JP5404419B2 - 固体高分子電解質型燃料電池隔膜 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池隔膜、隔膜/電極接合体、及び前記隔膜を組込んだ固体高分子電解質型燃料電池に関する。本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜は陰イオン交換膜からなる。
固体高分子型燃料電池は、イオン交換樹脂等の固体高分子を電解質として用いる燃料電池である。この燃料電池は、動作温度が比較的低いという特徴を有する。
該固体高分子型燃料電池は、図1に示されるように、電池隔壁1a、1b内の空間を、接合体10で仕切った基本構造を有している。前記接合体10は、固体高分子電解質膜6の両面にそれぞれ燃料拡散電極4および酸化剤拡散電極5を接合してある。前記接合体10で電池隔壁1a、1b内の空間を仕切ることにより、電池隔壁内に燃料室7と酸化剤室8とを形成している。前記燃料室7は、電池隔壁1aに形成した燃料流通路2により電池外部と連通している。また、酸化剤室8は、電池隔壁1bに形成した酸化剤流通路3により、外部と連通している。
上記基本構造の固体高分子型燃料電池においては、燃料流通路2を通して、燃料室7に水素ガスあるいはメタノール等からなる燃料を供給する。一方、酸化剤流通路3を通して、酸化剤となる酸素や空気等の酸素含有ガスを酸化剤室8に供給する。この状態で、両拡散電極4、5に外部負荷回路(不図示)を接続すると、次の反応機構により、燃料電池は電気エネルギーを外部回路に供給する。
固体高分子電解質膜6として陽イオン交換型電解質膜を使用する場合には、燃料拡散電極4において、該電極内に含まれる触媒と燃料とが接触し、プロトンが生成する。生成したプロトン(水素イオン)は、固体高分子電解質膜6内を伝導して酸化剤室8の方向に移動する。酸化剤室8に移動したプロトンは、酸化剤拡散電極5内に含まれる触媒の作用で、酸化剤中の酸素と反応して水を生成する。一方、燃料拡散電極4においてプロトンと共に生成する電子は、外部負荷回路を通って酸化剤拡散電極5に移動する。外部負荷回路は、上記反応機構で生成するエネルギーを電気エネルギーとして利用する。
上記固体高分子電解質膜として陽イオン交換型電解質膜を使用する固体高分子型燃料電池においては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜が、最も一般的な陽イオン交換型電解質膜として用いられている。
しかし、このようなパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いる陽イオン交換型燃料電池は、発電をする際の反応を強酸性雰囲気で行うため、酸性雰囲気に耐える貴金属しか触媒として使用できない問題がある。更に、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜は高価であり、燃料電池の製造に要する費用のコストダウンには限界がある問題が指摘されている。
上記問題を解決するために、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜に替えて、炭化水素系陰イオン交換膜を用いることが検討されており、幾つかの提案がある(特許文献1〜4)。
陰イオン交換膜を用いる燃料電池の反応場は塩基性である。塩基性雰囲気中では酸性雰囲気と相違し、一般に金属は溶解され難いので、貴金属以外の金属触媒も使用可能になると考えられている。
陰イオン交換膜を用いる固体高分子型燃料電池の場合、固体高分子電解質膜6内を移動するイオン種は、陽イオン交換膜を用いる燃料電池のイオン種と異なる。陰イオン交換膜を用いる固体高分子型燃料電池の電気エネルギーの発生機構は、以下のものである。すなわち、燃料室に水素、メタノール等の燃料を供給し、酸化剤室に酸素および水を供給することにより、酸化剤拡散電極5において、電極内に含まれる触媒と酸素および水とが接触して水酸化物イオン(OH)が生成する。この水酸化物イオンは、上記炭化水素系陰イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜6内を伝導して燃料室7に移動する。この移動した水酸化物イオンは、燃料拡散電極4に供給される上記燃料と反応して水と電子とを生成する。燃料拡散電極4で生成する電子は、外部負荷回路を通って酸化剤拡散電極5に移動する。燃料電池は、上記反応のエネルギーを電気エネルギーとして利用するものである。
このように、陰イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を用いる燃料電池は、該電解質膜を伝導するイオン種が異なる。更に、イオン種の伝導方向が異なる。また更に、各電極における反応も、陽イオン交換膜を用いた場合と異なる(例えば、酸化剤極で水が反応するなど)。
従来、これらイオン種の相違や水の移動に関する考察は充分になされておらず、これら陰イオン交換膜を燃料電池に用いる場合に特有の反応機構を考慮した電解質膜も提案されていない。
特許文献1は、固体高分子電解質膜用の陰イオン交換膜として、具体的には、織布などの多孔質膜に、4級アンモニウム塩基や4級ピリジニウム塩基などの陰イオン交換基を有する炭化水素系架橋重合体を充填した陰イオン交換膜を開示している。
特許文献2は、炭化水素系エンジニアリングプラスチック類に、4級アンモニウム塩基を導入後、キャスト製膜して得られる陰イオン交換膜を開示している。
特許文献3は、含フッ素ポリマーからなる基材にアニオン交換基を有する炭化水素系モノマーをグラフト重合させた陰イオン交換膜を開示している。
これら特許文献1〜3は、いずれも、陽イオン交換膜を用いる直接メタノール型燃料電池の場合にも同様に解決するべき問題となっている、メタノール透過性の低減に関する問題を解決することを主目的としている。
特許文献4は、陽または陰イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜と触媒電極層の接合性の向上のために、該イオン交換膜上に逆極性のイオン交換基を持つ重合体を付着させることを提案している。このイオン交換膜は、ポリエチレン製多孔質フィルム基材に、炭化水素系架橋型の陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換膜が使用されている。特許文献4によれば、得られるイオン交換膜には、機械的強度や柔軟性を付与でき、さらにイオン交換膜を薄くすることにより電気抵抗を低くできることが記載されている。しかし、特許文献4には、陰イオン交換膜を用いる場合に固有の上記反応機構を十分考慮した構成の記述はない。
特開平11−135137号公報 特開平11−273695号公報 特開2000−331693公報 特開2007−42617公報
上述のように、上記の炭化水素系陰イオン交換膜を用いる固体高分子電解質型燃料電池は、陰イオン交換膜を用いることに由来する優れた利点を有する。しかし、陰イオン交換膜を用いる場合に特有の反応機構を十分に考慮していない。その結果、出力電圧、特に長期間使用する際の出力電圧の安定性などの点で、上記燃料電池は実用的に十分満足できるものではない。
本発明は、陰イオン交換膜を使用することにより生じる優れた利点を有し、更に、長期間にわたり安定した出力電圧を示す、陰イオン交換膜からなる固体高分子電解質型燃料電池用の隔膜を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意研究を行ってきた。そして、陰イオン交換膜を用いる固体高分子型燃料電池に特有の化学種の移動機構を検討するに当り、電気の伝導種である水酸化物イオンが、酸化剤拡散電極側から燃料拡散電極側に移動することに着目した。なお、この移動方向は陽イオン交換膜を用いる燃料電池の場合と逆方向である。さらに、水酸化物イオンの上記移動に伴い、前記水酸化物イオンの水和水の移動も逆向きになる点に着目した。また更に、陽イオン交換膜を用いる燃料電池の場合には、酸化剤極で水が生成するが、陰イオン交換膜を用いる燃料電池の場合には酸化剤極で水が消費される点に着目した。
本発明者等は、これらの着目点について検討を行った。その結果、陰イオン交換膜の有する水の透過性の大小が、燃料電池の出力電圧に大きく影響することを見出した。
上記の知見を基に、陰イオン交換膜の水透過性に注目しながら、さらに隔膜の検討を行った。その結果、前記課題を解決する燃料電池隔膜の開発に成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は、炭化水素系陰イオン交換樹脂を含む陰イオン交換膜からなり、25℃における水透過度が1400g・m−2・hr−1以上、陰イオン交換容量が0.2〜5.0mmol、25℃における含水率が7質量%以上、厚さが3〜50μmであるである固体高分子電解質型燃料電池隔膜である。
また、本発明は、上記固体高分子電解質型燃料電池隔膜と、前記固体高分子電解質型燃料電池隔膜の少なくとも1表面に形成した拡散電極とからなる隔膜/電極接合体である。
更に、本発明は、上記の固体高分子電解質型燃料電池隔膜を組込でなる固体高分子電解質型燃料電池である。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜は、水透過度が1400g・m−2・hr−1以上で、通常の隔膜の水等過度よりも高い。その結果、酸化剤拡散電極近傍における隔膜の電気抵抗が小さくなる。かつ、発電の際に、酸化剤拡散電極で起きる反応に必要な水が、燃料室側から本隔膜を通して酸化剤室側拡散電極に充分に供給される。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜は、大きな水透過度を有する様に、比較的膜厚を薄く、架橋度を小さくしている。これらの理由で、一般に本発明の隔膜は電気抵抗が低い。その結果、本発明の隔膜を組込んだ固体高分子型燃料電池は、陰イオン交換膜を用いることに由来する様々な利点を有すると共に、燃料電池の内部抵抗が小さくなるので、高い出力が得られる。具体的には、本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜の膜抵抗は、40℃、湿潤状態において、交流インピーダンス法による測定で、0.005〜0.6Ω・cmにすることができ、さらに0.005〜0.3Ω・cmにすることもできる。出力電圧は、0.1A・cm−2の電流密度において、0.20〜0.40V、さらには0.25〜0.55Vを得ることができる。
本発明の固体高分子型燃料電池隔膜を組込んだ燃料電池は、これらの高い出力を長期間に渡り維持できる。従って本隔膜は、固体高分子電解質型燃料電池の実用化に極めて有用である。
図1は、固体高分子型燃料電池の基本構造を示す概念図である。
符号の説明
1;電池隔壁
2;燃料流通孔
3;酸化剤ガス流通孔
4;燃料室側拡散電極
5;酸化剤拡散電極
6;固体高分子電解質(陰イオン交換膜)
7;燃料室
8;酸化剤室
本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜は、25℃における水透過度が1400g・m−2・hr−1以上、陰イオン交換容量が0.2〜5.0mmol、25℃における含水率が7質量%以上、厚さが3〜50μmで、好ましくは5〜30μmで、より好ましくは5〜15μmである、炭化水素系陰イオン交換樹脂を含む陰イオン交換膜からなる。
該陰イオン交換膜としては、水透過度等が前記値を満足すれば、どのような炭化水素系陰イオン交換膜でも良い。従来公知の材質の炭化水素系陰イオン交換樹脂を含む陰イオン交換膜が、水透過度が前記値を満足する限り、制限なく採用できる。例えば、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンズイミダゾール系ポリマー等に代表されるエンジニアリングプラスチック材料に、必要に応じて種々の官能基を導入した炭化水素系陰イオン交換樹脂をキャスト製膜した陰イオン交換膜などであっても良い。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜は、好適には、基材となる多孔質膜と、該多孔質膜の空隙部に充填してなる架橋された炭化水素系陰イオン交換樹脂とから構成される陰イオン交換膜が好ましい。このように多孔質膜中に炭化水素系陰イオン交換樹脂が分散されている陰イオン交換膜は、該多孔質膜が補強材として作用する。上記構成を採用することにより、電気抵抗を高めることなく、陰イオン交換膜の物理的強度を高めることができる。
該多孔質膜の膜厚は3〜50μmであることが好ましい。膜抵抗を小さくし、かつ水透過度の高い膜を得る観点等から、多孔質膜の膜厚は、3〜15μmがより好ましい。燃料透過性を低くする観点、及び必要な機械的強度を確保する観点のバランスを考慮すると、多孔質膜の膜厚は5〜15μmが最も好ましい。
前述のように、本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜の25℃における水透過度は1400g・m−2・hr−1以上である。ここで、水透過度の測定方法は、後述の実施例中に詳しく記載される。
要約すると、水透過度は、以下の測定方法により測定される。即ち、水酸化物イオン型の燃料電池隔膜の一面に、25℃において30質量%のエタノール水溶液を接触させる。隔膜の他面に乾燥アルゴンガスを供給する。この状態下で、隔膜を通って、一面から他面のアルゴンガス中に透過してくる水の質量を測定する。
隔膜の水透過度は、酸化剤拡散電極側に供給される水量に大きく影響を与える。水透過度が高いほど、酸化剤拡散電極近傍の隔膜が乾き難く、かつ酸化剤拡散電極で生じる反応に必要な水を十分に供給できる。その結果、より高い燃料電池出力電圧が得られる。この理由で、隔膜の25℃における水透過度は、1600〜5000g・m−2・hr−1が好ましく、1800〜5000g・m−2・hr−1がより好ましい。
隔膜の水の透過度が燃料電池の出力電圧に大きく影響を及ぼす理由は、次のように考えられる。すなわち、陰イオン交換膜を用いる固体高分子型燃料電池においては、酸化剤拡散電極で起きる反応によって水が消費されるため、酸化剤拡散電極近傍の隔膜は乾き易くなる。その結果、隔膜の電気抵抗が増大し、更に、反応に必要な水が不足することで酸化剤拡散電極の反応過電圧が増大する。これらの理由で、出力電圧は低下する。
酸化剤拡散電極への水の供給は、供給する酸化剤ガスの湿度を高める程度では不充分である。発電に伴い、燃料拡散電極において生成する水や、水溶液系の燃料を用いる場合にはこの水溶液に含まれる水を、隔膜を通して、酸化剤拡散電極に供給する必要がある。これら供給する水が不足することに基因する出力電圧の低下は、特に、燃料電池を長期間連続運転する際に生じ易い。また、水溶液系の液体燃料を用いる場合に比べ、水素ガスなどのガス系燃料を用いる場合には、隔膜を通して酸化剤拡散電極に供給する水透過量に不足を生じやすく、その結果出力電圧の低下も生じ易い。
さらに、燃料電池の運転を高電流密度で行う場合には、酸化剤拡散電極から燃料拡散電極への水酸化物イオンの移動量が大きくなるため、この水酸化物イオンの移動に同伴されて水の移動量も大きくなる。このため、酸化剤拡散電極における水の不足が更に顕著となり、出力電圧の低下も生じ易くなる。具体的には、高温で燃料電池を運転する場合や、水溶液系の液体燃料に電解質を加えた場合などでは、高い電流密度での運転が可能になる一方で、水の不足による出力電圧の低下が生じ易くなる。
固体高分子電解質型燃料電池隔膜の水透過度を1400g・m−2・hr−1以上に制御する方法としては、多孔質膜の厚さ、空隙率、該多孔質膜に充填する陰イオン交換樹脂の架橋度を調整する方法等がある。
本発明においては、架橋度は、イオン交換樹脂を構成する炭化水素重合体中に含まれる、陰イオン交換基を有するか又は陰イオン交換基に変換しうる重合性単量体単位と、重合性架橋剤単位との総量に対する、架橋剤単位のモル%と定義される。
多孔質膜の厚さが薄いほど、空隙率が大きいほど、充填する陰イオン交換樹脂の架橋度が小さいほど、得られる燃料電池隔膜の水透過度は大きくなる。
多孔質膜の孔径や、充填する陰イオン交換樹脂の化学構造によって異なるが、上記水透過度を実現するために必要な、多孔質膜の厚さ、空隙率、後述する陰イオン交換樹脂の架橋度の好ましい組み合わせを、以下に例示する。
例えば、多孔質膜の厚さが3〜15μmの場合、空隙率を20〜95%、架橋度を0.4〜15モル%とすることが好ましい。
多孔質膜の厚さが15μm超〜50μmの場合、空隙率を20〜95%、架橋度を0.1〜4モル%とすることが好ましい。
特に、多孔質膜の厚さを3〜15μmとする場合、空隙率を30〜80%、架橋度を0.4〜15モル%とすることが好ましく、より好ましくは架橋度を1〜10モル%とすることが好ましい。
さらに好適な組合せとしては、多孔質膜の厚さを5〜15μm、空隙率を30〜50%、架橋度を1〜10モル%、より好ましくは架橋度を1〜4モル%とすることが好ましい。
陰イオン交換樹脂の架橋度を小さくすると、一般的に、水の透過度が増加すると共に、燃料の透過性も増大する。従って、陰イオン交換樹脂の架橋度を1.0モル%未満にする場合は、燃料の透過率が増加し、好ましくない。この場合は、多孔質膜を薄くすることにより、水透過度を高めることが好ましい。
なお、陰イオン交換樹脂の架橋度を上記範囲に調節するためには、後述のように、陰イオン交換樹脂の製造原料である重合性単量体混合物中の架橋剤含有量を調整すれば良い。重合性単量体混合物中の重合性成分は、概ね定量的に重合する。従って、前記混合物中の架橋剤量を調整することで、陰イオン交換樹脂の架橋度を調整できる。
本発明で用いられる多孔質膜は、イオン交換膜の基材として上記の要件を満足するものであれば、公知の市販品等を用いることができる。多孔質膜としては、多孔質フィルム、不織紙、織布、不織布、紙、無機膜等が制限なく使用できる。多孔質膜の材質としては、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、無機物又はそれらの混合物等が挙げられる。製造が容易であり、機械的強度、化学的安定性、耐薬品性に優れ、炭化水素系陰イオン交換樹脂との親和性が良い観点から、炭化水素系多孔質膜が好ましく、特にポリオレフィン系多孔質膜が好ましい。
多孔質膜の形態としては、多孔質フィルムが好ましい。多孔質フィルムを採用することにより、隔膜を薄膜化して膜の電気抵抗を小さくすると共に、水透過度を大きくし、さらには触媒電極層との接合性を高くできる。
ポリオレフィン系多孔質フィルムとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘプテン等のα−オレフィンを単独重合し、または共重合して、得られるポリオレフィンを原料として製造される多孔質フィルムが例示される。これらのなかでも、特に、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔質フィルムが好ましく、ポリエチレン製の多孔質フィルムが最も好ましい。
ポリオレフィン系多孔質フィルムは、例えば特開平9−216964号公報、特開2002−338721公報等に記載の方法によって得ることができる。あるいは、市販品(例えば、旭化成ケミカルズ「ハイポア」、宇部興産「ユーポア」、東燃タピルス「セテラ」、日東電工「エクセポール」、三井化学「ハイレット」等)として入手することもできる。
多孔質フィルムの平均孔径は、得られる陰イオン交換膜の膜抵抗値、機械的強度等を勘案すると、一般には0.005〜5.0μmであり、0.01〜1.0μmが好ましく、0.015〜0.4μmがより好ましい。
多孔質フィルムの空隙率は、上記平均孔径と同様の観点、及び水透過度を高める観点から、一般的には20〜95%であり、30〜80%がより好ましく、30〜50%が最も好ましい。
なお、多孔質フィルムの平均孔径は、ASTM−F316−86に準拠し、ハーフドライ法により測定する。多孔質フィルムの空隙率は、多孔質フィルムの体積(Vcm)と、質量(Ug)とを測定し、多孔質フィルムの材質の密度をX(g・cm−3)として、下記の式により算出した値である。

空隙率=[(V−U/X)/V]×100[%]

本発明において、多孔質フィルムの空隙部に充填される炭化水素系陰イオン交換樹脂は、陰イオン交換基を除く母材部分が、架橋された炭化水素系重合体で構成されていることが好ましい。ここで、炭化水素系重合体とは、重合体を構成する主鎖及び側鎖の結合の大部分が、炭素−炭素結合で構成されている重合体を示す。上記主鎖及び側鎖を構成する炭素−炭素結合の間に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、シロキサン結合等の構成原子である酸素、窒素、珪素、硫黄、ホウ素、リン等の炭素以外の元素が少量介在していても良い。また、上記主鎖及び側鎖に結合する元素は、その全てが水素原子である必要はない。上記主鎖及び側鎖に結合する元素は、少量であれば、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等の他の元素、又は他の元素を含む置換基により置換されていても良い。これら、炭素と水素以外の元素の量は、陰イオン交換基を除いた、樹脂を構成する全元素中40モル%以下、好適には10モル%以下が好ましい。
炭化水素系陰イオン交換樹脂が有する陰イオン交換基は、従来公知の炭化水素系陰イオン交換樹脂膜の有する陰イオン交換基が、何ら制限無く採用できる。具体的には、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム塩基等が挙げられる。水酸化物イオンの伝導性に優れると共に、膜を製造する際に膜原料の入手の容易性等の観点から、陰イオン交換基は、4級アンモニウム塩基や4級ピリジニウム塩基が好ましく、4級アンモニウム塩基が最も好ましい。
炭化水素系陰イオン交換樹脂は、可能な限り液体燃料や水に対して不溶性であること、及び燃料非透過性であることが好ましい。この観点から、樹脂構造中に共有結合に基づく架橋構造を有するものが好ましい。該架橋構造は、後述の如く、陰イオン交換膜の調製に用いる重合性単量体混合物に、架橋剤を後述の適当量添加することにより形成できる。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜として、基材となる多孔質フィルムと、前記多孔質フィルムの空隙部に充填されてなる架橋された炭化水素系陰イオン交換樹脂とから構成される陰イオン交換膜を用いる場合、基材が補強材の機能を発揮するので、隔膜の機械的強度が向上する。すなわち、厚さ3μmの多孔質フィルムを用いて製造する隔膜の場合、その破裂強度は、通常、0.08MPa以上である。多孔質膜を基材として用いる隔膜は、高い破裂強度を有しているので、陰イオン交換膜を燃料電池に組み込む際に隔膜に亀裂が発生することを防止する。更に、ガス拡散電極として通常使用されるカーボンペーパーから突出しているかも知れない炭素繊維端が突刺って生じるピンホールを抑制できる。
本発明の燃料電池隔膜として用いる、炭化水素系陰イオン交換樹脂を含む陰イオン交換膜の陰イオン交換容量は、0.2〜5.0mmol・g−1、好適には0.5〜3.5mmol・g−1が一般的である。含水率は、25℃におけるイオン交換水中で、7質量%以上、好適には10〜90質量%程度に通常保持されている。この含水率に保持されることにより、隔膜が乾燥されて水酸化物イオンの伝導性が低下しないようになっている。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池隔膜は、公知の製造方法を適宜採用することにより製造できる。例えば、エンジニアリングプラスチックに公知の方法で陰イオン交換基を導入した樹脂を作製し、これをキャスト製膜しても良い。さらには、織布や多孔質フィルムに電子線を照射し、次いでこれに重合性単量体をグラフト重合させ、その後必要に応じて陰イオン交換基を導入する方法で製造しても良い。
最も好ましい製造方法は、前記多孔質フィルムの空隙に、陰イオン交換基を有するかまたは陰イオン交換基に変換しうる基を有する重合性単量体、架橋剤、および重合開始剤からなる重合性単量体混合物を含浸させたのち、含浸させた重合性単量体混合物を重合する方法である。
陰イオン交換基を有するか、または陰イオン交換基に変換しうる基を有する重合性単量体としては、公知のものが制限なく使用できる。
陰イオン交換基を有する重合性単量体としては、ビニルベンジルジメチルアミン、ビニルベンジルジエチルアミン等のアミン系単量体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素複素環系単量体、塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系単量体、およびそれらの塩類および誘導体類等が例示される。
陰イオン交換基に変換しうる基を有する重合性単量体の具体例としては、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、ヨードメチルスチレン、クロロエチルスチレン、ブロモエチルスチレン、ヨードエチルスチレン等のハロゲノアルキル基を有する重合性単量体を挙げることができる。
また、架橋剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、ジビニルベンゼン類、ジビニルスルホン、ブタジエン、クロロプレン、ジビニルビフェニル、トリビニルベンゼン類、ジビニルナフタレン、ジアリルアミン、ジビニルピリジン類等のジビニル化合物が用いられる。
重合開始剤としては、従来公知のものが特に制限なく使用される。重合開始剤としては、オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物が例示される。
重合性単量体混合物中において、これら陰イオン交換基を有するかまたは陰イオン交換基に変換しうる基を有する重合性単量体、架橋剤、および重合開始剤の配合割合は、重合反応を遂行するために必要な有効量であれば幅広い範囲で採択可能である。
架橋剤の配合量は、陰イオン交換基を有するか、または陰イオン交換基に変換しうる基を有する重合性単量体と架橋剤の総量を基準として、その0.4〜15モル%が好ましく、1〜10モル%がより好ましく、1〜4モル%が最も好ましい。架橋剤の配合量を上記範囲に制御することにより、水透過性を大きくし、且つ陰イオン交換膜に対する燃料の透過性を小さくできる。
重合開始剤は、陰イオン交換基を有するかまたは陰イオン交換基に変換しうる基を有する重合性単量体100質量部に対して、一般には、0.1〜20質量部、好適には0.5〜10質量部配合させる。
隔膜を製造するに際しては、前述のように、上記重合性単量体混合物と、多孔質膜とを接触させる。接触の方法としては、上記重合性単量体混合物を多孔質膜に塗布したり、スプレーしたり、あるいは多孔質膜を重合性単量体混合物中へ浸漬したりする方法が例示される。製造が容易な点で、浸漬による方法が特に好ましい。浸漬時間は多孔質膜の種類や単量体組成物の組成により相違するが、一般的には0.1秒〜十数分である。
多孔質膜に充填された重合性単量体混合物を重合させる方法としては、公知の重合方法が制限なく採用される。一般的には、操作が容易で、また比較的均一に重合させることができるので、前記過酸化物からなる重合開始剤を用い、加熱重合させる方法が好ましい。重合に際しては、ポリエステル等のフィルムで多孔質膜を覆った後、重合させることが好ましい。フィルムで多孔質膜を覆うことにより、酸素による重合阻害を防止し、また表面の平滑性が得られる。さらにフィルムで覆うことにより、過剰の重合性単量体混合物が取り除かれ、薄く均一な陰イオン交換樹脂膜が得られる。
熱重合により重合させる場合の重合温度は特に制限されず、公知の条件を適宜選択すればよいが、一般的には50〜150℃、好ましくは60〜120℃である。なお、重合性単量体混合物中に溶媒が含まれている場合には、重合に先立って該溶媒を除去しても良い。
重合性単量体に陰イオン交換基を有する重合性単量体を用いる場合には、多孔質膜に充填された重合性単量体混合物を重合させて得られる膜状重合物は、そのままで本発明で使用される陰イオン交換樹脂膜として使用できる。
陰イオン交換基を導入可能な重合性単量体を用いる場合には、次いで得られる膜状重合物に陰イオン交換基の導入操作を行う。当該陰イオン交換基の導入方法は特に制限されず、アミノ化、アルキル化等の公知の方法を適宜採用すればよい。
例えば、重合性単量体としてクロロメチルスチレンを用いる場合は、膜状重合物をトリメチルアミン等のアミノ化物に接触させることにより、第4級アンモニウム塩基を有する陰イオン交換膜に誘導できる。
重合性単量体としてビニルピリジンを用いる場合は、膜状重合物をヨウ化メチル等と接触させることで4級ピリジニウム塩基を有する陰イオン交換膜に誘導できる。
なお、重合性単量体として陰イオン交換基を有する重合性単量体を用いる場合、膜状物に重合させた後、さらに必要に応じて陰イオン交換基を導入し、陰イオン交換基の密度を向上させても良い。
いずれの方法によって得られる陰イオン交換膜も、燃料電池隔膜として使用する際には、通常、陰イオン交換基の対イオンを水酸化物イオンにイオン交換させる。該イオン交換の方法に制限はなく、公知の方法、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液に陰イオン交換膜を浸漬する方法が採用できる。
なお、本発明者らの知見によると、陰イオン交換基の対イオンが水酸化物イオンである陰イオン交換膜は、大気中に置かれると速やかに二酸化炭素を吸収し、その対イオンが炭酸イオン型、更には重炭酸イオン型へとイオン交換されることが判明した。しかしながら、これらの炭酸イオンや重炭酸イオンは、燃料電池の発電中に酸化剤拡散電極で生成した水酸化物イオンによって再びイオン交換され、二酸化炭素として系外へ排出される。従って、陰イオン交換膜の対イオンが炭酸イオンや重炭酸イオンであったとしても、燃料電池として問題なく使用可能である。
製造された陰イオン交換膜は、必要に応じて洗浄、裁断などが行われ、定法に従って固体高分子電解質型燃料電池用の隔膜として用いられる。
上記のようにして製造される本発明の燃料電池隔膜の少なくとも1表面に拡散電極を接合させることにより、本発明の固体高分子電解質型燃料電池用の隔膜/電極接合体が得られる。拡散電極は、本発明の燃料電池隔膜の両面に接合させることが好ましい。
拡散電極は、触媒の金属粒子及びこれら金属粒子を結着させるバインダー樹脂からなる触媒電極層を含む。拡散電極と燃電池用隔膜との接合方法としては、先ず電子導電性の多孔性材料からなる電極上に触媒電極層を形成させた拡散電極を作製し、次いで、この拡散電極を本発明の燃料電池用隔膜に接合する方法がある。または、触媒電極層のみからなる拡散電極を燃料電池用隔膜に接合し、接合した拡散電極に多孔性材料からなる電極を積層して接合する方法がある。接合方法は、後述する。
触媒電極層に用いるバインダー樹脂には、ポリテトラフルオロエチレンなどのイオン性基を有さない樹脂も使用できるが、触媒電極層内の水酸化物イオン伝導性を高めて燃料電池の内部抵抗を低減すると共に、触媒の利用率を向上できるため、陰イオン伝導性物質が含有されていることが好ましい。
陰イオン伝導性物質としては、陰イオン交換性の官能基を有し、水酸化物イオンの伝導性を示す物質であれば特に制限なく使用できる。具体的には、ポリクロルメチルスチレン、ポリ(スチレン−クロルメチルスチレン)共重合体、ポリブロモエチルスチレン、ブロモブチルスチレン、クロルメチル化ポリスルホン、クロルメチル化ポリフェニレンオキシド、クロルメチル化ポリエーテルエーテルケトン等のクロルメチル基を、トリメチルアミンやトリエチルアミンなどのアミノ化剤でアミノ化して、4級アンモニウム型に誘導することにより、対応する陰イオン交換基を導入した樹脂などが挙げられる。
あるいは、ポリ−(4−ビニルピリジン)、ポリ−(2−ビニルピリジン)や、ポリ−ビニルイミダゾール、ポリ−ベンズイミダゾールなどに、ヨウ化メチルなどのアルキル化剤を作用させ、対応する陰イオン交換基を導入した樹脂も使用可能である。
中でも、触媒電極層と燃料電池用隔膜との接合性の高さや、液体燃料への耐溶剤性などを考慮すると、特開2002−367626号公報に開示されているような、分子内に陰イオン交換基を有し、水及びメタノールに難溶な炭化水素系高分子エラストマーが好適に使用される。
触媒電極層における触媒としては、水素やメタノール、エタノールなどの燃料の酸化反応及び酸素の還元反応を促進する金属であれば特に制限無く採用される。白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、スズ、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、バナジウム、あるいはそれらの合金が例示される。これらの触媒の中でも、触媒活性が優れているでは、白金やルテニウムあるいは白金とルテニウムの合金が好ましい。また、コストの点では、鉄、コバルト、ニッケルなどの遷移金属触媒を使用することが好ましい。なお、これら触媒となる金属粒子の粒径は、通常、0.1〜100nm、より好ましくは0.5〜10nmである。粒径が小さいほど触媒性能は高くなるが、0.5nm未満のものは、作製が困難であり、100nmより大きいと十分な触媒性能が得にくくなる。なお、これら触媒は、予め導電剤に担持させてから使用してもよい。
導電剤としては、電子導電性物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックや、活性炭、黒鉛等の導電性カーボンからなる担体上に、上記触媒が坦持されたものが特に好ましい。燃料電池の電極用として用いられる触媒が坦持された導電性カーボンとしては、例えば、特開2002−329500号公報、特開2002−100373号公報、特開平7−246336号公報等に記載のものがある。また、触媒や担体の異なる様々なものが商業的に入手可能であり、それをそのまま、あるいは必要な処理を行って用いることもできる。
上記触媒となる金属の含有量は、触媒電極層をシートとした状態で、通常、0.01〜10mg/cm、より好ましくは0.1〜5.0mg/cmである。触媒の含有量が0.01mg/cm未満の場合は、触媒の性能が充分に発揮されず、10mg/cmを超える場合は触媒の性能が飽和する。
これら成分からなる触媒電極層を含む拡散電極と、本発明の燃料電池用隔膜とを接合して、燃料電池用隔膜/電極接合体が得られる。触媒電極層は、燃料電池用隔膜の表面に5〜50μmの厚さで形成されることが好ましい。
触媒電極層の製造方法は、前記各成分と有機溶媒とが混合された触媒電極ペーストを、隔膜表面に塗布した後、乾燥させる方法が一般的である。塗布方法としては、スクリーン印刷法やスプレー法が例示できる。触媒坦持量の調節や触媒電極層の膜厚の調節は、触媒電極ペーストの粘度を調整することにより行なう。粘度の調節は、触媒電極ペーストに添加する有機溶媒量を調節することにより行う。
触媒電極層を直接本発明の燃料電池用隔膜上に形成させる方法として、触媒電極層を予めポリテトラフルオロエチレンやポリエステルフィルム上に形成しておき、これを燃料電池用隔膜に転写させる方法も好適に採用できる。この場合には、触媒電極層の転写は、一般に、ホットプレス機、ロールプレス機等の加圧、加温できる装置を用いて熱圧着により行われる。プレス温度は一般的には40℃〜200℃である。プレス圧力は、使用する触媒電極層の厚み、硬度に依存するが、通常は0.5〜20MPaである。
さらに本発明の燃料電池用隔膜−触媒電極接合体は、前述のように触媒電極層を多孔性の電極基材で支持させた後、隔膜に接合して製造しても良い。多孔性の電極基材としては、カーボン繊維織布、カーボンペーパー等が例示される。電極基材の厚さは50〜300μmが好ましく、空隙率は50〜90%が好ましい。電極基材に前記触媒電極ペーストを塗布した後乾燥させ、次いで上記と同様に本発明の燃料電池用隔膜に熱圧着することで隔膜/電極接合体が製造される。
本発明の隔膜が採用される固体高分子電解質型燃料電池としては、図1の基本構造を有するものが一般的であるが、その他の公知の構造を有する固体高分子電解質型燃料電池に適用しても良い。燃料としては、水素ガスや、メタノールやエタノール等の液体燃料が最も一般的である。これらの燃料を使用する場合、本発明の効果が最も顕著に発揮される。さらに、エチレングリコール、ジメチルエーテル、ヒドラジン、アンモニア等においても同様の優れた効果が発揮される。
液体燃料を用いる場合には、該液体燃料中に塩基性化合物を加えても良い。塩基性化合物を添加することにより、液体燃料にイオン伝導性が付与され、さらに高出力の発電ができる場合がある。塩基性化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが例示される。添加する塩基性化合物の濃度としては、0.05〜3mol/Lが適当である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例において燃料電池隔膜の各種物性の測定は、以下の方法によった。
1)陰イオン交換容量および含水率
陰イオン交換膜を0.5mol/L−NaCl水溶液に10時間以上浸漬し、塩化物イオン型とした後、0.2mol/L−NaNO水溶液で硝酸イオン型に置換させた。遊離した塩化物イオンを、硝酸銀水溶液を用いて電位差滴定装置(COMTITE−900、平沼産業株式会社製)で定量した(Amol)。
含水率の測定は、上記イオン交換膜を0.5mol/L−NaCl水溶液に25℃下で4時間以上浸漬した後、イオン交換水で十分水洗した。その後、ティッシュペーパー等で膜の表面の水分を拭き取り、湿潤時の質量(Wg)を測定した。さらに膜を60℃で5時間減圧乾燥させ、その質量を測定した(Dg)。上記測定値に基づいて、イオン交換容量および含水率を次式により算出した。
イオン交換容量=A×1000/D[mmol・g−1−乾燥質量]
含水率=100×(W−D)/D[%]
2)多孔質フィルムの平均孔径
ASTM−F316−86に準拠し、ハーフドライ法にて測定した。
3)多孔質フィルムの空隙率
多孔質フィルムの体積(Vcm)と質量(Ug)を測定し、多孔質フィルムの材質であるポリエチレンの樹脂密度を0.9(g/cm)として、下記の式により算出した。
空隙率=[(V−U/0.9)/V]×100[%]
4)膜抵抗
燃料電池隔膜を0.5mol/L−NaOH水溶液に10時間以上浸漬し、水酸化物イオン型とした。次いで、純水で洗浄した後、室温で24時間以上乾燥した。
線幅0.3mmの白金線5本を互いに離して平行に固定した絶縁基板を用意した。前記5本の白金線に純水で湿潤した2.0cm幅の短冊状の燃料電池隔膜を押し当てた。前記燃料電池隔膜を押し当てた基板を、40℃の恒温恒湿槽中に収納した。燃料電池隔膜が湿潤状態にあることを確認した後、白金線間に1kHzの交流を印加したときの交流インピーダンスを測定した。
交流インピーダンスを測定においては、白金線間距離を0.5〜2.0cmに変化させると共に、そのときのそれぞれの交流インピーダンスを測定した。白金線間距離に対してプロットしたインピーダンスの勾配(抵抗極間勾配)から、燃料電池隔膜の比抵抗を算出することで、白金線と燃料電池隔膜との間に生じる接触抵抗の影響を除外した。白金線間距離と、インピーダンス測定値との間には、良い直線関係が得られた。抵抗極間勾配と膜厚から下式により燃料電池隔膜の電気抵抗を算出した。
なお、本測定は全て、窒素で置換されたグローブボックス中で実施した。

R={S×(L×2.0)}×L
R :膜抵抗[Ω・cm2]
L :膜厚[cm]
S :抵抗極間勾配[Ω/cm]

5)水透過度およびエタノール透過度
燃料電池隔膜を0.5mol/L−NaOH水溶液に10時間以上浸漬し、水酸化物イオン型とした後、純水で洗浄して室温で24時間以上乾燥させた。
燃料電池の単セル(透過部面積5cm)に膜を組込んだ。燃料室にエタノール濃度30質量%水溶液を液体クロマトグラフィー用供給ポンプで供給した。酸化剤室にアルゴンガスを300ml・min.−1で供給した。
透過度の測定は、25℃の恒温槽内で実施した。燃料電池隔膜を透過した水、エタノール量は、ガス捕集容器を備えたガスクロマトグラフィーを用いて測定した。
6)燃料電池出力電圧
クロロメチル化−{ポリスチレン‐ポリ(エチレン‐ブチレン)‐ポリスチレン}トリブロック共重合体(スチレン含有量30質量%)を原料として用いて、触媒電極層用バインダー樹脂を合成した。このトリブロック共重合体を、先ず6質量%のトリメチルアミンと25質量%のアセトンを含む水溶液中に室温で16時間浸漬し、さらに0.5mol/L−NaOH水溶液に10時間以上浸漬して触媒電極層用バインダー樹脂を得た。該バインダー樹脂は、重量平均分子量30000で、アニオン交換容量は1.5mmol/g−乾燥樹脂であった。
このバインダー樹脂を、テトラヒドロフランと1−プロパノールの等質量混合溶媒に溶解させ、濃度5質量%のバインダー樹脂溶液を得た。
次いで、上記バインダー樹脂溶液と、白金とルテニウムとの合金触媒(ルテニウム50mol%)を50質量%担持したカーボンブラックとを混合して、触媒電極層形成用スラリーを作成した。該スラリーをポリテトラフルオロエチレンで撥水化処理した厚さ100μm、空孔率80%のカーボンペーパー上に、触媒が2mg・cm−2となるように塗布し、その後80℃で4時間減圧乾燥し、触媒電極層を有する燃料拡散電極を得た。
一方、白金を50質量%担持したカーボンブラックを用いて、上記の燃料拡散電極と同様に操作して、酸化剤拡散電極を作成した。
次に、測定する燃料電池隔膜の両面に、上記の燃料拡散電極と酸化剤拡散電極をそれぞれセットし、100℃、圧力5MPaの加圧下で100秒間熱プレスした後、室温で2分間放置して、燃料電池隔膜/電極接合体を得た。この接合体を図1に示す構造の燃料電池セルに組み込んだ。
燃料電池セル温度を50℃に設定し、燃料室にKOHを含有する10質量%エタノール水溶液(KOH濃度5質量%)を、酸化剤室側に大気圧の空気を200ml・min.−1で供給して発電試験を行なった。電流密度0A・cm−2、0.1A・cm−2におけるセルの端子電圧を測定した。
7)出力電圧安定性評価
上記出力電圧の測定後、50℃、0.1A/cmで連続発電試験を行った。100時間後の出力電圧を測定し、出力電圧の安定性を評価した。
(実施例1〜5)
表1に示した組成表に従って重合性単量体混合物を得た。得られた重合性単量体混合物400gを500mlのガラス容器に入れ、表1に示した各種多孔質フィルム(20cm×20cm)を浸漬した。
次いで、これらの多孔質フィルムを重合性単量体混合物中から取り出した。剥離材(膜厚100μmのポリエステルフィルム)で多孔質フィルムの両側を被覆した後、0.3MPaの窒素加圧下、80℃で5時間加熱重合させた。
得られた膜状重合物を6質量%のトリメチルアミンと25質量%のアセトンを含む水溶液中に室温で16時間浸漬してアミノ化した。次いで、0.5mol/L−NaOH水溶液に10時間以上浸漬して水酸化物イオン型に誘導した後、純水で洗浄して燃料電池隔膜を得た。
これらの燃料電池隔膜の各種物性を測定した。結果を表2に示した。
Figure 0005404419
Figure 0005404419
(実施例6、7)
表1に示した組成の重合性単量体混合物を用いた以外は実施例1と同様に操作して膜状重合物を得た。
得られた膜状重合物を30質量%のヨウ化メチルのヘキサン溶液中に室温で23時間浸漬してメチル化した。さらに0.5mol/L−NaOH水溶液に10時間以上浸漬して水酸化物イオン型に誘導した後、純水で洗浄して燃料電池隔膜を得た。
これらの燃料電池隔膜の各種物性を測定した。結果を表2に示した。
(比較例1〜3)
表1に示した多孔質膜、重合性単量体混合物を用い、実施例1と同様にして、比較例1、2の燃料電池隔膜を得た。
一方、実施例6と同様にして、比較例3の燃料電池隔膜を得た。これらの燃料電池隔膜について各種物性を測定した。結果を表2に示した。
(実施例8〜10)
実施例1〜3で作製した燃料電池用隔膜を用いて、次のようにして本発明の隔膜/電極接合体を得た。
すなわち、クロロメチル化−{ポリスチレン‐ポリ(エチレン‐ブチレン)‐ポリスチレン}トリブロック共重合体(スチレン含有量30質量%)を原料として用いて、触媒電極層用バインダー樹脂を合成した。このトリブロック共重合体を、6質量%のトリメチルアミンと25質量%のアセトンを含む水溶液中に室温で16時間浸漬し、さらに0.5mol/L−NaOH水溶液に10時間以上浸漬して触媒電極層用バインダー樹脂を得た。該バインダー樹脂は、重量平均分子量30000で、アニオン交換容量は1.5mmol/g−乾燥樹脂であった。
このバインダー樹脂を、テトラヒドロフランと1−プロパノールの等質量混合溶媒に溶解させ、濃度5質量%のバインダー樹脂溶液を得た。
次いで、上記バインダー樹脂溶液と、平均粒子径2nmの白金を50質量%担持したカーボンブラックとを混合して、触媒電極層形成用スラリーを作製した。該スラリーを燃料電池用隔膜の片面にスクリーン印刷し、大気中25℃で12時間以上乾燥した。さらに、隔膜のもう一方の面にも同様にして触媒電極層を形成し、隔膜/電極接合体を得た。両面共に、白金量は0.4mg/cmとなるようにし、触媒電極層中のバインダー樹脂の含有量は30質量%であった。また、触媒電極層の面積はそれぞれ5cmであった。
次いで、得られた隔膜/電極接合体の両面に、ポリテトラフルオロエチレンで撥水化処理した、厚みが300μmのカーボンクロス(エレクトロケム社製EC−CC1−060T)を重ね、これらを図1に示す燃料電池セルに組み込んだ。次いで、燃料電池セル温度を50℃に設定し、0.2V定電圧で2時間発電試験を行なった。燃料室には、50℃で95%RHに加湿した水素を50ml/minで供給した。酸化剤室には、50℃で95%RHに加湿した高純度空気(二酸化炭素濃度0.1ppm以下)を200ml/minで供給した。その後、電流密度0A/cmにおけるセル電圧(開回路電圧)、および0.2A/cmにおけるセル電圧を測定し、燃料電池の出力を評価した。結果を表3に示す。
(比較例4、5)
比較例1、2で作製した燃料電池用隔膜を用いて、実施例8と同様にして隔膜/電極接合体を作製し、水素燃料系での出力評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例11)
実施例1で作製した燃料電池隔膜を用いて、次のようにして本発明の隔膜/電極接合体を得た。
すなわち、実施例8で用いたのと同じバインダー樹脂溶液を用い、これにラネーニッケル粒子を加え触媒電極層形成用スラリーを調製した。該スラリーを、ポリテトラフルオロエチレンで撥水化処理した厚さ100μm、空孔率80%のカーボンペーパー上に、触媒が1mg・cm−2となるように塗布し、その後80℃で4時間減圧乾燥し、触媒電極層を有する燃料拡散電極を得た。
一方、白金を50質量%担持したカーボンブラックを用いて、上記の燃料拡散電極と同様に操作して、酸化剤拡散電極を作成した。触媒量は0.4mg・cm−2とした。
次に、測定する燃料電池隔膜の両面に、上記の燃料拡散電極と酸化剤拡散電極をそれぞれセットし、100℃、圧力5MPaの加圧下で100秒間熱プレスした。その後、室温で2分間放置して、燃料電池隔膜/電極接合体を得た。
この接合体を図1に示す構造の燃料電池セルに組み込んだ。この燃料電池セル温度を50℃に設定し、0.2V定電圧で2時間発電試験を行なった。燃料室には、50℃で95%RHに加湿した水素を50ml/minで供給した。酸化剤室には、50℃で95%RHに加湿した高純度空気(二酸化炭素濃度0.1ppm以下)を200ml/minで供給した。発電後、電流密度0A/cmにおけるセル電圧(開回路電圧)、および0.025A/cmにおけるセル電圧を測定し、燃料電位の出力を評価した。結果を表3に示す。
(比較例6)
比較例1で作製した燃料電池隔膜を用いて、実施例11と同様にして隔膜/電極接合体を得、この接合体を図1に示す構造の燃料電池セルに組み込んだ。この燃料電池セルの水素燃料系での出力評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005404419

Claims (4)

  1. 空隙率30〜50%、厚さ5〜15μmの多孔質膜と、
    該多孔質膜の空隙に充填してなる架橋度が1〜4モル%である炭化水素系陰イオン交換樹脂と
    からなり、
    25℃における水透過度が1600〜5000g・m −2 ・hr −1 、陰イオン交換容量が0.2〜5.0mmol、25℃における含水率が7質量%以上、厚さが5〜15μmであることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池隔膜。
  2. 請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池隔膜と、前記固体高分子電解質型燃料電池隔膜の少なくとも1表面に形成した拡散電極とからなる隔膜/電極接合体。
  3. 拡散電極が、触媒電極層を有する請求項に記載の隔膜/電極接合体。
  4. 請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池隔膜を組込でなる固体高分子電解質型燃料電池。
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