JP2008248399A - オフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛度が良好で吸水抵抗性に優れるとともに、摩擦係数の上昇を抑え、摩擦係数が高いことに起因するオフセット印刷時の問題のないオフセット印刷用中性新聞用紙を提供すること。
【解決手段】 新聞用紙原紙に、カチオン性表面サイズ剤およびアルキルケテンダイマーを含有する表面処理剤を塗工、乾燥してなるオフセット印刷用新聞用紙であって、前記カチオン性表面サイズ剤が、少なくとも3級アミノ基含有モノマー20〜40重量%と(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステル10〜80重量%とをアゾ系重合開始剤を用い連鎖移動剤の存在下で重合して得られる共重合体を4級化したものであるオフセット印刷用新聞用紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷用新聞用紙に関する。
新聞用紙は、機械パルプや古紙脱墨パルプ(以下、DIPと称することがある。)を主体とする紙であり、近年では、製造コストの低減や資源保護の見地から、パルプ使用量の削減による軽量化や、古紙利用率の向上が進んでいる。また、古紙由来の炭酸カルシウムの有効利用の点から、従来の酸性抄紙から填料として炭酸カルシウムを主体として用いる中性抄紙への移行も進んでおり、填料として炭酸カルシウムを多く使用し紙中灰分を増やすことで、オフセット印刷した場合に高白色なためカラー印刷面が鮮やかである、不透明性に優れる、他填料と比較してブランケット紙粉のパイリングが少ないといった高い品質と優れた印刷適性が得られる。
しかし、用紙の物性の面では、紙中灰分が増加するに従って紙の摩擦係数が上昇する傾向にあり、オフセット印刷時の剣先詰まりや皺の発生、印刷テンション増加による色ずれ等の発生要因となっている。また、軽量化や古紙の利用率の向上は、従来に比べて曲げこわさや腰といった剛度を低下させる原因になっている。
また、オフセット印刷では湿し水が使用されることもあって、新聞用紙には吸水抵抗性(サイズ性)が重要である。サイジング方法としては、パルプスラリーにサイズ剤を添加する内添サイジングと、抄紙された原紙の表面にサイズ剤や澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子分物質を含有する表面処理剤を塗工する表面サイジングとがある。従来の表面サイズ剤としては、スチレン−マレイン酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体などの水溶性共重合体、アルキルケテンダイマー(以下、AKDと略すことがある。)等が挙げられる。
中性新聞用紙では、従来の酸性新聞用の表面サイズ剤では十分な紙の吸水抵抗性が得られないため、カチオン性表面サイズ剤を塗布する方法があるが(例えば、特許文献1、2参照)、一般にこれらカチオン性表面サイズ剤は、紙表面に塗布することによって用紙の摩擦係数が上昇する。また、新聞用紙に表面処理剤として使用されるサイズ剤以外の澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子物質によっても、紙の摩擦係数が処理前に比べて上昇することがほとんどである。
新聞用紙は、印刷所毎に実に様々な印刷機機種、印刷条件で使用されているため、同じ摩擦係数でも一方の印刷所で問題ない場合でも、もう一方で摩擦係数に起因する印刷走行性の問題が発生する場合がある。このように新聞用紙は摩擦係数が高過ぎても、低過ぎても紙流れ等の問題が起きるため最適な範囲にある必要があり、かつ必要に応じて摩擦係数を細かく調整する技術が必要である。
一般的な紙の摩擦係数を低下させる方法としては、内添と外添の方法がある。内添の方法としては、抄造時にアルキルケテンダイマー(以下、AKDと略することがある。)やアルケニル琥珀酸無水物(ASA)等の樹脂成分を含有する内添サイズ剤によりすべり性を付与する方法や填料としてタルクを添加して紙に抄き込む方法がある。しかし、内添サイズ剤による方法は、目標とする吸水抵抗性を得るために必要とされるサイズ剤量が決まるため、その時、必ずしも最適な摩擦係数が得られるわけではない。逆に摩擦係数の調節を優先してAKDの添加量を決めると、最適な吸水抵抗性が得られない。さらにAKDを内添した場合にはAKDが紙巻取り内でマイグレーションすることにより、上巻きの摩擦係数が極端に低下するため、印刷時の紙流れを発生させる原因となる。タルク内添による方法は、相対的に炭酸カルシウムの添加量が減少するため、上述したような炭酸カルシウムの利点を損なうことや、炭酸カルシウムに比べて紙粉発生量が多くなる等の短所がある。
このため、原紙表面に塗布する外添による方法が検討されており、例えば、AKDをカチオン基含有高分子化合物で水中に乳化分散し、水溶性金属塩を含有してゼータ電位を調整したエマルジョンからなる表面サイズ剤が提案されている(特許文献3参照)。また、AKD系の表面サイズ剤は、中性紙において優れた吸水抵抗性を示す反面、紙の摩擦係数を大きく低下させ(滑りやすく)、機械的安定性が劣り塗工機を汚損しやすいという問題がある。そのため、AKDと他の水溶性共重合体からなる表面サイズ剤とを併用することにより、中性紙での吸水抵抗性をAKDで確保しながら、水溶性重合体で摩擦係数の低下を抑制することが行われている。
国際公開WO2005/009288号 特開2006−016713号公報 特開2003−221795号公報
上記特許文献3は、AKDを適当な分散剤で処理しエマルジョンとして用いるものであるが、表面処理剤の液中で加水分解を起こし、吸水抵抗性を損なうことがある。しかも摩擦係数は少量で急激に低下するため、摩擦係数のコントロールが極めて困難である。また、中性新聞用紙において、表面処理剤にカチオン性表面サイズ剤を水溶性高分子分物質とともに含有する場合、組み合わせによってはサイズタンクの中で泡の発生が起こるという問題もある。
このように、これまでの技術では、新聞用紙に効果的な吸水抵抗性を付与し、かつ吸水抵抗性を目標とする程度に維持しながら、摩擦係数の上昇を抑えコントロールするには不十分であった。そこで、本発明は、剛度および吸水抵抗性に優れるとともに、摩擦係数の上昇が抑えられてオフセット印刷用新聞用紙、特に中性新聞用紙を提供することを課題とする。

本発明では、特定のカチオン性表面サイズ剤とアルキルケテンダイマーとを含有する表面処理剤を用いることにより、上記課題が解決できることを見出した。本発明の主な構成は次の通りである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、新聞用紙原紙に、カチオン性表面サイズ剤およびアルケテンダイマーを含有する表面処理剤を塗工、乾燥してなるオフセット印刷用新聞用紙であって、前記カチオン性表面サイズ剤が、少なくとも下記の成分aと成分bとをアゾ系重合開始剤を用い連鎖移動剤の存在下で重合して得られる共重合体を4級化したことを特徴とする。
成分a;3級アミノ基含有モノマー20〜40重量%
成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステル10〜80重量%
請求項2に係る発明は、前記アゾ系重合開始剤が、アゾビスメチルブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、またはアゾビスジメチルバレロニトリルの少なくとも1種であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記新聞用紙原紙が、填料として炭酸カルシウムを主体として含有することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記新聞用紙原紙の紙中灰分が固形分比で10〜20重量%であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記共重合体の重量平均分子量が3万〜6万であることを特徴とする。
本発明によれば、次の効果が奏される。
カチオン性サイズ剤の高い吸水抵抗性を維持したまま、摩擦係数の上昇を抑えコントロールすることができる。従って、オフセット印刷時の摩擦係数に起因するオフセット印刷時の剣先詰まりや皺の発生、印刷テンション増加による色ずれ等の問題を改善することができる。さらに、紙の摩擦係数が過度に大きくなることがないため、填料として炭酸カルシウムを多く含有させて、白色度、不透明性の高いオフセット印刷用新聞用紙を得ることができる。
<カチオン性表面サイズ剤>
本発明において、表面処理剤に含有されるカチオン性表面サイズ剤としては、少なくとも成分a;3級アミノ基含有モノマー20〜40重量%と成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステル10〜80重量%とを、アゾ系重合開始剤を用いて連鎖移動剤の存在下で重合して得られる、重量平均分子量3万〜6万の共重合体を4級化したものが用いられる。
(ア.共重合成分)
本発明で使用するカチオン性表面サイズ剤の組成について、以下に詳細に説明する。
成分a;3級アミノ基含有モノマーとしては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドが適当である。
上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが代表であり、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが代表であり、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステルとしては、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの環状又は非環状の炭化水素エステルが挙げられる。このように、成分bの(メタ)アクリル酸エステルは、C4〜C18アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを初め、エステル部分に芳香族や脂環式の炭化水素基を含んだものでも良い。
また、成分bはメチルメタクリレート(MMAと略す)などの(メタ)アクリル酸のC1〜C3エステル(即ち、短鎖エステル)は含まれないが、下述のように、この共重合体を得る際に、成分aからc以外のその他のモノマーとして、これらの(メタ)アクリル酸の短鎖エステルを使用しても良いことは言うまでもない。
成分bの好ましい例としては、エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートが挙げられる。
本発明では、成分a、bにさらに成分c;スチレン類を加えて共重合体とすることもできる。成分cとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルトルエン、クロルメチルスチレンなどが挙げられる。但し、後述するようにエーテル化澱粉をカチオン性表面サイズ剤と併用すると、サイズタンク(表面処理剤塗工液のタンク)において泡の発生量が多くなる場合があり、本発明では成分cを含有しない方が泡の発生が少ない傾向にあり望ましい。
カチオン性表面サイズ剤を構成する共重合体の重合に際しては、上記成分a〜c以外に、必要に応じて、その他の共重合性ビニルモノマーを使用することができる。
上記その他のモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートなどのC1〜C3の短鎖アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリルなどが挙げられる。
従って、例えば、成分a、あるいはさらに成分cを含み、(メタ)アクリル酸エステルとして、C4〜C18の長鎖アルキルエステルとC3以下の短鎖アルキルエステルを併用した共重合体は、このカチオン性表面サイズ剤の共重合体に含まれるが、(メタ)アクリル酸エステルとしてC3以下の短鎖アルキル(メタ)アクリレートのみを使用し、C4〜C18の長鎖アルキルエステルを使用しない場合は、この共重合体からは外れる。尚、(メタ)アクリル酸エステルにおいては、エステルの炭素数が増すほどサイズ剤の基本物性である撥水性への寄与が高まる。
本発明で使用するカチオン性表面サイズ剤の主成分である共重合体を構成する各モノマーの比率を述べると、まず、成分a;3級アミノ基含有モノマーは20〜40重量%であり、好ましくは22〜35重量%である。20重量%よりも少ないと、水溶化するときの溶解度が退化し、40重量%を超えると、疎水性が低下してサイズ効果が減少してしまう。
成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステルの含有量は10〜80重量%であり、好ましくは15〜70重量%である。10重量%より少ないと、疎水性が低下するとともに、溶液重合に際して溶解性が低下して共重合性が悪くなり、また、インキとの親和性が低下する。80重量%を超えると、3級アミノ基含有モノマーの比率が低くなり過ぎる。即ち、インキとの親和性を良好に具備させるには、疎水性モノマーとして適正量の成分bが必要である。
また、成分c;スチレン類の含有量は70重量%以下であり、好ましくは60重量%以下である。但し、成分cが多いほど、インキとの親和性が低下し、また、溶液重合に際して共重合性が悪くなる。共重合性が低下すると、溶液重合後に水溶化し、4級化する際に、表面サイズ剤の有効成分が凝集したミクロ粒子状となって紙表面に点在し、不均一な表面塗布しかできないため、サイズ効果が低減する恐れがある。成分c;スチレン類は、(メタ)アクリル酸エステルより疎水性に優れるため、所望の効果を阻害しない範囲で共重合体の適正量含有することは差し支えない。
更に、その他のモノマーは必要に応じて使用されるが、その含有量は30重量%以下であり、好ましくは20重量%以下である。
(イ.溶媒)
基本的に、この共重合体は成分a〜cを構成モノマーとして、有機溶媒中で溶液重合により製造される。上記有機溶媒としては、アルコール、ケトン等の酸素含有炭化水素類や、トルエン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。
溶媒としては、イソプロピルアルコール(IPAと略す)、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、sec-ブタノール、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、3-メチル-2-ブタノール、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBKと略す)、ジイソプロピルケトン、エチルベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
また、150℃以上の沸点で水への適度な溶解度(適度の親水性)を有する有機溶媒を使用すると、表面サイズ剤を塗布する際の臭気を抑制するのに有効である。具体的には、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、ベンジルアルコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどである。
有機溶媒の全モノマーに対する使用量は30重量%以下が適量であり、好ましくは20重量%以下である。
(ウ.連鎖移動剤)
共重合体の溶液重合に際して粘度上昇を防止して重合反応を円滑に行う見地から、アゾ系重合開始剤を用いて連鎖移動剤の存在下で重合することが必要である。
上記連鎖移動剤は油溶性、水溶性の連鎖移動剤を任意に使用できるが、親油性の有機溶媒中で重合する場合には油溶性連鎖移動剤が、また、逆に親水性の有機溶媒を使用する場合には水溶性連鎖移動剤が相対的に好ましい。
上記油溶性連鎖移動剤としては、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸ドデシルエステルなどのメルカプタン類の他、クメン、四塩化炭素、α-メチルスチレンダイマー、ターピノーレンなどが挙げられる。
上記水溶性連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、チオグリコール酸及びその塩などが挙げられる。
モノマーに対する連鎖移動剤の使用量は1〜5重量%程度が好ましいが、この範囲に制限されるものではない。
(エ.重合開始剤)
使用する重合開始剤はアゾ系重合開始剤であるが、水素引き抜きに起因した架橋化による分子量の増大や、枝分かれに伴う複雑な分子構造による溶解性の低下が著しく起こさない程度で有れば、過硫酸ベンゾイル、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、クメンヒドロペルオキシドなどの過酸化物系重合開始剤を併用して使用しても良い。
上記アゾ系重合開始剤としては、アゾビスメチルブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル(AIMNと略す)などが挙げられる。なかでも、溶液重合に際して、溶剤並びに共重合体の構成モノマーへの溶解性を増す見地から、アゾ系重合開始剤のエタノールに対する溶解度(25℃)は15g/100g以上が好ましい。当該エタノール溶解度を満たすアゾ系重合開始剤には、オゾビスメチルブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、オゾビスジメチルバレロニトリルなどがある。
上記過酸化物系重合開始剤は、過硫酸ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クメンヒドロペルオキシドなどが挙げられる。
このように、有機溶媒中にて連鎖移動剤並びにアゾ系開始剤の存在下で溶液重合を行うのであるが、当該溶液重合は公知の方式により行えば良く、特に制限されるものではない。
(オ.4級化)
構成モノマーとしては上記成分a〜c以外、あるいは必要に応じて他の成分を溶液重合して得られた共重合体は、3級のまま使用しても同様な効果が得られるが、好ましくは4級化剤によりカチオン処理される。
上記4級化剤はジメチル硫酸、メチルクロライド、アリルクロライド、ベンジルクロライド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エチレンクロルヒドリン、3-クロロー2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどを単用又は併用できる。4級化剤の中では、エピクロルヒドリン、ベンジルクロライド、3-クロロー2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
4級化に際しては、共重合体が有する3級アミノ基の50〜100モル%を4級化して、完全又は部分4級化することが好ましい。
共重合体を4級化することにより、中性、アルカリ側を含めた広いpH領域で溶解性が増し、良好なサイズ効果を発揮することができる。
この4級化処理は、一般には、カチオン性共重合体を水溶化した後、溶剤を除去し、共重合体を4級化することにより行われるが、4級化した後に溶剤を除去しても差し支えない。
また、4級化処理は、溶液重合の円滑化の見地から、成分a;3級アミノ基含有モノマーを含む構成モノマーを共重合した後に、4級化剤でカチオン処理することが基本であるが、3級アミノ基含有モノマーを予め4級化し、得られた4級アンモニウム塩基含有モノマーを共重合することもできる。
この場合、4級モノマーの重合条件は、3級モノマーを重合する場合の処理条件と同様である。
(カ.分子量)
このような方法で合成した、カチオン性表面サイズ剤は一般的には分子量が大きい方が吸水抵抗性が高いが、分子量が大きいと溶液の粘度が高く、製造作業性面、水溶性高分子との相溶性と吸水抵抗性能のバランス面、オフセット印刷時の版汚れを避けるためにも3万〜6万の重量平均分子量が適当である。
<アルキルケテンダイマー>
本発明では、表面処理剤に上記のカチオン性表面サイズ剤とともに、アルキルケテンダイマーを併用することにより、表面処理剤にすべり性が付与されて、カチオン性表面サイズ剤の高い吸水抵抗性を維持したまま、摩擦係数の上昇を抑えて最適な範囲に調整することができる。
本発明で用いられるアルキルケテンダイマーとは、下記一般式(1)で示されるものである。

[式中、R1、R2は、それぞれ炭素数8〜30の炭化水素基を示す。]
前記一般式(1)におけるR1、R2の具体的な炭化水素基としては、例えばデシル、ドデシル、ラトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどのアルキル基;エイコシル基などのアルケニル基;オクチルフェニル、ノニルフェニルなどのアルキル置換フェニル基;ノニルシクロヘキシル基などが例示できるが、これに限定されるものではない。
<水溶性高分子物質>
本発明では、表面処理剤に水溶性高分子物質を含有することができる。水溶性高分子物質としては、例えば、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉等)、カチオン化澱粉等の澱粉類、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド等のポリアクリルアミド類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。新聞用紙の表面強度を向上させ、オフセット印刷時の紙粉パイリング(ブランケトパイリング)、結束パルプ繊維に起因するヒッキー、ベッセルに起因する白ポチなどの発生を抑制する上で、これらの水溶性高分子物質の使用は好ましい。中でも、表面強度の向上効果とネッパリ防止とのバランスから澱粉類が好ましく使用でき、その中でも、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉が最も好ましい。
<表面処理剤>
本発明においては、上述のカチオン性表面サイズ剤とアルキルケテンダイマー、および必要に応じて水溶性高分子物質を混合して、表面処理剤を調製する。カチオン性表面サイズ剤とアルキルケテンダイマーとの使用割合は、1/4〜4/1が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。
原紙へのカチオン性表面サイズ剤の塗布量は、要求される吸水抵抗性により適宜調整すればよいが、一般的には両面当たりの塗布量(固形分重量)で0.01〜0.5g/mであり、0.01g/m未満では充分な吸水抵抗性が得られず、0.5g/mを超えると吸水抵抗性は高く問題はないが、オフセット印刷時に用いる湿し水へ表面サイズ剤が溶出、蓄積し、印刷版を感脂化し、印刷面に地汚れが発生する場合がある。
原紙へのアルキルケテンダイマーの塗布量は、所望の摩擦係数の範囲内に入るように適宜調整すればよいが、両面当たりの塗布量(固形分重量)で0.01〜0.1g/mが程度であり、0.02〜0.08g/mが好ましく、0.02〜0.05g/mがより好ましい。少なすぎると摩擦係数低下の効果がほとんどなく、多すぎると摩擦係数が過度に低下し、本発明で規定する摩擦係数の範囲外になるため紙流れ等の問題が発生する。なお、本発明において適切な摩擦係数の範囲とは、動摩擦係数で0.60以下程度である。
原紙への水溶性高分子物質の塗布量は、原料パルプの種類と配合、紙中灰分量、必要とされる表面強度等により適宜調整するが、一般的には両面当たりの塗布量(固形分重量)で、0.05〜1.5g/mである。各水溶性高分子物質の塗布量が少なすぎると充分な表面強度が得られず、多すぎるとネッパリ強度が高くなるという問題がある。
<塗工装置>
表面処理剤を新聞用紙の原紙に塗布する塗工装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、ゲートロールコーター、サイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター等、一般に公知公用の塗工装置が適宜使用される。
<原紙>
本発明のオフセット印刷用新聞用紙に用いられる原紙は、紙面pH6〜9程度である。通常の中性抄紙では抄紙工程で紙料に硫酸バンドを添加しても炭酸カルシウムが相対的に多く存在することにより完全に中和され、特にpH調整を行わない限り、紙料や白水のpHは安定的に中性領域となる。このようにして抄造された中性新聞用紙の紙面pHは6〜9の範囲内となる。
本発明における原紙は、グランドパルプ(GP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミカルサーモメカニカルパルプ(CTMP)、等のメカニカルパルプ(MP)、クラフトパルプ(KP)に代表されるケミカルパルプ(CP)、これらのパルプを含む古紙を脱墨して得られる脱墨パルプ(DIP)、及び抄紙工程からの損紙を離解して得られる回収パルプ等を、単独あるいは任意の比率で混合し、一般に公知公用の抄紙機によって抄紙されたものである。全パルプ中のDIPの配合率は、最近のDIPの高配合化の流れからすると50〜100重量%の範囲が好ましい。
本発明における原紙は、絶乾重量に対する灰分が10〜20重量%の範囲であることが好ましい。灰分が10重量%未満だと紙の不透明性が不足し、オフセット印刷した場合のインキ裏抜けが目立つ。また20重量%を超えると紙の強度や吸水抵抗性が低下し、断紙や紙粉パイリング等の問題が生じる。さらに灰重量に対する炭酸カルシウムの割合が60重量%以上であることが好ましい。通常DIPの灰成分の中では炭酸カルシウムの割合が多くを占める場合が多いが、DIPには炭酸カルシウム以外の灰成分も多く含まれ、その割合は新聞古紙、雑誌古紙等の古紙種類や回収状況等により異なるため、品質変動の要因になる。また灰成分はトナーや異物を含有し、紙面ダートや紙面欠陥の原因となる場合もある。そのためDIPの灰分を填料として利用することも行うが、DIP中の灰成分を洗浄工程である程度洗い出し、新たにフレッシュな填料として炭酸カルシウムを添加する。なお、本発明において紙中灰分は、JIS P 8251(対応ISO1762)に準拠して測定し、灰化は525℃、2時間で行った値をいう。
填料として炭酸カルシウムを添加し、紙中の炭酸カルシウムを増やすほど紙の摩擦係数が上昇する。このため、オフセット印刷用新聞用紙の中でも、紙中の炭酸カルシウムが多いほど、本発明で使用する表面処理剤を塗布することによる紙の摩擦係数の低減効果が大きくなる。このようにして、得られるオフセット印刷用新聞用紙の摩擦係数を過度に上昇させることなく、填料として炭酸カルシウムを高配合できるため、紙の白色度、不透明度を向上させることができる。
本発明における原紙の抄造時、必要に応じて、一般に公知公用の製紙用填料、抄紙用薬品を適宜使用することができる。填料としては、炭酸カルシウム以外に、ホワイトカーボン、クレー、シリカ、タルク、酸化チタン、合成樹脂填料(塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体樹脂等)等を使用しても良い。また、抄紙用内添薬品としては、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン−ホルマリン系樹脂等の紙力増強剤、アクリルアミド−アミノメチルアクリルアミド共重合体の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体等の濾水性及び/又は歩留まり向上剤、ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル琥珀酸無水物(ASA)等の内添サイズ剤、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、紫外線防止剤、退色防止剤、消泡剤等の助剤等を含有してもよい。また、原紙の坪量としては特に限定されるものではないが、34〜50g/mの範囲である。この原紙の物性に関しては、オフセット印刷で印刷可能である必要があり、通常の新聞用紙程度の引張り強度、引裂き強度、伸び等の物性を有するものであればよい。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例の中の%、部は特に断らない限り、それぞれ重量%、重量部を示す。
[カチオン性表面サイズ剤の製造方法]
(合成例1)
スチレン50部、2-エチルヘキシルメタクリレート20部と、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド30部と、連鎖移動剤のn-ドデシルメルカプタン2部と、イソプロピルアルコール42.7部とを4つ口フラスコに入れ、85℃まで加熱して、開始剤として2,2-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(25℃のエタノールへの溶解度75g/100g)2.5部を加え、90℃で3時間重合した。このとき、サンプリングしてshodexGPCシステム-21H(カラムGF-7M、GF-310、溶媒DMFでポリスチレン換算値)で分子量を測定したところ、重量平均分子量は43,000であった(以下の実施例および比較例も同様にして測定した)。次いで、水340部と90%酢酸12.8部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してイソプロピルアルコールを留去した。その後、85℃でエピクロルヒドリン17.7部を加えて3時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率100%)
(合成例2)
スチレン60部と、n-ブチルメタクリレート15部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート25部と、連鎖移動剤のt-ドデシルメルカプタン2部と、トルエン42.7部とを4つ口フラスコに入れ、105℃まで加熱して、開始剤としてジメチル-2,2-アゾビスイソブチレート(25℃のエタノールへの溶解度130g以上/100gエタノール)2部を加え、110℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は35,000であった。次いで、水350部と90%%酢酸10.6部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してトルエンを留去し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率60%)
(合成例3)
n-ブチルメタクリレート50部と、ラウリルメタクリレート20部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート30部と、連鎖移動剤のt-ドデシルメルカプタン2部と、イソプロピルアルコール32.5部とを4つ口フラスコに入れ、85℃まで加熱し、開始剤として2,2-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル(25℃のエタノールへの溶解度20g/100gエタノール)2部を加え、90℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は48,000であった。次いで、水335部と、酢酸12.7部を加えて水溶化した後、溶媒蒸留せずに85℃でエピクロルヒドリン17.7部を加えて3時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率100%)
(合成例4)
スチレン30部と、イソブチルメタクリレート48部と、ジエチルアミノエチルアクリレート22部と、連鎖移動剤のn-ドデシルメルカプタン2部と、イソプロピルアルコール47.5部とを4つ口フラスコに入れ、90℃まで加熱し、開始剤として2,2-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(25℃のエタノールへの溶解度75g/100gエタノール)2部を加え、90℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は37,000であった。次いで、水330部と90%酢酸9.3部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してイソプロピルアルコールを留去した。その後、85℃で塩化ベンジル15.9部を加えて4時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率90%)
(合成例5)
スチレン50部と、2-エチルヘキシルメタクリレート15部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート35部と、連鎖移動剤のt-ドデシルメルカプタン2部と、イソプロピルアルコール47.5部とを4つ口フラスコに入れ、85℃まで加熱し、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(25℃のエタノールへの溶解度2.7g/100gエタノール)2部を加え、90℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は60,000であった。次いで、水350部と90%酢酸14.8部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してイソプロピルアルコールを留去した、その後、85℃でエピクロルヒドリン20.7部を加えて3時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、微白濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率100%)
(合成例6)
スチレン55部と、n-ブチルメタクリレート15部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート30部と、連鎖移動剤のt-ドデシルメルカプタン1.8部と、イソプロピルアルコール45部とを4つ口フラスコに入れ、85℃まで加熱して、開始剤としてジメチル-2,2-アゾビスイソブチレート(25℃のエタノールへの溶解度130g以上/100gエタノール)1.5部とt-ブチルパ-オキシ-2-エチルヘキサノエート0.5部を加え、90℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は41,000であった。次いで、水350部と酢酸12.7部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してイソプロピルアルコールを留去した。その後、80℃で3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド25.1部を加えて3時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率70%)
[実施例1]
DIP100部からなるパルプスラリーを調製し、このパルプ100部(固形分重量)に対して硫酸バンドを1.5部、炭酸カルシウム5部を添加し、ツインワイヤー型抄紙機にて、坪量46g/m、厚さ70μm、灰分11%の中性新聞用紙の原紙を得た。
次に、表面処理剤塗工液として、ヒドロキシエチル化澱粉を蒸煮したものを濃度7%に調製したものに、カチオン性表面サイズ剤1として上記の合成例3、およびアルキルケテンダイマーを添加して、原紙に対する澱粉塗布量が両面で0.5g/m、カチオン性表面サイズ剤塗布量が両面で0.01g/m、アルキルケテンダイマー塗布量が両面で0.04g/mになるように、ゲートロールコーターにて塗工速度1200m/分で上記の塗工し乾燥後、80℃のホットソフトニップカレンダーで1ニップ処理し、オフセット印刷用中性新聞用紙を得た。
[実施例2]
カチオン性表面サイズ剤塗布量を両面で0.03g/m、アルキルケテンダイマー塗布量を両面で0.02g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。
[比較例1]
アルキルケテンダイマーを含有せず、カチオン性表面サイズ剤塗布量を両面で0.05g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。
[比較例2]
カチオン性表面サイズ剤1に代えて、カチオン性表面サイズ剤2としてスチレン48部・アクリルエステル32部・メタクリル酸ジメチルアミノエチルの3級化(塩)2部・メタクリル酸ジメチルアミノエチルの4級化(塩)18部の共重合体(固形分25%)を用いた以外は、比較例1と同様にしてオフセット印刷用中性新聞用紙を得た。
実施例、比較例で得られたオフセット印刷用中性新聞用紙について、摩擦係数と点滴吸水度を測定し、以下のように評価を行い、結果を表1に示した。なお表中、Fはフェルト面、Wはワイヤー面を示す。
<剛度(クラークこわさ)>
JIS P 8143に準じ測定した。
<点滴吸水度>
温度23℃、湿度50%の条件下で8時間放置した後、Japan TAPPI No.33に準拠して、紙面に水を滴下し、水滴が紙に吸収され紙面に見えなくなるまでの時間を測定した。水の滴下量は5μlとした。
<摩擦係数>
ISO 15359に準拠し動摩擦係数を測定した。測定装置はAmontons II(Mu Mesurements Inc.社製)を用いた。動摩擦係数を同じサンプルを使用して3回測定し平均した。
<泡の発生>
表面処理剤塗工液のタンク(サイズタンク)における泡の発生を目視で評価し、次の基準示した。
○:泡の発生が少ない
△:泡の発生は見られるが操業に影響なし
×:泡の発生量が多く連続操業は難しい
表1に示した結果から次のことがいえる。
(1)実施例1、2と比較例1、2との比較によれば、摩擦係数の上昇が抑えられたオフセット印刷用新聞用紙が得られることが分かる。
(2)また、サイズタンクでの泡の発生が少なく、操業面でも問題がない。
(3)これらの実施例1、2に対し、アルキルケテンダイマーを含有しない比較例1は、剛度と泡の発生は実施例とほぼ同レベルであるものの、吸水抵抗性に劣り、動摩擦係数も高かった。また、比較例2は、剛度は良好であるものの、吸水抵抗性に若干劣り、動摩擦係数も高く、泡の発生が著しかった。

Claims (5)

  1. 新聞用紙原紙に、カチオン性表面サイズ剤およびアルケテンダイマーを含有する表面処理剤を塗工、乾燥してなるオフセット印刷用新聞用紙であって、前記カチオン性表面サイズ剤が、少なくとも下記の成分aと成分bとをアゾ系重合開始剤を用い連鎖移動剤の存在下で重合して得られる共重合体を4級化したものであることを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。
    成分a;3級アミノ基含有モノマー20〜40重量%
    成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステル10〜80重量%
  2. 前記アゾ系重合開始剤が、アゾビスメチルブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、またはアゾビスジメチルバレロニトリルの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用新聞用紙。
  3. 前記新聞用紙原紙が、填料として炭酸カルシウムを主体として含有することを特徴とする請求項1または2に記載のオフセット印刷用新聞用紙。
  4. 前記新聞用紙原紙の紙中灰分が固形分比で10〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオフセット印刷用新聞用紙。
  5. 前記共重合体の重量平均分子量が3万〜6万であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオフセット印刷用新聞用紙。
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