JP4694975B2 - オレフィンの重合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、従来公知のオレフィン重合体と比較して、長鎖分岐が多く、溶融張力が高く、成形性に優れ、かつ機械的強度に優れたオレフィン重合体の製造方法に関する。
従来からオレフィン重合体、たとえばエチレン重合体またはエチレン・オレフィン共重合体を製造する方法として、チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチーグラー型のチタン系触媒、あるいはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒が知られている。
また、高い重合活性でエチレン・オレフィン共重合体を製造する方法として、ジルコニウム化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルモキサン)とからなるオレフィン重合触媒(メタロセン触媒)を用いたエチレン・オレフィン共重合体の製造方法がたとえば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報などに提案されている。
しかしながら、上記のような触媒を用いて製造されたエチレン重合体またはエチレン・オレフィン共重合体はいずれも、溶融張力および溶融粘弾性が不足するため、例えば、インフレーションフィルム成形時のバルブの揺れ、あるいはちぎれがなく、安定した状態での高速成形を達成するためには限界があった。また、同様の特性を要求される中空成形においても、垂れ下がり、あるいはちぎれ等の現象を制御することが十分にできなかった。さらに、Tダイ成形においてキャストフィルムを成形しようとする場合、フィルム端部が中央方向へと縮んでしまうネックインが発生するなどの問題が認められる場合もあった。ネックインが発生すると、フィルム幅が小さくなるとともにフィルム端部の厚みがフィルム中央部に比べ大きくなってしまうため、製品の歩留まりが悪化する。
ところで、エチレン系重合体の溶融張力を向上させて成形性の改善を図る方法が、数多く提案されている。例えば、チーグラー型のチタン系触媒を用いる方法が、特開昭56−90810号公報あるいは特開昭60−106806号公報などに開示されている。しかし、一般にチタン系触媒を用いて得られるエチレン系重合体、特に低密度エチレン系共重合体は、組成分布が広く、フィルムなどの成形体はベタつきがあるなどの問題点があった。
一方、メタロセン触媒を用いて得られるエチレン系重合体では、溶融張力は低いものの、引張強度、引裂強度あるいは耐衝撃強度などの機械的強度に優れ、組成分布が狭く、フィルムなどの成形体はベタつきが少ないなどの長所があることが知られている。メタロセン触媒の長所を活かし、かつ溶融張力を改善する方法は、例えば、特開平4−213306号公報(エチレンと1−ブテン等のα−オレフィンを共重合させる方法)、特表平1−50163号公報(エチレンと1,3−ブタジエンを共重合させる方法)、特表平4−506372号公報(エチレンと1,4−ヘキサジエンを共重合させる方法)などに提案されている。しかし、これらの方法では少量のコモノマー分岐や架橋構造を導入した場合、溶融特性は十分に改善されない。また多量に導入すると、ポリマー本来の持つ機械的特性が低下したり、ゲルの発生が懸念される。
一方、高圧ラジカル重合法により製造される低密度ポリエチレンは、チーグラー触媒を用いて製造したエチレン系重合体と比較して、複雑な長鎖分岐構造を有しているため溶融張力が大きい。そのため、ネックインが小さいなど成形性が良く、フィルムや中空容器などの用途に供されている。しかしながら、成形体の引張強度、引裂強度あるいは耐衝撃強度などの機械的強度に関しては低く、また、Tダイ成形における高速成膜加工性に劣るといった問題点も残されている。
この問題を解決するために、高圧法低密度ポリエチレンとメタロセン触媒を用いて得られる機械的強度に優れたエチレン系重合体との組成物が、例えば、WO99/46325号公報に提案されており、また、特開平2−276807号公報、特開平4−213309号公報、WO93/08221号公報、特開平8−311260号公報、特表2004−527612号公報などには、メタロセン触媒を用いた長鎖分岐型オレフィン重合体が種々開示されている。しかしながら、前者においては、組成物を調製するために、溶融ブレンドする必要があり、このブレンドによる大幅なコストアップは免れない。また、後者においても、これらのオレフィン重合体は、長鎖分岐の無い直鎖状のオレフィン重合体に比べ溶融張力が向上し、成形性に優れる旨の記載があるが、生成した長鎖分岐数は少なく、成形性の向上については不十分であるといえる。
特開昭58−19309号公報 特開昭60−35005号公報 特開昭60−35006号公報 特開昭60−35007号公報 特開昭60−35008号公報 特開昭56−90810号公報 特開昭60−106806号公報 特開平4−213306号公報 特表平1−50163号公報 特表平4−506372号公報 WO99/46325号公報 特開平2−276807号公報 特開平4−213309号公報 WO93/08221号公報 特開平8−311260号公報 特表2004−527612号公報
本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意研究した結果、同一重合系に2種類以上の遷移金属化合物を用いることによって、数多くの長鎖分岐を有し、溶融張力が大きく、成形性に優れ、かつ機械的強度に優れるオレフィン重合体の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、特定の固体触媒成分の存在下、オレフィンを重合することで、従来公知のオレフィン重合体と比較して、長鎖分岐が多く、溶融張力が高く、成形性に優れ、かつ機械的強度に優れたオレフィン重合体を与えるオレフィンの重合方法を提供することを目的としている。
本発明に係わる重合方法は、
(E)固体状担体と
(A)下記一般式(I)示される周期律表第4族のメタロセン化合物(a−1)と
〔式(I)中の各種の符号の意味については、後述する「発明実施の形態」において詳説する。〕
(B)下記一般式(III)示される周期律表第4族のメタロセン化合物と、
〔式(III)中の各種の符号の意味については、後述する「発明実施の形態」において詳説する。〕
(C)(c−1) 有機金属化合物
(c−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(c−3) 成分(A)、成分(B)と反応してイオン対を形成する化合物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
から得られる固体状触媒成分、および必要に応じて
(D)有機アルミニウム化合物
からなる重合触媒を用いて、
190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分の範囲の場合、要件[1]、[2]を同時に満たすオレフィンを重合するオレフィンの重合方法である。
[1] 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が、1.20×10 −4 〜9.00×10 −4 の範囲にある。
[2] 200℃におけるゼロせん断粘度[η (P)]とGPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量〔Mw(v)〕が、下記関係式(Eq−1)を満たす。
また、前記固体触媒成分の好ましい調製方法は、
[a] 前記成分(E)と前記成分(C)を混合接触させ、次いで前記成分(A)および前記成分(B)の混合成分を接触させる方法、または
[b] 前記成分(E)と前記成分(C)を混合接触させ、次いで前記成分(A)を混合接触させて得られる固体触媒成分(K-1)と、前記成分(E)と前記成分(C)を混合接触させ、次いで成分(B)を混合接触させて得られる固体触媒成分(K-2)とをブレンドする方法である。
本発明においては、オレフィンが、エチレン、および炭素数4〜10のα-オレフィンから選らばれる1種以上であることが好ましい。
本発明の重合方法により、長鎖分岐が多く、溶融張力が高く、成形性に優れ、かつ機械的強度に優れたオレフィン重合体が提供される。
以下、本発明に係るオレフィンの重合方法に関して具体的に説明する。
本発明の重合方法は、
(E)固体状担体と
(A)下記一般式(I)示される周期律表第4族のメタロセン化合物(a−1)と
(B)下記一般式(III)示される周期律表第4族のメタロセン化合物と、
(C)(c−1) 有機金属化合物
(c−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(c−3) 成分(A)、成分(B)と反応してイオン対を形成する化合物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
から得られる固体状触媒成分〔以下の説明では、該触媒成分を「固体触媒成分(K)」と略称する場合がある〕、および必要に応じて
(D)有機アルミニウム化合物
からなる重合触媒を用いて、オレフィンを重合する方法である。
次に、本発明の固体触媒成分(K)を製造する上で用いる各成分について説明する。
成分(A)は、下記一般式(I)で示される周期律表第4族のメタロセン化合物(a−1)である。
周期律表第4族のメタロセン化合物(a-1)は下記一般式(I)で表される。
一般式(I)中、Mは周期表第4族遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
〜Rは、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基)からなる群から選ばれる基であり、それぞれ同一でも異なってもよい。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基など;C3〜C20のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など;C2〜C20のアルケニル基として、ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基など;C6〜C20のアリール基として、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリル;C〜C20のアリールアルキル基として、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどなどが挙げられる。
上記、R〜Rの好ましい置換基としては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基が選ばれ、さらに好ましい置換基としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基が選ばれ、特に好ましい基とては、R〜Rの全てが水素電子、または、R〜Rのうち一つが炭素数1〜4のアルキル基であり、他は水素原子であることが選ばれる。
Q1は、二つの配位子を結合する二価の基であって、ケイ素含有基である。
炭素数1〜20のアルキレン基、置換アルキレン基、アルキリデン基の具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、ジイソプロピルメチレン、メチル−t−ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジナフチルメチレン、イソプロピリデンなどの置換アルキレン基、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダニリデンなどのシクロアルキレン基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、メチル-t-ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレン、シクロヘプタメチレンシリレンなどが挙げられ、ゲルマニウム、スズ含有基としては、上記ケイ素含有基においてケイ素をゲルマニウム、スズに変換した基などが挙げられる。
の好ましい二価の基としては、ケイ素含有基が選ばれ、特に好ましい基としては、シリレン基、ジメチルシリレン基が選ばれる。
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20の炭化水素基、C〜C20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基およびリン含有基から選択された基である。ハロゲン原子としては、塩素,臭素,フッ素,ヨウ素原子が挙げられ、C1〜C20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、n-デシル基などのアルキル基、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基などが挙げられ、またC〜C20のハロゲン含有炭化水素基としては、上記炭化水素基中の水素原子の1個以上が適当なハロゲン原子で置換された基、例えばトリフルオロメチル基などが挙げられる。珪素含有基としては、トリメチルシリル基,ジメチル(t-ブチル)シリル基などが挙げられ、酸素含有基としては、メトキシ基,エトキシ基などが挙げられ、イオウ含有基としては、チオール基,スルホン酸基などが挙げられ、窒素含有基としては、ジメチルアミノ基などが挙げられ、リン含有基としては、フェニルホスフィン基などが挙げられる。Xは、互いに同一
であっても異なっていてもよい。
一般式(I)表される成分(a-1)の遷移金属化合物の具体例を以下に示す。
具体例としては、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、および上記メタロセン化合物のジブロミド化合物、ジアルキル化合物、ジアラルキル化合物、ジシリル化合物、ジアルコキシ化合物、ジチオール化合物、ジスルホン酸化合物、ジアミノ化合物、ジホスフィン化合物または上記化合物の中心金属が、チタンまたはハフニウムであるメタロセン化合物等が挙げられる。
これらのうち、好ましい化合物としては、ジメチルシリレン基で架橋されたメタロセン化合物が選ばれ、中でも、特に好ましい化合物しては、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが選ばれる。
次に、成分(B)に関して詳細に説明する。
成分(B)は、下記一般式(III)で示される周期律表第4族のメタロセン化合物である。
一般式(III)中、Mは、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれた遷移金属であり、好ましくは、ジルコニウムである。R15〜R26は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。Qは、二つの配位子を結合する二価の基であって、C〜C20の炭化水素基、C〜C20のハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基またはゲルマニウム或いはスズ含有基であり、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20の炭化水素基、C〜C20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基およびリン含有基から選択された基である。
15〜R26中のハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基に関しては、具体的に一般式(II)中のR〜R14に記載したものを制限無く用いることができ、Qに関しては、一般式(I)中のQについて記載したものを、Xに関しても一般式(I)中のXについて記載したものを制限無く用いることができる。また、シクロペンタジエニル環上のR15〜R18は、隣接する基のうちの少なくとも一組は互いに結合して環を形成し、例えば、インデニル基、置換インデニル基を形成してもよく、フルオレン環上のR19〜R26も、隣接する基のうちの少なくとも一組は互いに結合して環を形成し、例えば、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基などを形成してもよい。
上記、好ましい基の形態としては、R15〜R18は、水素原子が選ばれ、R19〜R26は、水素原子、炭化水素基が選ばれ、また、隣接する炭化水素基のうちの少なくとも一組は互いに結合して環を形成したオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基も好ましい基として選ばれる。Qに関しては、置換アルキレン基、シクロアルキレン基、ケイ素含有基が好ましい基として選ばれ、置換アルキレン基としては、イソプロピリデン基、ジエチルメチレン基、ジプロピルメチレン基、ジブチルメチレン基が、シクロアルキレン基としては、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデンが、また、ケイ素含有基としは、シリレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、シクロヘキサメチレンシリレンなどが挙げられる。
このような前記一般式(III)で表される周期律表第4族のメタロセン化合物の具体例を以下に示す。
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(3-tert-ブチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリド-ジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、および上記メタロセン化合物のジブロミド化合物、ジアルキル化合物、ジアラルキル化合物、ジシリル化合物、ジアルコキシ化合物、ジチオール化合物、ジスルホン酸化合物、ジアミノ化合物、ジホスフィン化合物または上記化合物の中心金属が、チタンまたはハフニウムであるメタロセン化合物等が挙げられる。
これらのうち好ましいメタロセン化合物としては、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリドが挙げられる。
また、シクロペンタジエニル環上のR15〜R18の隣接する基が互いに結合して環を形成し、インデニル環、置換インデニル環を有する好ましいメタロセン化合物の具体例としては、イソプロピリデン(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(インデニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(インデニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(インデニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(インデニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(インデニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(インデニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(インデニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シインデニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(インデニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリドが挙げられる。
次に、成分(C)に関して具体的に説明する。
本発明に係わる固体触媒成分において、前記成分(A)、成分(B)で表わされる化合物とともに用いられる、(c-1) 有機金属化合物、(c-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(c-3) 成分(A)、成分(B)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物については、本出願人による特開平11-315109号公報やEP0874005A1中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
(c-1) 有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物が好ましく、1種単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
(c-2) 有機アルミニウムオキシ化合物としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムから調製されたアルミノキサンが好ましく、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物が特に好ましい。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
(c-3) 成分(A)、成分(B)と反応してイオン対を形成する化合物としては、特開平1-501950号公報、特開平1-502036号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、US5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物や、さらにはヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物を制限無く使用することができる。
本発明に係るメタロセン化合物、遷移金属化合物を触媒とする場合、助触媒成分としてのメチルアルミノキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物(c-2)とを併用すると、オレフィン化合物に対して非常に高い重合活性を示すため、(c-2)有機アルミニウムオキシ化合物を成分(C)と用いることが好適である。
本発明に係わる重合方法で任意成分として用いられる成分(D)有機アルミニウム化合物(以下「成分(D)」と記載することがある。)は、前記成分(c-1)と同様の有機アルミニウム化合物が用いられる。本願実施例ではトリイソブチルアルミニウムを用いているが本発明においてはこの化合物に何ら限定されるものではない。
次に、(E)固体状担体に関して詳細に説明する。
本発明で用いられる(E)固体状担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体であり、上記のような各成分が下記のような固体状担体に担持されている。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が挙げられ、好ましくは、後述のような多孔質酸化物、無機塩化物を使うことができる。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgO等を使用することができる。これらのうち、SiO2を主成分とするものが好ましい。
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3 、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支ない。
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が0.2〜300μm、好ましくは1〜200μmであって、比表面積が50〜1200m2/g、好ましくは100〜1000m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜30cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
無機塩化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機塩化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物等を例示することができる。
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α-Zr(HAsO4)2・H2O、α-Zr(HPO4)2、α-Zr(KPO4)2・3H2O、α-Ti(HPO4)2、α-Ti(HAsO4)2・H2O、α-Sn(HPO4)2・H2O、γ-Zr(HPO4)2、γ-Ti(HPO4)2、γ-Ti(NH4PO4)2・H2O等の多価金属の結晶性酸性塩等が挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理等、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラ-と呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)、[Al13O4(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+等の金属水酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)等を加水分解して得た重合物、SiO2等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラ-としては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分け等の処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等の炭素原子数が2〜14のオレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
次に、本発明おける粒子状の固体触媒成分(K)の調製方法について記載する。
本発明の固体触媒成分(K)は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、および成分(E)の中から選ばれる成分を不活性炭化水素中で混合接触させることにより調製することができる。
固体触媒成分の調製方法としては、各成分の混合順序は任意であるが、好ましい接触順序としては、例えば、
(i) 成分(E)と成分(C)を混合接触させ、次いで成分(A)を混合接触させて固体触媒成分(K-1)を調製し、別途、成分(E)と成分(C)を混合接触させ、次いで成分(B)を混合接触させて固体触媒成分(K-2)を調製し、該固体触媒成分(K-1)と該固体触媒成分(K-2)をブレンドして固体触媒成分(K)を調製する方法。
(ii) 成分(A)と成分(C)とを混合接触させ、次いで成分(E)を接触させて固体触媒成分(K-1)を調製し、別途、成分(B)と成分(C)とを混合接触させ、次いで成分(E)を接触させて固体触媒成分(K-2)を調製し、該固体触媒成分(K-1)と該固体触媒成分(K2)をブレンドして固体触媒成分(K)を調製する方法。
(iii)成分(E)と成分(C)を混合接触させ、次いで成分(A)を接触させた後に、成分(B)を接触させて固体触媒成分(K)を調製する方法
(iv)成分(E)と成分(C)を混合接触させ、次いで成分(B)を接触させた後に、成分(A)を接触させて固体触媒成分(K)を調製する方法
(v) 成分(E)と成分(C)を混合接触させ、次いで成分(A)および成分(B)の混合成分を接触させて固体触媒成分(K)を調製する方法
(vi) 成分(A)と成分(B)の混合成分と成分(C)を接触させ、次いで成分(E)を接触させて固体触媒成分(K)を調製する方法
などが挙げられる。
これらのうち、特に好ましい接触順序としては、(i)と(v)があげられる。
本発明の固体触媒成分の調製に用いる溶媒としては、不活性炭化水素溶媒があげられ、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等を挙げることができる。
成分(C)と成分(E)の接触は、成分(C)中の反応部位と成分(E)中の反応部位との反応により化学的に結合され成分(C)と成分(E)の接触物が形成される。成分(C)と成分(E)との接触時間は、通常0〜20時間、好ましくは0〜10時間であり、接触温度は、通常-50〜200℃、好ましくは-20〜120℃で行われる。成分(C)と成分(E)との初期接触を急激に行うと、その反応発熱や反応エネルギーにより成分(E)が崩壊し、得られる固体触媒成分のモルフォロジーが悪化し、これを重合に用いた場合ポリマーモルフォロジー不良により連続運転が困難になることが多い。そのため、成分(C)と成分(E)との接触初期は、反応発熱を抑制する目的で、低温で接触させる、または、ゆっくりと反応させることが好ましい。成分(C)と成分(E)との接触のモル比(成分(C)/成分(E))は、任意に選択できるが、モル比が高いほうが、成分(A)、成分(B)の接触量を増加でき、固体触媒成分あたりの活性も向上させることができることより好ましい。
好ましい範囲として、成分(C)と成分(E)のモル比[=成分(C)のモル量/成分(E)のモル量]が、通常0.2〜2.0、特に好ましくは、0.4〜2.0である。
成分(C)と成分(E)の接触物と、成分(A)ならびに成分(B)との接触に関して、接触時間は、通常0〜5時間、好ましくは0〜2時間であり、接触温度は、通常-50〜200℃、好ましくは-50〜100℃の範囲内で行われる。成分(A)ならびに成分(B)の接触量は、成分(C)の種類と量に大きく依存し、成分(c-1)の場合は、成分(A)ならびに成分(B)中の全遷移金属原子(M)と成分(c-1)とのモル比[(c−1)/M]が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられ、成分(c-2)は、成分(c-2)中のアルミニウム原子と成分(A)及び成分(B)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(c-2)/M]が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。成分(c-3)は、成分(c-3)と、成分(A)及び成分(B)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(c-3)/M]が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。なお、成分(C)と成分(A)及び成分(B)中の全遷移金属原子(M)との比は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析法)により求めることができる。
成分(A)と成分(B)の使用比は、所望するエチレン系重合体の分子量及び分子量分布によっても異なるが、通常は成分(A)に起因する生成ポリマーのGPC面積百分率(S)と成分(B)に起因する生成ポリマーのGPC面積百分率(S)の比[=S/S]が、40/60〜95/5、好ましくは、50/50〜95/5、特に好ましくは、60/40〜95/5になるように成分(A)と成分(B)の使用比が決められる。本願実施例で用いた成分(A)および成分(B)については、成分(A)と成分(B)のモル比[=成分(A)のモル量/成分(B)のモル量]として0.1〜50程度である。なお、成分(A)と成分(B)から生成するポリマーのGPC面積百分率(SおよびS)は、後述のピーク分離から求めることができる。
オレフィンの(共)重合には、上記のような固体触媒成分(K)をそのまま用いることができるが、この固体触媒成分(K)にオレフィンを予備重合させ予備重合触媒成分を形成してから用いることもできる。
予備重合触媒成分は、上記の固体触媒成分の存在下、通常、不活性炭化水素溶媒中、オレフィンを予備重合させることにより調製することができる。その方法としては、回分式、半連続式、連続式のいずれにおいても実施することができ、また減圧、常圧あるいは加圧下のいずれであってもよい。さらに、予備重合によって、固体状触媒成分1g当り0.01〜1000g、好ましくは0.1〜800g、さらに好ましくは0.2〜500gの量で予備重合触媒成分が生成することが望ましい。
不活性炭化水素溶媒中で生成した予備重合触媒成分を懸濁液から分離した後、再び不活性炭化水素中に懸濁させ、得られた懸濁液中にオレフィンを導入してもよく、また、乾燥させた後オレフィンを導入してもよい。
予備重合に際しては、予備重合温度は、−20〜80℃、好ましくは0〜60℃であり、また予備重合時間は、0.5〜100時間、好ましくは1〜50時間程度である。予備重合には、後述する重合時に用いられるオレフィンと同様のオレフィンが用いられるが、好ましくはエチレンを主成分とするオレフィンである。
予備重合に使用する粒子状触媒成分の形態としては、既に述べたものを制限無く利用できるが、必要に応じて成分(D)を用いることもできる。成分(D)が用いられる場合、該成分(D)中のアルミニウム原子(Al−D)と遷移金属化合物とのモル比(成分(D)/遷移金属化合物)は、0.1〜10000がよく、好ましくは0.5〜5000の量で用いられる。
また、予備重合系における固体触媒成分の濃度は、固体触媒成分/重合容積1リットル比で、通常1〜1000グラム/リットルで行われ、好ましくは10〜500グラム/リットルであることが望ましい。
次に、本発明に係るオレフィン系重合体の重合方法に関して記載する。
上記した固体触媒成分(K)の存在下、オレフィンを重合または共重合することによりオレフィン重合体を得る。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合等の液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できるが、懸濁重合法や気相重合法を用いるのが好ましい。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等を挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上述の固体触媒成分を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)及び成分(B)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルになるような量で用いられ、必要に応じて、成分(D)を用いることもできる。
また、上述の固体触媒成分を用いたオレフィンの重合温度は、通常-50〜+200℃、好ましくは0〜170℃、特に好ましくは60〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。
本発明に係る重合で使用するオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどのα−オレフィンや、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィンを挙げることができる。また、スチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエンやアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸等;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸等の極性モノマーなども用いることもできる。
特に、本発明に係わる固体触媒成分(K)の存在下、エチレン、および炭素数4〜10のα-オレフィンを重合することで得られるエチレン系重合体は、下記する2つの特徴を有している。
特徴1
本発明に係わる重合方法によって得られるエチレン系重合体は、下記用件(Q1)および(Q2)を共に満足する。
(Q1) ゲルパーミエイションクロマトグラフイー(GPC)により、3つのピーク(a,b,c)が観測され、各々のピークトップのLog Mが以下の範囲内に存在する。
3.5≦Log Ma≦4.5、4.2≦Log Mb≦5.3、
5.1≦Log Mc≦5.9
(Q2)GPCにおける、LogMa、Log Mb、Log Mcでのピークの高さを順に、Ha、Hb、Hcとした場合、以下の条件を満足する。
Ha:Hb:Hc=x:y:z (x+y+z=1)
x:0.43〜0.85、y:0.10〜0.50、z:0.06〜0.35
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)は、ウォーターズ(Waters)モデル「Alliance GPC 2000」ゲル浸透クロマトグラフ(高温サイズ排除クロマトグラフ)により得られる分子量分布曲線から計算したものであり、操作条件は、下記の通りである:
使用装置及び条件
測定装置;ゲル浸透クロマトグラフ allianceGPC2000型(Waters社)
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステムEmpower(Waters社)
カラム;TSKgel GMH6- HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2
(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o-ジクロロベンゼン[=ODCB](和光純薬 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/min
注入量;500μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正 単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495から分子量2060万
分子量分布および各種平均分子量は、Z. Crubisic, P. Rempp, H. Benoit, J. Polym. Sci., B5, 753 (1967)に記載された汎用較正の手順に従い、ポリエチレン分子量換算として計算された。
GPCにおいて観測されるエチレン系重合体の、aピークは、成分(A)に起因するピークであり、bピークは、成分(B)に起因するピークであり、cピークは、成分(A)、成分(B)の両方用いたときのみ初めて生成するピークである。cピークの存在は、下に記載のピーク分離方法に従って分離すると明らかにできる。
また、メタロセン化合物、遷移金属化合物の種類と組み合わせ、ならびに重合系内の水素とエチレンの組成比(水素/エチレン)により、aピークとbピークが重なり区別がつけにくくなり、一見、単一ピークまたはbピークがショルダーとして観測される場合であっても、後述の方法で分離を行うとcピークの存在が確認できるのである。
本発明に係わる重合法により製造したエチレン系重合体の分子量曲線(G1)のピーク分離は、該エチレン系重合体と同様の重合条件にて重合した、成分(A)、成分(C)、成分(E)からなる固体触媒成分を用いて得られたエチレン重合体[成分(A)のみの重合体と記載することもある]の分子量曲線(G2)と、成分(B)、成分(C)、成分(E)からなる固体触媒成分を用いて得られたエチレン重合体[成分(B)のみの重合体と記載することもある]の分子量曲線(G3)を用いて,下記の方法により実施した。なお、分子量曲線は上述したGPC測定により得られたものを用い、ピーク分離の計算はマイクロソフト社製エクセル(登録商標)97を用いた。
[1](G1)、(G2)、(G3)の数値データにおいて、Log(分子量)を0.02間隔に分割し、さらに分子量曲線の面積が1となるように強度[dwt/d(log分子量)]を規格化する。
[2](G2)と(G3)との合成曲線(G4)を作成する。
[3] 各分子量における(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が0.0004以下となるように、(G2)、及び(G3)の各分子量における強度を一定の比率で任意に変更する。なお、高分子量側では生成するcピークの影響により、(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が0.0004より大きくなってしまうため、より低分子量側で(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が0.0004以下となるように、(G2)、及び(G3)の強度を変更していく。
[4] ピークトップより高分子量側おける(G1)と(G4)との重なり合わない部分(G5)[(G1)−(G4)]をcピークとする。成分(A)に起因するポリマーのGPC面積百分率 Sa、成分(B)に起因するポリマーのGPC面積百分率 Sb、cピークのGPC面積百分率 Scは以下のように算出される。
Sa=S(G2)/S(G1)
Sb=S(G3)/S(G1)
Sc=S(G5)/S(G1)
ここで、S(G2)、S(G3)は強度を変更した後の(G2)、(G3)のピーク面積であり、S(G1)、S(G5)は各々(G1)、(G5)のピーク面積である。
このように生成するcピークのGPC面積百分率(Sc)は、成分(A)と成分(B)の使用比によって任意に調節できるが、通常、1.5%≦Sc≦30%、好ましくは2.0%≦Sc≦25%の範囲である。
特徴2
本発明の重合方法によって得られたエチレン系重合体は、190℃における2.16 kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜100 g/10分の範囲の場合、要件[1]、[2]を同時に満たす。
[1] 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0 rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が、1.20×10-4〜9.00×10-4、好ましくは、1.50×10-4〜9.00×10-4、より好ましくは、2.00×10-4〜7.00×10-4の範囲にある。
[2] 200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量〔Mw(v)〕は、下記関係式(Eq-1)を満たす。
好ましくは、下記関係式(Eq-2)を満たす。
なお、溶融張力(MT)、200℃、角速度 1.0 rad/秒におけるせん断粘度(η)、200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)の測定方法は、以下の通りである。
溶融張力(MT):溶融されたポリマーを一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定した。測定には東洋精機製作所製のMT測定機を用いた。測定条件は樹脂温度190℃、溶融時間6分、バレル径9.55 mmφ、押し出し速度15 mm/分、巻取り速度24 m/分(溶融フィラメントが切れてしまう場合には、巻取り速度を5 m/分づつ低下させる)、ノズル径 2.095 mmφ、ノズル長さ8 mmである。
200℃、角速度 1.0 rad/秒におけるせん断粘度(η):測定温度 200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω (rad/秒)〕分散を0.02512≦ω≦100の範囲で測定することにより決定された。測定にはレオメトリックス社製ダイナミックストレスレオメーター SR-5000を用いた。サンプルホルダーは 25 mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約 2.0 mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10 %の範囲で適宜選択した。せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度 190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力 100 kg/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100 kg/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2 mmにプレス成形することで調製した。
200℃におけるゼロせん断粘度[η0(P)]:測定温度200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度[ω(rad/秒)]分散を、0.02512≦ω≦100の範囲で測定する。測定にはレオメトリックス社製ダイナミックストレスレオメーター SR-5000を用いた。サンプルホルダーは25 mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約2.0 mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10 %の範囲で適宜選択した。せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間 5分間、加熱温度 190℃、加熱時間 2分間、加熱圧力 100 kg/cm2、冷却温度20℃、冷却時間 5分間、冷却圧力 100kg/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ 2 mmにプレス成形することで調製した。
ゼロせん断粘度η0は、下記数式(Eq-5)のCarreauモデルを非線形最小二乗法により実測のレオロジー曲線[せん断粘度(η*)の角速度(ω)分散]にフィッティングさせることで算出した。
上記式(Eq-5)中、λは時間の次元を持つハ゜ラメーター、nは材料の冪法則係数(Power law index)を表す。なお、非線形最小二乗法によるフィッティングは下記数式
(Eq-6)におけるdが最小となるよう行われる。
上記式(Eq-6)中、ηexp(ω)は実測のせん断粘度、ηcalc(ω)はCarreauモデルより算出したせん断粘度を表す。
GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量〔Mw(v)〕:GPC-VISCO法による重量平均分子量〔Mw(v)〕はウォーターズ社製 GPC/V2000を用い、以下のようにして測定した。ガードカラムはShodex AT-G、分析カラムは AT-806を2本使用し、カラム温度は145℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT 0.3重量%を用い、1.0 ml/分で移動させ、試料濃度は 0.1重量%とし、検出器として示差屈折計、3キャピラリー粘度計を用いた。標準ポリスチレンは、東ソー社製を用いた。分子量計算は、粘度計と屈折計から実測粘度を算出し、実測ユニバーサルキャリブレーションより重量平均分子量〔Mw(v)〕を算出した。
本発明に係る固体触媒成分の成分(A)と成分(B)の使用比率を任意に変更することにより、cピークの生成量、さらには、ηを調節することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例・比較例に記載した製造方法で得られた重合体の物性測定は、耐熱安定剤としてIrganox1076(チバスペシャリティケミカルズ)0.1重量%、Irgafos168(チバスペシャリティケミカルズ)0.1重量%を加え、東洋精機製作所製ラボプラストミルを用い、樹脂温度180℃、回転数50rpm.で5分間溶融混練し、さらにこの溶融ポリマーを、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kg/cmの条件にて冷却したものを用いた。また、重合体の諸物性は、上述の機器および方法により測定した。
[固体成分(S−1)の調製]
内容積260Lの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO:平均粒子径12μm)10kgを90.5Lのトルエンに懸濁した後、0〜5℃まで冷却した。この懸濁液にメチルアルモキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.0mmol/mL)45.5Lを30分間かけて滴下した。この際、系内の温度を0〜5℃に保った。引き続き0〜5℃で30分間反応させた後、約1.5時間かけて95〜100℃まで昇温して、引き続き95〜100℃で4時間反応させた。その後常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエンを加えて全量129Lとし、固体成分(S−1)のトルエンスラリーを調製した。得られた固体成分の一部を採取し、濃度を調べたところ、スラリー濃度:137.5g/L、Al濃度:1.1mol/Lであった。
[固体触媒成分(X−1)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ、上記で調製した固体成分(S−1)のトルエンスラリー(固体部換算で2.0g)を装入した。次に、メタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.004mmol/mL)18.1mLを滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−1)。
[予備重合触媒(XP−1)の調製]
引き続き、上記で調製した固体触媒成分(X−1)のヘキサンスラリーを10℃まで冷却した後、TiBAl 2.64mmol、1−ヘキセン0.267mlを添加し、常圧下15L/hでエチレンのフィードを開始した。25℃において、固体触媒成分によるエチレンの積算吸収量5.15Lになるまで重合を行い、重合終了後、系内を窒素に置換し予備重合を終了した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで3回洗浄し、デカンスラリーとし予備重合触媒(XP−1)を調製した。得られた予備重合触媒(XP−1)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.065mg/mL、Al濃度5.46mg/mLであった。
[予備重合触媒(XP−2)の調製]
上記、固体触媒成分(X−1)、予備重合触媒(XP−1)の調製において、メタロセン化合物(A−1)の代わりに、メタロセン化合物(B−1)を用いた以外は、固体触媒成分(X−1)、予備重合触媒(XP−1)の調製と同様に行い、予備重合触媒(XP−2)を調製した。得られた予備重合触媒(XP−2)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.063mg/mL、Al濃度3.72mg/mLであった。
重 合
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン 500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.20vol%)を用いて、系内を置換した後、1−ヘキセン10mL、トリイソブチルアルミニウム 0.375mmolを添加し、さらに予備重合触媒(XP−1)をジルコニウム換算で0.0025ミリモル、予備重合触媒(XP−2)をジルコニウム換算で0.00028ミリモル装入し(ジルコニウム原子のモル比で予備重合触媒(XP−1)/予備重合触媒(XP−2)=90/10)、80℃に昇温して、0.78MPa・Gにて90分間重合を行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体65.3gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に、また、GPCチャートを図1に記す。
実施例1の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.45vol%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体57.0gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン 500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.10vol%)を用いて、系内を置換した後、1−ヘキセン10mL、トリイソブチルアルミニウム 0.375mmolを添加し、さらに予備重合触媒(XP−1)をジルコニウム換算で0.00238ミリモル、予備重合触媒(XP−2)をジルコニウム換算で0.000125ミリモル装入し(ジルコニウム原子のモル比で予備重合触媒(XP−1)/予備重合触媒(XP−2)=95/5)、80℃に昇温して、0.78MPa・Gにて90分間重合を行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体49.8gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
実施例3の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.20vol%)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体51.0gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
実施例1の重合において、水素−エチレン混合ガスの代わりにエチレンガスを用い、重合温度を70℃、1−ヘキセン量を30mLに変更した以外は、実施例1と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体76.8gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
実施例1の重合において、重合温度を70℃、1−ヘキセン量を30mLに変更した以外は実施例1と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体62.8gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
実施例1の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.31vol%)を用い、重合温度を70℃、1−ヘキセン量を30mLに変更した以外は、実施例1と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体72.3gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
実施例3において、エチレンガスを用い、重合温度70℃、1−ヘキセン30mLに変更した以外は、実施例3と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体60.9gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
[固体触媒成分(X−3)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−1)のトルエンスラリー(固体部換算で2.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合したメタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)44.0mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)1.83mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−3)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−1)の混合モル比は、(A−1)/(B−1)=96/4である。また、得られた固体触媒成分(X−3)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.061mg/mL、Al濃度3.71mg/mLであった。
重 合
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン 500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.10vol%)を用いて、系内を置換した後、1−ヘキセン10mL、トリイソブチルアルミニウム 0.375mmolを添加し、さらに固体触媒成分(X−3)をジルコニウム換算で0.0025ミリモル装入し、80℃に昇温して、0.78MPa・Gにて90分間重合を行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体46.2gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.2vol%)、ジルコニウム換算で0.0025ミリモルの固体触媒成分(X−3)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体52.2gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.25vol%)、ジルコニウム換算で0.0025ミリモルの固体触媒成分(X−3)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体58.6gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2に記す。
[固体触媒成分(X−4)の調製]
実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製において、メタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)34.4mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)3.6mLを用いた以外は、実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製と同様の方法で行い、固体触媒成分(X−4)を調製した。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−1)の混合モル比は、(A−1)/(B−1)=95/5である。また、得られた固体触媒成分(X−4)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.062mg/mL、Al濃度3.64mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.2vol%)、ジコニウム換算で0.0025ミリモルの固体触媒成分(X−4)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体71.1gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2に、GPCチャートを図2に記す。
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガスの代わりにエチレンガスを用い、重合温度を70℃、1−ヘキセン量を30mL、ジコニウム換算で0.0026ミリモルの固体触媒成分(X−4)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体60.8gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2に記す。
[固体触媒成分(X−5)の調製]
実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製において、固体成分(S−1)のトルエンスラリーの装入量を固体部換算で1.0gとし、かつ、メタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)16.6mL、メタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)2.89mLを使用した以外は、実施例9と同様の方法で固体触媒成分を調製した(X−5)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−1)の混合モル比は、(A−1)/(B−1)=92/8である。また、得られた固体触媒成分(X−5)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.058mg/mL、Al濃度3.52mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.064vol%)を用い、重合温度を70℃、1−ヘキセン量を30mL、ジコニウム換算で0.0031ミリモルの固体触媒成分(X−5)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体44.5gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2に記す。
[固体触媒成分(X−6)の調製]
実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製において、メタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)32.5mL、メタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)7.23mLを使用した以外は、実施例9と同様の方法で固体触媒成分を調製した(X−6)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−1)の混合モル比は、(A−1)/(B−1)=90/10である。また、得られた固体触媒成分(X−6)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.065mg/mL、Al濃度3.77mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.064vol%)、を用い、重合温度を70℃、1−ヘキセン量を30mLに変更し、ジルコニウム換算で0.0026ミリモルの固体触媒成分(X−6)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体92.9gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2に記す。
[固体触媒成分(X−7)の調製]
実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製において、固体成分(S−1)のトルエンスラリーの装入量を固体部換算で1.9gとし、かつ、メタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)40.3mL、メタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)5.50mLを使用した以外は、実施例9と同様の方法で固体触媒成分を調製した(X−7)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−1)の混合モル比は、(A−1)/(B−1)=88/12である。また、得られた固体触媒成分(X−7)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.059mg/mL、Al濃度3.43mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.75vol%)、ジルコニウム換算で0.0025ミリモルの固体触媒成分(X−7)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体71.3gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2に記す。
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.83vol%)、ジルコニウム換算で0.0025ミリモルの固体触媒成分(X−7)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体65.9gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2に記す。
[固体成分(S−2)の調製]
窒素流通下、250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO:平均粒子径60μm)5.9gを、100mLのトルエンに懸濁した後、0℃まで冷却した。この懸濁液にメチルアルモキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.06mmol/mL)25.8mLを1時間かけて滴下した。この際、系内の温度を0〜2℃に保った。引き続き0℃で30分間反応させた後、1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で4時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで3回洗浄した後、トルエンを加え、固体成分(S−2)のトルエンスラリーを調製した。得られた固体成分(S−2)の一部を採取し、濃度を調べたところ、スラリー濃度:0.164g/mL、Al濃度:1.28mmol/mLであった。
[固体触媒成分(X−8)の調製]
実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製において、固体成分(S−1)の代わりに、上記調製した固体成分(S−2)を用い、メタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.004mmol/mL)17.6mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)3.91mLを用いた以外は、実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製と同様の方法で行い、固体触媒成分(X−8)を調製した。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−1)の混合モル比は、(A−1)/(B−1)=90/10である。また、得られた固体触媒成分(X−8)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.079mg/mL、Al濃度4.27mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.65vol%)、ジルコニウム換算で0.0022ミリモルの固体触媒成分(X−8)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体55.0gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に記す。
[固体触媒成分(X−9)の調製]
実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製において、固体成分(S−1)の代わりに、上記調製した固体成分(S−2)を用い、メタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.004mmol/mL)13.7mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)11.7mLを用いた以外は、実施例9の固体触媒成分(X−3)の調製と同様の方法で行い、固体触媒成分(X−9)を調製した。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−1)の混合モル比は、(A−1)/(B−1)=70/30である。
[予備重合触媒(X−9)の調製]
実施例1の予備重合触媒(XP−1)の調製において、固体触媒成分(X−1)の代わりに固体触媒成分(X−9)を用いた以外は、予備重合触媒(XP−1)の調製と同様の方法で行い、予備重合触媒(XP−9)を調製した。さらに得られた予備重合触媒(XP−9)のデカンスラリーのデカンを窒素下フィルターろ過により除去し、次に室温、真空条件で1時間乾燥することで、予備重合触媒(XP−9)の紛体を調製した。予備重合触媒(XP−9)の紛体の116.2mgを採取して、Zr,Al含量を調べたところ、Zr0.085mg、Al濃度4,82mgであった。
重 合
充分に窒素置換した内容積2リットルのSUS製オートクレーブにNaCl 250gを入れ、真空下、100℃でオートクレーブ内、ならびにNaClを十分に乾燥した。次に、エチレン−ブテン混合ガス(ブテン濃度:5.2vol%)で系内を置換した後、トリイソブチルアルミニウム 0.375mmolを添加し、さらに予備重合触媒(XP−9)をジルコニウム換算で0.007ミリモル装入し、80℃、0.78MPa・Gにて90分間重合を行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ブテン共重合体97.0gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に記す。
[固体成分(S−3)の調製]
窒素流通下、250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO:平均粒子径50μm)30gを、460mLのトルエンに懸濁した後、0℃まで冷却した。この懸濁液にメチルアルモキサンのトルエン溶液(Al原子換算で1.52mmol/mL)140mLを1時間かけて滴下した。この際、系内の温度を0〜2℃に保った。引き続き0℃で30分間反応させた後、1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で4時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで3回洗浄した後、トルエンを加え、固体成分(S−3)のトルエンスラリーを調製した。得られた固体成分(S−3)の一部を採取し、濃度を調べたところ、スラリー濃度:0.1665g/mL、Al濃度:0.697mmol/mLであった。
[固体触媒成分(X−10)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で1.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合したメタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)11.2mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)2.8mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−10)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−1)の混合モル比は、(A−1)/(B−1)=80/20である。また、得られた固体触媒成分(X−10)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.037mg/mL、Al濃度2.27mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.45vol%)、ジルコニウム換算で0.01ミリモルの固体触媒成分(X−10)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体87.4gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に、GPCチャートを図3に記す。
[固体触媒成分(X−11)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で2.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合したメタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)37.6mLとメタロセン化合物(B−2)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)4.18mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−11)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−2)の混合モル比は、(A−1)/(B−2)=90/10である。また、得られた固体触媒成分(X−11)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.035mg/mL、Al濃度2.46mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.31vol%)、ジルコニウム換算で0.003ミリモルの固体触媒成分(X−11)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体38.4gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表1に記す。
[固体触媒成分(X−12)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン25mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で1.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合したメタロセン化合物(A−2)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)15.8mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)5.25mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−12)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−2)と(B−1)の混合モル比は、(A−2)/(B−1)=75/25である。また、得られた固体触媒成分(X−12)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.035mg/mL、Al濃度2.40mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.55vol%)、ジルコニウム換算で0.003ミリモルの固体触媒成分(X−12)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体49.7gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2に記す。
[固体触媒成分(X−13)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン25mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で1.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合したメタロセン化合物(A−2)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)18.2mLとメタロセン化合物(B−2)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)2.72mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−13)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−2)と(B−2)の混合モル比は、(A−2)/(B−2)=87/13である。また、得られた固体触媒成分(X−13)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.033mg/mL、Al濃度2.27mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.31vol%)、ジルコニウム換算で0.003ミリモルの固体触媒成分(X−13)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体42.1gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2記す。
[固体触媒成分(X−14)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で2.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合したメタロセン化合物(A−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)19.7mLとメタロセン化合物(B−3)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)1.67mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−14)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−1)と(B−3)の混合モル比は、(A−1)/(B−3)=94/6である。また、得られた固体触媒成分(X−14)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.072mg/mL、Al濃度4.86mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.20vol%)、ジルコニウム換算で0.0039ミリモルの固体触媒成分(X−14)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体42.4gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表2記す。
[固体触媒成分(X−15)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で1.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合したメタロセン化合物(A−3)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)2.25mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)9.01mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−15)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A−3)と(B−1)の混合モル比は、(A−3)/(B−1)=20/80である。また、得られた固体触媒成分(X−15)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.015mg/mL、Al濃度1.27mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、エチレンガスを用い、重合温度70℃、1−ヘキセン30ml、ジルコニウム換算で0.0005ミリモルの固体触媒成分(X−15)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体72.0gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に、GPCチャートを図4に記す
〔参考例26〕
[固体触媒成分(X−16)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で1.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合した遷移金属化合物(A−4)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)4.18mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)11.15mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−16)。固体触媒成分調製時の遷移金属化合物(A−4)とメタロセン化合物(B−1)の混合モル比は、(A−4)/(B−1)=20/80である。また、得られた固体触媒成分(X−16)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.034mg/mL、Al濃度2.17mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.02vol%)、ジルコニウム換算で0.001ミリモルの固体触媒成分(X−16)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体67.7gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に、GPCチャートを図5に記す
〔参考例27〕
[固体触媒成分(X−17)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン25mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で1.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合した遷移金属化合物(A−5)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)2.09mLとメタロセン化合物(B−1)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)12.54mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−17)。固体触媒成分調製時の遷移金属化合物(A−5)とメタロセン化合物(B−1)の混合モル比は、(A−5)/(B−1)=10/90である。また、得られた固体触媒成分(X−17)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.035mg/mL、Al濃度2.19mg/mLであった。
重 合
実施例9の重合において、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.31vol%)、ジルコニウム換算で0.0011ミリモルの固体触媒成分(X−17)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体66.4gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に、GPCチャートを図6に記す。
〔比較例1〕
[固体触媒成分(X−18)の調製]
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ,攪拌した,上記で調製した固体成分(S−3)のトルエンスラリー(固体部換算で2.0g)を装入した。次に、特開平8−31126に記載のメタロセン化合物であるジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr原子換算で0.0015mmol/mL)32.1mLを滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−18)。得られた固体触媒成分(X−18)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.043mg/mL、Al濃度2.49mg/mLであった。
重 合
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン 500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.54vol%)を用いて、系内を置換した後、1−ヘキセン15mL、トリイソブチルアルミニウム 0.375mmol、ジルコニウム換算で0.001ミリモルの固体触媒成分(X−18)をこの順に装入した。80℃に昇温して、0.78MPa・Gにて90分間重合を行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体86.7gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に、GPCチャートを図7に記すが、得られた重合体のηは6.0×10-13×Mw-[η] 3.4より大きく、またGPCチャートより1種類のメタロセン化合物を用いた場合、3つのピークを生成しないことが容易に分かる。
〔比較例2〕
重 合
実施例1の重合において、ジルコニウム換算で0.0025ミリモルの予備重合触媒(XP−1)のみを用いた以外は、実施例1と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体51.0gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に、GPCチャートを図8に記す。
〔比較例3〕
重 合
実施例1の重合において、ジルコニウム換算で0.0025ミリモルの予備重合触媒(XP−2)のみを用いた以外は、実施例1と同様の方法で行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体51.0gを得た。得られた重合体のGPC解析結果、並びに諸物性を表3に、GPCチャートを図9に記す。
図8、図9より、本発明に係わる成分(A)、成分(B)のどちらか片方だけを用いた場合では、3つのピークを生成しないことが容易に分かる。
本発明の重合方法によって、長鎖分岐が多く、溶融張力が高く、成形性に優れ、かつ機械的強度に優れたオレフィン重合体が提供され、様々なプラスチック産業分野で活用されることが期待される。
実施例1で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。 実施例12で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。 実施例20で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。 実施例25で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。 参考例26で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。 参考例27で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。 比較例1で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。 比較例2で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。 比較例3で得られたエチレン系重合体のGPCチャート及びピーク分離結果を示す図である。

Claims (5)

  1. (E)固体状担体と、
    (A)下記一般式(I)示される周期律表第4族のメタロセン化合物(a−1)と

    〔一般式(I)中、R〜Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基)からなる群から選ばれる基であり、それぞれ同一でも異なってもよく、Q はケイ素含有基、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20の炭化水素基、C〜C20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基およびリン含有基から選択された基である。Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。〕
    (B)下記一般式(III)示される周期律表第4族のメタロセン化合物と、

    〔一般式(III)中、R15〜R26は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基)、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数3〜20のアルキルゲルマニウム基からなる群から選ばれる基であり、それぞれ同一でも異なってもよく、また、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。Qは炭素数1〜20のアルキレン基、アルキリデン基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なってもよく 、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。〕
    (C) (c-1) 有機金属化合物
    (c-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
    (c-3) 成分(A)、成分(B)と反応してイオン対を形成する化合物
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    から得られる固体触媒成分、および必要に応じて
    (D)有機アルミニウム化合物
    からなる重合触媒を用いて、
    190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分の範囲の場合、要件[1]、[2]を同時に満たすオレフィンを重合するオレフィンの重合方法。
    [1] 190℃における溶融張力[MT(g)]と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度[η*(P)]との比[MT/η*(g/P)]が、1.20×10 −4 〜9.00×10 −4 の範囲にある。
    [2] 200℃におけるゼロせん断粘度[η (P)]とGPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量〔Mw(v)〕が、下記関係式(Eq−1)を満たす。
  2. 前記要件[2]において、200℃におけるゼロせん断粘度[η (P)]とGPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量〔Mw(v)〕が、下記関係式(Eq−2)を満たすことを特徴とする請求項1記載の重合方法。
  3. 固体触媒成分が、前記成分(E)と前記成分(C)を混合接触させ、次いで前記成分(A)および前記成分(B)の混合成分を接触させて得られることを特徴とする請求項1または請求項2記載の重合方法。
  4. 固体触媒成分が、前記成分(E)と前記成分(C)を混合接触させ、次いで前記成分(A)を混合接触させて得られる固体触媒成分(K-1)と、前記成分(E)と前記成分(C)を混合接触させ、次いで成分(B)を混合接触させて得られる固体触媒成分(K-2)とのブレンドであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の重合方法。
  5. オレフィンが、エチレン、および炭素数4〜10のα-オレフィンから選らばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の重合方法。
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