JP4712322B2 - 印刷適性向上剤およびこれを塗布した紙 - Google Patents

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本発明は、印刷適性向上剤、表面処理剤、紙、特に新聞印刷用紙に関する。更に詳しくは、オフセットインキで印刷される紙、特に新聞印刷用紙のオフセット印刷適性を向上させることができる印刷適性向上剤および表面処理剤、オフセットインキによる印刷を良好に行うことのできる紙、特に新聞印刷用紙に関する。
近年の新聞印刷用紙は、軽量化、脱墨パルプの高配合化が求められており、また印刷においてもオフセット化、印刷の高速化、カラー化が急速に進んでおり、印刷適性に対する要求がますます厳しくなっている。
従来より、新聞印刷用紙は、スチレン−マレイン酸系共重合体のアルカリ金属塩の水溶液、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体のアルカリ金属塩の水溶液、α−オレフィン−マレイン酸系共重合体等のアルカリ金属塩の水溶液等の溶液型表面サイズ剤が新聞原紙の表面に塗工されている。これらの溶液型表面サイズ剤を塗工している紙は、サイズ性能は比較的良好であるが、オフセットインキに対する印刷適性が十分とはいえない。
そこで、分散剤存在下で疎水性モノマーを重合して得られるエマルション液を含有するオフセットインキ用の印刷適性向上剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。本印刷適性向上剤は、上記溶液型表面サイズ剤に比べ良好な印刷適性効果を示すものの、内添サイズ剤の使用量が特に少ない紙に対しての印刷適性向上効果が十分ではなかった。
特開2003-306887号公報
近年、新聞印刷用紙は操業上の問題から、内添サイズ剤は低減もしくは使用しない方向であり、このようなサイズ度の低い原紙に対して高い印刷適性向上効果を有する印刷適性向上剤が求められている。
また、従来の印刷インキでは石油系溶剤中に芳香族成分が含まれることから、製造や使用の過程でこれらの成分が揮発して、環境や人体への影響が懸念されるなど環境上の理由から、最近では急速にエコインキへの置換が進んできている。しかし、植物油もしくは水素化鉱物油など、石油系でない溶剤を含有するエコインキで新聞印刷用紙に印刷をした場合、上記の溶液型表面サイズ剤を塗工した新聞用紙は、印刷適性が十分とはいえなかった。
更に、上記の溶液型表面サイズ剤を塗工した新聞印刷用紙は、オフセット印刷時に湿し水によって塗工面が濡らされることにより、表面サイズ剤の再溶解や併用される変性澱粉の溶出を起こしやすく、結果としてブランケットや版の汚れのような印刷トラブルを引き起こすことがある。
現在、オフセット印刷用紙の中で特に新聞印刷用紙は、酸性紙が主流であるが、今後中性化に移行すると予測される。しかし、これらの中性印刷用紙に対して、上記溶液型表面サイズ剤はサイズ度が十分ではなく、多色刷りにおける色ずれ防止のため表面サイズ剤の使用量を増やす必要があり、結果として印刷適性の更なる悪化をもたらすことがある。
本発明が解決しようとする課題は、オフセットインキで印刷される紙、特に新聞印刷用紙のオフセット印刷適性を向上させることができる印刷適性向上剤および表面処理剤の提供と、オフセットインキによる印刷を良好に行うことのできる紙、特に新聞印刷用紙の提供にある。
下記の群から選ばれる1種以上の疎水性モノマーユニットと、4級アンモニウム塩を含むモノマーユニットから構成されるカチオン性共重合体を含有する印刷適性向上剤、あるいは該印刷適性向上剤と特定の群から選ばれる水溶性高分子物質を含有する表面処理剤を、原紙、特に新聞印刷用紙原紙の表面に塗布する。
(1)アルキル(メタ)アクリレート類
(2)ジアルキルジエステル類
(3)ビニルエステル類
(4)N−アルキル(メタ)アクリルアミド
(5)メチルビニルエーテル
本発明の印刷適性向上剤または該印刷適性向上剤を含有する表面処理剤を、原紙の表面に塗布することにより、オフセットインキ特にその中でもエコインキに対する着肉性向上および澱粉溶出量の低減効果を紙に付与することができ、結果として優れた印刷適性と版汚れ等の印刷トラブルの少ない紙を提供できる。
本発明の印刷適性向上剤は、少なくとも後述の疎水性モノマーユニットと4級アンモウニウム塩を含有するモノマーユニットから構成されるカチオン性共重合体を含有するものであり、本発明でいう「モノマーユニット」とは、あるモノマーを共重合したときに有する構造単位をいう。このカチオン性共重合体を構成する疎水性モノマーユニットは、共重合時に疎水性モノマーを使用することで得られる。4級アンモニウム塩を含有するモノマーユニットは、共重合時に4級アンモニウム塩を有するモノマーを使用することで得られるか、またはアミノ基を有するモノマーを共重合後、4級化剤により4級アンモニウム塩とすることで得られる。例えば、疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーを共重合した後、4級化剤を反応させることでカチオン性共重合物を得ることができる。なお、カチオン性共重合体の疎水性モノマーユニットを形成する疎水性モノマー、4級アンモニウムを含有するモノマーユニットである4級アンモニウム塩を含有するモノマー及び/または共重合後4級化することが可能なアミノ基を有するモノマー以外でも、本発明の目的とする効果が得られる範囲で、疎水性モノマーユニットを形成する一部をノニオン性モノマーユニット、アニオン性モノマーユニットに置換することができる。
前記疎水性モノマーユニットを形成するために使用する疎水性モノマーとしては、具体的には、次のものが挙げられ、これら各種の疎水性モノマーを単独で使用することができ、またその2種以上を併用することもできる。
(1)アルキル(メタ)アクリレート類:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)アクリレートなど
(2)ジアルキルジエステル類:例えば、マレイン酸、フマル酸などのジメチルエステル類、ジエチルエステルなど
(3)ビニルエステル類:例えば、炭素数5〜10のターシャリーカルボン酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど
(4)N−アルキル(メタ)アクリルアミド
(5)メチルビニルエーテル
その中でもアルキル(メタ)アクリレート類を使用することが印刷適性の点から好ましい。
前記疎水性モノマーユニットの一部を置換することができるノニオン性モノマーユニットを形成するために使用することができるノニオン性モノマーとしては、カチオン性基及びアニオン性基を備えず、親水性基を備えた重合性モノマーであり、例えば、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。本発明においては、ノニオン性モノマーの1種を単独で使用することもできるし、その2種以上を併用することもできる。
前記4級アンモニウム塩を含有するモノマーユニットを形成するために使用するモノマーとしては、1〜3級アミノ基を有するモノマー及び4級アンモニウム塩を有するモノマーがあり、1〜3級アミノ基を有するモノマーは共重合後、4級化剤により4級アンモニウム塩を形成することになる。この中でも4級アンモニウム塩を有するモノマーを共重合して得られる4級アンモニウム塩を含有するモノマーユニット、3級アミノ基を有するモノマーを共重合後、3級アミノ基を4級化して得られる4級アンモニウム塩を含有するモノマーユニットが好ましい。
1級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、アリルアミン、メタリルアミン、2級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ジアリルアミン、ジメタリルアミンを挙げることができる。
3級アミノ基を有するモノマーとしては、3級アミノ基を有するビニル化合物であり、具体的には、例えば次のものを挙げることができ、これらの1種または2種以上を混合して使用できる。
(1)(ジアルキル)アミノアルキル(メタ)アクリレート:例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等。
(2)(ジアルキル)アミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート:ジメチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等。
(3)(ジアルキル)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド:ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等。
(4)ビニルピリジン
(5)ビニルイミダゾール
その中でも、(ジアルキル)アミノアルキル(メタ)アクリレート、(ジアルキル)アミノアルキル(メタ)アクリルアミドが印刷適性の性能面で良好である。
4級アンモニウム塩を有するモノマーとしては、前記3級アミノ基を有するモノマーを4級化剤で4級化したものを挙げることができる。4級アンモニウム塩を有するモノマーを得るにあたって使用する4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、エピクロロヒドリン、アルキレンオキシド、スチレンオキシド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、及び3−クロロ−2−ヒドロキシアンモニウムクロライド等のエポキシ化合物や有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸、並びにジエチル硫酸を挙げることができる。その中でも、エピクロロヒドリン、アルキレンオキシド、スチレンオキシドが性能面で良好である。なお、これらの4級化剤を3級アミノ基を有するモノマーを重合した後に使用することも可能である。
本発明の印刷適性向上剤における疎水性モノマーユニットと4級アンモニウム塩を含有するモノマーユニットから構成されるカチオン性共重合体の重量比は、好ましくは55〜85:45〜15であり、更に好ましくは60〜80:40〜20である。カチオン性モノマーユニットが15%未満あるいは45%を超えると印刷適性が劣ることがある。
本発明で用いるカチオン性共重合物を製造するにあたって、従来から公知の重合方法が適用でき、例えば有機溶剤を使用して重合する溶液重合、非溶剤下で重合するバルク重合、低分子系あるいは高分子系乳化剤を用いて水系で重合を行う乳化重合等が適用できる。
前記カチオン性共重合物の重合方法としては、例えば前記疎水性モノマーと3級アミノ基を含有するモノマーとの混合物、疎水性モノマーと4級アンモニウム塩を含有するモノマーとの混合物、前記混合物とその他の共重合可能なビニルモノマーとの混合物を、メチルアルコール、エチルアルコールあるいはイソプロピルアルコール等の低級アルコール系有機溶剤あるいはベンゼン、トルエン、キシレン等の油性有機溶剤中にて、またはこれらの低級アルコール系有機溶剤と水との混合液中にて、あるいは水中にて、更には無溶剤系にて、ラジカル重合触媒を使用して60〜130℃で1〜10時間重合させ、重合終了後に必要があれば有機溶剤を留去し、3級アミノ基を公知公用の方法で4級化することによって得られる。
ラジカル重合触媒としては、特に限定するものではないが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)等の油溶性アゾ系触媒、ベンジルパーオキシド、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート等の油溶性有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素等の水溶性過酸化物、これらの過硫酸塩及び過酸化物と還元剤の組み合わせによるレドックス系重合触媒、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等の水溶性アゾ系触媒、ターシャリブチルハイドロパーオキシド等の水溶性有機過酸化物系を挙げることができる。
また、必要に応じてアルキルメルカプタン等の公知の連鎖移動剤を適宜併用してもよい。尚、本発明においては、カチオン性共重合物を合成するに際して用いるモノマーは実質的に100%反応してカチオン性共重合物中のモノマーユニットとなっている。
本発明の印刷適性向上剤を塗工する際に併用すると好ましいアルカリ物質として、例えばアンモニア、アルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、亜硫酸塩、炭酸塩、有機酸塩が挙げられる。
本発明でいうエコインキとは、芳香族炭化水素等の芳香族成分の含有率が1%以下であって環境に与える負荷の少ない溶剤のみを用いる印刷インキのことを指し、動植物系溶剤を用いた、例えば大豆油インキ、アロマチック・フリー溶剤を用いたアロマチック・フリーインキなどをいう。このようなエコインキを用いた新聞印刷用紙の印刷方法としてはオフセット印刷等が挙げられる。
本発明の印刷適性向上剤は単独で、あるいは通常の紙の製造方法と同様に、バインダーである水溶性高分子物質と混合し表面処理剤とした後、各種の原紙に塗工される。なお、ここでいう表面処理剤とは、本発明の印刷適性向上剤や水溶性高分子物質、その他の薬剤を混合した塗布液のことを指している。
水溶性高分子物質としては、例えば、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの各種変性澱粉類、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。これらは、単独、または2種類以上混合して用いられる。
また、本発明の印刷適性向上剤の効果が損なわれない範囲で、ネッパリ防止剤、防腐剤、消泡剤、滑剤、防滑剤、防錆剤、紫外線防止剤、退色防止剤、蛍光増白剤、粘度安定化剤、アルカリ物質などの助剤、他の表面サイズ剤を含有していてもよい。この中でもアルカリ物質を使用することで、オフセットインキの印刷適性が向上するので、好ましい。
本発明の印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤を表面に塗布した紙について説明する。該印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤は、酸性抄紙あるいは中性抄紙で抄造した原紙の表面に塗布する。原紙の種類としては、コート原紙、PPC用紙、インクジェット用紙、フォーム用紙、上質紙、中質紙、コートボール、ライナー、感熱紙等の各種原紙が挙げられる。
原紙のパルプ原料としては、特に限定は無い。抄造する前記の原紙の種類に応じて、砕木パルプ(GP)、機械パルプ(MP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)などの晒あるいは未晒パルプ、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、あるいは脱墨パルプ(DIP)等の古紙パルプなどを、適宜配合して使用することができる。
また、紙の要求される不透明度、印刷後不透明度、白色度などの光学的特性や、平滑性などの紙質に応じて、必要であれば、原紙抄造時に適宜填料を配合しても良い。填料を配合する場合、填料としては酸性抄紙あるいは中性抄紙において、一般に使用されている填料が使用でき、特に限定されるものではない。例えば、中性抄紙では、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料が単独でまたは適宜2種類以上を組み合わせて使用される。また酸性抄紙では、前記中性抄紙で使用する填料から、酸溶解性のものを除いた填料が使用され、その単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
また、内添サイズ剤や製紙用内添助剤が添加されていても良く、製紙用内添助剤としては、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が挙げられる。
また、その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物を使用できる。
更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。
酸性抄紙で抄造した原紙よりも中性抄紙で抄造した原紙のほうが、本発明の印刷適性向上剤の効果が大きく発現するため、中性抄紙で抄造した原紙が好ましい。
表面処理剤(塗布液)中における印刷適性向上剤の固形分濃度は、通常、0.05〜2重量%であり、好ましくは0.1〜1重量%である。0.05重量%未満では印刷適性向上効果が不十分である場合があり、2重量%付近で印刷適性向上の効果が頭打ちになるため、2重量%を超えて使用すると経済的に不利益である。
また、印刷適性向上剤の原紙への塗布量は、通常、固形分で0.005〜0.3g/m2であり、好ましくは0.01〜0.2g/m2である。この範囲内であると印刷適性が特に良く向上する。
印刷適性向上剤と水溶性高分子物質を混合した表面処理剤を塗布する場合、印刷適性向上剤の表面処理剤中の固形分濃度と塗布量は前記の通りであるが、水溶性高分子物質の表面処理剤中の固形分濃度と、水溶性高分子物質の原紙への塗布量は紙の表面強度の目標値で決定され、この目標値は紙の種類によって異なる。従って、水溶性高分子物質と表面塗工剤サイズ剤の配合比は特に規定はない。
本発明の印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤を原紙表面に塗布する装置には、特に限定は無く、サイズプレス、ゲートロールコーター、シムサイザーサイズプレス、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、ナイフコーターなどの公知の装置を適宜選定して用いることができる。
本発明の印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤を表面に塗布した新聞印刷用紙について説明する。パルプ原料としては、新聞印刷用紙に従来から使用されているパルプであれば良く、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、セミケミカルパルプ(SCP)などのMPや、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)に代表される化学パルプ(CP)、さらに、これらのパルプを含む古紙を脱墨して得られるDIP、及び抄紙工程からの損紙を離解して得られる回収パルプなどを、単独、あるいは任意の比率で混合し、公知公用の抄紙機によって抄紙される。最近の環境保護への関心の高まりによるDIPの高配合化への要求の観点から、DIPの配合率は50〜100重量%の範囲が好ましい。
新聞印刷用紙原紙には、必要に応じて、填料として、ホワイトカーボン、クレー、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、合成樹脂填料(塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン・ブタジエン系共重合体系樹脂など)などを使用できる。また、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの内添紙力増強剤、アクリルアミドとアミノメチルアクリルアミドの共重合物の塩、カチオン性澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウム共重合物などの濾水性および/または歩留まり向上剤、ロジン系サイズ剤、AKD、ASA、石油系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤などの内添サイズ剤、紫外線防止剤、退色防止剤などの助剤などを含有してもよい。
本発明の印刷適性向上剤は単独で、あるいはバインダーである水溶性高分子物質と混合し表面処理剤とした後、新聞印刷用紙原紙に塗工される。水溶性高分子物質としては、例えば、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの各種変性澱粉類、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。これらは、単独、または2種類以上混合して用いられる。
印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤は、新聞印刷用紙原紙に、通常の製紙用塗工装置で塗布すればよい。例えば、2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、スプレー塗工機などの装置が挙げられる。これらの装置の中でも、ゲートロールコーターに代表される被膜転写型コーターが望ましく、新聞印刷用紙の場合、これらの装置の中でも、ゲートロールコーター(GRC)が一般的であり、最も好ましく用いられる。
印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤を塗工する際の塗工速度は、通常の新聞用紙を製造できる抄紙機の抄速程度であればよく、特に限定はないが、通常、800〜2500m/分の範囲である。800m/分以上の高速で塗工することにより、表面処理剤が紙層中に十分に浸透する前に乾燥されるので、表層付近に存在する表面処理剤が多く、印刷適性向上の効果が大きい。
酸性抄紙で抄造した新聞印刷用紙原紙よりも、中性抄紙で抄造した新聞印刷用紙原紙に印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤を塗布したほうが、本発明の効果が顕著である。
表面処理剤(塗布液)中における印刷適性向上剤の固形分濃度は、通常、0.05〜2重量%であり、好ましくは0.1〜1重量%である。0.05重量%未満では印刷適性向上効果が不十分である場合があり、2重量%付近で印刷適性向上の効果が頭打ちになるため、2重量%を超えて使用すると経済的に不利益である。また、印刷適性向上剤の原紙への塗布量は、通常、固形分で0.005〜0.3g/m2であり、好ましくは0.01〜0.2g/m2である。この範囲内であると印刷適性が特に良く向上する。
印刷適性向上剤と水溶性高分子物質を混合した表面処理剤を塗布する場合、印刷適性向上剤の表面処理剤中の固形分濃度と塗布量は前記の通りであるが、水溶性高分子物質の塗布量(両面当たり)としては0.05〜2.0g/m2の範囲が適当である。塗布量が0.05g/m2未満の場合、新聞用紙の表面強度が不足する恐れがある。一方、塗布量が2.0g/m2より高い場合、オフセット印刷用新聞用紙特有の問題であるネッパリ問題(新聞用紙が大量印刷された際、塗工材料がブランケットに転移、蓄積することにより引き起こされる粘着性トラブル)を引き起こす可能性が高くなる。
本発明の新聞印刷用紙は、印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤を塗布、乾燥後、オフセット印刷に適した紙厚、平滑性を得るために、カレンダー処理をすることが好ましい。カレンダーとしては、通常のハードニップカレンダー、あるいは高温ソフトニップカレンダー(例えば、紙パルプ技術タイムスVol.43,No.1(2000)p23などにまとめられている。)が挙げられる。今後の新聞用紙の軽量化を考えれば、本発明の新聞用紙では、ソフトニップカレンダーがより好ましく使用される。カラー印刷適性の点からすると、本発明の印刷適性向上剤または印刷適性向上剤を含有する表面処理剤は、ソフトニップカレンダー処理と組み合わせるとよい。
以下に実施例、及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」及び「%」は、特に断りがない限り、それぞれ重量部及び重量%を意味する。
[実施例1]
撹拌機、温度計、環流冷却管および窒素導入管を付けた1リットルの四つ口フラスコに、2−エチルヘキシルメタクリレート70部、ジメチルアミノエチルメタクリレート30部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部及びイソプロピルアルコール44部を仕込み、80℃で3時間保持し、次いで2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを0.4部仕込み、更に同温度で2時間保持した。次いで酢酸12.7部(ジメチルアミノエチルメタクリレートに対して100モル%)、水251部を加え、イソプロピルアルコールを留去した。その後、水34部、4級化剤としてエピクロロヒドリン17.7部(ジメチルアミノエチルメタクリレートに対して100モル%)仕込み、80℃で2時間保持した。その後、水で希釈し、固形分20.3%の印刷適性向上剤1を得た。なお、共重合しなかった残留モノマーは実質的になく、4級化剤であるエピクロロヒドリンの未反応も殆どなかった。
[実施例2]
表1の実施例2に記載のモノマー組成にすること、4級化剤を用いなかったこと、および4級化反応を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で固形分20.5%の印刷適性向上剤2を得た。
[実施例3〜9]
疎水性モノマーの種類および量、3級アミノ基を有するモノマーの種類および量、4級化剤の種類と量を表1に示すように変えた以外は、印刷適性向上剤1と同様にして、印刷適性向上剤を得た。なお、得られた印刷適性向上剤3〜9の固形分を表1に示した。
Figure 0004712322
表1中の略号の説明
EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート、MMA:メチルメタクリレート、BA:ノルマルブチルアクリレート、EHA:2−エチルヘキシルアクリレート、IBMA:イソブチルメタクリレート、DM:ジメチルアミノエチルメタクリレート、DMC:ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド四級化物、DPA:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ECH:エピクロロヒドリン、BTO:ブチレンオキシド、STO:スチレンオキシド
[比較例用合成例1]
撹拌機、温度計、環流冷却管および窒素導入管を付けた1リットルの四つ口フラスコに、トルエン44部、ジイソブチレン50部、無水マレイン酸50部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.3部を加え、撹拌しながら加熱し、温度を80℃にまで上昇させた。その後、3時間保持し反応を完結させた。その後、48%水酸化カリウム水溶液82部(無水マレイン酸に対して50モル%)、水251部を加え、トルエンを留去した。その後、48%水酸化カリウム水溶液を無水マレイン酸に対して合計で100モル%となるように加え、水で希釈し、共重合体の濃度が20%になるように調製し、水溶性共重合体であるジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化カリウム水溶液(印刷適性向上剤10(比較例用))を得た。ポリマー中のモノマー構成比は重量比でジイソブチレン:無水マレイン酸=50:50であった。
[比較例用合成例2]
撹拌機、温度計、環流冷却管および窒素導入管を付けた1リットルの四つ口フラスコに、水35部と、95%イソプロピルアルコール65部と、スチレン60部及び無水マレイン酸40部を混合したモノマー混合液と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部とを入れ、フラスコ内容物を撹拌下に加熱し、内容物の温度を80℃にまで上昇させた。その後に4時間熟成させ反応を完結させた。その後、イソプロピルアルコールを留去し、冷却後に28%アンモニア水溶液50部(無水マレイン酸に対して100モル%)を加え、水で希釈し、共重合体の濃度が20%になるように調製し、水溶性共重合体であるスチレン−マレイン酸共重合体のアンモニア水溶液(印刷適性向上剤11(比較例用))を得た。ポリマー中のモノマー構成比は重量比でスチレン:無水マレイン酸=60:40であった。
[比較例用合成例3]
撹拌機、温度計、環流冷却管および窒素導入管を付けた1リットルの四つ口フラスコに、水35部と、95%イソプロピルアルコール65部と、スチレン70部及びアクリル酸30部を混合したモノマー混合液と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部とを入れ、フラスコ内容物を撹拌下に加熱し、内容物の温度を80℃にまで上昇させた。その後に4時間熟成させ反応を完結させた。その後、イソプロピルアルコールを留去し、冷却後に28%アンモニア水溶液25.3部(無水マレイン酸に対して100モル%)を加え、水で希釈し、共重合体の濃度が20%になるように調製し、水溶性共重合体であるスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニア水溶液(印刷適性向上剤12(比較例用))を得た。ポリマー中のモノマー構成比は重量比でスチレン:アクリル酸=70:30であった。
新聞印刷用紙原紙の製造
(1)酸性新聞印刷用紙原紙の製造
濾水度160カナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)、濃度2.5%の脱墨パルプスラリーに、対パルプ15%(絶乾重量基準)のタルク(富士タルク株式会社製、NDタルク)、対パルプ1.5%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ0.05%(絶乾重量基準)の酸性抄紙用ロジンサイズ(星光PMC株式会社製、AL120)を順次添加した後、pH4.5の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。その後、テスト抄紙機で、坪量50g/m2となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは4.5であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条件で行った。
(1)中性新聞印刷用紙原紙の製造
濾水度160カナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)、濃度2.5%の脱墨パルプスラリーに、対パルプ2%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業株式会社製、TP121S)、対パルプ0.25%(絶乾重量基準)の硫酸バンドを順次添加した後、pH7.5の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。その後、テスト抄紙機で、坪量50g/m2となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは7.5であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条件で行った。
[実施例10]
酸化澱粉(日本食品化工株式会社製、MS3800)を濃度10%になるように水で希釈し、95℃で糊化を行い、これに前記印刷適性向上剤1を加え、表面処理剤中の固形分濃度が酸化澱粉で6%、印刷適性向上剤1で0.3%になるように表面処理液を調製した。前記酸性新聞用紙原紙に調製した表面処理剤をNo.3バーコーターにて塗布し、酸性新聞印刷用紙を得た。印刷適性向上剤の塗布量は固形分で0.05g/m2であった。得られた酸性新聞印刷用紙を試験片として恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿し、次に示す方法で、着肉性、ドロップテスト、接触角、澱粉溶出度を測定した。その結果を表2に示す。
(着肉性の評価)
石川島産業機械株式会社製RI印刷機(4色機)を用い、大日本インキ化学工業株式会社製のオフセット用エコインキである高粘度AFインキを使用し、3色目印刷用ゴムロールと金属ロールとの間に水の膜を作成してから印刷した。マクベス濃度計にてインキ濃度を測定した。数値が大きいほど、着肉性が良好であることを示す。
(ドロップテストの評価)
J.TAPPI 33の試験方法に準拠し、滴下水量1μlで測定した。数値が大きいほど、サイズ性が良好であることを示す。
(接触角の評価)
協和界面科学株式会社製の自動接触角計を用いて、水を滴下し1秒後の接触角を測定した。数値が大きいほど、サイズ性が良好であることを示す。
(澱粉溶出量の評価)
2.5cm×30cmの長方形状に切ったサンプル紙をアダムス・ウェット・ラブ計で30回水中を回転させ、澱粉を溶出させた。水中に溶けだした澱粉量を紙中の澱粉量に対する百分率で示した。数値が大きいほど、澱粉の溶出が少ないことを示す。
[実施例11〜18、比較例1〜3]
印刷適性向上剤1の代わりに印刷適性向上剤2〜9あるいは比較例用の印刷適性向上剤10〜12を用いた以外は、実施例10と同様に塗布及び評価を行った。その結果を表2に示す。
[実施例19]
実施例10の表面処理剤のpHをアンモニア水で7に調整した以外は、実施例10と同様に塗布及び評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004712322
[実施例20]
酸化澱粉(日本食品化工株式会社製、MS3800)を濃度10%になるように水で希釈し、95℃で糊化を行い、これに前記印刷適性向上剤1を加え、表面処理剤中の固形分濃度が酸化澱粉で4%、印刷適性向上剤1で0.4%になるように表面処理液を調製した。前記中性新聞用紙原紙に調製した表面処理剤をNo.3バーコーターにて塗布し、中性新聞印刷用紙を得た。印刷適性向上剤の塗布量は固形分で0.08g/m2であった。得られた中性新聞印刷用紙を試験片として恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿し、実施例10と同様な方法で着肉性、ドロップテスト、接触角、澱粉溶出度の評価を行った。その結果を表3に示す。
[実施例21〜28、比較例4〜6]
印刷適性向上剤1の代わりに印刷適性向上剤2〜9あるいは比較例用の印刷適性向上剤10〜12を用いた以外は、実施例20と同様に塗布及び評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0004712322
Figure 0004712322
表2の酸性新聞印刷用紙の評価結果から、実施例10〜19の新聞印刷用紙は、着肉性が比較例1〜3の新聞印刷用紙に比べ良好であり、更に澱粉の溶出も少ないことがわかる。また、アルカリ物質を併用した実施例19の新聞印刷用紙は、実施例10と比べ着肉性とサイズ性能が明らかに優れていることがわかる。
表3の中性新聞印刷用紙の評価結果から、実施例20〜29の新聞印刷用紙は、着肉性が比較例4〜6の新聞印刷用紙に比べ良好であり、サイズ効果も明らかに優れていることがわかる。また、アルカリ物質を併用した実施例29の新聞印刷用紙は、実施例20と比べ着肉性とサイズ性能が明らかに優れていることがわかる。

Claims (5)

  1. アルキル(メタ)アクリレート類である疎水性モノマーユニットと、4級アンモニウム塩を含むモノマーユニットから構成され、疎水性モノマーユニットと4級アンモニウム塩を含むモノマーユニットとの重量比が55:45〜85:15であるカチオン性共重合体を含有することを特徴とする印刷適性向上剤。
  2. 請求項に記載の印刷適性向上剤と、下記の群:
    (1)各種変性澱粉類
    (2)ポリビニルアルコール類
    (3)セルロース誘導体
    から選ばれる1種類以上の水溶性高分子物質を含有することを特徴とする表面処理剤。
  3. 請求項に記載の印刷適性向上剤または請求項に記載の表面処理剤を、原紙表面に塗布して得られることを特徴とする紙。
  4. 上記の原紙が中性抄紙で抄造された新聞印刷用原紙であることを特徴とする請求項に記載の紙。
  5. 請求項1に記載の印刷適性向上剤または請求項2に記載の表面処理剤を原紙表面に塗布することを含む、印刷適性の向上方法。
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