JP4723787B2 - 電界効果型トランジスタ、その製造方法及び画像表示装置 - Google Patents

電界効果型トランジスタ、その製造方法及び画像表示装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界効果型トランジスタ(FET)、その製造方法及び画像表示装置に関し、より詳細には、オン・オフ比が大きくスイッチング素子として有利に使用される有機系の材料を半導体層に用いた電界効果型トランジスタ、その製造方法及びその電界効果型トランジスタを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、薄膜トランジスタは、液晶表示素子をはじめとする種々のデバイスにおいて広く実用化されており、表示デバイスとしてその応用が期待されている。
一般に、液晶表示素子には2種類の駆動方式がある。一つは、帯状の透明電極列を直行して対向させた単純マトリクス方式であり、ワープロ等の2値ディスプレイに用いられている。もう一つは、画素ごとにトランジスタを用い、画素ごとにスイッチのオン、オフを行うアクティブマトリクス方式であり、カラー又は白黒の液晶表示素子に用いられており、通常、薄膜トランジスタ(TFT)で電界効果型(FET)のトランジスタが用いられる。
【0003】
このトランジスタは、通常、Si、Ge、Ga、As、In、P等からなる無機半導体層を、真空系の蒸着装置により、高いプロセス温度によって基板上に積層し、パターン化して形成される。例えば、既に実用化に至っているa−Siの半導体層では、プラズマCVD装置により、350℃と高温で、また、近年注目を浴びている低温ポリシリコンによる半導体層では、さらに高温で形成される。そのため、基板として用いられる材料に選択肢が少なく、主として透明基板の場合にはガラス基板が使用されてきた。
しかし最近では、ディスプレイの使用範囲が急速に広がり、携帯情報端末としての応用が期待されており、なかでも、フレキシブルディスプレイの要求が高まっている。
【0004】
そこで、そのようなフレキシブル性を発揮させるために、無機半導体からなるTFTに代えて、有機半導体からなるTFTが、特開平1−259323号公報等で提案されている。つまり、有機TFTは、プロセス温度を、従来のシリコン半導体のプロセス温度に比べて、低温化することができるため、基板の選択幅を広げることができ、プラスチック基板を利用してフレキシブルな又は湾曲した有機薄膜トランジスタを形成することが可能になるとともに、安価な基板を使用できるようになるため、生産コストを低減することも可能となる。
【0005】
一般に、有機半導体として使用されるポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン等の導電性高分子は、π−共役系高分子が用いられており、シリコンやガリウム砒素等の無機系の材料にない可撓性を有している。また、π−共役系高分子は置換基の導入により有機溶剤に可溶な有機半導体が合成でき、スピンコート法、ディッピング法(浸漬法)等、簡便な方法で薄膜を形成することができる。このようなことから、これまでにπ−共役系高分子を用いた整流素子や電界効果型トランジスタが試作され、一定の特性が得られている。
【0006】
これら従来のπ−共役系高分子電界効果型トランジスタ、すなわち有機電界効果型トランジスタは、図11に示すように、基板901上に、有機半導体層902が積層されており、有機半導体層902上にソース電極903、ドレイン電極904が形成されており、この有機半導体層902、ソース電極903及びドレイン電極904上にゲート絶縁膜905を介して、ゲート電極906が形成されたスタガ型構造を有する。
このような有機TFTは、アクティブマトリクス式液晶ディスプレイの画素駆動素子に応用するという検討がなされている。この場合、オン・オフ比が高いこと、つまりオフ電流が小さいことが、コントラスト向上や応答高速化にあたって要求される。オフ電流を低減するためには、オフ時の半導体層の導電率が低いことが必要である。また、オン電流に関しては、次に述べる電界効果移動度の値が重要である。
【0007】
一般に、電界効果型トランジスタにおいて、ソース、ドレイン間に充分な電圧を印加したときに、両電極間に流れる電流IDは、次式で表されることが知られている(ただしオン電流のみ考慮)。
ID = (W/2L)μFE COX (VG-Vth)2 (I)
((I)式においてW:チャネル幅、L:チャネル長、μFE:電界効果移動度、COX:ゲート絶縁膜の単位面積当たりのキャパシタンス、VG:ゲート電圧、Vth:しきい値)
【0008】
ここで、電界効果移動度(μFE)は、電界効果型トランジスタのオン電流とゲート電圧との関係から求められ、オン時に半導体層を流れる電流の実効的なキャリア移動度を表す。
式(I)からわかるように、電界効果型トランジスタにおいて大きいオン電流を得るためには、(I)式における電界効果移動度(μFE)が大きいことが必要となる。
そこで、有機電界効果型トランジスタのオン電流の向上とオン・オフ比の向上のために、これまでに種々の工夫が試みられてきた。
【0009】
例えば、特開平5−110069号公報では、π−共役系高分子を電界効果型トランジスタの半導体層として用いて、1×10-1cm2/V・sというかなり高い電界効果移動度が得られている。
しかし、このトランジスタでは、オン電流の増加とともに、オフ電流も増加しており、結局、オン・オフ比の向上にはつながっていない。
また、Applied Physics Letter、62巻、1794頁、1993年には、オフ電流を低減させることによって、5桁のオン・オフ比を実現した、π−共役系高分子を用いた有機電界効果型トランジスタが提案されている。
しかし、このトランジスタの電界効果移動度は2×10-4cm2/V・sにとどまっており、オン電流を増加するには至っていない。
【0010】
一方、オン電流を増加させる手法として、無機半導体層の上下を2つのゲート電極で挟み、半導体層の絶縁層との界面付近に形成される伝導チャネルを増加させる手法が知られている(例えば、特開昭53−246874号公報)。
この電界効果型トランジスタは、図12に示したように、基板1001上に第1ゲート電極1002を配置し、その上に第1ゲート絶縁膜1003を介してチャネル層となる半導体層1005を配置し、その側部には半導体層1005に接続されたソース電極1006及びドレイン電極1004が配置している。また、半導体層1005の上には、第2ゲート絶縁膜1007を介して第2ゲート電極1008が配置されている。
【0011】
しかし、このような構成のトランジスタでも、充分なオン電流を得ることができるが、オフ電流の低減は行えず、オン・オフ比を向上させることはできない。
さらに、オン電流を大きくし、オン・オフ比も大きくする技術として、ゲート電極の上にキャリア密度の異なる2種類の有機半導体層を積層し、ゲート電極からの電圧印加に応じて二つの有機層の間でキャリアを移動させることによってソース・ドレイン間の電気伝導度を変化させるというものがある(特開平5−48094号公報)。
【0012】
しかし、このトランジスタでは、2種類の半導体層を形成するために、製造工程が非常に煩雑となるという問題がある。
このように、有機半導体層に用いた電界効果型トランジスタは、シンプルで簡便に製造すること、オン電流の向上とオフ電流の低減とを同時に行うことが困難であった。
本発明は上記課題に鑑み成されたものであり、シンプルで簡便に製造することができるとともに、オン電流の向上とオフ電流の低減とを同時に実現することにより、大きなオン・オフ比を安価に得ることができる電界効果型トランジスタ、その製造方法及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくとも、基板と有機半導体層と第1絶縁膜と第1ゲート電極とソース/ドレイン電極とから構成され、前記第1ゲート電極、前記第1絶縁膜及び前記有機半導体層が前記基板上にこの順で積層され、前記第1ゲート電極が前記有機半導体層と対向する面上に凸部を有し、前記有機半導体層が、第1ゲート電極と対向する面に切欠部を有することにより、ソース/ドレイン電極間であって前記凸部に対向する領域において、他の領域よりも薄い膜厚で形成された領域を有することを特徴とする電界効果型トランジスタが提供される。
また、本発明によれば、基板上に凸部を有する第1ゲート電極を形成し、前記凸部が配置されていない第1ゲート電極上の少なくとも一部を被覆するように第1絶縁膜を介してソース/ドレイン電極を形成し、前記ソース/ドレイン電極間の第1ゲート電極上に第1絶縁膜を介して有機半導体層を、その上面が平坦であるように形成することにより、前記凸部に対向する領域で該有機半導体層の膜厚それ以外の領域の膜厚より薄くすることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。が提供される。
さらに、本発明によれば、上記電界効果型トランジスタが、1画素に少なくとも1つ、表示素子のスイッチング素子として用いられてなる画像表示装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の電界効果型トランジスタは、少なくとも半導体層と、第1絶縁膜と、第1ゲート電極と、ソース/ドレイン電極とから構成される。
このトランジスタは、通常、基板上に形成される。基板としては、特に限定されるものではなく、ガラス;ポリイミド、PET、PEN、PES等のプラスチック基板;シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体;GaAs、InGaAs、ZnSe等の化合物半導体からなる基板等が挙げられる。なかでも、トランジスタの製造工程において、寸法変化が少ないものが好ましく、基板コストを低減させる目的、完成したデバイスにフレキシビリティをもたせる目的を考慮して、プラスチック基板がより好ましい。
【0015】
半導体層は、トランジスタのチャネル領域を構成するための層であり、例えば、上記元素半導体又は化合物半導体の他、有機半導体により形成することができる。なかでも、塗布可能なa−Siや有機半導体が、簡易なプロセスで形成することができるため、好ましい。有機半導体としては、特に限定されるものではなく、例えば、ペンタセン、テトラセン、アントラセン、ピレン等のアセン系材料;ポリアセン、ポリフェナントレン等のポリアセン系材料;ポリフェニレン、ポリナフタレン、ポリアントラセン等の芳香族共役ポリマー;ポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリイソナフトチオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリテルロフェン等のヘテロ環式共役ポリマー等の単独又は組み合わせが挙げられる。なお、半導体層は、上記の材料によって単層あるいは互いに異なる又は同じ材料によって2以上の積層構造として形成してもよい。
【0016】
半導体層は、ソース/ドレイン電極間であって、後述する第1ゲート電極に対向する少なくとも一部の領域において、他の領域よりも薄い膜厚で形成された領域を有する。半導体層は、100〜300nm程度の膜厚で形成されていることが適当であり、薄膜領域は、通常の膜厚よりも20〜80%程度薄く形成されている。例えば、薄膜領域は、50〜150nm程度の膜厚を有していることが適当である。また、薄膜領域の大きさは、ゲート電極の大きさ、駆動電圧等によって適宜調整することができ、例えば、ゲート電極の全面積の50〜100%程度の面積であることが適当である。薄膜領域の形状は、特に限定されるものではなく、切欠部、スリット、溝、凹部等の種々の形態の種々の形状が挙げられる。また、薄膜領域は、1つのみ又は複数であってもよい。さらに、半導体層の表面の切欠部等による薄膜領域が形成される場合には、一表面にのみ形成されていてもよいし、両表面に形成されていてもよい。半導体層に切欠部が複数形成される場合には、その全てが同一の形状でなくてもよい。例えば、半導体層は、図10(a)〜(h)に示したような形状とすることができる。
【0017】
薄膜領域を有する半導体層を形成する方法としては、後述するように、あらかじめ凸部を有するゲート電極を形成し、その上に、平坦な半導体層を形成することにより、凸部上においては薄膜領域となる半導体層を形成することができる。平坦は半導体層を形成する方法としては、半導体材料を適当な溶媒に溶解させて塗布又は印刷する方法、半導体層を、スパッタ法、蒸着法、CVD法等方法により形成し、その表面にエッチングやCMP等の研磨を施す方法等が挙げられる。また、半導体層を上記のような方法により均一な膜厚に形成した後、その表面とエッチング等により部分的に除去することにより形成することもできる。
【0018】
第1絶縁膜は、通常、ゲート絶縁膜として機能する膜であるが、必ずしもこのような機能を有する膜でなくてもよく、層間絶縁膜や保護膜としての機能を有していてもよい。第1絶縁膜としては、誘電率が高く、導電率が低いものが好ましく、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化チタン、ポリエチレン、ポリイミド、アクリル樹脂系およびその感光性を有する誘導体等の単層又は積層膜が挙げられる。これらの膜は、CVD法、スパッタ法、蒸着法、ゾルゲル法、陽極酸化法の他、適当な溶媒に溶解させて塗布又は印刷により形成することができる。第1絶縁膜の膜厚は、例えば、100〜500nm程度が挙げられる。
【0019】
第1ゲート電極は、導電膜により形成されていれば、どのような材料で形成されていてもよい。例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、亜鉛、マグネシウム又はこれらの合金、チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属又はこれらの合金、SnO2、InO2、ZnO、ITO等の透明導電材等、ドーピング等で導電率を向上させた無機および有機半導体、例えば、シリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン等の単層又は積層膜が挙げられる。これらは、スパッタ法、蒸着法、EB法等の種々の方法により形成することができる。第1ゲート電極の膜厚は特に限定されるものではなく、例えば、50〜300nm程度が挙げられる。なお、ゲート電極の形状は特に限定されるものではないが、第1ゲート電極は、通常、半導体層の薄膜領域に対向して、すなわち、半導体層の下又は上に形成されるものであるため、部分的に膜厚が異なるように形成されていてもよいし、半導体層の薄膜領域に対応して、膜厚方向に起伏を有するような形状で形成されていてもよい。
【0020】
ソース電極及びドレイン電極は、通常、半導体層に接触して、平面視においてゲート電極の両側に互いに離れて形成されている。これらの電極は、ゲート電極として例示されたものと同様の材料により形成することができる。なかでも、半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが適当であり、ショットキー接合において障壁が低いもの、半導体層とオーミック接触できるものが好ましい。
本発明の電界効果型トランジスタは、さらに、半導体層の第1ゲート電極が形成された側と反対側に、第2絶縁膜を介して第2ゲート電極が形成されていてもよい。
【0021】
この場合の第2絶縁膜は、第1絶縁膜と同様の材料により形成することができる。なかでも、第1絶縁膜とは異なる材質により形成されていることが好ましい。また、第1絶縁膜と第2絶縁膜とのいずれか一方が有機物、特に感光性の有機物から形成されていることが好ましい。有機物によって形成される場合には、その膜厚は1500〜3500nm程度が適当である。
【0022】
第2ゲート電極は、第1ゲート電極と同様の材料によって形成することができる。第2ゲート電極も、第1ゲート電極と同様に、半導体層の薄膜領域に対応した形状で形成されていてもよい。第2ゲート電極は、必ずしも第1ゲート電極と同じ形状、同じ投影面積で形成していなくてもよい、つまり、第2ゲート電極よりも大きく又は小さく形成されていてもよいが、同じ投影面積で形成されていることが好ましい。また、第2ゲート電極は、第1ゲート電極と分離・並行して、同じ側に形成されていてもよいが、第1ゲート電極が半導体層の上又は下に配置している場合には、半導体層の下又は上に配置していることが好ましく、第1ゲート電極とほぼ対向するように配置していることがより好ましい。この場合には、第1ゲート電極の電界と第2ゲート電極との電界とで、トランジスタのスイッチング特性をより効果的に制御できるためである。ただし、第2ゲート電極は、半導体層を構成する材料の電界効果移動度(μFE)が大きい場合には、特に形成する必要はないが、オン電流を特に増加させようとする場合には、有効である。
【0023】
なお、ゲート電極は、3つ以上、つまり、制約の許す限り追加することにより、さらにオン電流を向上させることができる。この場合のゲート電極は、半導体層の第1ゲート電極と同じ側に第1ゲート電極と分離・並行して複数個、あるいは第2ゲート電極と同じ側に第2ゲート電極と分離・並行して複数個形成してもよい。
【0024】
このように、薄膜領域を有する半導体層に対して、薄膜領域に対向して第1ゲート電極が形成されている場合には、オフ電流を低減することができる。また、半導体層が、第1ゲート電極と第2ゲート電極とに挟まれるように形成されている場合には、オフ電流を低減するのみならず、オン電流を増大させることができる。その結果、オン・オフ比を向上させることができる。
【0025】
つまり、ソース・ドレイン間に電圧を印加し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース・ドレイン間にオン電流が流れるのは、半導体層の絶縁膜との界面付近に伝導チャネルが形成されるためと考えられる。一方、界面付近に伝導チャネルが形成されていなくても、ソース・ドレイン間に電圧を印加すれば、半導体層が完全な絶縁体でない限り、半導体層/絶縁膜界面付近以外の領域(バルク)を経由してわずかながらソース・ドレイン間に電流が流れる。これがオフ電流の原因であり、半導体層全体に対してドーピングを施し、キャリア移動度を向上させて、半導体層全体の導電率を上げると、オン電流も増加するが、バルクを流れるオフの電流も増加する。したがって、半導体層のバルクを流れる電流のキャリア移動度を増加させずに、絶縁膜との界面付近を流れる電流に対してのみキャリア移動度を増加させれば、オフ電流をほとんど増加させずにオン電流を増加させることができる。このようなことから、オフ電流の原因である半導体層/絶縁膜界面付近以外の領域(バルク)を減少させた構造、つまり、バルクの一部を狭めた構造とすることにより、オフ電流を低減させることができる。これに加えて、半導体層の絶縁膜との界面付近に形成される伝導チャネルを増加させることにより、オン電流を向上させると同時に、オフ電流を低減させることができる。
【0026】
また、本発明の電界効果型トランジスタの製造方法においては、まず、基板上に凸部を有する第1ゲート電極を形成する。凸部を有するゲート電極は、例えば、導電材料により平坦な膜を形成し、マスクを用いて表面の一部のみをエッチングする方法、導電材料により平坦な膜を形成し、さらにその上に導電膜を積層し、上層の導電膜のみをパターニングする方法等が挙げられる。
次いで、凸部が配置されていない第1ゲート電極上の少なくとも一部を被覆するように第1絶縁膜を介してソース/ドレイン電極を形成する。つまり、後に半導体層を形成する領域以外の領域上に、第1絶縁膜を介して、ソース/ドレイン電極を形成する。ソース/ドレイン電極は、導電材料を成膜し、所望の形状のマスクを用いてエッチングすることにより形成することができる。
【0027】
その後、ソース/ドレイン電極間であって、凸部が配置された第1ゲート電極上に第1絶縁膜を介して半導体層を形成する。ここでの第1絶縁膜は、先の工程によって同時に形成しておくことが適当である。また、半導体層は、凸部が配置された第1ゲート電極上を含む全領域に半導体層を形成し、所望の形状のマスクを用いてエッチングすることによって形成してもよいし、所望のマスクを用いて、凸部が配置された第1ゲート電極上にのみ半導体層を形成してもよいし、マスクを用いずに、適当な溶媒に溶解した半導体材料溶液を凸部が配置された第1ゲート電極上にのみ塗布(例えば、回転塗布等)または印刷等することにより、形成してもよい。
【0028】
上記方法の後に、さらに、半導体層及びソース/ドレイン電極上に第2絶縁膜を介して第2ゲート電極を形成してもよい。この場合の第2絶縁膜は、第1絶縁膜とは異なる材料、好ましくは有機材料により、さらに好ましくは感光性の有機材料により、形成する。また、その上に形成する第2ゲート電極は、上述したような公知の方法により形成することができる。
【0029】
なお、本発明においては、電界効果型トランジスタが、同一の基板上に他の素子とともに形成される等の場合には、さらに1以上の電極が形成された基板において、この電極上に少なくとも第1絶縁膜及び第2絶縁膜を、上記と同時に形成しておき、第2絶縁膜にコンタクトホールを形成し、第2絶縁膜をマスクとして用いて第1絶縁膜、または第1絶縁膜及び電極をエッチングしてもよい。これは、第1絶縁膜と第2絶縁膜とが異なる材料により形成されている場合に有効である。電極の形成、コンタクトホールの形成、第1絶縁膜及び/又は電極のエッチングは、それぞれ当該分野で公知の方法により、公知の条件を選択して行うことができる。
【0030】
本発明の電界効果型トランジスタは、薄膜型、円筒等の立体型のトランジスタとして形成することができるとともに、集積回路、論理回路、透過型あるいはバックライトを有する又は有しない反射型の液晶表示装置、有機発光素子等のディスプレイ等の種々のシステムに利用することができる。特に、表示装置の1画素に少なくとも1つ、表示素子のスイッチング素子(例えば、電界駆動型、電流駆動型スイッチング素子等)として有用である。
以下に、本発明の電界効果型トランジスタ、その製造方法及び画像表示装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
参考例1
参考例1の電界効果型トランジスタは、図1に示すように、基板101上に、半導体層106が形成され、その上に、上部ゲート絶縁膜107を介して上部ゲート電極108が形成されて構成される。
半導体層106には、上部ゲート電極108の両側に位置するように、ソース電極104、ドレイン電極105が配置し、その間であって、上部ゲート電極108に対向する領域にチャネル領域が形成されている。
【0032】
半導体層106は、上部ゲート電極108直下の一部において、その膜厚が薄く形成された領域を有する。すなわち、チャネル長109の一部において、チャネル領域が狭められた構造を有している。
なお、上部ゲート絶縁膜107は、チャネル保護層をも兼ねている。
このように、半導体層106が、上部ゲート電極108に対抗する領域の一部にチャネル領域が狭められた領域203を有することにより、オフ電流を低減させることが可能となり、オン・オフ比を向上させることができる。
【0033】
参考例2
参考例2の電界効果型トランジスタは、図2(a)に示すように、基板101上に、下部ゲート電極102が配置し、その上に下部ゲート絶縁膜103を介して半導体層106が形成され、さらにその上に、上部ゲート絶縁膜107を介して上部ゲート電極108が形成されて構成される。
半導体層106には、上下部ゲート電極102、108の両側に位置するように、ソース電極104、ドレイン電極105が配置し、その間であって、上下部ゲート電極102、108に対向する領域にチャネル領域が形成されている。
【0034】
半導体層106は、上部ゲート電極108直下の一部において、その膜厚が薄く形成された領域を有する。すなわち、チャネル長109の一部において、チャネル領域が狭められた構造を有している。
このトランジスタは、図2(b)に示すように、下部ゲート電極102の電圧印加により、オン電流の通り道である伝導チャネル201が、半導体層106の下部ゲート電極102に対抗する領域に形成され、その電圧によって制御される。また、上部ゲート電極108の電圧印加により、伝導チャネル202が、半導体層106の上部ゲート電極108に対抗する領域に形成され、その電圧によって制御される。
【0035】
このように、半導体層106が、上部ゲート電極108に対抗する領域の一部にチャネル領域が狭められた領域203を有することにより、オフ電流を低減させることが可能となる。
特に、有機物を半導体層に用いることによりオン電流が高く取れない電界効果型トランジスタにおいては、下部ゲート電極102及び上部ゲート電極108の信号源を同一とすることで、伝導チャネル201、202を増加させることによって、オン電流を向上させることが可能となる。
つまり、オフ電流の増加を抑えながら、オン電流を高くすることができ、結果として、オン・オフ比を向上させることが可能となる。
【0036】
実施例
この実施例のトランジスタは、図3に示すように、半導体層407の切欠部を下表面に配置した例を示す。
このトランジスタは、図4に示したように、半導体層407を有機材料で蒸着法により形成することができる。
まず、図4(a)に示したように、基板として0.7mm厚の透明ガラス基板401を用意し、この上に、Ti/Al/TiNをそれぞれ30/200/150nmの膜厚でスパッタリング法により形成する。次いで、第1のフォトマスク(図示せず)を用いて、フォトリソグラフィー、塩素ガスを主体としたドライエッチング技術を用いて、得られた膜を所望の形状にパターニングして下部ゲート電極402を形成する。続いて、下部ゲート電極402上に、スパッタリング法によりAlを300nmの膜厚で形成し、第2のフォトマスク(図示せず)を用いて、フォトリソグラフィー、ウェットエッチング技術により、下部ゲート電極402上に凸部403を形成する。この際のウェットエッチングは、硫酸、硝酸、酢酸及び水の混合物をエッチング液として用い、処理条件40℃、150秒間とし、水洗を70リットル/分で45秒間行った。この条件での、下部ゲート電極402のAlのサイドエッチングシフト量は片側0.8μmであり、充分に使用できる状態であることを確認した。
【0037】
次いで、図4(b)に示すように、凸部403を有する下部ゲート電極402上に、下部ゲート絶縁膜404としてシリコン窒化膜を400nmの膜厚で、プラズマCVD法により低温成膜する。このときの基板温度は、200℃であった。
続いて、スパッタ法を用いて、Ti/Al/Tiをそれぞれ30/150/50nmの膜厚で形成し、第3のフォトマスク(図示せず)を用いて、フォトリソグラフィー、ドライエッチング技術により、ソース電極405、ドレイン電極406を形成する。
【0038】
次に、図4(c)に示すように、ステンレス製の厚さ0.7mmのシャドウマスク501を用いて、有機物質として、暗所にて昇華精製を施したペンタセン20mgを、2〜4×10-6Torrの圧力下で、蒸着基板から5cm離した昇華金属用のタングステンボートから、抵抗加熱により蒸着するマスク蒸着により成膜し、表面が平坦化した半導体層407を形成する。半導体層407は、最も厚膜の領域で膜厚300nm、最も薄膜の領域で膜厚80nmである。
【0039】
なお、この際、半導体層を形成する部位のみに開口を有するシャドウマスクを用いると図4(e)に示すように、得られた半導体層409は表面が平坦化しない。そこで、図5に示したように、半導体層を形成したい部位に開口503を有するとともに、その開口503内にスリット504が形成されたシャドウマスク501を用いることにより、図4(c)に示したように、半導体層407が平坦化する。シャドウマスク501は、得ようとする半導体層407の形状に応じて、スリット504の幅、本数、スリット間の隙間502を適宜変更することで、半導体層407を平坦化することができる。
【0040】
次に、図4(d)に示すように、チャネル保護層を兼ねる上部ゲート絶縁膜408として、ポリビニルフェノール樹脂をスピンコートして、膜厚1μmで形成した。なお、成膜は、半導体層407の酸化を防止するために、暗所にて、窒素雰囲気下で行った。
その後、凸部403を有する下部ゲート電極402に信号入力するため、ソース電極405、ドレイン電極406に信号入出力させるため、それらの上に存在する下部ゲート絶縁膜404及び/又は上部ゲート絶縁膜408を除去するため、第4のフォトマスク(図示せず)を用いて、パターニングを行った。
【0041】
最後に、図3に示すように、上部ゲート絶縁膜408上に、Ti/Al/Tiをそれぞれ30/150/50nmの膜厚でスパッタ法にて成膜し、第5のフォトマスク(図示せず)にて塩素ガスを主体としたドライエッチング技術を用いて、上部ゲート電極409を形成した。上部ゲート電極409は、第1のフォトマスクと同一形状のパターンを用いた。また、下部ゲート電極402と上部ゲート電極409とに同一の信号が入力できるように設計した。
このように形成された薄膜トランジスタは、図12に示したような、従来のダブルゲート型の薄膜トランジスタと比較した場合、同じ大きさのチャネル幅(W)、チャネル長(L)においてオフ電流が3桁低下し、オン電流は減少しなかったため、オン・オフ比で3桁向上させることができる。
【0042】
実施例
この実施例のトランジスタは、図6に示すように、半導体層407の切欠部を下表面に配置した例を示す。
このトランジスタは、図7に示したように、半導体層407を有機材料でスピンコート法により形成することができる。
まず、実施例での図4(a)及び図4(b)と同様の方法により、基板401上に凸部403を有する下部ゲート電極402、下部ゲート絶縁膜404、ソース電極405及びドレイン電極406を形成する。
【0043】
次いで、図7(a)に示すように、得られた基板401上に、有機半導体材料として暗所で昇華精製したペンタセンを用い、これを1,2,4−トリクロロベンゼンに40wt%の濃度で溶解した溶液を、スピンコート法にて塗布し、真空下、ホットプレートにて残留溶媒を蒸発させて、最も厚膜の領域で膜厚300nm、最も薄膜の領域で膜厚70nmの半導体層601を形成する。
次に、図7(b)に示すように、半導体層601上に、第4のフォトマスク(図示せず)を用い、フォトリソグラフィー技術を用いて膜厚1.5μmのレジストパターン602を形成する。
【0044】
続いて、図7(c)に示すように、レジストパターン602をマスクとして用いて、1,2,4−トリクロロベンゼンとベンゼンとの1:1の混合溶液で、ウェットエッチングを行い、半導体層601をエッチングする。このときのサイドエッチングシフト量は片側2.5μmである。その後、レジストパターン602をレジスト剥離液にて除去する。このとき、レジストパターン602と半導体層601との界面状態は、トランジスタの特性に影響を与えるため、できるだけ半導体層601に影響がないようにフォトリソグラフィー工程からエッチング工程までを短時間で処理するとともに、レジストパターン602が残存しないようにする。
【0045】
次に、図7(d)に示すように、実施例と同様に、チャネル保護層を兼ねる上部ゲート絶縁膜408を形成し、実施例と同様に、上部ゲート電極604を形成した。
このように形成された薄膜トランジスタは、図12に示したような、従来のダブルゲート型の薄膜トランジスタと比較した場合、同じ大きさのチャネル幅(W)、チャネル長(L)においてオフ電流が2桁低下し、オン電流は減少しなかったため、オン・オフ比で2桁向上させることができる。
【0046】
実施例
この実施例では、電界効果型トランジスタをアクティブマトリクス型の液晶表示装置の駆動トランジスタとして形成した例を示す。
液晶表示装置は、図8(a)〜(c)に示すように、ゲート端子701に接続されたゲート信号線706が互いに平行に複数本配置し、ゲート信号線706間にCS端子703に接続されたCS信号線705が互いに平行に複数本配置している。ゲート信号線706と交差するように、ソース端子702に接続されたソース線707が互いに平行に複数本配置している。また、ゲート信号線706とソース線707との交点には、実施例に示す電界効果型トランジスタと同様の電界効果型トランジスタ704が配置しており、ゲート信号線706とソース線707とで囲まれる領域には、この電界効果型トランジスタと接続される画素電極810が配置している。
【0047】
画素電極810は、電界効果型トランジスタ704のドレイン電極806とコンタクトホール811と通して接続されており、下部ゲート電極802及び上部ゲート電極809はゲート信号線706に、ソース電極805はソース線707にそれぞれ接続されている。
このような液晶表示装置は、以下の方法により作製することができる。
【0048】
まず、図9(a)〜図9(f)に示すように、実施例での図4(a)及び図4(b)と同様の方法により、基板801上に凸部803を有する下部ゲート電極802、下部ゲート絶縁膜804、ソース電極805及びドレイン電極806を形成する。なお、下部ゲート電極802の形成と同時に、基板801上に、ゲート信号線706、ゲート端子701、CS信号線705、CS端子703を形成する。また、ソース電極805及びドレイン電極806と同時に、ソース端子702及びソース線707を形成する。
【0049】
次いで、図9(g)に示すように、得られた基板801上に、光照射によりパターン形成可能なアクリル系のポジ型の感光性樹脂膜をスピンコートし、第四のフォトマスクにて露光、現像することでパターニングを行い、チャネル保護層を兼ねる上部ゲート絶縁膜808を形成する。なお、パターニングの際の現像液としては本実施例においては、10%に水で希釈したTMAHを使用した。その後、ドレイン電極806上の上部ゲート絶縁膜808に、コンタクトホール811を形成するとともに、図9(h)に示すように、ゲート端子701、ソース端子702及びCS端子703上にもコンタクトホールを形成する。
続いて、上部ゲート絶縁膜808の感光性樹脂膜を架橋させるために、85℃のベーク炉にて200秒間熱処理を行って、膜厚2μmとした。
【0050】
次いで、図9(i)に示すように、ゲート端子701、ソース端子702及びCS端子703上の下部ゲート絶縁膜804を除去するために、パターン形成した上部ゲート絶縁膜808をマスクパターンとして用いてドライエッチングを行った。ドライエッチングの条件は、有機物による半導体層807にダメージを与えないように、RIE(反応性イオンエッチング)モードで電力を2.4kW、圧力を300mToor、エッチングガスをCF4イオン(330sccm)、O2(170sccm)、GAP距離を130mm、温度を60℃に設定して行った。
【0051】
最後に、図8(b)及び図9(i)に示すように、ITO膜を形成し、パターニングすることにより、上部ゲート電極809、画素電極810を形成するとともに、ゲート端子701、ソース端子702及びCS端子703に接続するゲート信号線706、ソース線707及びCS信号線705を形成することができる。
なお、この実施例においても、上部ゲート電極809は、下部ゲート電極802と同一の形状にパターニングした。
【0052】
以上の方法により作成した電界効果型トランジスタ704が形成された基板801と、対向基板とに配向膜を形成した。そして、両基板に大きさ3μmのプラスチックビーズを散布し、両基板を熱硬化性樹脂によって貼り合わせ、その間の空隙に液晶を注入し、UV硬化樹脂にて封止し、液晶表示装置を作成した。なお、対向基板としては、0.7mm厚の透明ガラス基板上に、スパッタリング法により透明電極としてITO膜を100nmの膜厚で形成した。また、共通電極への電極接続には、カーボンペーストを用い、白黒表示のみとした。正方形の画素を3画素に分割し、赤、青、緑の色で区切られた対向基板を用いてフルカラー表示としてもよい。
【0053】
なお、この実施例では、透過型の液晶表示装置を作製しているが、反射型の液晶表示装置にも適用することができる。その場合、画素電極に用いた透明電極の代わりにアルミニウムのような反射材料を用いることにより、コンタクトホール811を加工せずに、ドレイン電極806を画素電極を兼ねるようにパターニングして利用することができる。これにより、製造工程が簡略化されるとともに、フレキシブルなプラスチック基板上に成膜温度を下げてゲート絶縁膜を形成することができ、有利である。
【0054】
このように作製された電界効果型トランジスタを用いた液晶表示装置は、図11又は図12に示すような従来の電界効果型トランジスタを用いた液晶表示装置と比べ、同一のトランジスタのサイズにおけるオフ電流を低することができ、その結果、オン・オフ比を向上させることができるため、開口率及びコントラストが高く、階調表示に優れた、高速応答の液晶表示装置を得ることができる。
また、従来の電界効果型トランジスタと比較して、製造工程がシンプルであるため、歩留りがよく、高機能を有する電界効果型トランジスタを提供することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体層が、ソース/ドレイン電極間であって第1ゲート電極に対向する少なくとも一部の領域において、他の領域よりも薄い膜厚で形成された領域を有するため、オフ電流の原因である半導体層/絶縁膜界面付近以外の領域(バルク)を減少させることにより、オフ電流を低減させることができる。これによって、オン・オフ比を向上した、高性能及び高品質の電界効果型トランジスタを得ることができる。
また、さらに第2絶縁膜と第2ゲート電極を備える場合には、半導体層の絶縁膜との界面付近に形成される伝導チャネルを増加させることができ、さらにオン電流を向上させると同時に、オフ電流を低減させることができ、よりオン・オフ比を向上させることが可能となる。
【0056】
さらに、半導体層が有機材料により形成されていることにより、フレキシブル性や湾曲性を有した電界効果型トランジスタを提供することが可能となる。
しかも、本発明の電界効果型トランジスタの製造方法によれば、高性能かつ高品質のトランジスタを、簡便な製造プロセスにより実現できるため、製造コストの低減を図ることができ、安価なトランジスタを提供することが可能となる。
また、このようなトランジスタを画像表示装置に適用することにより、オン・オフ比が向上し、開口率及びコントラストが高く、階調表示に優れた、高速応答の表示装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の電界効果型トランジスタを示す要部の概略断面図である。
【図2】 参考例2の電界効果型トランジスタを示す要部の概略断面図である。
【図3】 本発明の電界効果型トランジスタの実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図4】図3の電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための要部の概略断面工程図である。
【図5】本発明の電界効果型トランジスタの製造方法で使用するシャドーマスクの平面図である。
【図6】本発明の電界効果型トランジスタのさらに別の実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図7】図6の電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための要部の概略断面工程図である。
【図8】本発明の電界効果型トランジスタを利用した画像表示装置の要部の概略平面図及び断面図である。
【図9】図8の画像表示装置製造方法を説明するための要部の概略断面工程図である。
【図10】本発明の電界効果型トランジスタの半導体層の形状を説明するための要部の概略断面図である。
【図11】従来の電界効果型トランジスタの素子構造を示す概略断面図である。
【図12】従来の別の電界効果型トランジスタの素子構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
101、401、801 基板
102、402、802 下部ゲート電極
103、404、804 下部ゲート絶縁膜
104、405、805 ソース電極
105、406、806 ドレイン電極
106、407、409、601、807 半導体層
107、408、808 上部ゲート絶縁膜
108、409、604、809 上部ゲート電極
109 チャネル長
201、202 伝導チャネル
203 チャネル領域が狭められた領域
403、803 凸部
409、604、809 上部ゲート電極
501 シャドウマスク
502 隙間
503 開口
504 スリット
602 レジストパターン
701 ゲート端子
702 ソース端子
703 CS端子
704 電界効果型トランジスタ
705 CS信号線
706 ゲート信号線
707 ソース線
810 画素電極
811 コンタクトホール

Claims (13)

  1. 少なくとも、基板と有機半導体層と第1絶縁膜と第1ゲート電極とソース/ドレイン電極とから構成され、
    前記第1ゲート電極、前記第1絶縁膜及び前記有機半導体層が前記基板上にこの順で積層され、
    前記第1ゲート電極が前記有機半導体層と対向する面上に凸部を有し、
    前記有機半導体層が、第1ゲート電極と対向する面に切欠部を有することにより、ソース/ドレイン電極間であって前記凸部に対向する領域において、他の領域よりも薄い膜厚で形成された領域を有することを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  2. 切欠部が凸部に対応する形状を有する請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. さらに、有機半導体層の第1ゲート電極が形成された側と反対側に、第2絶縁膜を介して第2ゲート電極が形成されてなる請求項1又は2に記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 第1絶縁膜と第2絶縁膜とが異なる材料により形成されてなる請求項3に記載の電界効果型トランジスタ。
  5. 少なくとも第1絶縁膜又は第2絶縁膜が有機物からなる請求項3に記載の電界効果型トランジスタ。
  6. 少なくとも第1絶縁膜又は第2絶縁膜が感光性材料からなる請求項3に記載の電界効果型トランジスタ。
  7. 基板上に凸部を有する第1ゲート電極を形成し、前記凸部が配置されていない第1ゲート電極上の少なくとも一部を被覆するように第1絶縁膜を介してソース/ドレイン電極を形成し、前記ソース/ドレイン電極間の第1ゲート電極上に第1絶縁膜を介して有機半導体層をその上面が平坦であるように形成することにより、前記凸部に対向する領域で該有機半導体層の膜厚それ以外の領域の膜厚より薄くすることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  8. 有機半導体層の上面がエッチング又はCMPにより平坦化される請求項7に記載の方法。
  9. 有機半導体層が開口内にスリットを有するシャドウマスクを用いる蒸着法により形成される請求項7に記載の方法。
  10. 有機半導体層を回転塗布法によって形成することからなる請求項7又は8に記載の方法。
  11. さらに、有機半導体層及びソース/ドレイン電極上に第2絶縁膜を介して第2ゲート電極を形成する請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 第1又は第2絶縁膜を、回転塗布法によって形成することからなる請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1〜6のいずれか1つに記載された電界効果型トランジスタが、1画素に少なくとも1つ、表示素子のスイッチング素子として用いられてなる画像表示装置。
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