JP5188027B2 - 燃料電池、および燃料電池の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、気体燃料が供給される燃料供給空間を連通させた複数の発電セルを備えた燃料電池、詳しくは、窒素ガス等の不純物ガスを燃料供給空間から効率的に除去する構造に関する。
電解質層の片面側に配置されて気体燃料が供給される燃料供給空間を直列に接続した燃料電池が実用化されている。また、相互に並列接続された燃料供給空間の数を下流側へ向かって次第に減少させて直列に接続するカスケード方式で複数の燃料供給空間を配置した燃料電池が実用化されている。カスケード方式によれば、電解質層を通じた気体燃料の消費による下流側での流量減少を補って、最上流から最下流まで、燃料供給空間における安定した気体燃料の供給流量を確保できる。
電解質層として高分子電解質膜を用い、高分子電解質膜の片側を大気に連通させて、気体燃料の電気化学反応に伴って大気中の酸素を消費させる燃料電池が実用化されている。高分子電解質膜は完全な気密膜ではないので、高分子電解質膜を挟んで燃料供給空間と大気連通空間とが配置されると、大気連通空間から燃料供給空間へ大気中の窒素が濃度拡散する。燃料供給空間に侵入した窒素は、燃料供給空間における気体燃料の分圧を低下させて発電効率を低下させるので、定期的にパージを行って、燃料供給空間の窒素を含む不純物ガスを追い出すことが望ましい。
特許文献1には、カスケード方式の接続による別の効果に着目して効率的に燃料供給空間のパージを行わせるデッドエンド型の燃料電池が示される。カスケード方式に燃料供給空間を接続することにより、最も下流側の燃料供給空間へ不純物ガスが優先的に蓄積される。そして、蓄積した不純物ガスの影響によって最も下流側の燃料供給空間の出力が所定のしきい値を割り込むと、最も下流側の燃料供給空間の下流側に配置された開閉弁が開かれる。このパージを行うことにより、最も下流側の燃料供給空間に蓄積された不純物ガスが大気中に排出される。
特表2004−536438号公報
特許文献1に示される燃料電池では、不純物ガスが濃縮されているとは言っても、最も下流側の燃料供給空間に残った相当量の水素ガスも大気中に排出される。従って、燃料電池を搭載する機器側には、燃料気体の排出を前提とした設計を行う必要がある。
また、パージが必要になる程に出力が低下した燃料電池から、開閉弁を開状態に保持するための電力を追加的に取り出すと、その間、燃料電池を搭載した機器の動作に支障をきたす場合がある。あるいはパージ動作中の燃料圧力の低下により、一時的に出力が低下することがある。
また、最も下流側の発電セルの出力が蓄積した不純物ガスによって低下すると、複数の発電セルを直列に接続した燃料電池全体の出力が、最も下流の発電セルの出力低下に影響されて低下してしまう。最も下流の発電セルの出力は、不純物ガスの分圧上昇に伴って比較的短期間で低下を始めるため、燃料電池全体の出力を高く維持しようとすると、かなり頻繁にパージを行う必要がある。頻繁にパージを行うと大気中に排出される無駄な気体燃料の消費が増えて、燃料タンクの気体燃料が長持ちしない。
本発明は、燃料供給空間に蓄積した不純物ガスによって最も下流の発電セルの出力が影響されにくい燃料電池を提供することを目的としている。本発明は、特許文献1に示される燃料電池よりもパージの頻度が少なくて済む燃料電池を提供することを目的としている。さらに、本発明は、パージを行わなくても運転が可能なデッドエンド型の燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の燃料電池は、固体電解質層の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される燃料供給空間を一つもしくは複数有する燃料電池において、前記固体電解質層を通じた発電に伴って前記燃料供給空間に形成される気体燃料の流れの下流側で前記燃料供給空間に接続流路を介して接続されたバッファ空間を有し、前記バッファ空間は、前記燃料供給空間の外側に配置されて、前記燃料供給空間で発電に伴って前記下流側に濃縮される不純物ガスを蓄積するための空間であって、前記バッファ空間の前記不純物ガスの流れと垂直な断面積は、前記接続流路における前記不純物ガスの流れと垂直な断面積よりも大きいものであることを特徴とする。
別の発明の燃料電池は、後述するシリアルパターンやカスケードパターンのように、固体電解質層の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される複数の燃料供給空間を直列に接続して配置したものである。すなわち、固体電解質層の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される複数の燃料供給空間を直列に接続して配置した燃料電池において、前記固体電解質層を通じた発電に伴って前記複数の燃料供給空間に形成される気体燃料の流れの下流側で前記複数の燃料供給空間に接続流路を介して接続されたバッファ空間を有し、前記バッファ空間は、前記燃料供給空間の外側に配置されて、前記複数の燃料供給空間で発電に伴って前記下流側に濃縮される不純物ガスを蓄積するための空間であって、前記バッファ空間の前記不純物ガスの流れと垂直な断面積は、前記接続流路における前記不純物ガスの流れと垂直な断面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明の燃料電池は、発電中の燃料供給空間における不純物ガスの濃縮効果を利用して、バッファ空間に燃料供給空間の上流側〜中流側よりも高い濃度で不純物ガスを蓄積する。気体燃料の流れが不純物ガスを燃料供給空間の下流側へ吹き寄せるので、燃料供給空間には、上流側から下流側へ向かって高まる不純物ガスの濃度勾配が形成される。燃料供給空間の下流側に接続されたバッファ空間には、この濃度勾配における最も高い濃度で不純物ガスが蓄積される。
これにより、発電に関与する燃料供給空間に不純物ガスを直接蓄積する特許文献1の燃料電池に比較して、燃料供給空間における不純物ガス濃度の高まりを遅らせることができる。バッファ空間の容積に拡散される分、燃料供給空間における不純物ガスの濃度が低く保たれ、その分、気体燃料の分圧が高く維持される。
従って、特許文献1の燃料電池に比較して、燃料供給空間に蓄積した不純物ガスによって発電出力が影響されにくい。燃料供給空間に蓄積した不純物ガスが発電出力に影響し始めるまでの時間が長くなるので、特許文献1の燃料電池に比較してパージの頻度が少なくて済む。パージの頻度が少なければ、パージによって無駄に消費される気体燃料が減るので、気体燃料の利用効率が高まって燃料タンクが長持ちする。
別の発明の燃料電池は、直列に接続した燃料供給空間における不純物ガスの濃縮効果を利用して、最も下流側の燃料供給空間に上流側の燃料供給空間よりも高い濃度で不純物ガスを蓄積する。そして、最も下流の燃料供給空間では、発電中の燃料供給空間における不純物ガスの濃縮効果を利用して、バッファ空間に最も下流の燃料供給空間の上流側〜中流側よりも高い濃度で不純物ガスを蓄積する。
気体燃料の流れが不純物ガスを下流側へ吹き寄せるので、最も下流側の燃料供給空間には、上流側から下流側へ向かって高まる不純物ガスの濃度勾配が形成される。燃料供給空間の下流側に接続されたバッファ空間には、この濃度勾配における最も高い濃度で不純物ガスが蓄積される。
これにより、最も下流側の燃料供給空間に不純物ガスを直接蓄積する特許文献1の燃料電池に比較して、最も下流側の燃料供給空間における不純物ガス濃度の高まりを遅らせることができる。バッファ空間の容積に拡散される分、最も下流側の燃料供給空間における不純物ガスの濃度が低く保たれ、その分、気体燃料の分圧が高く維持される。
従って、特許文献1の燃料電池に比較して、燃料供給空間に蓄積した不純物ガスによって最も下流の発電セルの出力が影響されにくい。燃料供給空間に蓄積した不純物ガスが最も下流の発電セルの出力に影響し始めるまでの時間が長くなるので、特許文献1の燃料電池に比較してパージの頻度が少なくて済む。
別の発明の燃料電池は、特許文献1の燃料電池では発電セルの発電性能が失われるような高濃度の不純物ガスをバッファ空間に蓄積するので、バッファ空間をパージした際に外部へ排出される気体燃料が少なくて済む。これにより、パージの頻度が少ないことと相乗して、パージによって無駄に消費される気体燃料が減るので、気体燃料の利用効率が高まって燃料タンクが長持ちする。
以下、本発明の燃料電池の一実施形態である燃料電池について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の燃料電池は、以下に説明する各実施形態の限定的な構成には限定されない。発電セルの燃料供給空間に気体燃料を供給して発電が行われる限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。
本実施形態では、燃料タンクに貯蔵した水素ガスを用いて発電を行うが、水素原子を含むメタノール等の液体燃料を燃料タンクに貯蔵して、刻々必要なだけ水素ガスに改質反応させて発電セルの燃料供給空間に供給してもよい。
本実施形態の燃料電池は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、小型プロジェクタ、小型プリンタ、ノート型パソコン等の持ち運び可能な電子機器に着脱可能に装備される独立した燃料電池として実施できる。また、電子機器に燃料電池の発電部だけを一体に組み込んで、燃料タンクを着脱させる形式でも実施できる。
なお、特許文献1に示される燃料電池の構造、運転方法、触媒層、高分子電解質膜、膜電極接合体等については、繰り返しの煩雑を回避すべく一部図示を省略し、詳細な説明も省略する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の燃料電池の斜視図、図2は燃料電池スタックの断面図、図3はセパレータの説明図、図4はバッファ空間の説明図である。図5は燃料流路体積、バッファ流路体積、初期燃料流路内圧力、燃料供給圧力を異ならせた燃料電池スタックの特性一覧表である。図2は、図1中A−A’の断面を示す。
図1に示すように、燃料電池20は、燃料電池スタック20Aと燃料タンク20Bとを着脱自在に接続して組み立てられる。燃料電池スタック20Aは、一組のエンドプレート21、22の間に、複数の発電セル23を積層している。燃料タンク20Bは、水素ガスを充填され、必要な圧力に調圧された水素ガスを燃料電池スタック20Aに供給する。
エンドプレート21には、燃料タンク20Bを接続して燃料電池スタック20Aに水素ガスを供給する燃料流路入り口24が設けられる。膜電極接合体(MEA)25は、高分子電解質膜の上下両面に白金微粒子を担持させた触媒層を形成してあり、図中上面の触媒層が酸化剤極、下面の触媒層が燃料極となっている。複数の膜電極接合体25は、セパレータ26を介して積層される。
図2に示すように、膜電極接合体25とセパレータ26との間には、ガス拡散層23A、23Bが配置される。ガス拡散層23A、23Bは、カーボンクロスのような反応物を透過する導電性を有するシート材料である。
大気中の酸素は、セパレータ26に設けられた酸化剤流路31を介して、紙面垂直方向より各段の発電セル23に進入し、ガス拡散層23Aを通じて膜電極接合体25の上面全体に拡散供給される。
水素ガスは、燃料流路入り口24を通じて図中左の供給側主流路44へ供給され、供給側主流路44から分岐して各段の燃料流路32に分配供給される。供給側主流路44は、セパレータ26に設けられた貫通口を重ね合わせて形成される。各段の燃料流路32は、下流側(図中右側)で排出側主流路45に合流し、排出側主流路45は、バッファ流路板27に設けられたバッファ流路42に接続されている。バッファ流路42の下流側には、燃料流路出口43が設けられているが、第1実施形態では、不図示のストップバルブを用いて燃料流路出口43を塞いだ状態で燃料電池スタック20Aを使用する。すなわち、燃料電池スタック20Aは、パージバルブを設置していないデッドエンド型の燃料電池スタックである。
図3に示すように、セパレータ26の表面(図中下側)には、平行な溝状の酸化剤流路31が形成されている。図2に示すように、酸化剤流路31は、ガス拡散層23Aを介して、膜電極接合体25の酸化剤極に大気中の酸素を供給する。
図3に示すように、セパレータ26の裏面(図中上側)には、つづら折り状の燃料流路32が形成されている。図2に示すように、燃料流路32は、ガス拡散層23Bを介して、膜電極接合体25の燃料極に水素ガスを供給する。
図3に示すように、セパレータ26の端部には、図2の燃料流路入り口24から供給される水素ガスを各段の発電セル23に導くための貫通口33が設けられる。
図4に示すように、バッファ流路板27には、発電セル23(図2)によって吹き寄せられた不純物ガスを蓄積するつづら折り状のバッファ流路42が形成されている。バッファ流路42がつづら折り状なので、バッファ流路42に蓄積された不純物ガスが発電セル23へ拡散しにくい。また、燃料流路出口43に接続された不図示のストップバルブを開いてパージを行う際には、バッファ流路42に沿って不純物ガスが押し出されるので、後から供給される新しい水素ガスと不純物ガスとが混合しにくい。
図2に示すように、燃料流路体積V1は、燃料流路入り口24から排出側主流路45までの容積、すなわち、各段の燃料流路32の合計容積に、供給側主流路44の容積とを加算した容積である。バッファ流路体積V2は、バッファ流路42の容積である。
なお、排出側主流路45のバッファ流路42に近い部分にも、運転中、バッファ流路体積V2並みの濃度で不純物ガスが蓄積される。しかし、この部分は単なる接続流路であって、本発明のバッファ空間ではない。また、図3に示されるように、排出側主流路45を構成する貫通孔33の容積自体も小さい。
燃料電池搭載機器50の停止時、燃料流路32は、窒素などの不活性ガスで置換、あるいは大気に開放された状態で保管される。すなわち、燃料電池スタック20Aが発電開始する以前には、燃料流路32は、初期圧力P1の不活性ガスで充填された状態である。
燃料電池スタック20Aを起動する時には、燃料電池スタック20Aの燃料流路入り口24に、図1に示す燃料タンク20Bから水素ガスが供給される。供給される水素ガスの圧力P2は、燃料タンク20A側で調整可能である。燃料流路入り口24と燃料タンク20Bとは、カプラ或いはバルブ等を介して接続される。水素ガスの供給は、燃料タンク20Bと燃料流路入り口24とをカプラ等で接続、あるいは燃料流路入り口24に設けたバルブを開くことによって開始される。
第1実施形態における燃料電池スタック20Aは、燃料流路体積をV1、バッファ流路体積をV2、初期燃料流路内圧力をP1、燃料供給圧力をP2とした。このとき、P1/P2<V2/(V1+V2)の関係となるように、バッファ流路体積V2と燃料供給圧力P2とを設定してある。
図5に示すように、燃料流路体積V1、バッファ流路体積V2、初期燃料流路内圧力P1、燃料供給圧力P2の組み合わせを異ならせると、燃料電池スタック20Aの特性が変化する。ここで、燃料供給前の燃料流路32内は、大気圧の窒素ガスで充填した状態とした。よって、初期燃料流路内圧力は100kPa(正確には101.3kPa)相当である。燃料は純粋な水素ガスを用い、燃料供給圧力は、レギュレータにより任意に設定可能である。燃料流路入り口24には、メスのカプラを設け、燃料タンク20Bの出口に設けられたオスのカプラと接続することによって水素ガスが供給される。
バッファ流路板27は、比較のため3種類を用意した。一つは、バッファ流路42の形成されていない物とし、他の二つは、バッファ流路42を形成して、溝深さの違いによりバッファ流路体積V2を0.8mlおよび1.6mlに設定した。燃料流路体積V1は、燃料電池スタック20Aの組み立て後に実測した値である。具体的には、燃料流路入り口24から窒素ガスを導入し、導入窒素量と圧力上昇量との関係から求めた。
燃料電池スタック20Aの特性は、燃料電池スタック20Aと燃料タンク20Bとのカプラ同士を接続した後、一定のスイープ速度で、取り出し電流値を最小−最大に変化させる電流スイープ法により測定した。図5の一覧表に示される電流値は、燃料電池スタック20A内の発電セル23あたりの平均出力電圧が0.7Vに低下した時の電流値である。
サンプルNo.1〜3では、バッファ流路板27のバッファ流路体積V2を種々変更して行った実験である。燃料流路32の下流に設けられたバッファ流路42の体積が大きいほど、燃料電池スタック20Aの特性が向上していることが分かる。特に、P1/P2<V2/(V1+V2)の関係を満たす、サンプルNo.3において著しい特性の向上が見られる。
サンプルNo.4〜6では、同一の燃料電池スタック20Aを用い、燃料供給圧力P2を種々変更して行った実験である。燃料供給圧力P2が高いほど、燃料電池スタック20Aの特性が向上していることが分かる。特に、P1/P2<V2/(V1+V2)の関係を満たす、サンプルNo.6において著しい特性の向上が見られる。
このように、第1実施形態の燃料電池20では、大気圧の不活性ガスで満たされた燃料電池スタック20Aをパージすることなく起動して発電開始できる。大気圧の2倍の燃料供給圧力P2を用いることにより、燃料電池スタック20A内の不活性ガスを67%のバッファ流路体積V2へ押し込んで、すべての燃料流路32で十分な水素ガスの分圧を確保できる。大気圧の5倍の燃料供給圧力P2を用いることにより、25%のバッファ流路体積V2へ押し込んで、すべての燃料流路32で十分な水素ガスの分圧を確保できる。
従って、燃料電池スタック20Aを大気圧の不活性ガスを満たした湿潤状態で保存でき、起動時に燃料流路32内の不純物ガスの悪影響が抑制可能となる。このためパージ動作を行う事無く燃料電池20が起動でき、パージ動作に伴う無駄な燃料消費も無くせ、燃料タンク20B内の水素ガスの有効利用が可能となる。これにより、同体積の燃料タンク20Bにより多くの発電が行えるため、より高いエネルギー容量を持つ燃料電池20が提供可能となる。
<第1実施形態の変形例>
図6はシリアル流パターンの燃料電池スタックの構成の説明図、図7はカスケード流パターンの燃料電池スタックの構成の説明図、図8はバッファ空間を外付けする変形例の説明図である。図6〜図8において、図2の燃料電池スタック20Aと共通する(機能的に同等な)構成には共通の符号を付して詳細な説明を省略する。
第1実施形態の燃料電池スタック20Aは、図2に示すように燃料流路32が並列同方向のパラレル流パターンである。しかし、図6に示される燃料流路32が直列接続されたシリアル流パターンの燃料電池スタック20Cでも、第1実施形態と同様にバッファ流路42を設けて、バッファ流路体積V2に応じた高い燃料供給圧力P2を用いることで第1実施形態と同じ効果を実現できる。
また、図7に示される燃料流路32がカスケード接続されたカスケード流パターンの燃料電池スタック20Dでも、第1実施形態と同様にバッファ流路42を設けて、バッファ流路体積V2に応じた高い燃料供給圧力P2を用いることで第1実施形態と同じ効果を実現できる。
すなわち、燃料入り口24から燃料電池スタック20C、20D最下流に位置する燃料流路32を含む領域の体積が燃料流路体積V1、それよりも下流部分の体積がバッファ流路体積V2である。パラレル流パターンの燃料電池スタック20Aにおいては、最下流に位置する発電セル23を複数有することになる。
さらに、第1実施形態では、燃料電池スタック20Aに重ねたバッファ流路板27の表面を掘り下げてバッファ流路42を形成した。しかし、図8で模式的に示すように、燃料電池スタック20Eの下流側にバッファ空間42Bを外付け接続して設けることも可能である。バッファ空間42Bには、内圧に応じて伸縮する蛇腹空間42Cを設けてもよい。
また、第1実施形態のような複数の発電セル23を積み重ねた形態ではなく、単独の発電セルの燃料流路32Bの下流側にバッファ空間42Bを接続してもよい。
<第2実施形態>
図9は第2実施形態の燃料電池の構成の説明図である。図9に示すように、第2実施形態の燃料電池120は、バッファ空間142を形成した共通のバッファ基板140上に複数の発電セル129を平面的に配列している。複数の発電セル129は、共通の燃料極集電体124と酸素極集電体128とによって並列に接続されて並列に電力を取り出される。発電セル129は、高分子電解質膜の両面に触媒層を形成した膜電極接合体126の下面にガス拡散層125、上面にガス拡散層127を接触させている。
ガス拡散層125、127は、それぞれ燃料極スペーサ137、酸素極スペーサ138の独立した開口に収められている。燃料極スペーサ137、酸素極スペーサ138は、発電セル129とともに、燃料極集電体124と酸素極集電体128との間隔に挟み込んで組み立てられる。
燃料極集電体124、酸素極集電体128は、導電性の多孔性材料を発電セル129ごとに独立して配置している。発電セル129への水素ガスの供給は、燃料極集電体124の下面に配置された流路基板136を通じて行われる。燃料極集電体124および燃料極スペーサ137の仕切り枠と、膜電極接続体126と、流路基板136とで囲まれた空間は、ガス拡散層125を収納して外気から密封された燃料空間となっている。
ガス拡散層127は、酸素極スペーサ138の仕切り枠に格納されて酸素極集電体128を通じて表面が大気に解放されている。発電セル129を平面的に配列しているので、発電セルを積み重ねる形式に比較して、酸素の取り入れ面積、水蒸気の排出面積を広く確保できる。
流路基板136には、流体入り口124から供給された水素ガスをそれぞれ2つずつの発電セル129へ導く複数の支流路123が形成されている。支流路123は、燃料極集電体124に接する部分で流路抵抗を高めることにより、水素ガスの素通りを回避している。
流路基板136の下にバッファ基板140が配置される。バッファ基板140にはバッファ空間142の凹所が形成され、バッファ空間142の上面は、流路基板136により密封されている。流路基板136上で合流した複数の支流路123は、貫通孔141を通じてバッファ空間142に連通し、バッファ空間142の貫通孔141とは反対側に、流体出口143が形成されている。
流体出口143には、第1実施形態と同様に、不図示のストップバルブが接続され、第2実施形態の燃料電池120は、第1実施形態の燃料電池スタック20Aと同様にストップバルブを閉じて運転されるデッドエンド型である。
支流路123を含む燃料供給空間の体積をV1、バッファ空間142の体積をV2、燃料供給空間の初期圧力をP1、燃料供給圧力をP2とした。このとき、P1/P2<V2/(V1+V2)の関係となるように、バッファ空間の体積V2と燃料供給圧力P2とを設定してある。
燃料電池120は、支流路123を含む燃料供給空間に大気圧の不活性ガスを充填した状態で保管される。そして、発電開始に際しては、第1実施形態と同様に、流体入り口124から大気圧よりも高い燃料供給圧力で水素ガスを供給して、支流路123を含む燃料供給空間の不活性ガスをバッファ空間142に移動させる。
ガス拡散層125に接する膜電極接合体126の触媒層では、水素ガスが触媒反応によって水素原子に分解されてイオン化し、水素イオンが高分子電解質膜に供給される。ガス拡散層127に接する膜電極接合体126の触媒層では、触媒反応によって酸素が高分子電解質膜から拾い上げた水素イオンに化合して水分子を生成する。膜電極接合体126の高分子電解質膜は、ガス拡散層125側からガス拡散層127側へ水素イオンを移動させる。
<第3実施形態>
図10は第3実施形態の燃料電池の構成の説明図、図11はバッファ流路の有無による水素ガス排出量の比較の説明図、図12は膜電極接合体の窒素漏れ量と出力電流の関係を示す線図である。燃料電池スタック20Gは、発電セルがカスケード方式に接続される以外は第1実施形態の燃料電池スタック20Gと同様に構成されるので、図2と共通する部材には共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gは、図1に示す燃料タンク20Bと接続されて燃料電池を構成する。図10に示すように、バッファ流路42の下流側に形成された燃料流路出口43にはパージバルブ47が接続されている。パージバルブ47は、通常は閉じた状態であるが、所定のタイミングで開かれてバッファ流路42に濃縮蓄積された不純物ガスを大気中に排出する。パージバルブ47は、燃料電池搭載機器50の不図示の電気回路により制御されて開閉動作する。
燃料電池スタック20Gで使用する水素ガスの供給方法は、オンサイトでの燃料製造・貯蔵した燃料の供給など適宜選択可能である。第3実施形態では、水素吸蔵合金を有する燃料タンク20Bを用いる。燃料タンク20Bより放出された水素ガスは、内蔵されたレギュレータによって所望の圧力に調整した後に燃料電池スタック20Gに供給される。燃料電池スタック20Gに供給される燃料供給圧力は、燃料流路32のコンダクタンス、膜電極接合体25で用いる高分子電解質膜の厚み等によって選択される。燃料タンク20Bには、約5リットルの水素が充填され、レギュレータによって200kPa(2気圧)に減圧して燃料電池スタック20Gに供給する。
燃料電池スタックは、カスケード流パターンの燃料流路32構成を有する。すなわち、燃料入り口24より導入された水素ガスは、複数(N−1個)の発電セル23に並列に供給される。N−1個の発電セル23の下流では、燃料流路32が排出側主流路45に合流され、合流した水素ガスが最下流の発電セル41に供給される。ここで、Nは燃料電池スタック20G内の発電セル23、41の数である。第3実施形態では、N=12(一部は図示略)の燃料電池スタック20Gを構成する。このとき、燃料電池スタック20G内の膜電極接合体25の総面積は約30cmである。
発電セル41の燃料流路32の下流には、バッファ流路42が設けられる。バッファ流路42のさらに下流には、パージバルブ47が設置される。すなわち、第3実施形態においても、デッドエンド型の運転となる。デッドエンド型の燃料電池スタック20Gは、燃料循環用の配管やポンプが不要となるので、燃料電池20の小型化に適した構成である。また、水素ガスを循環させないフロー型の燃料電池に比べて、垂れ流す水素ガスが無い分、燃料の有効利用に好適であると考えられる。
以上の燃料流路32の構成によって、不純物ガスは、バッファ流路42に濃縮されて蓄積される。発電セル23に形成された水素ガスの流れによって、発電セル23の燃料流路32における不純物ガス濃度は下流側ほど高くなる。発電セル23で不純物ガス濃度が高められた水素ガスは、供給側主流路45を通じて最下段の発電セル41に流れ込む。
発電セル41でも不純物ガス濃度は下流側ほど高くなる。発電セル41の出口の不純物ガス濃度とバランスするバッファ流路42には、供給側主流路45よりも一段と高濃度の不純物ガスが蓄積される。バッファ流路42の不純物ガスは、濃度差に駆動されて燃料流路32を上流側へ拡散しようとする。しかし、燃料流路32を下流側へ向かって流れる水素ガスが拡散を妨げて、不純物ガスを下流側へ吹き寄せて、バッファ流路42における不純物ガスの高濃度を保持させる。
第3実施形態では、バッファ流路42の体積を0.6mlとした。また、比較のため、バッファ流路42を設けない同構成の燃料電池スタック(比較例)も準備した。
次に、不純物ガスの進入レート(時間当たり漏れ量)について説明する。第3実施形態は、酸化剤極が大気に開放された大気開放型の燃料電池20である。このため、燃料流路32に進入する不純物ガスの主成分は、空気中に含まれる窒素ガスである。燃料電池20では、燃料流路32に進入する窒素ガスは、主に膜電極接合体25を介して酸化剤極より進入することが確認されている。
図12に、第3実施形態で用いる膜電極接合体25における窒素ガス進入レートの測定結果の一例を示す。横軸は発電させた出力電流密度、縦軸は膜電極接合体25の単位面積あたり窒素ガス進入レートを示す。発電時の出力電流密度が高いと、膜電極接合体25を通じた窒素ガスの進入レートも増大する。窒素ガスの進入レートは、膜電極接合体25が設置された環境雰囲気によっても異なり、例えば、発電を行っていない時でも、1桁ほど異なる(図中(a))。そのため、窒素ガスの進入レートは、燃料電池20の使用環境・動作電流において把握することが好ましい。
第3実施形態においては、燃料電池搭載機器50の要望により、動作電流密度200mA/cmでの使用を想定する。図12から膜電極接合体25の単位面積あたり窒素ガス進入レートは、1.7×10−5ml/sec・cm(1×10−3sccm/cm)。膜電極接合体25の総面積30cmから、燃料流路32への窒素ガス進入レートvは、5×10−4ml/sec・cm(0.03sccm)である。
構成の異なる燃料電池においては、進入する不純物ガス、或いは進入の主なる部位が異なる場合も考えられる。しかし、燃料流路32への不純物ガスの進入レートは、使用環境・動作条件・燃料電池構成に応じて異なるものの、計測或いは予測可能である。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gは、バッファ流路体積をV、窒素ガス進入レートをv、パージ間隔をT、燃料供給圧力をP2、大気圧をP0とした時、T×v×(P0/P2)<Vという制御を燃料電池搭載機器50が行う。
第3実施形態は、燃料流路32の下流にバッファ流路42を設けることによって、燃料電池20の動作時におけるパージ動作の間隔Tを任意に設定可能とする。図11に示すように、上記演算式を第3実施形態の寸法構成に適応すると、パージ間隔Tは、44分以内と算出される。一方、バッファ流路42を設けない比較例の燃料電池では、3.4分と算出される。
パージ動作は、燃料流路32内から不純物ガスを除去すると同時に、いくらかの水素ガスを大気中に排出する。このため、頻繁なパージ動作を必要とする比較例の燃料電池では、燃料の有効利用が困難となる。
パージバルブ47の開閉動作は、例えば燃料電池スタック20Gの燃料流路32の構成・パージバルブ47の構成等によって決定される。第3実施形態においてパージ動作時は、パージバルブ47を0.1秒間開いた後に閉じる動作を1秒間隔で3回行う。この一連のパージ動作で、パージバルブ47を通じて大気中に放出される水素ガスの体積はほぼ10mlである。
図11に示すように、第3実施形態では、このようなパージ動作を30分間隔で行う。これにより、燃料電池20から安定した出力が得られる。一つの燃料タンク20Bにより、燃料電池20は2時間程度の連続使用が可能である。この間に計4回のパージ動作を行い、このパージ動作によって40ml程度の水素が消費される。
一方、バッファ流路42を設けていない燃料電池では、3分に1回のパージ動作が必要である。これは、最も下流側の発電セル41の燃料流路32の体積が0.5ml程度であり、窒素ガスの蓄積による燃料電池スタック20G特性への影響が第3実施形態に比べて大きいためである。これにより、第3実施形態と同様な出力状態による2時間の運転では、40回のパージ動作が行われ、水素ガスの大気中への排出量は400mlとなる。実際には、水素ガスの無駄な消費によって、1つの燃料タンク20Bにより、燃料電池20は1.8時間程度しか連続使用が可能でない。
最下段の発電セル41の出力低下を抑制するために、さらに頻繁に50回のパージ動作を行うと、パージ動作によって約500mlの水素ガスが無駄に消費される。このように、第3実施形態の燃料電池スタック20Gでは、燃料電池20の動作時における燃料流路32内の不純物ガスの悪影響が抑制可能となる。このため、パージ動作の頻度を低減でき、パージ動作に伴う水素ガスの消費が抑制できるので、燃料の有効利用が可能となる。これにより、同体積の燃料タンク20Bを用いてより長時間の発電が行えるため、より高いエネルギー容量を持つ燃料電池20が提供可能となる。
第3実施形態によれば、バッファ流路42を燃料電池スタック20Gの燃料流路32下流に設けることにより、次のような効果が得られる。すなわち、燃料流路32内に存在しうる不純物ガスが燃料電池スタック20Gの発電に与える悪影響を抑制可能となる。これにより、燃料電池20動作時の、パージ動作を不要にする、あるいはパージ頻度を低減できる。
このため、パージ動作毎に不純物ガスと同時に大気中へ放出される水素ガスを減少できる。さらに、パージ動作を行う際にパージバルブ47等で消費される電力も抑制できる。これらの結果、燃料を効率よく利用可能となり、エネルギー容量の大きい燃料電池20が提供可能となる。
なお、第3実施形態では、燃料電池スタック20Gの燃料流路31がカスケード型に接続される例を示した。しかし、図2に示されるパラレル型の接続パターンや図6に示されるシリアル型の接続パターンでも、パージバルブ47を接続して燃料電池搭載機器50によってパージ動作を行わせる実施形態が可能である。
また、図8に示す燃料電池スタック20Eの下流側にバッファ空間42Bを外付けする実施形態においても、バッファ空間42Bの下流側にパージバルブ47を接続する実施形態が可能である。
<開発の経緯>
燃料電池は、体積あたりの供給可能なエネルギー量が従来の電池に比べて、数倍から十倍近くになる可能性があり、さらに燃料を充填することにより、携帯電話、ノートPC等小型電気機器の長時間連続使用が可能となるため期待されている。
電解質層として固体高分子電解質膜を採用した固体高分子型燃料電池は、常温に近い温度で使用でき、また電解質層が液体ではなく固体であるので、安全に持ち運べるという利点を有している。固体高分子型燃料電池の発電セルは、触媒層をもつ燃料極と酸化剤極によって、高分子電解質膜が挟持された膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を有している。
高分子電解質膜を用いて水素ガスを反応させる発電セル1段の出力電圧は最大でも1V程度である。従って、所望の電圧を得るため、膜電極接合体とセパレータとを交互に積層して複数の発電セルを電気的に直列に接続した燃料電池スタックが形成される。
セパレータは、燃料電池セルを電気的に直列に接続するための導電性を有するとともに、酸化剤と燃料とを分離するシール性を有する。セパレータの酸化剤極側には酸化剤を供給する酸化剤流路が、燃料極側には燃料を供給する燃料流路が設けられる。
燃料流路には例えば燃料タンクより水素が燃料として供給され、酸化剤流路には例えば空気中の酸素が酸化剤として供給され発電を行う。このような燃料電池は、燃料がデッドエンド型で供給されることがある。デッドエンド型の燃料電池においても、起動時や動作中に燃料流路内の不純物ガスを燃料流路より除去するためのパージバルブが設置される。これは、燃料に含まれる不純物ガス、あるいは外部から混入する不純物ガスを除去するためである。
特許文献1には、デッドエンド型の燃料電池装置のパージ方法が提案されている。図13に従来の燃料電池の構成を示す。図13に示すように、燃料は、燃料電池スタック100にカスケード流パターンで導入される。図中矢印は、燃料電池スタック100内における燃料の流れる方向を示す。第1セット101、第2セット102内の各発電セルを流れ出た燃料は、最終セット103へ導かれる。最終セット103は、パージセル部分104、パージセル部分の下流には不図示のパージバルブを備える。
燃料電池スタック100がカスケード流パターンで設計されるため、燃料電池動作中にパージセル103部分に、窒素などの不純物ガスがたまりやすい。このため、不純物ガスの蓄積は、パージセル部分104の発電セルの性能と第1セット101部分の発電セルの性能とを比較することによって検知される。不純物ガスの蓄積を検知した時、パージバルブは電力消費を伴って開かれ、パージセル部分104に蓄積した不純物ガスを放出する。
しかし、従来の燃料電池では、高いエネルギー容量を持つ燃料電池を実現する上で、次のような課題があった。すなわち、パージ動作による不純物ガスの排出とともに、燃料が大気中に排出されてしまう。また、パージ動作毎にパージバルブ駆動のための電力が消費されてしまう。このため、燃料の有効利用が十分できず、燃料タンクの燃料の量に比較して十分なエネルギー量が燃料電池装置より得られない。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gは、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的は、高いエネルギー容量をもつ燃料電池20を提供することである。
<発明との比較>
第3実施形態の燃料電池スタック20Gは、膜電極接合体25の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される燃料流路32を配置している。燃料流路32の下流側に、燃料流路32で発電に伴って濃縮された不純物ガスが蓄積されるバッファ流路42を接続している。バッファ流路42は、排出側主流路45(図2)やパージバルブ47(図10)の接続管路のような従来の燃料流路32における付属物としての空間とは異なる特別な空間である。バッファ流路42は、燃料電池20を小型化して部品点数を削減する方向とは逆行する付属的な寸法、占有空間、厚み、部品として、燃料流路32の外側に配置されて、燃料流路32に一端を接続して他端が閉じられている。
燃料電池20は、発電中の燃料流路32における不純物ガスの濃縮効果を利用して、バッファ流路42に燃料流路32の上流側〜中流側よりも高い濃度で不純物ガスを蓄積する。気体燃料の流れが不純物ガスを燃料流路32の下流側へ吹き寄せるので、燃料流路32には、上流側から下流側へ向かって高まる不純物ガスの濃度勾配が形成される。燃料流路32の下流側に接続されたバッファ流路42には、この濃度勾配における最も高い濃度で不純物ガスが蓄積される。これにより、発電に関与する燃料流路32に不純物ガスを直接蓄積する特許文献1の燃料電池に比較して、燃料流路32における不純物ガス濃度の高まりを遅らせることができる。バッファ流路42の容積に拡散される分、燃料流路32における不純物ガスの濃度が低く保たれ、その分、気体燃料の分圧が高く維持される。
従って、特許文献1の燃料電池に比較して、燃料流路32に蓄積した不純物ガスによって発電出力が影響されにくい。燃料流路32に蓄積した不純物ガスが発電出力に影響し始めるまでの時間が長くなるので、特許文献1の燃料電池に比較してパージの頻度が少なくて済む。パージの頻度が少なければ、パージによって無駄に消費される気体燃料が減るので、気体燃料の利用効率が高まって燃料タンクが長持ちする。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gは、膜電極接合体25の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される複数の燃料流路32を直列に接続して配置している。燃料供給における最も下流側に位置する燃料流路32の下流側に、燃料流路32で発電に伴って濃縮された不純物ガスが蓄積されるバッファ流路42を接続している。バッファ流路42は、燃料流路32の外側に配置されて、燃料流路32に一端を接続して他端が閉じられている。
燃料電池スタック20Gは、直列に接続した燃料流路32における不純物ガスの濃縮効果を利用して、最も下流側の燃料流路32に上流側の燃料流路32よりも高い濃度で不純物ガスを蓄積する。そして、最も下流の燃料流路32では、発電中の燃料流路32における不純物ガスの濃縮効果を利用して、バッファ流路42に最も下流の燃料流路32の上流側〜中流側よりも高い濃度で不純物ガスを蓄積する。
気体燃料の流れが不純物ガスを下流側へ吹き寄せるので、最も下流側の燃料流路32には、上流側から下流側へ向かって高まる不純物ガスの濃度勾配が形成される。燃料流路32の下流側に接続されたバッファ流路42には、この濃度勾配における最も高い濃度で不純物ガスが蓄積される。これにより、最も下流側の燃料流路32に不純物ガスを直接蓄積する特許文献1の燃料電池に比較して、最も下流側の燃料流路32における不純物ガス濃度の高まりを遅らせることができる。バッファ流路42の容積に拡散される分、最も下流側の燃料流路32における不純物ガスの濃度が低く保たれ、その分、気体燃料の分圧が高く維持される。
従って、特許文献1の燃料電池に比較して、燃料流路32に蓄積した不純物ガスによって最も下流の発電セルの出力が影響されにくい。燃料流路32に蓄積した不純物ガスが最も下流の発電セルの出力に影響し始めるまでの時間が長くなるので、特許文献1の燃料電池に比較してパージの頻度が少なくて済む。パージの頻度が少なければ、パージによって無駄に消費される気体燃料が減るので、気体燃料の利用効率が高まって燃料タンクが長持ちする。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gでは、バッファ流路42の容量は、接続された燃料流路32の出口からバッファ流路42の入り口までの容積よりも大きく、バッファ流路42における不純物ガスの流れと垂直な断面積は、燃料流路32にバッファ流路42を接続する流路の断面積よりも大きい。従って、パージバルブ47と燃料流路42とを単に接続するだけの管路に比較して、より多くの不純物ガスをその拡大された容積によって安定して保持できる。また、入り口のくびれの下流側に不純物ガスを効率的に閉じ込めて上流側への漏れ出しが抑制される。なお、燃料流路32やバッファ流路42には、発泡材料や綿状材料を絞り抵抗として充填してもよいが、その場合、それぞれの流路の断面積は発泡材料や綿状材料の断面積である。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gでは、図3に示すように、バッファ流路42を接続した燃料流路32は、燃料供給側からバッファ流路42との接続側に至る流路構造によって構成される。そして、図10に示すように、別の発電セル23の燃料流路32に対して並列接続されていない。従って、第3実施形態では、発電セル41を通じた不純物ガスの上流側へ向かう逆拡散が抑制されて、並列接続されている場合よりも高い濃度で不純物ガスをバッファ流路42に蓄積できる。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gでは、バッファ流路42の不純物ガスを追い出す際に開かれるパージバルブ47を、燃料流路32との接続側の反対側でバッファ流路42に接続している。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gでは、図4に示すように、バッファ流路42に接続された燃料流路32に対する接続位置からパージバルブ47までの直線距離よりも長い流路構造によって、バッファ流路42を構成している。従って、パージバルブ47を開いた際には、バッファ流路42に沿って不純物ガスが押し出され、押し出す水素ガスと不純物ガスとの混合が抑制される。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gでは、相互に並列接続された燃料流路32の数を下流側へ向かって次第に減少させて直列に接続するカスケード方式で複数の燃料流路32が配置されている。従って、上流側から下流側まで気体燃料の流量のばらつきを抑制して直列接続の段ごとに不純物ガスを段階的に濃縮することにより、最下流の燃料流路32に不純物ガスを効率的に濃縮できる。
第3実施形態の燃料電池スタック20Gでは、複数の燃料流路32が平面を揃えて積み重ねられ、バッファ流路42は、燃料流路32に平面を揃えて積み重ねたバッファ流路板27に形成された凹所である。
第2実施形態の燃料電池120は、複数のガス拡散層125が共通のバッファ基板140上の異なる位置に配置され、バッファ流路142は、共通のバッファ基板140に形成された凹所である。
第1実施形態の燃料電池20では、燃料流路32の合計容積をV1、バッファ流路42の容積をV2、燃料供給前における燃料流路32の圧力をP1、燃料供給時の圧力をP2としたとき、P1/P2<V2/(V1+V2)である。
図8に示す燃料電池スタック20Eのバッファ空間42Bは、内圧に応じて容積を膨張/収縮させてバッファ空間42Bの内圧変化を緩和する蛇腹空間42Cを有する。
第1実施形態の燃料電池20は、不活性ガスが充填された燃料流路32に対して発電開始前の燃料流路32の圧力よりも高い燃料供給圧力で燃料流路32に気体燃料を供給して、パージ動作を伴うことなく燃料流路32の不活性ガスをバッファ流路42に移動させる燃料タンク20Bを備えている。
第2実施形態の燃料電池スタック20Gには、予め定めた時間間隔ごとにパージバルブ47を開いてバッファ流路42の不純物ガスを排出させる燃料電池搭載機器50を備えてある。パージ動作の時間間隔をT、複数の燃料流路32を連通させた合計容積に対する窒素ガスの時間当たり漏れ量をv、バッファ流路42の容積をV2、燃料供給圧力をP2、大気圧をP0としたとき、T<(V2×P2)/(v×P0)である。
第1実施形態の運転方法では、燃料流路32に加湿した不活性ガスを満たして燃料電池スタック20Aが保管される。発電開始に際しては、燃料供給前における燃料流路32の圧力P1よりも高い燃料供給圧力P2で燃料流路32に気体燃料を供給して、燃料流路32の不活性ガスをバッファ流路42に移動させる。
第3実施形態の運転方法では、複数の燃料流路32を連通させた合計容積に対する窒素ガスの時間当たり漏れ量をv、バッファ流路42の容積をV2、パージバルブ47を開く時間間隔をT、燃料供給圧力をP2、大気圧をP0としたとき、T<(V×P2)/(v×P0)と定めた時間間隔Tごとにパージバルブ47を開いてバッファ流路42の不純物ガスを排出させる。
第3実施形態では、膜電極接合体25の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される燃料流路32と、膜電極接合体25の他方の面側に配置されて酸化剤が供給される酸化剤流路31とを備える。膜電極接合体25を介して燃料流路32と酸化剤流路31とが対峙する発電領域にて気体燃料と酸化剤とを反応させて発電を行う。
気体燃料の供給における発電領域の最も下流側に、発電に伴って濃縮される燃料流路32の不純物ガスを蓄積するバッファ流路42を設けている。バッファ流路42における燃料流路32から最も離れた位置から、燃料流路32の容積よりも少ない体積分の気体を追い出すことにより、発電領域の発電性能を回復させる。
第1実施形態の燃料電池の斜視図である。 燃料電池スタックの断面図である。 セパレータの説明図である。 バッファ空間の説明図である。 燃料流路体積、バッファ流路体積、初期燃料流路内圧力、燃料供給圧力を異ならせた燃料電池スタックの特性一覧表である。 シリアル流パターンの燃料電池スタックの構成の説明図である。 カスケード流パターンの燃料電池スタックの構成の説明図である。 バッファ空間を外付けする変形例の説明図である。 第2実施形態の燃料電池の構成の説明図である。 第3実施形態の燃料電池の構成の説明図である。 バッファ流路の有無による水素ガス排出量の比較の説明図である。 膜電極接合体の窒素漏れ量と出力電流の関係を示す線図である。 特許文献1に示される燃料電池の燃料流路の構成の説明図である。
符号の説明
20 燃料電池
20A 燃料電池スタック
20B 燃料タンク
21、22 エンドプレート
23、41 発電セル
23A、23B ガス拡散層
24 燃料流路入り口
25 固体電解質層(膜電極接合体)
26 セパレータ
27 板状部材(バッファ流路板)
31 酸化剤供給空間(酸化剤流路)
32 燃料供給空間(燃料流路)
33 貫通口
42、42B、42C バッファ空間(バッファ流路、バッファ空間、蛇腹空間)
43 燃料流路出口
47 開閉弁(パージバルブ)
50 制御手段(燃料電池搭載機器)

Claims (16)

  1. 固体電解質層の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される燃料供給空間を一つもしくは複数有する燃料電池において、
    前記固体電解質層を通じた発電に伴って前記燃料供給空間に形成される気体燃料の流れの下流側で前記燃料供給空間に接続流路を介して接続されたバッファ空間を有し、
    記バッファ空間は、前記燃料供給空間の外側に配置されて、前記燃料供給空間で発電に伴って前記下流側に濃縮される不純物ガスを蓄積するための空間であって、
    前記バッファ空間の前記不純物ガスの流れと垂直な断面積は、前記接続流路における前記不純物ガスの流れと垂直な断面積よりも大きいことを特徴とする燃料電池。
  2. 固体電解質層の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される複数の燃料供給空間を直列に接続して配置した燃料電池において、
    前記固体電解質層を通じた発電に伴って前記複数の燃料供給空間に形成される気体燃料の流れの下流側で前記複数の燃料供給空間に接続流路を介して接続されたバッファ空間を有し、
    記バッファ空間は、前記燃料供給空間の外側に配置されて、前記複数の燃料供給空間で発電に伴って前記下流側に濃縮される不純物ガスを蓄積するための空間であって、
    前記バッファ空間の前記不純物ガスの流れと垂直な断面積は、前記接続流路における前記不純物ガスの流れと垂直な断面積よりも大きいことを特徴とする燃料電池。
  3. 前記バッファ空間の容量は、前記バッファ空間に前記接続流路を介して接続された前記燃料供給空間の出口から前記バッファ空間の入り口までの容積よりも大きいことを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池。
  4. 前記バッファ空間に前記接続流路を介して接続された前記燃料供給空間は、燃料供給側から前記接続流路との接続側に至る流路構造によって構成されるとともに、別の前記燃料供給空間に対して並列接続されていないことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の燃料電池。
  5. 前記バッファ空間の前記不純物ガスを追い出す際に開かれる開閉弁を、前記燃料供給空間と前記接続流路を介して接続される反対側で前記バッファ空間に接続したことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の燃料電池。
  6. 前記接続流路に対する接続位置から前記開閉弁までの直線距離よりも長い流路構造によって、前記バッファ空間を構成したことを特徴とする請求項5記載の燃料電池。
  7. 前記燃料供給空間を複数有し、前記バッファ空間に前記接続流路を介して接続された前記燃料供給空間を最も下流側に配置して、相互に並列接続された前記燃料供給空間の数を下流側へ向かって次第に減少させて直列に接続するカスケード方式で複数の前記燃料供給空間が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の燃料電池。
  8. 前記燃料供給空間を複数有し、当該複数の前記燃料供給空間が平面を揃えて積み重ねられ、前記バッファ空間は、前記燃料供給空間に平面を揃えて積み重ねた板状部材に形成された凹所であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の燃料電池。
  9. 前記燃料供給空間を複数有し、当該複数の前記燃料供給空間が共通の基板部材上の異なる平面位置に配置され、前記バッファ空間は、前記共通の基板部材に形成された凹所であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の燃料電池。
  10. 前記燃料供給空間を複数有し、当該複数の前記燃料供給空間の合計容積をV1、前記バッファ空間の容積をV2、燃料供給前における前記燃料供給空間の圧力をP1、燃料供給時の圧力をP2としたとき、P1/P2<V2/(V1+V2)であることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の燃料電池。
  11. 前記バッファ空間は、内圧に応じて容積を膨張/収縮させて前記バッファ空間の内圧変化を緩和する膨張部材を有することを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の燃料電池。
  12. 不活性ガスもしくは大気が充填された前記燃料供給空間に対して発電開始前の前記燃料供給空間の圧力よりも高い燃料供給圧力で前記燃料供給空間に気体燃料を供給して、パージ動作を伴うことなく前記燃料供給空間の不活性ガスを前記バッファ空間に移動させる燃料タンクを備えたことを特徴とする請求項10または11記載の燃料電池。
  13. 請求項5または6記載の燃料電池を搭載した燃料電池装置において、
    予め定めた時間間隔ごとに前記開閉弁を開いて前記バッファ空間の前記不純物ガスを排出させる制御手段を備え、
    前記時間間隔をT、複数の前記燃料供給空間を連通させた合計容積に対する窒素ガスの時間当たり漏れ量をv、前記バッファ空間の容積をV2、燃料供給圧力をP2、大気圧をP0としたとき、T<(V2×P2)/(v×P0)であることを特徴とする燃料電池装置。
  14. 請求項10または11記載の燃料電池を用いる燃料電池の運転方法において、
    前記燃料供給空間に不活性ガスもしくは大気を満たして保管し、
    発電開始に際しては、燃料供給前における前記燃料供給空間の圧力よりも高い燃料供給圧力で前記燃料供給空間に気体燃料を供給して、前記燃料供給空間の不活性ガスを前記バッファ空間に移動させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  15. 請求項5または6記載の燃料電池を用いる燃料電池の運転方法において、
    複数の前記燃料供給空間を連通させた合計容積に対する窒素ガスの時間当たり漏れ量をv、前記バッファ空間の容積をV2、前記開閉弁を開く時間間隔をT、燃料供給圧力をP2、大気圧をP0としたとき、T<(V2×P2)/(v×P0)と定めた時間間隔Tごとに前記開閉弁を開いて前記バッファ空間の前記不純物ガスを排出させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  16. 固体電解質層の一方の面側に配置されて気体燃料が供給される燃料供給空間と、
    前記固体電解質層の他方の面側に配置されて酸化剤が供給される酸化剤供給空間と、を備え、
    前記固体電解質層を介して前記燃料供給空間と前記酸化剤供給空間とが対峙する発電領域にて気体燃料と酸化剤とを反応させて発電を行う燃料電池の運転方法において、
    気体燃料の供給における前記発電領域の最も下流側に、前記発電に伴って濃縮される前記燃料供給空間の不純物ガスを蓄積するバッファ空間を、前記バッファ空間の前記不純物ガスの流れと垂直な断面積よりも小さな断面積の接続流路を介して設け、
    前記バッファ空間における前記燃料供給空間から最も離れた位置から、前記燃料供給空間の容積よりも少ない体積分の気体を追い出すことにより、前記発電領域の発電性能を回復させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
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