JPH10195795A - 抄紙方法及びその抄紙方法により製造された紙 - Google Patents

抄紙方法及びその抄紙方法により製造された紙

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JPH10195795A
JPH10195795A JP35129296A JP35129296A JPH10195795A JP H10195795 A JPH10195795 A JP H10195795A JP 35129296 A JP35129296 A JP 35129296A JP 35129296 A JP35129296 A JP 35129296A JP H10195795 A JPH10195795 A JP H10195795A
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JP
Japan
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papermaking
paper
rosin
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sizing agent
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JP35129296A
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Masanori Kosuge
雅徳 小菅
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NIPPON P M C KK
Japan PMC Corp
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NIPPON P M C KK
Japan PMC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたサイズ性を付与することができ、抄紙
工程における作業性に優れた抄紙方法及びその抄紙方法
により製造された紙を提供する。 【解決手段】 中性抄紙用ロジンサイズ剤とフェノール
樹脂とでサイジングすることを特徴とする抄紙方法及び
その抄紙方法により製造された紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄紙方法及びその
抄紙方法により製造された紙に関し、更に詳しくは、優
れたサイズ性を有する紙を製造することができる抄紙方
法及びその抄紙方法により製造された紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば普通の紙や板紙等の抄
紙方法において、これらの紙におけるインク等のにじみ
を防止するためにサイジングが行われている。このサイ
ジング方法としては、例えば酸性抄紙用サイズ剤として
酸性抄紙用ロジンサイズ剤と硫酸バンドとを用いてpH
4. 5〜6. 5の酸性域でサイジングを行なう酸性サイ
ジング方法を挙げることができ、例えばロジンに無水マ
レイン酸を反応させて得られた強化ロジンの中和物の溶
液、もしくは前記強化ロジンのエマルション等が好適な
酸性抄紙用ロジンサイズ剤として使用されてきた。
【0003】しかし、前記酸性サイジング方法において
は、抄紙機器類の腐食や、得られた成紙の経日劣化など
が生じる等の問題がある。
【0004】これらの問題を解決するために近年、紙の
永久保存性付与、さらには填料として安価な炭酸カルシ
ウムを含む損紙あるいは古紙の利用、抄紙用水のクロー
ズド化等を目的として、例えばpH6. 5〜9の中性な
いし弱アルカリ領域でサイジングを行なう、いわゆる中
性サイジング方法が注目されてきている。しかしこの中
性サイジング方法においては、例えば前記酸性抄紙用サ
イズ剤を中性領域で使用した場合、得られた成紙は実用
上満足できるサイズ効果を発揮することができない。
【0005】そこで前記中性サイジング方法において、
中性領域で使用される中性抄紙用サイズ剤として、例え
ばアルキルケテンダイマー系サイズ剤やアルケニル無水
コハク酸系サイズ剤等の反応性サイズ剤が広く使用され
ているが、これらの中性抄紙用サイズ剤にも問題があ
る。
【0006】前記アルキルケテンダイマー系サイズ剤に
おいては、例えば紙を製造した直後のサイズの立ち上が
りが悪いこと、成紙が滑り易いこと、さらには印刷適
性、トナー接着性、あるいはポリエチレン等とのラミネ
ート特性が悪いこと等の問題がある。
【0007】一方、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤
においては、例えばサイズの立ち上がり、成紙の滑り、
印刷適性等については、前記アルキルケテンダイマー系
サイズ剤よりも比較的問題は少ないが、アルケニル無水
コハク酸系サイズ剤は特に耐加水分解性に劣るので、前
記アルケニル無水コハク酸系サイズ剤を水性分散液の状
態で保存することができないという保存安定性の問題、
抄紙工程における抄紙段階の直前で乳化分散しなければ
ならないので作業性が悪いという問題、さらに抄紙装置
の汚れが激しいという問題等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の中性
抄紙用サイズ剤は種々の問題点を有するので、抄紙して
得られた紙の滑りの問題がなく、その他、特に印刷適
性、トナー接着性、及びラミネート特性をバランス良く
付与することができ、中性抄紙用サイズ剤の保存安定性
の問題がなく、抄紙工程における作業性が良く、抄紙装
置の汚れ等のトラブルを生じることなく、かつ優れたサ
イズ効果を発揮する紙を製造することができる抄紙方法
の開発が望まれている。
【0009】この様な事情から近年、例えば中性抄紙用
サイズ剤である、中性領域で使用可能な中性抄紙用ロジ
ン系サイズ剤として、特公平2−36629号公報、特
公平3−79480号公報、特公平6−4954号公
報、特開平4−108196号公報、特開平5−132
896号公報、特開平6−33395号公報、特開平6
−57164号公報、特開平6−330496号公報、
特開平7−258994号公報、特開平7−27909
2号公報、特開平8−296195号公報に見られるよ
うな、ロジンエステル類や石油樹脂類等を含有する中性
抄紙用ロジンサイズ剤が開発された。従来の酸性抄紙用
ロジンサイズ剤は、適用されるpH領域はおよそpH
4. 5〜6. 5程度であるが、前記中性抄紙用ロジンサ
イズ剤は、酸性域はもとより、pH6. 5〜9付近の中
性ないし弱アルカリ性領域でも使用できる。また前記反
応性サイズ剤のような、サイズの立ち上がり、成紙の滑
りや印刷適性、あるいは耐加水分解性といった問題は少
ない。
【0010】しかしながら、前記サイズ性を十分に付与
した紙を得るためには前記反応性サイズ剤に比べて、前
記中性抄紙用ロジンサイズ剤の使用量を増やす必要があ
り、前記中性抄紙用ロジンサイズ剤の使用量を増やすと
経済的に不利であるばかりでなく、紙及び抄紙装置等の
汚れの原因となり作業効率が低下する等の操業上の問題
があった。
【0011】そこで、前記中性抄紙用ロジンサイズ剤を
できるだけ少量の添加量で有効に使用することを目的
に、サイズ助剤として例えば、高変性カチオン化澱粉、
カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミン−エピクロ
ルヒドリン樹脂、ポリアミンポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合
体、ポリビニルアミン、ポリアミジン等のカチオン性サ
イズ助剤を、前記中性抄紙用ロジンサイズ剤と併用する
ことが提案されているが、未だ十分に満足できるサイズ
効果を得るには至っていない。
【0012】しかも前記カチオン性サイズ助剤において
は多くの問題点があり、例えば、前記カチオン化澱粉の
使用においては抄紙用水の排水負荷を高めるという問題
等があり、また前記カチオン性ポリアクリルアミド、ポ
リアミン−エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンポリア
ミド−エピクロルヒドリン樹脂等の使用においては、経
済性の低下の問題、損紙離解性等の操業上の問題、及び
染料等他の抄紙用薬品の効果を低下させる問題等があ
る。
【0013】また前記カチオン性サイズ助剤は、例えば
抄紙して得られた紙の耐候性を悪化させるなど、紙質に
悪影響を与えるので、その使用量をできるだけ低減する
のが好ましく、前記カチオン性サイズ助剤の使用量を低
減すると前記中性抄紙用ロジンサイズ剤のサイズ効果を
十分に発揮することができず、前記中性抄紙用ロジンサ
イズ剤の使用量を増やすと上述したような前記中性抄紙
用ロジンサイズ剤による紙及び抄紙装置等の汚れに起因
する作業効率が低下する等の操業上の問題等がある。
【0014】本発明は、上記従来の問題点を解消し、更
に詳しくは、中性抄紙用ロジンサイズ剤が有する問題点
を解決することを目的にする。
【0015】本発明の目的は、抄紙工程における作業性
が良く、中性抄紙用サイズ剤による紙や抄紙装置等の汚
れに起因する作業効率の低下を防止することができる抄
紙方法及びその抄紙方法により製造された紙を提供する
ことにある。
【0016】本発明の目的は、紙や抄紙装置に汚れを生
じることがなく、少量の中性抄紙用ロジンサイズ剤を使
用するにもかかわらず、所定のサイズ効果を発揮するこ
とのできる抄紙方法及び紙の滑りといった問題点のない
紙を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、中性抄紙用サイズ剤の使用で所定の優
れたサイズ性を付与した紙を製造することができる抄紙
方法を鋭意検討した結果、中性抄紙用ロジンサイズ剤を
使用して紙を製造する際に、サイズ助剤としてフェノー
ル樹脂を併用することで上記目的が達成されることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0018】前記課題を解決するための第1の手段は、
中性抄紙用ロジンサイズ剤と、フェノール樹脂とでサイ
ジングすることを特徴とする抄紙方法であり、前記課題
を解決するための第2の手段は、前記第1の手段におけ
るフェノール樹脂が、(a)ホルムアルデヒド及び/又
はパラホルムアルデヒドと、(b)フェノール及び/又
は置換フェノール類との縮重合によって得られるノボラ
ック型樹脂及び/又はレゾール型樹脂であり、その重量
平均分子量が200〜10,000である前記第1の手
段の抄紙方法であり、前記課題を解決するための第3の
手段は、前記第1の手段におけるフェノール樹脂がポリ
ビニルフェノールであり、その重量平均分子量が2,0
00〜200,000である前記第1の手段の抄紙方法
であり、前記課題を解決するための第4の手段は、前記
第1の手段におけるフェノール樹脂が、ビニルフェノー
ル単位を含有する共重合体であり、その重量平均分子量
が2,000〜200,000である前記第1の手段の
抄紙方法であり、前記課題を解決するための第5の手段
は、前記第1の手段における中性抄紙用ロジンサイズ剤
が、ロジン類と下記(i)よりなる群の少なくとも1種
との反応、若しくは、ロジン類と下記(i)よりなる群
の少なくとも1種と下記(ii)よりなる群の少なくとも
1種との反応によって得られるロジンエステル類を含有
する反応生成物を有してなり、前記反応生成物中に含ま
れる前記ロジンエステル類の割合が10〜100重量%
である前記第1〜4の手段のいずれかの抄紙方法であ
り、 (i)多価アルコール (ii)α,β−不飽和カルボン酸類及び/又はその誘導
体 前記課題を解決するための第6の手段は、前記第1の手
段におけるパルプスラリーが、pH4. 5〜9に調整さ
れてなる前記第1〜5の手段のいずれかの抄紙方法であ
り、前記課題を解決するための第7の手段は、前記第1
〜6の手段のいずれかの抄紙方法により製造されたこと
を特徴とする紙である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明の抄紙方法の特徴は、中性抄紙用ロ
ジンサイズ剤とフェノ−ル樹脂とでサイジングすること
にあり、この中性抄紙用ロジンサイズ剤とフェノール樹
脂との組み合わせによりサイズ効果を向上することがで
きる。
【0021】本発明においては中性抄紙用ロジンサイズ
剤として、ロジン類の多価アルコールエステル類を含有
する中性抄紙用ロジンサイズ剤が好ましく、石油樹脂類
を含有していても良い。
【0022】前記ロジン類の多価アルコールエステル類
としては、例えば、ロジン類と下記(i)からなる群の
少なくとも一種との反応生成物、及び、ロジン類と下記
(i)及び下記(ii)からなるそれぞれの群の少なくと
も一種との反応生成物等のロジンエステル類を含有する
反応生成物を挙げることができる。
【0023】(i)多価アルコール類 (ii)α,β−不飽和カルボン酸類、及び/又はその誘
導体 前記ロジンエステル類を含有する反応生成物としては、
例えば、 ロジン類と多価アルコール類とのエステル化反応によ
り得られるロジンエステル類を含有する反応生成物(1)
、 前記反応生成物(1) と、α,β−不飽和カルボン酸類
及び/又はその誘導体との付加反応により得られるロジ
ンエステル類を含有する反応生成物(2) 、 ロジン類とα,β−不飽和カルボン酸類及び/又はそ
の誘導体との付加反応により得られる付加反応物と、多
価アルコール類とのエステル化反応により得られるロジ
ンエステル類を含有する反応生成物(3) 、 前記反応生成物(3) と、α,β−不飽和カルボン酸類
及び/又はその誘導体との付加反応により得られるロジ
ンエステル類を含有する反応生成物(4) 、 ロジン類と多価アルコール類とのエステル化反応、及
び、ロジン類とα,β−不飽和カルボン酸類及び/又は
その誘導体との付加反応を同時に行なう反応により得ら
れるロジンエステル類を含有する反応生成物(5) 、及
び、 前記反応生成物(5) と、α,β−不飽和カルボン酸類
及び/又はその誘導体との付加反応により得られるロジ
ンエステル類を含有する反応生成物(6) のいずれかの反
応生成物を挙げることができ、また、前記反応生成物
(1) 〜(6) よるなる群から選択される少なくとも二種の
混合物であってもよい。
【0024】前記ロジン類としては、例えばガムロジ
ン、トール油ロジン、ウッドロジン、及びこれらロジン
類の変性物を挙げることができ、これらは単独であるい
は2種以上の混合物として採用することができる。
【0025】前記ロジン類の変性物としては、例えば一
部あるいは実質的に完全に水素化されたロジン変性物、
不均化されたロジン変性物、あるいはホルムアルデヒド
で変性されたロジン変性物等を挙げることができる。
【0026】前記(i)成分の多価アルコール類は、水
酸基以外にさらにアミノ基等の他の官能基を有する化合
物であってもよい。
【0027】本発明においては前記(i)成分の多価ア
ルコール類として、特に2個ないし4個の水酸基を有す
る化合物を好適に採用することができ、例えば、2価ア
ルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール等を挙げることができ、3価アルコールの例と
してはグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、トリエタノールアミン等を挙げることが
でき、4価アルコールの例としてはペンタエリスリトー
ル、ジグリセリン等を挙げることができる。
【0028】前記多価アルコール類は1種単独、若しく
は2種以上を併用して採用することができ、価格の点か
らは、グリセリンを単独で使用するか、グリセリンと前
記例示した多価アルコール類とを併用することが好まし
い。
【0029】尚、ロジン類と多価アルコール類との前記
エステル化反応は従来公知の方法で行うことができ、通
常150〜270℃程度で3〜24時間程度加熱脱水し
て行なうことができる。前記エステル化反応において
は、反応時間の短縮等の目的から、従来公知のエステル
化触媒や淡色化剤等は何等問題なく採用することがで
き、また減圧下に脱水反応を行ってもよい。
【0030】また前記α,β−不飽和カルボン酸類とし
ては、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シト
ラコン酸等の不飽和二塩基酸、アクリル酸またはメタク
リル酸等の不飽和一塩基酸等を挙げることができる。
【0031】また前記α,β−不飽和カルボン酸類の誘
導体としては、例えばα,β−不飽和カルボン酸類とア
ルコール類又はアミン類とのモノエステル、ジエステ
ル、モノアミド、ジアミド、マレイミド等を挙げること
ができる。
【0032】前記アルコール類としては炭素数1〜18
程度のものが好適であり、例えばメタノール、エタノー
ル、ステアリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコ
ール等の1級アルコール、イソプロピルアルコール等の
2級アルコール、t−ブタノール等の3級アルコール等
を挙げることができる。
【0033】前記アミン類としては炭素数1〜36程度
のものが好適であり、例えばメチルアミン、エチルアミ
ン、アニリン、ステアリルアミン等の1級アミン、ジメ
チルアミン、ジエチルアミン、ジステアリルアミン等の
2級アミン等を挙げることができる。
【0034】前記α,β−不飽和カルボン酸類及び/又
はその誘導体としては、価格及びサイズ性能の点から
も、無水マレイン酸若しくはフマル酸を単独で採用する
か、無水マレイン酸若しくはフマル酸と前記例示した
α,β−不飽和カルボン酸類及び/又はその誘導体とを
併用することが好ましい。
【0035】尚、前記ロジン類と前記α,β−不飽和カ
ルボン酸類及び/又はその誘導体との付加反応は従来公
知の方法で行うことができ、通常120〜230℃程度
で30分〜6時間程度行なうことができる。
【0036】前記中性抄紙用ロジンサイズ剤として前記
ロジンエステル類を含有する反応生成物を採用する場
合、前記反応生成物中に含まれる前記ロジンエステル類
の割合は10〜100重量%、好ましくは20〜80重
量%であるのが好ましい。
【0037】また前記中性抄紙用ロジンサイズ剤として
前記ロジンエステル類を含有する反応生成物を採用する
場合、前記ロジンエステル類を含有する反応生成物に、
さらにロジン類及び/又は強化ロジン類を添加すること
ができるが、前記反応生成物及びさらに添加されたロジ
ン類及び/又は強化ロジン類中に含まれる前記ロジンエ
ステル類の割合は10〜100重量%、好ましくは20
〜80重量%であるのが好ましい。
【0038】前記ロジンエステル類の割合が10重量%
より少ないと中性抄紙用ロジンサイズ剤として採用した
場合のサイズ効果が、10重量%以上の場合のサイズ効
果に比べて劣ることがある。
【0039】前記石油樹脂類としては、1,3−ペンタ
ジエン、イソプレン等のC5オレフィンを重合して得ら
れるC5系石油樹脂、クマロン、インデン等のC9オレ
フィンを重合して得られるC9系石油樹脂、C5とC9
オレフィンを共重合したC5−C9共重合系石油樹脂、
ジシクロペンタジエンを重合したジシクロペンタジエン
系石油樹脂、およびこれら石油樹脂を無水マレイン酸等
のα,β−不飽和カルボン酸類と反応して得られるアニ
オン変性石油樹脂類等を挙げることができる。
【0040】前記石油樹脂類は通常、前記ロジンエステ
ル類の一部の代替として採用することもできる。
【0041】本発明においては、前記中性抄紙用ロジン
サイズ剤と共にサイズ助剤としてフェノール樹脂がサイ
ジングに使用される。
【0042】前記フェノール樹脂としては、従来公知の
フェノール樹脂を挙げることができる。
【0043】前記フェノール樹脂を合成する方法は例え
ば、村山新一著「プラスチック材料講座 第15巻 フ
ェノール樹脂」(日刊工業新聞社発行)などに述べられ
ており、前記フェノール樹脂としては例えば、フェノー
ル及び/又は置換フェノール類と、ホルムアルデヒド及
び/又はパラホルムアルデヒドとを反応して合成される
フェノール樹脂、スルホン化フェノール樹脂、アミン変
性フェノール樹脂、アミド変性フェノール樹脂、アミン
アミド変性フェノール樹脂、トリメチロールホスフィン
オキシド等の含リン化合物を架橋剤として使用するフェ
ノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、油変性ロジン
フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0044】前記フェノール樹脂は何れも1種単独また
は複数種の混合物として本発明に採用することができ
る。
【0045】前記フェノール樹脂としては、フェノール
及び/又は置換フェノール類と、ホルムアルデヒド及び
/又はパラホルムアルデヒドとの縮重合によって得られ
るフェノール樹脂が好ましい。
【0046】前記置換フェノール類としては、例えば、
炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール
基等を1ないし2個有するフェノール類、他の水酸基や
スルホン酸基等を有するフェノール類等を挙げることが
でき、これらは1種または複数種を採用することができ
る。
【0047】前記置換フェノール類の具体例としては、
p−クレゾール及びその異性体(異性体とはo−又はm
−クレゾールの様な位置異性体を意味する。以下同
様。)、p−エチルフェノール及びその異性体、3,5
−キシレノール及びその異性体、β- ナフトール及びそ
の異性体、o−クレゾールスルホン酸及びその異性体、
p−t-ブチルフェノール及びその異性体、p−フェニル
フェノール及びその異性体、p−オクチルフェノール及
びその異性体、p−ノニルフェノール及びその異性体、
p−フェノールスルホン酸及びその異性体等を挙げるこ
とができる。
【0048】フェノール及び/又は置換フェノール類
と、ホルムアルデヒド及び/又はパラホルムアルデヒド
との縮重合によって得られるフェノール樹脂は通常、水
中、若しくはトルエンやメチルエチルケトン等の有機溶
剤中で、フェノール及び/又は置換フェノール類と、ホ
ルムアルデヒド及び/又はパラホルムアルデヒドとを室
温〜180℃程度の温度範囲で、30分〜12時間程度
反応して得ることができる。
【0049】この反応を行うに際しては通常、触媒を使
用することができ、この触媒としては例えば、硫酸やシ
ュウ酸等の無機酸類や有機酸類、酸化マグネシウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、塩
化ナトリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の
酸化物、水酸化物、炭酸塩、塩化物等を挙げることがで
きる。
【0050】前記触媒の種類や、反応温度、例えばホル
マリンのモル比等の反応条件により、ノボラック型のフ
ェノール樹脂(以下、ノボラック型樹脂と称することが
ある。)又はレゾール型のフェノール樹脂(以下、レゾ
ール型樹脂と称することがある。)を得ることができ、
前記ノボラック型樹脂及び前記レゾール型樹脂の何れの
型のフェノール樹脂も本発明に採用することができる。
【0051】前記レゾール型樹脂を採用した場合におい
ては、例えば前記ノボラック型樹脂を採用した場合より
も、得られる紙に所定のサイズ性を付与することができ
ない、即ち、サイズ効果を十分に発揮できないことがあ
り、また前記レゾール型樹脂中の残存ホルマリン量が、
前記ノボラック型樹脂中の残存ホルマリン量よりも多く
なることがあるので、前記ノボラック型樹脂を採用する
のが好ましい。
【0052】前記フェノール樹脂として、例えばアミン
変性フェノール樹脂、アミド変性フェノール樹脂、アミ
ンアミド変性フェノール樹脂等を採用することができ、
これらの変性フェノール樹脂は、例えば前記ノボラック
型樹脂及び/又は前記レゾール型樹脂と、アミン及び/
又はアミド化合物のホルムアルデヒド縮合物との反応に
よって得ることができる。
【0053】また前記フェノール樹脂として、例えば前
記ノボラック型樹脂及び/又は前記レゾール型樹脂を亜
硫酸ナトリウム等で処理する等して得られるスルホン化
フェノール樹脂等を採用することもできる。
【0054】前記変性フェノール樹脂及び前記スルホン
化フェノール樹脂等においては、例えばその樹脂中の残
存ホルマリン量を低減することができるので好ましい。
【0055】前記ノボラック型樹脂及び前記レゾール型
樹脂の分子量としては、その重量平均分子量が好ましく
は200〜10,000の範囲であり、より好ましくは
400〜6,000の範囲である。
【0056】さらに本発明においては前記フェノール樹
脂として、例えば、アシロキシスチレン(RCOO−C
64 −C23 。ただしRはアルキル基を示す。)例
えば4−アセトキシスチレンを重合して得られる重合物
を加水分解して得られるポリビニルフェノール、ビニル
フェノールを単独重合して得られるポリビニルフェノー
ル、ビニルフェノールと他の共重合可能なモノマー類と
の共重合体、アシロキシスチレン(RCOO−C64
−C23 。ただしRはアルキル基を示す。)例えば4
−アセトキシスチレンと他の共重合可能なモノマー類と
を共重合して得られる重合物を加水分解して得られる共
重合体等のポリビニルフェノール類を採用することがで
きる。
【0057】前記ポリビニルフェノール類を採用する場
合、実質的に残存ホルマリンを含まない樹脂が得られる
点が利点である。
【0058】前記他の共重合可能なモノマー類として
は、スチレン、(メタ)アクリル酸またはその塩類、
(メタ)アクリル酸エステル類、スチレンスルホン酸ま
たはその塩類、(メタ)アクリロニトリル、アクリルア
ミド、酢酸ビニル等を挙げることができ、特にスチレ
ン、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレンスルホン
酸またはその塩類を好適に採用することができる。前記
スチレン、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレンス
ルホン酸またはその塩類は共重合モノマーとして安価で
あるため、コスト的に好ましく、スルホン酸またはその
塩類は樹脂の水への分散性が良い。
【0059】前記ポリビニルフェノール類の重合方法と
しては、例えばJournal of PolymerScience, A-1, 7, 2
175(1969)、Journal of Polymer Science, Ed 12(9) 20
17-2025(1974)、Chim, Ind, (Milan), 50(7), 779-782
(1968)等に記載の重合方法を採用することができる。
【0060】前記ポリビニルフェノール類の分子量とし
ては、その重量平均分子量が好ましくは2,000〜2
00,000の範囲であり、より好ましくは5,000
〜100,000の範囲である。
【0061】前記フェノール樹脂の分子量は、例えばゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより分析する
ことができ、前記ノボラック型樹脂及び前記レゾール型
樹脂の分子量としてはその重量平均分子量が200〜1
0,000の範囲であるのが好ましく、前記ポリビニル
フェノール類の分子量としてはその重量平均分子量が
2,000〜200,000の範囲であるのが好まし
い。この範囲より分子量が低い場合には、このフェノー
ル樹脂は前記サイズ助剤として十分な性能を発揮しない
場合があり、この範囲より分子量が高い場合には、例え
ば前記フェノール樹脂を含有する前記サイズ助剤を水中
に溶解又は分散させて水性液を得る際に、水中への溶解
性又は分散性が十分でない場合がある。
【0062】上述のようにして得られた前記フェノール
樹脂はそのまま本発明に採用してもよいが、前記フェノ
ール樹脂の合成時に有機溶剤を使用した場合、若しくは
前記フェノール樹脂中に未反応原料例えばフェノール
類、ホルマリン等を含む場合などにおいては、環境保護
の観点から、例えば減圧下に、有機溶剤、未反応フェノ
ール類、ホルマリン等を留去する、或いは前記フェノー
ル樹脂の貧溶媒中でポリマーを沈殿させ分離精製するな
どするのが好ましい。
【0063】前記フェノール樹脂としては、一般に市販
されているものを採用することができ、例えば、旭有機
材工業(株)製の「AVライト」、「オタライト(P
P、RX)」、住友ベークライト(株)製の「スミコン
PM」、東芝ケミカル(株)製の「テコライト」、日本
合成化工(株)製の「ニッカライト」、日立化成工業
(株)製の「スタンドライト」、不動化学(株)製の
「フドウライト」、松下電工(株)製の「ナショナルラ
イト」、大日本インキ化学工業(株)製の「フェノライ
ト」等を挙げることができる。
【0064】前記中性抄紙用ロジンサイズ剤及びフェノ
ール樹脂を用いてサイジングをする場合、この中性抄紙
用ロジンサイズ剤及びフェノール樹脂は外添及び内添の
いずれの態様によるも使用可能である。すなわち、(a)
前記中性抄紙用ロジンサイズ剤及びフェノール樹脂の両
方を内添薬品としてパルプスラリーに添加しても良く
(第1の使用態様)、(b) 前記中性抄紙用ロジンサイズ
剤及びフェノール樹脂の両方を外添薬品として紙の表面
に添加しても良く(第2の使用態様)、(c) 前記中性抄
紙用ロジンサイズ剤及びフェノール樹脂のいずれかを内
添薬品としてパルプスラリーに添加し、得られる製紙原
料を抄紙して得られる紙の表面に、前記中性抄紙用ロジ
ンサイズ剤及びフェノール樹脂の内添薬品とされなかっ
たいずれかを外添薬品として添加しても良い(第3の使
用態様)。
【0065】前記第1の使用態様(a) について説明す
る。
【0066】前記パルプスラリーとしてはパルプ原料を
例えば水中で叩解して得ることができる。
【0067】前記パルプ原料としては、例えば、クラフ
トパルプあるいはサルファイトパルプ等の晒あるいは未
晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモ
メカニカルパルプ等の晒あるいは未晒高収率パルプ、新
聞古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙等の古紙パルプ
等を採用することができる。
【0068】また前記パルプ原料は、石綿等の天然繊
維、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレ
フィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維等を含有し
てなる混合物であってもよい。
【0069】内添薬品として使用される前記中性抄紙用
ロジンサイズ剤は、通常、前記中性抄紙用ロジンサイズ
剤の水性液として前記パルプスラリーに添加することが
でき、内添薬品として使用される前記フェノール樹脂
は、通常、前記フェノール樹脂の水性液として前記パル
プスラリーに添加することができる。
【0070】前記中性抄紙用ロジンサイズ剤の水性液及
び前記フェノール樹脂の水性液は予め混合して一体の液
として添加しても良いし、前記中性抄紙用ロジンサイズ
剤の水性液及び前記フェノール樹脂の水性液を別体とし
て同時または相前後して添加しても良い。
【0071】前記中性抄紙用ロジンサイズ剤の水性液
は、例えば、前記中性抄紙用ロジンサイズ剤を、低分子
界面活性剤及び/又は高分子乳化分散剤等の乳化剤を使
用して乳化することによって得ることができる。
【0072】前記乳化剤としては、前記中性抄紙用ロジ
ンサイズ剤に用いられる従来公知の乳化剤をそのまま使
用することができる。
【0073】前記乳化剤は、通常、そのイオン性によ
り、カチオン性、アニオン性、ノニオン性、両性乳化剤
に大別されるが、そのイオン性によらず、前記サイズ剤
と前記フェノール樹脂とを併用することよって、得られ
る紙のサイズ性を向上するサイズ効果を発揮することが
できる。
【0074】前記低分子界面活性剤を前記乳化剤として
採用する場合においては、前記高分子乳化分散剤を前記
乳化剤として採用する場合に比べて、通常、例えば前記
パルプスラリー中等の抄紙系において操業上好ましくな
い発泡が増加する傾向がある為、前記高分子乳化分散剤
を前記乳化剤として採用するのが好ましい。
【0075】前記高分子乳化分散剤としては、特に限定
されないが例えば、疎水性基、非イオン性基及び/又は
イオン性基をもつ天然高分子およびその誘導体、あるい
は一般の高分子系乳化分散剤を挙げることができ、強化
ロジンをサイズ剤として採用した強化ロジンサイズ剤、
中性抄紙用ロジンサイズ剤、アルキルケテンダイマー系
サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤等のサ
イズ剤に用いられる従来公知のものをそのまま使用する
ことができる。
【0076】前記高分子乳化分散剤としては、例えば、
カチオン化、アニオン化、或いは両性の澱粉、カゼイ
ン、レシチン等の天然高分子およびその誘導体、アニオ
ン性のスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の部分
あるいは完全中和物、アニオン性あるいはカチオン性の
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体あるいは(メ
タ)アクリルアミド系共重合体、カチオン性のポリアミ
ンポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、アルキレンポ
リアミン−エピクロルヒドリン樹脂、ポリ(ジアリルア
ミン)−エピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルアミン−
エピクロルヒドリン樹脂等の合成高分子を挙げることが
できる。
【0077】また、前記高分子乳化分散剤は保護コロイ
ドとして単独あるいは2種以上を組み合わせて使用して
もよい。
【0078】前記フェノール樹脂の水性液は、例えば、
前記フェノール樹脂を水中に溶解又は分散させる方法、
前記フェノール樹脂に水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア等のアルカリを加えて水に溶解又は分散
させる方法、前記フェノール樹脂と、界面活性剤及び/
又は高分子乳化分散剤とで水分散物とする方法、前記フ
ェノール樹脂と、界面活性剤及び/又は高分子乳化分散
剤と、前記アルカリとを併用して水分散物とする方法、
及び、ポリビニルアルコール、セルロース及びその誘導
体、アラビアゴム、グアーガム、カゼイン、ゼラチン等
の保護コロイドの共存下に、水中でフェノール樹脂を合
成して水性液を得る方法等によって得ることができる。
【0079】前記中性抄紙用ロジンサイズ剤の水性液及
び前記フェノール樹脂の水性液は、通常pH4. 5〜
9、好ましくはpH6〜9の前記パルプスラリー中に添
加することができ、この場合添加場所について特に制限
はなく、例えば添加場所として、ミキシングチェスト、
マシンチェスト、種箱、ファン・ポンプ、スクリーン等
を挙げることができる。
【0080】また、前記中性抄紙用ロジンサイズ剤の水
性液及び前記フェノール樹脂の水性液を別体として添加
する場合には、各々を別々の前記添加場所から前記パル
プスラリーに添加することもでき、さらには一方を前記
パルプスラリーに、他方を前記表面塗布液中に添加する
こともできる。
【0081】次に、第2の使用態様において、外添薬品
として使用される前記中性抄紙用ロジンサイズ剤及び前
記フェノール樹脂は、抄紙して得られた紙の表面に塗布
される表面塗布液に含めて使用される。前記表面塗布液
は、例えばサイズプレス、キャレンダー等に使用され
る。
【0082】前記表面塗布液としては、デンプン、表面
サイズ剤、ポリアクリルアミド系表面紙力剤、ポリビニ
ルアルコール等を挙げることができる。
【0083】また、第3の使用態様において、前記中性
抄紙用ロジンサイズ剤及びフェノール樹脂のいずれかを
内添薬品として使用する場合は、前記第1の使用態様に
て説明したようにして使用され、残るいずれかを外添薬
品として使用する場合は、前記第2の使用態様にて説明
した通りである。
【0084】前記中性抄紙用ロジンサイズ剤、及び、前
記サイズ助剤における前記フェノール樹脂の使用量につ
いても特に制限はなく、得られる紙に所定のサイズ性を
付与する、即ち、得られる紙において所定のサイズ度を
保持するための必要量を、前記中性抄紙用ロジンサイズ
剤、及び、前記サイズ助剤としての前記フェノール樹脂
の使用量とすることができる。具体的には、通常、前記
中性抄紙用ロジンサイズ剤をパルプ乾燥重量当り0.01〜
5.0 重量%、前記サイズ助剤における前記フェノール樹
脂をパルプ乾燥重量当り0.005 〜5.0 重量%使用するこ
とにより前記内添薬品として採用する場合、及び前記外
添薬品として採用する場合のいずれの場合においても、
所定のサイズ度を有する紙を得ることができる。
【0085】また、本発明においては、従来から使用さ
れている従来のサイズ剤及び/又は従来のサイズ助剤
を、抄紙工程における操業性への悪影響や、成紙への悪
影響が発生しない範囲で、一部併用してもよい。
【0086】前記従来のサイズ剤としては、例えば、溶
液ロジンサイズ剤、脂肪酸石鹸サイズ剤、イソブテンオ
リゴマーと無水マレイン酸等から製造される合成サイズ
剤、アニオン化石油樹脂サイズ剤、アルキルケテンダイ
マー系サイズ剤、オレイン酸やリノール酸等から製造さ
れるアルケニルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル
コハク酸無水物系サイズ剤、カチオン化脂肪酸アミド系
サイズ剤、カチオン化石油樹脂サイズ剤、カチオン性ビ
ニルポリマ−系サイズ剤、高級アルコール及び/又は高
級アミン等とクエン酸等から製造されるα−ヒドロキシ
カルボン酸系サイズ剤(特公平7−56119号公報、
特開平1−168994号公報等に記載されている。)
等を挙げることができ、また前記従来のサイズ助剤とし
ては、例えば、高変性カチオン化澱粉、カチオン性ポリ
アクリルアミド、ポリアミン−エピクロルヒドリン樹
脂、ポリアミンポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、
ジアリルアミン−アクリルアミド共重合体、ポリビニル
アミン、ポリアミジン等のカチオン性サイズ助剤等を挙
げることができ、これらは1種または複数種併用して使
用することができる。
【0087】前記従来のサイズ剤においては、前記従来
のサイズ剤の総重量が、本発明における前記中性抄紙用
ロジンサイズ剤の重量に対して50重量%を超えない範
囲で併用することができる。
【0088】また、前記従来のサイズ助剤においては、
前記従来のサイズ助剤の総重量が、本発明における前記
フェノール樹脂の重量に対して50重量%を超えない範
囲で併用することができる。
【0089】さらに、本発明においては、従来、通常使
用することができる他の抄紙用薬品として、例えば、硫
酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化ア
ルミニウム、ポリアルミニウムシリケートサルフェート
等の水溶性アルミニウム塩、酸化チタン、クレー、タル
ク、炭酸カルシウム、尿素樹脂等の填料、カチオン化澱
粉、アニオン化澱粉および各種変性澱粉、ポリアクリル
アミド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロース、ポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹
脂、ポリアミンポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、
ジアリルアミン−アクリルアミド共重合体、ポリビニル
アミン、キトサン、等の紙力増強剤、カチオン性ポリア
クリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポ
リアクリルアミド、ポリアミジン、ポリエチレンイミ
ン、ベントナイト類、コロイダルシリカ、ポリエチレン
オキサイド等の歩留り向上剤、染料、蛍光染料、スライ
ムコントロール剤、消泡剤等の紙及び板紙の製造で使用
される添加物を必要に応じ使用することができる。
【0090】本発明においてはさらに、サイズプレス、
ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、キャレ
ンダー等を採用することにより、澱粉、ポリビニルアル
コール、染料、コーティングカラー、防滑剤、表面サイ
ズ剤、ポリアクリルアミド系表面紙力剤等を必要に応じ
得られた紙及び板紙に塗布することもでき、この場合に
も、前記中性抄紙用ロジンサイズ剤及び前記サイズ助剤
における前記フェノール樹脂と、前記澱粉、ポリビニル
アルコール、染料、コーティングカラー、防滑剤、表面
サイズ剤、ポリアクリルアミド系表面紙力剤等とを併用
することにより、得られた紙及び板紙における所定のサ
イズ度を実現することができる。
【0091】本発明による抄紙方法は、酸性及び中性条
件で行なわれる紙及び板紙等の製造の際に採用すること
ができ、前記紙及び板紙等としては例えば、印刷筆記用
紙、コート原紙、PPC用紙、インクジェット用紙、情
報用紙、書籍用紙、写真原紙、包装用紙、純白ロール
紙、感圧原紙、感熱原紙、中質紙、石膏ボード原紙、難
燃紙、新聞用紙、白板紙、金属合紙、ライナー、缶詰ラ
イナー、中芯、及び紙管原紙等を挙げることができる。
【0092】
【実施例】以下、本発明について製造例、実施例及び比
較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例
にのみ限定されるものではない。また以下例中において
「部」および「%」とあるのは特に断りのない限り、
「固形分重量部」および「固形分重量%」を意味するも
のとする。
【0093】−ロジンエステル類を含有する反応生成物
の製造− 〈製造例1〉撹拌機、温度計、窒素導入管、分水器及び
冷却器を備えた1リットル容積のフラスコに、酸価17
0のガムロジン100部とグリセリン9.8部とを仕込
み、窒素気流下に250℃まで加熱し、同温度で12時
間エステル化反応させてロジンエステルを含有する反応
生成物1を得た。この反応生成物1の軟化点は92.5
℃であり、酸価は9.5であった。またこの反応生成物
1をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分
析したところ、反応生成物1はロジンエステルを89%
含有していた。
【0094】尚、軟化点はすべて環球法により測定した
値である。また酸価についてはすべて、日本工業規格
(JIS K 5902又はJIS K 5903)に
従って滴定した値である。
【0095】−強化ロジンの製造− 〈製造例2〉酸価170のガムロジン90部と無水マレ
イン酸10部を200℃で3時間加熱保温して強化反応
を行い、軟化点104℃、酸価266の強化ロジン2を
得た。
【0096】−乳化剤の製造− 〈製造例3〉特開昭61−108796号公報に記載さ
れた参考例10の製造方法に従い、以下のようにしてス
チレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物を含有する乳
化剤3を合成した。
【0097】スチレン55部、メタクリル酸30部、イ
タコン酸5部、アクリル酸ラウリル10部、10%ナフ
タレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物50部、
過硫酸アンモニウム1部、及び水200部を混合攪拌
し、加圧下、150℃で30分間加熱した。次いで70
℃まで冷却し、48.5%水酸化ナトリウム35.5部
と水7部を徐々に滴下し、30分間攪拌した後室温まで
冷却することにより、固形分30%の乳化剤3を得た。
【0098】−中性抄紙用ロジンサイズ剤水性分散液の
製造− 〈製造例4〜7〉前記製造例1で得られた反応生成物1
と、前記製造例2で得られた強化ロジン2とを表1に示
す重量比で混合し、被乳化体4〜7とした。
【0099】前記被乳化体4〜7それぞれ100部を約
150℃に加熱熔融し、激しく攪拌しながら前記製造例
3で得られた乳化剤3を16部添加混合して油中水型の
エマルジョンとした。この油中水型のエマルションに熱
水を徐々に加えて転相させ、水中油型のエマルションと
し、この水中油型のエマルションにさらに熱水を素早く
添加して安定な水中油型のエマルションとした後、冷却
し、中性抄紙用ロジンサイズ剤水性分散液(以下、サイ
ズ剤水性液と称することがある。)A〜Dを得た。得ら
れた前記サイズ剤水性液A〜Dの固形分、及びMast
erSizer(マルバーン社製の粒度分布測定装置)
で測定した重量基準粒径分布における累積50%径(以
下、平均粒子径と称することがある。)の測定結果を表
1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】−サイズ助剤水性液の製造− 〈製造例8〉1リットルフラスコに大日本インキ化学工
業(株)製ノボラック型フェノール樹脂MZ301L
(以下、フェノール樹脂Hと称することがある。)50
部、30%水酸化ナトリウム17部、及び水33部を混
合して混合物を得た。前記混合物を70℃まで加熱し、
5分間攪拌した後、室温まで冷却し、フェノール樹脂H
の50%水性液を得た。この水性液のpHは12.1で
あった。
【0102】〈製造例9〉前記製造例8におけるノボラ
ック型フェノール樹脂MZ301Lの代わりに、大日本
インキ化学工業(株)製ノボラック型クレゾール樹脂T
D2699H(以下、フェノール樹脂Iと称することが
ある。)を使用し、フェノール樹脂I1部、30%水酸
化ナトリウム0.3部、及び水98.7部を混合した以
外は前記製造例8と同様にして、フェノール樹脂Iの1
%水性液を得た。この水性液のpHは11.9であっ
た。
【0103】〈製造例10〉30%濃度のアライドコロ
イド(株)製のスルホン化フェノール樹脂水溶液DP5
−7104B(以下、フェノール樹脂Jの水性液と称す
ることがある。)を用意した。
【0104】〈製造例11〉40%濃度の大日本インキ
化学工業(株)製のレゾール型フェノール樹脂水溶液P
398(以下、フェノール樹脂Kの水性液と称すること
がある。)を用意した。
【0105】〈製造例12〉攪拌機、温度計、窒素導入
管、及び冷却器を備えた1リットル容積のフラスコに、
4−アセトキシスチレン80部を仕込み、60℃に加熱
した。AIBN(アゾイソブチロニトリル)の5%トル
エン溶液20部を添加し、60℃で12時間重合反応を
行った。
【0106】その後フラスコに30%水酸化ナトリウム
溶液200部、及び水200部を加え、80℃で2時間
加水分解を行った。反応後、減圧蒸留にてトルエンを除
去し、ポリビニルフェノール(以下、フェノール樹脂L
と称することがある。)の20%水溶液を得た。この溶
液のpHを硫酸にて12.5に調製した。
【0107】〈製造例13〉攪拌機、温度計、窒素導入
管、及び冷却器を備えた1リットル容積のフラスコに、
水30部およびt−ブチルアルコール30部を仕込み、
60℃に加熱した。AIBN0.5部を溶解させた4−
アセトキシスチレン22.5部、20%スチレンスルホ
ン酸ソーダ水溶液37.5部をそれぞれ2時間掛けて滴
下し、さらに6時間反応させた。その後98℃まで昇温
し、t−ブチルアルコールを留去した。次に30%水酸
化ナトリウム75部を加え、80℃で2時間加水分解を
行い、ビニルフェノールとスチレンスルホン酸ソーダと
の共重合物(以下、フェノール樹脂Mと称することがあ
る。)の20%水溶液を得た。この溶液を硫酸にてpH
11.6に調製した。
【0108】−フェノール樹脂の分子量の測定− 前記フェノール樹脂H及びIについては、THFに溶解
し、ゲルパーミエーショングロマトグラフィーにより分
子量を測定した。
【0109】前記フェノール樹脂J、K、L及びMにつ
いては、各々の水性液に塩酸を加えてpHを1とし、生
成した沈殿を濾別して乾燥後、THF溶液として、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより分子量を測
定した。
【0110】前記フェノール樹脂H〜Mの分子量測定結
果、および前記フェノール樹脂H〜Lの水性液のpHを
表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】−抄紙− (実施例1)L−BKP(広葉樹晒クラフトパルプ)と
N−BKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の比が80/2
0である混合バルプをカナディアン・スタンダード・フ
リーネス400mLに叩解し、得られたパルプスラリー
100部に炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製、商品
名「TP−121」)20部、カチオン化澱粉(王子ナ
ショナル(株)製、商品名「CATO−3210」)1
部、及び硫酸バンド1部を添加し、さらに前記製造例4
で得られたサイズ剤水性液Aを0.5部、前記製造例8
で得られたフェノール樹脂Hの水性液を0.2部、及び
歩留り剤(ハイモ(株)製、ハイモロックNR12ML
S)0.01部を加え、均一に分散させて製紙原料スラ
リーとした。この製紙原料スラリーのpHは8.0であ
った。得られた製紙原料スラリーをタッピ・スタンダー
ド・シートマシンを用いて坪量65g/m2 となるよう
に抄紙し、続いて得られた湿紙を圧縮脱水し、100℃
で80秒乾燥させた。
【0113】このように抄紙して得られた中性紙を相対
湿度65%の条件で24時間調湿し、サイズ性を評価す
るためにステキヒト法(JIS P8122に準拠)に
よりサイズ度を測定した。測定結果を表3に示す。
【0114】尚、前記中性紙は、例えば印刷筆記用紙、
コート原紙、PPC用紙、インクジェット用紙、情報用
紙、書籍用紙等の一製造例に相当することがある。
【0115】
【表3】
【0116】(実施例2〜5)前記実施例1におけるフ
ェノール樹脂Hの水性液の代わりに、フェノール樹脂I
(実施例2)、J(実施例3)、K(実施例4)、又は
L(実施例5)の水性液を使用した以外は前記実施例1
と同様にして中性紙を製造し、ステキヒトサイズ度を測
定した。測定結果を表3に示す。
【0117】(実施例6〜20)前記実施例1における
サイズ剤水性液A及びフェノール樹脂Hの水性液の代わ
りに、サイズ剤水性液B、C又はD及びフェノール樹脂
H、I、J、K、又はLの水性液を表3に示すような組
み合わせで使用した以外は前記実施例1と同様にして中
性紙を製造し、ステキヒトサイズ度を測定した。測定結
果を表3に示す。
【0118】(比較例1〜4)前記実施例1におけるフ
ェノール樹脂Hの水性液を使用せず、前記実施例1にお
けるサイズ剤水性液Aの代わりに、サイズ剤水性液A
(比較例1)、B(比較例2)、C(比較例3)、又は
D(比較例4)を使用した以外は前記実施例1と同様に
して中性紙を製造し、ステキヒトサイズ度を測定した。
測定結果を表3に示す。
【0119】(実施例21)段ボールをカナディアン・
スタンダード・フリーネス350mLに叩解し、得られ
たパルプスラリー100部にポリアクリルアミド系紙力
剤(日本PMC(株)製、商品名「DS410」)0.
5部、及び硫酸バンド1部を添加し、さらに前記製造例
4で得られたサイズ剤水性液Aを0.3部、及び前記製
造例8で得られたフェノール樹脂Hの水性液0.1部を
加え、均一に分散させて製紙原料スラリーとした。この
製紙原料スラリーのpHは6.2であった。得られた製
紙原料スラリーをタッピ・スタンダード・シートマシン
を用いて坪量120g/m2 となるように抄紙し、続い
て得られた湿紙を圧縮脱水し、110℃で90秒乾燥さ
せた。
【0120】このように抄紙して得られた板紙を相対湿
度65%の条件で24時間調湿し、サイズ性を評価する
ためにステキヒト法(JIS P8122)によりサイ
ズ度を測定した。測定結果を表4に示す。
【0121】尚、前記板紙は、例えばライナー、缶詰ラ
イナー、中芯、紙管原紙等の一製造例に相当することが
ある。
【0122】
【表4】
【0123】(実施例22〜25)前記実施例21にお
けるフェノール樹脂Hの水性液の代わりに、フェノール
樹脂I(実施例22)、J(実施例23)、K(実施例
24)、又はL(実施例25)の水性液を使用した以外
は前記実施例21と同様にして板紙を製造し、ステキヒ
トサイズ度を測定した。測定結果を表4に示す。
【0124】(実施例26〜40)前記実施例21にお
けるサイズ剤水性液A及びフェノール樹脂Hの水性液の
代わりに、サイズ剤水性液B、C又はD及びフェノール
樹脂H、I、J、K、又はLの水性液を表4に示すよう
な組み合わせで使用した以外は前記実施例21と同様に
して板紙を製造し、ステキヒトサイズ度を測定した。測
定結果を表4に示す。
【0125】(比較例5〜8)前記実施例21における
フェノール樹脂Hの水性液を使用せず、前記実施例21
におけるサイズ剤水性液Aの代わりに、サイズ剤水性液
A(比較例5)、B(比較例6)、C(比較例7)、又
はD(比較例8)を使用した以外は前記実施例21と同
様にして板紙を製造し、ステキヒトサイズ度を測定し
た。測定結果を表4に示す。
【0126】(実施例41)L−BKPをカナディアン
・スタンダード・フリーネス350mLに叩解し、得ら
れたパルプスラリー100部に炭酸カルシウム(奥多摩
工業(株)製、商品名「TP−121」)10部、カチ
オン化澱粉(日産エカノーベル(株)製、商品名「BM
B」)0.5部、及び硫酸バンド1部を添加し、さらに
前記製造例5で得られたサイズ剤水性液Bを0.4部、
前記製造例8で得られたフェノール樹脂Hの水性液0.
1部、及び歩留り剤(日産エカノーベル(株)製、BM
A780)0.02部を加え、均一に分散させて製紙原
料スラリーとした。この製紙原料スラリーのpHは7.
6であった。得られた製紙原料スラリーをタッピ・スタ
ンダード・シートマシンを用いて坪量65g/m2 とな
るように抄紙し、続いて得られた湿紙を圧縮脱水し、1
00℃で80秒乾燥させた。
【0127】このように抄紙して得られた成紙を相対湿
度65%の条件で24時間調湿し、ステキヒトサイズ度
(JIS P8122)、インクジェット適性、及びI
PAコブサイズを測定した。
【0128】前記インクジェット適性は、キャノン社製
のインクジェットプリンターBJ−220JCIIで黒の
ベタの印字を行い、ベタの印字濃度をマクベス社製のイ
ンキ濃度計RD914を用いて測定した。数値が大きい
方が印字濃度が高いことを示す。
【0129】前記IPAコブサイズは、5%イソプロピ
ルアルコール水溶液を測定溶媒としたコブサイズ度であ
り、JIS P8140に従って行った。また測定溶媒
と測定試料の接触時間は10秒とした。測定結果を表5
に示す。
【0130】尚、前記成紙は、例えば印刷筆記用紙、コ
ート原紙、PPC用紙、インクジェット用紙、情報用
紙、書籍用紙等の一製造例に相当することがある。
【0131】
【表5】
【0132】(比較例9)前記実施例41においてフェ
ノール樹脂Hを使用しないこと以外は前記実施例41と
同様にして成紙を製造し、ステキヒトサイズ度、インク
ジェット適性、及びIPAコブサイズを測定した。測定
結果を表5に示す。
【0133】(実施例42)L−BKPとGP(砕木パ
ルプ)とを70/30の比率で混合したカナディアン・
スタンダード・フリーネス280mLのパルプスラリー
100部に炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製、商品
名「TP−121」)10部、タルク(日本タルク
(株)製、商品名タルクND)10部、カチオン化澱粉
(王子ナショナル(株)製、商品名Cato321
0」)0.8部、及び硫酸バンド1.5部を添加し、さ
らに前記製造例5で得られたサイズ剤水性液Bを0.2
部、前記製造例8で得られたフェノール樹脂Hの水性液
0.1部、及び歩留り剤(ハイモ(株)製、DR150
0)0.02部を加え、均一に分散させて製紙原料スラ
リーとした。この製紙原料スラリーのpHは7.8であ
った。得られた製紙原料スラリーをタッピ・スタンダー
ド・シートマシンを用いて坪量65g/m2 となるよう
に抄紙し、続いて得られた湿紙を圧縮脱水し、100℃
で80秒乾燥させた。
【0134】このように抄紙して得られた成紙を相対湿
度65%の条件で24時間調湿し、ステキヒトサイズ度
(JIS P8122)の測定、及びドロップテストを
行なった。測定結果を表6に示す。
【0135】前記ドロップテストはJAPAN TAP
PI紙パルプ試験方法NO.33に従って行った。尚、
水の滴下量は5μlとした。
【0136】尚、前記成紙は、例えば中質の印刷筆記用
紙、コート原紙、PPC用紙、インクジェット用紙、情
報用紙、書籍用紙等の一製造例に相当することがある。
【0137】
【表6】
【0138】(比較例10)前記実施例42においてフ
ェノール樹脂Hを使用しないこと以外は前記実施例42
と同様にして成紙を製造し、ステキヒトサイズ度の測
定、及びドロップテストを行なった。測定結果を表6に
示す。
【0139】(実施例43)前記実施例6においてフェ
ノール樹脂Hの水性液の代わりにフェノール樹脂Mの水
性液を使用した以外は前記実施例6と同様にして中性紙
を抄造し、ステキヒトサイズ度を測定した。測定結果を
表7に示す。
【0140】
【表7】
【0141】
【発明の効果】本発明によれば、中性抄紙用ロジンサイ
ズ剤とフェノール樹脂とを併用する中性抄紙方法を実現
することにより、従来よりも中性抄紙用ロジンサイズ剤
の使用量を低減し、且つ所定のサイズ度を得ることがで
きるので、経済的に有利であるばかりでなく、抄紙装置
の汚れ等の問題を改善することができる。
【0142】本発明においては、中性抄紙用ロジンサイ
ズ剤とフェノール樹脂とでサイジングすることにより、
(1)優れたサイズ性を有する紙を製造すること、即ち
製造する紙に優れたサイズ性を付与することができ、
(2)抄紙工程における作業性が良く、(3)中性抄紙
用サイズ剤による紙や抄紙装置等の汚れに起因する作業
効率の低下を防止することができ、(4)製造する紙に
対するサイズ性の付与にムラを生じることがなく、
(5)製造する紙の滑りの問題がなく、(6)製造する
紙に印刷適性、トナー接着性、及びラミネート特性をバ
ランス良く付与することができ、しかも(7)中性抄紙
用サイズ剤における保存安定性の問題がない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性抄紙用ロジンサイズ剤と、フェノー
    ル樹脂とでサイジングすることを特徴とする抄紙方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1におけるフェノール樹脂
    が、(a)ホルムアルデヒド及び/又はパラホルムアル
    デヒドと、(b)フェノール及び/又は置換フェノール
    類との縮重合によって得られるノボラック型樹脂及び/
    又はレゾール型樹脂であり、その重量平均分子量が20
    0〜10,000である前記請求項1に記載の抄紙方
    法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1におけるフェノール樹脂が
    ポリビニルフェノールであり、その重量平均分子量が
    2,000〜200,000である前記請求項1に記載
    の抄紙方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1におけるフェノール樹脂
    が、ビニルフェノール単位を含有する共重合体であり、
    その重量平均分子量が2,000〜200,000であ
    る前記請求項1に記載の抄紙方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1における中性抄紙用ロジン
    サイズ剤が、ロジン類と下記(i)よりなる群の少なく
    とも1種との反応、若しくは、ロジン類と下記(i)よ
    りなる群の少なくとも1種と下記(ii)よりなる群の少
    なくとも1種との反応によって得られるロジンエステル
    類を含有する反応生成物を有してなり、前記反応生成物
    中に含まれる前記ロジンエステル類の割合が10〜10
    0重量%である前記請求項1〜4のいずれかに記載の抄
    紙方法。 (i)多価アルコール (ii)α,β−不飽和カルボン酸類及び/又はその誘導
  6. 【請求項6】 前記請求項1におけるパルプスラリー
    が、pH4. 5〜9に調整されてなる前記請求項1〜5
    のいずれかに記載の抄紙方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6のいずれかに記載の抄
    紙方法により製造されたことを特徴とする紙。
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