図5の燃料電池100のB−B線から見た断面図である。
図5および図6に示すように、燃料電池100は直方体状のケーシング40を有する。図5では、ケーシング40を点線により示している。ケーシング40は、上面部41、下面部42、一方の側面部43および他方の側面部44を有する。図6には、残りの一対の側面部は図示されない。
FPC基板1は、被覆層6a〜6nが形成された一面を内側にして図1の屈曲部B1に沿って折曲された状態でケーシング40の上面部41および下面部42により狭持される。
FPC基板1の引き出し電極5a,5bは、ケーシング40の一方の側面部43から外側に引き出される。引き出し電極5a,5bには、種々の外部回路の端子が電気的に接続される。
ケーシング40内において、複数(本実施の形態では5個)の電極膜35が、折曲されたFPC基板1の被覆層6aと被覆層6fとの間、被覆層6bと被覆層6gとの間、被覆層6cと被覆層6hとの間、被覆層6dと被覆層6iとの間、および被覆層6eと被覆層6jとの間にそれぞれ配置される(図1(a)参照)。これにより、複数の電極膜35が直列接続される。
各電極膜35は空気極35a、燃料極35bおよび電解質膜35cからなる。空気極35aは電解質膜35cの一面に形成され、燃料極35bは電解質膜35cの他面に形成される。複数の電極膜35の空気極35aはFPC基板1の被覆層6f〜6jにそれぞれ対向し、複数の電極膜35の燃料極35bはFPC基板1の被覆層6a〜6eにそれぞれ対向する。
ケーシング40内の上面部41上には、集電部3f〜3jの複数の開口H12に対応するように複数の開口H41が形成される。電極膜35の空気極35aには、ケーシング40の複数の開口H41、通気性を有するFPC基板1のベース絶縁層2および集電部3f〜3jの複数の開口H12を通して空気が供給される。
ケーシング40の下面部42には、ベース絶縁層2の第1絶縁部2a(図1(a)参照)に接するように燃料収容室50が設けられる。燃料収容室50には、燃料供給管51の一端が接続される。燃料供給管51の他端は、ケーシング40の他方の側面部44を通って外部の図示しない燃料供給部に接続される。燃料供給部から燃料供給管51を通して燃料収容室50内に燃料が供給される。なお、本実施の形態では、燃料として液体状のメタノールを用いる。
本実施の形態に係るFPC基板1は気液分離膜として機能する。これにより、燃料収容室50内でメタノールの一部が気化することにより、各電極膜35の燃料極35bには、通気性を有するFPC基板1のベース絶縁層2および集電部3a〜3eの複数の開口H11を通して気化されたメタノールが供給される。
上記の構成においては、複数の燃料極35bにおいて、メタノールが水素イオンと二酸化炭素とに分解され、電子が生成される。生成された電子は、FPC基板1の集電部3a(図1参照)から引き出し電極5aに導かれる。メタノールから分解された水素イオンは、電解質膜35cを透過して空気極35aに達する。複数の空気極35aにおいて、引き出し電極5bから集電部3jに導かれた電子を消費しつつ水素イオンと酸素とが反応し、水が生成される。このようにして、引き出し電極5a,5bに接続された外部回路に電力が供給される。
(4)効果
本実施の形態に係るFPC基板1においては、多孔質性のePTFEからなるベース絶縁層2上に接着剤パターン7を介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pが設けられる。ベース絶縁層2は通気性を有し、かつ接着剤パターン7は集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと同一形状を有する。これらより、燃料電池100においては、FPC基板1のベース絶縁層2に開口を形成することなく、複数の開口H11,H12が位置するベース絶縁層2の部分(ベース絶縁層2における接着剤パターン7および集電部が存在しない領域)を通して電極膜35に空気および気化されたメタノールを効率よく供給することができる。
また、液体状のメタノールから気化されたメタノールを分離するためにベース絶縁層2を用いることができる。したがって、別途気液分離膜を配置することなく、気化されたメタノールを空気極35に供給することが可能となる。
上記のように、FPC基板1が集電作用と気液分離作用とを有するので、燃料電池100の構造を簡単にすることができる。
本実施の形態に係る燃料電池100においては、屈曲部B1で屈曲されたベース絶縁層2の内側に複数の電極膜35が配置される。これにより、電極膜35の空気極35aには、ベース絶縁層2および集電部3f〜3jの複数の開口H12を通して空気が供給される。また、各電極膜35の燃料極35bには、ベース絶縁層2および集電部3a〜3eの複数の開口H11を通して気化されたメタノールが供給される。このように、電極膜35の空気極35aおよび燃料極35bに空気および気化されたメタノールをそれぞれ効率よく供給することができる。したがって、燃料電池100の構造がさらに簡単になっている。
本実施の形態に係るFPC基板1の製造方法おいては、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの形成時にはベース絶縁層2が存在せず、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの形成後に集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p上にベース絶縁層2が接合される。そのため、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの形成に伴ってベース絶縁層2がエッチング液等の薬液により溶解または変形することがない。それにより、ベース絶縁層2に用いられる材料の種類が限定されない。その結果、用途に応じた種々の材料を用いてベース絶縁層2を形成することができる。
また、接着剤パターン7を介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p上にベース絶縁層2が接合されるので、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pがベース絶縁層2から剥離することが確実に防止される。したがって、このFPC基板1を備える燃料電池100においては、発電効率の低下が防止される。その結果、燃料電池100の信頼性が向上する。
また、接着剤パターン7は集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと同一の形状を有するので、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pから露出するベース絶縁層2の領域には接着剤パターン7が形成されない。これにより、FPC基板1のフレキシブル性の低下を防止することができる。さらに、空気および気化したメタノールがベース絶縁層2を透過して空気極35aおよび燃料極35bに供給される際に、空気および気化したメタノールの透過が接着剤層により妨げられない。
なお、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pがベース絶縁層2上に確実に接着され、かつ空気および気化したメタノールの透過が接着剤層により妨げられないのであれば、接着剤パターン7の少なくとも一部の形状または寸法が、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと異なってもよい。
また、本実施の形態においては、接着剤層前駆体7pが感光性を有するので、露光処理および現像処理を行うことにより容易に接着剤パターン7を形成することができる。
さらに、本実施の形態に係るFPC基板1の製造方法によれば、透明材料からなるベース絶縁層2を用いることもできる。この場合には、FPC基板1を太陽電池の電極として用いることが可能となる。
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法について、第1の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法と異なる点を説明する。図7および図8は、第2の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法を説明するための工程断面図である。
まず、図7(a)に示すように、キャリア層8と導体層30とからなる二層基材を用意する。次に、図7(b)に示すように、導体層30上に接着剤層前駆体7pを塗布する。続いて、図7(c)に示すように、図1(a)の集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと同一の形状を有するマスクパターンを介して接着剤層前駆体7pを露光した後、現像することにより、導体層30上に所定のパターンを有する接着剤パターン7を形成する。
次に、図7(d)に示すように、塩化第二鉄を用いて接着剤パターン7から露出する導体層30の領域をエッチングにより除去する。これにより、キャリア層8上に集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p(図1(a)参照)が形成される。また、集電部3a〜3eには複数の開口H11が形成され、集電部3f〜3jには複数の開口H12が形成される。
次に、図8(e)に示すように、接着剤パターン7を介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p上にベース絶縁層2を接合する。その後、図8(f)に示すように、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pからキャリア層8を剥離する。
次に、図8(g)に示すように、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを覆うように、ベース絶縁層2上に塗布またはラミネートにより被覆層6a〜6n(図1(a)参照)を形成する。ここで、引き出し電極5a,5b(図1(a)参照)が被覆層6a,6jから露出する。なお、図8(g)および図8(h)の断面図は、図8(f)の断面図とは上下を逆にして示している。
最後に、図8(h)に示すように、ベース絶縁層2を所定の形状に切断することにより、ベース絶縁層2、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3n、引き出し導体部3o,3pおよび被覆層6a〜6nを備えるFPC基板1が完成する。
本実施の形態に係るFPC基板1の製造方法おいては、キャリア層8と導体層30との積層構造を有する基材の導体層30上に接着剤パターン7が形成される。また、接着剤パターン7をマスクとして用いて導体層30の露出した領域が除去される。これにより、別途マスクパターンを用意することなく集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを形成することができる。その結果、FPC基板1の製造工程および製造コストを削減することができる。
また、接着剤パターン7が感光性を有するので、露光処理および現像処理を行うことにより容易に接着剤パターン7を形成することができる。
[3]第3の実施の形態
第3の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法について、第1の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法と異なる点を説明する。本実施の形態において、接着剤パターン7は感光性を有しない。図9は、第3の実施の形態に係るFPC基板の製造方法を説明するための工程断面図である。本実施の形態に係るFPC基板1の製造方法は、第1の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法の図2(a)の工程から図3(f)の工程と同様の工程を有する。
図3(f)の工程の次に、図9(a)に示すように、接着剤層前駆体7pを乾燥させることにより接着剤層7qを形成し、接着剤層7qを介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3p上にベース絶縁層2を接合する。続いて、図9(b)に示すように、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pからキャリア層8を剥離する。その後、図9(c)に示すように、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pから露出する接着剤層7qの領域をプラズマ処理により除去する。このようにして、接着剤パターン7を形成する。
次に、図9(d)に示すように、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを覆うように、ベース絶縁層2上に塗布またはラミネートにより被覆層6a〜6n(図1(a)参照)を形成する。ここで、引き出し電極5a,5b(図1(a)参照)が被覆層6a,6jから露出する。なお、図9(d)および図9(e)の断面図は、図9(c)の断面図とは上下を逆にして示している。
最後に、図9(e)に示すように、ベース絶縁層2を所定の形状に切断することにより、ベース絶縁層2、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3n、引き出し導体部3o,3pおよび被覆層6a〜6nを備えるFPC基板1が完成する。
本実施の形態に係るFPC基板1の製造方法おいては、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pをマスクとして用いることができるので、別途マスクパターンを用意することなく接着剤パターン7を形成することができる。その結果、FPC基板1の製造工程および製造コストを削減することができる。
また、接着剤パターン7がプラズマ処理により形成されるので、接着剤層前駆体7pが感光性であるか非感光性であるかにかかわらず、接着剤パターン7を容易に形成することができる。
[4]第4の実施の形態
第4の実施の形態に係るFPC基板について、第1の実施の形態に係るFPC基板1と異なる点を説明する。
(1)FPC基板の構成
図10(a)は第4の実施の形態に係るFPC基板の平面図であり、図10(b)は図10(a)のFPC基板のC−C線断面図である。
図10(a)および図10(b)のFPC基板1においては、ベース絶縁層2の一面に、接着剤層前駆体7pを介して、矩形の集電部3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3i,3j、接続導体部3k,3l,3m,3nおよび引き出し導体部3o,3pが形成される。集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pは、後述するように、例えば銅が銀めっきされた構成を有する。
引き出し導体部3o,3pの先端部は、種々の外部回路の端子に電気的に接続可能である。引き出し導体部3o,3pの先端部をそれぞれ引き出し電極5a,5bと称する。
(2)FPC基板の製造方法
次に、図10に示したFPC基板1の製造方法を説明する。図11、図12、図13および図14は、FPC基板1の製造方法を説明するための工程断面図である。なお、図11〜図14は、図10のFPC基板1のC−C線断面に相当する箇所における工程断面図である。
まず、図11(a)に示すように、例えば銅からなる導体層30が用意される。導体層30は主面E1,E2を有する。導体層30の厚みは例えば35μmである。次に、図11(b)に示すように、レーザ加工により、導体層30が所定のパターンに形成される。レーザ加工に代えて、エッチングまたは金型を用いた打ち抜きにより導体層30が所定のパターンに形成されてもよい。
続いて、図11(c)に示すように、所定のパターンを有する導体層30の主面E1,E2および側面E3にめっき層20が形成される。ここで、側面E3は導体層30の外周面および開口の内周面を含む。めっき層20は、蟻酸に対して導体層30よりも高い耐食性を有する。本実施の形態では、無電解銀めっきによりめっき層20が形成される。また、無電解銀めっきが行われる前にバリア層として図示しない無電解ニッケルめっきが行われる。このように、めっきにより導体層30の主面E1,E2および側面E3に被覆層を容易に形成することができる。
所定のパターンを有する導体層30およびめっき層20により、図1の集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3n、引き出し導体部3o,3pおよび引き出し電極5a,5bが形成される。また、集電部3a〜3jに複数の開口H11,H12が形成される。なお、図11(c)には、集電部3c,3h、接続導体部3l、引き出し導体部3oおよび引き出し電極5aのみが示されている。このようにして形成された集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3n、引き出し導体部3o,3pおよび引き出し電極5a,5bからなる積層体を第1の積層体L1と呼ぶ。
図11(a)〜図11(c)の第1の積層体L1の形成工程と並行して、図12(a)に示すように、接着剤層前駆体7pおよびキャリア層9が用意される。接着剤層前駆体7pの一面および他面には、それぞれ剥離層7a,7bが設けられている。剥離層7a,7bの材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)が用いられる。キャリア層9の一面には粘着層9aが設けられている。キャリア層9の材料としては、例えばPETが用いられる。粘着層9aの材料としては、例えばアクリル系の接着剤が用いられる。
次に、図12(b)に示すように、剥離層7aおよび粘着層9aを介して、接着剤層前駆体7pとキャリア層9とが貼り合わされる。続いて、図12(c)に示すように、剥離層7bが接着剤層前駆体7pから剥離される。
その後、図12(d)に示すように、レーザ加工により、接着剤層前駆体7pおよび剥離層7aが所定のパターンに形成される。レーザ加工に代えて、エッチングまたは金型を用いた打ち抜きにより接着剤層前駆体7pおよび剥離層7aが所定のパターンに形成されてもよい。これにより、接着剤パターン7が形成される。このようにして形成された接着剤パターン7、剥離層7a、粘着層9aおよびキャリア層9からなる積層体を第2の積層体L2と呼ぶ。接着剤パターン7は、図11(c)の第1の積層体L1のパターンと同じ形状を有する。
なお、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pがベース絶縁層2上に確実に接着され、かつ空気および気化したメタノールの透過が接着剤パターン7により妨げられないのであれば、接着剤パターン7の少なくとも一部の形状または寸法が、図11(c)の第1の積層体L1のパターンと異なってもよい。
次に、図13(a)に示すように、図11(c)の第1の積層体L1および図12(d)の第2の積層体L2に加え、キャリア層8が用意される。キャリア層8の一面には粘着層8aが設けられている。キャリア層8の材料としては、例えばPETが用いられる。粘着層8aの材料としては、例えばアクリル系の接着剤が用いられる。
続いて、図13(b)に示すように、第1の積層体L1の一面(導体層30の主面E1上のめっき層20の表面)が接着剤パターン7を介して第2の積層体L2と貼り合わされるとともに、第1の積層体L1の他面(導体層30の主面E2上のめっき層20の表面)が粘着層8aを介してキャリア層8と貼り合わされる。その後、図13(c)に示すように、第2の積層体L2から粘着層9aおよびキャリア層9とともに剥離層7aが剥離される。これにより、第1の積層体L1の他面に接着剤パターン7が残存する。
次に、図14(a)に示すように、図1のベース絶縁層2が用意される。続いて、図14(b)に示すように、接着剤パターン7を介して第1の積層体L1の一面(導体層30の主面E1上のめっき層20の表面)にベース絶縁層2が貼り合わされる。その後、図14(c)に示すように、第1の積層体L1から粘着層8aおよびキャリア層8が除去される。これにより、FPC基板1が完成する。
このように、第1の積層体L1は接着剤パターン7を介してベース絶縁層2の一面に貼り合わされる。これにより、導体層30の主面E1上のめっき層20をベース絶縁層2の一面に確実に接合することができる。
また、接着剤パターン7は導体層30のパターンに対応する形状を有するので、導体層30から露出するベース絶縁層2の領域には接着剤パターン7が形成されない。これにより、FPC基板1のフレキシブル性の低下を防止することができる。さらに、ベース絶縁層2の通気性を確保することができる。
導体層30(図11(a)参照)の厚みは500μm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。導体層30の厚みが500μm以下であると導体層30の取り扱い性が向上する。本例において導体層30の材料として銅が用いられるが、これに代えてニッケル、アルミニウム、銀もしくは金またはこれらの合金が用いられてもよい。
本例において、めっき層20(図11(c)参照)の材料として銀が用いられるが、これに代えて白金、タングステン、チタン、ジルコニウム、金または銀が用いられてもよい。また、バリア層の材料としてニッケルが用いられるが、これに代えてニッケル銅が用いられてもよいし、バリア層は設けられなくてもよい。バリア層を設ける場合、バリア層の厚みは0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上8μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上5μm以下であることがさらに好ましい。バリア層の厚みが0.1μm以上であると導体層30とめっき層20との間の密着性が向上し、バリア層の厚みが10μm以下であると導体層30とめっき層20との間の電気伝導率が向上する。
接着剤パターン7(図12〜図14参照)の厚みは1μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。接着剤パターン7の厚みが1μm以上であると接着剤の接着力が向上し、接着剤パターン7の厚みが100μm以下であると接着剤パターン7の取り扱い性が向上する。
キャリア層8,9(図13参照)の厚みは1μm以上500μm以下であることが好ましく、25μm以上250μm以下であることがより好ましい。キャリア層8,9の厚みが1μm以上であるとキャリア層8,9の取り扱い性が向上し、キャリア層8,9の厚みが500μm以下であるとキャリア層8,9のフレキシブル性が向上する。
図13(b)の第1の積層体L1をキャリア層8および第2の積層体L2に貼り合わせる工程において、位置合わせ部材および固定部材を用いて第1の積層体L1がキャリア層8と第2の積層体L2との間で位置決めされてもよい。図15は、キャリア層8、第1の積層体L1、位置合わせ部材10aおよび第2の積層体L2の斜視図である。図16は、キャリア層8、第1の積層体L1、位置合わせ部材10a、第2の積層体L2および固定部材10bの断面図である。
図15に示すように、位置合わせ部材10aは、開口H11,H12(図13参照)の部分を除いて第1の積層体L1の反転パターンを有する板状部材である。これにより、第1の積層体L1は、位置合わせ部材10aに嵌合可能である。位置合わせ部材10aの厚みは、第1の積層体L1の厚みと略等しい。これにより、第1の積層体L1が位置合わせ部材10aに嵌合された場合、第1の積層体L1の一面(導体層30の主面E1上のめっき層20の表面)と位置合わせ部材10aの一面とは同一平面上にあり、第1の積層体L1の他面(導体層30の主面E2上のめっき層20の表面)と位置合わせ部材10aの他面とは同一平面上にある。
図16(a)に示すように、図13(a)のキャリア層8、第1の積層体L1および第2の積層体L2に加え、位置合わせ部材10aおよび固定部材10bが配置される。キャリア層8の一面には粘着層8aが設けられている。続いて、図16(b)に示すように、位置合わせ部材10aが固定部材10bにより第2の積層体L2上に固定される。固定部材10bは、例えばピンである。これにより、第2の積層体L2の接着剤パターン7が位置合わせ部材10aのパターンから露出する。
次に、図16(c)に示すように、第1の積層体L1が第2の積層体L2上の位置合わせ部材10aに嵌合されるとともに、第1の積層体L1の一面(導体層30の主面E1上のめっき層20の表面)が位置合わせ部材10aから露出する接着剤パターン7を介して第2の積層体L2に貼り合わされる。これにより、第1の積層体L1が第2の積層体L2上で位置決めされる。続いて、粘着層8aを介してキャリア層8が第1の積層体L1の他面(導体層30の主面E2上のめっき層20の表面)に貼り合わされる。
その後、固定部材10bが除去され、FPC基板の製造工程は図13(b)の工程に続く。なお、位置合わせ部材10aは、例えば図13(c)の工程の後に除去される。
(3)効果
本実施の形態に係るFPC基板1においては、所定のパターンを有する導体層30の主面E1,E2および側面E3に導電性かつ耐食性のめっき層20が形成される。また、導体層30は、主面E1とベース絶縁層2との間にめっき層20が介在するようにベース絶縁層2上に設けられる。これにより、めっき層20により導体層30の導電性を保ちつつ、導体層30の主面E1,E2および側面E3に腐食が発生することが防止される。
導体層30は銅により形成され、めっき層20は、蟻酸に対して銅よりも高い耐食性を有する銀により形成される。これにより、蟻酸等の燃料電池100の副生成物がFPC基板1に接触する場合でも、めっき層20により導体層30に腐食が発生することが十分に防止される。
また、蟻酸等の燃料電池100の副生成物がベース絶縁層2の連続孔を通ってベース絶縁層2と導体層30との間に浸入しても、めっき層20により副生成物が導体層30に付着することが防止される。その結果、導体層30に腐食が発生することが防止される。
このように、本実施の形態に係るFPC基板1を燃料電池100に使用することにより、燃料電池100における電極の集電効率の低下を防止することができる。その結果、燃料電池100の信頼性が向上するとともに長寿命化が実現される。
[5]第5の実施の形態
第5の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法について、第4の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法と異なる点を説明する。図17は、第2の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法を説明するための工程断面図である。
まず、図17(a)に示すように、図12(d)の第2の積層体L2および図1のベース絶縁層2が用意される。続いて、図17(b)に示すように、ベース絶縁層2が接着剤パターン7を介して第2の積層体L2と貼り合わされる。その後、図17(c)に示すように、第2の積層体L2から粘着層9aおよびキャリア層9とともに剥離層7aが剥離される。これにより、ベース絶縁層2に接着剤パターン7が残存する。
次に、図17(d)に示すように、図11(c)の第1の積層体L1が用意される。続いて、図17(e)に示すように、接着剤パターン7を介して第1の積層体L1にベース絶縁層2が貼り合わされる。このとき、図15および図16の位置合わせ部材10aを用いて第1の積層体L1がベース絶縁層2上で位置決めされてもよい。この場合、第1の積層体L1がベース絶縁層2に貼り合わされた後、位置合わせ部材10aが除去される。これにより、FPC基板1が完成する。
本実施の形態においては、キャリア層8を用意することなく、接着剤パターン7を介して第1の積層体L1とベース絶縁層2とを接合することができる。これにより、FPC基板1の製造における工程数を削減することができる。
[6]他の実施の形態
上記実施の形態において、ベース絶縁層2の材料として多孔質性のePTFEが用いられたが、これに限定されない。例えば、ベース絶縁層2の材料として、ePTFEに代えて、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメチルメタクリレートポリマー樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂のうちの少なくとも1つを含む樹脂を多孔質化したフィルムを用いてもよい。
また、導体層30の材料として銅が用いられたが、これに限定されない。例えば、銅に代えて金(Au)、銀、もしくはアルミニウム等の他の金属、または銅合金、金合金、銀合金もしくはアルミニウム合金等の合金を用いてもよい。
上記実施の形態において、FPC基板1は5対の集電部(集電部3a,3f、集電部3b,3g、集電部3c,3h、集電部3d,3iおよび集電部3e,3j)を有するが、これに限定されない。FPC基板1の集電部の数は4対以下であってもよいし、6対以上であってもよい。これにより、任意の数の電極膜35を直列接続することができる。また、FPC基板1が1対の集電部を有してもよい。この場合、接続導体部3k〜3nは設けられない。
[7]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、ベース絶縁層2が絶縁層の例であり、接着剤パターン7が接着剤層および接着剤パターンの例であり、接着剤層前駆体7pが接着剤層の例であり、導体層30が導体層の例であり、被覆層6a〜6nまたはめっき層20が被覆層の例であり、電極膜35が電池要素の例であり、ケーシング40が筐体の例である。
また、第1絶縁部2aが第1の領域の例であり、第2絶縁部2bが第2の領域の例であり、集電部3a〜3eおよび引き出し導体部3oが第1の導体部の例であり、集電部3f〜3jおよび引き出し導体部3pが第2の導体部の例であり、屈曲部B1が屈曲部の例である。
さらに、支持層がキャリア層8の例であり、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pが導体パターンの例であり、FPC基板1が配線回路基板の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
[8]実施例
(1)実施例および比較例
実施例1〜4および比較例1では、上記実施の形態に基づいてFPC基板1を製造した。以下、実施例1〜4および比較例1におけるFPC基板1の製造方法を説明する。
実施例1における接着剤層前駆体7pの調製方法は以下の通りである。エポキシ当量190のビフェニル型エポキシ樹脂40重量部、エポキシ当量4500のビスフェノールF型エポキシ樹脂60重量部および光酸発生剤である4,4−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィドビス(ヘキサフルオロアンチモネート)9重量部をジオキサンに溶解することにより、固形分濃度が50重量%である接着剤層前駆体7pを調製した。この接着剤層前駆体7pはネガ型の感光性を有する。
第1の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法に基づいて実施例1のFPC基板1を製造した。実施例1のFPC基板1においては、図3(f)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの上面(キャリア層8と接しない面)を含む全面に上記の接着剤層前駆体7pを温度90℃、圧力0.4MPaおよび速度1m/minの条件で塗布した。続いて、図3(g)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの反転形状を有するマスクパターンを介して接着剤層前駆体7pの上面(集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと接しない面)に向かって800mJ/cmの紫外線を照射し、温度90℃で10分間の硬化処理を行った。その後、重量比が1対1である水とエタノールとの混合溶媒に、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を1.2%添加した現像液を用い、9分間現像を行うことにより所定のパターンを有する接着剤パターン7を形成した。
次に、図3(h)に示す工程で、接着剤パターン7を介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを、温度100℃および圧力5MPaの条件で30分間ePTFE(日東電工株式会社製NTF−1122)からなるベース絶縁層2に接合し、温度150℃で180分間の硬化処理を行った。最後に、図4(i)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pからキャリア層8を剥離した。
実施例2における接着剤層前駆体7pの調製方法は以下の通りである。酸二無水物成分であるエチレングリコールビストリメリット酸二無水物67重量%、ジアミン成分である1,12−ジアミノデカン32重量%および1,3−ビス−(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1重量%をN,N−ジメチルアセトアミド中に溶解させ、室温で5時間反応させることによりポリイミド前駆体の溶液を調製した。ここで、酸二無水物成分およびジアミン成分の合計の濃度は30重量%である。このポリイミド前駆体の溶液に、感光剤として1−エチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジンを添加した。ここで、添加した感光剤の濃度は、溶液の固形分に対して15重量%である。その後、感光剤を均一に溶液に溶解させることにより感光性ポリイミドからなる接着剤層前駆体7pを調製した。この接着剤層前駆体7pはネガ型の感光性を有する。
第2の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法に基づいて実施例2のFPC基板1を製造した。実施例2のFPC基板1においては、図7(b)に示す工程で、導体層30の上面(キャリア層8と接しない面)全体に上記の接着剤層前駆体7pを温度90℃、圧力0.4MPaおよび速度1m/minの条件で塗布した。
続いて、図7(c)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの反転形状を有するマスクパターンを介して接着剤層前駆体7pの上面(集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと接しない面)から3000mJ/cmの紫外線を照射し、温度135℃で10分間の硬化処理を行った。その後、N−メチル−2−ピロリドンからなる現像液を用い、6分間現像を行うことにより所定のパターンを有する接着剤パターン7を形成した。
図8(e)に示す工程で、接着剤パターン7を介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを、温度200℃および圧力5MPaの条件で30分間ePTFE(日東電工株式会社製NTF−1122)からなるベース絶縁層2に接合し、温度200℃で60分間の硬化処理を行った。最後に、図8(f)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pからキャリア層8を剥離した。
実施例3における接着剤層前駆体7pの調製方法は以下の通りである。酸二無水物成分である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物およびジアミン成分である4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを略等モル量N,N−ジメチルアセトアミド中に溶解させ、室温で24時間反応させることによりポリイミド前駆体溶液を調製した。ここで、酸二無水物成分およびジアミン成分の合計の濃度は30重量%である。このポリイミド前駆体溶液に、下記式(1)で表わされるビニルエーテル化合物を添加および混合した。ここで、添加したビニルエーテル化合物の量は、溶液の固形分100重量部に対して40重量部である。次に、このポリイミド前駆体溶液に、光分解性プロトン発生剤であるジフェニルイオドニウム−8−アニリノナフタレン−1−スルホネートを添加および混合した。ここで、添加した光分解性プロトン発生剤の量は、溶液の固形分100重量部に対して10重量部である。その後、ビニルエーテル化合物および光分解性プロトン発生剤を均一に溶液に溶解させることにより感光性ポリイミドからなる接着剤層前駆体7pを調製した。この接着剤層前駆体7pはポジ型の感光性を有する。
Figure 2012004098
第1の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法に基づいて実施例3のFPC基板1を製造した。実施例3のFPC基板においては、図3(f)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの上面(キャリア層8と接しない面)を含む全面に上記の接着剤層前駆体7pを塗布し、温度100℃で10分間の乾燥を行った。
続いて、図3(g)に示す工程で、接着剤層前駆体7pの下面(集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pと接する面)に向かって3000mJ/cmの紫外線を照射し、温度110℃で10分間の硬化処理を行った。その後、1.5重量%のTMAH水溶液からなる現像液を用い、9分間現像を行うことにより所定のパターンを有する接着剤パターン7を形成した。
次に、図3(h)に示す工程で、接着剤パターン7を介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを、温度200℃および圧力5MPaの条件で30分間ePTFE(日東電工株式会社製NTF−1122)からなるベース絶縁層2に接合し、温度200℃で120分間の硬化処理を行った。最後に、図4(i)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pからキャリア層8を剥離した。
実施例4における接着剤層前駆体7pの調製方法は以下の通りである。MEK(Methyl Ethyl Ketone:メチルエチルケトン)に溶解させたエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製jER−1007)80重量部およびエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製YL−7410)20重量部、硬化剤である酸無水物(新日本理化株式会社製MH−700)8重量部ならびに触媒であるイミダゾール(四国化成工業株式会社製2E4MZ)2重量部を混合し、接着剤層前駆体7pを調製した。この接着剤層前駆体7pは感光性を有しない。
第3の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法に基づいて実施例4のFPC基板1を製造した。実施例4のFPC基板1においては、図9(a)に示す工程で、ラミネートにより接着剤層前駆体7pを集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pの上面(キャリア層8と接しない面)を含む全面に塗布し、乾燥させることにより接着剤層7qを形成した。その後、接着剤層7qを介して集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pを、温度100℃および圧力5MPaの条件で30分間ePTFE(日東電工株式会社製NTF−1122)からなるベース絶縁層2に接合し、温度150℃で180分間の硬化処理を行った。
続いて、図9(b)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pからキャリア層8を剥離した。最後に、図9(c)に示す工程で、集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pから露出している接着剤層7qをプラズマ処理により除去することにより接着剤パターン7を形成した。
比較例1における接着剤層前駆体7pの調製方法は、実施例4における接着剤層前駆体7pの製造方法と同様である。
第3の実施の形態に係るFPC基板1の製造方法に基づいて比較例1のFPC基板1を製造した。比較例1におけるFPC基板1の製造方法の工程は、図9(c)に示す工程、すなわち集電部3a〜3j、接続導体部3k〜3nおよび引き出し導体部3o,3pから露出する接着剤層7qの領域をプラズマ処理により除去する工程を設けない点を除いて、実施例4におけるFPC基板1の製造方法の工程と同様である。
(2)FPC基板の燃料電池への適用
実施例1〜4および比較例1の各FPC基板1を用いて図6に示す燃料電池100を作製した。実施例1〜4の各FPC基板1を備える燃料電池100においては、燃料電池100から外部回路に電力を供給することができた。これにより、ベース絶縁層2が気液分離膜として十分に機能することが確認された。
一方、比較例1のFPC基板1を備える燃料電池100においては、燃料電池100から外部回路に電力を供給することができなかった。比較例1のFPC基板1においては、通気性を有するベース絶縁層2の全面に接着剤層7qが存在することにより、ベース絶縁層2が気液分離膜として機能しないことが確認された。
本発明は、気液分離機能を有し、燃料電池に用いられる配線回路基板の製造に有効に利用できる。
1 FPC基板
2 ベース絶縁層
2a 第1絶縁部
2b 第2絶縁部
2c 第3絶縁部
2d 第4絶縁部
3a〜3j 集電部
3k〜3n 接続導体部
3o,3p 引き出し導体部
5a,5b 引き出し電極
6a〜6n 被覆層
7 接着剤パターン
7p 接着剤層前駆体
7q 接着剤層
8,9 キャリア層
22 レジスト膜
22a エッチングレジストパターン
30 導体層
35 電極膜
35a 空気極
35b 燃料極
35c 電解質膜
40 ケーシング
41 上面部
42 下面部
43,44 側面部
50 燃料収容室
B1 屈曲部
H11,H12,H41 開口

Claims (13)

  1. 燃料電池に用いられる配線回路基板であって、
    多孔質材料からなる絶縁層と、
    前記絶縁層上に設けられる接着剤層と、
    前記接着剤層上に設けられる導体層とを備え、
    前記導体層および前記接着剤層は、同一または異なるパターンを有することを特徴とする配線回路基板。
  2. 前記導体層および前記接着剤層のパターンは、前記導体層および前記接着剤層が共通の開口を有するように形成されることを特徴とする請求項1記載の配線回路基板。
  3. 前記絶縁層は、一面および他面を有するとともに、互いに隣接する第1の領域および第2の領域を前記一面に有し、
    前記絶縁層は、前記第1の領域と前記第2の領域との間の屈曲部で前記第1の領域と前記第2の領域とが対向するように屈曲可能であり、
    前記導体層は、
    前記絶縁層の前記第1の領域内に形成される第1の導体部と、
    前記絶縁層の前記第2の領域内に形成される第2の導体部とを有することを特徴とする請求項1または2記載の配線回路基板。
  4. 前記導体層の表面を被覆する導電性を有する被覆層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の配線回路基板。
  5. 前記導体層は、第1および第2の主面ならびに側面を有し、
    前記被覆層は、前記導体層の前記第1および第2の主面ならびに前記側面に形成され、
    前記導体層は、前記第1の主面と前記絶縁層との間に前記被覆層が介在するように前記絶縁層上に設けられることを特徴とする請求項4記載の配線回路基板。
  6. 前記接着剤層は、感光性材料からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の配線回路基板。
  7. 配線回路基板と、
    電池要素と、
    前記配線回路基板および前記電池要素を収容する筺体とを備え、
    配線回路基板は、
    多孔質材料からなる絶縁層と、
    前記絶縁層上に設けられる接着剤層と、
    前記接着剤層上に設けられる導体層とを備え、
    前記導体層および前記接着剤層は、同一または異なるパターンを有し、
    前記絶縁層は、一面および他面を有するとともに、互いに隣接する第1の領域および第2の領域を前記一面に有し、
    前記絶縁層は、前記第1の領域と前記第2の領域との間の屈曲部で前記第1の領域と前記第2の領域とが対向するように屈曲可能であり、
    前記導体層は、
    前記絶縁層の前記第1の領域内に形成される第1の導体部と、
    前記絶縁層の前記第2の領域内に形成される第2の導体部とを有し、
    前記配線回路基板の前記絶縁層の前記第1の領域および前記第2の領域が前記一面を内側にして前記屈曲部に沿って屈曲された状態で、前記第1の導体部と前記第2の導体部との間に前記電池要素が配置されることを特徴とする燃料電池。
  8. 燃料電池に用いられる配線回路基板の製造方法であって、
    支持層と導体層との積層構造を有する基材を用意するステップと、
    前記導体層を加工することにより前記支持層の一面上に所定のパターンを有する導体パターンを形成するステップと、
    前記導体パターン上に前記導体層と同一または異なるパターンを有する接着剤層からなる接着剤パターンを形成するステップと、
    前記接着剤パターンを介して前記導体パターン上に多孔質材料からなる絶縁層を接合するステップと、
    前記導体パターンから前記支持層を剥離するステップとを含むことを特徴とする配線回路基板の製造方法。
  9. 前記接着剤層は感光性を有し、
    前記接着剤パターンを形成するステップは、
    前記導体パターンを覆うように前記支持層上に前記接着剤層を形成するステップと、
    前記接着剤層に露光処理および現像処理を行うことにより前記接着剤パターンを形成するステップを含むことを特徴とする請求項8記載の配線回路基板の製造方法。
  10. 燃料電池に用いられる配線回路基板の製造方法であって、
    支持層と導体層との積層構造を有する基材を用意するステップと、
    前記導体層上に前記所定のパターンを有する接着剤層からなる接着剤パターンを形成するステップと、
    前記接着剤パターンをマスクとして用いて前記導体層の露出した領域を除去することにより前記導体パターンを形成するステップと、
    前記接着剤パターンを介して前記導体パターン上に多孔質材料からなる絶縁層を接合するステップと、
    前記導体パターンから前記支持層を剥離するステップとを含むことを特徴とする配線回路基板の製造方法。
  11. 前記接着剤層は、感光性を有し、
    前記導体層上に前記接着剤パターンを形成するステップは、
    前記接着剤層に露光処理および現像処理を行うことにより前記接着剤パターンを形成するステップを含むことを特徴とする請求項10記載の配線回路基板の製造方法。
  12. 燃料電池に用いられる配線回路基板の製造方法であって、
    支持層と導体層との積層構造を有する基材を用意するステップと、
    前記導体層を加工することにより支持層の一面上に前記導体パターンを形成するステップと、
    前記導体パターン上に接着剤層および多孔質材料からなる絶縁層の積層構造を形成するステップと、
    前記導体パターンから前記支持層を剥離するステップと、
    前記支持層を剥離した後、前記導体パターンから露出する前記接着剤層の領域を除去することにより前記所定のパターンを有する接着剤パターンを形成するステップとを含むことを特徴とする配線回路基板の製造方法。
  13. 前記導体パターンから露出する前記接着剤層の領域を除去するステップは、
    プラズマを用いて前記接着剤層の前記領域を除去するステップを含むことを特徴とする請求項12記載の配線回路基板の製造方法。
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