JPH10245795A - 製紙用ロジンエマルションサイズ剤、サイジング紙及びサイジング方法 - Google Patents

製紙用ロジンエマルションサイズ剤、サイジング紙及びサイジング方法

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JPH10245795A
JPH10245795A JP9061762A JP6176297A JPH10245795A JP H10245795 A JPH10245795 A JP H10245795A JP 9061762 A JP9061762 A JP 9061762A JP 6176297 A JP6176297 A JP 6176297A JP H10245795 A JPH10245795 A JP H10245795A
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聖一 日下
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誠 白石
Toshiharu Okinaga
俊治 沖永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】pHの厳密なコントロールがなく、添加率を高く
しなくても所定のサイズ度が得られ、コスト高になら
ず、抄紙系での発泡や汚れが少なく、乳化性、サイズ効
果、低発泡性、機械的安定性、保存安定性に満足でき、
PPC用紙及びインクジェット印刷用紙の両方の適性を
満たす紙が得られるサイズ剤等を提供する。 【構成】 ロジン系物質と、乳化分散剤を含有し、乳化
分散剤が(a)アクリルアミド及びメタクリルアミドの
少なくとも1種、(b)疎水性モノマー、(c)カルボ
ン酸基及び/又はその塩を含有するモノマー、(d)ス
ルホン酸基及び/又はその塩を含有するモノマーの所定
割合からなる(a)〜(c)又は(a)〜(d)の10
0モル%に対して、(e)水溶性メルカプタン類及び
(f)水難溶性メルカプタン類を0.2〜3モル%含有
させて重合させた共重合体を含有するロジンエマルショ
ンサイズ剤、これを用いたサイジング紙、サイジング方
法。 【効果】 上記目的を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にロジン系物質の乳
化分散剤として特定の共重合体を使用することにより、
弱酸性からアルカリ性領域までの抄紙系において優れた
サイズ効果を示すとともに、低発泡性、機械的安定性、
再分散性及び保存安定性を有するサイズ剤、これを用い
て得られる優れたインクジェット印刷適性等を示すサイ
ジング紙及びそのサイジング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙業界では、硫酸バンドを用いたpH
6以下の酸性系抄紙法における抄紙機の腐食や紙の保存
時の劣化等の諸問題を避けるために、填料として安価な
炭酸カルシウムを用いる中性抄紙あるいはアルカリ抄紙
が広く行われている。そのためのサイズ剤としてアルキ
ルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸を水等の分
散媒に分散させたサイズ剤が挙げられるが、いずれも高
価格であるため製紙の生産のコストアップになるという
大きな問題があるのみならず、抄紙系内の例えばプレス
ロール等に汚れを発生し易いなど作業性が悪いこと、サ
イズ効果の発現速度(立ち上がり)が遅いことなどの問
題を抱えている。また、これらのものはいずれも機械パ
ルプのような高収率パルプに対するサイズ効果がロジン
系サイズ剤に比べ劣るという問題もある。
【0003】このようなアルキルケテンダイマーやアル
ケニル無水コハク酸を用いるいわゆる反応性のサイズ剤
に代わって、ロジンとそのエステル類を含むロジン系物
質を用いる中性抄紙サイジング方法として、特公平3−
79840号公報に、3価ないし4価のアルコールとロ
ジンエステル化物を分散相にする水性分散液からなるサ
イズ剤を用いて抄紙することが開示されている。また、
ロジン系物質を乳化するための高分子系乳化剤として
は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸系モノマ
ーの共重合体を中和した分散剤や(メタ)アクリルアミ
ド系分散剤(特開昭56−169898号、特開平5−
125693号、特公平7−24747号、特開平8−
3894号、特開平8−337997号の各公報等)等
が知られ、これらを用いてロジン系物質を水中で乳化し
てサイズ剤を得ることも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
3−79840号公報に記載されている3価ないし4価
のアルコールとロジンエステル化物を分散相にする水性
分散液からなるサイズ剤を用いて抄紙するサイジング方
法は、そのサイズ剤の使用に際して抄紙条件、特にpH
を適正にコントロールしないときは所定のサイズ度が得
られず、また、サイズ性能が低いためサイズ剤の添加率
を高める必要があり、サイズ剤そのもののコストが高く
なるのみならず、抄紙系での発泡や汚れがひどくなると
いう問題がある。また、上述のスチレン系モノマーと
(メタ)アクリル酸系モノマーの共重合体を中和した分
散剤や(メタ)アクリルアミド系分散剤を用いてロジン
系物質を乳化して得られるサイズ剤は、いずれも乳化
性、サイズ効果、低発泡性、機械的安定性、保存安定性
等に満足できない点があるのが実状である。特に、他の
分散剤に比べ、上記各公報に記載の(メタ)アクリルア
ミド系分散剤は発泡性、乳化性に問題がある。さらに、
最近では、多種類少量印刷が可能であるメリットを活か
してインクジェット方式による印刷が事務機器等におい
てよく利用されているが、このインクジェット方式によ
る印刷は、染料又は顔料を溶媒に溶解又は分散させた液
をノズルから噴射して紙に文字、図形等を印刷するもの
であるので、その印刷に使用される紙には、インクジェ
ット印刷適性として、モノクロインク又はカラーインク
を用いて得られる画質に要求される適性、すなわち印字
濃度が適格であること、フェザリング、裏抜け、色分け
印刷部分の境界ににじみがないこと等が要求される。そ
のため、普通の紙ではそのインクジェット印刷適性を満
足することができず、これらを満足するものとしていわ
ゆるインクジェット専用紙が開発されているが高価であ
り、事務機器として一般的に普及している複写機用に多
量に販売されている複写用紙のPPC用紙にもインクジ
ェット方式による印刷適性が要求されるようになってき
ており、PPC用紙及びインクジェット印刷用紙の両方
の適性を満たす安価な紙の出現が望まれている。
【0005】本発明の第1の目的は、特にpHを厳密に
コントロールしなくても、また、添加率を高くしなくて
も所定のサイズ度が得られ、コスト高にならず、抄紙系
での発泡や汚れが少ないサイズ剤、これを用いたサイジ
ング紙及びサイジング方法を提供することにある。本発
明の第2の目的は、乳化性、サイズ効果、低発泡性、機
械的安定性、保存安定性等に満足できるサイズ剤、これ
を用いたサイジング紙及びサイジング方法を提供するこ
とにある。本発明の第3の目的は、PPC用紙及びイン
クジェット印刷用紙の両方の適性を満たす紙が得られる
サイズ剤、これを用いたサイジング紙及びサイジング方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、特定の割合でアクリルアミド及びメタク
リルアミドの少なくとも1種、疎水性モノマー類、カル
ボン酸基含有モノマー類、水溶性メルカプタン類の少な
くとも1種及び水難溶性メルカプタン類の少なくとも1
種を重合させて得られる共重合体を含有する高分子系の
乳化分散剤によりロジン系物質を水性分散媒に分散させ
た分散液を含有するサイズ剤は、優れたサイズ効果、イ
ンクジェット印刷適性、低発泡性を示し、その他の効果
とともに上記課題を解決することができることを見いだ
し、本発明をするに至った。すなわち、本発明は、
(1)、(A)ロジン系物質と(B)乳化分散剤を水性
分散媒に含有する製紙用ロジンエマルションサイズ剤に
おいて、該(B)乳化分散剤が少なくとも下記(a)〜
(c)、(e)及び(f)のそれぞれに属する少なくと
も1種の重合性化合物を共重合体成分に有し、かつ
(a)40〜90モル%、(b)3〜20モル%及び
(c)6〜40モル%からなる(a)〜(c)のモノマ
ー100モル%に対して、(e)成分を0.2〜3モル
%及び(f)成分を0.2〜3モル%重合して得られる
アクリルアミド系共重合体を含有する製紙用ロジンエマ
ルションサイズ剤を提供するものである。 (a)アクリルアミド及びメタクリルアミドの少なくと
も1種 (b)疎水性モノマー類 (c)カルボン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
ー類 (e)水溶性メルカプタン類 (f)水難溶性メルカプタン類 また、本発明は、(2)、(A)ロジン系物質と(B)
乳化分散剤を水性分散媒に含有する製紙用ロジンエマル
ションサイズ剤において、該(B)乳化分散剤が少なく
とも下記(a)〜(d)、(e)及び(f)のそれぞれ
に属する少なくとも1種の重合性化合物を共重合体成分
に有し、かつ(a)40〜90モル%、(b)3〜20
モル%、(c)6〜40モル%及び(d)0.5〜5モ
ル%からなる(a)〜(d)のモノマー100モル%に
対して、(e)成分を0.2〜3モル%及び(f)成分
を0.2〜3モル%重合して得られるアクリルアミド系
共重合体を含有する製紙用ロジンエマルションサイズ
剤、 (a)アクリルアミド及びメタクリルアミドの少なくと
も1種 (b)疎水性モノマー類 (c)カルボン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
ー類 (d)スルホン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
ー類 (e)水溶性メルカプタン類 (f)水難溶性メルカプタン類 (3)、(c)成分がカルボン酸基含有モノマー類であ
り、該カルボン酸基含有モノマー類が二塩基性カルボン
酸モノマー類である上記(1)又は(2)の製紙用ロジ
ンエマルションサイズ剤、(4)、(e)水溶性メルカ
プタン類が炭素数2又は3のメルカプタン類であり、か
つメルカプトエタノール、システアミン塩酸塩、メルカ
プトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸塩、チオグ
リコール酸、チオグリコール酸塩、チオ酢酸、チオ酢酸
塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、かつ
(f)水難溶性メルカプタン類が炭素数4〜18のメル
カプタン類の少なくとも1種である上記(1)ないし
(3)のいずれかの製紙用ロジンエマルションサイズ
剤、(5)、(A)ロジン系物質がロジンエステル類及
び強化ロジンエステル類の少なくとも1つの類の少なく
とも1種であるか、又はロジン類及び強化ロジン類の少
なくとも1つの類の少なくとも1種と、ロジンエステル
類及び強化ロジンエステル類の少なくとも1つの類の少
なくとも1種の混合物であり、かつロジンエステル類及
び強化ロジンエステル類の少なくとも1つの類の少なく
とも1種がロジン系物質の10重量%より少なくない上
記(1)ないし(4)のいずれかの製紙用ロジンエマル
ションサイズ剤、(6)、上記(1)ないし(5)のい
ずれかの製紙用ロジンエマルションサイズ剤を用いてサ
イジングしたサイジング紙、(7)、pH5.0〜9.
0のパルプスラリーに請求項1ないし5のいずれかに記
載の製紙用ロジンエマルションサイズ剤を添加する工程
を有することによりサイジングした紙を得るサイジング
方法を提供するものである。なお、上記の(1)の発明
を、「(A)ロジン系物質を(B)乳化分散剤により水
性分散媒に乳化分散させて得られるロジンエマルション
を含有する製紙用ロジンエマルションサイズ剤の製造方
法において、該(B)乳化分散剤が少なくとも下記
(a)〜(c)、(e)及び(f)のそれぞれに属する
少なくとも1種の重合性化合物を共重合体成分に有し、
かつ(a)40〜90モル%、(b)3〜20モル%及
び(c)6〜40モル%からなる(a)〜(c)のモノ
マー100モル%に対して、(e)成分を0.2〜3モ
ル%及び(f)成分を0.2〜3モル%重合して得られ
るアクリルアミド系共重合体を含有する製紙用ロジンエ
マルションサイズ剤の製造方法。」としてもよく、他の
発明もこれに準じるようにしてもよい。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、「(A)ロジン系物質」としては、ロジン類、
強化ロジン類、ロジンエステル類及び強化ロジンエステ
ル類の少なくとも1つの類の少なくとも1種が挙げられ
る。ロジン類には、ガムロジン、トール油ロジン、ウッ
ドロジンが挙げられ、さらにはこれらの各々の変性物で
ある水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、アルデ
ヒド変性ロジン等が挙げられ、これらは単独又は任意の
少なくとも2種の混合物として用いることができる。強
化ロジン類は、上記ロジン類に−C=C−C=O基含有
酸性化合物を1〜20重量%、好ましくは3〜18重量
%付加反応させたものである。この酸性化合物の代表的
な例としては、α,β−不飽和カルボン酸、その無水物
が挙げられるが、具体的にはフマル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコ
ン酸、無水シトラコン酸等のα,β−不飽和二塩基性カ
ルボン酸及びその無水物、アクリル酸及びメタクリル酸
等のα,β−不飽和一塩基性カルボン酸が挙げられ、こ
れらは単独又は少なくとも2種併用できるが、強化方法
は公知の方法で行うことができる。
【0008】ロジンエステル類は、上記ロジン類とアル
コール類、フェノール類、エポキシ化合物類等とのエス
テル化反応によって得られる反応生成物であり、完全及
び/又は部分エステル化物を含むとともに、未反応のロ
ジン類を含んでもよい。アルコール類としては、3価以
上(3価より小さくない)の多価アルコールが使用で
き、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリ
ン、ソルビトール等を例示できる。フェノール類として
は2価以上(2価より小さくない)の多価フェノール類
が使用でき、例えばヒドロキノン、ピロガロール、ビス
フェノールA等を例示できる。エポキシ化合物はオキシ
ラン環を有する化合物であり、例えばグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を例示できる。こ
れらのアルコール類、フェノール類、エポキシ化合物等
は各類少なくとも1種又は任意の少なくとも2つの類の
各類少なくとも1種を組み合わせて使用できる。ロジン
類とアルコール類、フェノール類、エポキシ化合物等と
のエステル化反応は公知の方法で行うことができ、例え
ば両者を150〜300℃で3〜30時間攪拌しながら
脱水反応を行うことによって得られる。ロジン類とアル
コール類等との反応時の仕込み割合は、ロジン類はカル
ボキシル基を基準にとり、アルコール類、フェノール類
は水酸基、エポキシ化合物はオキシラン環を2価の水酸
基と見做してその水酸基について、各々の水酸基を基準
とし、カルボキシル基に対する水酸基のモル比(−OH
/−COOH)を0.2〜1.3となるような範囲が好
ましい。モル比が0.2未満では、反応生成物に含まれ
るロジンエステル類の含有量が少なくなり、これを上記
(A)成分に使用し上記(B)成分で乳化したエマルシ
ョンを含有するサイズ剤とした場合、高いpH領域での
サイズ効果が低下することがあり、モル比が1.3を越
えると生成するロジンエステル類に遊離の水酸基が多量
に残存するため、この残存水酸基に起因してそのサイズ
剤のサイズ効果が低下することがある。
【0009】強化ロジンエステル類は、上記強化ロジン
類と同様にロジンエステル類にα,β−不飽和カルボン
酸及び/又はその無水物等を付加反応させたものである
が、その付加反応はエステル化反応前、エステル化反応
と同時、エステル化反応後のいずれの段階でもよく、こ
れらの任意の少なくとも2段階を併用してもよい。これ
を上記(A)成分に使用し上記(B)成分で乳化したエ
マルションを含有するサイズ剤とした場合、サイズ効果
の点からは、エステル化反応終了後、連続的にα,β−
不飽和カルボン酸等の付加反応を行うことが好ましい。
【0010】上記ロジンエステル類、強化ロジンエステ
ル類は、通常、アルコール類等の水酸基のすべてがロジ
ン類等のカルボキシル基とエステル化している完全エス
テル化物、その水酸基の一部がエステル化している部分
エステル化物及び未反応ロジン類等との混合物である
が、本発明においては、上記エステル化反応時の仕込み
比の範囲内であれば、これをそのまま用いてもよく、上
記ロジン類及び/又は強化ロジン類と混合して水性分散
液の分散相として用いてもよい。この際、全ロジン系物
質中のロジンエステル類及び/又は強化ロジンエステル
類の割合は10〜100重量%であることが好ましい。
本発明のサイズ剤において、これが10重量%未満であ
ると、これを上記(A)成分に使用し上記(B)成分で
乳化したエマルションを含有するサイズ剤とした場合、
中性ないしアルカリ性領域でのサイズ効果が低下するこ
とがある。ロジン系物質として上記ロジン類及び/又は
強化ロジン類と、ロジンエステル類及び/又は強化ロジ
ンエステル類の混合物を本発明のサイズ剤に用いると、
このサイズ剤がpHの高い抄紙系、すなわち中性ないし
アルカリ性領域で使用される場合には上記のサイズ効果
の点、低発泡性の点でより好ましい。
【0011】本発明において、「(B)乳化分散剤」と
しては、上記(a)〜(c)、(e)及び(f)、又は
(a)〜(d)、(e)及び(f)の成分の各類少なく
とも1種を少なくとも共重合体成分に有するアクリルア
ミド系共重合体を含有する。なお、アクリルアミド系共
重合体とは、アクリルアミド及びメタクリルアミドの少
なくとも1種を共重合体成分に有する共重合体を意味す
る。「(a)アクリルアミド及びメタクリルアミドの少
なくとも1種」とは、アクリルアミド、メタクリルアミ
ドのそれぞれ単独又は両者を併用することをいうが、
(a)〜(c)又は(a)〜(d)のモノマー全体に対
するこの(a)成分の割合は40〜90モル%、好まし
くは50〜70モル%である。40モル%未満では上記
の共重合体を含有した乳化分散剤を用いてロジン系物質
を水性媒体に乳化しても、その分散安定性、乳化性が悪
くなり、90モル%を越えると発泡性、乳化性が悪くな
る。
【0012】また、「(b)疎水性モノマー類」とは、
具体的には、一般式CH2 =CR1−COOR2 (但
し、R1 は水素又はメチル基を示し、R2 は炭素数1〜
18のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリ
ル酸エステル(アクリル酸エステル及び/又はメタクリ
ル酸エステルを意味し、以下、同様な化学物質名の表記
に準用する。)、スチレン、α−メチルスチレン等のス
チレン類、これらのスチレン類の芳香環に炭素数1〜4
のアルキル基を有するスチレン系化合物のモノマー、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエ
ステル等が挙げられる。これらの中でも、R2 が炭素数
4〜8のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステ
ル、例えばブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アク
リレートなどやスチレン類、スチレン系化合物のモノマ
ーが好ましい。これらは任意の少なくとも2種を併用す
ることができる。(b)成分の使用量は、上記(a)〜
(c)又は(a)〜(d)のモノマー類の合計、すなわ
ち100モル%の内の3〜20モル%、好ましくは5〜
15モル%である。3モル%未満、20モル%を越えた
場合には他の(a)、(c)〜(f)が所定の範囲内で
あっても、これにより得られる共重合体を含有する
(B)成分でロジン系物質を水性分散媒中で乳化しても
乳化性が悪くなる。
【0013】「(c)カルボン酸基及び/又はその塩を
含有するモノマー類」とは、カルボキシル基及びその塩
の少なくとも1個を有するモノマー類であり、一塩基性
カルボン酸モノマー類や、二塩基性カルボン酸モノマー
類等の多価カルボン酸モノマー類及びその塩類(多価カ
ルボン酸モノマー類の場合はその一部又は全部が塩)が
挙げられ、各類単独又は任意の複数の類のそれぞれを併
用できる。一塩基性カルボン酸モノマー類としては(メ
タ)アクリル酸やクロトン酸等を例示することができ
る。二塩基性カルボン酸モノマー類としては、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等を例示する
ことができる。上記のモノマーの塩よりもカルボン酸基
含有モノマーが共重合性がよく、その共重合体を含有す
る(B)成分でロジン系物質を水性分散媒中で乳化して
得られるエマルションを含有するサイズ剤のサイズ効果
も優れるので好ましい。二塩基性カルボン酸モノマー類
を(c)成分として用いて得た上記共重合体を含有する
上記(B)によりロジン系物質を乳化したエマルション
を含有するサイズ剤は、抄紙系でのその(B)の分散剤
に起因する発泡性を大幅に低下させることができるとと
もに、特にインクジェット印刷適性を向上させることが
できるため、その二塩基性カルボン酸モノマー類の使用
が好ましい。その中でもイタコン酸を使用したときの上
記効果が最も顕著であり、その使用が好ましい。(c)
成分の使用量は、(a)〜(c)又は(a)〜(d)の
モノマー全体の内6〜40モル%、好ましくは10〜3
5モル%である。6モル%未満、40モル%を越えた場
合には他の(a)、(b)、(d)〜(f)が所定の範
囲内であっても、これにより得られる共重合体を含有す
る(B)成分でロジン系物質を水性分散媒中で乳化して
も乳化性が悪くなり、40モル%を越えた場合にはさら
にその乳化により得られるエマルションの安定性が悪く
なる。
【0014】また、「(d)スルホン酸基及び/又はそ
の塩を含有するモノマー類」とは、スルホン酸基及びそ
の塩の少なくとも1個を有するモノマー類であり、具体
的にはスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリ
ル酸スルホプロピル及びこれらのナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等を例示すること
ができる。これらは少なくとも1種用いられる。(d)
成分の使用量は、(a)〜(d)のモノマー全体の内
0.5〜5モル%である。0.5モル%未満、5モル%
を越えた場合には他の(a)〜(c)、(e)、(f)
が所定の範囲内であっても、これにより得られる共重合
体を含有する(B)成分でロジン系物質を水性分散媒中
で乳化しても乳化性が悪く、その乳化により得られるエ
マルションを含有するサイズ剤の抄紙系における機械的
安定性が悪くなる。
【0015】また、「(e)水溶性メルカプタン類」、
「(f)水難溶性メルカプタン類」とはメルカプタン類
を水に対する溶解性から分類し、その溶解性が大きいも
のを(e)、その溶解性が小さいものを(f)とする。
(e)成分の具体例としては、炭素数2又は3のメルカ
プタン類、例えばメルカプトエタノール、システアミン
塩酸塩、メルカプトプロピオン酸、その塩、チオグリコ
ール酸、その塩、チオ酢酸、その塩が例示できる。これ
らは単独でも使用できるが、任意の少なくとも2種を併
用することもできる。(f)の具体例としては、例えば
炭素数4〜18、好ましくは8〜16のメルカプタン化
合物である、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタンや、メルカプトプロピオン酸オクチル、メ
ルカプトプロピオン酸メトキシブチル、チオグリコール
酸ブチル、チオグリコール酸メトキシブチル、チオグリ
コール酸オクチル、チオフェノール、チオ安息香酸、チ
オサリチル酸等を例示することができる。(e)、
(f)成分はそれぞれ(a)〜(c)又は(a)〜
(d)のモノマーの合計100モル%に対して0.2〜
3モル%である。これより少なくても多くても、上記
(B)成分の(A)成分に対する水性分散媒における乳
化分散能力、そのエマルションを含有するサイズ剤のサ
イズ性能が劣るほかに、そのサイズ剤を使用した抄紙系
での発泡性が大きくなる。
【0016】上記(B)成分の(A)成分に対する水性
分散媒における乳化分散能力、その乳化液であるエマル
ションの安定性、そのエマルションを含有するサイズ剤
のサイズ性能の点からは、上記(e)及び(f)という
性質の異なるそれぞれ少なくも1種、すなわち少なくと
も2種のメルカプタン類を併用する。(e)と(f)の
併用比率は、(e)/(f)=0.07〜15、好まし
くは0.1〜3である。(e)、(f)のいずれかのみ
を上記(a)〜(c)又は(a)〜(d)とともに重合
させて得られる共重合体は、これらの両方を使用した以
外は同様にして得られる共重合体に比べ、上記の乳化分
散能力やサイズ性能が劣るほかに、そのサイズ剤を使用
した抄紙系での発泡性が大きくなる。
【0017】上記(a)〜(f)の各成分の少なくとも
1つが上述した所定の範囲外では、上述したように得ら
れる共重合体を乳化分散剤として使用した場合には水性
分散媒に対するロジン系物質の乳化分散力が不十分とな
る等の問題を生じることがあるが、その乳化分散力があ
る場合でも、その乳化液であるエマルションを含有する
サイズ剤のサイズ効果、そのサイズ剤の機械的安定性、
保存安定性、抄紙系での発泡性が劣り、そのサイズ剤を
用いて抄紙した紙のインクジェット印刷適性も劣り、本
発明の効果は得られない。
【0018】上記(B)成分が含有する上記(a)〜
(c)、(e)及び(f)、又は(a)〜(f)を少な
くとも重合させて得られる共重合体を合成するには、溶
液重合、乳化重合、分散重合又は沈殿重合などの従来公
知の方法が適用できる。例えば、溶液重合の場合、上記
の共重合させようとするモノマーをメチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール及びターシ
ャリーブチルアルコール等の少なくとも1種の低級アル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン
等の少なくも1種、その他の有機溶剤中、あるいはこれ
らの有機溶媒と水との混合液中においてラジカル重合触
媒を添加して重合させ、重合終了後有機溶剤のみを使用
した場合は水を加えた後、水を併用した溶剤を使用した
場合はそのまま有機溶剤を一部又はほぼ完全に留去する
ことによって水溶液あるいは水性分散液として得られ
る。また、沈殿重合は、重合系の溶媒の選択によって重
合中に生成した共重合体を不溶化させて沈殿させ、その
沈殿物を濾別して水に溶解するか分散させる場合であ
り、分散重合は、重合系に用いる溶媒に溶解するポリビ
ニルアルコール、(メタ)アクリル酸系単独重合体及び
/又は共重合体などの分散安定剤を予めその重合系に加
えておき、重合物を分散状態に維持し、水を加えて溶解
させるか分散状態を保持する方法である。また、乳化重
合の場合、公知のアニオン性及び/又はノニオン性界面
活性剤を存在下、水中において共重合させようとするモ
ノマーを分散させ、ラジカル重合触媒によって重合させ
る方法である。この際、界面活性剤を添加せず、重合し
た重合体を乳化剤に使用する、いわゆる乳化剤無添加の
重合も可能である。
【0019】上記のラジカル重合触媒としては、例えば
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ムなどの過硫酸塩、これら過硫酸塩と還元剤の組み合わ
せによるレドックス系重合触媒、さらには2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系触媒を挙げるこ
とができる。
【0020】得られた共重合体は、必要に応じて共重合
体中のカルボン酸基を塩にすることも可能であり、上記
(a)〜(f)成分のほかに支障のない範囲でこのよう
にしてもよいが、上述した分散能力、サイズ効果、イン
クジェット適性、発泡性の点からはフリーのカルボン酸
基を有することが好ましい。上記(a)〜(f)成分の
ほかに支障のない範囲で加えられる他のモノマーとして
は、例えばカチオン性モノマーがあり、具体的にはアミ
ノアルキル(メタ)アクリレート、アミノヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)
アクリルアミド、アミノヒドロキシルアルキルビニルエ
ーテル、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジアリ
ルアミンなどやさらにはこれらの第4級アンモニウム塩
が挙げられ、これらは単独又は少なくとも2種を(a)
〜(c)又は(a)〜(d)のモノマー100モル%に
対して多くても10モル%である。
【0021】このようにして得られる上記共重合体は、
沈殿重合の場合には濾別して水を加えて水溶液あるいは
水性分散液とし、その他は上述したように水溶液あるい
は水性分散液であるが、重合時用いた有機溶剤は一部残
存していてもよい。粘度は、水溶液の場合固形分35重
量%水溶液で500〜30000センチポイズ(粘度測
定はブルックフィールド粘度計による25℃における測
定値である。)の範囲が好ましい。この粘度がこの範囲
外であるときにはこの共重合体を含有する乳化分散剤の
ロジン系物質に対する水性媒体における分散能力を維持
し難いことがあったり、また、その乳化液を含有するサ
イズ剤の保存安定性、機械的安定性を維持し難いことが
ある。
【0022】本発明のサイズ剤は、上記(A)成分と、
上記(a)〜(c)、(e)及び(f)、又は(a)〜
(f)を少なくとも重合させて得られる共重合体を含有
する(B)成分を含有するが、(A)成分のロジン系物
質と(B)成分のこの共重合体の使用割合は、この
(B)成分で(A)成分を水性分散媒中に乳化分散させ
たエマルションが長期間にわたって安定であり、しかも
このエマルションを含有するサイズ剤がその効果を十分
に発揮する範囲にすることが好ましく、この観点から、
その共重合体は全固形分(乳化分散剤とロジン系物質の
合計)に対して1〜30%、好ましくは3〜20重量%
の範囲が好ましい。1重量%未満では分散能力が十分で
はなく、また、その得られるエマルションの安定性もよ
くないことがある。30重量%を越えて使用するのは経
済的に不利であり、また、得られるサイズ剤の粘度が高
過ぎたり、発泡性が高くなり過ぎることがある。
【0023】本発明のサイズ剤の調製方法は、特に限定
されないが、例えば特公昭54−36242号公報に記
載されているように、上記(A)のロジン系物質を予め
油溶性の溶剤に溶かした溶液と上記共重合体を含有する
(B)の乳化分散剤及び水を混合しホモジナイザー処理
した後、溶剤を留去し、水中油型エマルションを製造す
るいわゆる溶剤法、特公昭53−32380号公報に記
載されているように、熔融した上記(A)のロジン系物
質を高温高圧下で上記共重合体を含有する(B)の乳化
分散剤及び水とを混合しホモジナイザーを通して水中油
型エマルションを製造するいわゆる高温高圧法(メカニ
カル法)、特開昭52−77206号公報に記載されて
いるように、熔融した上記(A)のロジン系物質に上記
共重合体を含有する(B)の乳化分散剤と一部の水とを
攪拌下で混合しさらに水を加えて油中水型エマルション
を形成し、ついで多量の水を加えて反転させて水中油型
エマルションに相転移させるいわゆる転相法が用いられ
る。
【0024】上記(B)成分に含有される上記共重合体
は(A)成分のロジン系物質を水に分散させる能力に富
んでいるので、(A)成分を(B)成分により水性媒体
に乳化分散させてロジンエマルションを調製するに当た
っては、上記溶剤法、メカニカル法、転相法のいずれも
採用することができる。また、公知の界面活性剤や、高
分子系共重合体を上記共重合体の乳化分散効果を害しな
い範囲で予め(B)に含有させるか、あるいは(B)と
はほかの成分としてサイズ剤に添加することができる
が、その場合には(A)成分のロジン系物質に対して
0.1〜1.0重量%併用することができる。このよう
な併用可能な界面活性剤としては、カチオン性のもの
は、アルキルアミン塩、その4級化物、ポリオキシアル
キレンアルキルアミンエーテルなどが挙げられる。ノニ
オン性のものは、ポリオキシアルキレンフェニルエーテ
ル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタ
ン系各種乳化剤、ポリオキシアルキレン系ブロック共重
合物、ポリオキシアルキレン付加ロジンエステル類など
が挙げられる。アニオン性のものは、ロジンや強化ロジ
ンのアルカリ中和塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩、アルキル硫酸塩、ナフタレン系スルホン酸塩、AS
A(アルケニル無水コハク酸)のアルカリ塩、ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸
塩などが挙げられる。また、高分子系共重合体として
は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸系モノマ
ーの共重合体を中和した分散剤や(メタ)アクリルアミ
ド系分散剤などが挙げられる。
【0025】上記(A)成分を(B)成分により水性分
散媒中に乳化分散させて得られるエマルションの平均粒
子径(重量基準粒径分布における累積50%径)は1μ
m以下(大きくても1μm)、好ましくは0.5μm以
下(大きくても0.5μm)である。1μmを越える粒
径の場合、保存中に沈殿物を生じ易く、また機械的安定
性がよくないことがある。平均粒子径は例えばレーザ回
折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所
社製)で測定することができる。なお、水性分散媒と
は、水のみの場合のみならず、これに有機溶剤、塩等の
溶解性のある成分を含有していてもよい。
【0026】本発明のサイジング方法は、上記(A)成
分を(B)成分により水性分散媒中に乳化分散させて得
られるロジンエマルションを含有するサイズ剤を例えば
抄造時のウェット・エンド部に添加することにより実施
される。具体的には、そのサイズ剤をパルプの水性分散
液にそのパルプの乾燥重量に対して0.02〜10固形
分重量%、好ましくは0.05〜5固形分重量%添加す
る。その添加時のパルプスラリーのpHは5.0〜9.
0の弱酸性ないしアルカリ性の領域で好ましく用いられ
るが、その他の領域で用いてもよい。
【0027】上記サイズ剤を用いて得られるサイジング
紙としては、特に制限されないが、各種の紙、板紙が挙
げられる。紙の種類としては、PPC用紙、インクジェ
ット印刷用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用
紙、熱転写紙、感熱記録原紙、感圧記録原紙等の記録用
紙及びその原紙、アート紙、キャストコート紙、上質コ
ート紙等のコート原紙、クラフト紙、純白ロール紙等の
包装用紙、その他ノート用紙、書籍用紙、各種印刷用
紙、新聞用紙等の各種紙(洋紙)、マニラボール、白ボ
ール、チップボール等の紙器用板紙、ライナー等の板紙
が挙げられる。また、本発明のサイズ剤は表面サイズ剤
もその下位概念に含み、表面サイズ剤として用いるとき
は予め抄造された湿紙に噴霧、浸漬、塗布等の慣用方法
で適用される。
【0028】上記の種々の紙や板紙を製造するに当たっ
て、パルプ原料としては、クラフトパルプ、サルファイ
トパルプなどの晒あるいは未晒化化学パルプ、砕木パル
プ、機械パルプ、サーモメカニカルパルプなどの晒ある
いは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール
古紙、脱墨古紙などの古紙パルプのいずれも使用するこ
とができる。
【0029】本発明のサイジング紙を得るには、填料、
染料、硫酸アルミニウム、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向
上剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤などの添加物も、
それぞれの紙種に要求される物性を実現するために、必
要に応じて使用してもよい。填料としては、主として重
質又は軽質炭酸カルシウムが使用されるが、クレー、タ
ルクも使用され、これらは併用してもよい。乾燥紙力向
上剤としては、アニオン性ポリアクリルアミド系ポリマ
ー、カチオン性ポリアクリルアミド系ポリマー、両性ポ
リアクリルアミド系ポリマー(それぞれ(メタ)アクリ
ルアミドを主とした他のビニルモノマーとの共重合体、
以下同様)、カチオン化澱粉、両性澱粉等が挙げられ、
これらは単独で用いても併用してもよい。湿潤紙力向上
剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂等が
挙げられる、これらは単独で用いてもアニオン性ポリア
クリルアミド系ポリマーと併用してもよい。歩留り向上
剤としては、アニオン性又はカチオン性高分子量ポリア
クリルアミド系ポリマー、シリカゲルとカチオン化澱粉
の併用、ベントナイトとカチオン性高分子量ポリアクリ
ルアミド系ポリマーの併用等が挙げられる。また、サイ
ズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコータ
ー、キャレンダーなどで澱粉、ポリビニルアルコール、
染料、コーティングカラー、表面サイズ剤、防滑剤など
を必要に応じて塗布してもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】詳細は以下の実施例により説明す
るが、その実施例を総括し同効の範囲まで拡大した実施
の形態として、 アクリルアミド40〜85モル%、
疎水性モノマー類としてイソブチルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレートのそれぞれを8〜17モル
%、カルボン酸基含有モノマー類としてアクリル酸、無
水マレイン酸、イタコン酸のそれぞれを8〜30モル%
の合計100モル%に対して、水溶性メルカプタン類と
してチオグリコール酸、2−メルカプトエタノール、メ
ルカプトプロピオン酸のそれぞれを0.3〜1.8モル
%、水難溶性メルカプタン類としてn−ドデシルメルカ
プタン、n−オクチルメルカプタンのそれぞれを0.2
〜0.9モル%からなるモノマーを水性媒体(水と水に
溶ける有機溶媒の混合液)中、40〜100℃で重合さ
せる((a)〜(c)、(e)及び(f)の場合)。 アクリルアミド60〜90モル%、疎水性モノマー
類として2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、スチレンとブチルアクリレート
の組合わせ、スチレンとメチルメタクリレートの組合わ
せのそれぞれを3〜20モル%、カルボン酸基含有モノ
マー類としてメタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン
酸のそれぞれを6〜25モル%、スルホン酸基含有モノ
マー類としてビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンス
ルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸のそれぞれを0.8〜5モル%の合
計100モル%に対して、水溶性メルカプタン類として
システアミン塩酸塩、2−メルカプトエタノール、メル
カプトプロピオン酸、チオ酢酸のそれぞれを0.2〜
1.2モル%、水難溶性メルカプタン類としてn−ドデ
シルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンのそれぞ
れを0.2〜3.0モル%からなるモノマーを水性媒体
(水と水に溶ける有機溶媒の混合液)中、40〜100
℃で重合させる((a)〜(d)、(e)及び(f)の
場合)。このようにして得られた共重合体溶液(35重
量%液)の15〜25重量部により、ロジン系物質とし
てガムロジンのフマル酸強化物(強化度5〜15%)1
00重量部、ガムロジンの無水マレイン酸強化物(強化
度5〜15%)とロジンエステル化物を重量比で90:
10〜40:60の合計100重量部、強化ロジンエス
テル化物100重量部、ガムロジンの無水マレイン酸強
化物と強化ロジンエステル化物を重量比で20:80〜
40:60の合計100重量部のそれぞれを水性分散媒
(水)に転相法又はメカニカル法で乳化分散し、固形分
40〜50重量%、平均粒子径0.25〜0.45μm
のロジンエマルションを得、これをサイズ剤とする。こ
のサイズ剤を用いて抄紙pH5.0〜8.0で抄紙した
サイジング紙の場合、ステキヒトサイズ度は10〜25
秒とすることができ、その内でも上記の場合は10〜
25秒、特に(b)成分としてイタコン酸を用いた場合
には18〜25秒、上記の場合は15〜25秒、特に
(b)成分としてイタコン酸を用いた場合には18〜2
5秒である。また、このサイジング紙のインクジェット
印刷適性は、印字濃度を1.20〜1.32とすること
ができ、その内でも上記の場合は1.20〜1.3
0、特に(b)成分としてイタコン酸を用いた場合には
1.29〜1.30、上記の場合は1.26〜1.3
2、特に(b)成分としてイタコン酸を用いた場合には
1.29〜1.32であり、フェザリングを4又は5に
し、裏抜けを4又は5にすることができ、特に上記で
(b)成分にイタコン酸を用いた場合はフェザリング、
裏抜けともに5とすることができる。また、このサイジ
ング紙のトナー定着性は0.88〜0.92とすること
ができる。さらに静置安定性は1mm未満、機械的安定
性は0.1〜0.2%、泡立ち性は0〜35%、再分散
性は4又は5とすることができ、機械的安定性、泡立ち
性、再分散性で特に好ましいのは上記で(b)成分に
イタコン酸を用いた場合である。
【0031】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、以下における部及び%は特記しない限りすべ
て重量基準である。 共重合体溶液の製造例1(実施例用共重合体溶液(G−
1)の製造) 攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備え
た1リットル四つ口フラスコに50%アクリルアミド水
溶液228部(80モル%)、疎水性モノマー類として
イソブチルメタクリレート28部(10モル%)、カル
ボン酸基含有モノマー類としてアクリル酸14部(10
モル%)、イオン交換水136部、イソプロピルアルコ
ール218部、水溶性メルカプタン類としてチオグリコ
ール酸0.9部(0.5モル%)、水難溶性メカプタン
類としてn−ドデシルメルカプタン2.8部(0.7モ
ル%)を仕込み、この混合液を攪拌しながら窒素ガス雰
囲気下で、60℃まで昇温した。ついで重合開始剤とし
てAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を0.3部
加え、80℃まで昇温し、5時間この温度を保持した。
次に、イソプロピルアルコールの留去を行い、イオン交
換水を加えて固形分濃度35%、粘度800センチポイ
ズ(cps)の共重合体溶液(G−1)を製造した。な
お、粘度の測定はブルックフィールド型粘度計を用い、
25℃で測定した(以下、粘度の測定条件は同じ)。
【0032】共重合体溶液の製造例2(実施例用共重合
体溶液(G−2)の製造) 上記製造例1において、50%アクリルアミドを200
部(70モル%)、アクリル酸を28部(20モル
%)、チオグリコール酸2.7部(1.5モル%)にし
たこと以外は同様にして重合反応を行い、固形分35
%、粘度1000cpsの共重合体溶液(G−2)を製
造した。
【0033】共重合体溶液の製造例3(実施例用共重合
体溶液(G−3)の製造) 上記製造例1において、50%アクリルアミドを200
部(70モル%)、疎水性モノマー類としてイソブチル
メタクリレートの代わりにシクロヘキシルメタクリレー
ト34部(10モル%)、カルボン酸基含有モノマー類
としてアクリル酸の代わりに無水マレイン酸39部(2
0モル%)、水溶性メルカプタン類としてチオグリコー
ル酸の代わりに2−メルカプトエタノール0.8部
(0.5モル%)、水難溶性メルカプタン類としてn−
ドデシルメルカプタンの代わりにn−オクチルメルカプ
タン1.5部(0.5モル%)を用い、また、AIBN
を2.3部用いたこと以外は同様にして重合反応を行
い、固形分35%、粘度700cpsの共重合体溶液
(G−3)を製造した。
【0034】共重合体溶液の製造例4(実施例用共重合
体溶液(G−4)の製造) 上記製造例1において、50%アクリルアミドを250
部(88モル%)、疎水性モノマー類としてイソブチル
メタクリレートの代わりに2−エチルヘキシルメタクリ
レート12部(3モル%)、カルボン酸基含有モノマー
類としてアクリル酸の代わりにイタコン酸16部(6モ
ル%)、スルホン酸基含有モノマー類としてビニルスル
ホン酸ナトリウム8部(3モル%)、イオン交換水13
5部、イソプロピルアルコール227部、水溶性メルカ
プタン類としてチオグリコール酸の代わりにシステアミ
ン塩酸塩2.3部(1.0モル%)、水難溶性メルカプ
タン類としてn−ドデシルメルカプタンの代わりにn−
オクチルメルカプタン1.5部(0.5モル%)を用
い、また、AIBNを0.7部用いたこと以外は同様に
して重合反応を行い、固形分35%、粘度3500cp
sの共重合体溶液(G−4)を製造した。
【0035】共重合体溶液の製造例5(実施例用共重合
体溶液(G−5)の製造) 上記製造例3において、カルボン酸基含有モノマー類と
して無水マレイン酸の代わりにイタコン酸52部(20
モル%)用いたこと以外は同様にして重合反応を行い、
固形分35%、粘度5500cpsの共重合体溶液(G
−5)を製造した。
【0036】共重合体溶液の製造例6(実施例用共重合
体溶液(G−6)の製造) 上記製造例5において、50%アクリルアミドを190
部(67モル%)にし、スルホン酸基含有モノマー類と
してスチレンスルホン酸ナトリウムを12部(3モル
%)新たに加えたこと以外は同様にして重合反応を行
い、固形分35%、粘度5000cpsの共重合体溶液
(G−6)を製造した。
【0037】共重合体溶液の製造例7(実施例用共重合
体溶液(G−7)の製造) 上記製造例1において、50%アクリルアミドを128
部(45モル%)、疎水性モノマー類としてイソブチル
メタクリレートの代わりにシクロヘキシルメタクリレー
ト50部(15モル%)、カルボン酸基含有モノマー類
としてアクリル酸の代わりにイタコン酸104部(40
モル%)、イオン交換水291部、イソプロピルアルコ
ール309部、水溶性メルカプタン類としてチオグリコ
ール酸の代わりにメルカプトプロピオン酸1.5部
(0.7モル%)、水難溶性メルカプタン類としてn−
ドデシルメルカプタン1.2部(0.3モル%)を用
い、また、AIBNを2.3部用いたこと以外は同様に
して重合反応を行い、固形分35%、粘度4800cp
sの共重合体溶液(G−7)を製造した。
【0038】共重合体溶液の製造例8(実施例用共重合
体溶液(G−8)の製造) 上記製造例1において、50%アクリルアミドを184
部(65モル%)、疎水性モノマー類としてイソブチル
メタクリレートの代わりにスチレン17部(8モル%)
及びブチルアクリレート5部(2モル%)、カルボン酸
基含有モノマー類としてアクリル酸の代わりに無水マレ
イン酸39部(20モル%)、新たにスルホン基含有モ
ノマー類として2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸21部(5モル%)、イオン交換水186
部、イソプロピルアルコール244部、水溶性メルカプ
タン類としてチオグリコール酸の代わりにメルカプトプ
ロピオン酸0.8部(0.4モル%)、水難溶性メルカ
プタン類としてn−ドデシルメルカプタン12部(3モ
ル%)を用い、また、AIBNを2.3部用いたこと以
外は同様にして重合反応を行い、固形分35%、粘度2
500cpsの共重合体溶液(G−8)を製造した。
【0039】共重合体溶液の製造例9(実施例用共重合
体溶液(G−9)の製造) 攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備え
た1リットル四つ口フラスコに50%アクリルアミド水
溶液196部(69モル%)、疎水性モノマー類として
スチレン20部(10モル%)及びメチルメタクリレー
ト20部(10モル%)、カルボン酸基含有モノマー類
としてメタクリル酸17部(10モル%)、スルホン酸
基含有モノマー類としてスチレンスルホン酸ナトリウム
4部(1モル%)、イオン交換水273部、水溶性メル
カプタン類としてチオ酢酸3.8部(2.5モル%)、
水難溶性メカプタン類としてn−ドデシルメルカプタン
6.0部(1.5モル%)、ドデシルベンゼンスルホン
酸アンモニウム3部を混合し、70℃まで昇温後、過硫
酸アンモニウム11部を加えて90℃で3時間反応を行
い、固形分30%、粘度18000cpsの共重合体溶
液(G−9)を製造した。
【0040】共重合体溶液の製造例10(比較例用共重
合体溶液(G−10)の製造) 上記製造例1において、水溶性メルカプタン類としての
チオグリコール酸を用いなかったこと以外は同様にして
重合反応を行い、固形分35%、粘度9500cpsの
共重合体溶液(G−10)を製造した。
【0041】共重合体溶液の製造例11(比較例用共重
合体溶液(G−11)の製造) 上記製造例1において、水難溶性メカプタン類としての
n−ドデシルメルカプタンを用いなかったこと以外は同
様にして重合反応を行い、固形分35%、粘度5400
cpsの共重合体溶液(G−11)を製造した。
【0042】共重合体溶液の製造例12(比較例用共重
合体溶液(G−12)の製造) 上記製造例6において、水溶性メルカプタン類としての
2−メルカプトエタノールを0.8部(0.5モル%)
の代わりに5.5部(3.5モル%)用いたこと以外は
同様にして重合反応を行い、固形分35%、粘度400
cpsの共重合体溶液(G−12)を製造した。
【0043】共重合体溶液の製造例13(比較例用共重
合体溶液(G−13)の製造) 上記製造例6において、水難溶性メルカプタン類として
のn−オクチルメルカプタンを1.5部(0.5モル
%)の代わりに10.5部(3.5モル%)用いたこと
以外は同様にして重合反応を行い、固形分35%、粘度
3600cpsの共重合体溶液(G−13)を製造し
た。
【0044】共重合体溶液の製造例14(比較例用共重
合体溶液(G−14)の製造) 上記製造例1において、50%アクリルアミドを272
部(96モル%)、疎水性モノマー類としてイソブチル
メタクリレートの代わりに2−エチルヘキシルメタクリ
レート12部(3モル%)、カルボン酸基含有モノマー
類としてアクリル酸1部(1モル%)、イオン交換水1
02部、イソプロピルアルコール209部、水溶性メル
カプタン類としてチオグリコール酸の代わりに2−メル
カプトエタノール1.1部(0.7モル%)、水難溶性
メルカプタン類としてn−ドデシルメルカプタン2部
(0.5モル%)を用いたこと以外は同様にして重合反
応を行い、固形分35%、粘度900cpsの共重合体
溶液(G−14)を製造した。
【0045】共重合体溶液の製造例15(比較例用共重
合体溶液(G−15)の製造) 上記製造例1において、50%アクリルアミドを108
部(38モル%)、疎水性モノマー類としてイソブチル
メタクリレート51部(18モル%)、カルボン酸基含
有モノマー類としてアクリル酸の代わりにイタコン酸1
04部(40モル%)、新たにスルホン酸基含有モノマ
ー類としてスチレンスルホン酸ナトリウム16部(4モ
ル%)、イオン交換水306部、イソプロピルアルコー
ル315部、水溶性メルカプタン類としてチオグリコー
ル酸の代わりに2−メルカプトエタノール1.9部
(1.2モル%)、水難溶性メルカプタン類としてn−
ドデシルメルカプタン3.2部(0.8モル%)、ま
た、AIBNを2.3部用いたこと以外は同様にして重
合反応を行い、固形分35%、粘度2800cpsの共
重合体溶液(G−14)を製造した。
【0046】共重合体溶液の製造例16(比較例用共重
合体溶液(G−16)の製造 上記製造例1において、50%アクリルアミドを232
部(82モル%)、カルボン酸基含有モノマー類として
アクリル酸4部(3モル%)、新たにスルホン酸基含有
モノマー類として2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸21部(5モル%)、イオン交換水15
4部、イソプロピルアルコール237部、水溶性メルカ
プタン類としてのチオグリコール酸を用いなかったこと
以外は同様にして重合反応を行い、固形分35%、粘度
25000cpsの共重合体溶液(G−16)を製造し
た。
【0047】共重合体溶液の製造例17(比較例用共重
合体溶液(G−17)の製造) 上記製造例1において、50%アクリルアミドを128
部(45モル%)、カルボン酸基含有モノマー類として
アクリル酸65部(45モル%)、イオン交換水214
部、イソプロピルアルコール231部、水溶性メルカプ
タン類としてチオグリコール酸2.7部(1.5モル
%)を用いたこと以外は同様にして重合反応を行い、固
形分35%、粘度35000cpsの共重合体溶液(G
−17)を製造した。
【0048】共重合体溶液の製造例18(比較例用共重
合体溶液(G−18)の製造) 上記製造例4において、50%アクリルアミドを252
部(89モル%)、疎水性モノマー類として2−エチル
ヘキシルメタクリレート8部(2モル%)を用いたこと
以外は同様にして重合反応を行い、固形分35%、粘度
2400cpsの共重合体溶液(G−17)を製造し
た。
【0049】共重合体溶液の製造例19(比較例用共重
合体溶液(G−19)の製造) 上記製造例7において、疎水性モノマー類としてシクロ
ヘキシルメタクリレートを50部(15モル%)の代わ
りに84部(25モル%)、カルボン酸基含有モノマー
類としてイタコン酸を104部(40モル%)の代わり
に78部(30モル%)を用いたこと以外は同様にして
重合反応を行い、固形分35%、粘度42000cps
の共重合体溶液(G−19)を製造した。
【0050】以上の実施例用製造例、比較例用製造例で
製造した共重合体の組成及びその溶液の粘度を表1、2
にそれぞれまとめて示す。
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】ロジン系物質の製造例1(ガムロジンのフ
マル酸強化物の製造例(H)) 約200℃の熔融状態にあるガムロジン920部にフマ
ル酸80部を徐々に加えて、同温度で3時間加熱し、ガ
ムロジンのフマル酸強化物(H)を得た。この強化物の
強化度(フマル酸の付加率)は8%であった。
【0053】ロジン系物質の製造例2(ガムロジンの無
水マレイン酸強化物の製造例(I)) 約200℃の熔融状態にあるガムロジン900部に無水
マレイン酸100部を徐々に加えて、同温度で3時間加
熱し、ガムロジンの無水マレイン酸強化物(I)を得
た。この強化物の強化度(無水マレイン酸の付加率)は
10%であった。
【0054】ロジン系物質の製造例3(ロジンエステル
化物の製造例(J)) 攪拌機、温度計、窒素導入管、分水器及び冷却器を備え
たフラスコに、酸価170のガムロジン600部とグリ
セリン56部(仕込みモル比が−OH/−COOH=
1.0)を仕込み、窒素気流下270℃まで加熱し、攪
拌下、同温度で15時間反応させ、酸価13のロジンエ
ステル化物(J)を得た。
【0055】ロジン系物質の製造例4(強化ロジンエス
テル化物の製造例(K)) 上記ロジン系物質の製造例3において、ガムロジン60
0部とグリセリン45部の仕込み割合(仕込みモル比が
−OH/−COOH=0.8)にする以外は同様にして
酸価36のロジンエステル化物を得た。ついで、このロ
ジンエステル化物485部を200℃にした後、攪拌
下、無水マレイン酸15部を加え、同温度で3時間加熱
し、ロジンエステルの無水マレイン酸強化物(K)を得
た。この強化ロジンエステル化物の強化度(無水マレイ
ン酸の付加率)は3%であった。
【0056】実施例1(ロジンエマルションサイズ剤の
製造例1) 上記ロジン系物質の製造例1のガムロジンのフマル酸強
化物(H)100部を約150℃に加熱熔融し、攪拌し
ながら上記共重合体溶液製造例1の共重合体溶液(G−
1)を20部添加して混合し、さらに熱水を加えながら
転相させ、油中水型のエマルションとし、これにさらに
熱水を素早く添加して安定な水中油型エマルションとし
た後、室温まで冷却した。かくして得られたロジンエマ
ルションの固形分は45.3%、平均粒子径は0.35
μmであった。このロジンエマルションをそのままサイ
ズ剤とする。
【0057】実施例2〜11(ロジンエマルションサイ
ズ剤の製造例2〜11) 上記ロジン系物質の製造例1〜4のガムロジンのフマル
酸強化物(H)、ガムロジンの無水マレイン酸の強化物
(I)、ロジンエステル化物(J)、強化ロジンエステ
ル化物(K)と上記共重合体溶液製造例1〜9の共重合
体溶液(G−1)〜(G−9)を表2のそれぞれの実施
例の欄に示す組み合わせ及び仕込み比に従って、ロジン
系物質100部、共重合体溶液を20部使用したこと以
外は実施例1と同様にして表3に示すそれぞれの実施例
の欄の固形分、平均粒子径のロジンエマルションを製造
し、それぞれを該当する実施例のサイズ剤とする。
【0058】比較例1〜10(比較用ロジンエマルショ
ンサイズ剤の製造例1〜10) 上記ロジン系物質の製造例1〜3のガムロジンのフマル
酸強化物(H)、ガムロジンの無水マレイン酸の強化物
(I)、ロジンエステル化物(J)と上記共重合体溶液
製造例10〜19の共重合体溶液(G−10)〜(G−
19)を表2のそれぞれの比較例の欄に示す組み合わせ
及び仕込み比に従って、ロジン系物質100部、共重合
体溶液を20部使用したこと以外は実施例1と同様にし
て表3に示すそれぞれの比較例の欄の固形分、平均粒子
径のロジンエマルションを製造し、それぞれを該当する
比較例のサイズ剤とする。
【0059】実施例12(ロジンエマルションサイズ剤
の製造例12) 上記ロジン系物質の製造例2のガムロジンの無水マレイ
ン酸強化物(I)30部と上記ロジン系物質の製造例4
の強化ロジンエステル化物(K)70部とを約150℃
に加熱熔融し、攪拌しながら、上記共重合体溶液製造例
9の実施例用共重合体溶液(G−9)20部と水130
部とを高温高圧下で混合し、その混合物を約200Kg
/cm2 の圧力で工業用ホモジナイザーに通した後、室
温まで冷却した。かくして得られたエマルションの固形
分は45.4%、平均粒子径は0.38μmであった。
これをそのままサイズ剤とする。
【0060】
【表3】
【0061】応用実施例1〜12、応用比較例1〜11
(サイジング方法及びサイジング紙の実施例) 上記実施例1〜12、比較例1〜10、アルキルケテン
ダイマー系サイズ剤(比較例11)の各サイズ剤を用い
て下記の条件で抄紙を行ない、それぞれのサイズ剤によ
るサイジング方法を実施し、その結果得られたサイジン
グ紙を恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境下で2
4時間調湿して得た試験紙について下記の試験を行っ
た。 (イ)手抄き試験 380mlのカナディアン・スタンダード・フリーネス
まで叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対
1である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これ
に対パルプ2%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥
多摩工業社製;TP121S)を添加した。これに、対
パルプ1%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ
0.5%(絶乾重量基準)の両性デンプン(王子ナショ
ナル社製;Cato3210)及び対パルプ0.3%
(絶乾重量基準)の上記実施例1で得られたサイズ剤を
添加した後、pH7.5の希釈水でパルプ濃度0.25
%まで希釈した。その後、希釈したパルプスラリーに対
パルプ8%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多摩
工業社製;TP121S)、対パルプ0.01%の歩留
り向上剤(ハイモ社製;NR12MLS)を添加し、ノ
ーブルアンドウッド抄紙機で、坪量65g/m2 となる
ように抄紙した。なお、この時の抄紙pHは7.5であ
った。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100
℃で80秒間の条件で行った。得られたサイジング紙を
恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境下で24時間
調湿した後の試験紙のステキヒトサイズ度を測定した。
実施例2〜12、比較例1〜11の各サイズ剤について
も同様の抄紙を行い、上記実施例2〜12、比較例1〜
10で得られたサイズ剤によってサイジングされた試験
紙についてステキヒトサイズ度を測定した。
【0062】(ロ)手抄き試験 上記手抄き試験において、炭酸カルシウムの代わりに
クレー(日成共益社製;アヤムメラクレー)を用い、各
実施例、各比較例のサイズ剤の添加率を0.2%(絶乾
重量基準)としたこと以外は同様にして各実施例、各比
較例のサイズ剤毎の抄紙を行い、上記実施例2〜12、
比較例1〜10で得られたサイズ剤によってサイジング
された試験紙についてステキヒトサイズ度を測定した。
なお、抄紙時pHは7.0であった。
【0063】(ハ)手抄き試験 段ボール古紙(フィラー12%含有)をパルプ濃度2.
5%になる量の硬度100ppmの希釈用水で、ビータ
ーを用いて350mlカナディアン・スタンダード・フ
リーネスまで叩解した。これに対パルプ1%(絶乾重量
基準)の硫酸バンド、対パルプ0.2%(絶乾重量基
準)のカチオン性ポリアクリルアミド(日本PMC社
製;DS410)、及び対パルプ0.2%(絶乾重量基
準)の上記実施例1のサイズ剤を添加した後、pH6.
2の希釈水でパルプ濃度0.25%まで希釈した。その
後、ノーブルアンドウッド抄紙機で、坪量80g/m2
となるように抄紙した。なお、この時の抄紙pHは5.
7であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて
100℃で80秒間の条件で行った。得られたサイジン
グされた試験紙を恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)
環境下で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度を測
定した。実施例2〜12、比較例1〜10の各サイズ剤
についても同様の抄紙を行い、それぞれのサイジングさ
れた試験紙についてステキヒトサイズ度を測定した。な
お、上記手抄き試験、において、比較例11のサイ
ズ剤を使用した抄紙は対パルプ0.1%のアルキルケテ
ンダイマー系サイズ剤(日本PMC社製;AS263)
を使用したこと以外はその他の場合と同様にして抄紙し
た。
【0064】(ニ)インクジェット印刷適性評価 インクジェット印刷適性の評価は、上記手抄き試験、
で上記実施例1〜12、比較例1〜10で得られたサ
イズ剤を用いて抄紙して得られたサイジング紙をカレン
ダー処理した後、恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)
環境下で24時間以上調湿を行った後、キャノン(株)
製バブルジェットプリンターであるBJ−220JCII
を用いて以下の方法で行った。 (ニ)−1 印字濃度試験 試験紙にベタ印刷をし、ベタ部分の印字濃度をマクベス
インク濃度計で測定した。数値が大きいほど印字濃度が
高いことを示す。 (ニ)−2 フェザリング試験 試験紙に直交する線幅一定の直線及び文字を印字し、目
視にて直線及び文字の外縁のにじみを5段階で評価し
た。フェザリングの全くないものを5とし、インクがに
じんでしまって文字の判別がつかないものを1とした。
通常の使用に耐える印字品質としては、4以上である。 (ニ)−3 裏抜け試験 試験紙にベタ印刷をし、ベタ印字部分裏側のインクのに
じみ程度を目視にて5段階で評価した。裏にインクがに
じんでいないものを5とし、ベタ部分が完全に裏抜けし
たものを1とした。通常の使用に耐える印字品質として
は、4以上である。
【0065】(ホ)PPC用紙適性評価 PPC用紙適性の評価は、上記手抄き試験、で抄紙
して得られたサイジングされた試験紙をカレンダー処理
した後、恒温恒湿(20℃、65%相対湿度)環境下で
24時間以上調湿を行った後、リコー社製の電子写真複
写機RICOPY FT5500を用いて以下の方法に
て行った。 (ホ)−1 トナー定着性試験 上記複写機にて複写したベタ印字部に、メンディングテ
ープ(3M社製)を貼りつけてから剥がす際の、剥離前
の画像濃度に対する剥離後の画像濃度の比(剥離後の画
像濃度/剥離前の画像濃度)で評価した。画像濃度の測
定はマクベスインク濃度計で測定した。PPC用紙とし
ては、剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度が0.8以
上必要である。
【0066】(ヘ) 静置安定性試験 長さ30cm、内径2.1cmの試験管に100mlの
上記実施例1のサイズ剤を入れ、室温で2ケ月静置後、
底部に沈殿した沈殿物の高さ(mm)を測定した。実施
例2〜12、比較例1〜10のそれぞれのサイズ剤につ
いても同様の試験を行った。
【0067】(ト)機械的安定性試験 実施例1のサイズ剤50gをカップに入れ、温度25
℃、荷重20Kg、回転数800rpmにて5分間マー
ロン式安定性試験を行った。生成した凝集物を325メ
ッシュ金網にて濾過して全固形分に対する析出量を測定
し百分率で表した。実施例2〜12、比較例1〜10の
それぞれのサイズ剤についても同様の試験を行った。
【0068】(チ)泡立ち性試験 380mlのカナディアン・スタンダード・フリーネス
まで叩解したパルプ(広葉樹対針葉樹のパルプ比が9対
1である混合パルプ)を2.5%のスラリーとし、これ
に対パルプ10%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム
(奥多摩工業社製;TP121S)、対パルプ1%(絶
乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ0.5%(絶乾重
量基準)の両性デンプン(王子ナショナル社製;Cat
o3210)及び対パルプ1%(絶乾重量基準)の上記
実施例1で得られたサイズ剤を添加した後、pH8の希
釈水でパルプ濃度0.25%まで希釈し、円筒型の容器
に入れた。その後、希釈したパルプスラリーに対パルプ
0.01%の歩留り向上剤(ハイモ社製;NR12ML
S)を添加した後、このパルプスラリーをポンプで循環
してこれを50cmの高さから容器中に落下させ、10
分後の液面に蓄積する泡の面積を、液面全体面積に対す
る百分率で表した。実施例2〜12、比較例1〜10の
それぞれのサイズ剤についても同様の試験を行った。
【0069】(リ)水への再分散性 実施例1のサイズ剤の風乾物1gと水道水50gをサン
プル瓶にとり、軽く攪拌してその風乾物の再分散性を観
察した。容易に分散するものを5、全く分散しないもの
を1とする5段階評価で行った。実施例2〜12、比較
例1〜10のそれぞれのサイズ剤についても同様の試験
を行った。
【0070】上記試験の結果を表4〜7に示す。
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】上記結果から、比較例1、2のサイズ剤は
それぞれに用いた共重合体において比較例1のものが水
溶性メルカプタン類の成分、比較例2のものが水難溶性
メルカプタン類の成分を有さず、また、比較例3、4の
サイズ剤はそれぞれに用いた共重合体において比較例3
のものが水溶性メルカプタン類の成分、比較例4のもの
が水難溶性メルカプタン類の成分をそれぞれ3モル%を
越えて有し、また、比較例5のサイズ剤に用いた共重合
体は(メタ)アクリルアミド類の成分を90モル%越
え、かつカルボン酸基含有モノマー類の成分が6モル%
より少なく、また、比較例6のサイズ剤に用いた共重合
体はアクリルアミドが40モル%より少なく、また、比
較例7のサイズ剤に用いた共重合体はカルボン酸基含有
モノマー類の成分が6モル%より少なく、かつ水溶性メ
ルカプタン類の成分がなく、比較例8のサイズ剤に用い
た共重合体はカルボン酸基含有モノマー類の成分が40
モル%を越え、また、比較例9のサイズ剤に用いた共重
合体は疎水性モノマー類の成分が3モル%より少なく、
比較例10のサイズ剤に用いた共重合体は疎水性モノマ
ー類の成分が20モル%を越え、比較例1〜10のいず
れのものも上記(a)〜(f)成分の種類と各成分の所
定割合の少なくとも1つを欠くため、上記実施例のサイ
ズ剤を用いたサイジング紙(応用実施例)は、比較例1
〜10のいずれのサイズ剤を用いたサイジング紙(応用
比較例)よりもステヒトサイズ度がいずれも優れ、特に
ロジンエステル化物をロジン系物質の一部又は全部に用
いた実施例2〜12のサイズ剤を用いたサイジング紙は
少なくとも5割は優れ、特に手抄き試験、による応
用比較例1のサイジング紙の場合に比べればそれぞれ少
なくとも5倍、2倍は優れると言える。また、いずれの
実施例のサイズ剤を用いたサイジング紙もインクジェッ
ト印刷適性は実用性があり、特にロジンエステル化物を
ロジン系物質の一部又は全部に用いた実施例2〜12の
サイズ剤を用いたサイジング紙は特に優れる。また、い
ずれの実施例のサイズ剤は比較例1〜10のいずれのサ
イズ剤より静置安定性、機械的安定性において顕著に優
れ、泡立ちが少なく、水への再分散性も良く、再分散し
ないと言える比較例のものに比べれば顕著な相違であ
る。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、特にpHを厳密にコン
トロールしなくても、また、添加率を高くしなくても所
定のサイズ度が得られ、コスト高にならず、抄紙系での
発泡や汚れが少なく、乳化性、サイズ効果、低発泡性、
機械的安定性、保存安定性等に満足でき、PPC用紙及
びインクジェット印刷用紙の両方の適性を満たす紙が得
られるサイズ剤、これを用いたサイジング紙及びサイジ
ング方法を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ロジン系物質と(B)乳化分散剤
    を水性分散媒に含有する製紙用ロジンエマルションサイ
    ズ剤において、該(B)乳化分散剤が少なくとも下記
    (a)〜(c)、(e)及び(f)のそれぞれに属する
    少なくとも1種の重合性化合物を共重合体成分に有し、
    かつ(a)40〜90モル%、(b)3〜20モル%及
    び(c)6〜40モル%からなる(a)〜(c)のモノ
    マー100モル%に対して、(e)成分を0.2〜3モ
    ル%及び(f)成分を0.2〜3モル%重合して得られ
    るアクリルアミド系共重合体を含有する製紙用ロジンエ
    マルションサイズ剤。 (a)アクリルアミド及びメタクリルアミドの少なくと
    も1種 (b)疎水性モノマー類 (c)カルボン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
    ー類 (e)水溶性メルカプタン類 (f)水難溶性メルカプタン類
  2. 【請求項2】 (A)ロジン系物質と(B)乳化分散剤
    を水性分散媒に含有する製紙用ロジンエマルションサイ
    ズ剤において、該(B)乳化分散剤が少なくとも下記
    (a)〜(d)、(e)及び(f)のそれぞれに属する
    少なくとも1種の重合性化合物を共重合体成分に有し、
    かつ(a)40〜90モル%、(b)3〜20モル%、
    (c)6〜40モル%及び(d)0.5〜5モル%から
    なる(a)〜(d)のモノマー100モル%に対して、
    (e)成分を0.2〜3モル%及び(f)成分を0.2
    〜3モル%重合して得られるアクリルアミド系共重合体
    を含有する製紙用ロジンエマルションサイズ剤。 (a)アクリルアミド及びメタクリルアミドの少なくと
    も1種 (b)疎水性モノマー類 (c)カルボン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
    ー類 (d)スルホン酸基及び/又はその塩を含有するモノマ
    ー類 (e)水溶性メルカプタン類 (f)水難溶性メルカプタン類
  3. 【請求項3】 (c)成分はカルボン酸基含有モノマー
    類であり、該カルボン酸基含有モノマー類が二塩基性カ
    ルボン酸モノマー類である請求項1又は2に記載の製紙
    用ロジンエマルションサイズ剤。
  4. 【請求項4】 (e)水溶性メルカプタン類が炭素数2
    又は3のメルカプタン類であり、かつメルカプトエタノ
    ール、システアミン塩酸塩、メルカプトプロピオン酸、
    メルカプトプロピオン酸塩、チオグリコール酸、チオグ
    リコール酸塩、チオ酢酸、チオ酢酸塩からなる群から選
    ばれた少なくとも1種であり、かつ(f)水難溶性メル
    カプタン類が炭素数4〜18のメルカプタン類の少なく
    とも1種である請求項1ないし3のいずれかに記載の製
    紙用ロジンエマルションサイズ剤。
  5. 【請求項5】 (A)ロジン系物質がロジンエステル類
    及び強化ロジンエステル類の少なくとも1つの類の少な
    くとも1種であるか、又はロジン類及び強化ロジン類の
    少なくとも1つの類の少なくとも1種と、ロジンエステ
    ル類及び強化ロジンエステル類の少なくとも1つの類の
    少なくとも1種の混合物であり、かつロジンエステル類
    及び強化ロジンエステル類の少なくとも1つの類の少な
    くとも1種がロジン系物質の10重量%より少なくない
    請求項1ないし4のいずれかに記載の製紙用ロジンエマ
    ルションサイズ剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の製
    紙用ロジンエマルションサイズ剤を用いてサイジングし
    たサイジング紙。
  7. 【請求項7】 pH5.0〜9.0のパルプスラリーに
    請求項1ないし5のいずれかに記載の製紙用ロジンエマ
    ルションサイズ剤を添加する工程を有することによりサ
    イジングした紙を得るサイジング方法。
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