JP2003055891A - 製紙用ロジンエマルションサイズ剤、サイジング方法及びサイジング紙 - Google Patents

製紙用ロジンエマルションサイズ剤、サイジング方法及びサイジング紙

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JP2003055891A JP2001243225A JP2001243225A JP2003055891A JP 2003055891 A JP2003055891 A JP 2003055891A JP 2001243225 A JP2001243225 A JP 2001243225A JP 2001243225 A JP2001243225 A JP 2001243225A JP 2003055891 A JP2003055891 A JP 2003055891A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弱酸性からアルカリ性領域における抄紙にお
いて優れたサイズ効果、インクジェット適性を付与し、
かつ低発泡性であるサイズ剤を高濃度化し、かつエマル
ションの沈殿や、皮張り等が少ない製紙用ロジンエマル
ションサイズ剤を提供すること。 【解決手段】 ロジン系物質、乳化分散剤及び水からな
る製紙用エマルションサイズ剤であって、乳化分散剤
が、特定の割合で(メタ)アクリルアミド、疎水性モノ
マー、2塩基性カルボン酸基(またはその塩)含有モノマ
ーを共重合することによって得られる(メタ)アクリル
アミド系共重合体であり、連鎖移動剤の必須成分として
メルカプトプロピオン酸エステル及び/又はチオグリコ
ール酸エステルを用いていることを特徴とする。 【効果】 上記目的を達成する事が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙用ロジンエマルシ
ョンサイズ剤、サイジング方法及びサイジング紙に係わ
り、特にロジン系物質の乳化分散剤としてメルカプトプ
ロピオン酸エステル及び/又はチオグリコール酸エステ
ルを共重合成分に有する共重合体を使用することによ
り、高濃度製品を得ることを可能にするとともに、pH
5〜9での抄紙系に用いた場合に優れたサイズ効果を発
揮するのみならず、低発泡性、機械的安定性、水への分
散性及び保存安定性に優れた性能を発揮するサイズ剤、
これを用いたサイジング方法及びこのサイズ剤を含有す
る優れたインクジェット適性等を示すサイジング紙に関
する。
【0002】
【従来の技術】製紙業界では、硫酸バンドを用いたpH
6以下の酸性系抄紙法における抄紙機の腐食や紙の保存
時の劣化等の諸問題を避けるために、填料として安価な
炭酸カルシウムを用いる中性抄紙あるいはアルカリ抄紙
が広く行われている。そのためのサイズ剤としてアルキ
ルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸を水等の分
散媒に分散させたサイズ剤が挙げられるが、どちらも高
価格であるため製紙のコストアップを招くという大きな
問題点があるのみならず、抄紙系内の例えばプレスロー
ル等に汚れを発生し易いなど作業性が悪いこと、サイズ
効果の発現速度(立ち上がり)が遅いことなどの問題を
抱えている。また、これらのものはいずれも機械パルプ
のような高収率パルプに対するサイズ効果がロジン系サ
イズ剤に比べて劣るという問題もある。
【0003】このようなアルキルケテンダイマーやアル
ケニル無水コハク酸を用いるいわゆる反応性のサイズ剤
に代わって、ロジンとそのエステル類を含むロジン系物
質を用いる中性抄紙サイジング方法として、特公平3−
79840号公報に、3価ないし4価のアルコールのロ
ジンエステル化物を分散相にする水性分散液からなるサ
イズ剤を用いて抄紙することが開示されている。また、
ロジン系物質を乳化するための高分子系乳化剤として
は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸系モノマ
ーの共重合体を中和した分散剤や(メタ)アクリルアミ
ド系分散剤(特開昭56−169898号、特開平5−
125693号、特公平7−24747号、特開平8−
3894号、特開平8−337997号の各公報)等が
知られており、これらを用いてロジン系物質を水中で乳
化してサイズ剤を得ることも行われている。
【0004】ところが、特公平3−79840号公報に
記載されている3価ないし4価のアルコールのロジンエ
ステル化物を分散相とする水性分散液からなるサイズ剤
を用いて抄紙するサイジング方法は、そのサイズ剤の使
用に際して抄紙条件、特にpHを適性にコントロールし
ないときは所定のサイズ度が得られず、また、サイズ性
能が低いためサイズ剤の添加率を高くする必要があり、
サイズ剤そのもののコストが高くなるとともに、抄紙系
での発泡や汚れがひどくなるという問題がある。また、
上述のスチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸系モノ
マーの共重合体を中和した分散剤や(メタ)アクリルア
ミド系分散剤を用いてロジン系物質を乳化して得られる
サイズ剤は、いずれも乳化性、サイズ効果、低発泡性、
機械的安定性、保存安定性等に満足できない点があるの
が実情である。特に、他の分散剤に比べ、上記各公報に
記載の(メタ)アクリルアミド系分散剤は低発泡性、乳
化性に問題がある。さらに最近では、インクジェット方
式による印刷が事務機器等においてよく利用されている
が、このインクジェット方式による印刷は、染料又は顔
料を溶媒に溶解又は分散させた液をノズルから噴射して
紙に文字、図形等を印刷するものであるので、その印刷
に使用される紙には、インクジェット適性として、モノ
クロインク又はカラーインクを用いて得られる画質に要
求される適性、すなわち印字濃度が適格であること、フ
ェザリング、裏抜け、色分け印刷部分の境界ににじみが
ないこと等が要求される。そのため、普通紙ではそのイ
ンクジェット適性を満足することができず、これらを満
足するものとしていわゆるインクジェット専用紙が開発
されているが高価であることから、事務機器として一般
的に普及している複写機用に多量に販売されている複写
用紙のPPC用紙にもインクジェット方式による印刷適
性が要求されるようになってきており、PPC用紙及び
インクジェット印刷用紙の両方の適性を満たす安価な紙
の出現が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】そこで、ロジン系
物質を乳化するための有用な(メタ)アクリルアミド系
高分子分散剤についての改良がおこなわれており、例え
ば特開平10−245795号公報(本出願人による出
願)、特開平11−286889号、特開平11−32
3771号の各公報等において、乳化性、サイズ効果、
低発泡性、機械的安定性、保存安定性等に満足できるサ
イズ剤が開示されている。しかしながら、抄紙時に使用
されるサイズ剤の濃度はほぼ同じであるので、同じ製造
設備を使用した場合には、高濃度で生産することが生産
効率がよく、また、貯蔵や輸送のためにも効率的である
ので、生産や、貯蔵、輸送コストの点から、製品のサイ
ズ剤の高濃度化が要求されるようになってきており、価
格競争の激しい紙用薬品の分野では最重要の課題となっ
てきている。ところが、特に、従来の上記(メタ)アク
リルアミド系分散剤を使用したロジンエマルションサイ
ズ剤は、その濃度を45重量%以上にすると、ロジンエ
マルションサイズ剤が高粘度になってしまい、固形分が
多い割には溶媒が少なくなり、その自然の揮発によりさ
らにその固形分濃度が高まること、それにつれて流動性
も段々悪くなって対流も起こり難くなる等の理由によ
り、エマルションの表面に膜を張る、いわゆる「皮張
り」が発生し易くなるという問題点を有する。皮張りが
生じたロジンエマルションサイズ剤をそのまま使用する
と、その膜の沈降により抄紙系への添加工程においてス
トレーナーを詰まらせる等の操業上のトラブルを発生さ
せる。その皮張りが生じても、使用時のロジンエマルシ
ョンサイズ剤の希釈時にその膜が水に他の部分と一緒に
分散すれば、比較的均一な組成のサイズ剤が得られ、実
際上の問題はないようにすることができる。皮張りを発
生し難くするためには粒子径を大きくしてエマルション
粘度を低くする手法もあるが、それではロジンエマルシ
ョンサイズ剤の固形分粒子の沈降がおこりやすくなると
いう別の問題を生じる。以上のことから、皮張りがな
く、あるいはその膜が容易に水で分散され、しかも沈降
の生じないように、ロジン系物質を高濃度で乳化できる
ための(メタ)アクリルアミド系高分子分散剤の出現が
切望されている。
【0006】本発明の第1の目的は、高濃度の製紙用ロ
ジンエマルションサイズ剤でありながら、皮張りや、固
形分粒子の沈降を軽減できるサイズ剤、これを用いたサ
イジング方法及びサイジング紙を提供することにある。
本発明の第2の目的は、高濃度の製紙用ロジンエマルシ
ョンサイズ剤でありながら、保存安定性や使用時の水へ
の分散性に優れ、抄紙工程における使用時のサイズ剤自
体の機械的安定性、低発泡性に優れたサイズ剤、これを
用いたサイジング方法及びサイジング紙を提供すること
にある。本発明の第3の目的は、高濃度の製紙用ロジン
エマルションサイズ剤でありながら、特定のpHの範囲
でサイジングする場合は特に、サイズ効果、印字濃度、
フェザリング、裏抜け、境界にじみといったインクジェ
ット適性に優れるサイズ剤、それを用いたサイジング方
法及びサイジング紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、メルカプトプロピ
オン酸エステル及び/又はチオグリコール酸エステルを
共重合成分に有する(メタ)アクリルアミド系共重合体
を含有する乳化分散剤を使用すると、高濃度の製紙用ロ
ジンエマルションサイズ剤でありながら、特定のpHの
範囲でサイジングする場合は特に、優れたサイズ効果、
インクジェット適性の向上等の前記目的を達成できるこ
とを見い出し、本発明をするに至った。すなわち、本発
明は、(1)(A)ロジン系物質、(B)乳化分散剤及
び(C)水を含有する製紙用エマルションサイズ剤であ
って、(B)乳化分散剤が少なくとも下記(a)〜
(d)及び(e)のそれぞれに属する少なくとも1種の
化合物を重合して得られる(メタ)アクリルアミド系共
重合体を含有し、固形分が少なくとも50重量%である
製紙用ロジンエマルションサイズ剤を提供するものであ
る。 (a)(メタ)アクリルアミド (b)疎水性モノマー (c)カルボン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
ー (d)スルホン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
ー (e)メルカプトプロピオン酸エステル及び/又はチオ
グリコール酸エステル また、本発明は、(2)、(メタ)アクリルアミド系共
重合体が(a)50〜91.5モル%、(b)3〜15モル%、
(c)5〜30モル%、(d)0.5〜5モル%及び(e)成
分を該(a)〜(d)のモノマー100モル%に対して
0.2 〜5モル%用いて得られる共重合体である上記
(1)の製紙用ロジンエマルションサイズ剤、(3)、
(e)成分のメルカプトプロピオン酸エステルがメルカ
プトプロピオン酸2-エチルヘキシル、メルカプトプロピ
オン酸n−オクチル、メルカプトプロピオン酸ブチル及
びメルカプトプロピオン酸メトキシブチルの少なくとも
1種であり、(e)成分のチオグリコール酸エステルが
チオグリコール酸2-エチルヘキシル、チオグリコール酸
n−オクチル、チオグリコール酸ブチル及びチオグリコ
ール酸メトキシブチルの少なくとも1種である上記
(1)又は(2)の製紙用ロジンエマルションサイズ
剤、(4)、(A)ロジン系物質がロジン類、強化ロジ
ン類、ロジンエステル類及び強化ロジンエステル類から
選ばれる異なる類の少なくとも3種の混合物であって、
該混合物中にロジンエステル類及び/又は強化ロジンエ
ステル類が10〜70重量%含有されている上記(1)
ないし(3)のいずれかの製紙用ロジンエマルションサ
イズ剤、(5)、pH5.0〜9.0の領域のパルプスラ
リーに上記(1)ないし(4)のいずれかの製紙用ロジ
ンエマルションサイズ剤を添加する工程を有することに
よりサイジングした紙を得るサイジング方法、(6)、
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の製紙用ロジ
ンエマルションサイズ剤を用いてサイジングしたサイジ
ング紙を提供するものである。
【0008】本発明において、「(A)ロジン系物質」
としては、ロジン類、強化ロジン類、ロジンエステル類
及び強化ロジンエステル類の少なくとも1つの類の少な
くとも1種が挙げられる。特に、ロジン類、強化ロジン
類、ロジンエステル類及び強化ロジンエステル類から選
ばれる異なる類の少なくとも3種の混合物であって、該
混合物中にロジンエステル類及び/又は強化ロジンエス
テル類が10〜70重量%含有されていることが好まし
い。ロジン類には、ガムロジン、トール油ロジン、ウッ
ドロジンが挙げられ、さらにはこれらの各々の変性物で
ある水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、アルデ
ヒド変性ロジン等が挙げられ、これらは単独又は任意の
少なくとも2種の混合物として用いることができる。強
化ロジン類は、上記ロジン類に−C=C−C=O基含有
酸性化合物を1〜20重量%、好ましくは3〜18重量
%付加反応させたものである。この酸性化合物の代表的
な例としては、α,β−不飽和カルボン酸、その無水物
が挙げられるが、具体的にはフマル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコ
ン酸、無水シトラコン酸等のα,β−不飽和二塩基性カ
ルボン酸及びその無水物、アクリル酸及びメタクリル酸
等のα,β−不飽和一塩基性カルボン酸が挙げられ、こ
れらは単独又は少なくとも2種併用できるが、強化方法
は公知の方法で行うことができる。
【0009】ロジンエステル類は、上記ロジン類とアル
コール類、フェノール類、エポキシ化合物類等とのエス
テル化反応によって得られる反応生成物であり、完全及
び/又は部分エステル化物を含むとともに、未反応のロ
ジン類を含んでもよい。アルコール類としては、3価以
上(3価より小さくない)の多価アルコールが使用で
き、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリ
ン、ソルビトール等を例示できる。フェノール類として
は2価以上(2価より小さくない)の多価フェノール類
が使用でき、例えばヒドロキノン、ピロガロール、ビス
フェノールA等を例示できる。エポキシ化合物はオキシ
ラン環を有する化合物であり、例えばグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を例示できる。こ
れらのアルコール類、フェノール類、エポキシ化合物等
は各類少なくとも1種又は任意の少なくとも2つの類の
各類少なくとも1種を組み合わせて使用できる。ロジン
類とアルコール類、フェノール類、エポキシ化合物等と
のエステル化反応は公知の方法で行うことができ、例え
ば両者を150〜300℃で3〜30時間攪拌しながら
脱水反応を行うことによって得られる。ロジン類とアル
コール類等との反応時の仕込み割合は、ロジン類はカル
ボキシル基を基準にとり、アルコール類、フェノール類
は水酸基、エポキシ化合物はオキシラン環を2価の水酸
基と見做してその水酸基について、各々の水酸基を基準
とし、カルボキシル基に対する水酸基のモル比(−OH
/−COOH)を0.2〜1.3となるような範囲が好
ましい。モル比が0.2未満では、反応生成物に含まれ
るロジンエステル類の含有量が少なくなり、これを上記
(A)成分に使用し上記(B)成分で乳化したエマルシ
ョンを含有するサイズ剤とした場合、高いpH領域での
サイズ効果が低下することがあり、モル比が1.3を越
えると生成するロジンエステル類に遊離の水酸基が多量
に残存するため、この残存水酸基に起因してそのサイズ
剤のサイズ効果が低下することがある。
【0010】強化ロジンエステル類は、上記強化ロジン
類と同様にロジンエステル類にα,β−不飽和カルボン
酸及び/又はその無水物等を付加反応させたものである
が、その付加反応はエステル化反応前、エステル化反応
と同時、エステル化反応後のいずれの段階でもよく、こ
れらの任意の少なくとも2段階を併用してもよい。これ
を上記(A)成分に使用し上記(B)成分で乳化したエ
マルションを含有するサイズ剤とした場合、サイズ効果
の点からは、エステル化反応終了後、連続的にα,β−
不飽和カルボン酸等の付加反応を行うことが好ましい。
【0011】上記ロジンエステル類、強化ロジンエステ
ル類は、通常、アルコール類等の水酸基のすべてがロジ
ン類等のカルボキシル基とエステル化している完全エス
テル化物、その水酸基の一部がエステル化している部分
エステル化物及び未反応ロジン類等との混合物である
が、本発明においては、上記エステル化反応時の仕込み
比の範囲内であれば、これをそのまま用いてもよく、上
記ロジン類及び/又は強化ロジン類と混合して水性分散
液の分散相として用いてもよい。この際、全ロジン系物
質中のロジンエステル類及び/又は強化ロジンエステル
類の割合は10〜70重量%であることが好ましいこと
は上述した。本発明のサイズ剤において、これが10重
量%未満であると、これを上記(A)成分に使用し上記
(B)成分で乳化したエマルションを含有するサイズ剤
とした場合、中性ないしアルカリ性領域でのサイズ効果
が低下することがある。ロジン系物質として上記ロジン
類及び/又は強化ロジン類と、ロジンエステル類及び/
又は強化ロジンエステル類の混合物を本発明のサイズ剤
に用いると、このサイズ剤がpHの高い抄紙系、すなわ
ち中性ないしアルカリ性領域で使用される場合には上記
のサイズ効果の点、低発泡性の点でより好ましい。
【0012】本発明において、「(B)乳化分散剤」と
しては、上記(a)〜(e)の成分の各類少なくとも1
種を少なくとも共重合体成分に有する(メタ)アクリル
アミド系共重合体を含有する。なお、「(メタ)アクリ
ルアミド系共重合体」とは、アクリルアミド及びメタク
リルアミドの少なくとも1種を共重合体成分に有する共
重合体を意味する。「(a)(メタ)アクリルアミド」
とは、アクリルアミド及びメタクリルアミドの少なくと
も1種を意味し、アクリルアミド、メタクリルアミドの
それぞれ単独又は両者を併用することをいうが、(a)
〜(d)のモノマー全体に対するこの(a)成分の割合
は好ましくは50〜91.5モル%、さらに好ましくは
55〜91.5モル%である。50モル%未満では上記
の共重合体を含有した乳化分散剤を用いてロジン系物質
を水性媒体に乳化すると、その分散安定性、乳化性が改
善される効果の程度が少なく、91.5モル%を越える
と低発泡性、乳化性の改善される効果の程度が少なくな
る。
【0013】また、「(b)疎水性モノマー」とは、具
体的には、一般式CH2 =CR1 −COOR2 (但し、
1 は水素又はメチル基を示し、R2 は炭素数1〜18
のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸
エステル(アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸
エステルを意味し、以下、同様な化学物質名の表記に準
用する。)、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレ
ン類、これらのスチレン類の芳香環に炭素数1〜4のア
ルキル基を有するスチレン系化合物のモノマー、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ヒバリン酸ビニル、高分岐
モノカルボン酸ビニルエステル等のカルボン酸ビニルエ
ステル等が挙げられる。これらの中でも、R2 が炭素数
4〜8のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステ
ル、例えばブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アク
リレートなどやスチレン類、スチレン系化合物のモノマ
ーが好ましい。特にシクロヘキシルメタクリレートが好
ましい。これらは任意の少なくとも2種を併用すること
ができる。(b)成分の使用量は、上記(a)〜(d)
のモノマー類の合計、すなわち100モル%の内の好ま
しくは3〜15モル%、さらに好ましくは5〜15モル
%である。3モル%未満、15モル%を越えた場合には
他の(a)〜(e)が所定の範囲内であっても、これに
より得られる共重合体を含有する(B)成分でロジン系
物質を水性分散媒中で乳化しても乳化性が良くなる効果
の程度が少なく、皮張りも改善される効果の程度が少な
くなる。
【0014】「(c)カルボン酸基及び/又はその塩を
含有するモノマー」とは、カルボキシル基及びその塩の
少なくとも1個を有するモノマー類であり、一塩基性カ
ルボン酸モノマー類や、二塩基性カルボン酸モノマー類
等の多価カルボン酸モノマー類及びその塩類(多価カル
ボン酸モノマー類の場合はその一部又は全部が塩)が挙
げられ、各類単独又は任意の複数の類のそれぞれを併用
できる。一塩基性カルボン酸モノマー類としては(メ
タ)アクリル酸やクロトン酸等を例示することができ
る。二塩基性カルボン酸モノマー類としては、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等を例示する
ことができる。上記のモノマーの塩よりもカルボン酸基
含有モノマーが共重合性がよく、その共重合体を含有す
る(B)成分でロジン系物質を水性分散媒中で乳化して
得られるエマルションを含有するサイズ剤のサイズ効果
も優れるので好ましい。二塩基性カルボン酸モノマー類
を(c)成分として用いて得た上記共重合体を含有する
上記(B)によりロジン系物質を乳化したエマルション
を含有するサイズ剤は、抄紙系でのその(B)の分散剤
に起因する発泡性を大幅に低下させることができるとと
もに、特にインクジェット適性を向上させることができ
るため、その二塩基性カルボン酸モノマー類の使用が好
ましい。その中でもイタコン酸を使用したときの上記効
果が最も顕著であり、その使用が好ましい。(c)成分
の使用量は、(a)〜(d)のモノマー全体の内好まし
くは5〜30モル%、さらに好ましくは7〜30モル%
である。5モル%未満の場合には他の(a)〜(d)が
所定の範囲内であっても、これにより得られる共重合体
を含有する(B)成分でロジン系物質を水性分散媒中で
乳化しても乳化性が良くならず、皮張りも改善され難
く、インクジェット適性を十分に向上させ難いことがあ
る。また、30モル%を越えた場合にはさらにその乳化
により得られるエマルションを含有するサイズ剤の機械
的安定性が悪くなることがある。
【0015】また、「(d)スルホン酸基及び/又はそ
の塩を含有するモノマー」とは、スルホン酸基及びその
塩の少なくとも1個を有するモノマー類であり、具体的
にはスチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、
ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホ
エチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチルの硫酸エステル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシプロピルの硫酸エステル、(メ
タ)アクリル酸ポリオキシアルキレンの硫酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテルの硫酸
エステル及びこれらのナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属塩やアンモニウム塩等を例示することができ、こ
れらの中でもスチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸
のアルカリ金属塩が好ましく、中でもナトリウム塩が好
ましい。これらは少なくとも1種用いられる。(d)成
分の使用量は、(a)〜(d)のモノマー全体の内好ま
しくは0.5〜5モル%である。0.5モル%未満、5
モル%を越えた場合には他の(a)〜(d)が所定の範
囲内であっても、これにより得られる共重合体を含有す
る(B)成分でロジン系物質を水性分散媒中で乳化して
も乳化性が悪くなることがあり、その乳化により得られ
るエマルションを含有するサイズ剤の機械的安定性が悪
くなることがある。
【0016】「(e)メルカプトプロピオン酸エステル
及び/又はチオグリコール酸エステル」とは、メルカプ
トプロピオン酸エステル及びチオグリコール酸エステル
の少なくとも1種であり、エステルとしてはメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、メトシキブチル、n- オクチ
ル、2-エチルヘキシル等をあげることができる。これら
は1種又は2種以上使用してもかまわない。メルカプト
プロピオン酸エステルとしては、メルカプトプロピオン
酸2-エチルヘキシル、メルカプトプロピオン酸n- オク
チル、メルカプトプロピオン酸ブチル、メルカプトプロ
ピオン酸メトキシブチルを使用することが好ましく、チ
オグリコール酸エステルとしては、チオグリコール酸2-
エチルヘキシル、チオグリコール酸n- オクチル、チオ
グリコール酸ブチル、チオグリコール酸メトキシブチル
を使用することが好ましい。特にメルカプトプロピオン
酸2-エチルヘキシルを使用することが好ましい。その使
用量は前記(a)〜(d)のモノマーの全モルに対し、
好ましくは0.2〜5モル%、さらに好ましくは0.2
〜3モル%である。0.2モル%未満では分散剤の乳化
性を向上させたり、抄紙系での分散剤に起因する発泡を
大幅に低下させることができないことがあり、また、エ
マルションの皮張りの低減、エマルションの沈降の防止
等が出来ないことがあり、5モル%を越えると、乳化
性、機械的安定性、静置安定性が悪くなることがある。
【0017】メルカプトプロピオン酸エステル及び/又
はチオグリコール酸エステルのほかに、メルカプタン類
として、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメル
カプタン、n−オクチルメルカプタン、ステアリルメル
カプタン、チオフェノール、チオ安息香酸、チオサリチ
ル酸、ナフタレンチオール、トルエンチオール、トリメ
チロールプロパン−トリス(β−チオプロピオネー
ト)、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノー
ル、メルカプトブタノール、メルカプトグリコール、チ
オグリセリン、システアミン塩酸塩、メルカプトプロピ
オン酸(塩)、チオグリコール酸(塩)、チオ酢酸
(塩)、チオリンゴ酸等を分散剤の性能を阻害しない範
囲で併用することができる。
【0018】本願発明の効果を阻害しない限り、上記
(a)〜(e)成分のほかに支障のない範囲で加えられ
る他のモノマーとしては、例えば親水性モノマーとして
カチオン性モノマーやノニオン性モノマー、アニオン性
モノマーがあり、カチオン性モノマーとしては具体的に
はアミノアルキル(メタ)アクリレート、アミノヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル
(メタ)アクリルアミド、アミノヒドロキシルアルキル
ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルイミダゾー
ル、ジアリルアミンなどやさらにはこれらの第4級アン
モニウム塩、ノニオン性モノマーとしてヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、ビニルホルムアミド等、ア
ニオン性モノマーとしてアシッドホスホオキシエチル
(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル
(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシエチレン
グリコール(メタ)アクリレート及びこれらのナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が
挙げられ、これらは単独又は少なくとも2種を(a)〜
(d)のモノマー100モル%に対して多くても10モ
ル%であることが好ましい。
【0019】各モノマーの量が前記の範囲外では、その
範囲内のものに比べ、得られる共重合体の乳化分散力が
不十分となり、あるいは乳化分散能力がある場合でも、
エマルションの皮張り量の低下、エマルション沈降の防
止、サイズ効果、インクジェット適性、安定性、低発泡
性を改善できる程度が低く、本発明のより良い効果は得
られない。
【0020】前記の共重合体を合成するには、溶液重
合、乳化重合、分散重合及び沈澱重合などの従来公知の
方法が適用できる。例えば、溶液重合の場合、前記モノ
マーをメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコールあるいはターシャルブチルアルコール等
の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンあ
るいはジオキサンなどの有機溶剤中、あるいはこれらの
有機溶剤と水との混合液中においてラジカル重合触媒に
よって重合させ、重合終了後有機溶剤を留去することに
よって得られる。この際、重合中に生成した共重合体が
不溶化して沈澱する場合もあり(沈澱重合)、その時に
は予めポリビニルアルコール、(メタ)アクリル酸系
(共)重合体などの分散安定剤を重合系に添加しておく
ことも可能である(分散重合)。乳化重合の場合、公知
のアニオン性及び/又はノニオン性界面活性剤の存在
下、水中において上記モノマーを分散し、ラジカル重合
触媒によって重合させる。この際、界面活性剤を添加し
ない無乳化剤重合も可能である。上記重合時に公知の連
鎖移動剤が使用でき、例えば四塩化炭素、四臭化炭素、
ブロモトリクロロエタン、ブロモベンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素類、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−
ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどのア
ミン類、m−ジニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ア
ルデヒド類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン
類、アリル化合物、アントラセン、2,4−ジフェニル
−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4
−メチル−2−ペンテン、1,1,3−トリメチル−3
−フェニルインダン、クメン、ジ亜リン酸(塩)などを
挙げることができる。なお上記(塩)とはリン酸基がナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム
塩等の塩を形成してもよいことを意味する。
【0021】上記のラジカル重合触媒としては、例えば
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ムなどの過硫酸塩、これら過硫酸塩と還元剤の組合せに
よるレドックス系重合触媒、あるいは2,2'−アゾビ
スイソブチロニトリルなどのアゾ系触媒、もしくは過酸
化水素、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キシド等の有機過酸化物を挙げることができる。
【0022】得られた共重合体は、必要に応じて共重合
体中のカルボン酸を塩にすること、また、塩型のカルボ
ン酸モノマーを用いて共重合体を得ることも可能である
が、この場合、分散能力、サイズ効果、インクジェット
適性、低発泡性が悪くなることが多く、共重合体を製造
するにあたっては、共重合体中のカルボン酸を塩にしな
い、または塩型のカルボン酸基含有モノマーの使用を5
モル%以下とするか、使用しない方が好ましい。
【0023】このようにして得られる上記共重合体の形
態は、水溶液あるいは水性分散液であるが、重合時に用
いた有機溶剤が一部残存していても差し支えない。粘度
は、固形分35重量%水溶液で好ましくは100〜15
000mPa・s(但し、ブルックフィールド粘度計による
25℃における測定値)の範囲、さらに好ましくは20
0〜10000mPa・sの範囲である。この粘度が100
mPa・s以下のときにはロジン系物質に対する分散能力が
劣ることがあり、15000mPa・s以上の場合は、これ
を用いて調整したサイズ剤のエマルションの粘度が上昇
し、皮張り量が増加し、エマルションの貯蔵安定性と機
械的安定性が良くなり難いといった傾向がある。
【0024】本発明のロジンエマルションサイズ剤は、
前記共重合体、ロジン系物質を含有するものであるが、
この共重合体とロジン系物質の使用割合は、生成したエ
マルションが長期間にわたって安定であり、抄紙系に添
加するとき又は抄紙において加わる剪断力に対して安定
であり、しかもサイズ剤としての効果を十分に発揮する
範囲にすることが好ましく、その観点から、共重合体は
全固形分に対して1〜15重量%、好ましくは3〜7重
量%の範囲である。1重量%未満では分散能力が十分で
はないことがあり、また安定性も悪いことがある。ま
た、15重量%を越えて使用するとエマルションの粘度
と皮張り量の増加、抄紙系での発泡が多くなるといった
傾向があるとともにコストアップにもつながる。このよ
うに前記共重合体を使用することにより、全固形分濃度
を少なくとも50重量%(50重量%以上)、あるいは
50重量%より大きく、例えば50重量%より大きく、
55重量%以下又は60重量%以下とすることもでき
る。
【0025】本発明のサイズ剤の調製方法は、特に限定
されないが、例えば特公昭54−36242号公報に記
載されているように、前記ロジン系物質を予め油溶性の
溶剤に溶かした溶液と上記共重合体及び水を混合し、ホ
モジナイザー処理した後、溶剤を留去し、水中油型エマ
ルションを製造するいわゆる溶剤法、特公昭53−32
380号公報に記載されているように、溶融した上記ロ
ジン系物質を高温高圧下で上記共重合体成分と水とを混
合し、ホモジナイザーを通して水中油型エマルションを
製造するいわゆるメカニカル法、特開昭52−7720
6号公報に記載されているように、溶融した上記ロジン
系物質に上記共重合体と一部の水を高圧下で混合しさら
に水を加えて油中水型エマルションを形成し、反転水を
添加し水中油型エマルションに相転移させるいわゆる転
相法が用いられる。また、特開平10-226981号公報に記
載されているような高剪断型回転式乳化分散機を用いて
水中油型エマルションを形成するメカニカル法も用いら
れる。
【0026】上記(B)成分に含有される上記共重合体
は上記(A)成分のロジン系物質を水に分散させる能力
に富んでいるので、(A)成分を(B)成分により水性
媒体に乳化分散させてロジンエマルションサイズ剤を調
製するにあたっては、上記の溶剤法、メカニカル法、転
相法いずれを採用することができるが、公知の界面活性
剤または高分子系共重合体を本発明の分散剤の効果を害
しない範囲、例えばロジン系物質に対して0.1〜5.
0重量%の範囲で併用することもできる。併用可能な界
面活性剤として、カチオン性のものは、アルキルアミン
塩およびその四級化物、ポリオキシアルキレンアルキル
アミンエーテルなどが挙げられる。ノニオン性のもの
は、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン系各種乳化
剤、ポリオキシアルキレン系ブロック共重合物、ポリオ
キシアルキレン付加ロジンエステル類などが挙げられ
る。アニオン性のものは、ロジン及び強化ロジンのアル
カリ中和塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキ
シアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキ
ル硫酸塩、ナフタレン系スルホン酸塩、ASAのアルカ
リ塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、
スルホコハク酸塩などがある。併用可能な高分子系共重
合体として、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸
系モノマーの共重合体を中和した分散剤や(メタ)アク
リルアミド系共重合体である分散剤などが挙げられる。
【0027】本発明のロジンエマルションサイズ剤の粘
度は、好ましくは100mPa・s以下、さらに好まし
くは60mPa・s以下である。本発明のロジンエマル
ションサイズ剤の平均粒子径(重量基準粒径分布におけ
る累積50%径)は好ましくは1μm以下、さらに好ま
しくは0.3〜0.6μmである。1μmを越える粒径
の場合、保存中に沈澱物を生じやすく、また機械的安定
性が劣る傾向がある。0.3μm以下の場合にはエマル
ションの粘度と皮張り量の増加、サイズ効果の低下、発
泡量の増加等が見られる。平均粒子径は例えばレーザ回
折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所
社製)で測定できる。
【0028】本発明のサイジング方法は、製紙用ロジン
エマルションを例えば抄造時のウエット・エンド部に添
加することにより実施される。具体的には、本発明のサ
イズ剤をパルプの水性分散液にそのパルプの乾燥重量に
対して0.02〜10固形分重量%、好ましくは0.0
5〜5固形分重量%添加する。その添加時のパルプスラ
リーのpHは5.0〜9.0の弱酸性ないしアルカリ性
の領域で好ましく用いられるが、その他の領域でも用い
られる。
【0029】本発明により得られる製紙用ロジンエマル
ションを適用して得られる紙は特に制限されず、各種の
紙及び板紙に適用できる。紙の種類としては、PPC用
紙、インクジェット用紙、レーザープリンター用紙、フ
ォーム用紙、熱転写紙、感熱記録原紙、感圧記録原紙等
の記録用紙または原紙、アート紙、キャストコート紙、
上質コート紙等のコート原紙、クラフト紙、純白ロール
紙等の包装用紙、その他、ノート用紙、書籍用紙、印刷
用紙、新聞用紙、写真用印画紙等の各種紙(洋紙)、マ
ニラボール、白ボール、チップボール等の紙器用板紙及
びライナー、石膏ボード原紙等の板紙があげられる。ま
た表面サイズ剤としても使用でき、この場合、予め抄造
された湿紙に噴霧、浸漬、塗布等の慣用方法で適用され
る。
【0030】上記種々の紙又は板紙を製造するにあたっ
て、パルプ原料としては、クラフトパルプあるいはサル
ファイトパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、砕木
パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプな
どの晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古
紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙などの古紙パルプの
いずれも使用することができる。
【0031】填料、染料、硫酸アルミニウム、乾燥紙力
向上剤、湿潤紙力向上剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤
などの添加物も、各々の紙種に要求される物性を発現す
るために、必要に応じて使用してよい。填料としては、
主として重質又は軽質炭酸カルシウムが使用されるが、
クレー、タルクも使用され、これらは併用しても良い。
乾燥紙力向上剤としては、アニオン性ポリアクリルアミ
ド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリル
アミド、カチオン化澱粉、両性澱粉等が挙げられ、これ
らは単独あるいは併用しても良い。湿潤紙力向上剤とし
ては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂等が挙げら
れ、これらは単独あるいはアニオン性ポリアクリルアミ
ドと併用しても良い。歩留り向上剤としては、アニオン
性又はカチオン性高分子量ポリアクリルアミド、シリカ
ゾルとカチオン化澱粉の併用、ベントナイトとカチオン
性高分子量ポリアクリルアミドの併用等が挙げられる。
また、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレ
ードコーター、キャレンダーなどで、澱粉、ポリビニル
アルコール、染料、コーティングカラー、表面サイズ
剤、防滑剤などを必要に応じて塗布しても良い。
【0032】
【発明の実施の形態】詳細は以下の実施例により説明す
るが、その実施例を総括し同効の範囲まで拡大した実施
の形態として、アクリルアミド63〜84モル%、疎水
性モノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、t−ブチルメタクリレートのそれぞれあるいはこれ
らの少なくとも2種を5〜15モル%、カルボン酸含有
モノマーとしてイタコン酸、メタクリル酸、無水マレイ
ン酸のそれぞれあるいはこれらの少なくとも2種を10
〜20モル%、スルホン酸基含有モノマーとしてビニル
スルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、メタリルスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸のそれぞれあるいは
これらの少なくとも2種を1〜2モル%の合計100モ
ル%に対して、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、
チオグリコール酸n−オクチル、メルカプトプロピオン
酸2−エチルヘキシル、メルカプトプロピオン酸n−オ
クチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチルのそれ
ぞれあるいはこれらの少なくとも2種を0.2〜5モル
%、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプ
タン、2−メルカプトエタノールの少なくとも1種を併
用しあるいは併用しないで水性媒体(水と水に溶ける有
機溶剤の混合液)中、40〜100℃で重合させる。こ
のようにして得られた共重合体溶液(35重量%液)の
15〜20重量部により、ロジン系物質としてのガムロ
ジンのフマル酸強化物(強化度5〜15%)100重量
部、ガムロジンの無水マレイン酸強化物(強化度5〜1
5%)とロジンエステル化物を重量比で90:10〜4
0:60の合計100重量部、強化ロジンエステル化物
100重量部、ガムロジンの無水マレイン酸強化物と強
化ロジンエステル化物を重量比で20:80〜40:6
0の合計100重量部のそれぞれを水性分散媒(水)に
転相法又はメカニカル法で乳化分散し、固形分50〜5
5重量%、平均粒子径0.30〜0.50μm、粘度1
0〜70mPa・sのロジンエマルションを得、これを
サイズ剤とする。このサイズ剤では、皮張りは○〜◎、
静置安定性は1mm未満、機械的安定性は0.5〜1.
0%、泡立ち性は0〜50%、再分散性は4〜5とする
ことができ、皮張り改善性、機械的安定性、低泡立ち
性、再分散性で特に好ましいのは(c)成分にイタコン
酸を用いた場合である。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明の内容
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの内容に
何ら限定されるものではない。尚、各例中、部及び%は
特記しない限りすべて重量基準である。
【0034】共重合体溶液の製造例1(実施例用共重合
体溶液(A−1)の製造) 攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備え
た4つ口フラスコに50%アクリルアミド水溶液40
7.8部(75モル%)、シクロヘキシルメタクリレー
ト(疎水性モノマー)51.5部(8モル%)、メタク
リル酸(カルボン酸基含有モノマー)61.7部(15
モル%)、スチレンスルホン酸ナトリウム(スルホン酸
基含有モノマー)17.9部(2モル%)、イオン交換
水247.9部、イソプロピルアルコール350.4
部、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルを2
5.1部(3モル%(前4者の100モル%に対するモ
ル%、以下、メルカプトプロピオン酸エステル及び/又
はチオグリコール酸エステルその他のメルカプタン類は
前4者に対応する100モル%に対するモル%で表記)
を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガス雰囲気下
で、60℃まで昇温した。重合開始剤としてAIBN
(アゾビスイソブチロニトリル)を4.4部を加え、8
0℃まで昇温し、3時間保持した。次いでイソプロピル
アルコールの留去を行い、イオン交換水を加えて固形分
濃度35%、粘度3000ミリパスカルセコンド(mPa・
s)の共重合体溶液(A−1)を製造した。なお、粘度
の測定にはブルックフィールド型粘度計を用い、25℃
で測定した(以下、粘度の測定条件は同じ)。共重合体
溶液(A−1)をそのまま乳化分散剤とする。
【0035】共重合体溶液の製造例2〜17(実施例用
共重合体溶液(A−2)〜(A−17)の製造)、共重
合体の製造例18〜21、23、25(比較例用共重合
体溶液(A−18) 〜(A−21)、(A−23)、
(A−25)の製造) 上記共重合体溶液の製造例1において、アクリルアミ
ド、カルボン酸基含有モノマー、疎水性モノマー、スル
ホン酸基含有モノマー、メルカプトプロピオン酸エステ
ル及び/又はチオグリコール酸エステル、その他のメル
カプタン類の配合組成を表1、2に示す通りに変更した
以外は同様の方法で反応を行い、それぞれ固形分35%
の共重合体溶液である乳化分散剤を得た。
【0036】共重合体溶液の製造例22(比較例用共重
合体溶液(A−22)の製造) 攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備え
た4つ口フラスコに界面活性剤Newcol210 (日本乳化剤
社製)1.00部、スチレン90部(40モル%)、アルフ
ァメチルスチレン14部(5モル%)、メタクリル酸メ
チル22部(10モル%)、メタクリル酸105部(4
5モル%)、イオン交換水595部、n−ドデシルメル
カプタン(その他のメルカプタン類)4.6部(1モル
%)を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガス雰囲
気下で、60℃まで昇温した。重合開始剤としてAPS
(過硫酸アンモニウム)を13.1部加え、90℃まで昇
温し、2時間保持した。次いで25%水酸化ナトリウム
水溶液156.9部を加え、メタクリル酸の中和を行
い、固形分濃度25%、粘度50ミリパスカルセコンド
(mPa・s)の共重合体溶液(A−22)である乳化分散
剤を製造した。
【0037】共重合体溶液の製造例24(比較例用共重
合体溶液(A−24)の製造) 攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備え
た4つ口フラスコに50%アクリルアミド水溶液51.
1部(75モル%)、スチレン6部(6モル%)、イタ
コン酸20部(16モル%)、ポリオキシエチレンアル
キルプロペニルエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩
22.9部(3モル%)、エチルアルコール230部を
仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガス雰囲気下
で、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニ
トリル)を3部加え、80℃まで昇温し4時間保持し、
重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリ
ル)を1部加え、さらに3時間保持した。イオン交換水
150部を加えて、エチルアルコールの留去を行った。
固形分濃度20%、重量平均分子量60000の共重合
体溶液(A−24)である乳化分散剤を製造した。上記
共重合体溶液(A−1)〜(A−25)の組成、性状を
表1、2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】ロジン系物質の製造例1(ガムロジンのフ
マル酸強化物(C)の製造例) 約200℃の溶融状態にあるガムロジン920部にフマ
ル酸80部を徐々に加えて、同温度で3時間加熱加温
し、ガムロジンのフマル酸強化物(C)を得た。この強
化物の強化度(フマル酸の付加率)は8%であった。
【0041】ロジン系物質の製造例2(ガムロジンの無
水マレイン酸強化物(D)の製造例)約200℃の溶融状
態にあるガムロジン890部に無水マレイン酸110部
を徐々に加えて、同温度で3時間加熱保温し、ガムロジ
ンの無水マレイン酸強化物(D)を得た。この強化物の
強化度(無水マレイン酸の付加率)は11%であった。
【0042】ロジン系物質の製造例3(ロジンエステル
化物(E)の製造例) 攪拌機、温度計、窒素導入管、分水器及び冷却器を備え
たフラスコに、酸価170のガムロジン600部とグリ
セリン56部(仕込みモル比−OH/−COOH=1.
0)を仕込み、窒素気流下270℃まで加熱し、攪拌
下、同温度で15時間反応させ、酸化13のロジンエス
テル化物(E)を得た。
【0043】ロジン系物質の製造例4(ロジンエステル
の無水マレイン酸強化物(F)の製造例) 上記ロジン系物質の製造例3において、ガムロジン60
0部とグリセリン45部の仕込み割合(仕込みモル比−
OH/−COOH=0.8)にする以外は同様にして酸
価36のロジンエステル化物を得た。ついで、このロジ
ンエステル化物485部を200℃にして後、攪拌下、
無水マレイン酸15部を加え、同温度で3時間加熱し、
ロジンエステルの無水マレイン酸強化物(F)を得た。
この強化ロジンエステル化物の強化度(無水マレイン酸
の付加率)は3%であった。
【0044】実施例1(ロジンエマルションサイズ剤の
製造例1) 上記ガムロジンの無水マレイン酸強化物(D)40部と上
記ロジンエステル化物(E)60部を約150℃に加熱
溶融し、攪拌しながら上記共重合体溶液(A−1)(固
形分濃度35%)の乳化分散剤16.6部を添加混合
し、さらに熱水を加えながら転相させ油中水型のエマル
ションとし、これにさらに熱水を素早く添加して安定な
水中油型エマルションとした後、室温まで冷却した。か
くして得られたエマルションの固形分濃度50%、エマ
ルション粘度70mPa・s、平均粒子径は0.47μmで
あった。なお、粘度の測定にはブルックフィールド型粘
度計を用い、25℃で測定した(以下、粘度の測定条件
は同じ)。平均粒子径はメジアン径でであり、レーザー
回折/散乱式粒度分布装置(LA−910)(堀場製作
所社製)で測定した(以下、粒子径の測定条件は同
じ)。
【0045】実施例2〜19(ロジンエマルションサイ
ズ剤の製造例2〜19)、比較例1〜8(比較例用ロジ
ンエマルションサイズ剤の製造例1〜8) 実施例1において、共重合体溶液と、ガムロジン(B)、
ガムロジンのフマル酸強化物(C)、ガムロジンの無水
マレイン酸強化物(D)、ロジンエステル化物(E)、強化ロ
ジンエステル(F)について、それぞれを表3、4に示し
た組成比で用いたこと以外は同様にして、それぞれ固形
分濃度50%のロジンエマルションサイズ剤を製造し
た。なお、比較例7、8はクリーム状になり、サイズ効
果等を評価するのに適さなかったため評価を行なわなか
った。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】上記実施例、比較例で得られたロジンエマ
ルションサイズ剤について以下の試験を行った。 手抄き試験1 400mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1
である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに
対パルプ2%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多
摩工業社製;TP121S)を添加した。これに、対パ
ルプ1%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ0.
5%(絶乾重量基準)の両性デンプン(王子ナショナル
社製;Cato3210)及び対パルプ0.35%(絶
乾重量基準)の前記実施例、比較例のそれぞれのロジン
エマルションサイズ剤を順次に添加した後、pH7.5
の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希
釈した。その後、希釈したパルプスラリーに対パルプ5
%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業社
製;TP121S)、対パルプ3%(絶乾重量基準)の
タルク(日本タルク社製; NDタルク)、対パルプ0.
01%(絶乾重量基準)の歩留り向上剤(ハイモ社製;
NR12MLS)を添加し、ノーブルアンドウッド抄紙
機で、坪量65g/m2 となるように抄紙した。尚、こ
の時の抄紙pHは7.5であった。湿紙の乾燥は、ドラ
ムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条件で行っ
た。得られた試験紙を恒温恒湿(23℃、50%相対湿
度)環境下で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度
を測定した。その結果を表5、6に示す。
【0049】手抄き試験2 段ボール古紙(フィラー12%含有)をパルプ濃度2.
5%になる量の硬度100ppmの希釈用水で、ビータ
ーを用いて350mlカナディアン・スタンダード・フ
リーネスまで叩解した。これに対パルプ1%(絶乾重量
基準)の硫酸バンド、対パルプ0.2%(絶乾重量基
準)のカチオン性ポリアクリルアミド(日本PMC社
製:DS470)、及び対パルプ0.2%(絶乾重量基
準)の前記実施例、比較例の一部のロジンエマルション
サイズ剤を順次添加した後、pH6.5の希釈水でこの
パルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。その
後、ノーブルアンドウッド抄紙機で、坪量80g/m2
となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは6.8
であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて1
00℃で80秒間の条件で行った。得られた試験紙を恒
温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調
湿した後、ステキヒトサイズ度を測定した。その結果を
表5、6に示す。
【0050】泡立ち性試験1 400mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対1
である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これに
対パルプ2%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多
摩工業社製;TP121S)、対パルプ1%(絶乾重量
基準)の硫酸バンド、対パルプ0.5%(絶乾重量基
準)の両性デンプン(王子ナショナル社製;Cato3
210)及び対パルプ4.0%(絶乾重量基準)の前記
実施例、比較例のそれぞれのロジンエマルションサイズ
剤を順次に添加した後、pH7.5、40℃の希釈水で
このパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈し、円筒
型の容器にいれた。その後、希釈したパルプスラリーに
対パルプ5%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多
摩工業社製;TP121S)、対パルプ3%(絶乾重量
基準)のタルク日本タルク社製; NDタルク)および対
パルプ0.01%の歩留り向上剤(ハイモ社製;NR1
2MLS)を添加した後、このパルプスラリーをポンプ
で循環してこれを50cmの高さから容器中に落下さ
せ、5分後の液面に蓄積する泡の面積を、液面全体面積
に対する百分率で表した。またその時のパルプスラリー
のpHは7.9であった。得られた結果を表5、6に示
す。
【0051】泡立ち性試験2 段ボール古紙(フィラー12%含有)をパルプ濃度2.
5%になる量の硬度100ppmの希釈用水で、ビータ
ーを用いて350mlカナディアン・スタンダード・フ
リーネスまで叩解した。これに対パルプ1%(絶乾重量
基準)の硫酸バンド、対パルプ0.2%(絶乾重量基
準)のカチオン性ポリアクリルアミド(日本PMC社
製:DS470)、及び対パルプ1.5%(絶乾重量基
準)の前記実施例、比較例の一部のロジンエマルション
サイズ剤を順次添加した後、pH6.5、40℃の希釈
水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈し
た。その後、このパルプスラリーをポンプで循環してこ
れを50cmの高さから容器中に落下させ、5分後の液
面に蓄積する泡の面積を、液面全体面積に対する百分率
で表した。またその時のパルプスラリーのpHは7.3で
あった。得られた結果を表5、6に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】エマルションの皮張り生成試験 前記実施例、比較例の各ロジンエマルションサイズ剤5
0gをサンプル瓶(ガラス瓶)にとり、密閉しない状態
で、温度25℃、1週間保存した。生成した皮張り物の
量を目視して皮張り生成量が最も少ないものから◎、
○、△、×、××とする5段階評価を行なった。通常の
使用に耐えうる皮張りの生成量の評価は○以上である。
その結果を表5、6に示す。
【0055】エマルションの皮張りの水に対する分散性
試験 前記実施例、比較例の各ロジンエマルションサイズ剤5
0gをサンプル瓶(ガラス瓶)にとり、密閉した状態
で、温度25℃、2週間保存した。サンプル瓶の壁に付
着した皮張りが、水洗にて容易に洗い落とせ水に分散す
る場合を○、スパチュラ等で皮張り物を破砕すれば容易
に水に分散する場合を△、容易には水に分散しない場合
を×とする3段階評価で行った。○の場合は皮張りが粒
子に分かれて水に再度分散し、残部の本体のロジンエマ
ルションサイズ剤に混ぜて使用可能である。結果を表
5、6に示す。
【0056】静置安定性試験 長さ30cm、内径2.1cmの試験管に100mlの
前記実施例、比較例のロジンエマルションサイズ剤を入
れ、室温で2ヶ月静置後、底部に沈澱した沈澱物の高さ
(mm)を測定した。その結果を表5、6に示す。
【0057】機械的安定性試験 前記実施例、比較例の各ロジンエマルションサイズ剤5
0gをカップに入れ、温度25℃、荷重20Kg、回転
数800rpmにて5分間マーロン式安定性試験を行っ
た。生成した凝集物を325メッシュ金網にてろ過して
全固形分に対する析出量を測定し百分率で表した。その
結果を表5、6に示す。
【0058】インクジェット適性試験 上記手抄き試験1、2で、前記実施例、比較例のサイズ
剤を用いて抄紙して得られたサイジング紙をカレンダー
処理した後、恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境
下で24時間以上調湿を行った後、試験紙とし、これに
キャノン(株)製バブルジェットプリンター(BJ−2
20JCII) を用いて以下の方法で試験を行ない、その
結果を表5、6に示す。 印字濃度試験 試験紙にベタ印刷をし、ベタ部分の印字濃度をマクベス
インク濃度計で測定した。数値が大きいほど印字濃度が
高いことを示す。 フェザリング試験 試験紙に直交する線幅一定の直線及び文字を印字し、目
視にて直線及び文字の外縁のにじみを5段階で評価し
た。フェザリングの全くないものを5とし、インクがに
じんでしまって文字の判別がつかないものを1とした。
通常の使用に耐えうる印字品質としては、4以上であ
る。 裏抜け試験 試験紙にベタ印刷をし、ベタ印字部分裏側のインクのに
じみ程度を目視にて5段階で評価した。裏にインクがに
じんでいないものを5とし、ベタ部分が完全に裏抜けし
たものを1とした。通常の使用に耐えうる印字品質とし
ては、4以上である。
【0059】比較例用共重合体溶液A−18〜A−20
は実施例用共重合体溶液A−3〜A−11、A−17と
モノマー組成(a)〜(d)は同組成であり、比較例用
共重合体溶液A−22は実施例用共重合体溶液A−12
とモノマー組成(a)〜(d)は同じであるが、いずれ
も比較例用共重合体はメルカプタン類としてメルカプト
プロピオン酸エステル及び/又はチオグリコール酸エス
テルの成分を使用していない。また、比較例用共重合体
溶液A−22の共重合体においては、(メタ)アクリル
アミドモノマー、スルホン酸基含有モノマーが共重合成
分とされていない。比較例6は特開平10-245795号公報
に記載の実施例9のサイズ剤の固形分濃度を45%から
50%になるようにしたものであり、比較例7は特開平
11-286889号公報に記載の実施例7のサイズ剤の固形分
濃度を45%から50%になるようにしたものであり、
比較例8は特開平11-323771号公報に記載の実施例7の
サイズ剤の固形分濃度を45%から50%になるように
したものに相当するものである。比較例1〜8の乳化分
散剤はいずれも上記(a)〜(e)成分の種類と各成分
の所定割合の少なくとも1つを欠いている。
【0060】比較例1〜4のロジンエマルションサイズ
剤では高濃度化したエマルションの性状(皮張り量、皮
張りの水に対する分散性、エマルションの固形分粒子の
沈降)に問題があり、比較例5のロジンエマルションサ
イズ剤ではサイズ性能に劣る。実施例ではいずれも、固
形分濃度が50%以上であるにもかかわらず、静置安定
性に問題なく、エマルション粘度も100mPa・s以
下と実用上問題のないエマルションの粘度を示してい
る。しかし、比較例では、乳化分散力の足りない場合
は、エマルションの粒子径が0.50μmを越えてお
り、静置安定性に問題があり(比較例2,4)、乳化分
散力が十分な場合は、エマルション粘度が高く、固形分
50%で、エマルション粘度が100mPa・sを越え
ており、皮張り量が多く、皮張り物の水に対する分散性
が乏しく、実用上の取り扱いに問題を生じる(比較例
1,3)。そのため、これら比較例においては、エマル
ションの粘度、静置安定性ともに、実用上問題のないレ
ベルにするためには、固形分濃度を45%とするととも
に、乳化分散力を高めるため、共重合体の使用量を増加
しなければならない(比較例6〜8(比較例7、8は固
形分濃度を50%にするとクリーム状となり、実用的で
なかった。)。サイズ性能においても実施例の方が比較
例より若干優れる。また実施例1〜19 を用いて手すき
抄紙を行ったサイジング紙は、いずれの場合もインクジ
ェット適性は実用性がある。スチレン、メタクリル酸か
らなる共重合体溶液(A−22)を用いた比較例5で
は、エマルションの粘度等、性状的には問題ないもの
の、手すき抄紙において、実施例と比較すると、実施例
がサイズ効果で上回る。また、インクジェット適性も実
施例が上回る。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、特にモノマー組成を変
更しなくても、メルカプトプロピオン酸エステル及び/
又はチオグリコール酸エステルを用いる事で、共重合体
の乳化力を向上させ、またエマルション粘度の低下が可
能となり、高濃度化を行った製紙用ロジンエマルション
サイズ剤を提供する事が出来る。また、保存安定性に優
れ、皮張りの生成量が少なく、また、皮張りの水に対す
る分散性に優れ、抄紙工程における使用時のサイズ剤自
体の機械的安定性、低発泡性に優れ、抄紙系での発泡や
汚れが少なく、弱酸性から中性抄紙系でのサイズ効果、
あるいは印字濃度、フェザリング、裏抜け、境界にじみ
に関するインクジェット適性が従来のサイズ剤と同等以
上の効果を示すサイズ剤、これを用いたサイジング紙及
びサイジング方法を提供する事が出来る。また、PPC
用紙及びインクジェット印刷用紙の両方の適性を満たす
紙が得られるサイズ剤、それを用いたサイジング方法及
びサイジング紙を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AF02W BG13X DE026 GK04 HA07 4L055 AA02 AA03 AC06 AG36 AG50 AG71 AG72 AG89 AH09 AH11 EA25 EA31 EA32 FA30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ロジン系物質、(B)乳化分散剤及
    び(C)水を含有する製紙用エマルションサイズ剤であ
    って、(B)乳化分散剤が少なくとも下記(a)〜
    (d)及び(e)のそれぞれに属する少なくとも1種の
    化合物を重合して得られる(メタ)アクリルアミド系共
    重合体を含有し、固形分が少なくとも50重量%である
    製紙用ロジンエマルションサイズ剤。 (a)(メタ)アクリルアミド (b)疎水性モノマー (c)カルボン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
    ー (d)スルホン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
    ー (e)メルカプトプロピオン酸エステル及び/又はチオ
    グリコール酸エステル
  2. 【請求項2】(メタ)アクリルアミド系共重合体が
    (a)50〜91.5モル%、(b)3〜15モル%、(c)5〜
    30モル%、(d)0.5〜5モル%及び(e)成分を該
    (a)〜(d)のモノマー100モル%に対して0.2 〜
    5モル%用いて得られる共重合体である請求項1に記載
    の製紙用ロジンエマルションサイズ剤。
  3. 【請求項3】(e)メルカプトプロピオン酸エステルが
    メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシル、メルカプト
    プロピオン酸n−オクチル、メルカプトプロピオン酸ブ
    チル及びメルカプトプロピオン酸メトキシブチルの少な
    くとも1種であり、チオグリコール酸エステルがチオグ
    リコール酸2-エチルヘキシル、チオグリコール酸n−オ
    クチル、チオグリコール酸ブチル及びチオグリコール酸
    メトキシブチルの少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の製紙用ロジンエマルションサ
    イズ剤。
  4. 【請求項4】(A)ロジン系物質がロジン類、強化ロジ
    ン類、ロジンエステル類及び強化ロジンエステル類から
    選ばれる類を異にした少なくとも3種の混合物であっ
    て、該混合物中にロジンエステル類及び/又は強化ロジ
    ンエステル類が10〜70重量%含有されている請求項
    1ないし3のいずれかに記載の製紙用ロジンエマルショ
    ンサイズ剤。
  5. 【請求項5】 pH5.0〜9.0の領域のパルプスラリ
    ーに請求項1ないし4のいずれかに記載された製紙用ロ
    ジンエマルションサイズ剤を添加する工程を有すること
    によりサイジングした紙を得るサイジング方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の製
    紙用ロジンエマルションサイズ剤を用いてサイジングし
    たサイジング紙。
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