JPH0631725U - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使い捨ておむつの胴周り寸法の調節を容易に
する。 【構成】 胴周り開口部１１と左右一対の脚周り開口部
１２とを備えたおむつ１の前後身頃５，６のいずれか一
方の幅方向中央域に、胴周り縁部１５から股下１６方向
へ切り込み２０Ａを設け、その身頃を左右に分割可能に
つくり、切り込み２０Ａの近傍には分割した左右の身頃
の連結手段２１を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は使い捨ておむつであって、特に胴周り開口部と左右一対の脚周り開 口部とを備えた使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種おむつは、パンツ型おむつとして周知である。このおむつは、通 常胴周りおよび脚周り開口部周縁に弾性伸縮部材を設けて収縮させ、着用者の身 体にフィットし易いようにしてある。しかし、それでも着用者にとってその開口 部寸法が大きすぎる場合、殊に胴周りのそれが大きすぎると、そのおむつを利用 できないという問題がある。一方、パンツ型おむつが前後身頃を左右の胴周り側 部で接合してある場合には、その接合部の両方または一方において胴周り開口縁 から下方向に前後身頃の一部を切り離しておき、その切り離してある前後身頃を 互いに重なるように胴周り方向へ引張ることで胴周り寸法を調節可能にする技術 が周知である。それら重なり合った前後身頃は、着脱可能に互いを連結固定する 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記胴周り寸法を調節可能にする周知技術において、前後身頃が胴周り両側に おいて一部切り離してあるものは、左右２箇所で前後身頃を連結固定しなければ ならないから、おむつを着用させる母親にとってその作業は煩わしい。殊に身体 を静止させておくことが難しい乳幼児では、その煩わしさが周知のオープン型お むつのそれに劣らないほどになることがある。また、胴周り側部の一方だけが切 り離してあるものは、着用させる煩わしさがそれほどまでではないにしても、着 用させようとする者の意のままになり難い乳幼児の手が側部にあって、前後身頃 の速やかな連結の邪魔をするとか、寝たきりの病人の場合には、切り離してある 側部と同じ側に介護者が立つか、または病人を側臥状態にしなければ前後身頃の 寸法調節が難しいという問題がある。

【０００４】 さらには、母親がパンツ型おむつを着用させるときに、おむつ内側に両手の指 先を入れ、胴周り両側でその指先を広げて開口縁部を緊張状態に保って拡開し、 その開口を的（まと）にして幼児に足を入れさせることが多い。ところが、胴周 り側部が切り離してあると、開口は大きいものの、、指先を広げてもその開口縁 部を緊張させておくことができず、却って足を入れるための的をつくり難いとい う問題がある。

【０００５】 そこで、この考案は、前後身頃いずれか一方の幅方向中央域に股下方向への切 り込みを設けることにより、前記従来技術の問題を解決することを課題にしてい る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案が前記課題を解決するために手段とするところは、以下のとおりであ る。

【０００７】 この考案が前提とするのは、透水性表面シートと不透水性裏面シートとの間に 吸収体が介在し、胴周り開口部と左右一対の脚周り開口部とを備えた使い捨てお むつである。

【０００８】 かかるおむつにおいて、前後身頃のいずれか一方の幅方向中央域において、胴 周り縁部から股下方向へ設けた切り込みにより前記一方の身頃が左右に分割可能 であり、その切り込みの近傍には、分割した左右の身頃を着脱可能に連結するた めの連結手段を設けることにより、胴周り開口部の開口寸法が調節可能にしてあ ることが、この考案の特徴である。

【０００９】

【作用】

このように構成したおむつでは、腹側または背中側の中央域において胴周り開 口部の寸法調節が可能になる。

【００１０】

【実施例】

この考案に係るおむつの詳細を添付の図面に基づいて説明すると、以下のとお りである。

【００１１】 図１、２は、おむつ１の着用状態に組み立てた斜視図と平面図である。おむつ １は、透水性表面シート２と不透水性裏面シート３との間に吸収体４を介在させ 、前身頃５と後身頃６の左右側縁８，９を間欠的に設けたシール部１０によって ヒートシールし、パンツ型にこしらえてある。おむつ１は、胴周り開口部１１と 左右の脚周り開口部１２とを有し、各開口部１１，１２周縁には胴周り弾性部材 １３と脚周り弾性部材１４とが伸長下に貼着してある。特に図２で明らかなよう に、前身頃５の幅方向中央域において、胴周り縁部１５から股下１６方向に、や や傾斜したミシン目２０があり、このミシン目２０を境界線として、一方の側の 表面シート２上には感圧型粘着テープ２１が取り付けてあり、他方の側の裏面シ ート３上には補強テープ２２が取り付けてある。この粘着テープ２１は、補強テ ープ２２に対して着脱可能である。ミシン目２０の周囲には、吸収体４と胴周り 弾性部材１３がない。表裏面シート２，３は、吸収体４の周縁から延出する外周 部およびミシン目２０の周囲において密に接合してある。

【００１２】 このように構成したおむつ１は、ミシン目２０に従って前身頃２を切り裂き、 切り込み２０Ａを入れ、左右の部分２Ａと２Ｂとに分割することができる（参照 番号２０Ａは、図２においてミシン目に対して添えてある）。おむつ１を着用す るときには、前身頃２を切り裂くことなく着用させてもよいし、予め切り裂いて 部分２Ａ、２Ｂを外側へ折り返し、胴周り開口部１１を大きく広げてから着用さ せてもよい。前身頃２を切り裂かないときには、母親が胴周り両側の内側に左右 の手を入れ、指先を広げて開口部１１を広げた状態に保つことができる。おむつ １を着用した後は、前身頃２を切り裂いていなければ、まずこれを切り裂き、分 割した部分２Ａ、２Ｂを互いに重なり合うように胴周り方向へ引張り、開口部１ １が着用者にフィットしたところで粘着テープ２１を補強テープ２２に貼着し、 部分２Ａと２Ｂとを連結固定する。なお、吸収体４の周囲は表裏面シート２，３ が密に接合してあるから、切り込み２０Ａを入れても吸収体４は露出することが なく、吸収体４から滲出する体液が表裏面シート間から漏れ出ることもない。

【００１３】 図３は、ミシン目２０を設ける態様の一例を示すおむつ１の平面図である。ミ シン目２０は、前身頃５の中央域において逆Ｙ字型に設け、吸収体４は、股下部 吸収体４Ａおよび左右側部吸収体４Ｂ、４Ｃによって構成してある。この場合、 粘着テープ２１と補強テープ２２とは、前身頃２の分割された各部分を互いに連 結固定するのに好都合なようにミシン目２０の近傍に設けておけばよい。

【００１４】 おむつ１において、ミシン目２０は後身頃の中央域に設けることもできる。ま た、ミシン目２０に替えて切り込み２０Ａを初めから設けておくこともできる。 表面シート２には不織布や開孔プラスチックフィルム、裏面シート３にはプラス チックフィルム、吸収体４には粉砕パルプや粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの 混合物などを賦型して使うことができる。おむつ１を構成する素材の接着や接合 には、ホットメルト接着剤を含む各種接着剤や粘着剤を使用することができ、素 材が熱融着性のものである場合にはヒートシールの技術を利用することができる 。粘着テープ２１には離型保護片（セパレーター）を貼着し、使用前の粘着面を 保護しておく。また、前後身頃５，６の胴周り弾性部材１３は、そのいずれか、 または両方を省くことができる。

【００１５】

【考案の効果】

この考案に係るおむつは、前身頃または後身頃の中央域が左右に分割してあり 、中央域で胴周り寸法を調節することができるから、その調節のための作業が容 易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るおむつを着用状態に組み立てた
斜視図。

【図２】おむつの平面図。

【図３】ミシン目形状の一例を示すおむつの平面図。

【符号の説明】

１ おむつ ２ 表面シート ３ 裏面シート ４ 吸収体 ５ 前身頃 ６ 後身頃 １１ 胴周り開口部 １２ 脚周り開口部 １５ 胴周り縁部 ２０Ａ 切り込み ２１ 連結手段（粘着テープ）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透水性表面シートと不透水性裏面シートと
   の間に吸収体が介在し、胴周り開口部と左右一対の脚周
   り開口部とを備えた使い捨ておむつであって、 前記おむつの前後身頃のいずれか一方の幅方向中央域に
   おいて、胴周り縁部から股下方向へ設けた切り込みによ
   り、前記一方の身頃が左右に分割可能であり、該切り込
   みの近傍には前記分割した左右の身頃を着脱可能に連結
   するための連結手段を設けることにより、前記胴周り開
   口部の開口寸法が調節可能にしてあることを特徴とする
   前記おむつ。
2. 【請求項２】前記切り込みが、その切り込み予定部位を
   周辺部位よりも引き裂き容易につくり、該予定部位を引
   き裂くことにより得られる請求項１記載のおむつ。