JPH11144745A - 固体高分子電解質型メタノール燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型メタノール燃料電池

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JPH11144745A
JPH11144745A JP9304621A JP30462197A JPH11144745A JP H11144745 A JPH11144745 A JP H11144745A JP 9304621 A JP9304621 A JP 9304621A JP 30462197 A JP30462197 A JP 30462197A JP H11144745 A JPH11144745 A JP H11144745A
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JP
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anion exchange
methanol
base type
fuel cell
exchange membrane
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JP9304621A
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Ichiro Terada
一郎 寺田
Masaru Yoshitake
優 吉武
Naoki Yoshida
直樹 吉田
Yasuhiro Kunihaza
康弘 国狭
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Asahi Glass Co Ltd
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    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】メタノールのクロスリーク量を低減した高出力
の固体高分子電解質型メタノール燃料電池の提供。 【解決手段】イオン交換膜の一方の面にメタノール極が
接合され、他方の面に空気極が接合されてなる固体高分
子電解質型メタノール燃料電池であって、上記イオン交
換膜が、少なくとも一方の表面に弱塩基型アニオン交換
基を有するアニオン交換膜である固体高分子電解質型メ
タノール燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン交換膜を電
解質として用いる固体高分子電解質型メタノール燃料電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】メタノールを直接に燃料として使用する
メタノール燃料電池は、燃料が取り扱いやすく、安価で
あることから家庭用や産業用の比較的小出力規模の電源
として期待されている。
【0003】メタノール−酸素燃料電池の理論出力電圧
は、水素を燃料とするものとほぼ同じ1.2V(25
℃)であり、原理的には同様の特性が期待できる。この
ためメタノールの陽極酸化反応については数多くの研究
がなされているが、充分な特性が得られていない。
【0004】この理由としては、充分な活性を有するメ
タノールの酸化触媒がいまだ見いだされていないこと、
通常電解質として用いられるイオン交換膜はメタノール
透過性が非常に高いため、メタノールの利用効率が低
く、かつメタノール極の対極である空気極に到達したメ
タノールが空気極表面で反応するため過電圧が増大し、
出力電圧が低下することなどが挙げられる。
【0005】上記問題点を解決する方法として、スルホ
ン酸基を有するペルフルオロカーボン重合体膜であるナ
フィオン膜を用いた電極−膜接合体を用い、反応温度を
100℃以上に設定し、メタノール極、空気極の反応速
度を上げるとともに、メタノールを気相で供給し膜のア
ノード側のメタノール濃度を下げる方法が報告されてい
るが、上記方法においても充分な特性は得られていなか
った。
【0006】また、電解質であるイオン交換膜がカチオ
ン交換膜である場合は、供給したメタノールがメタノー
ル極で反応せず、電解質を通ってそのまま空気極に達す
る、いわゆるクロスリーク現象によるメタノールのクロ
スリーク量の増大、および空気極が酸性雰囲気であるこ
とによる過電圧の増大により、空気極の分極増大も顕著
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メタ
ノール透過性の低いイオン交換膜を使用することによ
り、高出力のメタノール燃料電池を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体高分子電
解質であるイオン交換膜の一方の面にメタノール極が接
合され、他方の面に空気極が接合されてなる固体高分子
電解質型メタノール燃料電池であって、上記イオン交換
膜が、少なくとも一方の表面にアニオン交換基を有する
アニオン交換膜であることを特徴とする固体高分子電解
質型メタノール燃料電池を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の固体高分子電解質型メタ
ノール燃料電池を構成する電解質は、少なくとも一方の
表面に弱塩基型アニオン交換基を有するアニオン交換膜
である。上記アニオン交換膜を用いることにより、メタ
ノールがアニオン交換膜を透過しにくくなる。弱塩基型
アニオン交換基は少なくともアニオン交換膜の表面の一
部に存在すればよい。上記弱塩基型アニオン交換基とし
ては、特に限定されないが、−NRR’(RおよびR’
はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基)が好まし
い。
【0010】上記アニオン交換膜としては、メタノール
透過性をより低下させる目的から、弱塩基型アニオン交
換基を有する層が積層されてなるものが好ましく、特に
は、弱塩基型アニオン交換基を有する層と強塩基型アニ
オン交換基を有する層とが積層されてなるものが好まし
い。ここで、強塩基型アニオン交換基としては、4級ア
ンモニウム基またはピリジニウム基が好ましい。
【0011】弱塩基型アニオン交換基を有する層の厚さ
は0.001〜30μmであるのが好ましい。弱塩基型
アニオン交換基を有する層の厚さが0.001μmより
薄いとメタノール透過阻止効果が小さく、また30μm
より厚いと膜抵抗が高くなる。上記層の厚さが0.05
〜10μmである場合は、膜抵抗はほとんど上昇せず、
メタノール透過性を効果的に抑制できるので特に好まし
い。
【0012】また、アニオン交換膜が、弱塩基型アニオ
ン交換基を有する層と強塩基型アニオン交換基を有する
層とが積層されてなる場合、強塩基型アニオン交換基を
有する層の厚さと、弱塩基型アニオン交換基を有する層
の厚さとの比率は、(弱塩基型アニオン交換基を有する
層の厚さ)/(強塩基型アニオン交換基を有する層の厚
さ)=1/100〜1/1、特には1/20〜1/5で
あるのが好ましい。
【0013】積層される層の数および配列は、少なくと
も一方の表面に弱塩基型アニオン交換基を有する層が存
在するように積層されれば、特に限定されないが、通常
は1枚の強塩基型アニオン交換基を有する層を2枚の弱
塩基型アニオン交換基を有する層の間に配した3層構造
のもの、1枚の強塩基型アニオン交換基を有する層と1
枚の弱塩基型アニオン交換基を有する層とからなる2層
構造のものが好ましく用いられる。また、アニオン交換
膜は、好ましくは補強布で補強して用いられる。
【0014】アニオン交換膜の厚さは、10〜200μ
m、特には、30〜80μmであるのが好ましい。厚さ
が10μmより薄いとメタノールの透過を充分に阻止で
きず、メタノールのクロスリーク量が多くなり好ましく
ない。また厚さが200μmより厚いと膜抵抗が高くな
るので好ましくない。
【0015】アニオン交換膜のイオン交換容量は、乾燥
アニオン交換膜1gあたり1.0〜2.5ミリ当量、特
には、1.6〜2.2ミリ当量であるのが好ましい。イ
オン交換容量が乾燥アニオン交換膜1gあたり1.0ミ
リ当量より小さいと、膜抵抗が高くなり、イオン交換容
量が乾燥アニオン交換膜1gあたり2.5ミリ当量より
大きいと膜の強度が低下するので好ましくない。イオン
交換容量が乾燥アニオン交換膜1gあたり1.6〜2.
2ミリ当量である場合は、膜抵抗および膜の強度の両面
で優れるので特に好ましい。
【0016】アニオン交換膜を形成する共重合体として
は、種々の共重合体が使用できるが、なかでも(スチレ
ンまたは(クロロメチル)スチレン)とジビニルベンゼ
ンとの共重合体に弱塩基性または強塩基性のアニオン交
換基を導入したものは、架橋性に優れ、材料が入手しや
すく安価であることから好ましい。上記(クロロメチ
ル)スチレンは、o体、m体、p体、またはこれらの混
合物のいずれであってもよい。また、上記ジビニルベン
ゼンもo体、m体、p体、またはこれらの混合物のいず
れであってもよい。
【0017】なお、製膜性および膜強度の向上の目的か
ら、アニオン交換膜を形成する共重合体を重合する際に
ニトリルゴム、ポリ塩化ビニル樹脂等を添加し、共重合
させるのが好ましい。
【0018】弱塩基型アニオン交換基を有する層と強塩
基型アニオン交換基を有する層との積層膜を作成する方
法としては、以下の方法が挙げられる。
【0019】1)強塩基型アニオン交換膜に弱塩基型ア
ニオン共重合体溶液を吸着させる方法やキャスト積層す
る方法。 2)強塩基型アニオン交換膜に弱塩基型アニオン交換膜
を加熱積層する方法。 3)強塩基型アニオン交換膜に弱塩基型アニオン交換膜
を接着液を使用して積層する方法。 4)ハロゲン化アルキル基を有する共重合体に1級また
は2級アミンを反応させることにより弱塩基型アニオン
交換基を導入した後、3級アミンと反応させることによ
り、残りのハロゲン化アルキル基を強塩基型アニオン交
換基とする方法。 5)弱塩基型アニオン交換基を有する重合体にハロゲン
化アルキルを反応させることにより強塩基型アニオン交
換基を一部導入する方法。
【0020】上記4)および5)の方法は、膜中におい
て弱塩基型アニオン交換基を含有する層と強塩基型アニ
オン交換基を含有する層が一体となり、共重合体の溶出
や積層膜の剥離がないので好ましい。
【0021】上記4)の方法では、ハロゲン化アルキル
基を有する共重合体としては、好ましくは(クロロメチ
ル)スチレン/ジビニルベンゼン共重合体膜が使用さ
れ、弱塩基を導入するためのアミンとして、好ましくは
メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミンまたはジ
エチルアミン等の1級または2級アルキルモノアミン、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチ
レンペンタミン、ポリエチレンイミン等のポリアミン、
またはピペリジン、ピロリジン、ピペラジン等の環状の
アミンなどが使用できる。
【0022】また、強塩基型アニオン交換基を導入する
ためのアミンとしては、トリメチルアミンやトリエチル
アミン等のトリアルキルアミン、N,N,N’,N’−
テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパ
ン、またはN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6
−ジアミノヘキサン等の3級ジアミン、N−メチルピペ
リジンやN−メチルピロリジン、N−メチルピロール、
1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン、ヘキサメチレンテトラミン、
または1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−1,3,
5−トリアジン等の3級環状アミンが使用できる。
【0023】また、前記重合体と、前記弱塩基または強
塩基を導入するアミンとの反応方法としては、重合体に
蒸気のアミンを反応させる方法、アミンを溶解させたメ
タノール等の溶液に重合体を浸漬させる方法などが挙げ
られる。
【0024】上記5)の方法では、弱塩基型アニオン交
換基を有する共重合体としては、4−ビニルピリジン/
ジビニルベンゼン共重合体、2−ビニルピリジン/ジビ
ニルベンゼン共重合体、N−ビニルイミダゾール/ジビ
ニルベンゼン共重合体、2−ビニルピラジン/ジビニル
ベンゼン共重合体、4−ブテニルピリジン/ジビニルベ
ンゼン共重合体、N,N−ジメチルアクリルアミド/ジ
ビニルベンゼン共重合体、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド/ジビニルベンゼン共重合体等が好
ましく使用される。また、ハロゲン化アルキルとして
は、塩化メチルやヨウ化メチル等のモノハロゲン化アル
キルや1,2−ジブロモメタンやジクロロ−p−キシレ
ン等のジハロゲン化物が好ましく使用される。
【0025】本発明の固体高分子電解質型メタノール燃
料電池を構成するメタノール極および空気極は、通常の
既知の手法にしたがって製造できる。たとえば、メタノ
ール極または空気極としての活性を付与する触媒を、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)などの疎水性樹
脂結着材で保持し、多孔質体のシート状のガス拡散電極
とすることが好ましい。また、ガス拡散電極を構成する
材料を含む分散混合液の噴霧、塗布、ろ過などの方法に
より製造できる。
【0026】電極用の触媒としては公知のものを使用で
きる。たとえば、メタノール極用の触媒としては白金触
媒、白金−ルテニウム合金や白金−スズ合金などの合金
触媒、またはこれらの触媒の微粒子をカーボンなどの担
体上に分散担持させた担持触媒などが挙げられる。空気
極用の触媒は、メタノール極と同様の白金触媒、白金合
金系触媒、担持触媒などが用いられる。
【0027】ガス拡散電極とアニオン交換膜との接合体
の製造方法としては、アニオン交換膜上にガス拡散電極
を直接形成する方法、PTFEフィルムなどの基材上に
一旦ガス拡散電極を層状に形成した後にこれをアニオン
交換膜に転写する方法、ガス拡散電極とアニオン交換膜
とをホットプレスする方法、接着液により密着して形成
させる方法など種々の方法を適用できる。
【0028】
【作用】従来のイオン交換膜においてメタノールの透過
性が高い理由は明らかではないが、従来使われているペ
ルフルオロカーボンスルホン酸膜は膨潤しやすく、メタ
ノールと水との相互作用でさらに膨潤しやすくなるこ
と、また、プロトンがメタノール極側から空気極側へ移
動する際、プロトン1原子あたり数分子の水が伴うが、
この水の移動に伴いメタノールも移動すると考えられ
る。
【0029】一方、本発明におけるイオン交換膜はアニ
オン交換膜であり、通電時には空気極側からメタノール
極側に向かってアニオンが移動するため、メタノールの
移動が起こらないと考えられる。また、表面に弱塩基層
が存在するためアニオン交換膜が膨潤しにくく、メタノ
ールの透過が低減すると考えられる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜例4)および
比較例(例5、例6)により説明するが、本発明は必ず
しもこれらに限定されない。
【0031】<例1>(クロロメチル)スチレン80
g、ジビニルベンゼン20gおよびニトリルゴム5gを
撹拌溶解し、重合開始剤としてジベンゾイルペルオキシ
ドを添加溶解したモノマーシロップ溶液を織布に含浸
後、70℃で6時間、次いで90℃で3時間重合させ
た。
【0032】ついで1モル/リットルのジメチルアミン
のメタノール溶液に30℃で10秒間浸漬した後水洗
し、1モル/リットルのトリメチルアミンのメタノール
溶液に60℃で16時間浸漬し、両面に弱塩基型アニオ
ン交換基を、内部に強塩基型アニオン交換基を持つ厚さ
60μmのアニオン交換膜を得た。得られた膜の総イオ
ン交換容量は乾燥アニオン交換膜1gあたり2.0ミリ
当量であり、弱塩基型アニオン交換基が存在する層は表
面から約0.5μmの厚さであった。
【0033】<例2>例1において、1モル/リットル
のジメチルアミンのメタノール溶液に30℃で10秒間
浸漬する代わりに、共重合体を密閉容器に入れ、ジメチ
ルアミンガスを導入して膜に25℃で15秒接触させた
後、ガスを除去した他は例1と同様にして、両面に弱塩
基型アニオン交換基を、内部に強塩基型アニオン交換基
を持つ厚さ60μmのアニオン交換膜を得た。得られた
膜の総イオン交換容量は乾燥アニオン交換膜1gあたり
2.0ミリ当量であり、弱塩基型アニオン交換基が存在
する層は表面から約0.2μmの厚さであった。
【0034】<例3>例1において、1モル/リットル
のジメチルアミンのメタノール溶液に30℃で10秒間
浸漬する代わりに、1モル/リットルのピペラジンのメ
タノール溶液に30℃で1分間浸漬した後水洗し、0.
5モル/リットルのトリメチルアミンと0.5モル/リ
ットルの1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ
ンを含むメタノール溶液に60℃で32時間浸漬し、両
面に弱塩基型アニオン交換基を、内部に強塩基型アニオ
ン交換基を持つ厚さ60μmのアニオン交換膜を得た。
得られた膜の総イオン交換容量は、乾燥アニオン交換膜
1gあたり2.2ミリ当量、また弱塩基型アニオン交換
基が存在する層は表面から約1μmの厚さであった。
【0035】<例4>20gのジビニルベンゼン、50
gの4−ビニルピリジンおよび30gのスチレン混合液
にニトリルゴム10gを撹拌溶解し、重合開始剤として
ジベンゾイルペルオキシドを添加溶解したモノマーシロ
ップ溶液を織布に含浸後、70℃で6時間、次いで90
℃で3時間重合せしめた。
【0036】得られた膜を金属枠に固定し、1モル/リ
ットルのヨウ化メチルのメタノール溶液を片側からのみ
30℃で6時間接触させた後水洗し、さらに塩酸で処理
して、片側表面に弱塩基型アニオン交換基を、反対側に
強塩基型アニオン交換基を有する厚さ50μmのアニオ
ン交換膜を得た。得られた膜の総イオン交換容量は乾燥
アニオン交換膜1gあたり2.2ミリ当量であり、また
弱塩基型アニオン交換基が存在する層は表面から約2μ
mの厚さであった。
【0037】<例5>1モル/リットルのジメチルアミ
ンのメタノール溶液に浸漬せず、1モル/リットルのト
リメチルアミンのみに浸漬した以外は例1と同様にして
強塩基型のアニオン交換膜を得た。
【0038】<例6>電解質として、ペルフルオロカー
ボンスルホン酸イオン交換膜(デュポン社製品名:ナフ
ィオン117)を用いた。
【0039】[評価結果]電解質としては、例1〜例5
で作製したアニオン交換膜を使用した。芳香族ポリエー
テルスルホンと芳香族ポリチオエーテルスルホンの共重
合体のクロロメチル化物をアミノ化して得られるアニオ
ン交換樹脂を用意し、白金−ルテニウム合金触媒がこの
アニオン交換樹脂で分散・被覆されたガス拡散電極を作
成してメタノール極とした。メタノール極のガス拡散電
極の電極有効面積は10cm2 、このガス拡散電極中の
白金量は見かけ表面積あたり2mg/cm2 とした。ま
た、白金触媒が上記アニオン交換樹脂で分散・被覆され
たガス拡散電極を作成して空気極とした。空気極のガス
拡散電極の電極有効面積は10cm2 、このガス拡散電
極中の白金量は見かけ表面積あたり1mg/cm2 とし
た。
【0040】ホットプレス法にて上記アニオン交換膜、
メタノール極、および空気極を接合し、電極−膜の接合
体を作成した。なお、例4においては、アニオン交換膜
の弱塩基型アニオン交換基が存在する側とアノード電極
とを接合させた。
【0041】また、電解質として、例6のカチオン交換
膜を使用し、メタノール極および空気極に用いた触媒を
ナフィオン117と同組成のカチオン交換樹脂にて被覆
したものとした以外は、上記製法と同様にして、電極−
膜の接合体を作製した。
【0042】得られた上記接合体を、それぞれ一対のリ
ブ付きセパレータの間にはさんで、燃料電池セルを組み
立てた。酸化剤ガスである空気を130℃に保持した加
湿器を介して燃料電池セルに供給し、燃料ガスである2
0重量%のメタノール水溶液を140℃に保持した気化
室を介してガス化させて燃料電池セルに供給し、3気
圧、セル温度130℃にて発電試験を実施した。表1に
電流密度100mA/cm2 での出力電圧を示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】表面に弱塩基型アニオン交換基を存在さ
せたアニオン交換膜を電解質として用いることにより、
メタノールのクロスリーク量を低減し、燃料電池の出力
電圧を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国狭 康弘 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体高分子電解質であるイオン交換膜の一
    方の面にメタノール極が接合され、他方の面に空気極が
    接合されてなる固体高分子電解質型メタノール燃料電池
    であって、上記イオン交換膜が、少なくとも一方の表面
    に弱塩基型アニオン交換基を有するアニオン交換膜であ
    ることを特徴とする固体高分子電解質型メタノール燃料
    電池。
  2. 【請求項2】アニオン交換膜が、弱塩基型アニオン交換
    基を有する層と、強塩基型アニオン交換基を有する層と
    の積層膜である請求項1記載の固体高分子電解質型メタ
    ノール燃料電池。
  3. 【請求項3】弱塩基型アニオン交換基を有する層の厚さ
    が0.001〜30μmである請求項2記載の固体高分
    子電解質型メタノール燃料電池。
  4. 【請求項4】弱塩基型アニオン交換基が、−NRR’
    (RおよびR’はそれぞれ独立に水素原子またはアルキ
    ル基)である請求項1、2または3記載の固体高分子電
    解質型メタノール燃料電池。
  5. 【請求項5】強塩基型アニオン交換基が、4級アンモニ
    ウム基またはピリジニウム基である請求項2、3または
    4記載の固体高分子電解質型メタノール燃料電池。
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