JP2001338665A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
給できる燃料電池システムを提供する。 【解決手段】燃料を貯蔵する燃料タンク11と、燃料を
蒸発させ燃料ガスを生成する蒸発器12と、燃料ガスか
ら水素を含む改質ガスの生成を行う改質反応器13と、
燃料あるいは改質ガスを燃焼させ蒸発器へ熱量を供給す
る燃焼器14と、改質反応器で生成された改質ガスに含
まれる水素を用いて発電を行う燃料電池部15とを含む
燃料電池システムであり、蒸発器の運転圧力に基づいて
当該蒸発器における燃料の沸点温度を推定し、蒸発器に
おける燃料ガスの蒸気温度を測定し、蒸気温度から沸点
温度を減じた値が所定値以下になった場合には、燃焼器
において燃焼させる燃料あるいは改質ガス流量を増加さ
せる。
Description
動体に用いて好ましい燃料電池システムに関し、特に蒸
発器から改質反応器へ安定した燃料ガスを供給できる燃
料電池システムに関する。
池システムは、メタノールなどの燃料を改質して水素リ
ッチガスを生成する燃料改質部と、この燃料改質部で生
成された水素リッチガスと別途空気供給装置から供給さ
れる酸素含有ガスとを反応させて発電する燃料電池部と
からなり、燃料改質部は排ガスの燃焼の際に発生した熱
を用いて燃料ガスを蒸発させる蒸発器と、蒸発器で気化
した燃料ガスを、実際に水素リッチなガスに改質する改
質反応器とで構成される。
て運転するためには、燃料改質部から燃料電池部へ安定
した燃料ガスを供給することが必要とされ、燃料改質部
においては、蒸発器から改質部へ安定した燃料ガスを供
給することが必要とされる。
器に供給される排ガス流量が変化するとき、燃料電池部
の燃料極からの排ガスの量を変化させ、燃焼器の温度を
制御することにより、蒸発器の温度を一定に保ち、燃料
電池部へ供給される燃料ガスの量を維持していた。この
ように、燃焼器の温度により燃料ガスの供給量を制御す
る方法として、たとえば特開平10‐106607号公
報に開示されたものが知られている。この従来技術で
は、燃料電池部から排ガスを燃焼室に導くガスラインを
分岐して燃料極の排ガスをバイパスするパスラインを設
け、その分岐点より下流側の排ガスラインにそれぞれ流
量制御弁を設け、燃焼器への排ガスの流入量を調節す
る。
体用燃料電池システムにおいては、蒸発器および燃焼器
の運転圧力による沸点温度の変化を考慮しないで、それ
ぞれある一定の燃焼器の温度を目標値にして制御する構
成になっていた。
超えた場合でも、蒸発器の温度が目標温度に達しておら
ず、燃料電池部の要求ガス量に十分な量の燃料ガスを改
質反応器に供給できない場合が生じる。
鑑みてなされたものであり、蒸発器から改質反応器へ安
定した燃料ガスを供給できる燃料電池システムを提供す
ることを目的とする。
るために、本発明によれば、燃料を貯蔵する燃料タンク
と、前記燃料を蒸発させ燃料ガスを生成する蒸発器と、
前記燃料ガスから水素を含む改質ガスの生成を行う改質
反応器と、前記燃料あるいは改質ガスを燃焼させ前記蒸
発器へ熱量を供給する燃焼器と、該改質反応器で生成さ
れた前記改質ガスに含まれる前記水素を用いて発電を行
う燃料電池部とを含む燃料電池システムにおいて、前記
蒸発器の運転圧力に基づいて当該蒸発器における前記燃
料の沸点温度を推定する沸点温度推定手段と、前記蒸発
器における燃料ガスの蒸気温度を測定する蒸気温度測定
手段とを有し、前記蒸気温度から前記沸点温度を減じた
値が所定値以下になった場合には、前記燃焼器において
燃焼させる燃料あるいは改質ガス流量を増加させること
を特徴とする燃料電池システムが提供される(請求項1
参照)。
池部の運転圧力状態に応じて、燃料電池部の運転圧力か
ら燃料の沸点温度を推定するので、運転圧力変化による
燃料ガスの沸点温度の変化にも追従できる。
御するので、必要な流量の燃料ガスを不足なく、かつ効
果的に燃料電池部へ供給することができる。同時に、蒸
発器内に未蒸発の燃料が多量に蓄積されたり、未蒸発の
燃料が燃料ガスとともに放出されることがなくなる。
いが、前記燃料電池部で余剰となった改質ガスを前記燃
焼器に供給して燃焼させる系を有し、前記蒸気温度から
前記沸点温度を減じた値が所定値以下になった場合に
は、前記燃料電池部から取り出す電力を抑制して前記燃
焼器において発生する熱量を増加させることがより好ま
しい(請求項2参照)。
システムから取り出す電力を制御するので、電力の取り
出しを減少させた場合、燃料電池部から流出する排出改
質ガスが増加する。このとき、排出された改質ガスを利
用するため、燃料タンクから液体として燃料を供給する
場合に比べ、効率の良い反応が進行するとともに、発熱
量も増加し、多くの熱を蒸発器へ供給することができ
る。
部の運転圧力状態に応じて、燃料電池部の運転圧力から
燃料の沸点温度を推定するので、運転圧力変化による燃
料ガスの沸点温度の変化にも追従できる。
御するので、必要な流量の燃料ガスを不足なく、かつ効
果的に燃料電池部へ供給することができる。同時に、蒸
発器内に未蒸発の燃料が多量に蓄積されたり、未蒸発の
燃料が燃料ガスとともに放出されることがなくなる。
ば、排出された改質ガスを利用するため、燃料タンクか
ら液体として燃料を供給する場合に比べ、効率の良い反
応が進行するとともに、発熱量も増加し、多くの熱を蒸
発器へ供給することができる。
基づいて説明する。
態を示すブロック図、図2は同実施形態の制御内容を説
明するためのグラフ、図3は同じく制御手順を示すフロ
ーチャートである。
を貯蔵する燃料タンク11と、この燃料を蒸発させ燃料
ガスを生成する蒸発器12と、燃料ガスから水素を含む
改質ガスの生成を行う改質反応器13と、燃料あるいは
改質ガスを燃焼させ蒸発器12へ熱量を供給する燃焼器
14と、改質反応器13で生成された改質ガスに含まれ
る水素を用いて発電を行う燃料電池部15とを有する。
また、改質反応器13にて生成された改質ガス中の一酸
化炭素を除去するための一酸化炭素除去器16と、改質
反応器13、燃料電池部15および一酸化炭素除去器1
6のそれぞれに酸化剤である空気を供給するための圧縮
器17とを有する。
電池システム1において、燃料タンク11内のメタノー
ルあるいは水とメタノールとの混合液は、ポンプ18に
より蒸発器12に送られ、ここで加熱蒸発されて蒸気と
なり、この燃料ガスがオートサーマル改質反応器13に
送られる。
燃料ガスと圧縮器17からの空気とが送られる。改質反
応器13では、メタノール、水ならびに空気内の酸素
の、下記の触媒反応により燃料改質され、水素リッチな
改質ガスが生成される。
応)であり、式(2)はメタノールの部分酸化反応(発
熱反応)である。式(1)の水蒸気改質反応は、主とし
て下記に示されるように段階的に進行する。
あり、式(4)は一酸化炭素のシフト反応(発熱反応)で
ある。本例の改質反応器13は、これらの反応式の、発
熱ならびに吸熱がバランスするオートサーマル条件で運
転される断熱型反応器である。また、触媒の温度が低い
起動時では、さらに下記の副反応が併発する。
熱力学的化学平衡により数%オーダーの一酸化炭素を含
む改質ガスが得られるが、一酸化炭素は固体高分子型燃
料電池15の白金等からなる燃料極電極触媒を被毒し、
その活性を著しく低下させてしまう。このため、改質反
応器13と燃料電池15との間に一酸化炭素除去器16
が設けられ、数十〜100ppmにまで一酸化炭素を低
減した上で燃料電池15に供給する。
改質ガスは、一酸化炭素除去器16に送られ、式(4)
に示すシフト反応を促進する触媒により、一酸化炭素が
低減される。このときの一酸化炭素除去器16の運転温
度は200〜300℃であり、熱力学的化学平衡により
0.数%オーダーの一酸化炭素を含む改質ガスとなる。
改質ガスは、下記の触媒酸化反応(発熱反応)により、さ
らに一酸化炭素が数十〜高々100ppmにまで低減さ
れる。必要な酸素は圧縮器17から空気として供給され
る。
め、下記の水素の燃焼反応(発熱反応)も併発する。こ
れにより、式(8)に対する式(7)の選択性が改質シ
ステムの効率に大きな影響を与える。
度100数十℃に維持するために、一酸化炭素除去器1
6の式(7)ならびに式(8)の反応部は、空気あるい
はLLCまたはオイル等により冷却される(ただし図示
は省略する)。
で一酸化炭素が低減された改質ガスと圧縮器17からの
空気とが燃料電池15の燃料極と空気極に送られ、発電
が行われる。
を通過した燃料ガスの温度を測定するための温度センサ
であり、その出力は後述する制御手段30に送出され
る。また「20,21」は圧縮器17から改質反応器1
3、一酸化炭素除去器16および燃料電池15に送られ
る空気の流量を調節するための流量調節弁であり、それ
ぞれの供給系に設けられた流量センサ22,23の測定
値に基づいてフィードバック制御等がなされる。
素を全て利用することは不可能であり、したがって一部
の水素が残留した発電に使用済みの改質ガスと、一部の
酸素が残留した発電に使用済みの空気とを、燃焼器14
に送って燃焼させる。この燃焼器14にて得られた高温
の排気ガスは、蒸発器12に送られ、メタノールと水の
蒸発のエネルギーとして再利用される。
5の空気極および燃料極のそれぞれの排ガス系の圧力を
測定する圧力センサ、「26,27」は空気極および燃
料極のそれぞれの排ガス系の流量を調節する流量調節弁
である。
ら、固体高分子型燃料電池15の電力要求量に応じて、
運転圧力は変化すると同時に、改質反応器13に供給さ
れるガス流量も負荷変動する。これにより、燃料タンク
11から、蒸発器12及び燃焼器14に供給される燃料
の供給量も変動し、蒸発器12及び改質反応器13の運
転圧力が変化する。
は図2のマップBに示されるような関係が存在する。そ
して、蒸発器12の運転圧力は、蒸発器12から固体高
分子型燃料電池15までの圧損と固体高分子型燃料電池
15の運転圧力より求めることができる。このため、圧
力センサ25から蒸発器12の運転圧力を求めることに
より、燃料タンク11より供給される燃料の沸点温度
(Tbp)を推算することができる。図1に示す沸点温度
推定手段29は、圧力センサ25からの出力値と図2に
示すマップBとを用いて、この燃料の沸点温度(Tbp)
を推算する。
(Tbp)より低くなることはない。すなわち、Tvap<
Tbpのときは、蒸気は発生しないし、Tvap=Tbpでは
液相と気相の2相共存となる。また、蒸気温度(Tva
p)と沸点温度(Tbp)との差が大きい場合は、固体高
分子型燃料電池15の発電に十分な量の燃料ガスを得る
ために十分な熱量が、蒸発器12に供給されているとみ
なすことができる。しかし、上記の温度差が小さくなる
につれ、蒸発器12の持つ熱量が減少しているとみなす
ことができる。
に、所定の温度差Tcrtを予め設定しておき、蒸気温度
(Tvap)から沸点温度(Tbp)を減じた値が、この所
定の温度差Tcrtを上回っている場合には熱量は十分で
あり、追加燃料は供給しないこととする。一方、蒸気温
度(Tvap)から沸点温度(Tbp)を減じた値が、所定
の温度差Tcrtを下回った場合、蒸発器12の熱量が不
足していると判断し、蒸発器12に供給する熱量を増加
させ、蒸気温度を上昇させる。図1に示す制御手段30
は、上述した沸点温度推定手段29により推算された沸
点温度(Tbp)と、温度センサ19により測定される蒸
気温度(Tvap)とを用いてこの演算および判断を行
い、判断結果を、燃料タンク11から燃焼器14に燃料
を供給するためのポンプ28へ出力する。
に、固体高分子型燃料電池15の十分な発電に要求され
る燃料ガスを得るために供給される蒸発器12の熱量
と、燃焼器14から蒸発器12に供給する熱量と間にマ
ージンを持たせて温度差Tcrtを設定することにより、
蒸発器12の熱量が不足し、燃料ガスの供給量が減少し
て、固体高分子型燃料電池15が鎮火することを回避す
ることができると同時に、常に固体高分子型燃料電池1
5に安定した燃料ガスを供給し、発電を行うことができ
る。
3にしたがって説明する。
燃料電池15の運転圧力を読み込み、この圧力と既知の
値である蒸発器12から固体高分子型燃料電池15まで
の圧損とに基づいて蒸発器12の運転圧力を求める。
蒸発器12の運転圧力と、図2のマップBとから、燃料
の沸点温度(Tbp)を推算する。ここまでの演算処理は
図1に示す沸点温度推定手段29にて実行される。
計測された実際の蒸気温度(Tvap)を読み込み、次の
ステップ4にて、ステップ2で求められた沸点温度(T
bp)との差(Tvap−Tbp)を所定の温度差Tcrtと比較
する。そして、Tvap−Tbp>Tcrtならば、蒸発器12
に供給される熱量は十分であるとみなし、ステップ1へ
戻る。一方、Tvap−Tbp<Tcrtならば、蒸発器12に
供給される熱量が不足していると判断し、ステップ5へ
進み、図2のマップAを用いて追加燃料流量を算出す
る。そして、ステップ6にてポンプ28を用いて燃焼器
14への燃料供給量を増加させる。この動作は制御手段
30で実行される。
が増加し、発生した多量の熱が蒸発器12に伝達される
ため、蒸気温度(Tvap)が上昇し、気化する燃料流量
が増加し、燃料電池部15において安定した電力を供給
できるようにガスを改質反応器13に供給することがで
きる。
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
における改質反応器13の改質ガスを一酸化炭素除去器
16を通過させ、一酸化炭素濃度を低減させた後に燃料
電池部15へ供給する構成の移動体用燃料電池システム
1を用いて説明したが、本発明の燃料電池システムでは
一酸化炭素除去器16の構造は特に限定されず、改質反
応器13の下流に水素分離膜を取り付け、分離された純
水素を燃料電池部15で利用し、水素が分離されたガス
を燃焼器14に送る構成の燃料電池システムに適用して
も良い。
に圧力センサを取り付け、直接、蒸発器12の運転圧力
の信号を制御手段30に伝達する構成としてもよいし、
改質反応器13において、直接温度センサおよび圧力セ
ンサを取り付け、これらの信号を制御手段30に伝達
し、ポンプ28により燃焼器14への燃料流量を制御し
てもよい。また、図1に示すように他の制御手段31お
よびポンプ18を設置することにより、蒸発器12に流
入する燃料流量を制御し、改質反応器13へ安定した燃
料供給を行う構成としてもよい。
の燃料ガス流量を測定し、蒸気温度と沸点温度の差と、
上述した燃料ガス流量とから、蒸発器12における余剰
熱量を求める。そして、その余剰熱量に基づいて、燃焼
器14への燃料供給量を制御し、燃焼器14から供給さ
れる熱量を調節する構成としてもよい。
ロック図である。
るためのグラフである。
ローチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】燃料を貯蔵する燃料タンクと、前記燃料を
蒸発させ燃料ガスを生成する蒸発器と、前記燃料ガスか
ら水素を含む改質ガスの生成を行う改質反応器と、前記
燃料あるいは改質ガスを燃焼させ前記蒸発器へ熱量を供
給する燃焼器と、該改質反応器で生成された前記改質ガ
スに含まれる前記水素を用いて発電を行う燃料電池部と
を含む燃料電池システムにおいて、 前記蒸発器の運転圧力に基づいて当該蒸発器における前
記燃料の沸点温度を推定する沸点温度推定手段と、 前記蒸発器における燃料ガスの蒸気温度を測定する蒸気
温度測定手段とを有し、 前記蒸気温度から前記沸点温度を減じた値が所定値以下
になった場合には、前記燃焼器において燃焼させる燃料
あるいは改質ガス流量を増加させることを特徴とする燃
料電池システム。 - 【請求項2】前記燃料電池部で余剰となった改質ガスを
前記燃焼器に供給して燃焼させる系を有し、前記蒸気温
度から前記沸点温度を減じた値が所定値以下になった場
合には、前記燃料電池部から取り出す電力を抑制して前
記燃焼器において発生する熱量を増加させることを特徴
とする請求項1記載の燃料電池システム。
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