JP2001295197A - カチオン性表面サイズ剤 - Google Patents

カチオン性表面サイズ剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合時に粕の発生が少なく、表
面サイズ剤として使用したときに、サイズ性能およびP
PC用紙に対するインクジェット適性に優れ、表面塗工
時の発泡性が低く、他の併用薬品との相溶性が良く、混
合しても安定であり、カレンダーロールが錆びにくいカ
チオン性表面サイズ剤を提供する。 【解決手段】 疎水性モノマーと3級アミノ基
を有するモノマーとの共重合体をオキシド類で4級化し
て得られるカチオン性共重合物[A]を含有することを
特徴とするカチオン性表面サイズ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカチオン性表面サイ
ズ剤に関し、更に詳細には、重合により生じる粕が少な
く、低発泡性であり、他の併用薬品との相溶性が良好で
ある等の優れた性能を有するカチオン性表面サイズ剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカチオン性表面サイズ剤として
は、主にスチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト系共重合体のエピハロヒドリンによる4級化物、スチ
レン−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド系共重合
体のエピハロヒドリンによる4級化物等が知られてい
る。
【0003】これらのカチオン性表面サイズ剤は、それ
自身の発泡が多く、製紙する際の操業性が劣るという欠
点がある。又、これらのカチオン性表面サイズ剤の塗工
時に、併用する表面紙力剤との相溶性が劣るので、併用
する薬品の種類が限定されること、塗工機であるカレン
ダーロールが錆びやすいため防錆剤が多く必要であるこ
と等の欠点があった。
【0004】その他のカチオン性サイズ剤の先行技術と
して、既にいくつか報告されている(特開昭54−69
02号公報、特開平11−256496号公報、特開平
11−279983号公報等参照)。
【0005】特開昭54−6902号公報では、スチレ
ン−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレート共重
合体のエピハロヒドリン4級化物の存在下で重合性疎水
性単量体、好ましくはスチレンと2−エチルヘキシルア
クリレートとを乳化重合した製紙用内添サイズ剤が開示
されており、乳化重合の際に低分子のアニオン性乳化剤
を上記4級化物に併用しても良いとの記載がある。特開
平11−256496号公報では、スチレン系化合物と
(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレートからなる共重合体の4級化物の存在下でス
チレン系化合物と炭素数3〜6のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸エステルとを乳化重合した製紙用表
面サイズ剤が開示されている。特開平11−27998
3号公報では、スチレン系化合物−ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリルアミドからなる共重合体の4級
化物の存在下で重合性疎水性単量体、好ましくはスチレ
ン系化合物と(メタ)アクリル酸エステルとを乳化重合
した製紙用表面サイズ剤が開示されている。
【0006】これらの先行技術におけるサイズ剤は、い
ずれもスチレンと3級アミノ基を有するモノマーとの共
重合体のエピハロヒドリンによる4級化物からなるカチ
オン性分散剤の存在下で、重合性疎水性モノマーを乳化
重合して得られたカチオン性のサイズ剤である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記カチオン
性分散剤を使用した重合を高濃度で行うと、製造時に多
くの粕が発生するという欠点があった。さらに得られた
サイズ剤を表面サイズ剤として使用した場合に、サイズ
性能が劣ること、表面塗工時に塗工液の発泡が多いこ
と、塗工液における併用薬品に対する安定性が劣ること
等の問題があり、また、カレンダーロールで塗工する場
合に、特に4級化剤としてエピハロヒドリンのような有
機ハロゲン化物を使用した表面サイズ剤では、カレンダ
ーロールが錆びるので防錆剤を多く併用する必要がある
こと等の問題があった。
【0008】更に最近では、インクジェット専用紙のみ
ならずインクジェット用紙として転用されることの多い
PPC用紙にもインクジェット適性が要求されるように
なってきている。したがって、インクジェット適性を満
たす紙を得ることができるような表面サイズ剤が望まれ
ている。一方、PPC用紙に使用する表面塗工液中には
NaClのような電解質を多量に含むので、表面サイズ
剤には塩安定性が要求される。ところが、上記先行技術
における表面サイズ剤では塩安定性が劣るので、塗工時
の発泡が多く、さらにインクジェット適性が不充分であ
った。
【0009】尚、上記インクジェット適性としては、モ
ノクロ又はカラーインクを用いたインクジェット方式で
印刷された画質に要求される、印字濃度、フェザリン
グ、裏抜け等の特性を挙げることができる。本発明は、
重合時に粕の発生が少なく、発泡し難く、カレンダーロ
ールで塗工したときにカレンダーロールに錆を生じさせ
にくく、更に他の併用薬品との相溶性も良く、混合して
も安定であり、酸性紙から中性紙において、情報用紙、
特にPPC用紙に優れたインクジェット適性を付与する
ことができるカチオン性表面サイズ剤を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的とする本発明の第1の態様は、疎水性モノマーと
3級アミノ基を有するモノマーの共重合体をオキシド類
で4級化して得られるカチオン性共重合物[A]を含有
することを特徴とするカチオン性表面サイズ剤である。
【0011】本発明の第2の態様は、前記第1の態様の
カチオン性共重合物[A]の存在下で、疎水性モノマー
[B]を重合して得られた共重合体を含有することを特
徴とするカチオン性表面サイズ剤である。
【0012】本発明の第3の態様は、カチオン性共重合
物[A]の生成に用いる疎水性モノマーがスチレン類及
びアルキル(メタ)アクリレートより成る群から選択さ
れる少なくとも一種であることを特徴とする前記第1又
は第2の態様のカチオン性表面サイズ剤である。
【0013】本発明の第4の態様は、カチオン性共重合
物[A]と疎水性モノマー[B]との固形分構成比が重
量比で(30〜150):(100)であることを特徴
とする前記第2又は3の態様のカチオン性表面サイズ剤
である。
【0014】本発明の第5の態様は、疎水性モノマー
[B]がスチレン類及びアルキル(メタ)アクリレート
より成る群から選択される少なくとも一種であることを
特徴とする前記第2〜第4の態様のいずれか一の態様の
カチオン性表面サイズ剤である。
【0015】本発明の第6の態様は、3級アミノ基を有
するモノマーがジメチルアミノエチルメタアクリレート
及びジメチルアミノプロピルアクリルアミドより成る群
から選択される少なくとも一種であることを特徴とする
前記第1〜第5のいずれか一の態様のカチオン性表面サ
イズ剤である。
【0016】本発明の第7の態様は、オキシド類がブチ
レンオキシド及びスチレンオキシドより成る群から選択
される少なくとも一種であることを特徴とする前記第1
〜第6のいずれか一の態様のカチオン性表面サイズ剤で
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】1.カチオン性共重合物[A]の
調製 (1)疎水性モノマー 本発明のカチオン性表面サイズ剤を構成するカチオン性
共重合物[A]において使用し得る疎水性モノマーとし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、及びジビニルベンゼン等のスチレン類、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート、及び2−エチ
ルへキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メ
タ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレー
ト、マレイン酸、及びフマル酸のジアルキルジエステル
類、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル類、N−アルキル(メタ)アクリルアミド類、並び
にメチルビニルエーテル等が挙げられ、これらのモノマ
ーの一種を単独で使用することができ、又は二種以上を
混合して使用することができる。
【0018】(2)3級アミノ基を有するモノマー 前記カチオン性共重合物[A]の製造において使用し得
る3級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば(モ
ノアルキル又はジアルキル)アミノアルキル(メタ)ア
クリレート、(モノアルキル又はジアルキル)アミノヒ
ドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、(モノアル
キル又はジアルキル)アミノアルキル(メタ)アクリル
アミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、及びジ
アリルアミン等を挙げることができ、これらの一種又は
二種以上を混合して使用できる。
【0019】(3)4級化剤 4級化剤としては、オキシド類を挙げることができる。
このオキシド類として、具体的にはエチレンオキシド、
プロピレンオキシド、及びブチレンオキシド等のアルキ
レンオキシド、並びにスチレンオキシド等を挙げること
ができる。また、性能を損ねない範囲で、前記4級化剤
と共に、塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、エピ
クロルヒドリン、グリシジルトリメチルアンモニウムク
ロライド、及び3−クロル−2−ヒドロキシアンモニウ
ムクロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸、並
びにジエチル硫酸等の4級化剤を併用することができ
る。
【0020】(4)他の使用可能なモノマー 上記カチオン性共重合物[A]の製造において疎水性モ
ノマーと3級アミノ基を有するモノマーの外に、その他
の共重合可能なビニルモノマーを使用しても良い。その
他の共重合可能なビニルモノマーは特に限定されない
が、疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーと
共重合可能なモノマーであればよく、例えばアクリルア
ミド、及びアクリロニトリル等のノニオン性のモノマー
が使用できる。また、トリメチルアミノエチルメタクリ
レート、トリメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート及びジメチルアミノ
プロピルアクリルアミド等のベンジルクロライド4級化
物等の4級アンモニウム塩を含むカチオン性モノマーが
使用できる。
【0021】(5)カチオン性共重合物[A]の製造 前記カチオン性共重合物[A]は、例えば前記疎水性モ
ノマーと3級アミノ基を有するモノマーとの混合物、疎
水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとその他
の共重合可能なビニルモノマーとの混合物を、メチルア
ルコール、エチルアルコール及びイソプロピルアルコー
ル等の低級アルコール系有機溶剤あるいはベンゼン、ト
ルエン及びキシレン等の油性有機溶剤中にて、又はこれ
らの低級アルコール系有機溶剤と水との混合液中にて、
さらには水中において、ラジカル重合触媒を使用して6
0〜120℃で1〜10時間重合させ、重合終了後に有
機溶剤を留去し、公知慣用の方法で3級アミノ基をオキ
シド類で4級化することによって得られる。
【0022】ラジカル重合触媒としては、水溶性ラジカ
ル開始剤が使用でき、例えば過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム、及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸
化水素等の過酸化物、これらの過硫酸塩及び過酸化物と
還元剤との組合せによるレドックス系重合触媒、2,
2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロク
ロライド等の水溶性アゾ系触媒、並びにターシャリーブ
チルハイドロパーオキシド等の有機過酸化物を挙げるこ
とができる。さらに2,2'−アゾビスイソブチロニト
リル、及びジメチル2,2'−アゾビス−(2−メチル
プロピオネート)等の油溶性アゾ系触媒、並びにベンジ
ルパーオキシド等の油溶性有機過酸化物を使用できる。
又、必要に応じてアルキルメルカプタン等の公知の連鎖
移動剤を適宜に併用しても差し支えない。尚、本発明に
おいては、カチオン性共重合物[A]を合成するに際し
て仕込んだモノマーは実質的に100%反応してカチオ
ン性共重合物[A]中のモノマーユニットとなってい
る。
【0023】前記カチオン性共重合物[A]において、
疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとの構
成比は、モル比で、疎水性モノマー:3級アミノ基を有
するモノマーが70〜90:30〜10であるのが製造
時の安定性及びサイズ性能の点で好ましく、さらに75
〜88:25〜12であるのがより好ましい。また、疎
水性モノマーと3級アミノ基を有するモノマーとの共重
合物における3級アミノ基を4級化する場合に、使用す
る4級化剤の量は特に限定されるものではないが、上記
共重合物における3級アミノ基を有するモノマーと4級
化剤とのモル比が100:80〜105であることが、
得られたカチオン性共重合物の安定性の面で好ましい。
【0024】このようにして得られたカチオン性共重合
物はそのままカチオン性表面サイズ剤として使用するこ
ともできる。
【0025】2.疎水性モノマー[B] 本発明に係る他のカチオン性表面サイズ剤は、前記カチ
オン性共重合物[A]の存在下で疎水性モノマー[B]
を乳化重合することによって得ることができる。疎水性
モノマーとしては、前記カチオン性共重合物[A]で使
用する疎水性モノマーを使用できる。具体的には、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びジビ
ニルベンゼンのようなスチレン類、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オク
チル(メタ)アクリレート、及び2−エチルへキシル
(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を
有するアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート類、及びベンジル(メタ)アクリ
レート等の環状アルキル(メタ)アクリレート、マレイ
ン酸及びフマル酸のジアルキルジエステル類、酢酸ビニ
ル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、N−
アルキル(メタ)アクリルアミド類、並びにメチルビニ
ルエーテル類が挙げられ、又、これらの一種を単独で使
用することができ、又は二種以上を使用することもでき
る。
【0026】疎水性モノマー[B]の中では、サイズ性
能及び乳化重合時の安定性の点からスチレン類及びアル
キル(メタ)アクリレートが好ましい。その他疎水性モ
ノマー[B]と共重合可能なビニルモノマーは、特に限
定されないが疎水性モノマーを除く、疎水性モノマー
[B]と共重合可能なモノマーであればよく、例えばア
クリルアミド、及びアクリロニトリル等のノニオン性の
モノマーが使用できる。
【0027】3.カチオン性共重合物[A]存在下での
疎水性モノマー[B]の重合 本発明のカチオン性表面サイズ剤における、カチオン性
共重合物[A]と疎水性モノマー[B]との構成比は、
疎水性モノマー[B]成分100重量部に対してカチオ
ン性共重合物[A]成分を30〜150重量部含有する
ことが、得られた共重合体の安定性から好ましい。特
に、サイズ性能の面から40〜130重量部含有するこ
とが好ましく、また150重量部を超えて使用してもよ
いが、サイズ性能のさらなる改善はみられない、塗工液
での発泡性が多くなりすぎる等の理由で好ましくない。
【0028】疎水性モノマー[B]成分を乳化重合する
にあたっては、従来から公知の乳化重合法を適用でき、
例えばカチオン性共重合物[A]の存在下で、ラジカル
重合触媒を用いて水中にて疎水性モノマー[B]成分を
乳化重合させる手法を採用することができる。尚、疎水
性モノマー[B]成分は実質的に全て重合して共重合体
となっている。
【0029】ラジカル重合触媒としては、水溶性ラジカ
ル開始剤が使用でき、例えば過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化
水素等の過酸化物、これらの過硫酸塩及び過酸化物と還
元剤との組合せによるレドックス系重合触媒、2,2'
−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロラ
イド等の水溶性アゾ系触媒、並びにターシャリーブチル
ハイドロパーオキシド等の有機過酸化物を挙げることが
できる。さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジメチル2,2'−アゾビス−(2−メチルプロピ
オネート)等の油溶性アゾ系触媒、ベンジルパーオキシ
ド等の油溶性有機過酸化物を先の水溶性ラジカル開始剤
に併用して使用できる。又必要に応じてアルキルメルカ
プタン等の公知の連鎖移動剤を適宜に併用しても差し支
えない。
【0030】又、疎水性モノマー[B]成分を乳化重合
する際、本発明に係るカチオン性表面サイズ剤の性能を
損なわない範囲であれば、公知の低分子界面活性剤及び
高分子分散剤を併用しても構わない。公知の低分子界面
活性剤として、非イオン性界面活性剤あるいはラジカル
重合可能な非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン
性界面活性剤として、例えばポリオキシアルキレンアル
キルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリ
オキシプロピレンポリオキシエチレングリコールグリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、及
びポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール
等を挙げることができる。
【0031】さらに、ラジカル重合可能な非イオン性界
面活性剤としては、例えば分子中に(メタ)アリル基、
1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、イ
ソプロペニル基、ビニル基、及び(メタ)アクリロイル
基等の炭素−炭素二重結合を有する官能基を一つ以上有
するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキ
シアルキレンフェニルエーテル、並びにポリオキシアル
キレンモノ又はジスチリルフェニルエーテル等を挙げる
ことができる。
【0032】高分子乳化剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えばポリビニルアルコール類、変性澱
粉類、及びポリアクリルアミド類等が挙げられる。
【0033】4.サイズ剤の塗工 本発明のカチオン性表面サイズ剤が適用される原紙に使
用されるパルプとしては、クラフトパルプ若しくはサル
ファイトパルプなどの晒若しくは未晒化学パルプ、砕木
パルプ、機械パルプ若しくはサーモメカニカルパルプな
どの晒若しくは未晒高収率パルプ、又は新聞古紙、雑誌
古紙、段ボール古紙若しくは脱墨古紙などの古紙パルプ
を使用できる。
【0034】原紙を得るために、填料、染料、酸性抄紙
用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系及びア
ルケニルコハク酸無水物系の中性抄紙用サイズ剤、中性
抄紙用ロジン系サイズ剤等のサイズ剤、乾燥紙力増強
剤、湿潤紙力増強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、並
びに消泡剤などの添加物も、各々紙種に要求される物性
を発現するために、必要に応じて使用してもよい。填料
としては、クレー、タルク、酸化チタン、並びに重質及
び軽質炭酸カルシウム等が挙げられる。これらを単独で
あるいは併用して用いてもよい。
【0035】本発明のカチオン性表面サイズ剤を塗工す
るための塗工機としては、サイズプレス、フィルムプレ
ス、ゲートロールコーター、シムサイザー、ブレードコ
ーター、カレンダー、バーコーター、ナイフコーター、
エアーナイフコーター、及びカーテンコーター等を用い
ることができる。又、スプレー塗工機により原紙表面に
塗布することもできる。
【0036】本発明のカチオン性表面サイズ剤を塗工す
る際に、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱
粉、カチオン化澱粉、及び両性澱粉等の澱粉類、カルボ
キシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルア
ルコール類、ポリアクリルアミド類、並びにアルギン酸
ソーダ等の水溶性高分子よりなる群から選択される少な
くとも一種を塗工液に混合して使用することもできる。
又、他の表面サイズ剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、消泡
剤、粘度調整剤、染料、及び顔料等の添加物を併用して
も構わない。
【0037】本発明のカチオン性表面サイズ剤を前記原
紙に塗工して得ることができるサイジング紙としては、
各種の紙及び板紙を挙げることができる。例えば、PP
C用紙、インクジェット記録用紙、レーザープリンター
用紙、フォーム用紙、熱転写用紙、及び感熱記録用紙等
の記録用紙、アート紙、キャストコート紙、及び上質コ
ート紙等のコート紙、クラフト紙、及び純白ロール紙等
の包装用紙、ノート用紙、書籍用紙、印刷用紙、及び新
聞用紙等の洋紙、マニラボール、白ボール、及びチップ
ボール等の紙器用板紙、並びにライナー等の板紙が挙げ
られる。
【0038】本発明のカチオン性表面サイズ剤を塗工す
る際の塗工液濃度は、通常、0.1〜5重量%、好まし
くは0.2〜1重量%である。0.1重量%未満ではサ
イズ効果が不十分である場合があり、5重量%を超えて
使用してもサイズ効果がさらに向上することはほとんど
なく経済的に不利益になることがあるため好ましくな
い。
【0039】又、通常、塗工量は、固形分で0.01〜
1g/m2、好ましくは0.02〜0.2g/m2である。
前記範囲内であると、特に良くサイズ効果が発揮され
る。
【0040】
【実施例】以下に合成例、実施例、及び比較例を挙げて
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。尚、以下において「部」
及び「%」は、特に断りがない限りそれぞれ重量部及び
重量%を意味する。
【0041】1.表面サイズ剤の製造 (1)カチオン性共重合物[A]の製造 (実施例1)攪拌器、温度計、還流冷却管及び窒素導入
管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、スチレン1
34部、ジメチルアミノエチルメタクリレート42部、
ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネー
ト)(和光純薬製 V601、アゾ系触媒)4部及びイ
ソプロピルアルコール45部を仕込み、80℃で3時間
保持し、次いで「V601」を0.5部仕込みさらに同
温度で2時間保持した。次いで酢酸18部を加えた後、
水359部を加えエマルションを得てから、更に昇温し
てイソプロピルアルコールの留去を行った。
【0042】次いで、水107部を加えてブチレンオキ
シド19部を加え、60℃で4時間反応させ、水133
部を加えて固形分25.0%の共重合物[P−1]を得
た。得られた共重合物[P−1]は(スチレン:ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート):ブチレンオキシド=
(83:17):17(モル%)であった。
【0043】(実施例2〜7、比較例1)使用した疎水
性モノマーの種類及び使用量、3級アミノ基を有するモ
ノマーの種類及び使用量、4級化剤の種類及び使用量を
表1に示すように変えた他は実施例1と同様にしてカチ
オン性共重合物[A]P−2〜P−7及び比較例1のP
−8を得た。
【0044】上記カチオン性共重合物P−1〜P−7、
P−8に使用した疎水性モノマーの種類及び使用量、3
級アミノ基を有するモノマーの種類及び使用量、4級化
剤の種類及び使用量、並びに得られたカチオン性共重合
物[A]及び比較例用カチオン性共重合物の固形分の濃
度を表1に示す。
【0045】(2)疎水性モノマー[B]の重合 (実施例8)実施例1と同様の反応器に、水217部、
カチオン性共重合物[A]として実施例1で得られた共
重合物P−1の水溶液140部(固形分として35
部)、疎水性モノマー[B]としてスチレン70部とノ
ルマルブチルアクリレート70部、及び10%過硫酸ア
ンモニウム水溶液3.0重量部を加え、窒素気流下で混
合攪拌しながら80℃に昇温した。
【0046】80℃で2時間保持して乳化重合反応を完
結させ、固形分濃度35.1%のカチオン性表面サイズ
剤を得た。
【0047】使用したカチオン性共重合物[A]の種類
及び使用量、疎水性モノマー[B]の種類及び使用量、
並びに重合反応時に発生した粕の生成量及び得られたカ
チオン性表面サイズ剤の固形分の濃度を表2に示す。
【0048】(実施例9〜22)使用したカチオン性共
重合物[A]の種類及び使用量、疎水性モノマー[B]
の種類及び使用量を表2に示すように変えた他は実施例
8と同様にしてカチオン性表面サイズ剤を得た。ただ
し、実施例11のカチオン性表面サイズ剤の固形分濃度
を30%とした。
【0049】使用したカチオン性共重合物[A]の種類
及び使用量、疎水性モノマー[B]の種類及び使用量、
並びに重合反応時に発生した粕の生成量及び得られたカ
チオン性表面サイズ剤の固形分の濃度を表2に示す。
【0050】(比較例2)実施例1と同様の反応器に、
スチレンとジメチルアミノエチルメタアクリレートとの
共重合体をエピクロルヒドリンで4級化した上記共重合
物P−8を使用し、表2に示す組成比のモノマーを仕込
み、実施例8と同様に反応を行ったが重合反応時に多量
の粕が発生した。結果を表2に示す。
【0051】
【表1】カチオン性共重合物を含有するカチオン性表面
サイズ剤(モル%)
【0052】なお、4級化剤量(モル%)は、3級アミ
ノ基を有するモノマー及び疎水性モノマーの合計100
モル%に対する量で表示した。 表中の略号の説明 St :スチレン MMA :メチルメタアクリレート BMA :ブチルメタアクリレート EHA :2−エチルヘキシルアクリレート DMEM :ジメチルアミノエチルメタアクリレート DMPA :ジメチルアミノプロピルアクリルアミド Bt−O :ブチレンオキシド St−O :スチレンオキシド Epi :エピクロルヒドリン
【0053】
【表2】疎水性モノマー[B]をモノマーユニットとして
含むカチオン性表面サイズ剤の組成表
【0054】表中の略号の説明 P−1〜P−7、P−8:カチオン性共重合物(実施例
1〜7) St :スチレン BA :ブチルアクリレート iBMA:イソブチルメタアクリレート iBA :イソブチルアクリレート MMA :メチルメタアクリレート EHA :2−エチルヘキシルアクリレート
【0055】2.表面サイズ剤の評価試験 (試験例1)重合物の粕量の測定実施例8〜22、比較
例2の乳化重合反応で発生した粕を150メッシュのろ
布でろ過し、乾燥した後粕量を測定した。粕量は仕込み
固形分に対する百分率で表し、表2に結果を示した。こ
の粕量が1%以下さらに好ましくは0.5%以下である
ことが製造上好ましい。
【0056】(試験例2)酸性上質紙でのサイズ性能の
評価 (1)酸性上質紙用原紙の製造 380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1
である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに
対パルプ15%(絶乾重量基準)のタルク(富士タルク
工業製:NDタルク)を添加した。次いで、対パルプ2
%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ0.3%
(絶乾重量基準)の酸性紙用ロジン系サイズ剤(日本P
MC株式会社製;AL120)を順次添加した後、pH
4.5の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%
まで希釈した。その後、対パルプ0.01%(絶乾重量
基準)の歩留り向上剤(ハイモ社製;NR12MLS)
を添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で、坪量65g
/m2となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは
4.5であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用
いて100℃で80秒間の条件で行った。
【0057】(2)塗工液の調製方法 酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を
濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サ
イズ剤の種類を表3、表4に示すように変えたこと以外
は同様にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を
調製した。
【0058】塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…6%、表
面サイズ剤…0. 3% (3)酸性上質紙の製造とサイズ性能の評価 前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した
原紙にサイズプレスを用いて塗工し、酸性上質紙を得
た。この塗工紙の表面サイズ剤の固形分塗工量は、0.
03g/m2であった。得られた試験紙を恒温恒湿(2
0℃、65%相対湿度)環境下で24時間調湿し、ステ
キヒトサイズ度(JIS P8122に準拠)を測定し
た。
【0059】カチオン性重合物P−1〜P−7、P−8
を含有する表面サイズ剤(実施例1〜7、比較例1)の
評価結果を、表3に示す。尚、ステキヒトサイズ度は、
値が高いほど良好であることを示す。また、実施例8〜
22及び比較例2の表面サイズ剤の評価結果を表4に示
した。以下の評価においても同様に表3、表4に記載し
た。
【0060】(試験例3)中性上質紙でのサイズ性能の
評価 (1)中性上質用原紙の抄造 380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1
である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに
対パルプ2%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多
摩工業社製;TP121S)を添加した。次いで、対パ
ルプ0.5%(絶乾重量基準)の両性デンプン(ナショ
ナルスターチ社製;Cato3210)及び対パルプ
0.08%(絶乾重量基準)のアルキルケテンダイマー
系サイズ剤(日本PMC株式会社製;AS263)を順
次に添加した後、pH7.5の希釈水でこのパルプスラ
リーを濃度0.25%まで希釈した。その後、希釈した
パルプスラリーに対パルプ8%(絶乾重量基準)の炭酸
カルシウム(奥多摩工業社製;TP121S)、対パル
プ0.01%(絶乾重量基準)の歩留り向上剤(ハイモ
社製;NR12MLS)を添加し、ノーブルアンドウッ
ド抄紙機で、坪量65g/m2となるように抄紙した。
尚、この時の抄紙pHは7.5であった。湿紙の乾燥
は、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条
件で行った。
【0061】(2)塗工液の調製方法 酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を
濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サ
イズ剤の種類を表3、表4に示すように変えたこと以外
は同様にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を
調製した。
【0062】塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…6%、表
面サイズ剤…0. 3% (3)中性上質紙の製造とサイズ性能の評価 前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した
原紙にサイズプレスを用い塗工し、中性上質紙を得た。
この塗工紙の表面サイズ剤の固形分塗工量は、0.05
g/m2であった。
【0063】得られた試験紙を恒温恒湿(20℃、65
%相対湿度)環境下で24時間調湿し、試験例2と同様
にして、ステキヒトサイズ度の測定を行った。結果を表
3、表4に示す。
【0064】(試験例4)PPC用紙でのインクジェッ
ト適性の評価 (1)記録紙用中性原紙の抄造 380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1
である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに
対パルプ1%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多
摩工業社製;TP121S)と5%(絶乾重量基準)の
タルク(富士タルク工業製:NDタルク)とを添加し
た。
【0065】次いで、対パルプ1.0%(絶乾重量基
準)の硫酸バンド、対パルプ0. 5%(絶乾重量基準)
の両性デンプン(ナショナルスターチ社製;Cato3
210)及び対パルプ0. 3%(絶乾重量基準)の中性
紙用ロジンサイズ剤(日本PMC株式会社製;CC16
7)を順次に添加した後、pH7.5の希釈水でこのパ
ルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。その後、
希釈したパルプスラリーに対パルプ4%(絶乾重量基
準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;TP121
S)、対パルプ0.01%(絶乾重量基準)の歩留り向
上剤(ハイモ社製;NR12MLS)を添加し、ノーブ
ルアンドウッド抄紙機で、坪量65g/m2となるよう
に抄紙した。尚、この時の抄紙pHは7.5であった。
湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100℃で8
0秒間の条件で行った。
【0066】(2)塗工液の調製方法 酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を
水で濃度10%に希釈し、95℃で糊化を行い、表面サ
イズ剤の種類を表3、表4に示すように変えたこと以外
は同様にして、下記の固形分濃度になるように塗工液を
調製した。
【0067】塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…5%、表
面サイズ剤…0.25%、食塩…0.25% (3)記録紙の製造 前記(2)で配合した塗工液を、前記(1)で抄造した
記録用原紙にサイズプレスを用いて塗工し、記録紙を得
た。
【0068】この記録紙に前記塗工液を塗工する際の固
形分塗工量は0.05g/m2であった。
【0069】得られた記録紙を恒温恒湿(20℃、65
%相対湿度)環境下で24時間調湿した。
【0070】(4)記録紙の評価 前記(3)で得られた記録紙について、以下のインクジ
ェット適性試験を行った。 ・インクジェット適性試験方法 インクジェット適性の評価は、上記記録紙をカレンダー
処理した後、恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境
下で24時間調湿を行った後、キャノン株式会社製バブ
ルジェットプリンタであるBJ−220JCIIを用いて
以下の方法にて行った。結果を表3、表4に示す。
【0071】(a)印字濃度試験 試験紙にベタ印刷をし、ベタ部分の印字濃度をマクベス
インク濃度計で測定した。数値が高い程印字濃度が高い
ことを示す。
【0072】(b)フェザリング試験 記録紙に直交する線幅一定の直線及び文字を印字し、目
視にて直線及び文字の外縁のにじみを5段階で評価し
た。フェザリングの全くないものを5とし、インクが滲
んでしまって文字の判別がつかないものを1とした。通
常の使用に耐えうる印字品質は4以上である。
【0073】(c)裏抜け試験 記録紙にベタ印刷をし、ベタ印字部分裏側のインクのに
じみ程度を、目視にて5段階で評価した。裏にインクが
滲んでいないものを5とし、ベタ部分が完全に裏抜けし
たものを1とした。通常の使用に耐えうる印字品質は、
4以上である。
【0074】(試験例5)中性ライナーでのサイズ性能
の評価 (1)塗工液の調製方法 表面サイズ剤の固形分濃度が0.5%となるように水で
希釈し、塗工液を調製した。
【0075】(2)中性ライナーの製造とサイズ性能の
評価 前記(1)で配合した塗工液を、未塗工の中性Kライナ
ー(坪量280g/m2、Cobb60は70g/m2)にサイ
ズプレスを用いて塗工し、中性ライナーを得た。この塗
工紙の表面サイズ剤の固形分塗工量は、0.05g/m
2であった。得られた試験紙を恒温恒湿(20℃、65
%相対湿度)環境下で24時間調湿し、コブサイズ度
(60秒)(JISP8140に準拠)を測定した。評価
結果を、表3、表4に示す。
【0076】(試験例6)発泡性試験 (1)試験用塗工液の調製 酸化澱粉(MS3800、日本食品化工株式会社製)を
濃度10%に水で希釈し、95℃で糊化を行い、表面サ
イズ剤の種類を表3、表4に示すように変えたこと以外
は同様にして、下記の固形分濃度になるように試験用塗
工液を調製した。
【0077】試験用塗工液の固形分濃度:酸化澱粉…5
%、表面サイズ剤…0.25%、食塩…0.25%。
【0078】(2)試験用塗工液の発泡性評価 前記(1)で配合した試験用塗工液600gを内径7c
m長さ50cmのフォームセルに入れ、試験用塗工液温
度60℃、循環ポンプ流量9リットル/分、及び循環時
間3分の条件で循環し、泡の高さ(mm)を測定した。
結果を表3、表4に示す。
【0079】尚、表3、表4において、泡の高さが低い
方が、発泡性が良好である(発泡量が少ない)ことを示
す。
【0080】(試験例7)錆性試験 (1)試験用塗工液の調製 表面サイズ剤の固形分濃度を1.0%となるように水で
希釈した。
【0081】(2)試験用塗工液の錆性評価 前記(1)で配合した試験用塗工液30gに幅2cm、
長さ5cmの鉄片を入れ、45℃で1日恒温保持した
後、目視にて鉄片の錆び程度を5段階で評価した。錆が
全くないものを5とし、錆が発生し錆片が試験用塗工液
中に浮いているものを1とした。結果を表3、表4に示
す。尚、表3、表4において、数字が大きい方が、錆性
が良好である(錆が少ない)ことを示す。
【0082】
【表3】カチオン性表面サイズ剤の評価
【0083】
【表4】疎水性モノマー[B]をモノマーユニットとして
含むカチオン性表面サイズ剤の評価
【0084】酸性上質紙及び中性上質紙並びに中性ライ
ナーでのサイズ性能の評価結果から、表3の実施例1〜
7のカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙はステ
キヒトサイズ度及びコブサイズ度が比較例1のカチオン
性共重合物を含有するカチオン性表面サイズ剤を用いて
製造した紙に比べ良好であることがわかった。
【0085】また、表4の実施例8〜22の疎水性モノ
マー[B]をモノマーユニットとして含むカチオン性表面
サイズ剤を用いて製造した紙はステキヒトサイズ度及び
コブサイズ度が比較例2のカチオン性表面サイズ剤を用
いて製造した紙に比べ良好であることがわかった。
【0086】表3のPPC用紙でのインクジェット適性
の評価から実施例1〜7のカチオン性表面サイズ剤を用
いて製造した紙は印字濃度、フェザリングの評価で比較
例1のカチオン性表面サイズ剤を用いて製造した紙に比
べ良好であることがわかった。
【0087】また、表4のPPC用紙でのインクジェッ
ト適性の評価から実施例8〜22の疎水性モノマー[B]
をモノマーユニットとして含むカチオン性表面サイズ剤
を用いて製造した紙は印字濃度、フェザリング、裏抜け
評価で比較例2のカチオン性表面サイズ剤を用いて製造
した紙に比べ良好であることがわかった。
【0088】表3に示された発泡性試験、錆性試験の結
果から実施例のカチオン性表面サイズ剤が比較例1のカ
チオン性表面サイズ剤に比べ発泡量が大幅に少ないこ
と、錆びが少ないことがわかった。
【0089】また、表4においても同様に実施例の疎水
性モノマー[B]をモノマーユニットとして含むカチオン
性表面サイズ剤は比較例2のカチオン性表面サイズ剤に
比べ、錆びが少ないことがわかった。
【0090】
【発明の効果】本発明のカチオン性表面サイズ剤は乳化
重合時の安定性が良好で製造が容易である。本発明のカ
チオン性表面サイズ剤を使用することにより、酸性紙及
び中性紙のサイズ性能の向上、情報用紙、特にPPC用
紙あるいはインクジェット用紙のインクジェット適性の
向上、カチオン性表面サイズ剤を含有する塗工液が発泡
しにくい、カレンダーロールが錆びにくい等の効果がバ
ランスよく優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 291/12 C08F 291/12 D21H 19/20 D21H 19/20 A (72)発明者 池田 剛 千葉県市原市八幡海岸通17−2 日本ピ ー・エム・シー株式会社内 Fターム(参考) 4J011 PA65 PA67 PA69 PA70 PB40 PC02 4J026 AA17 AA18 AA31 AA45 AA50 AA55 BA05 BA06 BA19 BA20 BA27 BA32 BA36 BA39 BA40 BB01 CA03 DA02 DA12 DB04 DB16 FA04 GA08 4J100 AB02P AB03P AB04P AB16P AE03P AG02P AG04P AL03P AL04P AL05P AL08P AL08Q AL34P AM17P AM21Q AN14Q AQ11Q AQ19Q BA30Q BA31Q BA32H BA32Q BC04P BC43P CA04 CA31 HA31 HC39 JA13 4L055 AG63 AG71 AG89 AH13 AH50 EA32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性モノマーと3級アミノ基を有するモ
    ノマーとの共重合体をオキシド類で4級化して得られる
    カチオン性共重合物[A]を含有することを特徴とする
    カチオン性表面サイズ剤。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のカチオン性共重合物
    [A]の存在下で、疎水性モノマー[B]を重合して得
    られた共重合体を含有することを特徴とするカチオン性
    表面サイズ剤。
  3. 【請求項3】カチオン性共重合物[A]の生成に用いる
    疎水性モノマーがスチレン類及びアルキル(メタ)アク
    リレートより成る群から選択される少なくとも一種であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のカチオン性
    表面サイズ剤。
  4. 【請求項4】カチオン性共重合物[A]と疎水性モノマ
    ー[B]との固形分構成比が重量比で(30〜15
    0):(100)であることを特徴とする請求項2又は
    3に記載のカチオン性表面サイズ剤。
  5. 【請求項5】疎水性モノマー[B]がスチレン類及びア
    ルキル(メタ)アクリレートより成る群から選択される
    少なくとも一種であることを特徴とする請求項2〜4の
    いずれか1項に記載のカチオン性表面サイズ剤。
  6. 【請求項6】3級アミノ基を有するモノマーがジメチル
    アミノエチルメタアクリレート及びジメチルアミノプロ
    ピルアクリルアミドより成る群から選択される少なくと
    も一種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載のカチオン性表面サイズ剤。
  7. 【請求項7】オキシド類がブチレンオキシド及びスチレ
    ンオキシドより成る群から選択される少なくとも一種で
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載のカチオン性表面サイズ剤。
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