JP4683522B2

JP4683522B2 - 使い捨て紙おむつ

Info

Publication number: JP4683522B2
Application number: JP2003399515A
Authority: JP
Inventors: 英聡吉田
Original assignee: Daio Paper Corp
Current assignee: Daio Paper Corp
Priority date: 2003-11-28
Filing date: 2003-11-28
Publication date: 2011-05-18
Anticipated expiration: 2023-11-28
Also published as: EP1688116B1; JP2005160506A; US20070129700A1; EP1688116A4; CN100415193C; WO2005051276A1; CN1886110A; US7449017B2; EP1688116A1

Description

本発明は、紙おむつの背面両側部にそれぞれ、１枚のシートの外側縁から延在して上下２段で側方に突出する接合片が形成されるとともに、該接合片の内面側に粘着剤層又は面ファスナーが設けられたパネル状ファスニングシートを備えた使い捨て紙おむつに係り、詳しくは従来よりクロス止めに不適切であった前記パネルファスニングシートをクロス止めにも対応可能とした使い捨て紙おむつに関する。

従来より市場に提供されている主に大人用テープ式紙おむつにおいては、図８に示されるように、不透液性裏面シート５０と透液性表面シート５１との間に吸収体５２が介在された紙おむつの背面側両側部にそれぞれ、側方に突出して上下一対のファスニングテープ５３，５３が取り付けられ、この一対のファスニングテープ５３，５３を腹側表面のフロントターゲットシート５４に止着することによって身体に装着されるようになっている（例えば、下記特許文献１，２等参照）。なお、前記ファスニングテープ５３，５３の貼着手段としては、粘着剤又は面ファスナー等が使用されている。

また、近年は、前記のような細帯状のファスニングテープ５３に代えて、外観デザインを向上するとともに、先端角部が肌を傷める等の問題点を解決するために、図９に示されるように、１枚のシートの外側縁から延在して上下２段で側方に突出する接合片５５ａ、５５ａを形成し、この接合片５５ａ、５５ａの内面側に粘着剤層５６を設けるようにしたファスニングシート５５も知られている（下記特許文献３等参照）。また、同文献では、前記ファスニングシート５５の製造方法に関し、図１０に示されるように、所定幅の連続シート５７を繰出し、前記連続シート５７の中央部に連続的に粘着剤層５６を形成した後、この粘着剤層５６を交互に横切るとともに、連続シート５７の長さ方向へ連続する波状周期曲線５８によって切断するとともに、所望のファスニングシート形状となる所定位置に、外側縁から前記波状周期曲線に至る水平切断線５９によって切断することにより個々のファスニングシート５５、５５…を得る製造方法が提案されている。この製造方法によれば、シート素材に全く無駄が出ず、効率的にファスニングシート５５が製造できるようになる。なお、この製造方法は、トリム（余分な廃棄部分）が無であるため「ゼロトリム法」と呼ばれている。

ところで、図８に示した大人用テープ式紙おむつの装着に当たり、着用者は体型によって上下２段のファスニングテープ５３，５３を略平行状態でターゲットシート５４に貼着したり（通常止め）、上下２段のファスニングテープ５３，５３を互いに交差させるようにしながらターゲットシート５４に貼着させたりしている（以下、クロス止めという）。前者の装着方法は主に標準的な体型の人から太った体型の人に多く見られ、後者の装着方法は主に痩せた体型の人に多く見られる。
実開平６−３１７２６号公報特開２００２−９５６９３号公報特開昭６３−２４９７０４号公報

しかしながら、図９に示される前記１枚のシートの外側縁から延在して上下２段の接合片を設けるファスニングシート５５は、ゼロトリム法が適用でき素材の無駄が無い点で非常に優れているが、クロス止めに対して適さないものとなっている。

すなわち、クロス止めに対応させるためには、接合片の突出長をある程度確保し、接合片５５ａの基端から粘着剤層或いは面ファスナーまでの距離Ｌを確保する必要があるところ、前記ゼロトリム法の場合には、粘着剤層或いは面ファスナーを設ける位置が、連続シート５７の中央部に限定されるため、前記粘着剤層或いは面ファスナーを接合片５５ａの先端側に配置することができないという問題点があった。従って、前記１枚のシートの外側部に上下２段の接合片を設けたファスニングシート５５をクロス止めに対応させるためには、図１１に示されるように、粘着剤層又は面ファスナーテープ５６を片側に偏心させるとともに、波状周期曲線５８を片側に偏心させることにより、粘着剤層或いは面ファスナー５６を接合片５５ａの先端側に配置可能とする製造方法が適していた。しかし、この場合には、トリムとなる斜線部分が廃棄されることとなり、シート素材に無駄が生じてしまうことになっていた。

そこで本発明の主たる課題は、１枚のシートの外側縁から延在して上下２段の接合片を設けたファスニングシートを背面側両側部に備えた使い捨て紙おむつにおいて、通常の止め方以外に、クロス止めにも任意に対応可能とすることにある。

前記課題を解決するために請求項１に係る本発明として、紙おむつの背面両側部にそれぞれ、１枚のシートの外側縁から延在して上下２段で側方に突出する接合片が形成されるとともに、該接合片の内面側に粘着剤層又は面ファスナーが設けられたファスニングシートを備え、前記接合片を紙おむつの腹側表面に止着することによって身体に装着するようにした使い捨て紙おむつにおいて、
前記接合片の間のファスニングシート部分に対し、外側縁から内方側に至るミシン目を形成するとともに、該ミシン目は、外側縁から中間点までの第１ミシン目区間は相対的にミシン目間隔を粗くした高引裂強度区間とし、前記中間点から内方端までの第２ミシン目区間は相対的にミシン目間隔を細かくした低引裂強度区間としたことを特徴とする使い捨て紙おむつが提供される。

請求項２に係る本発明として、前記第１ミシン目区間の引裂強度は３〜１０Ｎであり、前記第２ミシン目区間の引裂強度は０．０１〜６Ｎである請求項１記載の使い捨て紙おむつが提供される。

請求項３に係る本発明として、前記ミシン目の内方端部分に、該内方端からの引裂きを防止するために引裂止め加工を施してある請求項１〜２いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。

請求項４に係る本発明として、前記上下２段の接合片の間に形成された切欠き形状と、前記接合片形状とは点対称形状を成している請求項１〜３いずれかに記載の使い捨て紙おむつが提供される。

上記請求項１記載の本発明においては、前記接合片の間のファスニングシート部分に対し、外側縁から内方側に至るミシン目を形成した。従って、前記ミシン目を引き裂けば、実質的に接合片の基端から粘着剤層又は面ファスナーまでの距離Ｌを十分に確保することが可能となり、クロス止めにも対応可能となる。

また、前記ミシン目は、外側縁から中間点までの第１ミシン目区間は相対的にミシン目間隔を粗くした高引裂強度区間とし、前記中間点から内方端までの第２ミシン目区間は相対的にミシン目間隔を細かくした低引裂強度区間とした。従って、敢えて故意に力を加えて引き裂かない限り、ミシン目が引き裂かれることはなく、かつ故意に外側縁から前記中間点まで引き裂いたならば、残りのミシン目区間は引裂強度を弱くしてあるため、簡単にミシン目を引き裂くことができるようになる。

上記請求項２記載の本発明においては、前記第１ミシン目区間の引裂強度は３〜１０Ｎであり、前記第２ミシン目区間の引裂強度は０．０１〜６Ｎとしてある。前記第１ミシン目区間は好ましくは４〜８Ｎであり、第２ミシン目区間は好ましくは０．０１〜２Ｎである。それぞれのミシン目区間の引裂強度を上記数値範囲とすることにより所望の効果を発揮することができる。

上記請求項３記載の本発明においては、前記ミシン目の内方端部分に、該内方端からの引裂きを防止するために引裂止め加工を施した。従って、ミシン目の内方端を超えてファスニングシートが引き裂かれるのを防ぐことができる。

上記請求項４記載の本発明においては、前記上下２段の接合片の間に形成された切欠き形状と、前記接合片形状とは点対称形状を成しているため、ゼロトリムによる製法によって本ファスニングシートを製造し得るものとなる。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図１は本発明に係る紙おむつの一部破断展開図である。

図１において紙おむつは、ポリエチレン等からなる不透液性バックシート１と、不織布などからなる透液性トップシート２との間に、綿状パルプ等からなる、たとえば長方形若しくは砂時計形状のある程度の剛性を有する吸収体３が介在されている。吸収体３は、その形状保持のためにクレープ紙（図示せず）により包み込むことができる。前記不透液性バックシート１としては、近年、ムレ防止の点から透湿性を有するものも用いられている。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。

また、前記透液性トップシート２としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができる。

前記不透液性バックシート１は、吸収体３の周囲より外方に延在して略砂時計形状を成しており、その側方延在部はバリヤシート４の側部とともに、吸収体の存在しないサイドフラップ部ＳＦを構成している。前記透液性トップシート２は、吸収体３より若干大きめの砂時計形状とされ、吸収体３側縁より若干外方に延在する部分が前記バリヤシート４と不透液性バックシート１との間に介在され不透液性バックシート１側にホットメルト接着剤により固着されている。前記バリヤシート４の形成材料としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。

他方、紙おむつの長手方向両端部、すなわち腹側および背側では不透液性バックシート１および透液性トップシート２が共に延在し吸収体３の存在しないエンドフラップ部ＥＦが形成され、このうち背側のエンドフラップ部ＥＦにおいては、複数本、図示の例では３本の糸状弾性伸縮部材７，７…が幅方向に沿って配設されている。この糸状弾性伸縮部材７としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。

また、背側のエンドフラップ部ＥＦの両端部には、それぞれファスニングシート５，５が側方に突出して取り付けられるとともに、紙おむつの腹側表面に幅方向に沿ってフロントターゲットテープ６が貼着されており、このフロントターゲットテープ６に前記ファスニングシート５の接合片８ａを止着することによって紙おむつが身体に装着されるようになっている。

前記ファスニングシート５は、１枚のファスニング基材シート８の内端側を紙おむつ側に接着して取り付けられ、先端側には外側縁から延在して上下２段で側方に突出する接合片８ａ、８ａが形成されている。前記ファスニングシート５としては、種々のシート材を使用することができるが、好ましくは坪量４０〜８０g/m^２の単層又は複層の不織布を用いるのがよい。加工法は強度特性に優れたスパンボンドが好ましい。

前記接合片８ａ、８ａの内面側（透液性表面シート２側）には、雄側面ファスナー９，９がそれぞれ取り付けられ、雌側面ファスナーを構成する前記フロントターゲットテープ６へ接合可能となっている。なお、前記面ファスナー９を雌側とし、前記フロントターゲットテープ６側を雄側としてもよい。

本発明では、前記接合片８ａ、８ａの間のファスニング基材シート８部分に対し、外側縁から内側に向かい、かつ水平方向に沿ってミシン目１０が設けられている。したがって、本使い捨て紙おむつの装着に当たって、通常の止め方を選択する場合には、図４に示されるように、前記ミシン目１０を引き裂かず、接合片８ａ、８ａをフロントターゲットテープ６に止着して装着するようにし、クロス止めを選択する場合には、図５に示されるように、前記ミシン目１０を引き裂いて前記上下の接合片８ａ、８ａを互いに交差させて止着するようにする。

ところで、前記ミシン目１０は、図２に示されるように、外側縁から中間点Ｐまでの第１ミシン目区間１０ａは相対的にミシン目間隔を粗くした高引裂強度区間Ｓ_Ｏとし、前記中間点Ｐから内方端までの第２ミシン目区間１０ｂは相対的にミシン目間隔を細かくした低引裂強度区間Ｓ_Ｉとすることが望ましい。従って、介護者又は装着者が意図的に前記第１ミシン目区間１０ａのミシン目を引き裂かない限り、不用意にミシン目から裂けることはなく、故意に力を加えて中間点Ｐまで引き裂いた場合には、残りのミシン目１０ｂは容易に引き裂きできるようになる。

具体的に上記効果を得るためには、前記第１ミシン目区間１０ａの引裂強度は３〜１０Ｎ、好ましくは４〜８Ｎとなるようにミシン目間隔を調整し、前記第２ミシン目区間１０ｂの引裂強度は０．０１〜６Ｎ、好ましくは０．０１〜２Ｎとなるようにミシン目間隔を調整することが望ましい。

また、前記ミシン目１０の内方端部分には、該内方端からの引き裂きを防止するために、Ｃ字状の切込み１１が設けられている。この切込み１１はミシン目１０を内方端まで引き裂いた場合に、該内方端に生ずる応力を分散させ、ミシン目１０の内方端を更に超えてファスニング基材シート８が開裂されないようにするためのものである。したがって、かかる応力を分散させる目的を果たせれば、形状は前記Ｃ字状に拘泥されず、円形状、楕円状、三角形状等任意の形状とすることができる。

他方、前記ファスニングシート５においては、所謂ゼロトリムに対応させるために、前記上下２段の接合片８ａ、８ａの間に形成された切欠き形状８ｂと、前記接合片８ａの形状とは点対称形状を成すようにするのが良い。従って、前記ファスニングシート５は、図３に示されるように、所謂ゼロトリムによって製造することが可能である。

具体的には、所定幅の連続ウェブ状のファスニング基材シート１２を繰出し、中央位置に連続して面ファスナーテープ１３を接着したならば、前記面ファスナー１３を交互に横切りかつ前記基材シート１２方向に連続する波状周期曲線１４によって切断するとともに、各ファスニングシート５，５毎に分割するための切断線１５，１５…を入れ、かつ各ファスニングシート５，５…毎に所定位置に前記ミシン目１０、１０…を入れるようにする。

〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、前記接合片８ａとフロントターゲットテープ６とを機械的ファスナー手段たる面ファスナーによって剥離自在に接合するようにしたが、前記接合片８ａに直接又はシートを介して間接的に粘着剤層を設け、フロントターゲットテープ６に剥離自在に接着可能とすることでもよい。
(2)上記形態例では、前記接合片８ａ、８ａの間のファスニングシート８部分に対し、外側縁から水平方向に沿ってミシン目１０を形成したが、前記ミシン目１０は上下の接合片８ａ、８ａの一方側に偏心して形成されていてもよいし、外側縁に対して傾斜角を持って形成されていてもよい。
(3)前記ミシン目１０の他の形成例としては、図６に示すように、第１ミシン目区間１０ａと、第２ミシン目区間１０ｂとの中間点Ｐ部分に、引き裂き時のクッションとなる丸孔を形成するようにしてもよい。また、図７に示されるように、上下の接合片８ａ、８ａの自由度を上げるために、中間点Ｐから内方端までの第２ミシン目区間１０ｂを横Ｖ字状に分岐させて形成することもできる。この場合には各々の第２ミシン目１０ｂの内方端にＣ字状の切込み１１、１１を形成する。

本発明に係る使い捨て紙おむつの一部破断展開図である。紙おむつのファスニングシート５部分の要部拡大図である。ゼロトリム法によるファスニングシート５の製造要領を示す図である。通常の止め方による紙おむつの装着状態を示す図である。クロス止めによる紙おむつの装着状態を示す図である。ミシン目１０の他例を示すファスニングシート５部分の要部拡大図である。ミシン目１０の他例を示すファスニングシート５部分の要部拡大図である。従来のテープ式紙おむつの一部破断展開図である。従来のパネル状ファスニングシート５５の例を示す展開図である。前記パネル状ファスニングシート５５のゼロトリム法による製造要領を示す図である。クロス止めに適したファスニングシート５５の製造要領を示す図である。

１…不透液性バックシート、２…透液性トップシート、３…吸収体、４…バリヤシート、５…ファスニングシート、６…フロントターゲットテープ、７…糸状弾性伸縮部材、８…ファスニング基材シート、８ａ…接合片、９…面ファスナー、１０…ミシン目、１０ａ…第１ミシン目区間、１０ｂ…第２ミシン目区間、１１…引裂止め加工

Claims

紙おむつの背面両側部にそれぞれ、１枚のシートの外側縁から延在して上下２段で側方に突出する接合片が形成されるとともに、該接合片の内面側に粘着剤層又は面ファスナーが設けられたファスニングシートを備え、前記接合片を紙おむつの腹側表面に止着することによって身体に装着するようにした使い捨て紙おむつにおいて、
前記接合片の間のファスニングシート部分に対し、外側縁から内方側に至るミシン目を形成するとともに、該ミシン目は、外側縁から中間点までの第１ミシン目区間は相対的にミシン目間隔を粗くした高引裂強度区間とし、前記中間点から内方端までの第２ミシン目区間は相対的にミシン目間隔を細かくした低引裂強度区間としたことを特徴とする使い捨て紙おむつ。
前記第１ミシン目区間の引裂強度は３〜１０Ｎであり、前記第２ミシン目区間の引裂強度は０．０１〜６Ｎである請求項１記載の使い捨て紙おむつ。
前記ミシン目の内方端部分に、該内方端からの引裂きを防止するために引裂止め加工を施してある請求項１〜２いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。
前記上下２段の接合片の間に形成された切欠き形状と、前記接合片形状とは点対称形状を成している請求項１〜３いずれかに記載の使い捨て紙おむつ。