JP6691445B2 - ピッチコントロール方法 - Google Patents

ピッチコントロール方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6691445B2
JP6691445B2 JP2016128196A JP2016128196A JP6691445B2 JP 6691445 B2 JP6691445 B2 JP 6691445B2 JP 2016128196 A JP2016128196 A JP 2016128196A JP 2016128196 A JP2016128196 A JP 2016128196A JP 6691445 B2 JP6691445 B2 JP 6691445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitch
pulp
paper
acid
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016128196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018003178A (ja
Inventor
裕之 大島
裕之 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miyoshi Oil and Fat Co Ltd filed Critical Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Priority to JP2016128196A priority Critical patent/JP6691445B2/ja
Publication of JP2018003178A publication Critical patent/JP2018003178A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6691445B2 publication Critical patent/JP6691445B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

本発明は、パルプまたは紙の製造工程におけるピッチ障害を抑制するためのピッチコントロール方法に関する。
ピッチは天然木材中の脂肪酸、樹脂酸、ステロール等や、パルプスラリーに添加される消泡剤、サイズ剤、湿潤紙力剤、柔軟剤等の薬剤に由来する有機物、古紙に含まれるホットメルト接着剤、ラテックス、印刷インク等を主体とする疎水性の粘着物であり、パルプおよび紙の製造における工程水中に微粒子やコロイド状で分散している。
工程水中のピッチはその表面に負電荷を持っているため通常は分散状態を保っているが、pH、温度、イオン強度などの変化によってそのコロイド状態が破壊されて、凝集、粗大化する。例えば、工程水中のカルシウムイオン、アルミニウムイオンなどにより脱水和されて凝集し、その後に凝集物が電気的反発力を失うと集まって粗大化し、その粗大凝集物が疎水界面に蓄積すると考えられている。具体的には、大きなせん断力によりピッチ同士が物理的に接触したり、急激なpH変化により填料などに使用されていた炭酸カルシウムがイオン化し、そのカルシウムイオンと反応して凝集したり、あるいは硫酸バンドの過剰添加によりアルミニウムイオンと反応して凝集したりする。
例えば、粉砕した木材を蒸解液中で高温高圧で蒸解してパルプ繊維を分離する蒸解工程や、パルプ繊維から紙を製造する抄紙工程などにおいて、パルプスラリー中に分散していたピッチが凝集、粗大化する。粗大化したピッチは、その粘着性により製造装置類や用具、例えば、洗浄機、脱水機、スクリーン、チェスト、流送配管、ファンポンプ、ロール、ワイヤー、フェルト、カンバス、白水ボックスなどに付着する。これらにピッチが付着すると、例えば、抄紙の乾燥工程において多量の蒸気が必要となったり、あるいはこの付着物が剥離してパルプや紙に再付着して不良品が発生したり、湿紙が粘着物に捕られて穴があいたりする。更には、フェルトの濾水性低下により紙切れが発生したり、プレスロールや用具からの紙離れが悪くなり断紙が発生したりする。特に抄紙機の高速化によって、プレスロールや用具からの剥離時の断紙が増加している。このようにピッチ障害はパルプまたは紙の製造工程における作業性や生産性を低下させる要因となっている。
近年、製紙資源の有効活用のためパルプ原料として古紙が多く使用されるようになり、また工程水のクローズド化が進み、工程で循環再使用される水の比率が高くなるにつれて、従来にも増してピッチ障害が大きな問題となってきている。
従来、ピッチ障害への物理的対策として、次の(1-1)〜(1-3)の方法が提案されている。
(1-1) 木材やチップのシーズニング(乾燥することで木材中の樹脂分トリグリセリドを減少させること)
(1-2) スクリーンで機械的に除去する方法
(1-3) タルク、クレーその他の多孔性無機物を原料パルプに添加し、多孔性無機物に懸濁微粒子を吸着させてピッチの粘着性と付着性を低下させ、紙に抄き込む方法
しかし、上記(1-1)の方法では、長期間でその効果が発揮されるため、広い敷地を必要とすることや、生産量の増加によって、原材やチップの確保および保管が難しくなってきている。上記(1-2)の方法は、どの工場にもあり必要な工程であるが、すべてのピッチを除去することは難しい。上記(1-3)の方法は、粘着性を減少させる目的としては効果があるが、ピッチに対する歩留まりが悪く、紙に抄き込まれなかったタルクがフェルトに堆積し濾水性不良になる懸念がある。
一方、ピッチ障害への化学的対策として、薬剤を外添する(2-1)、(2-2)の方法が提案されている。
(2-1) ピッチ可溶性有機溶剤、または界面活性剤を工程用洗浄剤として添加しピッチを溶解、分散、除去する方法
(2-2) ピッチが付着しやすい箇所に直接水溶性ポリマーや界面活性剤を噴霧し、紙製造装置表面におけるピッチ付着や堆積を抑制する方法(特許文献1等参照)
しかし、上記(2-1)、(2-2)のような外添型は、装置表面に薬剤を直接塗布するため効果が高いが、ピッチ付着箇所が後工程に移行することが多い。
また、ピッチ障害への化学的対策として、薬剤をパルプに内添する(3-1)〜(3-3)の方法が提案されている。
(3-1) パルプスラリーに特定の界面活性剤や分散剤を添加し、凝集または粗大化したピッチを可溶化分散させる方法(特許文献2等参照)
(3-2) パルプスラリーに水溶性のアニオン性ポリマーを添加することでピッチ粒子の分散を促進し、付着を抑制する方法(特許文献3、4等参照)
(3-3) パルプスラリーに水溶性のカチオン性ポリマーを添加することで分散状態のピッチ粒子を均一にパルプ繊維に定着させ、ピッチの凝集、粗大化を抑制したまま紙中に抄き込む方法(特許文献5等参照)
上記(3-1)、(3-2)の界面活性剤や分散剤または水溶性のアニオン性ポリマーによってピッチを分散させ、その凝集、粗大化を抑制する方法は、簡便で有効な方法ではあるが、系内のピッチ量の減少を伴うものではないため、何らかの原因で一旦、ピッチが凝集、粗大化すると、紙製品へのピッチ付着につながる虞がある。
上記(3-3)の方法によれば、系内にピッチ成分が濃縮、粗大化することなく、系外に排出することができる。しかし、この方法ではアニオン電荷を持つピッチ粒子の電荷中和にカチオン性ポリマーが消費され、必要添加量が多くなって過剰に添加した場合にはピッチ粒子の粗大化を促進し、斑点が発生したり、古紙中の残インクまでも定着して白色度を低下させたりするという問題がある。
以上のような点を更に改善することを目的として、水溶性のアニオン性ポリマーをパルプスラリーに添加、混合した後に、水溶性のカチオン性ポリマーをパルプスラリーに添加、混合する技術が提案されている(特許文献6、7)。この技術では、アニオン性ポリマーを添加すると、ピッチ粒子とアニオン性ポリマーとの複合体を生成し、アニオン性ポリマーの重合体中のアニオン基による静電気的な反発によって、ピッチ粒子はパルプスラリー中に安定に分散し、凝集や粗大化が抑制される。その後、カチオン性ポリマーの添加、混合によって、ピッチ粒子がカチオン性ポリマーに吸着または取り囲まれることによって、ピッチ粒子の負電荷が電気的に中和され、ピッチ粒子が凝集や粗大化することなく分散したままの状態でパルプ繊維に定着させ、均一に紙へ抄き込むことにより、製紙工程外にピッチ粒子を排出する。これにより、系内にピッチ成分が濃縮、粗大化することや、ピッチ粒子の粗大化によって紙製品の斑点が発生する等の問題の改善を図っている。
特開平4−300383号公報 特開昭59−001793号公報 特公昭59−28676号公報 特開平11−256490号公報 特開2008−115500号公報 特開平9−158076号公報 特開2005−273048号公報
しかしながら、特許文献6、7に記載の技術では、アニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーのいずれも分子量の大きい重合体を使用しており、アニオン性ポリマーを添加、混合した後、カチオン性ポリマーを添加、混合した際に、反対電荷を持つこれらの高分子同士が複合化してコンプレックスを生成し、それ自体がピッチとなる虞や、あるいは本来目的とする、アニオン性ポリマーの添加、混合によりピッチ粒子が安定に分散したままの状態でカチオン性ポリマーを添加、混合しパルプ繊維に均一に定着させる作用を、カチオン性ポリマーとコンプレックスを生成しやすいアニオン性ポリマーが阻害する虞があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、パルプまたは紙の製造工程におけるピッチ障害を改善する方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のピッチコントロール方法は、パルプまたは紙の製造工程におけるピッチ障害を抑制するためのピッチコントロール方法であって、以下の工程(A)、(B)を含むことを特徴としている:
(A)抄紙工程前におけるパルプスラリーに、分子量1000未満のアニオン性キレート剤(a)を添加、混合する工程;および
(B)工程(A)の後、前記パルプスラリーに、ポリアミノアミド系およびポリアリルアミン系から選ばれる少なくとも1種のカチオン性ポリマー(b)を添加、混合する工程。
本発明によれば、ピッチ障害を抑制するための薬剤として、分子量の小さいアニオン性キレート剤(a)を前段に使用し、このアニオン性キレート剤(a)の添加、混合によってピッチ粒子をパルプスラリー中に安定に分散し、その後、特定のカチオン性ポリマー(b)の添加、混合により、ピッチ粒子の負電荷を電気的に中和し、ピッチ粒子が凝集や粗大化することなく分散したままの状態でパルプ繊維に定着させ、均一に紙へ抄き込み製紙工程外にピッチ粒子を排出する。アニオン性キレート剤(a)は、カチオン性ポリマー(b)とコンプレックスを生成しにくく、そのためこれら同士が複合化してコンプレックスを生成しそれ自体がピッチとなることを抑制し、更に本来目的とする、アニオン性キレート剤(a)の添加、混合によりピッチ粒子が安定に分散したままの状態でカチオン性ポリマー(b)を添加、混合しパルプ繊維に均一に定着させる作用を阻害することなく、ピッチ粒子が分散したままの状態でパルプ繊維に定着させ、均一に紙へ抄き込み製紙工程外に排出することができるため、パルプおよび紙の製造工程におけるピッチ障害を改善することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明において工程(A)に使用される分子量が1000未満であるアニオン性キレート剤(a)は、複数の配位座を持つ配位子(多座配位子)による金属イオンへの配位結合性を有するキレート剤である。アニオン性キレート剤(a)は、分子量500以下が好ましく、分子量250以下がより好ましい。このような分子量範囲のアニオン性キレート剤(a)は、工程(B)において使用されるカチオン性ポリマー(b)とのコンプレックスを生成しにくく、ピッチ障害を抑制できる。
アニオン性キレート剤(a)としては、例えば、有機ホスホン酸またはその塩、ヒドロキシカルボン酸またはその塩、ポリカルボン酸またはその塩などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機ホスホン酸またはその塩としては、ホスホン酸基−P(=O)(OH)またはその塩構造を有するものであれば特に限定されず、例えば、ホスホン酸基またはその塩構造を1〜5個有するものが挙げられる。具体的には、例えば、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(分子量206)、2−ホスホン−1,2,4−トリカルボキシブタン(分子量269)、アミノトリメチレンホスホン酸(分子量296)、エチレンジアミンテトラメチルホスホン酸(分子量436)、ヘキサメチレンジアミンテトラメチルホスホン酸(分子量488)、ジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸(分子量568)やこれらの塩などが挙げられる。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸またはそのアルカリ金属塩が好ましい。
ヒドロキシカルボン酸またはその塩としては、例えば、グルコン酸(分子量196)、クエン酸(分子量192)、グリセリン酸(分子量176)、酒石酸(分子量150)、リンゴ酸(分子量134)、乳酸(分子量90)、グリコール酸(分子量76)やこれらの塩などが挙げられる。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、グルコン酸、クエン酸またはこれらのアルカリ金属塩が好ましい。
ポリカルボン酸またはその塩としては、例えば、メチルグリシン二酢酸(分子量205)、L−グルタミン酸二酢酸(分子量263)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(分子量177)、エチレンジアミン二コハク酸(分子量292)、ニトリロ三酢酸(分子量191)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(分子量306)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(分子量322)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(分子量380)、エチレンジアミン四酢酸(分子量292)、ジエチレントリアミン五酢酸(分子量393)、トリエチレンテトラミン六酢酸(分子量494)やこれらの塩などが挙げられる。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において工程(B)に使用されるカチオン性ポリマー(b)は、ポリアミノアミド系およびポリアリルアミン系から選ばれる少なくとも1種のカチオン性ポリマー(b)である。
ポリアミノアミド系のカチオン性ポリマー(b)としては、例えば、アルキレンポリアミンとアクリル酸誘導体との付加縮合物の塩が挙げられる。アルキレンポリアミンとアクリル酸誘導体との付加縮合物の塩は、モノアルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミンなどのアルキレンポリアミンと、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのアクリル酸誘導体との付加縮合物と、無機酸、有機酸などの酸との塩である。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸などが挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、乳酸などが挙げられる。無機酸塩と有機酸塩との混合物であってもよいが、腐食性、環境リスクを考慮すると有機酸塩が好ましい。
上記モノアルキレンポリアミンとしては、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。上記ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、N−メチル−3,3−イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンなどが挙げられる。これらの中でも、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンが好ましい。
上記アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルへキシルなどが挙げられる。
アルキレンポリアミンとアクリル酸誘導体との付加縮合物は、無溶媒またはトルエンなどの溶媒中で、無触媒またはアルミナなどの触媒存在下、アクリル酸誘導体へのアルキレンポリアミンのマイケル型付加反応を行い、次いでアミド縮合反応を行うことにより得られる。
アルキレンポリアミンとアクリル酸誘導体とのモル比は、例えば1:0.8〜1.2とすることができる。縮合反応の進行は脱アルコール量をもって確認することができ、アクリル酸誘導体の量に対して等モルに相当する脱アルコール量の縮合度が好ましい。
ポリアミノアミド系のカチオン性ポリマー(b)の分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、数平均分子量として1000〜100000の範囲が例示でき、コンプレックスを生成しにくいという点で、1000〜50000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。ここで数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、分子量が既知の標準物質と比較することにより求めることができる。
ポリアリルアミン系のカチオン性ポリマー(b)は、アリルアミン系モノマーを単量体の一つとして重合させた重合体である。アリルアミン系モノマーは、少なくとも1つのアリル基を有するアミンまたはその付加塩、あるいは少なくとも1つのアリル基を有するアンモニウム塩であり、例えば、モノアリルアミン、N−アルキルアリルアミン、N,N−ジアルキルアリルアミン、N,N−ジアリルアミン、N−アルキルジアリルアミンおよびこれらの付加塩や、ジメチルジアリルアンモニウムハライド、メチルエチルジアリルアンモニウムハライド、ジエチルジアリルアンモニウムハライドなどのN,N−ジアルキルジアリルアンモニウム塩などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、ポリアリルアミン系のカチオン性ポリマー(b)のうち、ポリマーのアミン部分が付加塩(無機酸もしくは有機酸の塩)であるものは、付加塩のモノマーを重合したものであってもよいが、製造方法によらず、モノマーの重合後のポリマーにおけるアミン部分が付加塩になっていればよい。例えば、モノマーを重合した後の処理によって、ポリマーにおけるアミン部分に付加塩が導入されたものであってもよい。ここで無機酸または有機酸の塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩などが挙げられる。
ポリアリルアミン系のカチオン性ポリマー(b)は、アリルアミン系モノマーと他の単量体との共重合体であってもよい。ここで他の単量体としては、アリルアミン系モノマーと重合できるものであれば特に限定されないが、例えば、二酸化硫黄や、マレイン酸、フマル酸、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミドなどの分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリアリルアミン系のカチオン性ポリマー(b)としては、例えば、アリルアミン塩酸塩重合体、アリルアミンアミド硫酸塩重合体、アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩共重合体、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩共重合体、アリルアミン塩酸塩・ジメチルアリルアミン塩酸塩共重合体、ジアリルアミン塩酸塩重合体、メチルジアリルアミン塩酸塩重合体、メチルジアリルアミンアミド硫酸塩重合体、メチルジアリルアミン酢酸塩重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体、ジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体、ジアリルアミン酢酸塩・二酸化硫黄共重合体、メチルジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジアリルアミン塩酸塩・マレイン酸共重合体、ジアリルアミンアミド硫酸塩・マレイン酸共重合体、マレイン酸・ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄共重合体などが挙げられる。
ポリアリルアミン系のカチオン性ポリマー(b)の製造方法は、特に限定されるものではないが、アリルアミン重合体の付加塩の一般的な製造方法として、例えば、モノアリルアミン付加塩を、水または極性溶媒中においてラジカル重合開始剤の存在下に重合させる方法などが知られている。
ポリアリルアミン系のカチオン性ポリマー(b)の分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、数平均分子量として1000〜100000の範囲が例示でき、コンプレックスを生成しにくいという点で、1000〜50000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。ここで数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、分子量が既知の標準物質と比較することにより求めることができる。
工程(A)において使用されるアニオン性キレート剤(a)と、工程(B)において使用されるカチオン性ポリマー(b)は、適宜に水などの溶媒で希釈した液剤としてパルプスラリーに添加してもよい。
工程(A)において使用されるアニオン性キレート剤(a)と、工程(B)において使用されるカチオン性ポリマー(b)は、これらをパルプスラリーに添加する際に、本発明の効果を損なわない範囲内において、他の添加剤を同時に添加してもよい。他の添加剤としては、例えば、これらをパルプスラリーに添加した際の溶解性、浸透性、親水性などを改善するための界面活性剤や、消泡剤、スケールコントロール剤、スライムコントロール剤、従来より使用されているピッチコントロール剤などが挙げられる。
本発明のピッチコントロール方法では、抄紙工程前におけるパルプスラリーにアニオン性キレート剤(a)を添加、混合する工程(A)の後、工程(B)として、前記パルプスラリーにカチオン性ポリマー(b)を添加、混合する。
本発明のピッチコントロール方法が対象とするのは、ピッチ障害の発生する製紙工程であり、原料や製紙方法等は特に限定されない。紙の原料パルプとして、例えば、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプなど)、機械パルプ(砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプなど)、脱墨パルプなどを単独または任意の割合で混合したものが挙げられる。また、紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよく、中質紙、中性紙、トイレットペーパー、新聞用紙、上質紙、PPC用紙、塗工原紙、微塗工紙、板紙などの製造工程に使用できる。
パルプと紙の製造工程は一般に、木材およびチップを機械力や化学薬品で処理してパルプを得るパルプ製造工程、回収古紙を離解・脱墨・水洗・漂白して脱墨パルプを得る古紙脱墨パルプ化工程、得られたパルプの洗浄・精選工程、漂白工程、各種薬品を添加して紙料を調成する調成工程、抄紙工程、湿紙水分を除去するプレス工程、そして乾燥工程などがあるが、本発明における工程(A)、(B)は、抄紙工程前の任意の箇所であってよく、各チェストやそれらをつなぐ配管内に、所要の濃度になるように、アニオン性キレート剤(a)またはカチオン性ポリマー(b)をそのまま、あるいは予め希釈したものを添加すればよい。例えば、パルプを含む工程水と接する各工程に付帯する配管、ポンプ、貯留タンクなどの設備に添加することができる。特に、パルプと紙の製造工程においてピッチ障害が発生している段階あるいはその前段階のパルプスラリーに添加するのがよい。
アニオン性キレート剤(a)とカチオン性ポリマー(b)は、例えば、製紙工程において目的に応じた性質を紙製品に与えるための設備等である、パルパー、リファイナー、原料チェスト、ミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱、ファンポンプなどのパルプスラリーに添加することができる。パルパーは、シート状のパルプや損紙を水中で細かく分散(離解)し、スラリー状にする。リファイナーは、叩解機とも呼ばれ、パルプ繊維を磨り潰して一定の長さに調節(叩解)したり、繊維を毛羽立たせたりする。原料チェストは、製造する紙製品に応じて、パルプを保留するチェストである。ミキシングチェストは、原料配合チェスト(ボックス)とも呼ばれ、複数の原料チェストから送られたパルプを均一に攪拌・混合する。マシンチェストは、最終のパルプを保留する。種箱は、ミキシングボックスとも呼ばれ、原料パルプの配合率の調整や紙製品の特徴となる薬剤を添加し、均一にする機器である。ファンポンプは、ミキシングポンプとも呼ばれ、通常、大型の渦巻きポンプでパルプを混合する。
アニオン性キレート剤(a)とカチオン性ポリマー(b)は、例えば、パルパー、リファイナーの前後、ミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱などに好ましく添加される。例えば、脱墨古紙原料、コートブローク、雑誌古紙、段ボール古紙、ブロークパルプなどの個別の原料パルプが収容された原料チェストにアニオン性キレート剤(a)を添加、混合し、その後、種々のパルプが混合されるミキシングチェスト、マシンチェスト、または種箱にカチオン性ポリマー(b)を添加、混合してもよい。また、ミキシングチェストのパルプスラリーにアニオン性キレート剤(a)を添加、混合した後、このミキシングチェストまたはその下流のマシンチェストのパルプスラリーにカチオン性ポリマー(b)を添加、混合してもよい。
アニオン性キレート剤(a)とカチオン性ポリマー(b)の添加場所は、抄紙工程前のパルプスラリーが攪拌されている場所ならば特に限定されないが、ミキシングチェスト、マシンチェストなどに添加すると、これに備えられた撹拌機で十分に混合できる。また、チェストに直接添加するだけでなく、チェストの配管入口や出口などからアニオン性キレート剤(a)またはカチオン性ポリマー(b)を添加してもよい。
本発明によれば、ピッチ障害を抑制するための薬剤として、分子量の小さいアニオン性キレート剤(a)を前段に使用し、このアニオン性キレート剤(a)の添加、混合によってピッチ粒子をパルプスラリー中に安定に分散し、凝集や粗大化が抑制される。その後、カチオン性ポリマー(b)の添加、混合により、ピッチ粒子がカチオン性ポリマー(b)に吸着または取り囲まれることによって、ピッチ粒子の負電荷が電気的に中和され、ピッチ粒子が凝集や粗大化することなく分散したままの状態でパルプ繊維に定着させ、均一に紙へ抄き込むことにより、製紙工程外にピッチ粒子を排出する。これにより、系内にピッチ成分が濃縮、粗大化することや、ピッチ粒子の粗大化によって紙製品の斑点が発生したり、古紙中の残インクまでも定着して白色度を低下させたりするという問題の改善を図ることができる。そしてアニオン性キレート剤(a)は、カチオン性ポリマー(b)とコンプレックスを生成しにくく、そのためこれら同士が複合化してコンプレックスを生成しそれ自体がピッチとなることを抑制し、更に本来目的とする、アニオン性キレート剤(a)の添加、混合によりピッチ粒子が安定に分散したままの状態でカチオン性ポリマー(b)を添加、混合しパルプ繊維に均一に定着させる作用を阻害することなく、ピッチ粒子が分散したままの状態でパルプ繊維に定着させ、均一に紙へ抄き込み製紙工程外に排出することができるため、パルプおよび紙の製造工程におけるピッチ障害を改善することができる。
例えば、抄紙工程において、脱水工程のワイヤーパートでは、パルプスラリー(紙料)に含まれる大部分の水が除去されて湿紙となる。この時点では、湿紙はまだ多くの水を含んでいるので、この湿紙をそのまま乾燥すると多量のエネルギーを必要として経済的にも不利であるため、さらにプレスパート(搾水部)において機械的なプレスにより脱水し、その後、ドライパート(乾燥部)において乾燥する。これらの工程における抄紙機回り、特に、ワイヤーパートとプレスパートとからなるウェットパートを構成する部材に付着するピッチによる汚れは、紙製造において操業効率や最終製品の品質に直接影響を及ぼし得る。例えば、抄紙の乾燥工程において多量の蒸気が必要となったり、あるいはこの付着物が剥離してパルプや紙に再付着して不良品が発生したり、湿紙が粘着物に捕られて穴があいたりする。更には、フェルトの濾水性低下により紙切れが発生したり、プレスロールや用具からの紙離れが悪くなり断紙が発生したりする。しかし本発明によれば、近年のような、製紙資源の有効活用のためパルプ原料として古紙が多く使用されるようになり、また工程水のクローズド化が進み、工程で循環再使用される水の比率が高くなっている状況下においても、ピッチ障害の改善を図ることができる。
本発明において、アニオン性キレート剤(a)およびカチオン性ポリマー(b)の添加量はそれぞれ、パルプや紙の種類、工程の条件、ピッチの発生状況などによるため、特に限定されるものではないが、乾燥パルプに対して、0.0001〜1.0質量%が好ましく、0.0001〜0.5質量%がより好ましく、0.001〜0.1質量%が特に好ましい。
本発明において、アニオン性キレート剤(a)およびカチオン性ポリマー(b)の添加量の比率が、質量比(a/b)で0.2〜10が好ましく、0.4〜2.5がより好ましい。この範囲内であると、前段の工程(A)においてパルプスラリーに添加、混合したアニオン性キレート剤(a)と、その後の工程(B)においてパルプスラリーに添加、混合したカチオン性ポリマー(b)の作用により、ピッチ障害の改善効果が顕著になる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例および比較例のa剤、b剤として次のものを用いた。
Figure 0006691445
(1)コンプレックス性
a剤とb剤とのコンプレックス性について、次の方法により評価を行った。a剤、b剤の1%水溶液を等量混合した時の溶液の状態を目視にて確認し、薬剤同士の相溶性を以下の基準により判定した。
判定基準
○:均一に溶解していて、濁りがない。
△:濁りがある。
×:粘着物の発生がある。
(2)実機試験
(2-1)試験1
雑誌古紙、新聞古紙を使用して中質紙を抄造している製紙工場で、次の実機試験を行った。この製紙工場では、パルプスラリーを調製するに際して、原料チェストから送られたパルプスラリーをミキシングチェストにおいて均一に攪拌、混合し、マシンチェストにおいて最終のパルプスラリーを保留し、ワイヤーパート、プレスパート、ドライパートを有する抄紙工程に種箱よりパルプスラリーを供給している。パルプスラリーを調製する工程ではチェストまたは白水回収ボックスなどの壁面にピッチが付着し、また時折このピッチが剥離して抄紙機に持ち込まれたり、抄紙機のワイヤーやフェルトなどにピッチが多く付着して断紙が起きたり、製品に小さな斑点が多く生じることがあり、ピッチ障害が恒常的に発生していた。また、常時、製品中の斑点の個数の測定を行い、数が一定レベル以下になるように装置の洗浄を行っていた。
この製紙工場で、パルプスラリーを収容したミキシングチェストにa剤を0.02〜0.1質量%(対乾燥パルプ)添加し、ミキシングチェストの攪拌翼でパルプスラリーと均一に混合した。
その後、このミキシングチェストの下流にある、パルプスラリーを収容したマシンチェストにb剤を0.02〜0.1質量%(対乾燥パルプ)添加し、マシンチェストの攪拌翼でパルプスラリーと均一に混合した。
なお、実施例11は、同一工程(ミキシングチェスト)でa剤を添加し、パルプスラリーと均一に混合した後、b剤を添加し、パルプスラリーと均一に混合した。
また比較例9は、b剤をミキシングチェストに添加し、パルプスラリーと均一に混合した後、a剤をその下流にあるマシンチェストに添加し、パルプスラリーと均一に混合した。
その後、抄紙工程のワイヤーパートからの白水を回収する白水回収ボックス内のピッチ付着量を目視にて確認し、ピッチの系内への堆積状況を次の基準により判定した。
判定基準
○:ピッチの付着が殆ど認められない。
△:ピッチの付着がある。
×:ピッチの付着が多い。
(2-2)試験2
試験1においてa剤、b剤をパルプスラリーに添加、混合した後、このパルプスラリーを抄紙工程に供給し、紙製品を製造した。
このとき、抄紙工程における紙製品100mあたりの斑点の個数を測定し、ピッチ凝集性を次の基準により判定した。
判定基準
○:10以下
△:11〜20
×:21以上
総合評価として、試験1、2のいずれも×評価のない場合を良とした。
各実施例、比較例における上記のコンプレックス性と実機試験の結果を表2に示す。
Figure 0006691445
表2の結果より、分子量1000未満のアニオン性キレート剤と、ポリアミノアミド系またはポリアリルアミン系のカチオン性ポリマーとはコンプレックスを生成しにくく、そして抄紙工程前におけるパルプスラリーに、分子量1000未満のアニオン性キレート剤を添加、混合し、その後、ポリアミノアミド系またはポリアリルアミン系のカチオン性ポリマーを添加、混合することにより、ピッチの系内への堆積は減少し、このパルプスラリーから得られる製品中の斑点数も減少し、ピッチ障害を改善できることが確認された。

Claims (3)

  1. パルプまたは紙の製造工程におけるピッチ障害を抑制するためのピッチコントロール方法であって、以下の工程(A)、(B)を含むピッチコントロール方法:
    (A)抄紙工程前におけるパルプスラリーに、分子量1000未満のアニオン性キレート剤(a)を添加、混合する工程;および
    (B)工程(A)の後、前記パルプスラリーに、ポリアミノアミド系およびポリアリルアミン系から選ばれる少なくとも1種のカチオン性ポリマー(b)を添加、混合する工程。
  2. アニオン性キレート剤(a)は、有機ホスホン酸またはその塩およびヒドロキシカルボン酸またはその塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のピッチコントロール方法。
  3. アニオン性キレート剤(a)およびカチオン性ポリマー(b)の添加量の比率が、質量比(a/b)で0.2〜10である、請求項1または2に記載のピッチコントロール方法。
JP2016128196A 2016-06-28 2016-06-28 ピッチコントロール方法 Active JP6691445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128196A JP6691445B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 ピッチコントロール方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128196A JP6691445B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 ピッチコントロール方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018003178A JP2018003178A (ja) 2018-01-11
JP6691445B2 true JP6691445B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=60947620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016128196A Active JP6691445B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 ピッチコントロール方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6691445B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7048047B2 (ja) * 2018-03-07 2022-04-05 ハイモ株式会社 アニオン性化合物を用いたピッチ低減方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5368694A (en) * 1992-11-25 1994-11-29 W. R. Grace & Co.-Conn. Pitch reduction on paper machine forming fabrics and press fabrics
JP3527340B2 (ja) * 1995-12-12 2004-05-17 伯東株式会社 ピッチコントロール方法
JP3837740B2 (ja) * 2002-03-08 2006-10-25 栗田工業株式会社 ピッチコントロール剤及びピッチコントロール方法
JP4151048B2 (ja) * 2002-05-24 2008-09-17 株式会社片山化学工業研究所 紙・パルプ製造工程用ピッチ抑制剤およびピッチ抑制方法
JP2004183158A (ja) * 2002-12-04 2004-07-02 Nisshin Kagaku Kenkyusho:Kk ピッチコントロール組成物およびピッチの付着抑制方法
JP4379915B2 (ja) * 2004-03-23 2009-12-09 栗田工業株式会社 ピッチコントロール方法
CN103339318B (zh) * 2011-02-15 2016-08-10 栗田工业株式会社 树脂抑制方法和树脂抑制剂
JP6774236B2 (ja) * 2016-06-28 2020-10-21 ミヨシ油脂株式会社 ピッチコントロール方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018003178A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2147149B1 (en) Methods to control organic contaminants in fibers
RU2150543C1 (ru) Способ получения водной суспензии для изготовления бумаги (вариант) и бумага
US4995944A (en) Controlling deposits on paper machine felts using cationic polymer and cationic surfactant mixture
US8486227B2 (en) Method for producing paper, paperboard and cardboard
US4643800A (en) Methods of decontaminating secondary fiber
US6303002B1 (en) Method for producing paper, pulpboard and cardboard
CA2094421C (en) Methods for controlling the deposition or organic contaminants in pulp and papermaking processes
CA1319778C (en) Controlling deposits on paper machine felts and the like
US6517682B2 (en) Process for controlling deposit of sticky material
US7029553B1 (en) Urea sulfate and urea hydrochloride in paper and pulp processing
CA2134905C (en) Silicon polyelectrolytes for pitch deposit control
JP6691445B2 (ja) ピッチコントロール方法
JP6774236B2 (ja) ピッチコントロール方法
FR3118072A1 (fr) Procede de fabrication de papier ou de carton
EP2877633A1 (en) Glycerol-based polymers for reducing deposition of organic contaminants in papermaking processes
JP4201121B2 (ja) 板紙の製造方法
CA1229702A (en) Methods of decontaminating secondary fiber
JP2002129491A (ja) 紙の汚れ抑制方法
AU2004200713B2 (en) Process for Controlling Deposit of Sticky Material
CA2250134C (en) Compositions and methods for inhibiting the deposition of organic contaminants in pulp and papermaking systems
FR3121941A1 (fr) Procede de fabrication de papier et de carton
PH26950A (en) Controlling deposits on paper machine felts using cationic polymer and cationic surfactant mixture

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6691445

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250