JP2009206076A - 燃料電池セルおよび燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料ガスが導入される側に、少なくともアノードガス拡散層とアノード室流路とを備え、
前記アノード室流路の前記燃料ガスが導入される上流側に燃料ガスの供給口を備えた供給流路が接続され、下流側に燃料ガスの排出口を備えた排出流路が接続されてなる燃料流路を有する燃料電池セルであって、
前記燃料流路の流路内における前記排出流路側には、流量制限手段が前記アノードガス拡散層と接して設けられ、
前記流量制限手段によって、該流量制限手段が設置された個所から前記燃料流路の上流側と下流側とに差圧を発生させる構成を有する。
【選択図】 図1
Description
電極は、白金あるいは白金族金属触媒を含む触媒層および触媒層の外面に形成されたガス供給と集電を担うガス拡散層から構成される。
一対の電極および固体高分子電解質膜を一体化させたものは膜電極接合体(Membrane−Electrode Assembly ; MEA)とよばれ、一方の電極に燃料(水素)を、他方に酸化剤(酸素)を供給することで発電が行われる。
そのため、より高い起電圧を必要とする場合には、複数の燃料電池セルを積層し、各燃料電池セルを電気的に直列に接続して使用される。このような構造は燃料電池スタックと呼ばれる。
本件において、「燃料電池」と記した場合、燃料電池セル、及び燃料電池スタックを共に含むものとする。
そのため、各燃料電池セルの温度条件や各燃料電池セルへの燃料や酸化剤の供給が均一になるように設計、制御する必要がある。
一般的に、燃料電池スタックの燃料流路および酸化剤流路は各燃料電池セルに並列に形成されており、燃料および酸化剤が各燃料電池セルへ並列に分配される。このような燃料電池において、特許文献1では、3次元網目構造の多孔質体からなる整流部材を燃料電池スタックのガス出入り口に設置し、各燃料電池セルへ燃料や酸化剤を均一に供給する技術が開示されている。
デッドエンド型の燃料電池においては、システムの小型化および燃料の利用効率向上を実現できる一方で、窒素や水蒸気などの不純物ガスの滞留により燃料電池の性能が低下するという問題がある。
そこで、各燃料電池セル内に不純物ガスを滞留させないように、燃料電池スタック下流で燃料をわずかに定常的に流す構成が考えられてきた。
また、特許文献2では、このようなデッドエンド型の燃料電池において、燃料電池内の水素の消費量に応じて排気バルブを開閉することで、排出される未反応水素量を減少させながら不純物ガスを排出する燃料電池システムが開示されている。
一方、特許文献3では、燃料電池スタックの供給側流路、発電部に相当する支流路、排出側流路の各流路抵抗を設計することにより、燃料ガスの均一な供給および効率的な不純物ガスの排出を実現する燃料電池装置が開示されている。
これは、各燃料電池セルの流路抵抗がそれぞれの燃料電池セル内で不均一であることや、各燃料電池セル間でばらつきを持つこと、発電で燃料が消費されることにより発電部で圧力損失が発生する等の問題により、下流からの逆流や滞留が発生するためである。
また、特許文献2に記載の燃料電池システムは、排気バルブの開閉により、低下した性能を一時的に回復させる手段であり、不純物ガスの滞留そのものを抑制することはできない。
さらに、上記した各燃料電池セルの流路抵抗の不均一性により、不純物ガスの滞留が特定の燃料電池セルで起こり、著しく性能を低下させるという問題を生じる。
これは、燃料電池スタックの排出流路からの不純物ガスを含む燃料ガスの逆流が特定の燃料電池セルに集中するためと考えられている。
そのため、排気バルブを頻繁に開閉して不純物ガスを含む燃料を排出する必要があり、水素の利用効率が低くなるという問題があった。
特許文献3に記載の燃料電池装置は、燃料ガスの均一な供給および効率的な不純物ガスの排出を実現できるが、各燃料電池セル間の流路抵抗ばらつきが大きい場合や、発電により発生する水による流路抵抗の変化などに対する対策が十分でないといった問題があった。特に、長時間の発電により燃料流路内で結露が発生し、水滴によって流路が閉塞することに対する対策は十分とはいえない。そのため、各燃料電池セル間の流路抵抗ばらつきや長時間の発電により発生する水による流路の閉塞に対する対策が求められていた。
更に、本発明は、長時間の発電により発生する水による流路の閉塞を抑制することのできる燃料電池セルおよび燃料電池スタックを提供することを目的とするものである。
本発明の燃料電池セルは、燃料ガスが導入される側に、少なくともアノードガス拡散層とアノード室流路とを備え、
前記アノード室流路の前記燃料ガスが導入される上流側に燃料ガスの供給口を備えた供給流路が接続され、下流側に燃料ガスの排出口を備えた排出流路が接続されてなる燃料流路を有する燃料電池セルであって、
前記燃料流路の流路内における前記排出流路側には、第一の流量制限手段が前記アノードガス拡散層に接して配置され、
前記第一の流量制限手段によって、該第一の流量制限手段が設置された個所から前記燃料流路の上流側と下流側とに差圧を発生させることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記第一の流量制限手段が、前記アノードガス拡散層に接して配置されていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記第一の流量制限手段により制限される流量は、少なくとも前記アノード室流路に侵入する窒素を含む不純物ガスの侵入流量よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、発電していない場合において、前記第一の流量制限手段により生じる燃料ガスの差圧は、少なくとも前記アノード室流路内において発電により発生する圧力損失よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記第一の流量制限手段は、多孔質体で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記アノード室流路が、前記アノードガス拡散層で満たされていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記排出口の下流に、該排出口から排出された燃料ガスの排出量を抑制する第二の流量制限手段を有することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記排出口の下流に、該排出口から排出された燃料ガスを消費する燃料ガス消費手段を有することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記排出口と前記燃料ガス消費手段の間に、該排出口から排出された燃料ガスの排出量を抑制する第二の流量制限手段を有することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックは、
燃料電池セルが複数積層され、前記複数の燃料電池セルの各アノード室流路の燃料ガスが導入される上流側に燃料ガスの供給口を備えた供給流路が接続され、下流側に前記燃料ガスの排出口を備えた排出流路が接続されてなる燃料流路を有する燃料電池スタックであって、
前記燃料電池スタックにおける前記複数の燃料電池セルが、上記したいずれかに記載の燃料電池セルによって構成されていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池スタックは、前記排出口の下流に、該排出口から排出された燃料ガスの排出量を抑制する第二の流量制限手段を有することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池スタックは、前記排出口の下流に、該排出口から排出された燃料ガスを消費する燃料ガス消費手段を有することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池スタックは、前記排出口と前記燃料ガス消費手段の間に、該排出口から排出された燃料ガスの排出量を抑制する第二の流量制限手段を有することを特徴とする。
これにより、燃料電池の供給流路から発電部を含むアノード室流路まで均一に燃料を供給することが可能になり、同時に排出流路から不純物ガスを含む燃料ガスの逆流を防止することができる。
さらに、流量制限手段をアノードガス拡散層に接して配置することにより、燃料電池の発電反応に伴って生じアノード室流路内に拡散した水分が、結露することによる流路の閉塞を防ぐことができる。
アノード室流路と流量制限手段の間での流路の閉塞は、アノード室流路内に侵入してくる不純物ガスの排出を阻害するため、燃料電池性能の低下につながる。
流量制限手段をアノードガス拡散層に接して配置することで、流量制限手段を発電部と同等の、もしくは近い温度条件下に設置することが可能となり、結露を防止することができる。その結果、燃料電池を安定的に駆動することができる。
さらに、アノード室流路と前記第一の流量制限手段の間の流路が結露により閉塞することがないため、燃料電池を安定的に駆動させることができる。
また、各燃料電池セルのアノードガス拡散層に接して前記第一の流量制限手段を設置した燃料電池スタックにおいて、その排出流路下流に第二の流量制限手段としてニードルバルブのような流量調整機構を有する構成とすることもできる。
このような構成を採ることで、流量調整機構にて流量を絞ることで、燃料の利用効率を向上することができる。
また、各燃料電池セルのアノードガス拡散層に接して流量制限部材を設置した燃料電池スタックの排出流路下流においては、別途流量制限手段を持たない構成とすることもできる。
アノードガス拡散層と接して配置された流量制限部材により各燃料電池セルへのガス逆流が防止できるため、例えば燃料電池スタックの排出口を大気に開放してもスタック性能へ影響を与えることはない。
下流側に燃料ガスの排出流路が接続されてなる燃料流路を有する燃料電池セルおよび燃料電池スタックの各実施形態について、図面を参照して更に詳細に説明する。
本実施形態においては、燃料電池の燃料流路内において流量制限手段を構成する流量制限部材をアノードガス拡散層の側面に隣接して配置した構成例について説明する。
図1に、本実施形態の燃料電池単セルの構成例を説明する断面模式図を示す。
図2は図1の流量制限部材周辺の拡大図、図3は本実施形態の燃料電池単セルが複数積層されてなる燃料電池スタックの構成を説明する断面模式図である。
図1および図2中、1は燃料電池単セル、2は膜電極接合体、3はアノードガス拡散層、4はカソードガス拡散層、5は酸化剤供給層である。
6はアノード集電体、7はカソード集電体、8は絶縁板、9はエンドプレート、10は供給流路、11はアノード室流路、12は排出流路、13は第一の流量制限手段を構成する流量制限部材、14は供給口、15は排出口である。
また、図3中、16は燃料電池スタックである。
燃料電池単セル1には、膜電極接合体2が中心に配置され、両面にそれぞれアノードガス拡散層3、カソードガス拡散層4が配置される。
膜電極接合体2は、周知のように、固体高分子電解質膜の両面に触媒層を含む電極を形成したものである。
固体高分子電解質膜には、一般にパーフルオロスルホン酸系のプロトン交換樹脂膜などが用いられるが、本発明は固体高分子電解質膜の種類によらず実施することができる。
固体高分子電解質膜の両面に形成される触媒層は、通常燃料電池反応を促進する触媒とプロトン導電性を有する電解質からなり、必要に応じて触媒担体や疎水剤、親水剤などを含む。
一般に用いられる触媒としては、白金や白金合金の微粒子、白金担持カーボンなどが知られているが、本発明はこれらの触媒の種類に限られることなく実施することができる。
すなわち、電極反応を効率良く行わせるために燃料や酸化剤を触媒の反応領域へ均一かつ充分に供給し、電極反応によって生じる電荷をセル外部に取り出す機能を有している。
一般に、ガス拡散層は多孔質カーボン材料が用いられ、本発明においてもこれら一般的な材料を用いることができる。
酸化剤供給層5としては、発泡金属や多孔質カーボン構造体、金属メッシュ、酸化剤供給用の溝を有する導電体板などが例示できる。
図1では、カソード側にのみ供給層が配置された燃料電池を例示しているが、アノードガス拡散層3外側に同様の機能を有する燃料供給層を配置する構成でも良い。
本実施形態においては、アノードガス拡散層3がガス拡散層としての機能と燃料供給層としての機能を兼ねている。
したがって、アノード集電体6およびカソード集電体7は、それぞれアノードガス拡散層3および酸化剤供給層5に接触して配置され、外部へ出力を取り出すための端子を有する。
絶縁板8は、例えば樹脂などで形成することができる。エンドプレート9は、燃料電池および燃料電池スタックに対して均一に締結圧を伝達する機能を有する。エンドプレート9は、剛性材料、例えばSUSなどで形成することができる。
本実施形態において、一対のエンドプレート9の一方に燃料ガスの供給口14および排出口15を有する構成例が示されているが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
この流量制限部材13は、燃料流に対してガス流路抵抗を与える機能を有している。
そのため、供給流路10から供給された燃料がアノード室流路11に長く留まり、アノード室流路11内に均一に燃料を供給することが可能となる。
図3に示すように、このような流量制限部材13を備えた燃料電池セルを複数積層されて構成された燃料電池スタック16においては、各燃料電池セルの流路抵抗がセル間でばらつきを持つ場合であっても、燃料を各燃料電池セルへ均一に供給することができる。
また、流量制限部材13は、燃料電池セルおよび燃料電池スタックにおける排出流路12内に存在する不純物ガスを含む燃料ガス(排出口15から逆流する大気中の空気を含む)が、アノード室流路11へ逆流するのを防ぐ機能を有している。
最も逆流が発生しやすい状況としては、燃料電池の発電開始直後が挙げられる。
発電を開始することによって、アノード室流路11内に充填された燃料ガスが消費されることでアノード室流路11内の燃料ガスの圧力が低下し、排出流路12を含むアノード室流路11よりも下流からガスの逆流が発生する。
逆流するガスに含まれる不純物ガスの濃度が大きいほど、燃料電池性能に大きく影響を与える。
また、アノード室流路11内の圧力低下量は消費される燃料ガスの量に依存し、発電量が大きいほど圧力低下が大きい。
このような不純物ガスを含む燃料ガスの逆流を防ぐために、燃料流路の流路内における前記排出流路側に流量制限手段を配置することで、アノード室流路11内への逆流を防止することができる。
アノード室流路11内への逆流を防止するための流量制限手段の流路抵抗の下限値は、発電により発生するアノード室流路11内の圧力損失の大きさにより決定される。発電していない場合において、流量制限手段により生じる燃料ガスの差圧は、少なくとも前記アノード室流路内において発電により発生する圧力損失よりも大きいことを特徴とする。
このときの発電電流は、燃料電池が発電しうる最大の電流量を想定して設計されることが好ましい。
このように、流量制限手段により発生する差圧を設計することにより、最も逆流が発生しやすい状況である燃料電池の発電開始直後であっても、アノード室流路11内への逆流を防止することができる。
また、この流量制限部材13は、上記の図3に示す燃料電池スタック16を構成した際に、排出流路12から不純物ガスを含む燃料ガスがある特定のセルのアノード室流路11へ逆流するのを防ぐ機能も有している。
アノード室流路11へ侵入する不純物ガスは、主に膜電極接合体2を透過してアノード室流路11へ侵入する。
その透過速度は、固体高分子電解質膜の種類や温度、湿度、分圧などにより大きく変動するが、アノード室流路11内へ侵入した不純物ガスは燃料電池性能へ影響を与えるため速やかに排出流路12へ排出する必要がある。
そのため、流量制限部材13からなる第一の流量制限手段により制限される流量は、少なくともアノード室流路11に侵入する窒素を含む不純物ガスの侵入流量よりも大きい流量に設計することが好ましい。
つまり、流量制限手段による流路抵抗の上限値は、不純物ガスの侵入流量により決定されることになる。このように設計することにより、アノード室流路11内に不純物ガスが対流することなく、燃料電池セル1を安定に発電させることができる。
図2においては、流量制限部材13は排出流路12に達するまでの領域全てに形成されているが、上記機能を満たす限度内において排出流路12に達するまでの領域の一部にのみ形成するようにしても良い。
流量制限部材13とアノードガス拡散層3が離れた位置に配置された場合、流量制限部材13より上流で水の結露により流路が閉塞してしまう可能性がある。
その結果、アノード室流路11から不純物ガスの排出が滞ることにより、燃料電池性能の低下が発生する。
アノードガス拡散層3の側面に隣接して設置することにより、燃料電池発電部の温度とほぼ同じ温度条件に流量制限部材13が置かれるため、結露しにくくなる。
同時に、流量制限部材13がアノードガス拡散層3の側面に隣接していることにより、流路が完全に閉塞されることが無く、流量制限部材13を通過するフローを保つことができる。
多孔質体としては、上述のような範囲の流路抵抗(流量制限)を実現することができる多孔質体であればどのような材料でも使用することができる。
流量制限部材13のサイズや、構成する部材の開口率、開口径等の、流路抵抗を規定するパラメータは、前記範囲内の求められる流路抵抗に応じて設計されるべきものである。
流量制限部材13として用いられる多孔質体としては、化学的・機械的安定性が高いといった特徴から多孔質PTFE製のフィルターなどを用いることができる。
また、微粒子とバインダーを混合して多孔質体を形成することもできる。微粒子とバインダーの混合により形成される多孔質体は、微粒子サイズやディスパージョン濃度などにより、多孔質体の細孔径や細孔分布などを制御することが可能であるため、所望の流路抵抗を実現できる。
バインダーとしては、化学的安定性が高いことからPTFEディスパージョンなどが例示できる。微粒子としては、カーボン、白金担持カーボン、白金黒などの化学的安定性が高い微粒子や水素吸蔵材料などの機能性微粒子を用いることができる。
例えば、微粒子として白金担持カーボンや白金黒を用いることで流量制限部材13に触媒能を与え、流量制限手段の機能に加えて、燃料を外気へ安全に放出するための燃焼器としての機能を付与することができる。
また、水素吸蔵材料など機能性微粒子を用いることで、水素に触れると体積が変化したり、水分に触れると体積が変化したりすることで流量制限手段の流路抵抗を制御することも可能となる。
実施形態2においては、実施形態1のように流量制限部材13を、アノードガス拡散層3の側面と隣接して配置するのではなく、背面に接して設置した構成例について説明する。
図4に、本実施形態の燃料電池単セルにおける構成例を説明する流量制限部材の周辺を拡大した断面模式図を示す。
流量制限部材13は、アノード室流路11内のアノードガス拡散層3に少なくとも一部が接しており、かつ排出流路12側に配置されていればよい。
本実施形態では、図4に示すように流量制限部材13はアノードガス拡散層3の背面に配置した構成が採られている。
これにより、流量制限部材13としてシート状やフィルム状といった形状の材質を用いることができるため、流量制限部材13として用いる材質の選択肢が広がる。
例えば、PTFE製フィルターや親水性PTFE製フィルター、セルロース混合エステル製フィルターなどが挙げられる。
また、セル形状や流路形状の自由度が向上するため、燃料電池の小型化や製造プロセスの簡易化などが可能となる。
実施形態3においては、実施形態1の流量制限部材13をアノードガス拡散層3のアノード室流路下流側の一部を改変することにより構成した例について説明する。
図5に、本実施形態の燃料電池単セルにおける構成例を説明する流量制限部材の周辺を拡大した断面模式図を示す。
実施形態1および実施形態2においては、流量制限部材13はアノードガス拡散層3とは別途設置された部材から構成されているのに対して、本実施形態ではアノードガス拡散層3の一部が流量制限部材13を構成するようにした点に特徴を有している。
ガス透過性の高いアノードガス拡散層3における燃料流路下流側の一部のガス透過性を下げることで、上記の構成を達成することができる。
アノードガス拡散層3のガス透過性を下げる手段としては、例えば、ガス拡散層を圧縮する手段や、ガス拡散層内に充填剤などを充填する手段、もしくは前記充填手段と前記圧縮手段を併用する手段、などを挙げることができる。
実施形態4においては、実施形態1から実施形態3に示した流量制限部材13を備えた燃料電池を複数積層して構成した燃料電池スタックの構成例について説明する。
図6に、本実施形態の燃料電池スタックの構成例を説明する断面模式図を示す。
各アノード室流路11に設けられた流量制限部材13により排出流路12からの逆流を抑止できるため、例えば排出口15は大気開放でも良い。
供給される燃料の利用効率や安全性の観点から、流量制限部材13にて燃料流量を大幅に絞る構成が好ましい。
電子機器への組み込みの際の位置自由度を高めるために、排出口より下流には燃料希釈器や、白金等の触媒を設けて排出ガスに含まれる燃料と大気中の酸素を徐々に反応させる燃焼器などの手段を用いて燃料を消費する機構を設けても良い。
実施形態5においては、実施形態1から実施形態3に示した流量制限部材13を有する燃料電池を複数積層してなる燃料電池スタック16において、排出口15より下流に第二の流量制限手段を構成する流量調整機構が設置された構成例について説明する。
図7に、本実施形態の燃料電池スタックの構成例を説明する断面模式図を示す。
流量調整機構17は、燃料電池スタック16から排出される不純物ガスを含む燃料ガスの排出量を抑える機能を有している。
このような流量調整機構17は、例えば、上記不純物ガスを含む燃料ガスの排出量を制御する制御弁によって構成することができる。
流量調整機構17を通過するガスの流量は、膜電極接合体2を透過してアノード室流路11に入りこむ不純物ガスの量に合わせて定められる。
このような構成を取ることにより、燃料電池スタック16に供給される燃料の利用効率を高めながら、不純物ガス蓄積を防ぐことが出来る。
また、流量調整機構17よりも下流には、前記の燃料希釈器や燃焼器などの手段を用いて燃料ガスを消費する機構を設けても良い。
排出口15と燃料消費手段の間に流量調整機構17を設けることによって、燃料ガス消費手段に応じて燃料流量を制御する。
これにより、燃料電池の供給流路から発電部を含むアノード室流路まで均一に燃料を供給することが可能になり、同時に排出流路から不純物ガスを含む燃料ガスの逆流を防止することができる。
さらに、流量制限手段をアノードガス拡散層に接して配置することにより、燃料電池の発電反応に伴って生じアノード室流路内に拡散した水分が、結露することによる流路の閉塞を防ぐことができる。
アノード室流路と流量制限手段の間での流路の閉塞は、アノード室流路内に侵入してくる不純物ガスの排出を阻害するため、燃料電池性能の低下につながる。
流量制限手段をアノードガス拡散層に接して配置することで、流量制限手段を発電部と同等の、もしくは近い温度条件下に設置することが可能となり、結露を防止することができる。その結果、燃料電池を安定的に駆動することが出来る。
燃料電池および燃料電池スタックの各燃料電池セルへ燃料を均一に供給し、下流からの不純物ガスの逆流や滞留などを防ぐことができる。
さらに、アノード室流路と前記第一の流量制限手段の間の流路が結露により閉塞することがないため、燃料電池を安定的に駆動させることができる。
また、各燃料電池セルのアノードガス拡散層に接して前記第一の流量制限手段を設置した燃料電池スタックにおいて、実施形態5のようにその排出流路下流に第二の流量制限手段としてニードルバルブのような流量調整機構を有する構成とすることもできる。
この構成では、流量調整機構にて流量を絞ることで、燃料の利用効率を向上することができる。
また、各燃料電池セルのアノードガス拡散層に接して流量制限部材を設置した燃料電池スタックの排出流路下流においては、別途流量制限手段を持たない構成とすることもできる。
アノードガス拡散層と接して配置された流量制限部材により各燃料電池セルへのガス逆流が防止できるため、例えば燃料電池スタックの排出口を大気に開放してもスタック性能へ影響を与えることはない。
[実施例1]
実施例1においては、図1に示した流量制限部材13にPTFEフィルターを用いて、アノードガス拡散層に接して配置した燃料電池の構成例について説明する。
本実施例では、膜電極接合体を次のような工程により作製したものを用いた。
固体高分子電解質膜として、Nafion膜(ナフィオン(登録商標)デュポン社製、NRE−212 CS)を用いた。
また、触媒層として、白金酸化物からなる樹枝状構造体を適切な還元処理を行うことで得られる白金樹枝状構造体を含む触媒層を用いた。
白金酸化物からなる樹枝状構造体を形成する基材として、PTFEシート(日東電工社製、ニトフロン(登録商標))を用い、反応性スパッタ法により、触媒前駆体である白金酸化物からなる樹枝状構造体を2μmの厚さで形成した。
このときのPt担持量は0.68mg/cm2であった。
なお、Pt担持量は蛍光X線分析により測定した。反応性スパッタは、全圧4Pa、酸素流量比(QO2/(QAr+QO2))70%、基板温度25℃、投入パワー4.9W/cm2の条件にて行った。
得られた白金酸化物からなる樹枝状構造体に適切な疎水化処理を施した後に、プロトン導電性電解質の塗布を行った。
プロトン導電性電解質は5wt.%Nafion溶液(ナフィオン(登録商標)和光純薬工業社製)をイソプロピルアルコール(和光純薬工業社製、特級)を用いて5倍に希釈した溶液を1cm2当たり10μl塗布後、溶媒を揮発させることで触媒層を形成した。
なお、固体高分子電解質膜の有効面積は2cm2となるように作製した。
アノードガス拡散層およびカソードガス拡散層にはカーボンクロス(E−TEK社製、アノード:LT 2500−W、カソード:LT 1200−W)、酸化剤供給層には発泡金属(住友電工社製、セルメット#5)を用いた。
アノードおよびカソード集電体は、SUS板を加工したものを用いた。加工したSUS板の表面に接触抵抗を低減させるための金メッキを施したものを使用した。
アノード集電体6にはアノードガス拡散層3の厚さに対応する深さの凹部18が掘り込まれており、アノード室流路11はアノードガス拡散層3で満たされる構成とした。
この構成では、アノードガス拡散層がアノード室流路の機能を有する。アノードガス拡散層3で満たされたアノード室流路11の水素流量は、水素圧力を0.1MPa(ゲージ圧、以下同じ)で供給したときに0.5ml/secであった。流量制限部材13には、多孔質PTFEシート(Donaldson社製、MD5843、ポアサイズ0.35μm)を用いた。
図1のように、アノードガス拡散層3の下流側側面に隣接して多孔質PTFEシートから成る流量制限部材13を設置し、水素圧力を0.1MPaで供給したときの水素フロー量が0.1ml/secとなるように調整した。
ここで、上記の通り調整した、有効面積が2cm2である固体高分子電解質膜(NRE−212 CS)の40℃、両面加湿(90%R.H.)におけるN2透過流量は、2.3×10−5ml/sec・atmであった。
これらのことから、アノード流路11内に侵入してくる不純物ガスを排出するのに充分な流量が確保されていることが分かる。
また、圧力損失の関係についても確認した。350mA/cm2の定電流で発電を行った際の、燃料の消費による圧力損失は11kPaであった。
一方、多孔質PTFEシートから成る流量制限部材13による圧力損失は21kPaであった。このように、流量制限手段13により生じる燃料ガスの差圧は、発電により発生する圧力損失よりも大きいことが確認された。
評価は温度25℃相対湿度50%の環境下、アノードに無加湿の純水素を0.1MPaの圧力で供給し、カソードには空気を一定フロー量供給した状態で、350mA/cm2の定電流測定を行った。
本実施例の燃料電池特性評価の結果を、図10に示す。これらの結果を、つぎのように比較例1と比較した。
比較例1においては、実施例1のように流量制限部材13をアノードガス拡散層3に接して配置した燃料電池単セルに対して、アノードガス拡散層3と流量制限部材13の間に空間を設けて配置した燃料電池単セルを作製した。
すなわち、本比較例においては図9に示すように、アノードガス拡散層3の側面と流量制限部材13が接触しないように、両者の間に空間19が存在するように設置した。
その際、流量制限部材13の位置以外は、実施例1と同様の構成とした。
本比較例の燃料電池特性評価の結果を、図11に示す。
比較例1の燃料電池においては、図11に示したようにカソードフロー量が小さいときにセル性能が不安定となる現象が見られた。
カソードフロー量が大きい条件では、カソードフローにより燃料電池反応により発生した生成水が除去されるため、膜電極接合体を透過するアノード室への逆拡散水量が少ない。
一方、カソードフロー量が小さい条件下では、カソード側に生成水が残存する量が多いため、アノード室への逆拡散水量が多くなる。
アノード室への逆拡散水量が多い条件下では、アノードガス拡散層3と流量制限部材13の間に存在する空間19内で結露が発生し、燃料流路が閉塞する。
その結果、次第に蓄積される不純物ガスによってアノード室内の水素分圧が減少し、セル性能へ影響を与えたと考えられる。
これに対して、アノードガス拡散層3と流量制限部材13が隣接して配置された実施例1においては、図10に示すように、セル性能が安定した現象が見られた。
これらは、実施例1においては、アノード室への逆拡散水量が多い条件下でも、アノードガス拡散層と流量制限部材の間において結露による流路の閉塞が抑制されたと考えられる。
その結果、実施例1においては、アノード室流路内で不純物ガスを蓄積させることがないため、安定に燃料電池を駆動することが可能となる。
実施例2においては、実施例1のように流量制限部材13としてPTFEフィルターを用いた燃料電池セルに対して、流量制限部材13として微粒子とバインダーから構成される多孔質体を用いた燃料電池セルの構成例について説明する。
すなわち、本実施例においては図2に示す位置に流量制限部材13として以下のように作製した多孔質体を充填して流量制限部材13とした。その際、流量制限部材13以外は、実施例1と同様の構成とした。
微粒子には粒径75μmに揃えられたLaNi5粉末を、また、バインダーにはPTFEディスパージョン(ダイキン工業社製、D−1E)を使用した。
LaNi5粉末に対してPTFEの重量比が10wt.%となるようにPTFEディスパージョンを調整した後に瑪瑙乳鉢内にLaNi5粉末を入れ、乳棒で混ぜながらPTFEディスパージョンを加えていった。
このとき、混合しやすくするためにエタノールを大量に加えていった。ガム状になるまで練り込んだ後、風乾させてエタノールを飛ばしたペースト体を電極板の流路中における流量制限手段13設置場所に押し込むように設置した。
水素圧力を0.1MPaで供給したときの水素フロー量は約3.3×10−3ml/secとなった。
評価は温度25℃相対湿度50%の環境下、アノードに無加湿の純水素を0.1MPaの圧力で供給し、排出口15は大気開放とした。
カソードには空気を自然吸気で供給するAir−Breathing式をとり、350mA/cm2の定電流測定を行った。本実施例の燃料電池特性評価の結果を、図12に示す。
また、排出口15を大気開放状態にしていても、アノード流路内に空気が逆流して性能へ悪影響を与えることもなかった。
微粒子とバインダーによる多孔質体であっても、所望のフロー量へ流量を制限可能であり、実施例1と同様に長時間の駆動安定性を実現できた。
実施例3においては、実施例1に示した燃料電池を4層積層した燃料電池スタックの構成例について説明する。
各燃料電池セルの構成は実施例1に示した構成と同様とした。
燃料電池を4層積層する際に、各燃料電池セル間の電気的接続は、アノード集電体とカソード集電体を一体化したバイポーラプレート24を介して行うこととした。
燃料流路は供給流路10から各燃料電池セルのアノード室流路11へ並列に供給されるように構成し、排出流路12に接続される。
流量制限部材13は、水素圧力を0.1MPaで供給したときの水素フロー量がスタック全体で0.1ml/secとなるように調整した。
図13に本実施例の燃料電池スタックの構成を示す。排出口15は大気開放にして、実施例1と同様に燃料電池スタック特性評価を行った。
燃料電池スタック特性の評価結果を、図16に示す。これらの結果を、つぎのように比較例2と比較した。
実施例4においては、実施例3の燃料電池スタックにおいて、スタック燃料流路下流に第二の流量制限手段である流量調整機構17としてニードルバルブを設置した燃料電池スタックの構成例について説明する。
図14に、本実施例の燃料電池スタックの構成例を説明する断面模式図を示す。実施例3と同様のスタックを作製し、さらに排出口15にニードルバルブを設置し、水素圧力を0.1MPaで供給したときの水素フロー量がスタック全体で0.05ml/secとなるように調整した。
実施例1と同様に燃料電池スタック特性評価を行った。
燃料電池スタック特性の評価結果を、図17に示す。これらの結果を、つぎのように比較例2と比較した。
本比較例は、実施例4の燃料電池スタックでは流量制限部材13を設置しているのに対して、各燃料電池セルのアノード室流路内に流量制限部材13を設置していない燃料電池スタックを構成した。
図15に、本比較例の燃料電池スタックを示す。
実施例4の燃料電池スタックにおいて、流量制限部材13が設置されていない以外は同様の構成とした。
第二の流量制限手段である流量調整機構17としてニードルバルブを設置し、水素圧力を0.1MPaで供給したときの水素フロー量がスタック全体で0.05ml/secとなるように調節した。実施例1と同様に燃料電池スタック特性評価を行った。
本比較例の燃料電池スタック特性の評価結果を、図16に示す。
これらの図中で、夫々の燃料電池スタック中での各燃料電池セルを、上から順にセル1〜4と名づけた。
図16、図17および図18には、各燃料電池スタックを構成する各燃料電池セルの電圧挙動をそれぞれ示している。
比較例2の燃料電池スタックの評価結果(図18)において、特定の燃料電池セル(セル4)に性能低下が見られた。
この性能低下は、カソード側のフラッディングや固体高分子電解質膜のドライアウトといった原因ではないことがインピーダンス測定結果より確認できた。
連続駆動時間が120分となる手前でニードルバルブを一時開放してアノード流路内のガスをパージしたところ、セル4およびセル1において性能の回復が見られた。
この結果から、比較例2の燃料電池スタックにおける特定の燃料電池セルの性能低下は、アノード室流路内の不純物ガス蓄積由来での性能低下であると考えられる。
セル2やセル3において性能の低下は見られなかったことから、各燃料電池セルの不純物ガスを含む燃料ガスの一部がニードルバルブを通じて外に排出されずにある特定の燃料電池セル(セル4)に逆流・蓄積してしまったものと考えられる。
図19に比較例2の燃料電池スタックにおける燃料流の模式図を示す。
ニードルバルブの一時開放による性能回復が見られたことから、図19に示したような不均一な燃料流が発生していることが推測される。このような不均一な燃料流の原因の一つとして、積層された各燃料電池セルのアノード室流路における流路抵抗のばらつきが挙げられる。
流量制限部材13が設置されている効果により、燃料電池スタックの各燃料電池セルへ燃料が均一に供給され、排出流路12からの不純物ガスを含む燃料ガスや大気の逆流が抑制された結果と考えられる。
図20に実施例4の燃料電池スタックにおける燃料流の模式図を示す。
実施例3および実施例4における流量制限部材13は非常に大きな差圧を発生可能に構成されているため、流量制限部材より上流の各燃料電池セルに均一な燃料供給が可能となる。
同時に、排出流路12からの逆流を抑制することができ、燃料電池スタック内のある燃料電池セルの性能が低下したり不安定になったりすることを防ぐことができる。
また、アノードガス拡散層3と流量制限部材13が接して配置されていることから、結露した水よる性能への悪影響を抑制することができる。
2:膜電極接合体
3:アノードガス拡散層
4:カソードガス拡散層
5:酸化剤供給層
6:アノード集電体
7:カソード集電体
8:絶縁板
9:エンドプレート
10:供給流路
11:アノード室流路
12:排出流路
13:第一の流量制限手段を構成する流量制限部材
14:供給口
15:排出口
16:燃料電池スタック
17:第二の流量制限手段を構成する流量調整機構
18:アノードガス拡散層用凹部
19:空間
20:セル1
21:セル2
22:セル3
23:セル4
Claims (13)
- 燃料ガスが導入される側に、少なくともアノードガス拡散層とアノード室流路とを備え、
前記アノード室流路の前記燃料ガスが導入される上流側に燃料ガスの供給口を備えた供給流路が接続され、下流側に燃料ガスの排出口を備えた排出流路が接続されてなる燃料流路を有する燃料電池セルであって、
前記燃料流路の流路内における前記排出流路側には、第一の流量制限手段が前記アノードガス拡散層に接して配置され、
前記第一の流量制限手段によって、該第一の流量制限手段が設置された個所から前記燃料流路の上流側と下流側とに差圧を発生させることを特徴とする燃料電池セル。 - 前記第一の流量制限手段により制限される流量は、少なくとも前記アノード室流路に侵入する窒素を含む不純物ガスの侵入流量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
- 発電していない場合において、前記第一の流量制限手段により生じる燃料ガスの差圧は、少なくとも前記アノード室流路内において発電により発生する圧力損失よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
- 前記第一の流量制限手段は、前記アノードガス拡散層の一部によって構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
- 前記第一の流量制限手段は、多孔質体で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
- 前記アノード室流路が、前記アノードガス拡散層で満たされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
- 前記排出口の下流に、該排出口から排出された燃料ガスの排出量を抑制する第二の流量制限手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
- 前記排出口の下流に、該排出口から排出された燃料ガスを消費する燃料ガス消費手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
- 前記排出口と前記燃料ガス消費手段の間に、該排出口から排出された燃料ガスの排出量を抑制する第二の流量制限手段を有することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池セル。
- 燃料電池セルが複数積層され、前記複数の燃料電池セルの各アノード室流路の燃料ガスが導入される上流側に燃料ガスの供給口を備えた供給流路が接続され、下流側に前記燃料ガスの排出口を備えた排出流路が接続されてなる燃料流路を有する燃料電池スタックであって、
前記燃料電池スタックにおける前記複数の燃料電池セルが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池セルによって構成されていることを特徴とする燃料電池スタック。 - 前記排出口の下流に、該排出口から排出された燃料ガスの排出量を抑制する第二の流量制限手段を有することを特徴とする請求項10に記載の燃料電池スタック。
- 前記排出口の下流に、該排出口から排出された燃料ガスを消費する燃料ガス消費手段を有することを特徴とする請求項10に記載の燃料電池スタック。
- 前記排出口と前記燃料ガス消費手段の間に、該排出口から排出された燃料ガスの排出量を抑制する第二の流量制限手段を有することを特徴とする請求項12に記載の燃料電池スタック。
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