JP5729378B2 - 未晒包装用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、製袋工場等で重袋に加工されて使用される未晒包装用紙に関し、さらに詳しく述べるならば、印刷及び製袋加工後に内容物を充填された袋を積載する際、あるいは搬送する際に発生する所謂重袋滑りトラブルを生じ難い未晒包装用紙に関するものである。
本願は、2010年3月30日に日本に出願された特願2010−077195号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
製粉業、製糖業、化学品製造業などの粉体製品を製造する産業においては、未晒包装用紙から製造された重袋内に粉体製品を充填し、これを何層にも積み重ねて貯蔵したり、あるいはパレットの上に積み重ねて積載してフォークリフトで搬送し、トラックに積み込んで出荷している。このように粉体製品を充填した重袋を積み重ねた場合に、袋の表面が滑り易いと積み重ねた袋が滑り落ち、搬送作業の大幅な能率低下となる。また、落下の衝撃により破袋が起これば、重袋に充填された粉体製品が飛散し、回収できずに大きな損失となる。前記重袋の滑り落下はフォークリフトあるいはトラックがカーブまたは急停止する時に起こりやすく、落下場所に人がいれば人身事故となる場合も考えられる。こうした重袋の滑り問題は生産性の低下だけでなく、大きな事故につながる非常に大きな問題であり、重袋のユーザーのみならず製袋メーカーや製紙メーカーにとっても品質上の死活問題である。したがって、製袋作業性及び製袋後の品質を維持し、かつ滑らない重袋用に加工されて使用される未晒包装用紙の開発が強く要望されている。
しかしながら、重袋用原紙として使用される未晒包装用紙は、印刷、製袋、搬送工程で物理的な表面摩擦や化学的成分付着により滑りやすくなる機会が非常に多い。例えば、未晒包装用紙の巻取から重袋を製造する製袋工場においては、原紙はその表面に商品名等を印刷された後、製袋機に送られて折込、糊付け、切断、底紙貼付け、ミシン掛け等の加工工程を経て重袋とされるが、印刷や加工工程では巻取りから繰り出された原紙の走行方向を変えるために多くのロールが配置され、その結果、原紙の表面が摩擦されて滑りやすくなる。また、通常の印刷インキには乾燥後の印刷面を滑らかにして印刷面を保護する目的でポリエチレン等が配合されているため、さらに油性インキの場合はビヒクルが紙に浸透するため、原紙表面は滑りやすい状態となる。重袋の搬送工程においても、ローラーコンベア等の搬出コンベアやパレタイザーの普及により搬送作業が自動化された結果、連続的な重袋の流れとなり、袋の表面が擦られる機会が増大している。
重袋用に使用される原紙(未晒包装用紙)の表面を滑りにくくするために、従来から製紙業界では原紙製造段階の乾燥工程中にサイズプレスや噴霧ノズルなどを用い原紙表面に防滑剤を塗布あるいは噴霧する方法が種々試みられている。防滑剤としては、コロイダルシリカ系無機物(特許文献1)やスチレン−アクリル系共重合体の糊(特許文献2)等が主に使用されている。また、特定の粒子径分布を有する水和珪酸塩の特定量を填料として含有する未晒クラフト紙が提案されている(特許文献3)。さらに、製袋業界においても、主に多色印刷機でインキ1色分を防滑剤塗布用に使用している例が多い。また、製袋後の袋表面に防滑剤を塗布することも行われている。
しかしながら、原紙製造段階の乾燥工程で原紙表面に防滑剤を塗布または噴霧する方法は、ドライヤー部での汚れが著しく、製紙用カンバスやシリンダードライヤーに付着蓄積して熱により変質した汚れが原紙に転移すると、原紙の商品価値がなくなってしまうという欠点がある。また、抄紙機は非常に多くの品種の紙を抄造するため、重袋原紙抄造時に発生した防滑剤汚れが、テープ用原紙や食品用途の紙のように品質が厳しい品種に混入すると、製紙メーカーとしては信用失墜となる。さらに、原紙の片面に防滑剤を塗布した製品においては、製袋メーカーで防滑剤塗布面を袋の内側にして製造するとまったく無意味となってしまうという問題もある。
また、原紙に印刷するに際して印刷機で防滑剤を塗布する方法は、インキ転写前後の極めて短い時間に防滑剤の塗布が行われるため、最も滑りやすい印刷面への塗布ができず、絵柄印刷部の外側や袋の裏側にしか塗布することができない。さらに、製袋後の袋表面に防滑剤を塗布する方法は、袋1枚毎の作業となるため効率が悪い。
特開2002−105403号公報 特開2005−206976号公報 特開平5−321198号公報
本発明の目的は、重袋用原紙の抄紙段階あるいは製袋段階において未晒包装用紙の表面に防滑剤を塗布しなくても、粉体製品を充填した後に積み重ねても滑りにくい重袋を製造することができる未晒包装用紙を提供することにある。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)リグノセルロース物質を蒸解した後のカッパー価が20〜80である未晒パルプに、前記未晒パルプ100質量部に対して0.2〜2.0質量部の、α,β−不飽和カルボン酸で変性したロジン、α,β−不飽和カルボン酸で変性したロジンエステル、及びα,β−不飽和カルボン酸で変性したアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種のα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物と、前記未晒パルプ100質量部に対して0.1〜2.0質量部の硫酸バンドとを添加し、抄紙して得られる未晒包装用紙。
)前記α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物がロジンまたはロジンエステルをα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物である()に記載の未晒包装用紙。
)前記α,β−不飽和カルボン酸で変性したロジンまたはロジンエステルの添加量が、前記未晒パルプ100質量部に対して0.4〜2.0質量部である(2)に記載の未晒包装用紙。
)前記α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物が、ロジン又はロジンエステル1モルに対してα,β−不飽和カルボン酸を1モル以下付加させて得られるものである(2)または(3)に記載の未晒包装用紙。
)前記α,β−不飽和カルボン酸がマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸から選択される1種である(1)〜()のいずれか1項に記載の未晒包装用紙。
)前記α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物が水性エマルション型である(1)〜()のいずれか1項に記載の未晒包装用紙である。
摩擦係数が0.55〜0.70の範囲にある(1)〜(6)のいずれか1項に記載の未晒包装用紙。
前記α,β−不飽和カルボン酸で変性したロジン、ロジンエステル、アクリル系樹脂等と硫酸バンドを未晒パルプに内添して抄紙して得られる未晒包装用紙から製造した重袋は、これに粉体製品を充填して積み重ねたときに滑りにくくなる。
本発明で用いられるリグノセルロース物質は広葉樹材、針葉樹材のいずれの材でもよく、また非木材でもよく、特に限定されるものではない。
本発明において蒸解工程におけるパルプ化法としては、特に限定されるものではないが、好適にはクラフト蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソーダ蒸解、アルカリサルファイト蒸解等の公知の化学パルプ化法が用いられる。特に、パルプ品質(強度等)、未晒パルプ収率、蒸解廃液から熱量や蒸解薬品としてアルカリ分を回収できる方法として確立されていること等、また広範な原料木材などのリグノセルロース物質に適用でき、連続蒸解による迅速化を可能にするなどの利点を考慮すると、クラフト蒸解法が好適に用いられる。例えば、木材をクラフト蒸解する場合、クラフト蒸解白液の硫化度は5〜75%、好ましくは20〜35%、有効アルカリ添加率は、木材絶乾質量に対して5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%である。
蒸解方式は、連続蒸解法あるいはバッチ蒸解法のどちらでもよく、連続蒸解釜を用いる場合は、蒸解白液を分割で添加する蒸解法でもよく、その方式は特に問わない。バッチ蒸解法による蒸解ブロー時には、蒸解圧力でブローを行う蒸気ブロー方式と蒸解黒液の供給圧力でブローを行うコールドブロー方式がある。
蒸解温度は140〜170℃、滞留時間50〜300分、液比2.5〜10が好ましい。蒸解温度が140℃未満ではパルプ化が進行せず、170℃を超えるとパルプ収率が極端に低下するため好ましくない。
滞留時間が50分未満ではパルプ化が進行せず、300分を超えるとパルプ生産効率が悪化するため好ましくない。
液比2.5未満では木材チップが蒸解白液に漬かりきれずに未蒸解カスが増加し、液比10を超えると生産効率が低下するため好ましくない。
本発明において、蒸解補助剤として公知のポリサルファイドや環状ケト化合物、例えばベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、アントロン、フェナントロキノン及び前記キノン系化合物のアルキル、アミノ等の核置換体あるいは前記キノン系化合物の還元型であるアントラヒドロキノンのようなヒドロキノン系化合物、さらにはディールスアルダー法によるアントラキノン合成法の中間体として得られる安定な化合物である9,10−ジケトヒドロアントラセン化合物等から選ばれた1種あるいは2種以上が添加されてもよく、その添加率は通常の添加率であり、例えば、木材チップの絶乾質量に対して0.001〜1.5質量%である。また、その他の使用できる蒸解助剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)等のキレート剤等が挙げられ、特に限定されるものではない。これらの蒸解助剤は、蒸解液と同様に分割添加することが可能であり、添加場所も限定されるものではない。
前記のように本発明においては薬液濃度、アルカリ相当量、蒸解釜中の温度、圧力、時間を適宜調節してカッパー価を20〜80となるように制御する。カッパー価は30〜70であることがより好ましく、40〜60が特に好ましい。カッパー価が80を超えると未蒸解物が増え、チリが多くなるため、好ましくない。逆にカッパー価が20未満であると得られた包装用紙の引裂き強度が低下し過ぎ、好ましくない。
本発明において、蒸解パルプは洗浄、粗選及び精選工程を経て、必要に応じて公知のアルカリ酸素法により脱リグニンすることもできる。本発明において使用可能なアルカリ酸素法は公知の中濃度法あるいは高濃度法がそのまま適用できるが、現在、汎用的に用いられているパルプ濃度が8〜15質量%で行われる中濃度法が好ましい。アルカリ酸素法におけるアルカリとしては、苛性ソーダあるいは酸化されたクラフト蒸解白液を使用することができ、酸素ガスとしては深冷分離法からの酸素、PSA(Pressure Swing Adsorption)からの酸素、VSA(Vacuum Swing Adsorption)からの酸素等が使用できる。
前記酸素ガスとアルカリは中濃度ミキサーにおいて中濃度のパルプスラリーに添加され、混合が十分に行われた後、加圧下でパルプ、酸素及びアルカリの混合物を一定時間保持できる反応塔へ送られ、脱リグニンされる。
酸素ガスの添加率はパルプ絶乾質量に対して0.5〜3質量%、アルカリ添加率は0.5〜4質量%、反応温度は80〜120℃、反応時間は15〜100分、パルプ濃度は8〜15質量%であり、その他の条件は公知のものが適用できる。本発明においてはアルカリ酸素処理による脱リグニン工程において、上記アルカリ酸素処理を連続して複数回行ってもよい。
アルカリ酸素処理が施されたパルプは次いで洗浄工程に送られ、洗浄処理される。前記洗浄処理において使用される洗浄機としては、プレッシャーディフューザー、ディフュージョンウオッシャー、ドラムウオッシャー、加圧型ドラムウオッシャー、水平長網型ウオッシャー、プレス洗浄機等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。しかしながら、パルプ中のピッチ成分の除去効率が高いという付加的な理由から、プレス洗浄機が好適に用いられるが、複数の洗浄機を使用することもできる。この段階において、未晒パルプ中のステロールのエステル化合物の含有量が0.1質量%未満であることが好ましい。
前記カッパー価が20〜80である未晒パルプはレファイナーでフリーネスを400〜700mlCSF(JIS P8121−1995に規定されるカナダ標準フリーネス)に調製する。
本発明において用いられるα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物としては特に限定されないが、ロジン、ロジンエステル、アクリル系樹脂から選択される少なくとも1種をα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物が効果的に重袋の滑り性を抑制することができるため、好ましい。
本発明においてアクリル系樹脂としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、ジ(メタ)アクリル酸(ジ)エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−1,6−ヘキサンジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジ(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリルアミド等の単独重合体や共重合体を挙げることができる。
本発明においては前記アクリル系樹脂をα,β−不飽和カルボン酸で変性して用いられる。α,β−不飽和カルボン酸で変性したアクリル系樹脂は公知の重合法、例えば乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、バルク重合法等で製造することができるが、抄紙工程での適用のし易さから水系乳化重合法が好ましい。
また、本発明においては、特にロジン、ロジンエステルをα,β−不飽和カルボン酸で変性した強化ロジン、強化ロジンエステルが好ましい。
本発明において用いられる強化ロジンとはガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、アルデヒド変性ロジン等のロジン類の一部をα,β−不飽和カルボン酸で変性したものをいう。したがって、強化ロジン中にはα,β−不飽和カルボン酸変性ロジンの他に前記各種ロジン類の未反応物を含んでいる。
α,β−不飽和カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、低級アルコールと無水マレイン酸から得られるマレイン酸モノエステル類またはマレイン酸ジエステル類、フマル酸、N−アルキルマレイミド類、イタコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等を例示できる。これらのなかでも無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル類、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸が好ましく、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸が特に好ましい。α,β−不飽和カルボン酸による変性は通常ロジン類1モルに対してα,β−不飽和カルボン酸等を1モル以下、好ましくは0.05〜0.75モル程度、より好ましくは0.10〜0.70モル程度である。前記変性反応は通常、温度150〜300℃程度で、0.5〜24時間程度行う。
ロジンエステルとは、ロジン類と多価アルコールとを公知のエステル化法により製造されるものをいう。通常は両者を仕込んだ後、多価アルコールの沸点に応じて常圧、減圧又は加圧下に温度150〜300℃程度で、3〜40時間程度攪拌しながら脱水縮合を行う。また、反応に際して必要ならばベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤を使用して、共沸下に脱水縮合させることもできる。多価アルコールとしては各種公知のものが使用できるが、3価または4価アルコールが好ましい。例えば、3価アルコールとしてはグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール等が挙げられ、4価アルコールとしてはペンタエリスリトール、ジグリセリン等が挙げられる。また、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミノアルコール等を使用することもできる。これら多価アルコールは一種または二種以上を使用することができる。なお、ロジン類と多価アルコールの仕込割合は、ロジン類のカルボキシル基に対する多価アルコールの水酸基の当量比〔−OH(eq)/−COOH(eq)〕が、通常0.1〜1.5、好ましくは0.1〜1.0になる範囲とされ、ロジンエステルとして完全エステル化物を製造することができるほか、未反応ロジン類を含むロジンエステルを製造することもできる。
また、強化ロジンエステルとは、ロジン類に多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを順次または同時に反応させることにより得られるものをいう。順次とはロジン類に多価アルコールを反応させた後にα,β−不飽和カルボン酸を反応させてもよいし、ロジン類にα,β−不飽和カルボン酸等を反応させた後に多価アルコールを反応させてもよいことを意味する。多価アルコールとのエステル化反応、α,β−不飽和カルボン酸との変性反応は前記と同様に行えばよい。
本発明において用いられるα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物は水性エマルション型にして用いるのが好ましい。すなわち、前記水性エマルション型とすることにより、本発明の未晒包装用紙の製造において、抄紙工程でのアルカリ成分の変動による抄紙pHの変動に対しても安定な滑り防止効果が得られる。前記水性エマルション化は、例えば乳化分散剤を使用して湿式粉砕装置等で処理して行うことができる。乳化分散剤の配合量はα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物100質量部に対して通常0.1〜15.0質量部程度が好ましい。乳化分散剤の配合量が15.0質量部を超えると、得られる水性エマルションの泡立ちが多くなったり、耐水性が低下する等のおそれがある。乳化分散剤の配合量が0.1質量部未満であると、得られたエマルションの安定性が不十分となるおそれがある。
本発明において用いられる乳化分散剤には特に制限はなく、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や両性界面活性剤が挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等のポリオキシエチレン構造を有する化合物や、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のソルビタン誘導体等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アシルアミノエチルジエチルアンモニウム塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、アルキルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルピリジニウム硫酸塩、ステアラミドメチルピリジニウム塩、アルキルキノリニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、脂肪酸ポリエチレンポリアミド、アシルアミノエチルピリジニウム塩、アシルコラミノホルミルメチルピリジニウム塩等の第4級アンモニウム塩、ステアロオキシメチルピリジニウム塩、脂肪酸トリエタノールアミン、脂肪酸トリエタノールアミンギ酸塩、トリオキシエチレン脂肪酸トリエタノールアミン、セチルオキシメチルピリジニウム塩、p−イソオクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩等のエステル結合アミンやエーテル結合第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン、1−アセチルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン、2−アルキル−4−メチル−4−ヒドロキシメチルオキサゾリン等の複素還アミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、N−アルキルプロピレンジアミン、N−アルキルポリエチレンポリアミン、N−アルキルポリエチレンポリアミンジメチル硫酸塩、アルキルビグアニド、長鎖アミンオキシド等のアミン誘導体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
また、本発明においては、乳化分散剤として各種公知のポリマー系乳化分散剤も好適に使用できる。
前記ポリマー系乳化分散剤としては、特に制限はされず各種不飽和モノマーを共重合させて得られるアニオン性共重合体、カチオン性共重合体、両性共重合体のいずれも有効に使用できる。ここで、一般に、アニオン性共重合体とは、アニオン性不飽和モノマー20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%及びノニオン性不飽和モノマー20〜80質量%、好ましくは30〜70重量%からなる共重合体をいい、カチオン性共重合体とは、カチオン性不飽和モノマー1〜90質量%、好ましくは10〜60質量%及びノニオン性不飽和モノマー10〜99質量%、好ましくは40〜90質量%からなる共重合体をいい、両性共重合体とは、アニオン性不飽和モノマー1〜60質量%、好ましくは10〜40質量%、カチオン性不飽和モノマー1〜60質量%、好ましくは10〜40質量%及びノニオン性不飽和モノマー20〜90質量%、好ましくは20〜80質量%からなる共重合体をいう。これらのポリマー系乳化分散剤の具体例としては特開2009−174106号公報、特開2009−287148号公報、特開2010−13768号公報等に記載の共重合体が挙げられる。
前記共重合体の製造方法としては溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の各種公知の方法をそのまま採用することができる。また、得られた共重合体の分子量は、強化ロジン、強化ロジンエステル系物質の分散能と直接相関するため通常は重量平均分子量が1000〜200000であるものが好ましい。
ついで、前記乳化分散剤を用いて前記強化ロジン、強化ロジンエステルをエマルション化する具体的な方法としては、例えば特公昭53−4866号公報に記載される溶融高圧乳化法、特公昭53−22090号公報に記載される溶剤高圧乳化法、または特開昭52−77206号公報や特公昭58−4938号公報に記載される反転乳化法等、公知のいずれの方法も採用できる。
溶剤高圧乳化法による場合には、あらかじめ水に不溶な有機溶剤に溶解させた強化ロジン、強化ロジンエステルに対して前記乳化分散剤と水、必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、低級アミン等のアルカリ性物質を加え、ホモジナイザー、ピストン型高圧乳化機、超音波乳化機等を使用して乳化し、次いで有機溶剤を留去する。なお、乳化分散剤の添加時期は特に制限されず、少量のアルカリ性物質または界面活性剤を用いて乳化した場合には、乳化機を通した後でも、また溶剤留去後でも問題なく水性エマルション化することができる。
反転法による場合には、強化ロジン、強化ロジンエステルを通常90〜160℃程度に加熱攪拌して溶融し、乳化分散剤と所定量の熱水とを添加して相反転させ、強化ロジン、強化ロジンエステルが分散相であり、水が連続相であるエマルションを形成させる。
本発明において、前記未晒パルプ100質量部に対して、α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物を0.2〜2.0質量部、好ましくは0.4〜2.0質量部、硫酸バンドを0.1〜2.0質量部添加して紙料を調製する。α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物の添加量が0.2質量部未満であると粉体製品を充填した後に積み重ねると粉体製品が滑り易くなる。添加量が2.0質量部を超えると抄紙機系内が汚れ易くなり、欠点が増加する。また、硫酸バンドの添加量が0.1質量部未満であるとα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物のパルプ繊維への定着が悪くなり、滑りが発生するほか欠点も増加する。添加量が2.0質量部を超えると抄紙機系内のpHが低くなり過ぎ、抄紙機を錆びさせてしまう等の問題を発生する。
上記のように調製した紙料は抄紙機により抄紙され、本発明の重袋用未晒包装用紙が得られる。その際使用される抄紙機としては、例えば、長網式、円網式、短網式、ツインワイヤー式抄紙機などが挙げられる。紙料中には、必要に応じて、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を適宜添加することができる。
かくして得られた未晒包装用紙は、前記未晒パルプに対してα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物と硫酸バンドを添加して抄紙しているので、JIS P 8147−1994による滑り傾斜角を25度以上に保持することが可能となる。
印刷及び製袋加工後の滑り傾斜角については、印刷面積、インキの種類、加工機の種類、加工機保守状態など様々な影響を受けるが、滑り傾斜角が20度以下となると滑りトラブルが発生することが経験的に判明しており、滑り傾斜角を25度以上に保つことができれば滑りトラブルは発生しない。
また、本発明において重袋用未晒包装用紙の静摩擦係数は0.55〜0.70の範囲にあることが好ましい。静摩擦係数が0.55未満では、滑り傾斜角が25度以下になり、滑りトラブルの発生が多くなる。静摩擦係数が0.70を超える場合、製袋加工時の紙送りがスムーズに行われ難くなり、加工適性が低下する。
本発明において未晒包装用紙の滑り傾斜角、静摩擦係数が向上するメカニズムについては、界面化学的な考察が必要となるが、未晒包装用紙は、パルプ繊維中に脂肪酸やステロール化合物などの樹脂分を多く含有しており、そのなかの摩擦を低下させる成分が経時にて表面にブリードして滑りを発生させるため、その滑り成分を表面にブリードさせないようにα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物と硫酸バンドを共存させることによりパルプ繊維内部に効率的に定着させることであると考えられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。なお、実施例16〜19は、参考実施例である。
・ カッパー価の測定
JIS P 8211:1998に準じて測定した。
・ 静摩擦係数の測定
ISO15359:1999に準じて水平式摩擦係数試験機(MU Measurement社製、商品名:「Amontons II」)を用いて、23℃・50%RHの条件で2ヶ月間調湿した試料のW面とW面を重ね合わせ、MD方向について測定した。
・ 滑り傾斜角の測定
JIS P 8147−1994に準じて測定した。この傾斜方法により、23℃・50%RHの条件で2ヶ月間調湿した試料のW面とW面を重ね合わせて、同一試料で10回連続して測定し、10回目の値を滑り傾斜角とした。滑り傾斜角が25度以上であれば滑りトラブルは発生しない。
・ パルプ中の滑り成分の定量
パルプ中の脂肪酸、脂肪族アルコール及びステロール類のエステル化合物は、サンプル管中に2mlのクロロホルムとパルプ試料0.2gを入れて蓋をし、10分間超音波照射してクロロホルム抽出を行い、液体クロマトグラフィー−荷電化粒子検出器で、液体クロマトグラフィーは日本ウォーターズ社製(2695型)、荷電化粒子検出器は米国ESA社製(商品名:「Corona CAD」)を用いて定量した。
・ 欠点の評価
製造した未晒包装用紙についてチリ等の欠点を下記の基準で目視判定した。
A:チリ等の欠点なし
B:チリ等の欠点がわずかに存在するが、実用上問題ないレベル
C:チリ等の欠点は存在するが、実用上問題ないレベル
D:チリ等の欠点が多く、実用上問題となるレベル
・ 引裂強度
JIS P 8116:2000に準じて測定した。
<乳化分散剤の製造>
(製造例1)
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに、スチレン120部、n−ブチルメタクリレート28.6部、メタクリル酸114.3部、アクリルアミド20部、テルピノレン5.7部、n−ドデシルメルカプタン2.9部、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート2.9部を仕込んだ。その後、イオン交換水420部、イソプロピルアルコール280部を加え、80℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸カリウムを6.8部添加して4時間重合反応を行なった。さらに過硫酸カリウムを1部添加して温度を80℃に維持して2時間熟成させた。その後、イソプロピルアルコールの留去を行い、イオン交換水を添加して濃度30質量%、粘度800mPa・sの乳化分散剤1を得た。
(製造例2)
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに、ヘキサエチレングリコールジアクリレート31.4部、アクリルアミド287.6部、イタコン酸59.3部、メタリルスルホン酸ナトリウム25.4部、2−エチルヘキシルアクリレート29.6部、シクロヘキシルメタクリレート77.3部、イオン交換水711.3部、イソプロピルアルコール784.9部、2−メルカプトエタノール2.51部を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガス置換し、50℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム11.0部を加え80℃まで昇温し、4時間保持して重合反応を行った。熟成した後、水蒸気吹き込みによりイソプロピルアルコールの留去を行い、イオン交換水を加えて濃度26.3質量%、粘度1300mPa・sの乳化分散剤2を得た。
(製造例3)
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに、界面活性剤(商品名:「ハイテノールLA−10」、第一工業製薬社製)4.0部、ヒドロキシブチルアクリレート43.7部、80%メタクリル酸158.5部、イタコン酸19.7部、メタリルスルホン酸ナトリウム31.7部、スチレン140.0部、α−メチルスチレン26.4部、ブチルアクリレート11.6部、イオン交換水1090.0部、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー16.0部を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガス置換し、60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム16.0部を加えて90℃まで昇温し、100分間保持した。その後、過硫酸アンモニウム4.0部をさらに加え、90℃で1時間保持した。次いで48%水酸化ナトリウム水溶液146.5部を加え、メタクリル酸およびイタコン酸の中和を行い、イオン交換水を加えて濃度25.2%、粘度53mPa・sの乳化分散剤3を得た。
(製造例4)
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに、スチレン55部、2−エチルヘキシルアクリレート15部、アクリル酸15部、メタクリル酸15部、イソプロピルアルコール10部、イオン交換水320部にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(商品名:「エパンU−103」、第一工業製薬社製)5部を溶解した溶液にチオグリコール酸2−エチルヘキシル3部を混合攪拌し、過硫酸アンモニウム3部、亜硫酸水素ナトリウム3部を加え、70〜80℃で5時間重合反応させた。熟成後、24%水酸化ナトリウム20部を加え、さらに濃度25質量%になるようにイオン交換水を追加し、乳化分散剤4を得た。
(製造例5)
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに、イソプロピルアルコール1150部、イオン交換水1000部、40%イソプレンスルホン酸ナトリウム116部、スチレン46部、イソブチルメタクリレート111部、アクリル酸139部、50%アクリルアミド1170部、n−オクチルメルカプタン13部を仕込み、窒素ガス置換雰囲気下で攪拌し、60℃まで昇温した。さらに、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル8.5部を加え、80℃まで昇温し、5時間保持した。熟成後、イオン交換水860部を加えてイソプロピルアルコールを留去し、冷却後、イオン交換水180部を加えて濃度30質量%、粘度500mPa・sの乳化分散剤5を得た。
(製造例6)
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素導入管をつけた四つ口フラスコ(反応容器)に、水290部、スチレン8部、ブチルメタクリレート84部、メタクリル酸6部、アクリルアミド2部、N−ドデシルメルカプタン0.5部、48%苛性ソーダ5.8(メタクリル酸に対して100モル%中和)およびアニオン性界面活性剤(商品名:「ネオハイテノールS−70」、第一工業製薬社製)4部からなる混合物を仕込んだ。反応系内の酸素を窒素で充分に置換し、次いで、前記混合物を70℃まで昇温した後、反応容器にラジカル重合開始剤(過硫酸アンモニウム2.5部を水8gに溶解した水溶液)を投入した。次いで、20分間乳化重合させた後、80℃まで昇温し、80〜85℃の温度範囲で2時間重合反応を進行させた。こうして、pH7.9、固形分濃度24.4%、粘度8mPa・s/25℃の乳化分散剤6のエマルションを得た。
<実施例1>
(パルプの製造)
木材チップとしてダグラスファー(針葉樹材)を用い、液比4、硫化度28%、有効アルカリ17質量%(Na2Oとして)となるように調製した蒸解白液を用いて蒸解温度165℃にて2時間クラフト蒸解(バッチ蒸解法)を行なった。クラフト蒸解終了後、黒液を分離し、得られたチップを高濃度離解機によって解繊後、濾布で遠心脱水と水洗浄を3回繰り返し、次いでスクリーンにより、未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価43、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.072質量%である蒸解未晒パルプを得た。この未晒パルプについてリファイナーを用いてフリーネスが580ml(CSF)となるように叩解した。叩解後のパルプスラリーの濃度は3.6質量%であった。
上記叩解後のパルプスラリー2777.8部(固形分換算100部)に、硫酸バンド1.0部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、下記で製造した強化ロジン(A)のエマルション0.8部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した。上記の紙料を用いてツインワイヤフォーマにて抄紙し、米坪84g/m2 の未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
(強化ロジンエマルション(A)の製造)
ガムロジン920部を1L四つ口フラスコに仕込み、200℃で加熱溶融させ、その後フマル酸を80部添加し、同温度で3時間保持し、ケン化価233の強化ロジンAを得た。
1Lオートクレーブに上記強化ロジンAを100部仕込み、150℃で加熱溶融し、これに製造例1で得た乳化分散剤1を30部、48%苛性ソーダを3.3部添加混合し、さらに熱水を85部加えながら転相させ、濃度50質量%の強化ロジンエマルション(A)を得た。
<実施例2>
強化ロジンを含むエマルションとして東邦化学社製(商品名:「ペローザE−3670」)を用いた以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例3>
強化ロジンを含むエマルションとして荒川化学工業社製(商品名:「サイズパインOK−3」)を0.8部(対パルプ、固形分換算)用いた以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例4>
強化ロジンを含む溶液として荒川化学工業社製(商品名:「サイズパインG−F」)を用いた以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例5>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド1.5部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、強化ロジン(A)のエマルション1.8部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例6>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド0.2部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、強化ロジン(A)のエマルション0.8部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例7>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド1.0部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、下記で製造した強化ロジンエステルエマルション(C)0.8部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
(強化ロジンエステルエマルション(C)の製造)
ガムロジン600部とグリセリン55部とを1L四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で200℃まで加熱して脱水反応を行った。その後、さらに270℃で14時間脱水反応を行ない、酸価30のロジンエステルBを得た。
上記ロジンエステルB950部を1L四つ口フラスコに仕込み200℃で加熱溶融させる。その後、無水マレイン酸50部を添加し、同温度で3時間保持し、ケン化価85の強化ロジンエステルCを得た。
1Lオートクレーブに上記強化ロジンエステル(C)を100部仕込み、150℃で加熱溶融し、これに製造例1で得た乳化分散剤1を30部、48%苛性ソーダを3.3部添加混合し、さらに熱水を85部加えながら転相させ、濃度50質量%の強化ロジンエステルエマルション(C)を得た。
<実施例8>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド1.0部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、下記で製造した強化ロジン(D)のエマルション0.8部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
(強化ロジンエマルション(D)の製造)
160℃の溶融状態にある酸価170mgKOH/gのガムロジン664.0部にフマル酸53.0部を加えて、190〜220℃で2時間加熱・加温して反応させ、酸価232mgKOH/gの強化ロジンDを得た。
上記強化ロジンD300部を約160℃に加熱溶融し、攪拌しながら製造例2で得られた乳化分散剤2を15部添加し、さらに熱水を添加して安定なO/Wエマルションとした後、室温まで冷却した。得られた強化ロジンエマルション(D)の濃度は50質量%、粘度は42mPa・sであった。
<実施例9>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド1.0部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、下記で製造した強化ロジンエステルエマルション(E)0.8部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
(強化ロジンエステルエマルション(E)の製造)
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた五つ口フラスコに酸価170のガムロジン100部、フマル酸9部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5部、グリセリン8部を仕込み、窒素気流下に250℃まで昇温し、同温度で12時間エステル化し、酸価122の強化ロジンエステルEを得た。
1Lオートクレーブに上記強化ロジンエステルEを100部仕込み、150℃で加熱溶融し、これに製造例3で得た乳化分散剤3を30部、48%苛性ソーダを3.3部添加混合し、さらに熱水を85部加えながら転相させ、濃度50質量%の強化ロジンエステルエマルション(E)を得た。
<実施例10>
実施例1において、乳化分散剤として製造例4の乳化分散剤を用いた以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例11>
実施例1において、乳化分散剤として製造例5の乳化分散剤を用いた以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例12>
強化ロジンを含むエマルションとして荒川化学工業社製(商品名:「サイズパイン−OK」)を用いた以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例13>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド0.6部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、強化ロジンエマルション(A)0.25部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例14>
(パルプの製造)
木材チップとしてダグラスファーを用い、液比4、硫化度28%、有効アルカリ12.5質量%(Na2Oとして)となるように調製した蒸解白液を用いて、蒸解温度165℃にて2時間クラフト蒸解を行なった(バッチ蒸解法)。クラフト蒸解終了後、黒液を分離し、得られたチップを高濃度離解機によって解繊後、濾布で遠心脱水と水洗浄を3回繰り返し、次いでスクリーンにより、未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価70、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.089質量%である蒸解未晒パルプを得た以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例15>
α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物として製造例6のメタクリル酸変性アクリル−スチレン樹脂を0.8部(対パルプ、固形分換算)用いた以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例16>
前記強化ロジンエマルション(A)を0.8部(対パルプ、固形分換算)、硫酸バンドを2.5部用いた以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例17>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド1.0部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、前記強化ロジンエマルション(A)0.15部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例18>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド1.0部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、上記で製造した強化ロジンエマルション(A)2.5部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例19>
叩解後のパルプスラリーに、硫酸バンド0.07部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、上記で製造した強化ロジンエマルション(A)0.8部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例20>
(パルプの製造)
木材チップとしてダグラスファーを用い、液比4、硫化度28%、有効アルカリ18.0質量%(Na2Oとして)となるように調製した蒸解白液を用いて、蒸解温度165℃にて2時間クラフト蒸解を行なった(バッチ蒸解法)。クラフト蒸解終了後、黒液を分離し、得られたチップを高濃度離解機によって解繊後、濾布で遠心脱水と水洗浄を3回繰り返し、次いでスクリーンにより、未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価37、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.067質量%である蒸解未晒パルプを得た以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例21>
(パルプの製造)
木材チップとしてダグラスファーを用い、液比4、硫化度28%、有効アルカリ17.0質量%(Na2Oとして)となるように調製した蒸解白液を用いて、蒸解温度168℃にて2時間クラフト蒸解を行なった(バッチ蒸解法)。クラフト蒸解終了後、黒液を分離し、得られたチップを高濃度離解機によって解繊後、濾布で遠心脱水と水洗浄を3回繰り返し、次いでスクリーンにより、未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価30、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.058質量%である蒸解未晒パルプを得た以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<実施例22>
(パルプの製造)
木材チップとしてダグラスファーを用い、液比4、硫化度28%、有効アルカリ17.0質量%(Na2Oとして)となるように調製した蒸解白液を用いて、蒸解温度172℃にて2時間クラフト蒸解を行なった(バッチ蒸解法)。クラフト蒸解終了後、黒液を分離し、得られたチップを高濃度離解機によって解繊後、濾布で遠心脱水と水洗浄を3回繰り返し、次いでスクリーンにより、未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価24、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.042質量%である蒸解未晒パルプを得た以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<比較例1>
(パルプの製造)
木材チップとしてダグラスファーを用い、液比4、硫化度28%、有効アルカリ11質量%(Na2Oとして)となるように調製した蒸解白液を用いて、蒸解温度165℃にて2時間クラフト蒸解を行なった(バッチ蒸解法)。クラフト蒸解終了後、黒液を分離し、得られたチップを高濃度離解機によって解繊後、濾布で遠心脱水と水洗浄を3回繰り返し、次いでスクリーンにより、未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価83、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.097質量%である蒸解未晒パルプを得た以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<比較例2>
パルプスラリー2777.8部(固形分換算100部)に、硫酸バンド1.0部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)、合成サイズ剤として荒川化学工業社製(商品名:「サイズパインMXE」)0.8部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<比較例3>
パルプスラリー2777.8部(固形分換算100部)に、硫酸バンド1.0部(対パルプ、固形分換算)、カチオン化澱粉0.3部(対パルプ、固形分換算)を順次攪拌しながら添加し、紙料を調整した以外は実施例1と同様にして未晒包装用紙を得た。得られた未晒包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
<比較例4>
(パルプの製造)
木材チップとしてダグラスファーを用い、液比4、硫化度28%、有効アルカリ17質量%(Na2Oとして)となるように調製した蒸解白液を用いて、蒸解温度175℃にて2時間クラフト蒸解を行なった(バッチ蒸解法)。クラフト蒸解終了後、黒液を分離し、得られたチップを高濃度離解機によって解繊後、濾布で遠心脱水と水洗浄を3回繰り返し、次いでスクリーンにより、未蒸解物を除き、遠心脱水してカッパー価15、ステロール類のエステル化合物の含有量が絶乾パルプ質量に対して0.019質量%である蒸解パルプを得た以外は実施例1と同様にして包装用紙を得た。得られた包装用紙の静摩擦係数、滑り傾斜角、欠点、引裂強度の結果を表1に示した。
Figure 0005729378
表1から明らかなように、本発明により得られた未晒包装用紙は抄紙段階あるいは製袋段階において未晒包装用紙の表面に防滑剤を塗布することなく滑り難いものが得られることがわかる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
本発明により、α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物と硫酸バンドをカッパー価が20〜80である未晒パルプに内添して抄紙した未晒包装用紙から製造した重袋は、欠点がなく、これに粉体製品を充填して積み重ねた場合にも滑りトラブルは発生しなかった。

Claims (7)

  1. リグノセルロース物質を蒸解した後のカッパー価が20〜80である未晒パルプに
    前記未晒パルプ100質量部に対して0.2〜2.0質量部の、α,β−不飽和カルボン酸で変性したロジン、α,β−不飽和カルボン酸で変性したロジンエステル、及びα,β−不飽和カルボン酸で変性したアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種のα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物と
    前記未晒パルプ100質量部に対して0.1〜2.0質量部の硫酸バンドとを添加し、
    抄紙して得られる未晒包装用紙。
  2. 前記α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物がロジンまたはロジンエステルをα,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物である請求項に記載の未晒包装用紙。
  3. 前記α,β−不飽和カルボン酸で変性したロジンまたはロジンエステルの添加量が、前記未晒パルプ100質量部に対して0.4〜2.0質量部である請求項に記載の未晒包装用紙。
  4. 前記α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物が、ロジン又はロジンエステル1モルに対してα,β−不飽和カルボン酸を1モル以下付加させて得られるものである請求項2または3に記載の未晒包装用紙。
  5. 前記α,β−不飽和カルボン酸がマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸から選択される1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の未晒包装用紙。
  6. 前記α,β−不飽和カルボン酸で変性した化合物が水性エマルション型である請求項1〜5のいずれか1項に記載の未晒包装用紙。
  7. 摩擦係数が0.55〜0.70の範囲にある請求項1〜6のいずれか1項に記載の未晒包装用紙。
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