JP2004349013A - 燃料電池スタック - Google Patents

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伸一 有坂
Yasuo Takebe
安男 武部
Yasushi Sugawara
靖 菅原
Yoshihiro Hori
堀  喜博
Eiichi Yasumoto
栄一 安本
Shinya Kosako
慎也 古佐小
Makoto Uchida
誠 内田
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Abstract

【課題】気孔率および厚さが均一なガス拡散層をそのまま用いながら、ガス拡散層中の燃料ガスおよび酸化剤ガスの分圧を均一にすることにより、低コストで優れた発電効率を有する燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】水素イオン伝導性高分子電解質膜、前記電解質膜を挟む触媒層およびガス拡散層を有するアノードおよびカソード、前記アノードに燃料ガスを供給するガス流路と、供給口と、排出口とを有するアノード側セパレータ、および前記カソードに酸化剤ガスを供給するガス流路と、供給口と、排出口とを有するカソード側セパレータを具備した単電池を複数個積層した積層体、ならびに前記積層体を積層方向に圧縮する一対のエンドプレートを含む燃料電池スタックであって、前記アノード側およびカソード側セパレータの供給口側から排出口側にかけて前記アノードおよびカソードのガス拡散層の厚さが連続的に変化している。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポータブル電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステムなどに使用される燃料電池を複数個積層した燃料電池スタックに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素などの燃料ガスおよび空気などの酸化剤ガスを白金などの触媒層およびガス拡散層を有するアノードおよびカソードにおいて電気化学的に反応させて、電気と熱とを同時に発生させるものである。
燃料電池の構造について説明する。
まず、水素イオンを選択的に輸送する水素イオン伝導性高分子電解質膜の両面には、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末および水素イオン伝導性高分子電解質からなる触媒層が配されている。さらに、この触媒層の外面には、例えば、撥水処理を施したカーボンペーパーのような優れた通気性および電子伝導性を有する拡散層が配されている。このような触媒層および拡散層からなる部分により一対の電極が構成され、燃料ガスが供給される側がアノード、酸化剤ガスが供給される側がカソードとなる。
【0003】
次に、燃料を供給する燃料ガスが外部に漏れたり、燃料ガスおよび酸化剤ガスが互いに混合しないように、アノードおよびカソードの周囲には、水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟んでガスシール材およびガスケットが配されている。このシール材およびガスケットは、アノードおよびカソードならびに水素イオン伝導性高分子電解質膜と一体化している。これをMEA(電解質膜・電極接合体)と呼ぶ。MEAの外側には、MEAを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性セパレータ板が配されている。前記セパレータ板のMEAと接触する部分には、アノードおよびカソードの電極に燃料ガスおよび酸化剤ガスの反応ガスを供給し、生成ガスおよび余剰ガスを運び去るためのガス流路が設けられている。ガス流路はセパレータ板と別に設けることもできるが、セパレータの表面に溝を設けてガス流路を形成する方式が一般的である。
【0004】
多くの燃料電池は、上述のような構造の単電池を複数個積層して構成されている。運転時には、燃料電池において電力が発生するとともに発熱が生じる。単電池を積層した燃料電池では、単電池1〜2セル毎に冷却水路等を設けることにより、電池温度を一定に保つと同時に発生した熱エネルギーを温水などの形で利用することができる。
ところで、燃料電池では、発電時に燃料ガスとして含まれる水素および酸化剤ガスとして含まれる酸素が、電気化学反応によって消費される。このため、ガス拡散層内の反応ガスの分圧が、セパレータに設けられた燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれアノードおよびカソードへ供給する供給口に近い部分ほど大きく、燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ外部へ排出する排出口に近いほど小さくなり、不均一となる。
【0005】
このような不具合を抑制するために、例えば、特許文献1では、ガス拡散層として用いられるカーボンペーパーまたはカーボンクロスの気孔率を反応ガスの供給口側より排出口側の方で大きくする技術が開示されている。
また、特許文献2では、セパレータのガス排出口側よりもガス供給口側の方で、アノードおよび/またはカソードのガス拡散層が小さな透過度および/または大きな厚さを有する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−124583号公報
【特許文献2】
特開平11−154523号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来の燃料電池では、ガス拡散層の気孔率および/または厚さを供給口側から排出口側につれて連続的に変えていたため、製造工程が煩雑になり、コストが高くなるという問題が生ずる。
そこで、本発明では、上記の問題を解決するために、気孔率および厚さが均一な従来のガス拡散層をそのまま用いながら、ガス拡散層中の燃料ガスおよび酸化剤ガスの分圧を均一にすることにより、低コストで優れた発電効率を有する燃料電池スタックを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池スタックは、水素イオン伝導性高分子電解質膜、前記電解質膜を挟む触媒層およびガス拡散層を有するアノードおよびカソード、前記アノードに燃料ガスを供給するガス流路と、供給口と、排出口とを有するアノード側セパレータ、および前記カソードに酸化剤ガスを供給するガス流路と、供給口と、排出口とを有するカソード側セパレータを具備した単電池を複数個積層した積層体、ならびに前記積層体を積層方向に圧縮する一対のエンドプレートを含む燃料電池スタックであって、前記アノード側およびカソード側セパレータの供給口側から排出口側にかけて前記アノードおよびカソードのガス拡散層の厚さが連続的に変化していることを特徴とする。
【0009】
前記アノードおよびカソードのガス拡散層の厚さが、それぞれ前記セパレータの供給口側から排出口側にかけて連続的に薄くなっていることが好ましい。
前記セパレータの供給口近傍において前記積層体を積層方向に圧縮する圧力P1に対して、前記セパレータの排出口近傍において前記圧力をP1×(1.1〜5)とすることが好ましい。
【0010】
また、アノード側およびカソード側セパレータの厚さが、前記供給口側の厚さT1に対して、前記排出口側の厚さがT1×(1.1〜5)となるように、前記供給口側から排出口側にかけて連続的に変化しており、前記積層体を圧縮する圧力が、前記セパレータの面において均等であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、燃料電池を構成する一般的なMEAの概略縦断面図を示す。
水素イオン伝導性高分子電解質膜10の両面には、白金系の金属触媒を担持した導電性炭素粒子(カーボンブラックなど)および水素イオン導電性高分子電解質からなる一対の触媒層が備えられている。燃料ガスが供給されるアノード側の触媒層11および酸化剤ガスが供給されるカソード側の触媒層12の外面には、ガス拡散層13および14が備えられている。ガス拡散層13および14は、それぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを透過する優れた通気性、電極反応により生成した電流を取り出すことが可能な優れた導電性および撥水性を有する。これらが一体化してMEA15を構成している。
【0012】
上記のMEA15の両面にセパレータを配して構成した単電池を複数個用いて図2に示すような燃料電池スタックを構成する。図2は、燃料電池スタックの概略斜視図である。
単電池を複数個積層した積層体21の両端には、ガス流路25および冷却水路26を備えたエンドプレート22が配されている。そして、締結ロッド23およびスクリューばね24により積層体21を両側から締め付けることにより積層体21が固定されている。
発電運転時には、積層体21は、電力を発生すると同時に発熱するため、単電池を積層する際に、単電池1〜2セル毎に冷却水路などを設けることにより、電池温度を一定に保つとともに発生した熱エネルギーを温水などの形で利用することができる。
【0013】
本発明に係る燃料電池スタックにおいては、ガス拡散層に気孔率が均一な従来の材料をそのまま用いながら、アノード側およびカソード側セパレータの供給口側から排出口側にかけて前記アノードおよびカソードのガス拡散層の厚さを連続して変化させることにより、ガス拡散層の面内で生じる燃料ガスおよび酸化剤ガスの分圧の不均一を解消するものである。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態を以下に示す。
第1の好ましい実施の形態として、燃料電池スタックを構成する単電池の概略縦断面図を図3に示す。
水素イオン伝導性高分子電解質膜30の両側には、アノード側触媒層31およびカソード側触媒層32が配されている。前記アノード側触媒層31およびカソード側触媒層32の外面には、それぞれ厚さおよび気孔率が均一であるガス拡散層33および34が配されている。さらに、その外側には、アノードに燃料ガスを供給する供給口35aおよび燃料ガスを外部へ排出する排出口35bを備えた厚さが均一であるアノード側セパレータ35、ならびにカソードに酸化剤ガスを供給する供給口36aおよび酸化剤ガスを外部へ排出する排出口36bを備えた厚さが均一であるカソード側セパレータ36が配されている。
【0015】
そして、このような単電池を積層した積層体およびエンドプレートを用いて図2のような燃料電池スタックを構成し、締結ロッドおよびスクリューばねにより積層体の積層方向に垂直な面に対して燃料ガスおよび酸化剤ガス排出口側の圧力が供給口側の圧力よりも大きくなるように積層体が締結されている。なお、燃料ガスの供給口35aおよび酸化剤ガスの供給口36aは対向する位置に設け、また、燃料ガスの排出口35bと酸化剤ガスの排出口36bも対向する位置に設ける。
したがって、ガス拡散層33および34は、積層体に組み込まれる前は、一定の厚さを有するが、積層体に組み込まれた後には、前記締結ロッドおよびスクリューばねによる締結度合いに応じて、供給口35aおよび36a側から排出口35bおよび36b側にかけて連続的に薄くなる。
【0016】
上記のような燃料電池を構成する単電池では、供給口35aおよび36aより燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給されると、供給口35aおよび36a側から排出口35bおよび36b側へ移動するにしたがって、ガス拡散層33および34中の燃料ガスおよび酸化剤ガスは、電気化学反応により消費されるため、その量はしだいに減少する。
【0017】
しかし、前記積層体を積層方向に圧縮する圧力を供給口近傍よりも排出口近傍のほうで大きくすることによって、アノード側およびカソード側のガス拡散層中の燃料ガスおよび酸化剤ガスの分圧の不均一を解消できる。
このとき、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給口近傍において前記積層体を積層方向に圧縮する圧力をP1とすると、燃料ガスおよび酸化剤ガスの排出口近傍において前記積層体を積層方向に圧縮する圧力は、P1×(1.1〜5)が好ましい。
【0018】
第2の好ましい実施の形態として、燃料電池スタックを構成する単電池の概略縦断面図を図4に示す。
水素イオン伝導性高分子電解質膜40の両側には、アノード側触媒層41およびカソード側触媒層42が配されている。前記アノード側触媒層41およびカソード側触媒層42の外面には、それぞれ厚さおよび気孔率が均一であるガス拡散層43および44が配されている。さらに、その外側には、アノードに燃料ガスを供給する供給口45aおよび燃料ガスを外部へ排出する排出口45bを備えたアノード側セパレータ45ならびにカソードに酸化剤ガスを供給する供給口46aおよび酸化剤ガスを外部へ排出する排出口46bを備えたカソード側セパレータ46が配されている。そして、前記セパレータ45および46は、それぞれ供給口45aおよび46a側から排出口45bおよび46b側にかけてセパレータ45および46の厚さが連続的に厚くなっている。
【0019】
そして、このような単電池を積層した積層体およびエンドプレートを用いて図2のような燃料電池スタックを構成し、締結ロッドおよびスクリューばねにより、積層体の積層方向に垂直な面に対して圧力が均一にかかるように積層体が締結されている。
したがって、ガス拡散層43および44は、積層体に組み込まれる前は、一定の厚さを有するが、積層体に組み込まれた後には、前記セパレータ45および46の形状に応じて、供給口45aおよび46a側から排出口45bおよび46b側にかけて連続的に薄くなる。
【0020】
上記のような燃料電池スタックを構成する単電池では、供給口45aおよび46aより燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給されると、供給口45aおよび46a側から排出口45bおよび46b側へ移動するにしたがって、ガス拡散層43および44中の燃料ガスおよび酸化剤ガスは、電気化学反応により消費されるため、その量はしだいに減少する。
【0021】
しかし、前記積層体を積層方向に圧縮する圧力を前記積層方向に対して垂直な面において均一とし、セパレータ45および46の供給口45aおよび46a側から排出口45bおよび46b側につれて、セパレータ45および46の厚さを連続的に厚くすることによって、アノード側およびカソード側のガス拡散層中の燃料ガスおよび酸化剤ガスの分圧の不均一を解消することができる。
【0022】
このとき、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給口側におけるセパレータの厚さをT1とすると、燃料ガスおよび酸化剤ガスの排出口側におけるセパレータの厚さは、T1×(1.1〜5)が好ましい。例えば、厚さが400μmであるガス拡散層を燃料ガスおよび酸化剤ガスの排出口付近で100μmまで薄くする場合は、供給口側におけるセパレータの厚さを1mmとすると、排出口側におけるセパレータの厚さは1.3mmが好ましい。
【0023】
また、セパレータの厚みを変える方法として、上記のように積層体を構成するすべてのセパレータの厚みを連続的に変えた図4に示すような構成以外に、一部のセパレータの厚みを連続的に変える構成としても構わない。
第3の好ましい実施の形態として、積層体を構成するセパレータのうち一部のセパレータの厚みを連続的に変化させた一例を図5に示す。図5は、カソード側のセパレータ56の厚みを均一とし、アノード側のセパレータ55の厚みを連続的に変化させた燃料電池スタックを構成する単電池の概略縦断面図である。
【0024】
水素イオン伝導性高分子電解質膜50の両側には、アノード側触媒層51およびカソード側触媒層52が配されている。前記アノード側触媒層51およびカソード側触媒層52の外面には、それぞれ厚さおよび気孔率が均一であるガス拡散層53および54が配されている。さらに、その外側には、アノードに燃料ガスを供給する供給口55aおよび燃料ガスを外部へ排出する排出口55bを備えたアノード側セパレータ55ならびにカソードに酸化剤ガスを供給する供給口56aおよび酸化剤ガスを外部へ排出する排出口56bを備えたカソード側セパレータ56が配されている。そして、カソード側セパレータ56はセパレータの厚みが均一であるが、アノード側セパレータ55は燃料ガス供給口55a側から排出口55b側にかけて、セパレータの厚みが連続的に厚くなっている。
【0025】
そして、このような単電池を積層した積層体およびエンドプレートを用いて図2のような燃料電池スタックを構成し、締結ロッドおよびスクリューばねにより、積層体の積層方向に垂直な面に対して圧力が均一にかかるように積層体が締結されている。
したがって、ガス拡散層53および54は、積層体に組み込まれる前は、一定の厚さを有するが、積層体に組み込まれた後には、前記セパレータ55の形状に応じて、供給口55aおよび56a側から排出口55bおよび56b側にかけて連続的に薄くなる。
このような構成としても、第2の好ましい実施の形態と同様の効果が得られる。
【0026】
また本発明は、ガス拡散層において燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給口側から排出口側にかけてガスの流速が一定となることから、生成水の凝縮によるガス透過阻害を防止するという効果もある。
【0027】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に説明する。
《実施例1》
【0028】
(i)ガス拡散層の作製
ガス拡散層の基材である外寸16cm×20cmおよび厚さ360μmのカーボンペーパー(東レ(株)製、TGP−H−120)をフッ素樹脂を含有した水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製、ネフロンND1)中に含浸した後、これを乾燥し、380℃で30分間加熱することによりカーボンペーパーに撥水性を付与した。次に、導電性カーボン粉末であるデンカブラック(電気化学工業(株)製)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微粉末の水性ディスパージョンとを混合して、乾燥重量でPTFEを25重量%および導電性カーボンを75重量%含む撥水インクを得た。そして、スクリーン印刷法により、この撥水インクをカーボンペーパーの片面に塗布して撥水層を形成し、ガス拡散層とした。このとき、撥水層の一部は、カーボンペーパー中に埋め込まれた。このとき、得られたガス拡散層の厚さは、400μmであった。
【0029】
(ii)触媒層の形成
平均一次粒子径30nmの導電性カーボン粒子であるケッチェンブラックEC(オランダ国、AKZO Chemie社製)に、平均粒子径30Åの白金粒子を担持してカソード側の触媒粉末(白金は50重量%)を得た。また、上述と同様のケッチェンブラックECに、平均粒子径約30Åの白金粒子およびルテニウム粒子を担持してアノード側の触媒粉末(白金およびルテニウムはそれぞれ30重量%)を得た。
【0030】
そして、上記アノードおよびカソード側の触媒粉末を、それぞれ9重量%のFSS溶液(旭硝子(株)製)と混合し、触媒ペーストを得た。このとき、触媒粉末およびパーフルオロスルホン酸ポリマーの混合重量比は、2:1とした。
【0031】
次に、外寸20cm×32cmの水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製、ナフィオン112)の片面に、カソード側触媒ペーストをスクリーン印刷法により塗布してカソード側触媒層を形成した。窒素雰囲気中で乾燥後、水素イオン伝導性高分子電解質膜のもう一方の面に、ポリプロピレンシート上に形成したアノード側触媒層をホットプレス(135℃、10min)して接合することによりアノード側触媒層を形成した。このとき、カソード側では、触媒層に含まれる白金量が0.5mg/cm、触媒層の平均厚さが20μmとなるように触媒層を調製した。また、アノード側では、触媒層に含まれる白金量が0.3mg/cm、触媒層の平均厚さが15μmとなるように触媒層を調製した。
【0032】
(iii)単電池の作製
次に、触媒層を形成した水素イオン伝導性高分子電解質膜に、上記で得られたガス拡散層を、その撥水層を塗布した面が触媒層に接するようにホットプレスにより接合してMEAを作製した。このとき、作製したMEAの水素イオン伝導性高分子電解質膜の外周部にゴム製のガスケット板を接合し、冷却水、燃料ガスおよび酸化剤ガスが通るためのマニホールド穴を形成した。
次に、外寸が20cm×32cm、厚さが1.3mm、ガス流路および冷却水路の深さが0.5mmの樹脂含浸黒鉛板からなるセパレータ2枚を用い、MEAシートの片面に酸化剤ガス流路が形成されたカソード側セパレータを、もう一方の面に燃料ガス流路が形成されたアノード側セパレータを重ね合わせ、単電池を作製した。
【0033】
(iv)燃料電池スタックの作製
上記で得られた単電池を2セル積層した後、冷却水路溝を有するセパレータでこの2セルの電池を挟み込む工程を繰り返し、100セルを積層した積層体を作製した。そして、この積層体の両端部にステンレス製の集電板および電気絶縁性の絶縁板を含むエンドプレートを配し、締結ロッドおよびスクリューばねを用いて積層体を固定し、燃料電池スタックAを得た。このときの締結圧は酸化剤ガスおよび燃料ガスの供給口付近をセパレータの単位面積当り1470kPa、排出口付近をセパレータの単位面積当り1950kPaとした。
このとき、電池スタックAとして積層体に組み込まれた単電池は、図3に示すような構成となり、積層体にかかる供給口35aおよび36a側ならびに排出口35bおよび36b側における圧力の差の影響を受けて、供給口35aおよび36a側から排出口35bおよび36b側にかけてガス拡散層33および34の厚さが連続的に薄くなった。
【0034】
《実施例2》
酸化剤ガスおよび燃料ガスそれぞれの供給口付近の厚さを1.3mm、排出口付近の厚さを2mmとし、さらに供給口側から排出口側にかけて連続的に厚さを変化させたセパレータを用いた以外は、実施例1と同様の方法により単電池を作製した。そして、この単電池を実施例1と同様の方法で積層し、積層体を得た。積層体を積層方向に圧縮する圧力を均一にセパレータの単位面積当り1470kPaとした以外は、実施例1と同様の方法により電池スタックBを得た。
このとき、電池スタックBとして積層体に組み込まれた後の単電池は、図4に示すような構成となり、セパレータ45および46の形状に応じて供給口45aおよび46a側から排出口45bおよび46b側にかけて、ガス拡散層43および44の厚さが連続的に薄くなった。
【0035】
《比較例》
積層体を積層方向に圧縮する圧力を均一にセパレータの単位面積当り1470kPaとした以外は、実施例1と同様の方法により電池スタックCを得た。
【0036】
[評価]
上記で得られた燃料電池スタックA、BおよびCに対して、それぞれ水素ガス供給設備、空気供給設備および加湿器を組み合わせて燃料電池システムA、BおよびCを構成した。
燃料電池システムA、BおよびCの燃料電池をそれぞれ75℃に保持した。そして、アノード側に供給する燃料ガスとして水素ガスを露点70℃で加湿・加温したものを、カソード側に供給する酸化剤ガスとして空気を露点60℃で加湿・加温したものをそれぞれ燃料電池A、BおよびCに供給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時において、燃料電池A、BおよびCは、それぞれ98Vの電池開放電圧を得た。
【0037】
また、これらの燃料電池を燃料利用率80%、酸素利用率40%、および電流密度300mA/cmの条件で放電した。図6に燃料電池A、BおよびCのセル電圧の経時変化を示す。
その結果、長時間運転して燃料電池AおよびBでは、セル電圧の低下はほとんど見られなかったが、燃料電池Cでは、セル電圧は1000時間で25mVずつ低下した。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、気孔率および厚さが均一なガス拡散層をそのまま用いながら、ガス拡散層中の燃料ガスおよび酸化剤ガスの分圧を均一にすることにより、低コストで優れた発電効率を有する燃料電池スタックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なMEAの構造を示す概略縦断面図である。
【図2】一般的な燃料電池スタックの概略斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態である単電池の概略縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態である単電池の概略縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態である単電池の概略縦断面図である。
【図6】本発明の実施例1および2および比較例の放電時におけるセル電圧の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
10、30、40、50 水素イオン伝導性高分子電解質膜
11、31、41、51 アノード側触媒層
12、32、42、52 カソード側触媒層
13、14、33、34、43、44、53、54 ガス拡散層
15 MEA
21 積層体
22 エンドプレート
23 締結ロッド
24 スクリューばね
25 ガス流路
26 冷却水流路
35、45、55 アノード側セパレータ
36、46、56 カソード側セパレータ
35a、36a、45a、46a、55a、56a 供給口
35b、36b、45b、46b、55b、56b 排出口

Claims (4)

  1. 水素イオン伝導性高分子電解質膜、前記電解質膜を挟む触媒層およびガス拡散層を有するアノードおよびカソード、前記アノードに燃料ガスを供給するガス流路と、供給口と、排出口とを有するアノード側セパレータ、および前記カソードに酸化剤ガスを供給するガス流路と、供給口と、排出口とを有するカソード側セパレータを具備した単電池を複数個積層した積層体、ならびに前記積層体を積層方向に圧縮する一対のエンドプレートを含む燃料電池スタックであって、
    前記アノード側およびカソード側セパレータの供給口側から排出口側にかけて前記アノードおよびカソードのガス拡散層の厚さが連続的に変化していることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 前記アノードおよびカソードのガス拡散層の厚さが、それぞれ前記セパレータの供給口側から排出口側にかけて連続的に薄くなっていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池スタック。
  3. 前記セパレータの供給口近傍において前記積層体を積層方向に圧縮する圧力P1に対して、前記セパレータの排出口近傍において前記圧力をP1×(1.1〜5)とすることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池スタック。
  4. アノード側およびカソード側セパレータの厚さが、前記供給口側の厚さT1に対して、前記排出口側の厚さがT1×(1.1〜5)となるように、前記供給口側から排出口側にかけて連続的に変化しており、前記積層体を圧縮する圧力が、前記セパレータの面において均等であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池スタック。
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