JP2001112818A - パンツ型使いすておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】装着時には邪魔にならず、かつ衛生的な廃棄処
理手段となる廃棄用テープが配置されたパンツ型使いす
ておむつを提供する。 【解決手段】 パンツ型使いすておむつの裏面シート面
に、廃棄用テープが配置され、該廃棄用テープは、その
自由端部を含む領域に粘着剤層を有し、もう一方の端部
は裏面シートに接着固定されて固定領域を形成し、場合
により両領域を連結する中央領域を有し、各領域はそれ
ぞれの境界において折り返されて廃棄用テープの長さ方
向に折り畳まれた状態で使いすておむつの横幅方向に細
長く配置されており、さらに、廃棄用テープを伸展した
場合、使いすておむつの縦（上）方向に向きを変え、ウ
エスト周り開口部を越えて前記粘着剤層が位置できるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乳幼児又は失禁者
用おむつとして供されるパンツ型使いすておむつであっ
て、さらに詳しくは使用後の汚染されたパンツ型使いす
ておむつの廃棄にあたり、コンパクトでパンツ型使いす
ておむつの装着時には邪魔にならず、かつ衛生的な廃棄
処理手段となる廃棄用テープが配置されたパンツ型使い
すておむつに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、パンツ型使いすておむつの廃棄処
理手段として、実開平４−１１７６１８号公報におい
て、胴回り側部の接合部自由端に接着剤塗布部を設け、
排泄物を含んだおむつを排泄物が漏れ出さないように丸
め、接着剤塗布部を用いて排泄物を内側に包み込んで廃
棄する方法が提案されている。これは、胴回り側部にタ
ブを延出させたものであるが、タブを取り付けるために
おむつを形成する素材の幅を広げる必要があるのでコス
ト高となり、更に接着面積も実質上広くはできないとい
う問題があり、必ずしも十分なものではなかった。ま
た、廃棄時に使用されるテープに伸縮弾性体を使用する
ことが提案されている。しかし、廃棄時のおむつを丸め
た状態でテープを伸ばして裏面シートに止めると、テー
プの収縮力によってテープが外れてしまいやすく、十分
なものではなかった。

【０００３】また、実開平７−２４３１９号公報におい
て、防漏層の外面に剥離テープ部を設け、廃棄時に丸め
て固定するパンツ型おむつが開示され、この剥離テープ
部は、おむつから剥離できるものと、二つ折りにされて
おむつに止着されているものが提案されている。しか
し、おむつから剥離できる剥離テープ部を有するおむつ
は、廃棄時におむつを丸めたまま押さえている手を放す
必要があるために扱いにくいものであった。二つ折りに
されておむつに止着されている剥離テープにおいては、
剥離テープの歪みが生じたりして、丸めたおむつの状態
を保持しにい問題を抱えていた。

【０００４】また、実公平８−１０３０５号公報には、
廃棄時止着用の細帯状テープファスナーの一端を固定
し、おむつ背側部の弾性伸縮部材の固定領域より下方に
位置するようにおむつの上下方向に向けて配設してある
パンツ型おむつが開示されている。このテープファスナ
ーは、パンツ型おむつのウエスト部の開口部を越え得る
長さが必要となるため、おむつの装着中には邪魔になら
ないように折りたたんで配設されており、簡便で有効な
手段である。しかし、テープファスナーの固定位置が弾
性伸縮部材の下方であるために、ウエスト部の開口部ま
での距離が長くなり、折りたたんであってもテープファ
スナーの長さのために装着時に邪魔になりやすく、ま
た、長さ分のテープ材料費および裏面シートへの固定材
料費がかかってコスト高となっていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
廃棄時に使用される廃棄処理手段を有するパンツ型使い
すておむつの問題点を克服し、装着時には邪魔になら
ず、おむつを丸めて廃棄する場合には、手早く簡便に丸
めて固定することができ、その固定状態を保持できて、
材料費を少なくできる廃棄用テープを取り付けたパンツ
型使いすておむつを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の各発明を包含する。 (1) 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シート
と、これら両シートの間に配置された吸収体とを有し、
着用者の腹側に位置する前身頃と背側に位置する後身頃
の相対する両側縁部を接合してウエスト周り開口部と一
対の脚周り開口部を形成したパンツ型使いすておむつに
おいて、該おむつの前身頃側又は後身頃側の裏面シート
表面には、廃棄用テープが配置されており、該廃棄用テ
ープは、その自由端部を含む領域に粘着剤層を有し、も
う一方の端部を含む固定領域には裏面シートに接合され
ている固定部を有し、かつ、該廃棄用テープはその長さ
方向に折り畳まれた状態で使いすておむつの横幅方向に
細長く配置されており、さらに、該廃棄用テープは、そ
れを伸展し、テープの固定接合部を剥離する方向に力を
加えた場合に、該固定接合部と自由部の境界において、
テープの長手方向に対し傾斜して折り返し易い構成とさ
れ、これにより廃棄用テープはおむつの縦方向に向きを
変え、前記粘着剤層部分がウエスト周り開口部を越えて
位置できることを特徴とするパンツ型使いすておむつ。

【０００７】(2) 前記廃棄用テープは、前記固定領域と
前記自由端部を含む領域との境界で折り返され、折り畳
まれた状態で使いすておむつの横幅方向に細長く配置さ
れており、それを伸展した場合に前記固定領域内の固定
部と自由部の境界で折り返されておむつの縦方向に向き
を変えることを特徴とする、(1) 項記載のパンツ型使い
すておむつ。 (3) 前記廃棄用テープは、前記固定領域と前記自由端部
を含む領域との間に中央領域を有しており、各領域の境
界でＺ型に折り畳まれた状態で使いすておむつの横幅方
向に細長く配置されていることを特徴とする、(1) 項記
載のパンツ型使いすておむつ。

【０００８】(4) 前記廃棄用テープは、前記中央領域
の一部が該固定領域に接着固定されており、廃棄用テー
プを伸展した場合に前記中央領域の固定接合部（固定部
を含む）との境界で折り返されておむつの縦方向に向き
を変え、前記粘着剤層部分がウエスト周り開口部を越え
て位置し得ることを特徴とする(3) 項記載のパンツ型使
いすておむつ。 (5) 前記廃棄用テープの固定接合部と自由部の境界
が、テープの長手方向に対して傾斜した直線状であるこ
とを特徴とする（1）〜（4）のいずれか１項に記載のパ
ンツ型使いすておむつ。なお、この傾斜角度は４５度付
近の角度にするのが好ましい。

【０００９】(6） 前記廃棄用テープを展開した時の折
り返しの境界となる固定接合部が、廃棄用テープの上方
側（おむつのウエスト周り開口部）程広範囲に設けられ
ていることを特徴とする（1）〜（5）のいずれか１項に
記載のパンツ型使いすておむつ。 (7) 前記廃棄用テープの中央領域における固定接合部
が、該中央領域の上方側のみに配置され、下方側に配置
されていないことを特徴とする(4) 項に記載のパンツ型
使いすておむつ。この場合、固定接合部は中央領域の上
端側に配置されていることがより好ましい。 (8) 前記廃棄用テープは、ウエスト周り開口部の複数
ある弾性伸縮部材の固定領域内又はその近傍に配置され
ていることを特徴とする(1) 〜(7) のいずれか１項に記
載のパンツ型使いすておむつ。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明のパンツ型使いすておむつ
は、前身頃側又は後身頃側の裏面シート表面に廃棄用テ
ープが配置されており、該廃棄用テープは、２つ折り
（２枚重ね）の構成の場合、その自由端部を含む領域に
粘着剤層が設けられ、もう一方の端部を含む領域は裏面
シートに接合された固定部を有する固定領域となってい
る。そして、前記各領域が互いに重なり合うように廃棄
用テープを長手方向に折り畳んで使いすておむつの幅方
向に細長く配置されている。この廃棄用テープは、それ
を伸展した場合に、前記裏面シート表面に接合された固
定部を基点にその境界でテープの長手方向に対して傾斜
して折り返され、自由端部が使いすておむつの縦方向
（上方向）に略９０度向きを変え、ウエスト周り開口部
を超えて位置し得るように、固定部が形成されている。

【００１１】また、前記廃棄用テープは、３つ折り（３
枚重ね）の構成とした場合、固定領域全体を裏面シート
の表面に接合して固定部とし、該固定領域から折り曲げ
た中央領域の固定領域側の一部を該固定領域表面に接合
して固定接合部となし、その固定接合部を基点として固
定接合部と自由部との境界で廃棄用テープを折り返す構
造とすることもできる。その場合、中央領域に形成した
固定接合部は、テープを伸展した際に、該テープが該固
定接合部と自由部との境界で該テープの長手方向に対し
て傾斜して折り返され、自由部がおむつの縦方向に向き
を変え、自由端部を含む領域に設けた粘着剤層部分がウ
ェスト周り開口部を越えて位置できるように形成され
る。

【００１２】このような構成の本発明のパンツ型使いす
ておむつにおいて、おむつを廃棄する時には、まず、お
むつを丸めるか、又は折り畳んだのち、廃棄用テープの
自由端部をウエスト周り開口部に向けて摘み上げると、
固定領域又は中央領域に形成されている固定接合部（固
定部を含む）を基点に廃棄用テープは略９０度方向転換
して折り返され、おむつの縦方向に伸びて、その自由端
部を含む領域に形成された粘着部（粘着剤層部分）がウ
ェスト周り開口部を越えた箇所に接着可能となり、おむ
つを丸めたり折り畳んだ状態を保持したまま廃棄でき
る。おむつ装着時には、廃棄用テープは折り畳まれて配
置されており、おむつ本体への取り付け面積は小さくて
邪魔にならず、おむつのフィット感を損なうことはな
い。

【００１３】本発明における廃棄用テープの素材として
は、伸長性を有するもの（伸縮弾性を有していてもよ
い）も伸長性を有しないものも使用可能である。また、
フィルム状でも不織布状でも構わない。伸長性を有しな
い場合の素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリスチレン等ポリオレフィン系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
及びこれらのコポリマー等のポリエステル系樹脂、ナイ
ロン６、ナイロン６６等のポリアミド系樹脂、ポリビニ
ルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポ
リ乳酸、脂肪酸ポリエステル等の生分解性樹脂等が挙げ
られる。また、伸長性を有する素材としては、例えば、
ウレタンフィルム、プラスチックエラストマー（低密度
のポリエチレンフィルム等）、ゴムシート等が挙げられ
る。伸長性を有する廃棄用テープを用いると、廃棄用テ
ープのおむつ本体への取り付け面積をさらに小さくでき
ておむつのフィット感を損なわず、外見上に違和感は少
なくなる。

【００１４】廃棄用テープ素材の坪量は、８〜１５０ｇ
／ｍ² が好ましく、１０〜５０ｇ／ｍ² がさらに好まし
い。坪量が８ｇ／ｍ² 未満であると、強度が弱いだけで
なくコシもなく、廃棄用テープの取り扱いが不便であ
る。逆に、坪量が１５０ｇ／ｍ ² を越えると廃棄用テー
プが硬くなり、おむつ装着時にフィット感が悪くなるた
めに適さない。

【００１５】廃棄用テープの長さ（伸長性テープの場合
は伸ばした状態）は、廃棄時におむつを丸めたり折り畳
んだ状態のウエスト周り開口部を越えて、粘着剤層と裏
面シートを接合できる長さが必要である。この廃棄用テ
ープはウエスト周り開口部近傍にも配置することが可能
なため、あまり長さを必要とせずにウエスト周り開口部
を超えることができて材料費を節約できるが、廃棄用テ
ープ全長（伸長性のある場合は伸ばした状態）は、少な
くとも３ｃｍの長さがあることが好ましい。３ｃｍ未満
であると、廃棄用テープの取り扱いが容易ではなくな
る。

【００１６】廃棄用テープの固定領域の長さは、１〜８
ｃｍであることが好ましい。１ｃｍ未満であると、おむ
つの裏面シートにしっかりと廃棄用テープを固定するこ
とが難しい。逆に８ｃｍを越えると装着時に邪魔になり
好ましくない。廃棄用テープに中央領域を設ける場合
は、中央領域の長さは、固定領域の長さ以下であること
が好ましく、廃棄用テープが伸長性である場合も伸長性
でない場合も含めて、１〜８ｃｍであることが好まし
い。１ｃｍ未満であると、廃棄時に中央領域に新たな折
り返しを形成することが難しくなる。上限については、
固定領域の好ましい長さが８ｃｍ以下であるので、折り
返すことを考慮して８ｃｍ以下が好ましい。廃棄用テー
プの自由端部を含む領域の長さは、１〜８ｃｍであるこ
とが好ましい。１ｃｍ未満であると、廃棄時に摘まむこ
とが容易でなくなる。上限については、固定領域及び中
央領域の好ましい長さが８ｃｍ以下であるので、折り返
すことを考慮して８ｃｍ以下が好ましい。

【００１７】廃棄用テープの幅は、０．５ｃｍ〜４ｃｍ
であることが好ましい。０．５ｃｍ未満であると、廃棄
用テープは細すぎて取り扱いが不便である。また、４ｃ
ｍを超えると、幅が広すぎて装着時に邪魔になる。

【００１８】廃棄用テープの自由端部を含む領域は、固
定領域側又は中央領域側に折り返されて重ね合わされる
面側に粘着剤層が設けられ、固定領域面又は中央領域面
に剥離可能に接合されている。粘着剤層は、自由端部を
含む領域の一部に形成されても、全体に形成されていて
も構わない。

【００１９】本発明の廃棄用テープの粘着剤層を形成す
る粘着剤としては、特に限定はされないが、ゴム系でも
アクリル系でも良く、例えば、スチレン−ブタジエン−
スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共
重合体、アクリル酸エステル、酢酸ビニルエチレン−酢
酸ビニル共重合体等を主剤とする粘着剤等が挙げられ
る。

【００２０】自由端部を含む領域を剥離可能にするため
に、廃棄用テープの自由端部を含む領域が折り返されて
いる状態において、前記粘着剤層の全域を覆うように、
中央領域に剥離剤層を設けても良い。また、剥離剤層を
有したシートを、二つの領域の間に介在させても良い。
本発明の剥離剤層を形成する剥離剤は、特に限定はされ
ないが、シリコーン系、長鎖アルキルなどの非シリコー
ン系、フッ素系の樹脂等が挙げられる。

【００２１】廃棄用テープの自由端部には、摘み部が形
成されていても良い。摘み部が形成されていると、廃棄
用テープの端部領域を容易に摘み上げることができるた
め、取り扱いが簡便になる。

【００２２】廃棄用テープが中央領域を有する場合、中
央領域と固定領域は、折り畳まれて互いに重ね合わされ
る面の一部が固定接合されて固定接合部が形成されてお
り、それによって、廃棄用テープを伸展した場合に、廃
棄用テープが該固定接合部を基点としておむつの縦方向
（ウェスト周り開口部方向）に略９０度方向転換される
ように中央領域が折り返される。このような固定接合部
においては、折り返し線が、廃棄用テープの配置方向
（おむつの横幅方向）とおむつの縦方向（上下方向）と
の中間の斜め方向になるように該固定接合部を形成する
ことが好ましい。しかし、廃棄用テープをおむつの縦方
向に方向転換できるような接合方法であるかぎり、該固
定接合部を形成する接合方法には特に制限はない。

【００２３】該固定接合部を形成する接合方法は、中央
領域と固定領域が剥離することなく接合することができ
れば良く、公知の接着剤やシール方法等を用いることが
できる。粘着剤層に用いた粘着剤と同一のものを用いて
も構わないが、この場合は剥離処理を実施しない。ま
た、接合が施されている部分の（廃棄用テープ上方から
見た）形状及び位置は、上記したように、廃棄用テープ
を伸展した時に、廃棄用テープの自由端部が使いすてお
むつの縦方向に向くように中央領域が折り返されること
を考慮した形状及び位置であれば特に制限はなく、形状
においては三角形、台形、線、点等のどのような形を取
っても良い。

【００２４】また、通常の使いすておむつ使用時におけ
る廃棄用テープの折り返し状態を保つために、中央領域
と自由端部を含む領域の折り返し線近傍において、中央
領域と固定領域を剥離可能に貼り合わせておくのが好ま
しい。廃棄用テープの固定領域には、裏面シートに接着
固定するために固定接着剤層が形成されている。固定接
着剤層の素材は特に制限はないが、公知の接着剤等を用
いて、裏面シートに外れることなく固定することができ
れば良く、粘着剤層に用いた粘着剤と同一のものを用い
ても構わないが、この場合は貼り合わせる面を剥離処理
しない。また、硬化することにより接着力を発揮する硬
化型の接着剤を用いてもよい。また、中央領域と固定領
域を接合する固定接合部にも、同様の固定接着剤層を用
いることが出来る。

【００２５】また、本発明の廃棄用テープは、ウエスト
周り開口部近傍に配置することができる。ウエスト周り
開口部近傍に複数の伸縮弾性部材が配置された固定領域
がある場合には、その領域内にも領域外にも配置するこ
とができる。固定領域内に配置する場合には、伸縮弾性
部材と重ならないようにその合間に配置することで、使
いすておむつのウエスト周りの伸縮性を損なわないよう
にすることができ、廃棄用テープの必要な長さを短くし
て材料費を節約することができる。

【００２６】本発明のパンツ型使いすておむつにおける
表面シートは液透過性シートであり、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、その他の熱可塑性樹脂等
を原料とした合成繊維からなる液透過性の不織布、織布
が用いられる。また、天然繊維でもよく、合成繊維と天
然繊維との組み合わせ等、広い範囲の材料から製造する
ことができる。いずれにしても、液透過性の表面シート
は、直接肌に接触する部分であるため、柔らかく、肌触
りのよいものであれば良く、通気性であれば良い。表面
シートの幅方向中央領域は、吸収体上に配置されるた
め、速やかに液を透過させることができるように、親水
性繊維であることが好ましい。また、液透過性の表面シ
ートの幅方向両側縁領域は、液を吸収した吸収体から、
外側にしみ出さないように撥水性であることが好まし
い。

【００２７】また、液透過性の表面シートは、必ずしも
単一のシートで構成される必要はなく、中央部表面シー
トや側部表面シートといった複数枚のシートで構成され
ても良い。また、複数枚のシートで表面シートを構成す
る際、各シートは別の素材を使っても良いが、同一の素
材でも良い。

【００２８】本発明のパンツ型使いすておむつにおける
裏面シートは、液不透過性シートであり、廃棄用テープ
を取付ける部材でもある。裏面シートとしては、ポリエ
チレン等の液不透過性フィルム、液不透過性フィルムに
不織布または織布を貼り合わせて構成されている素材、
また、防漏性のある不織布、織布等が使用でき、吸収体
中の水分がおむつ外側にしみ出さないものであれば特に
制限はない。また、布状外観を与えるために模様状にエ
ンボス処理されたり、さらに艶消し仕上げされていても
構わない。また、フィルムを使用する場合は、不透過性
でありながら、水蒸気だけを透過させる公知の透湿性フ
ィルムを使用することができ、このようなフィルムはム
レを防止することから好ましい。また、着用者にフィッ
トするように伸縮性のある素材であっても良い。ポリウ
レタン系フィルム、天然ゴムシート、発泡シート等の使
用が考えられ、さらに、伸縮性不織布などを貼りあわせ
た素材でも良い。

【００２９】本発明のパンツ型使いすておむつにおける
吸収体は、綿状パルプ、高吸水性高分子物質、親水性シ
ート等によって形成されているものであるが、良好な吸
水性を有していれば特に制限を受けるものではない。本
発明において使用される吸収体としては、従来の使いす
ておむつや、その他の吸収性物品に通常使用されている
公知の吸収性材料から作られている。すなわち、綿状パ
ルプ、レーヨン等の吸収性繊維からなる単層もしくは多
層のマットから形成され、さらに親水性シートによって
くるまれており、そして、高吸水性高分子物質が各マッ
ト中に均一に混合もしくは各マット間に層状に配置され
ている。また、高吸水性高分子物質を均一に混合された
吸収体は、綿状パルプに対して３〜６０重量％の熱融着
性物質を混合した後、熱圧着してもよいし、もしくは高
吸水性高分子物質のみが親水性シートによりくるまれて
いるものであっても良い。

【００３０】前記吸収体の形状は、砂時計型、矩型、Ｔ
字型等であって特に制限はなく、股下にフィットする形
状であれば良い。一般的に着用感を向上させるために、
砂時計型やＴ字型等股下部を狭くした形状であることが
特に好ましい。

【００３１】本発明の使いすておむつには、伸縮弾性部
材がおむつの脚周り開口部近傍、ウエスト周り開口部近
傍等に伸長状態で配置され、ホットメルト接着剤により
接着固定されている。伸縮性を高めたりその伸縮性を保
持するために複数の伸縮弾性部材を用いることが好まし
い。伸縮弾性部材は、糸ゴム、ウレタンフィルム、ウレ
タン糸、ウレタンフォーム等が使用される。

【００３２】

【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の使いすておむ
つをより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらによ
って限定されるものではない。図１は、本発明のパンツ
型使いすておむつの斜視図である。図１において、本発
明のパンツ型使いすておむつ１は、脚周り開口部２、ウ
エスト周り開口部３を有し、前身頃４と後身頃５はサイ
ドシーム６により接着閉鎖されており、後身頃５の外表
面を形成する裏面シート７上には、おむつの幅方向に沿
って細長く、廃棄用テープ８が配置されている。

【００３３】図２は、本発明のパンツ型使いすておむつ
に配置された廃棄用テープ８を裏面シート７上に配置
し、折り畳んだ状態にある廃棄用テープ８の長手方向に
沿った断面図である。図２において、廃棄用テープ８に
は、自由端部９を含む領域１０、もう一方の端部を含む
固定領域１１、及び自由端部を含む領域１０と固定領域
１１を連結する中央領域１２が存在し、前記３領域を区
分するように廃棄用テープ８は折れ線１７及び１８にお
いて折り畳まれている。自由端部９を含む領域１０に
は、折り畳まれた状態で中央領域１２に重ね合わされる
面側に粘着剤層１３が設けられ、その粘着剤層１３の全
域を覆うように中央領域１２には剥離剤層１４が設けら
れており、剥離可能に自由端部を含む領域１０を貼り合
わしている。さらに、中央領域１２と固定領域１１間の
一部には固定接着剤層１５を設けており、この接合部は
剥離することのない状態で両領域の一部を接合してい
る。また、固定領域１１の裏面シート７と向かいあう面
には固定接着剤層１６が設けられて、廃棄用テープ８を
裏面シート７に接着固定している。

【００３４】図３は、図２に示した本発明のパンツ型使
いすておむつに配置された廃棄用テープ８の自由端部９
を摘み上げて領域１０を中央領域１２から剥離させた状
態を示している。

【００３５】図４は、図３に示した本発明のパンツ型使
いすておむつに配置された廃棄用テープ８において、さ
らに摘み上げて、中央領域１２の非接合面を固定領域１
１の面から離間させた状態を示している。

【００３６】図５は、図４に示した本発明のパンツ型使
いすておむつにおいて、廃棄用テープ８の自由端部９が
おむつの長さ方向（上方）に向けてウエスト周り開口部
３を越えて位置するように、廃棄用テープ８の中央領域
１２を固定接着剤層の傾斜端縁（図６の符号１９の位置
を参照）に沿っておむつ上方へ略９０度方向転換して折
り返した状態を示した斜視図である。中央領域１２に
は、廃棄用テープの配置方向とおむつの長さ方向の中間
方向（斜め４５度方向）に向いた新たな折り返し線１９
が前記固定接着剤層の傾斜端縁に沿って形成されてい
る。

【００３７】図６は、本発明のパンツ型使いすておむつ
に配置された廃棄用テープ８の中央領域１２と固定領域
１１間の一部に設けられた固定接着剤層１５の形状を示
す斜視図である。固定接着剤層１５の形状は周囲を点線
で囲まれ、斜線で塗りつぶされている台形部分である。

【００３８】図７は、図６とは異なる例であり、本発明
のパンツ型使いすておむつに配置された廃棄用テープ８
の中央領域１２と固定領域１１間の一部に設けられた固
定接着剤層１５の形状を示す斜視図である。固定接着剤
層１５の形状は周囲を点線で囲まれ、斜線で塗りつぶさ
れている長方形部分であり、廃棄用テープ上端部の固定
領域側のみに細長く矩形状に配置されている。この場合
も、図６と同様に折り返して自由部の方向を変更出来
る。

【００３９】図８は、図６及び図７とは異なる例であ
り、本発明のパンツ型使いすておむつに配置された廃棄
用テープ８の中央領域１２と固定領域１１間の一部に設
けられた固定接着剤層１５の形状を示す、廃棄用テープ
の近傍の斜視図である。固定接着剤層１５の形状は周囲
を点線で囲まれ、斜線で塗りつぶされている部分であ
り、固定接着剤層１５と自由部の境界がテープの長手方
向に対して約４５度の斜線をなしている。。

【００４０】図９は、本発明のパンツ型使いすておむつ
を丸めて固定した状態を示す斜視図である。使用済みで
特に軟便などの排泄物を含んだおむつを縦方向（下方か
ら上方へ）丸めて、排泄物をおむつの内側に包み込むよ
うに閉じ、これを開かないように廃棄用テープ８を、ウ
エスト周り開口部３を越えて、裏面シート７と接着させ
て、この丸めた状態を保持している。

【００４１】図１０は、図２とは異なる例であり、本発
明のパンツ型使いすておむつに配置された廃棄用テープ
８を裏面シート７上に配置し、２つ折りに折り畳まれて
いる状態を示す、廃棄用テープ８の長手方向に沿った断
面図である。図１０において、廃棄用テープ８には、自
由端部９を含む領域１０、もう一方の端部を含む固定領
域１１が存在し、該両領域の境界で廃棄用テープ８は折
り畳まれている。自由端部を含む領域１０には、折り畳
まれた状態で固定領域１１に重ね合わされる面側に粘着
剤層１３が設けられており、その粘着剤層１３の全域を
覆うように固定領域１１には剥離剤層１４が設けられ
て、剥離可能に自由端部を含む領域１０を貼り合わせて
いる。さらに、固定領域１１と裏面シート７間の一部に
は固定接着剤層１６を設けており、この接合は外れるこ
となく廃棄用テープ８と裏面シート７の一部を接合して
いると共に、図６の固定接着剤層１５と同様に台形形状
をなしている。

【００４２】図１１は、図１０に示した本発明のパンツ
型使いすておむつに配置された廃棄用テープ８を摘まみ
上げて、自由端部を含む領域１０を固定領域１１から剥
離させた状態を示している。

【００４３】図１２は、図１１に示した本発明のパンツ
型使いすておむつに配置された廃棄用テープにおいて、
さらに摘まみ上げて、固定領域１１の一部を裏面シート
７から剥離させた状態を示している。

【００４４】図１３は、図１２に示した本発明のパンツ
型使いすておむつにおいて、廃棄用テープ８の自由端部
９がおむつの縦方向（上方）に向けてウエスト周り開口
部３を越えて位置するように、廃棄用テープ８の固定領
域１１を固定接着剤層１６の傾斜端縁に沿った折り返し
線１９によっておむつ上方へ略９０度方向転換して折り
返した状態を示した斜視図である。

【００４５】

【発明の効果】本発明のパンツ型使いすておむつにおけ
る廃棄用テープは、装着時には邪魔にならない大きさ
で、材料費を少なくでき、フィット感を損なわず、廃棄
時には手早く簡便に丸めておむつが開かないように固定
することが可能であるので、衛生的に使いすておむつを
廃棄することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパンツ型使いすておむつの斜視図。

【図２】裏面シート上に廃棄用テープを配置して折り畳
んだ状態の長手方向に沿った断面図。

【図３】図２に示した廃棄用テープの自由端部を含む領
域を摘み上げて、中央領域から剥離させた状態の長手方
向に沿った断面図。

【図４】図３に示した廃棄用テープの自由端部を含む領
域をさらに摘み上げて、中央領域の一部を固定領域から
離間させた状態の長手方向に沿った断面図。

【図５】図４に示した廃棄用テープの自由端部がウエス
ト周り開口部を越えて位置するように中央領域を折り返
した状態を示す斜視図。

【図６】中央領域と固定領域間の一部を接合する固定接
着剤層の形状を示す斜視図。

【図７】中央領域と固定領域間の一部を接合する固定接
着剤層の形状を示す、図６とは異なる例の斜視図。

【図８】中央領域と固定領域間の一部を接合する固定接
着剤層の形状を示す、図６及び図７とは異なる例の斜視
図。

【図９】廃棄用テープによって縦方向に丸めたおむつを
固定した状態を示す斜視図。

【図１０】裏面シート上に廃棄用テープを配置して２つ
折りに折り畳まれた状態を示す、本発明のおむつに配置
された廃棄用テープの長手方向に沿った断面図である。

【図１１】図１０に示した廃棄用テープの自由端部を含
む領域を摘み上げて、固定領域から剥離させた状態を示
す、本発明のおむつに配置された廃棄用テープの長手方
向に沿った断面図である。

【図１２】図１１に示した廃棄用テープの自由端部を含
む領域をさらに摘み上げて、固定領域に一部を裏面シー
トから剥離させた状態を示す、本発明のおむつに配置さ
れた廃棄用テープの長手方向に沿った断面図である。

【図１３】図１２に示した廃棄用テープの自由端部がウ
エスト周り開口部を越えて位置するように固定領域を折
り返した状態を示す、本発明のおむつ全体の斜視図。

【符号の説明】

１．パンツ型使いすておむつ ２．脚周り開口部 ３．ウエスト周り開口部 ４．前身頃 ５．後身頃 ６．サイドシーム ７．裏面シート ８．廃棄用テープ ９．自由端部 １０．自由端部を含む領域 １１．固定領域 １２．中央領域 １３．粘着剤層 １４．剥離剤層 １５．固定接着剤層 １６．固定接着剤層 １７．自由端部を含む領域と中央領域との間の折れ線 １８．中央領域と固定領域との間の折れ線 １９．固定接合部（固定接着剤層）に沿った折り返し線 ２０．自由端部を含む領域と固定領域との間の折れ線

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液透過性の表面シートと、液不透過性の
   裏面シートと、これら両シートの間に配置された吸収体
   とを有し、着用者の腹側に位置する前身頃と背側に位置
   する後身頃の相対する両側縁部を接合してウエスト周り
   開口部と一対の脚周り開口部を形成したパンツ型使いす
   ておむつにおいて、 該おむつの前身頃側又は後身頃側の裏面シート表面に
   は、廃棄用テープが配置されており、 該廃棄用テープは、その自由端部を含む領域に粘着剤層
   を有し、もう一方の端部を含む固定領域には裏面シート
   に接合されている固定部を有し、かつ、該廃棄用テープ
   はその長手方向に折り畳まれた状態で使いすておむつの
   横幅方向に細長く配置されており、 さらに、該廃棄用テープは、それを伸展し、テープの固
   定接合部を剥離する方向に力を加えた場合に、該固定接
   合部と自由部の境界においてテープの長手方向に対し傾
   斜して折り返し易い構成とされ、これにより廃棄用テー
   プはおむつの縦方向に向きを変え前記粘着剤層部分がウ
   エスト周り開口部を越えて位置できることを特徴とする
   パンツ型使いすておむつ。
2. 【請求項２】 前記廃棄用テープは、前記固定領域と前
   記自由端部を含む領域との境界で折り返され、折り畳ま
   れた状態で使いすておむつの横幅方向に細長く配置され
   ており、それを伸展した場合に前記固定領域内の固定部
   と自由部の境界で折り返されておむつの縦方向に向きを
   変えることを特徴とする、請求項１記載のパンツ型使い
   すておむつ。
3. 【請求項３】 前記廃棄用テープは、前記固定領域と前
   記自由端部を含む領域との間に中央領域を有しており、
   各領域の境界で折り返され、Ｚ型に折り畳まれた状態で
   使いすておむつの横幅方向に細長く配置されており、該
   中央領域はその一部が前記固定領域に接合された固定接
   合部を有し、廃棄用テープを伸展した場合に該中央領域
   内の固定接合部と自由部の境界で折り返されておむつの
   縦方向に向きを変えることを特徴とする、請求項１記載
   のパンツ型使いすておむつ。
4. 【請求項４】 前記廃棄用テープの固定接合部と自由部
   の境界が、テープの長手方向に対して傾斜した直線状で
   あることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記
   載のパンツ型使いすておむつ。
5. 【請求項５】 前記廃棄用テープは、ウエスト周り開口
   部の複数ある弾性伸縮部材の固定領域内又はその近傍に
   配置されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれ
   か１項に記載のパンツ型使いすておむつ。