JP2004057541A - 使いすておむつ - Google Patents

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Kinya Asai
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Abstract

【課題】着用者の体形が異なっていても、装着性、フィット性に優れ、特に脚周りからの漏れ防止効果に優れ、さらに、生産性に優れた使いすておむつを提供する。
【解決手段】前身頃と、後身頃と、これら前後身頃の間に位置する股下部とを有し、少なくとも前記後身頃の両側縁部には一対のサイドフラップが形成されてなり、前記後身頃のサイドフラップの側縁部には、締結手段を2個有するファスニングテープが配置されており、さらに、前記ファスニングテープには、前記締結手段の間の部分において、側縁から前記股下部の方向に斜めに切込み部が形成されている使いすておむつ。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使いすておむつに関するものであり、さらに詳しくは、本発明は、装着性、フィット性に優れ、特に脚周りからの漏れが少なく、さらに生産性に優れたテープ型使いすておむつに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、おむつ交換時における介護者の作業負担は非常に大きく、また被介護者にとっても、肉体的・精神的に大きな負担を伴うものである。さらに、着用者の排泄によりおむつから排泄物が漏れ出した場合には、おむつの交換だけでなく、着衣、シーツ等までも交換が必要となり、介護者にとって手間がかかるだけでなく、経済的にも非常に大きな負担となる。また、被介護者にとっても肉体的、精神的な負担はさらに大きなものとなることから、漏れに対する改善が強く望まれている。
【0003】
また、使いすておむつの場合、漏れやすい箇所の一つとして脚周りがあげられる。特にテープ型使いすておむつでは、着用者が、怪我による一時的な着用から、麻痺、病気による長期の寝たきり等、様々であることから、胴周り太さは同じでも脚周り太さは個人差が大きく、着用者によっては脚周りにすきまが生じやすく、漏れが生じ易い状態になっている場合がある。
【0004】
一般に、テープ型使いすておむつには、その後身頃の両側縁部に粘着剤、あるいは、メカニカルファスニングシステム等からなるファスニングテープが設けられており、おむつの装着時にこのファスニングテープによりおむつの後身頃と前身頃とを締結できるように構成されている。テープ型使いすておむつのファスニングテープは、通常左右に1個ずつ、又は複数個ずつ取り付けられており、前者は新生児用、乳幼児用の使いすておむつに多く、後者は大人用の使いすておむつに多く見られる。
【0005】
従来のテープ型使いすておむつでは、後身頃両側縁部に複数個のファスニングテープを取付けた場合には、それらは全ておむつの縦方向に対して直角に取り付けられていた。そのために、おむつ装着時には、腰周り部側に取り付けたファスニングテープは、おむつの縦方向に対してほぼ直角方向にある後身頃と前身頃の合わせ目を使用者の身体にフィットするように締結することができるが、脚周り部側に取り付けられたファスニングテープは、そのまま配置方向に引っ張って締結させると、着用者の脚周りにおけるフィット性が不十分であり、おむつと着用者の身体の間にすきまが生じやすいものであった。
【0006】
特に、長期間寝たままの状態にある着用者の場合、痩せて腰周り、脚周りが細くなり腰骨が張り出していることが多く、このような着用者におむつをフィットさせるためにファスニングテープを締結させようとすると、特に脚周り部側のファスニングテープを取り付け方向とは異なる角度、すなわち、やや上方向に引っ張る必要がある。しかしながら、ファスニングテープがおむつ縦方向に対して直角に配置されていると、上手く上方向に引っ張って締結させることが難しく、その結果、着用者とおむつの間にすきまが生じやすくなり、漏れやすくなる。
【0007】
このように、おむつを着用者にしっかりと装着しにくいということは、使用中におむつが着用者の身体から容易に弛んだりずり落ちたりすることにもつながることになる。この弛みとずり落ちは、着用者が歩いたり、姿勢を変える等の動きや、排泄物の負荷を受けた時に生じる下方向の力等により引き起こされると考えられるが、おむつの装着状態が身体にフィットしていないと、弛みやずり落ちも容易に、且つ、大きく生じることとなり、早期の漏れの一因になる。
【0008】
これらの問題点を解決するためにさまざまな提案がなされており、例えば、後身頃両側縁にファスニングテープを2個ずつ配置し、その両方を下向きに配置した使いすておむつや(実開昭53−110035号公報)、脚周り開口部側に位置するファスニングテープをおむつ横軸方向に対して上部方向に45度までの角度を持って斜めに取り付けた使いすておむつ(実開平6―31726号公報)が提案されている。
【0009】
また、後身頃左右のサイドフラップの側縁に2個の締結手段を取り付け、締結手段の間のサイドフラップにおむつの横方向、あるいは股下方向に斜めにスリットを形成し、着用者へのフィット性の改善を図った使いすておむつ(特開昭62−268802号公報、特開平7−227403号公報)、あるいは、おむつの後身頃の両側縁にウイングを取付け、ウイングを二分してそれぞれに係合手段を形成した使い捨ておむつ(特開平11−99178号公報)が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開昭53−110035号公報に開示されているおむつは、ファスニングテープを配置方向に引っ張っておむつを締結すると、着用者とおむつの間に隙間ができ易く、特に脚周り開口部側に配置されたファスニングテープを下側に引っ張って締結した場合には、脚周り、特に太ももの裏側から外側にかけて着用者とおむつの間に隙間が生じるため、脚周りからの漏れが発生し易くなる。また、おむつが着用者にしっかりフィットしていないため、弛みやずり落ちを生じ易く、おむつの性能が充分に発揮されにくいものである。
【0011】
また、実開平6―31726号公報に開示されているおむつは、着用者とおむつの間の隙間は少なくなるが、脚周り開口部側に位置するファスニングテープが脚周り開口部を形成するための切り欠き部の側縁部に沿って配置されていなければ、ファスニングテープを配置方向に引っ張って締結した場合に、やはり着用者とおむつの間に隙間が生じてしまい、脚周りに十分なフィット性が得られない場合がある。
【0012】
また、これら2つのおむつでは、これを製造する場合、ファスニングテープをおむつの流れ方向に対して斜めに取付ける必要があるため、製造工程が増えることになり、生産性が低下するものである。
【0013】
さらに、特開昭62−268802号公報及び特開平7−227403号公報に開示されているおむつは、不織布あるいは薄いフィルムで形成されたサイドフラップがスリットにより分離されているため、伸張し易く、着用者に対して十分なフィット性が得られない場合があり、また強度も低下しているため、フィット性を良くするために強い力で引っ張った場合、サイドフラップが破壊されることがある。
【0014】
また、特開平11−99178号公報に開示されているおむつは、ウイングがおむつの幅方向に平行に二分されているため、おむつを着用者にフィットさせるためにはウイングを斜めの方向に引っ張る必要があり、そのためウイングにしわが発生し、漏れの原因となる可能性がある。
【0015】
本発明は、上記の従来のテープ型使いすておむつの有する問題点を解決し、装着性、フィット性に優れ、特に脚周りからの漏れを防止し、さらに生産性に優れたテープ型使いすておむつを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の従来の使いすておむつの有する問題点を解決するための本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シートの間に配置された吸収体とからなり、前身頃と、後身頃と、これら前後身頃の間に位置する股下部とを有し、少なくとも前記後身頃の両側縁部には一対のサイドフラップが形成された使いすておむつにおいて、
前記後身頃のサイドフラップの側縁部には、前記前身頃と後身頃を締結するための締結手段を少なくとも2個有するファスニングテープが配置されており、さらに、前記ファスニングテープには、前記締結手段の間の部分において、側縁から前記股下部の方向に斜めに切込み部が形成されていることを特徴とする使いすておむつ。
【0017】
(2)前記締結手段がメカニカルファスニングシステムのフック材からなることを特徴とする(1)項記載の使いすておむつ。
【0018】
(3)前記締結手段が粘着剤からなることを特徴とする(1)項記載の使いすておむつ。
【0019】
(4)前記切込み部が、おむつの幅方向に平行な線に対して10〜60°の角度で形成されていることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の使いすておむつ。
【0020】
(5)前記切込み部が、おむつの幅方向に平行な線に対して15〜45°、さらに好ましくは30〜45°の角度で形成されていることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の使いすておむつ。
【0021】
(6)前記切込み部の端部には、テープが引裂かれるのを防止するための引裂き防止手段が形成されていることを特徴とする(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の使いすておむつ。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の使いすておむつは、後身頃のサイドフラップの両側縁部に、締結手段を少なくとも2個有するファスニングテープが配置されており、さらに、ファスニングテープには、締結手段の間の部分において、側縁から股下部の方向に斜めに切込み部が形成されている。
このような構成を有する本発明の使いすておむつは、着用時に後身頃と前身頃を締結する際、ファスニングテープを配置されている方向にそのまま引っ張って締結すれば、着用者とおむつの間、特に大腿部裏側から側部にかけて隙間が生じることがないので、簡便におむつを脚周りにフィットさせることができ、脚周りからの漏れが防止され、介護者及び被介護者の負担を軽減することができる。
また、切込み部がファスニングテープに形成されているため、サイドフラップの強度を低下させることがなく、強い力で引っ張ってもサイドフラップが破壊されることがなく、着用者に良好なフィット性を付与することができる。
【0023】
さらに、本発明の使いすておむつは、これを製造する場合、おむつ本体にファスニングテープを配置した後ファスニングテープに斜めの切込み部を形成すれば良く、従来の斜めのファスニングテープを取り付けたおむつのように、製造工程にファスニングテープを斜めに取り付ける設備を必要としないため、生産効率を低下させることなくおむつを製造することができる。
【0024】
また、本発明の使いすておむつは、ファスニングテープに形成される切込み部が、おむつの幅方向に平行な線に対して10〜60°の角度で形成されていることが必要であり、より好ましくは15〜45°で形成されており、さらに好ましくは30〜45°の角度で形成されている。切込み部をこの範囲の角度に形成することにより、脚周りのフィット性が良好となり、漏れ防止効果を向上させることができる。
【0025】
また、本発明の使いすておむつは、ファスニングテープに形成される切込み部の端部に、引裂き防止手段を形成することが好ましい。これにより、おむつ装着時にファスニングテープに不用意に大きな力が加わった場合でもテープが引裂かれるのを防止することができる。
【0026】
本発明の使いすておむつは、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シートの間に配置された吸収体とから基本的に構成され、これらの材料は公知のものを特に制限無く用いることができるが、以下に、本発明において使用される材料について具体的に説明する。
【0027】
液透過性表面シート
本発明において使用される表面シートは、坪量が10〜40g/mで、構成繊維の繊度が4デニール以下の親水性繊維からなる、液透過性の不織布、織布等が用いられ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル繊維等からなる不織布、織布が用いられる。又は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、低融点ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン等の複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限を受けるものではない。
【0028】
吸収体
本発明において使用される吸収体は、綿状パルプと高吸水性材料である高吸収性ポリマーからなり、さらに全体が親水性シ−トによりくるまれていても良い。また、綿状パルプに対して3〜60重量%の熱融着性物質を混合して熱圧着してもよい。前記吸収体の構成は特に制限されるものではないが、例えば、綿状パルプを主成分とする単独層でも良く、綿状パルプに高吸収性ポリマーを均一に混合した層状のものでも良く、あるいは綿状パルプを主成分とする2つの層の間に高吸収性ポリマーからなる均一な層を挟み込んだ構成であっても良い。
綿状パルプとしては、化学パルプシートもしくは、機械パルプシートを粉砕機で解繊することにより得られる繊維長5mm以下のものが用いられる。パルプ原料としては、針葉樹の他に、広葉樹、わら、竹及びケナフ等を用いることができる。また、パルプの使用量は、目的とする吸収体により、例えば、単独で用いるか、複数積層して用いるか、他の吸収材を併用するかなどにより異なるが、一般的には、50〜400g/mである。
【0029】
高吸収性ポリマーとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のもの等が挙げられる。すなわち、デンプンーアクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプンーアクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーメタクル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプンーアクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルローズの架橋物、ポリビニルアルコールー無水マレイン酸反応物の架橋物などが使用できるが、この中で自重の20倍以上の尿、体液及び水を吸収するもので、ポリアクリル酸ナトリウム系のものが吸収性能の点から最も適当である。高吸収性ポリマーの配合量は、綿状パルプの重量に対して10〜500%、好ましくは15〜300%であり、かかる量の高吸収性ポリマーが綿状パルプ中に実質的に均一に分布していると、高吸収性ポリマーが液体を吸収して膨潤したとき、その粒子は相互の干渉が最小にとどめられ、連続的に接触して透過障壁を形成することが少なく、尿や体液を3次元方向に良好に透過、吸収することができる。
【0030】
また、熱融着性物質としては、綿状パルプと混合することを考えると繊維状のものが好ましい。熱融着性物質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニリデン、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。又は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でも良く、特には、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましい。繊度は1〜5デニール程度が好ましく、繊維長は3〜30mmのものが綿状パルプと混合するのに好適であるが、特に制限をうけるものではない。これらを綿状パルプと混合し、一定の圧力で熱圧着することによって、熱融着性物質による骨格構造が形成され、湿潤時においても綿状パルプ層自体の強度を持つことが可能となる。熱圧着の方法は、熱プレスロール、熱風乾燥機、マイクロ波加熱機、赤外線ヒーター等により行うことができるが、特に制限されるものではなく、マット層に均一に熱が伝わり、熱融着性物質が融けて骨格構造を形成することが出来るものであれば良い。
【0031】
吸収体の圧縮方法としては、周面が平滑なロールなどにより、吸収体の密度がその全体にわたり実質的に均等になるように連続する面状であってもよいし、周面が凹凸状であるロールなどにより、吸収体の密度が部分的に異なり、尿や体液を縦方向及び斜め方向に導く模様配列のエンボスであってもよい。エンボスの場合、圧縮部、非圧縮部は、連続、非連続のいずれであってもよい。
また、親水性シートとしては、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等の親水性を有するシートを用いることができる。
【0032】
液不透過性裏面シート
本発明において使用される液不透過性裏面シートは、薄く、液不透過性のプラスティックフィルムのウェブ又はシートからなる。プラスティックは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、又はこれらと同様の材料や、ポリビニルアルコールをベースとするフィルムのウェブ又はシートなどの材料から形成することができる。バックシート材料は透明でも不透明でも良く、またエンボス加工した表面を有するようにすることもできる。また、ほぼ液不透過性になるようにつくられた不織布の繊維ウェブからつくることもできる。
さらに、前記液不透過性のプラスティックのウェブ又はシートに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる不織布、織布、伸縮性不織布、あるいは、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムを貼合せても良い。
【0033】
伸縮弾性部材
本発明において使用される伸縮弾性部材としては、ウレタンフィルム、ウレタン糸、ウレタンフォーム、糸ゴム等の通常の使いすておむつに使用される伸縮弾性部材を使用することができ、脚周り開口部、ウエスト周り開口部等に伸長状態で配置され、ホットメルト接着剤により固定される。
【0034】
ファスニングテープ
本発明において使用されるファスニングテープは、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、不織布等の通常使用される素材の他、伸縮性を有する素材により形成することができ、これらの素材を単独で使用して形成しても良く、複数の素材を組合わせて形成しても良い。
ファスニングテープは、接合領域とこれに隣接する自由領域からなり、接合領域はおむつの側縁部に接着固定され、自由領域の側縁部にはおむつの前身頃と後身頃を着脱可能に締結するための締結手段が少なくとも2個設けられ、さらに、締結手段の間の自由領域の側縁から接合領域にかけて、おむつの股下方向に斜めに切込み部が形成される。また、切込み部の端部には、必要に応じて、テープが引裂かれるのを防止するための引裂き防止手段が形成される。引裂き防止手段の形状は、円形、四角形、三角形、直線状、Y字状等に形成することができる。
また、締結手段としては、各種粘着剤からなる層、あるいはメカニカルファスニングシステムのフック材を設けることにより形成することができる。
【0035】
本発明において粘着剤としては、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、シリコーン合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン含有アクリル系粘着剤等の、従来からファスニングテープや廃棄用テープに用いられているものと同様のものを用いることができる。
【0036】
また、メカニカルファスニングシステムのフック材としては、マジックテープ(登録商標;ベルクロ社製)、クイックロン(登録商標;YKK社製)、マジクロス(登録商標;カネボウベルタッチ社製)等、鍵状やキノコ形状などの凸状のフック材が多数付設されてなるシート等の公知のものを特に制限無く用いることができる。また、使用するフック材の大きさ、形状に関しては、係合するループ材と充分な係合力が得られれば良く、特に制限なく用いることができ、その一部が自由領域の側縁部からはみ出した状態て配置しても良い。
【0037】
【実施例】
以下、図面により、本発明の使いすておむつを詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
図1は、本発明の使い捨ておむつの一部切り欠き平面図である。
図1において、使いすておむつ1は、液透過性の表面シート2と、液不透過性の裏面シート3と、これら両シートの間に配置された吸収体4とから基本的に形成されており、前身頃5と、後身頃6と、これら両身頃の間に位置する股下部7とを有している。そして、前後身頃の両側縁部には一対のサイドフラップ8、8が形成されており、また、後身頃6のサイドフラップ8の側縁部にはファスニングテープ9が配置されており、前身頃5の裏面シート3表面にはファスニングテープ9を固定するためのフロントパッチ10が配置されている。
また、ファスニングテープ9は、締結手段11を2個有しており、さらに、締結手段11の間の部分において、側縁から股下部7の方向に斜めに切込み部12が形成されている。
また、吸収体4の両側縁近傍の表面シート2上には立体ギャザー13が形成されており、後身頃6の端縁部中央付近にはウエストギャザーを形成するための伸縮弾性部材14が配置されており、股下部7の両側縁部にはレグギャザーを形成するための複数本の糸ゴムからなる伸縮弾性部材15が配置されている。
【0039】
図2は、図1とは異なる例を示す、本発明の使いすておむつの平面図である。
図2において、使いすておむつ1の後身頃のサイドフラップ8には、図1と同様に、締結手段11を2個有するファスニングテープ9が配置されており、さらに、締結手段11の間の部分において、ファスニングテープ9に斜めに切込み部12が形成されているが、図2においては、切込み部12は、テープ9部分のみでなく、サイドフラップ8のファスニングテープ9を接合した部分にも形成されている。
なお、ファスニングテープのサイドフラップへの接合は、表面シート上でも良く、裏面シート上でも良く、あるいは、サイドフラップを形成する表面シートと裏面シートの間であっても良い。
【0040】
図3〜図6は、本発明の使いすておむつにおいて使用するファスニングテープの拡大図である。
本発明において、ファスニングテープ9の形状は、図3及び図4に示すように、一方の側縁部に2個の凸部を形成し、凸部に締結手段11を設けたものでも良く、図5に示すように、平行四辺形のテープを用い、その1辺に沿って2個の締結手段11を設けたものでも良く、あるいは、図6に示すように、台形のテープを用い、その上底に沿って2個の締結手段11を設けたものでも良く、特に制限されるものではない。
【0041】
本発明において、ファスニングテープ9には、締結手段11の間の部分において側縁から股下の方向に斜めに切込み部12が形成される。
この場合、図3に示すように、切込み部12がおむつの幅方向に平行な線17に対してなす角度(θ)が10〜60°であることが必要であり、15〜45°であることがより好ましく、30〜45°であることがさらに好ましい。この範囲の角度で切込み部12を形成することにより、おむつ装着時に脚周りに良好なフィット性を得ることができる。
【0042】
また、図3〜図5に示すように、切込み部12の端部には、ファスニングテープに不用意に大きな力が加わってテープが引裂かれるのを防止するための引裂き防止手段16を形成することができる。引裂き防止手段16の形状は、円形、四角形、三角形、直線状、Y字状等、特に制限なく形成することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の使いすておむつは、着用者の動きにもおむつを追随させやすく、おむつの弛みやずり落ちを軽減させることが可能であり、装着性、並びにフィット性に優れ、脚周りからの漏れ防止効果に優れると共に、生産性にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使いすておむつの一部切り欠き平面図。
【図2】図1とは異なる例を示す、本発明の使いすておむつの平面図。
【図3】本発明の使いすておむつにおいて使用するファスニングテープの拡大図。
【図4】本発明の使いすておむつにおいて使用するファスニングテープの他の例を示す拡大図。
【図5】本発明の使いすておむつにおいて使用するファスニングテープの他の例を示す拡大図。
【図6】本発明の使いすておむつにおいて使用するファスニングテープの他の例を示す拡大図。
【符号の説明】
1.使いすておむつ
2.液透過性の表面シート
3.液不透過性の裏面シート
4.吸収体
5.前身頃
6.後身頃
7.股下部
8.サイドフラップ
9.ファスニングテープ
10.フロントパッチ
11.締結手段
12.切込み部
13.立体ギャザー
14.伸縮弾性部材
15.伸縮弾性部材
16.引裂き防止手段
17.おむつの幅方向に平行な線
θ:切込み部とおむつの幅方向に平行な線のなす夾角

Claims (5)

  1. 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シートの間に配置された吸収体とからなり、前身頃と、後身頃と、これら前後身頃の間に位置する股下部とを有し、少なくとも前記後身頃の両側縁部には一対のサイドフラップが形成された使いすておむつにおいて、
    前記後身頃のサイドフラップの側縁部には、前記前身頃と後身頃を締結するための締結手段を少なくとも2個有するファスニングテープが配置されており、さらに、前記ファスニングテープには、前記締結手段の間の部分において、側縁から前記股下部の方向に斜めに切込み部が形成されていることを特徴とする使いすておむつ。
  2. 前記締結手段がメカニカルファスニングシステムのフック材からなることを特徴とする請求項1記載の使いすておむつ。
  3. 前記締結手段が粘着剤からなることを特徴とする請求項1記載の使いすておむつ。
  4. 前記切込み部が、おむつの幅方向に平行な線に対して10〜60°の角度で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の使いすておむつ。
  5. 前記切込み部の端部には、テープが引裂かれるのを防止するための引裂き防止手段が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の使いすておむつ。
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