JP2001140193A - 紙及び製紙方法 - Google Patents

紙及び製紙方法

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JP2001140193A JP31369299A JP31369299A JP2001140193A JP 2001140193 A JP2001140193 A JP 2001140193A JP 31369299 A JP31369299 A JP 31369299A JP 31369299 A JP31369299 A JP 31369299A JP 2001140193 A JP2001140193 A JP 2001140193A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 古紙を含有する紙のサイズ度を向上する。 【解決手段】 古紙パルプを含有する紙料に少なくとも
2種の添加剤を添加して抄紙する抄紙工程を有する製紙
方法において、該添加剤の1種が(A)ロシン系物質
(a)を水に分散させて得られるロジン系エマルション
サイズ剤であり、該添加剤の他の1種が(B)疎水性カ
チオン性共重合体(b)を含有する添加剤である製紙方
法。その方法により得られる紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイズ性能の優れ
た紙及びその製紙方法に関し、更に詳しくは、古紙を含
有する紙料を用いて得られた紙のサイズ度が良好である
紙及びその製紙方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、森林資源の有効利用のため、紙及
び板紙の製造において古紙含有率を高める動きがある。
一方、製紙分野では、安価で白色度の優れるアルカリ性
填料である炭酸カルシウムが広く使用されるようにな
り、得られた紙の使い古しである古紙中の炭酸カルシウ
ムは増える傾向にあり、古紙を原料とする紙料のpHも
高くなってきている。このような古紙を原料とする紙料
を用いるときは、従来酸性領域で抄紙されていた段ボー
ルやコートボールなどの板紙を製紙する際にも、pH6
〜9の弱酸性ないし中性領域で抄紙されるようになって
きた。この際、サイジング方法としては、(1)硫酸バ
ンドを多量に添加し、酸性ロジンエマルションサイズ剤
又は中性ロジンエマルションサイズ剤を使用する方法、
(2)アルキルケテンダイマー又はアルケニル無水コハ
ク酸などの中性サイズ剤を使用することが多く行われて
いる。しかしながら、上記(2)の方法は、抄紙直後の
サイズ効果が低く、本来のサイズ効果を発現するまでの
いわゆる立ち上がりが遅いという問題や、ロジン系エマ
ルションサイズ剤に比べて、その固形分により抄紙装置
の各部を汚し易く、サイズ剤の固形分がそこに付着し、
製紙過程の湿紙やその乾燥過程のシート体をその粘着力
で引っ張って傷つけたり、甚だしい場合は切断すること
もあり、これを回避するには、何十メートルにもなる大
型抄紙装置のその付着部分を清掃しなければならないと
いう操業上の問題を生じる。
【0003】上記(1)、(2)の方法のほかにも、カ
チオン性ポリマーサイズ剤として、スチレンアクリル系
共重合体を使用したサイズ剤(特開昭48−11407
号公報)が知られているが、ロジン系エマルションサイ
ズ剤と比べ、サイズ効果がかなり劣るという問題や、実
用上差し支えない程度のサイズ効果を得ようとすると、
パルプに対し0.5重量%以上の多量な添加が必要とな
り、コストアップになるという問題がある。このサイズ
剤量を多量にすると、紙の離解性が悪くなる等の問題も
生じる。以上のことから、最もサイジングのコストが安
価で、反応性ではないことにより取扱いが容易であるロ
ジン系エマルションサイズ剤の使用が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法は、(i) 新たに添加する硫酸バンドと
古紙から混入する炭酸カルシウムが抄紙系内において反
応し、硫酸カルシウムを生成し、これがスケール(滓)
として抄紙装置の各部に付着し、製紙過程の湿紙やその
乾燥工程のシート体を傷つけたり、甚だしい場合は切断
することもある。また、(ii) ケテンダイマー系サ
イズ剤等の反応性サイズ剤に比べ、サイズ効果が劣ると
いう問題もあり、さらに、(iii) サイズ剤の添加
量を増やさないと十分なサイズ効果が得られず、そのこ
とにより紙料における発泡量が多くなり、抄紙装置の各
部にサイズ剤の固形分が付着して汚れの問題を起こし、
上記(2)の場合と同様に、製紙過程の湿紙やその乾燥
過程のシート体をその粘着力で引っ張って傷つけたり、
甚だしい場合は切断することもあり、これを回避するに
は、何十メートルにもなる大型抄紙装置のその付着部分
を清掃しなければならない等の問題を生じる。
【0005】特に、古紙を含有する紙料を用いて製紙し
たライナー(段ボールの表に貼る原紙)は、耐水性が要
求されるが、上述したように、硫酸バンド、炭酸カルシ
ウムや、その反応生成物の硫酸カルシウムが含まれるこ
とになり、通常のパルプから製造される紙に比べて、同
じロジン系エマルションサイズ剤を使用してサイジング
しても、耐水性が劣ることから、その改善が望まれてい
た。
【0006】本発明の第1の目的は、特に古紙を含有す
る紙料から得られる紙について、サイズ効果が優れ、そ
の経時変化の少ない紙及びその製紙方法を提供すること
にある。本発明の第2の目的は、サイジングのコストが
安価で、取扱いが容易であるサイズ剤を用いた紙及びそ
の製造方法を提供することにある。本発明の第3の目的
は、ライナーのように耐水性を必要とする分野に特に有
効な紙及びその製紙方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、古紙、ロジン系エ
マルションサイズ剤及び疎水性カチオン性共重合体とを
組み合わせることにより、抄造直後のサイズ効果が優
れ、サイズ性の経時変化の少ない紙が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)、古紙パルプを含
有する紙料に少なくとも2種の添加剤を添加して抄紙す
る抄紙工程を有する製紙方法において、該添加剤の1種
が(A)ロジン系物質(a)を水に分散させて得られた
ロジン系エマルションサイズ剤であり、該添加剤の他の
1種が(B)疎水性カチオン性共重合体(b)を含有す
る添加剤である製紙方法を提供するものである。また、
本発明は、(2)、(A)のロジン系エマルションサイ
ズ剤が中性ロジンエマルションサイズ剤である上記
(1)の製紙方法、(3)、疎水性カチオン性共重合体
(b)が少なくとも(b1)スチレンモノマー類及び/
又は(b3)アルキルアクリレート類及び/又はアルキ
ルメタクリレート類の疎水性モノマーと、(b2−1)
三級アミノ基を有するモノマー及び/又は(b2−2)
三級アミノ基を四級化したモノマーのカチオン性モノマ
ーを含有するモノマーを共重合して得られた共重合体で
あり、(b2−1)三級アミノ基を有するモノマーを共
重合した共重合体については四級化してもよい上記
(1)又は(2)の製紙方法、(4)、疎水性カチオン
性共重合体(b)が(b1)スチレンモノマー類及び/
又は(b3)アルキルアクリレート類及び/又はアルキ
ルメタクリレート類60〜98モル%と、(b2−1)
三級アミノ基を有するモノマー及び/又は(b2−2)
三級アミノ基を四級化したモノマーのカチオン性モノマ
ー2〜40モル%を共重合して得られた共重合体であ
り、(b2−1)三級アミノ基を有するモノマーを共重
合した共重合体については四級化してもよい上記(3)
の製紙方法、(5)、(b2−1)三級アミノ基を有す
るモノマーを共重合した共重合体についてエピハロヒド
リンで四級化する上記(3)又は(4)のいずれかの製
紙方法、(6)、(C)硫酸バンドを紙料に添加する上
記(1)ないし(5)のいずれかの製紙方法、(7)、
(C)硫酸バンドを紙料に添加しない上記(1)ないし
(5)のいずれかの製紙方法、(8)、防錆ライナーを
製造する上記(1)ないし(7)のいずれかの製紙方
法、(9)、古紙パルプが段ボール古紙、雑誌古紙、脱
墨古紙及び新聞古紙からなる群の少なくとも1種の古紙
パルプを含有する上記(1)ないし(8)の製紙方法、
(10)、古紙パルプが段ボール古紙である上記(9)
の製紙方法、(11)、紙料中の古紙パルプが少なくと
も10重量%である上記(1)ないし(10)のいずれ
かの製紙方法、(12)、紙料のpHが6.0〜9.0
である上記(1)ないし(11)のいずれかの製紙方
法、(13)、抄紙工程で古紙を含有する紙料の内部に
少なくとも2種の添加剤を添加されることによって得ら
れた紙において、該添加剤の1種に含有されたロジン系
物質(a)と、該添加剤の他の1種に含有された疎水性
カチオン性共重合体(b)を少なくとも含有する紙、
(14)、ロジン系物質(a)はロジンエステルを含有
する上記(13)の紙、(15)、疎水性カチオン性共
重合体(b)は上記(3)、(4)又は(5)の共重合
体である上記(13)又は(14)の紙、(16)、
(C)硫酸バンドを含有するか又は含有しない上記(1
3)ないし(15)のいずれかの紙、(17)、防錆ラ
イナーである上記(13)ないし(16)のいずれかの
紙、(18)、防錆ライナーが段ボール古紙、雑誌故
紙、脱墨故紙及び新聞古紙のパルプの少なくとも1種を
含有する紙料から得られる上記(17)の紙、(1
9)、紙中の古紙が少なくとも10重量%である請求項
(13)ないし(18)のいずれかの紙。
【0009】(I)(A)ロジン系エマルションサイズ
剤について 本発明におけるロジン系エマルションサイズ剤とは、
「ロジン系物質」と「分散剤」とを少なくとも含有する
ものをいう。このうち、「ロジン系物質」についていえ
ば、酸性ロジンエマルションサイズ剤とは、ロジン類及
び/又は強化ロジン類を含有するものをいい、中性ロジ
ンエマルションサイズ剤とは、ロジン類及び/又は強化
ロジン類と、ロジンエステル類及び/又は強化ロジンエ
ステル類を含むものをいうことが多いが、これらに限ら
ない。「ロジン系物質」としては、ロジン類、強化ロジ
ン類、ロジンエステル類及び強化ロジンエステル類の少
なくとも1つの類の少なくとも1種が挙げられる。ロジ
ン類には、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン
が挙げられ、さらにはこれらの各々の変性物である水素
化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、ダイマー化ロジ
ン、アルデヒド変性ロジン等が挙げられ、これらは単独
又は任意の少なくとも2種の混合物として用いることが
できる。強化ロジン類は、上記ロジン類に−C=C−C
=O基含有酸性化合物を1〜20重量%、好ましくは3
〜18重量%付加反応させたものである。この酸性化合
物の代表的な例としては、α,β−不飽和カルボン酸、
その無水物が挙げられるが、具体的にはフマル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン
酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等のα,β−不飽
和二塩基性カルボン酸及びその無水物、アクリル酸及び
メタクリル酸等のα,β−不飽和一塩基性カルボン酸が
挙げられ、これらは単独又は少なくとも2種併用できる
が、強化方法は公知の方法で行うことができる。
【0010】ロジンエステル類は、上記ロジン類とアル
コール類、フェノール類、エポキシ化合物類等とのエス
テル化反応によって得られる反応生成物であり、完全及
び/又は部分エステル化物を含むとともに、未反応のロ
ジン類を含んでもよい。アルコール類としては、3価以
上(3価より小さくない)の多価アルコールが使用で
き、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリ
ン、ソルビトール等を例示できる。フェノール類として
は2価以上(2価より小さくない)の多価フェノール類
が使用でき、例えばヒドロキノン、ピロガロール、ビス
フェノールA等を例示できる。エポキシ化合物はオキシ
ラン環を有する化合物であり、例えばグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を例示できる。こ
れらのアルコール類、フェノール類、エポキシ化合物等
は各類少なくとも1種又は任意の少なくとも2つの類の
各類少なくとも1種を組み合わせて使用できる。ロジン
類とアルコール類、フェノール類、エポキシ化合物等と
のエステル化反応は公知の方法で行うことができ、例え
ば両者を150〜300℃で3〜30時間攪拌しながら
脱水反応を行うことによって得られる。ロジン類とアル
コール類等との反応時の仕込み割合は、ロジン類はカル
ボキシル基を基準にとり、アルコール類、フェノール類
は水酸基、エポキシ化合物はオキシラン環を2価の水酸
基と見做してその水酸基について、各々の水酸基を基準
とし、カルボキシル基に対する水酸基のモル比(−OH
/−COOH)を0.2〜1.3となるような範囲が好
ましい。モル比が0.2未満では、反応生成物に含まれ
るロジンエステル類の含有量が少なくなり、これを上記
(A)成分のロジン系物質成分に使用し上記分散剤成分
で乳化したエマルジョンを含有するサイズ剤とした場
合、高いpH領域でのサイズ効果が低下することがあ
り、モル比が1.3を越えると生成するロジンエステル
類に遊離の水酸基が多量に残存するため、この残存水酸
基に起因してそのサイズ剤のサイズ効果が低下すること
がある。
【0011】強化ロジンエステル類は、上記強化ロジン
類と同様にロジンエステル類にα,β−不飽和カルボン
酸及び/又はその無水物等を付加反応させたものである
が、その付加反応はエステル化反応前、エステル化反応
と同時、エステル化反応後のいずれの段階でもよく、こ
れらの任意の少なくとも2段階を併用してもよい。これ
を上記ロジン系物質成分に使用し上記分散剤成分で乳化
したエマルジョンを含有するサイズ剤とした場合、サイ
ズ効果の点からは、エステル化反応終了後、連続的に
α,β−不飽和カルボン酸等の付加反応を行うことが好
ましい。
【0012】上記ロジンエステル類、強化ロジンエステ
ル類は、通常、アルコール類等の水酸基のすべてがロジ
ン類等のカルボキシル基とエステル化している完全エス
テル化物、その水酸基の一部がエステル化している部分
エステル化物及び未反応ロジン類等との混合物である
が、本発明においては、上記エステル化反応時の仕込み
比の範囲内であれば、これをそのまま用いてもよく、上
記ロジン類及び/又は強化ロジン類と混合して水性分散
液の分散相として用いてもよい。この際、全ロジン系物
質中のロジンエステル類及び/又は強化ロジンエステル
類の割合は10〜100重量%であることが好ましい。
【0013】前記「分散剤」としては、各種低分子界面
活性剤、特開昭61−108796号公報、特開昭63
−120198号公報、特開平2−177534号公報
及び特開平10−245795号公報等に記載の高分子
系乳化分散剤、及びカゼイン、レシチン、ポリビニルア
ルコール、カチオン性、アニオン性あるいは両性などの
各種変性澱粉、カチオン性、アニオン性あるいは両性の
アクリルアミド系ポリマーなどの保護コロイドを特に制
限なく使用でき、これらを少なくとも1種、すなわち単
独あるいは2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0014】本発明に係わるロジン系エマルションサイ
ズ剤の製造方法は、特に限定されるものではないが、公
知の方法、例えば分散相を形成する上記ロジン系物質を
あらかじめ油溶性の溶剤に溶かした溶液と分散剤及び水
を混合し、ホモジナイザー処理をした後溶剤を留去する
いわゆる溶剤法、溶融したロジン系物質を高温高圧下で
分散剤と温水とを混合しホモジナイザー処理するメカニ
カル法、あるいは溶融したロジン系物質に分散剤と一部
の水を攪拌下で混合しさらに温水を加えて油中水型エマ
ルションから水中油型エマルションに相転移させるいわ
ゆる転相法などが用いられる。
【0015】(II)(b)疎水性カチオン性共重合体
について 本発明における疎水性カチオン性共重合体は、疎水性及
びカチオン性を有する共重合体であればよいが、疎水性
モノマーとしては、スチレンモノマー類のほかに、アル
キル(メタ)アクリレート類(アルキルアクリレート及
び/又はアルキルメタクリレート類、以下同様)、ジア
ルキルエステル類、ビニルエステル類、オレフィンも挙
げることができる。スチレンモノマー類のみを使用して
もよいし、アルキル(メタ)アクリレート類のみを使用
してもよい。特に、スチレンモノマー類を使用すること
が好ましい。カチオン性を有するモノマーとしては、エ
ピハロヒドリン等の四級化剤で一部又は全部が四級化さ
れた三級アミノ基を有するモノマーを含有していること
が好ましい。疎水性カチオン性共重合体としては、スチ
レン類、アルキル(メタ)アクリレート類、及び三級ア
ミノ基を有するモノマーを含有したモノマーから得られ
る共重合体において、三級アミノ基がエピハロヒドリン
で一部又は全部四級化されていることが好ましい。
【0016】前記スチレンモノマー類として、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びジ
ビニルベンゼン等のスチレン誘導体が挙げられる。これ
らはその一種を単独で使用することができるし、これら
の二種以上を併用することもできる。特にスチレンが好
ましい。
【0017】前記アルキル(メタ)アクリレート類とし
て、炭素数1〜18の直鎖状もしくは分枝状アルキル基
を有する(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)
アクリレートが挙げられ、具体的にはメチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ノルマル−ブチル(メタ)アク
リレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、ターシ
ャリー−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらはその一種を単独で使用することができるし、こ
れらの二種以上を併用することもできる。特に炭素数1
〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレ
ートが好ましい。ジアルキルジエステル類としては、ジ
メチルマレート、ジメチルフマレート等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等が挙げられる。
【0018】上記三級アミノ基を有するモノマーとは、
例えばジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート等の(ジアルキル)アミノアルキル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート等の(ジアルキル)
アミノヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、ジ
メチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノメチ
ル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミド等の(ジアルキル)アミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ール等を挙げることができる。これらはその一種を単独
で使用することができるし、これらの二種以上を併用す
ることもできる。
【0019】本発明においては、上記三級アミノ基を有
するモノマーにおけるアミノ基を一部又は全部四級化す
るか、上記三級アミノ基を有するモノマーを共重合した
後、一部又は全部四級化する。四級化剤としては、塩化
メチル等のハロゲン化アルキル、塩化ベンジル等のハロ
ゲン化ベンジル、エチレンオキサイド等のアルキレンオ
キサイド、スチレンオキサイド、ジエチル硫酸等のジア
ルキル硫酸、グリシジルトリメチルアンモニウムクロラ
イド等のグリシジルトリアルキルアンモニウム塩、エピ
クロロヒドリン等のエピハロヒドリン等が挙げられる。
特にエピハロヒドリンが好ましい。
【0020】また、本発明で用いる疎水性カチオン性共
重合体には、上記のスチレンモノマー類やアルキル(メ
タ)アクリレートモノマー、ジアルキルエステル類、ビ
ニルエステル類、オレフィン、上記のカチオン性モノマ
ー等の他に共重合可能なモノマーをモノマー単位として
含有されていても良い。そのようなモノマーとして、例
えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリ
ルのようなノニオン性モノマー、N−アルキル(メタ)
アクリルアミド類、ロジン並びにメチルビニルエーテル
等を挙げることができる。このようなモノマーは、本発
明の目的を阻害しない限り前記疎水性カチオン性共重合
体中に含まれていても良く、例えば20モル%以下の範
囲で含まれても良い。
【0021】前記疎水性カチオン性共重合体におけるモ
ノマー単位の含有量として、疎水性モノマーが60〜9
8モル%であり、好ましくは75〜95モル%、カチオ
ン性モノマーが2〜40モル%、好ましくは5〜25モ
ル%である。
【0022】本発明で用いる疎水性カチオン性共重合体
を製造するにあたって、従来から公知の重合方法が適用
でき、例えば有機溶剤を使用して重合する溶液重合、溶
剤を使用しないで重合するバルク重合、低分子系あるい
は高分子系乳化剤を用いて水系で重合を行なう乳化重合
等が適用できる。乳化剤を用いて水系で重合を行なう乳
化重合で行った疎水性カチオン性共重合体であることが
好ましい。
【0023】上記重合反応に使用するラジカル重合触媒
としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、これらの過硫酸
塩と還元剤の組合せによるレドックス系重合触媒、ある
いは2, 2' −アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル
2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等の
アゾ系触媒を挙げることができる。又、必要に応じて公
知の連鎖移動剤を適宜併用しても差し支えない。
【0024】(III)古紙について 本発明において使用する古紙パルプの原料としては、上
白、カード、特白、中白、模造、白マニラ、茶模造、色
上、段ボール、新聞、雑誌、切符、中質反古、台紙、地
券等が挙げられる。また、古紙パルプは一般的に、離
解、徐塵、脱墨、漂白の4工程の一部又は全ての組み合
わせから製造される。古紙以外にクラフトパルプあるい
はサルファイトパルプ等の晒あるいは未晒化学パルプ、
砕木パルプ、機械パルプ、あるいはサーモメカニカルパ
ルプなどの晒あるいは未晒高収率パルプを使用すること
ができる。古紙パルプを含有するパルプ中の古紙パルプ
の含有量は問わないが、少なくとも10重量%(10重
量%以上)のとき、本発明の方法により得られる紙はサ
イズ効果が一段と良く顕れる。
【0025】本発明には填料を添加剤として使用しても
よい。填料としては重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カル
シム、クレー、タルク、カオリン、酸化チタン等を挙げ
ることができる。本発明に係るサイズ性の優れた紙にお
ける前記填料の含有量は、絶乾状態のパルプ重量に対し
て0.1〜50重量%、好ましくは0.3〜45重量%
である。
【0026】(IV) 紙の製造方法について 本発明に係るサイズ性の優れた紙の製造方法は、前記ロ
ジン系エマルションサイズ剤(A)と、前記特定の疎水
性カチオン性共重合体(b)を含有する添加剤(B)と
を、抄紙工程で使用することによって製造される。添加
剤(B)はカチオン性ポリマーサイズ剤であってもよ
く、その他の添加剤であってもよく、従来のものに属さ
ない本発明で用いる新規な添加剤であってもよい。な
お、抄紙工程においては、前記パルプ繊維、填料、染
料、硫酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、乾燥紙
力増強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤その他の添加剤
が、各々の紙の種類に要求される物性を発揮するため
に、必要に応じて使用されても良い。ポリアクリルアミ
ド系の乾燥紙力増強剤や歩留り向上剤を使用することが
好ましい。
【0027】歩留り向上剤としては、アニオン性又はカ
チオン性高分子量ポリアクリルアミド、シリカゾルとカ
チオン化澱粉の併用、ベントナイトとアニオン性、カチ
オン性又は両性高分子量ポリアクリルアミドの併用等が
挙げられる。硫酸バンド(硫酸アルミニウムを含む)又
はポリ塩化アルミニウムを使用することがサイズ性の点
から好ましいが、本発明の製紙方法によって得られる紙
が防錆ライナーとして使用される場合には、錆びが生じ
るために硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウムを使用しな
いことが好ましい。濾水性向上剤としては、ポリエチレ
ンイミン、カチオン性又は両性ポリアクリルアミド等が
挙げられる。カチオン性ポリアクリルアミドが好まし
い。
【0028】本発明に用いる前記特定の疎水性カチオン
性共重合体を含有する添加剤及びロジン系エマルション
サイズ剤の抄紙工程における添加場所については制限さ
れることはないが、好ましくは、種箱からスクリーンの
手前までの間であり、パルプスラリー中で十分に分散さ
れることが望ましい。また、種箱以降のパルプ濃度の低
いところで疎水性カチオン性共重合体を含有する添加剤
を添加することが好ましい。疎水性カチオン性共重合体
を含有する添加剤及びロジン系エマルションサイズ剤の
添加順序についても制限はなく、疎水性カチオン性共重
合体を含有する添加剤が先で、ついでロジン系エマルシ
ョンサイズ剤の順に加えても良く、この逆でも良く、ま
た、これらを同時に加えても良く、さらにこれらの希釈
液を混合した混合液を加えても良いが、ロジン系エマル
ションサイズ剤を先に添加し、ついで疎水性カチオン性
共重合体を含有する添加剤を加えることが好ましい。本
発明における抄紙は、特に限定されないが、pH6〜9
が好ましい。
【0029】本発明に用いる疎水性カチオン性共重合体
の紙料に対する添加量は、乾燥パルプに対し重量基準で
0.01%〜3%、好ましくは0.02%〜1%であ
り、ロジン系エマルションサイズ剤の添加量は、乾燥パ
ルプに対し固型重量基準(以下、同様)で0.02%〜
3%、好ましくは0.05%〜1%である.これらサイ
ズ剤の添加率が上記添加率より少ないと、サイズ効果が
十分ではなく、多くなると抄紙系での発泡が問題となる
ことがある。
【0030】抄紙されたサイズ性の優れた紙は、サイズ
プレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコータ
ー、キャレンダーなどで、澱粉、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、染料、表面サイズ剤、撥水
剤、防滑剤、導電剤などを必要に応じて塗布されていて
も良い。
【0031】本発明の製紙方法は、各種の紙及び板紙の
製造に使用することができる。具体的には、(1)硫酸
バンドを使用できないかその使用量が少量に限定される
紙、例えば中性純白、防錆ライナー及び金属合紙、
(2)古紙原料から炭酸カルシウムが混入する紙、例え
ば石膏ボード原紙、白板、白ボール、コート原紙、新聞
用紙、中質紙、マニラボール、チップポール、一般ライ
ナー及び中芯、(3)その他、ノート用紙、書籍用紙、
各種印刷用紙、アート紙、キャストコート紙、コート原
紙、フォーム用紙、熱転写紙、感熱記録原紙、感圧記録
原紙、PPC用紙、インクジット用紙、情報用紙、純白
ロール紙、クラフト紙などにおいても、本発明の製紙方
法は卓越したサイズ性能を発揮する。特に防錆ライナー
に使用することが好ましい。防錆ライナーは、中性紙で
あるため中性ライナー、また、スチール製の缶詰の梱包
用に使用する場合は缶詰ライナーと呼ぶ場合もある。
【0032】
【発明の実施の形態】疎水性カチオン性共重合体として
は、疎水性基及びカチオン性基を有する共重合体樹脂と
して、(i) スチレン、(ii) メチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート等の低級アルキル( メタ) アクリレ
ート、(iii) 2−エチルヘキシルアクリレート等の高級
アルキル( メタ) アクリレートの(i) 〜(iii) の少なく
とも1種の疎水性モノマーが60〜90モル%、好まし
くは75〜95モル%、(iv)N,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、N,N−ジメチルプロピルアクリ
ルアミド等の低級アルキルアミノ低級アルキル( メタ)
アクリレート及び/又は低級アルキルアミノ低級アルキ
ル( メタ) アクリルアミド、(v) N−〔2−(メタクリ
ロイルオキシ)エチル〕−N−ベンジル−N,N−ジメ
チルアンモニウムクロライド、N−〔2−(アクリロイ
ルオキシ)エチル〕−N−ベンジル−N,N−ジメチル
アンモニウムクロライド等の( メタ) アクリロイルオキ
シ−N−ベンジルの低級アルキルアンモニウム塩の(iv)
〜(V) の少なくとも1種のカチオン性モノマーが2〜4
0モル%、好ましくは5〜25モル%の共重合体を使用
することが好ましい。疎水性モノマーの内共重合可能な
ロジン、アクリルアミド等のその他のモノマーを10モ
ル%を越えない範囲(10モル%以下)で使用してもよ
い。また、ロジン系エマルションサイズ剤としては、例
えばロジンエステル又はロジン類(R)とロジンエステ
ル(RE)の混合物を重量比でR/RE=100/0〜
10/90、好ましくは90/10〜30/70のロジ
ン系物質をアニオン性又はカチオン性の高分子分散剤、
より好ましくはスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合
体若しくはその塩又はアクリルアミド系共重合体のアニ
オン性高分子分散剤、又はアクリルアミド系のカチオン
性の高分子分散剤を用いて水相に分散させたロジンエマ
ルション(固形分35〜55重量%)を用いる。古紙と
しては段ボール古紙、雑誌古紙、脱墨古紙及び新聞古紙
の内、炭酸カルシウムを含む段ボール古紙パルプを含有
する紙料、例えば段ボール古紙パルプを少なくとも10
重量%含有する紙料を使用した場合、硫酸バンドを使用
する中性抄紙系、硫酸バンドを使用しない中性抄紙系の
pH6〜9、硫酸バンドを使用した酸性抄紙系pH4〜
6では、疎水性カチオン性共重合体の使用量はパルプの
絶乾重量基準で0.01〜1重量%、より好ましくは
0.03〜0.5重量%、ロジンエマルションサイズ剤
の使用量はパルプの絶乾重量基準で0.03〜2重量
%、より好ましくは0.05〜1重量%とすることが好
ましい。上記の紙料、添加剤を用いて製紙し、ライナー
を得る。
【0033】
【実施例】以下に合成例、実施例、及び比較例を挙げて
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。尚、以下において「部」
及び「%」は、特に断りがない限りそれぞれ重量部及び
重量%を意味する。実施例及び比較例における硫酸バン
ド、ポリアクリルアミド、サイズ剤、添加剤等の薬品の
添加量「%」はパルプ絶乾重量に対する薬品固形分%を
意味する。
【0034】(1) 疎水性カチオン性共重合体含有添
加剤の製造 (合成例1)疎水性カチオン性共重合体b−1含有添加
剤Bー1の製造 攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素導入管を付けた1
リットルの四つ口フラスコにスチレン145.8部(8
5モル%)、メチルメタクリレート8.2部(5モル
%)、ジメチルアミノエチルメタクリレート25.9部
(10モル%)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メ
チルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製、製品
名:V601、アゾ系触媒)4. 4部及びトルエン7
9.2部を仕込み、80℃で3時間保持し、次いでV6
01を0.5部仕込み、さらに同温度で2時間保持し
た。次いで、90%濃度の酢酸11部を加えた後、水3
68部を加え、エマルションを得てから更に昇温し、ト
ルエンの留去を行った。その後、水98部を加え、エピ
クロロヒドリン15.8部を加え、80℃で1. 5時間
反応し、水354部を加えて固形分20. 2%の疎水性
カチオン性共重合体b−1を含有する添加剤B−1を得
た。
【0035】(合成例2、3、6)疎水性カチオン性共
重合体b−2、b−3 、b−6含有添加剤B−2、B−
3、B−6の製造 合成例1と同様の反応器に表1に示す配合比で所定のモ
ノマー及び四級化剤を仕込み、それぞれ疎水性カチオン
性共重合体b−2、b−3、b−6を含有する添加剤B
−2、B−3、B−6を得た。四級化剤はカチオンモノ
マーと同じ当量仕込んだ。
【0036】(合成例4)疎水性カチオン性共重合体b
−4含有添加剤B−4の製造 攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素導入管を付けた1
リットルの四つ口フラスコにスチレン78部(75モル
%)、2−エチルヘキシルアクリレート9.2部(5モ
ル%)、75%濃度N−〔2−(メタクリロイルオキ
シ)エチル〕−N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモ
ニウム=クロライド水溶液56.8部(15モル%)、
50%アクリルアミド液7.1部(5モル%)及びイソ
プロピルアルコール141部を仕込み、次いでアゾイソ
ブチルニトリルを2部仕込み、窒素気流中で80℃で5
時間反応させた。次いで、水518部を加えて固形分2
0. 1%の疎水性カチオン性共重合体b−4を含有する
添加剤B−4を得た。
【0037】(合成例5)疎水性カチオン性共重合体b
−5含有添加剤B−5の製造 上記合成例4において、表1に示す配合比で所定のモノ
マーを仕込んだこと以外は同様にして、疎水性カチオン
性共重合体b−5を含有する添加剤B−5を得た。
【0038】
【表1】
【0039】(2)ロジン系エマルションサイズ剤の製
造 (2)−1.ロジン系物質の製造例 (製造例1) 強化ロジン(R−1)製造 約200℃の熔融状態にあるガムロジン900部にフマ
ル酸100部を徐々に加えて、同温度で3時間加熱し、
ガムロジンのフマル酸強化物(R−1)を得た。この強
化物の強化度(フマル酸の付加率)は10%であった。
【0040】(製造例2) 強化ロジン(R−2)の製
造 約200℃の熔融状態にあるガムロジン920部に無水
マレイン酸80部を徐々に加えて、同温度で3時間加熱
し、ガムロジンの無水マレイン酸強化物(R−2)を得
た。この強化物の強化度(無水マレイン酸の付加率)は
8%であった。
【0041】(製造例3)強化ロジン(R−3)の製造 上記強化ロジンの製造例2において、ガムロジン870
部と無水マレイン酸130部の仕込み割合にすること以
外は同様にして、強化度13%のガムロジンの無水マレ
イン酸強化物(R−3)を得た。
【0042】(製造例4)ロジンエステル(RE−1)
の製造 攪拌機、温度計、窒素導入管、分水器及び冷却器を備え
たフラスコに、酸価170のガムロジン600部とグリ
セリン56部(仕込みモル比が−OH/−COOH=
1.0)を仕込み、窒素気流下270℃まで加熱し、攪
拌下、同温度で15時間反応させ、酸価13のロジンエ
ステル化物(RE−1)を得た。
【0043】(製造例5)強化ロジンエステル(RE−
2)の製造 上記ロジン系物質の製造例4において、ガムロジン60
0部とグリセリン45部の仕込み割合(仕込みモル比が
−OH/−COOH=0.8)にすること以外は同様に
して酸価36のロジンエステル化物を得た。ついで、こ
のロジンエステル化物485部を200℃にした後、攪
拌下、無水マレイン酸15部を加え、同温度で3時間加
熱し、ロジンエステルの無水マレイン酸強化物(RE−
2)を得た。この強化ロジンエステル化物の強化度(無
水マレイン酸の付加率)は3%であった。
【0044】(2)−2.高分子分散剤の製造 以下のようにして、ロジン系物質を乳化分散するための
高分子分散剤P−1〜P−3を製造した。 (製造例1)アニオン性高分子分散剤(P−1)の製造 特開昭61−108796号公報の参考例10の製造法
に従い、以下のようにしてスチレン−メタクリル酸系共
重合体中和物(P−1)を製造した。すなわち、スチレ
ン55部、メタクリル酸30部、イタコン酸5部、アク
リル酸ラウリル10部、10%ナフタレンスルホン酸ナ
トリウムホルマリン縮合物50部、過硫酸アンモニウム
1部及び水200部を混合攪拌し、加圧下、150℃で
30分加熱した。ついで、70℃まで冷却し、48.5
%水酸化ナトリウム35.5部と水7部を徐々に滴下
し、30分間攪拌した後室温まで冷却することにより、
固形分30%のポリマー分散液(P−1)を得た。
【0045】(製造例2)アニオン性高分子分散剤(P
−2)の製造 特開平10−245795号公報の製造例1の製造法に
従い、以下のようにしてアクリルアミド系共重合体溶液
(P−2)を製造した。すなわち、攪拌機、温度計、還
流冷却管及び窒素導入管を付けた1リットルの四つ口フ
ラスコに50%アクリルアミド水溶液228部(80モ
ル%)、イソブチルメタクリレート28部(10モル
%)、アクリル酸14部(10モル%)、イオン交換水
136部、イソプロピルアルコール218部、チオグリ
コール酸0.9部(0.5モル)、n−ドデシルメルカ
プタン2.8部(0.7モル)を仕込み、この混合液を
攪拌しながら窒素ガス雰囲気下で、60℃まで昇温し
た。ついで重合開始剤としてAIBN(アゾイソブチロ
ニトリル)を0.3部加え、80℃まで昇温し、5時間
この温度を保持した。次に、イソプロピルアルコールの
留去を行い、イオン交換水を加えて固形分濃度35%の
共重合体溶液(P−2)を製造した。
【0046】(製造例3)カチオン性高分子分散剤(P
−3)の製造 特開平2−177534号公報の実施例1の製造法に従
い、以下のようにしてカチオン性高分子分散剤(P−
3)を製造した。すなわち、攪拌機、温度計、還流冷却
管及び窒素導入管を付けた1リットルの四つ口フラスコ
に、ジメチルアミノエチルメタクリレート31.4部、
50%アクリルアミド水溶液85.3部、スチレン2
0.8部、イオン交換水100.6部、イソプロピルア
ルコール143.3部、n−ドデシルメルカプタン0.
6部を仕込み、20%酢酸水溶液にてpH4.5に調節
した。この混合液を攪拌しながら窒素ガス雰囲気下で、
60℃まで昇温した。ついで重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウム5%水溶液2.3部を加え、80℃まで昇温
し、1.5時間この温度を保持した後、過硫酸アンモニ
ウム5%水溶液0.7部を追加した。さらに1時間同温
度に保持した後、イオン交換水100部を加え、ついで
イソプロピルアルコールの留去を行い、さらに水を加
え、固形分濃度20.4%の共重合体溶液(P−3)を
製造した。
【0047】(3)ロジンエマルションサイズ剤の製造 (製造例1)ロジンエマルジョンサイズ剤(A−1)の
製造 上記ロシン系物質の製造例2の強化ロジン(R−2)7
0部と上記ロジン系物質の製造例4のロジンエステル化
物(RE−1)30部を約150℃に加熱熔融し、攪拌
しながら上記高分子分散剤の製造例2の共重合体水溶液
(P−2)を20部添加して混合し、さらに熱水を加え
ながら転相させ、油中水型のエマルジョンとし、これに
さらに熱水を素早く添加して安定な水中油型エマルショ
ンとした後、室温まで冷却した。このようにして得られ
たロジンエマルション(A−1)の固形分は45.0
%、平均粒子径は0.38μmであった。このロジンエ
マルションをそのままサイズ剤とする。
【0048】(製造例2、3、5)ロジンエマルション
サイズ剤(A−2、A−3、A−5)の製造 上記ロジン系物質の製造例1、3の強化ロジン(R−
1)、(R−3)、上記ロジン系物質の製造例4、5の
ロジンエステル化物(RE−1)、強化ロジンエステル
化物(RE−2)のそれぞれと、上記高分子分散剤の製
造例1〜2の共重合体溶液(P−1)、(P−2)を表
2に示す組み合わせ及び仕込み比に従って、ロジン系物
質100部、共重合体溶液を20〜30部使用したこと
以外は製造例1と同様にしてロジンエマルション(A−
2、A−3、A−5)を得た。
【0049】(製造例4)ロジンエマルションサイズ剤
(A−4)の製造 上記ロジン系物質の製造例2の強化ロジン(R−2)7
0部と、上記ロジン系物質の製造例4のロジンエステル
化物(RE−1)30部とを約150℃に加熱熔融し、
攪拌しながら上記高分子分散剤の製造例2の共重合体水
溶液(P−3)30部と、水130部とを高温高圧下に
混合し、その混合物を約1960Pa(200Kg/c
2 )の圧力で工業用ホモジナイザーに通してた後、室
温まで冷却した。このようにして得られたロジンエマル
ション(A−4)の固形分は40.3%、平均粒子径は
0.40μmであった。このロジンエマルションをその
ままサイズ剤とする。なお、ロジンエマルションサイズ
剤A−1〜A−5の組成及び固形分を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】実施例1 段ボール古紙パルプを350mlカナディアン・スタン
ダードフリーネスに叩解し、2.5%のパルプスラリー
とした。この古紙にはパルプ絶乾重量に対して1.2%
の炭酸カルシウムが含まれていた。このパルプスラリー
1.6リットルに、対パルプ1.0%(絶乾重量基準)
の硫酸バンド、対パルプ0. 2%(絶乾重量基準)の両
性ポリアクリルアミド(日本PMC社製:DS47
0)、対パルプ0.15%(絶乾重量基準)の中性ロジ
ンエマルジョンサイズ剤A−1(上記製造例1)をそれ
ぞれ添加し、攪拌した後、pH7.0に調整された希釈
水にてパルプ濃度0.5%まで希釈した。次いで、希釈
したパルプスラリーに対パルプ0.05%(絶乾重量基
準)の添加剤B−1(上記合成例1の疎水性カチオン性
共重合体b−1含有量に換算、以下各合成例については
同様)を添加した。このときのパルプスラリーはpH
7.0であった。このパルプスラリーを紙料としてノー
ブルアンドウッド抄紙機で抄紙し、ドラムドライヤーを
用いて100℃で80秒間の乾燥処理を行った。得られ
た試験紙の坪量は80g/m2 であった。試験紙を恒温
恒湿環境下(20℃、65%相対湿度)で24時間調湿
した後、ステキヒトサイズ度を測定したところ、25秒
であった。上記の添加剤の種類、添加量、ステキヒトサ
イズ度の測定結果を表3に示す。
【0052】実施例2〜12 実施例1において、中性ロジンエマルションサイズ剤A
−1及び添加剤B−1のそれぞれの代わりに、中性ロジ
ンエマルションサイズ剤A−1〜A−4(上記製造例1
〜4)及び添加剤B−1〜B−6(上記合成例1〜6)
のそれぞれを表3の実施例2〜12のそれぞれの欄に記
載した添加率で添加したこと以外は同様にして紙料を製
造し、これを用いて実施例1と同様にして抄紙、乾燥、
調湿した後ステキヒトサイズ度を測定した。その結果を
表3に示す。表3のサイズ効果試験は、炭酸カルシウム
が混入する古紙を用いて抄紙を中性付近(pH6〜9)
で行って得たライナーに対する試験に相当することがあ
る。
【0053】比較例1〜10 実施例1において、中性ロジンエマルションサイズ剤A
−1及び添加剤B−1の代わりに、中性ロジンエマルシ
ョンサイズ剤A−1〜A−4又は添加剤B−1〜B−6
のそれぞれを表3の比較例1〜10のそれぞれの欄に記
載した添加率で添加したこと以外は同様にして紙料を製
造し、これを用いて実施例1と同様にして抄紙、乾燥、
調湿した後ステキヒトサイズ度を測定した。その結果を
表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】実施例13 段ボール古紙パルプを360mlカナディアン・スタン
ダード・フリーネスに叩解し、2.5%のパルプスラリ
ーとした。この古紙にはパルプ絶乾重量に対して2.0
%の炭酸カルシウムが含まれていた。このパルプスラリ
ー1.6リットルに、対パルプ0.3%(絶乾重量基
準)の両性ポリアクリルアミド(日本PMC社製:DS
470)、対パルプ0.15%(絶乾重量基準)の中性
ロジンエマルジョンサイズ剤A−1(上記製造例1)を
それぞれ添加し、攪拌した後、pH7.0に調整された
希釈水にてパルプ濃度0.5%まで希釈した。次いで、
希釈したパルプスラリーに対パルプ0.05%(絶乾重
量基準)の添加剤B−1(上記合成例1)を添加した。
このときのパルプスラリーはpH7.0であった。この
パルプスラリーを紙料としてノーブルアンドウッド抄紙
機で抄紙し、ドラムドライヤーを用いて100℃で80
秒間の乾燥処理を行った。得られた試験紙の坪量は80
g/m2 であった。試験紙を恒温恒湿環境下(20℃、
65%相対湿度)で24時間調湿した後、ステキヒトサ
イズ度を測定したところ、27秒であった。上記の添加
剤の種類、添加量、ステキヒトサイズ度の測定結果を表
4に示す。
【0056】実施例14〜16 実施例13において、中性ロジンエマルションサイズ剤
A−1及び添加剤B−1のそれぞれの代わりに、中性ロ
ジンエマルションサイズ剤A−1、A−4及び添加剤B
−1、B−3、B−5のそれぞれを表4の実施例14〜
16のそれぞれの欄に記載した添加率で添加したこと以
外は同様にして紙料を製造し、これを用いて実施例13
と同様にして抄紙、乾燥、調湿した後ステキヒトサイズ
度を測定した。その結果を表4に示す。表4のサイズ効
果試験は、炭酸カルシウムが混入する古紙を用いて、硫
酸バンドを添加せず、抄紙を中性付近(pH6〜9)で
行って得た防錆ライナーに対する試験に相当することが
ある。
【0057】比較例11〜15 実施例13において、中性ロジンエマルションサイズ剤
A−1及び添加剤B−1の代わりに、中性ロジンエマル
ションサイズ剤A−1、A−4又は添加剤B−1、B−
3、B−5のそれぞれを表3の比較例11〜15のそれ
ぞれの欄に記載した添加率で添加したこと以外は同様に
して紙料を製造し、これを用いて実施例13と同様にし
て抄紙、乾燥、調湿した後ステキヒトサイズ度を測定し
た。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】実施例17 段ボール古紙パルプを350mlカナディアン・スタン
ダード・フリーネスに叩解し、2.5%のパルプスラリ
ーとした。この古紙にはパルプ絶乾重量に対して1.2
%の炭酸カルシウムが含まれていた。このパルプスラリ
ー1.6リットルに、対パルプ2.0%(絶乾重量基
準)の硫酸バンド、対パルプ0.1%(絶乾重量基準)
の両性ポリアクリルアミド(日本PMC社製:DS47
0)、対パルプ0.1%(絶乾重量基準)のロジンエマ
ルジョンサイズ剤A−5(上記製造例5)をそれぞれ添
加し、攪拌した後、pH5.0に調整された希釈水にて
パルプ濃度0.5%まで希釈した。次いで、希釈したパ
ルプスラリーに対パルプ0.05%(絶乾重量基準)の
添加剤B−1(上記合成例1)を添加した。このときの
パルプスラリーはpH5.2であった。このパルプスラ
リーを紙料としてノーブルアンドウッド抄紙機で抄紙
し、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の乾
燥処理を行った。得られた試験紙の坪量は80g/m2
であった。試験紙を恒温恒湿環境下(20℃、65%相
対湿度)で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度を
測定したところ、28秒であった。上記の添加剤の種
類、添加量、ステキヒトサイズ度の測定結果を表5に示
す。
【0060】実施例18、19 実施例17において、ロジンエマルションサイズ剤A−
5及び添加剤B−1のそれぞれの代わりに、ロジンエマ
ルションサイズ剤A−5及び添加剤B−1、B−3、B
−5のそれぞれを表5の実施例18、19のそれぞれの
欄に記載した添加率で添加したこと以外は同様にして紙
料を製造し、これを用いて実施例17と同様にして抄
紙、乾燥、調湿した後ステキヒトサイズ度を測定した。
その結果を表5に示す。表5のサイズ効果試験は、炭酸
カルシウムが混入する古紙を用いて、抄紙を酸性下(p
H4〜6)で行って得たライナーに対する試験に相当す
ることがある。
【0061】比較例16〜19 実施例17において、ロジンエマルションサイズ剤A−
5及び添加剤B−1の代わりに、ロジンエマルションサ
イズ剤A−5又は添加剤B−1、B−3、B−5のそれ
ぞれを表5の比較例16〜19のそれぞれの欄に記載し
た添加率で添加したこと以外は同様にして紙料を製造
し、これを用いて実施例17と同様にして抄紙、乾燥、
調湿した後ステキヒトサイズ度を測定した。その結果を
表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】実施例20、21、比較例20〜26 実施例13で使用した段ボール古紙パルプ(WCBパル
プ)と、450mlカナディアン・スタンダード・フリ
ーネスにまで叩解した未晒クラフトパルプ(NUKP、
針葉樹100%)を表6に記載された配合率で混合し、
2.5%のパルプスラリーとした。このパルフスラリー
1.6リットルに対し、以下の3条件の薬品添加を行っ
た。 (i)薬品添加処方1(実施例20、21、比較例2
0) 対パルプ0.3%(絶乾重量基準)の両性ポリアクリル
アミド(日本PMC社製:DS470)、対パルプ0.
15%(絶乾重量基準)の中性ロジンエマルジョンサイ
ズ剤A−1(上記製造例1)をそれぞれ添加し、攪拌し
た後、pH7.0に調整された希釈水にてパルプ濃度
0.5%まで希釈した。次いで、希釈したパルプスラリ
ーに対パルプ0.05%(絶乾重量基準)の添加剤B−
1(上記合成例1)を添加した。 (ii) 薬品添加処方2(比較例21〜23) 対パルプ0.3%(絶乾重量基準)の両性ポリアクリル
アミド(日本PMC社製:DS470)、対パルプ0.
20%(絶乾重量基準)の中性ロジンエマルジョンサイ
ズ剤A−1(上記製造例1)をそれぞれ添加し、攪拌し
た後、pH7.0に調整された希釈水にてパルプ濃度
0.5%まで希釈した。この時、希釈したパルプスラリ
ーに添加剤B−1(上記合成例1)は添加しなかった。 (iii) 薬品添加処方3(比較例24〜26) 対パルプ0.3%(絶乾重量基準)の両性ポリアクリル
アミド(日本PMC社製:DS470)を添加し、攪拌
した後、pH7.0に調整された希釈水にてパルプ濃度
0.5%まで希釈した。次いで、希釈したパルプスラリ
ーに対して対パルプ0.20%(絶乾重量基準)の添加
剤B−1(上記合成例1)を添加した。この時、中性ロ
ジンエマルジョンサイズ剤A−1(上記製造例1)は添
加しなかった。
【0064】上記3つのそれぞれの条件で薬品添加を行
った後のパルプスラリーはpH7.0であった。このパ
ルプスラリーを紙料としてノーブルアンドウッド抄紙機
で抄紙し、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒
間の乾燥処理を行った。得られた試験紙の坪量は80g
/m2 であった。試験紙を恒温恒湿環境下(20℃、6
5%相対湿度)で24時間調湿した後ステキヒトサイズ
度を測定した。上記のパルプの配合比、添加剤の種類、
添加量、ステキヒトサイズ度の測定結果を表6に示す。
【0065】
【表6】
【0066】上記実施例において、ステキヒトサイズ度
の経時変化は認められななかった。上記各発明におい
て、「製紙方法」を「古紙含有紙の製造方法」としても
よく、「古紙パルプを含有する紙料に少なくとも2種の
添加剤を添加して抄紙することにより得られる古紙含有
紙のサイジング方法において、該添加剤の1種が(A)
ロジン系物質(a)を水に分散させて得られたロジン系
エマルションサイズ剤であり、該添加剤の他の1種が
(B)疎水性カチオン性共重合体(b)を含有する添加
剤である古紙含有紙のサイジング方法。」とした発明と
してもよく、これに上記(2)以降の発明、その他の限
定を加えてもよい。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、ロジン系エマルション
サイズ剤と疎水性カチオン性共重合体を抄紙系の紙料に
添加するようにしたので、古紙を含有する紙料から得ら
れる紙について、サイズ効果が優れ、その経時変化が少
なく、サイジングのコストが安価で、取扱いが容易であ
るサイズ剤を用いた紙、特にライナーのように耐水性を
必要とする分野に特に有効な紙及びその製紙方法を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲田 幸督 千葉県千葉市緑区大野台2−3−37 日本 ピー・エム・シー株式会社内 (72)発明者 坂井 一弘 千葉県千葉市緑区大野台2−3−37 日本 ピー・エム・シー株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AA11 AC09 AG08 AG50 AG63 AG71 AG72 AG73 AG97 AH09 AH12 AH50 EA04 EA31 EA32 FA11 FA17 GA06 GA08 GA09 GA11 GA12 GA13 GA14 GA15 GA16 GA18 GA19 GA34

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 古紙パルプを含有する紙料に少なくとも
    2種の添加剤を添加して抄紙する抄紙工程を有する製紙
    方法において、該添加剤の1種が(A)ロジン系物質
    (a)を水に分散させて得られたロジン系エマルション
    サイズ剤であり、該添加剤の他の1種が(B)疎水性カ
    チオン性共重合体(b)を含有する添加剤である製紙方
    法。
  2. 【請求項2】(A)のロジン系エマルションサイズ剤が
    中性ロジンエマルションサイズ剤である請求項1に記載
    の製紙方法。
  3. 【請求項3】疎水性カチオン性共重合体(b)が少なく
    とも(b1)スチレンモノマー類及び/又は(b3)ア
    ルキルアクリレート類及び/又はアルキルメタクリレー
    ト類の疎水性モノマーと、(b2−1)三級アミノ基を
    有するモノマー及び/又は(b2−2)三級アミノ基を
    四級化したモノマーのカチオン性モノマーを含有するモ
    ノマーを共重合して得られた共重合体であり、(b2−
    1)三級アミノ基を有するモノマーを共重合した共重合
    体については四級化してもよい請求項1又は2に記載の
    製紙方法。
  4. 【請求項4】疎水性カチオン性共重合体(b)が(b
    1)スチレンモノマー類及び/又は(b3)アルキルア
    クリレート類及び/又はアルキルメタクリレート類60
    〜98モル%と、(b2−1)三級アミノ基を有するモ
    ノマー及び/又は(b2−2)三級アミノ基を四級化し
    たモノマーのカチオン性モノマー2〜40モル%を共重
    合して得られた共重合体であり、(b2−1)三級アミ
    ノ基を有するモノマーを共重合した共重合体については
    四級化してもよい請求項3に記載の製紙方法。
  5. 【請求項5】(b2−1)三級アミノ基を有するモノマ
    ーを共重合した共重合体についてエピハロヒドリンで四
    級化する請求項3又は4のいずれかに記載の製紙方法。
  6. 【請求項6】(C)硫酸バンドを紙料に添加する請求項
    1ないし5のいずれかに記載の製紙方法。
  7. 【請求項7】(C)硫酸バンドを紙料に添加しない請求
    項1ないし5のいずれかに記載の製紙方法。
  8. 【請求項8】防錆ライナーを製造する請求項1ないし7
    のいずれかに記載の製紙方法。
  9. 【請求項9】古紙パルプが段ボール古紙、雑誌古紙、脱
    墨古紙及び新聞古紙からなる群の少なくとも1種の古紙
    パルプを含有する請求項1ないし8に記載の製紙方法。
  10. 【請求項10】古紙パルプが段ボール古紙である請求項
    9に記載の製紙方法。
  11. 【請求項11】紙料中の古紙パルプが少なくとも10重
    量%である請求項1ないし10のいずれかに記載の製紙
    方法。
  12. 【請求項12】紙料のpHが6.0〜9.0である請求
    項1ないし11のいずれかに記載の製紙方法。
  13. 【請求項13】抄紙工程で古紙を含有する紙料の内部に
    少なくとも2種の添加剤を添加されることによって得ら
    れた紙において、該添加剤の1種に含有されたロジン系
    物質(a)と、該添加剤の他の1種に含有された疎水性
    カチオン性共重合体(b)を少なくとも含有する紙。
  14. 【請求項14】ロジン系物質(a)はロジンエステルを
    含有する請求項13に記載の紙。
  15. 【請求項15】疎水性カチオン性共重合体(b)は請求
    項3、4又は5に記載の共重合体である請求項13又は
    14に記載の紙。
  16. 【請求項16】(C)硫酸バンドを含有するか又は含有
    しない請求項13ないし15のいずれかに記載の紙。
  17. 【請求項17】 防錆ライナーである請求項13ないし
    16のいずれかに記載の紙。
  18. 【請求項18】 防錆ライナーが段ボール古紙、雑誌故
    紙、脱墨故紙及び新聞古紙のパルプの少なくとも1種を
    含有する紙料から得られる請求項17に記載の紙。
  19. 【請求項19】 紙中の古紙が少なくとも10重量%で
    ある請求項13ないし18のいずれかに記載の紙。
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