JP4654609B2 - 負荷駆動回路 - Google Patents

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Description

本発明は、瞬時的に大きな電流が流れるキャパシタンス等の負荷を駆動する負荷駆動回路に関するものである。
例えば液晶表示装置のデータ線を駆動するドライバなど、瞬時的に大きな電流が流れる負荷を駆動する回路には、一般にプッシュプル回路が用いられている。
図6は、一般的なプッシュプル回路の構成例を示す図である。
図6に示すプッシュプル回路は、容量性の負荷CLに接続される出力端子Toutと、電源線VCCおよび出力端子Toutの間に接続されるnpnトランジスタQ101と、出力端子Toutおよびグランド線Gの間に接続されるpnpトランジスタQ102と、コレクタ−ベース間が短絡されてダイオードとして機能するnpnトランジスタQ103およびpnpトランジスタQ104と、電流源11および12とを有する。
npnトランジスタQ101は、そのコレクタが電源線VCCに、エミッタが出力端子Toutに、ベースがノードN11にそれぞれ接続される。
pnpトランジスタQ102は、そのコレクタがグランド線Gに、エミッタが出力端子Toutに、ベースがノードN12に接続される。
npnトランジスタQ103およびpnpトランジスタQ104は、ノードN11とN12との間に直列に接続される。すなわち、ノードN11からノードN12へ流れる電流に対して、npnトランジスタ103のベース−エミッタ間のダイオードと、pnpトランジスタQ104のベース−エミッタ間のダイオードとがそれぞれ順方向になるように、直列に接続される。
電流源11および12は、ノードN11およびN12に差動電流信号を入力する。
電流源11によって電源線VCCからノードN11に流れる電流I11は、
I11=Iid2+Δi;
電流源12によってノードN12からグランド線Gに流れる電流I12は、
I12=Iid2−Δi;
のように表される。
ただし‘Iid2’は、出力端子Toutから負荷CLに流れる電流がゼロになるときに電源線VCCからノードN11およびN12を介してグランド線Gに流れるアイドリング電流を示す。また、‘Δi’は、このアイドリング電流Iid2に重畳される信号成分を示す。
このような構成を有する従来のプッシュプル回路によると、電流I11が電流I12より大きい場合、差動電流信号2Δi(=I11−I12)のほとんどがnpnトランジスタQ101のベースに流れて、npnトランジスタQ101がオン、pnpトランジスタQ102がオフになる。そのため、電源線VCCから負荷CLに向かって電流が吐き出される。一方、電流I11が電流I12より小さい場合、差動電流信号2ΔiのほとんどがpnpトランジスタQ102のベースに流れて、npnトランジスタQ101がオフ、pnpトランジスタQ102がオンになる。そのため、負荷CLからグランド線Gに向かって電流が引き込まれる。
このように、2つのトランジスタ(Q101,Q102)を用いて負荷に対する電流の吐き出しと引き込みが行われるため、特に容量性の負荷を高速に駆動することができる。
特許第3371824号公報
ところで、図6に示すプッシュプル回路において、出力端子Toutの入出力電流がゼロのときにnpnトランジスタQ101およびpnpトランジスタQ102に定常的に流れるアイドリング電流Iid1は、概ね次式のように表される。
Figure 0004654609
ただし、‘Se101’,‘Se102’,‘Se103’,‘Se104’は、それぞれ、npnトランジスタQ101,pnpトランジスタQ102,npnトランジスタQ103,pnpトランジスタQ104のエミッタ面積を示す。
式(1)に示すように、プッシュプル回路の出力段(Q101,Q102)に流れるアイドリング電流Iid1は、バイアス回路(Q103,Q104)に流れるアイドリング電流Iid2と、各トランジスタの面積比とによって決まる。
したがって、出力段のアイドリング電流Iid1による消費電力の増加を抑えるためには、アイドリング電流Iid2を小さくすることが望ましい。
一方、出力端子Toutから吐き出される最大電流Iout_max(+)、および出力端子Toutから引き込まれる最大電流Iout_max(−)は、それぞれ次式のように表される。
Figure 0004654609
ただし、‘Δi_max(+)’は電流吐き出し時の信号成分Δiの最大値を示し、‘Δi_max(−)’は電流引き込み時の信号成分Δiの最大値を示す。また、‘β101’はnpnトランジスタQ101の電流増幅率を示し、‘β102’はpnpトランジスタQ102の電流増幅率を示す。
式(2),(3)の関係から、アイドリング電流Iid2は次式の関係を満たす必要がある。
Figure 0004654609
上式から分かるように、出力の最大電流Iout_maxを大きくして、瞬時的な電流駆動能力を高めようとすると、これに応じてアイドリング電流Iid2を大きくする必要がある。その結果、式(1)の関係から、出力段のアイドリング電流Iid1が大きくなってしまい、消費電力が増加するという不利益が生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、瞬時的な電流駆動能力を高めつつ、定常状態における消費電力を削減することができる負荷駆動回路を提供することにある。
本発明は、電流を出力する第1電流源および第2電流源と、上記第1電流源と第1ノードで接続され、上記第2電流源と第2ノードで接続され、上記第1ノードから上記第2ノードに流れる電流に応じたバイアス電圧を該ノード間に発生するバイアス回路と、上記第1ノードおよび上記第2ノードから入出力される差動電流信号に応じた電流を出力する出力端子と、第1の電源供給線と上記出力端子との間に接続される第1導電型の第1トランジスタ、および第2の電源供給線と上記出力端子との間に接続される第2導電型の第2トランジスタを有し、上記第1トランジスタおよび上記第2トランジスタの導通状態が、上記第1ノードおよび第2ノードに入力される上記差動電流信号に基づく電流駆動により相補的に制御される出力段回路と、上記第1ノードと上記第1トランジスタのベースに接続される第3ノードとの間に接続され、上記第1ノードの電流を増幅して上記第3ノードへ出力する第1の電流増幅回路と、上記第1トランジスタおよび上記第2トランジスタの貫通電流を抑制するために、上記第1の電源供給線と上記第2トランジスタのベースに接続される第4ノードとの間に接続される第1の貫通電流抑制回路と、を有し、上記第1の電流増幅回路は、上記第1ノードにベースが接続され、上記第1ノードの電流を増幅する第1導電型の第3トランジスタと、上記第3トランジスタにベースが接続され、増幅した電流を上記第3ノードへ出力する第2導電型の第4トランジスタと、を有し、上記第1の貫通電流抑制回路は、上記第1の電流増幅回路の上記第3トランジスタにベースが接続され、上記第3トランジスタにより増幅された電流の増減に対応させて上記第1の電源供給線と上記第4ノードとの間に流す電流を増減させる第5トランジスタを有し、上記第1トランジスタの電流が増加する場合に、上記第5トランジスタによる上記第4ノードの電流により、上記第2トランジスタのベース電流を減らす。
上記の構成を有する本発明によれば、上記第1の電流増幅回路において、上記第1ノードから上記第1トランジスタのベースに流れる電流が増幅される。そのため、この電流増幅回路を有さない場合と比較すると、上記出力端子から負荷に同一の電流を出力させるために必要な差動電流信号の振幅が小さくなる。これにより、上記第1ノードと上記第2ノードとの間に接続されるバイアス回路に定常的に流す電流を小さくすることが可能になる。
また、上記第1トランジスタの電流が増大すると、上記第1ノードから上記第1トランジスタのベースに流れる電流に応じて上記第2トランジスタのベース電流が制御されて、第2トランジスタのベース電流が減少する。そのため、上記第1トランジスタと上記第2トランジスタとを貫通して流れる電流が抑制される。
好適には、上記第2ノードと上記第4ノードとの間に接続され、上記第2ノードの電流を増幅して上記第4ノードへ出力する第2の電流増幅回路と、上記貫通電流を抑制するために、上記第2の電源供給線と上記第3ノードとの間に接続される第2の貫通電流抑制回路と、を有し、上記第2の電流増幅回路は、上記第2ノードにベースが接続され、上記第2ノードの電流を増幅する第2導電型の第7トランジスタと、上記第7トランジスタにベースが接続され、増幅した電流を上記第4ノードへ出力する第1導電型の第8トランジスタと、を有し、上記第2の貫通電流抑制回路は、上記第2の電流増幅回路の上記第7トランジスタにベースが接続され、上記第7トランジスタにより増幅された電流の増減に対応させて上記第2の電源供給線と上記第3ノードとの間に流す電流を増減させる第9トランジスタを有し、上記第2トランジスタの電流が増加する場合に、上記第9トランジスタによる上記第3ノードの電流により、上記第1トランジスタのベース電流を減らしてもよい。
これにより、上記第2の電流増幅回路において、上記第2ノードから上記第2トランジスタのベースに流れる電流が増幅される。そのため、この電流増幅回路を有さない場合と比較すると、上記出力端子から負荷に同一の電流を出力させるために必要な差動電流信号の振幅が小さくなる。これにより、上記第1ノードと上記第2ノードとの間に接続されるバイアス回路に定常的に流す電流を小さくすることが可能になる。
また、上記第2トランジスタの電流が増大すると、上記第2ノードから上記第2トランジスタのベースに流れる電流に応じて上記第1トランジスタのベース電流が制御されて、第1トランジスタのベース電流が減少する。そのため、上記第1の電流増幅回路と上記第2の電流増幅回路との間に過渡特性の違いがある場合でも、上記第1トランジスタと上記第2トランジスタとを貫通して流れる電流が抑制される。
本発明によれば、瞬時的な電流駆動能力を高めつつ、定常状態における消費電力を削減することができる。
以下、本発明の5つの実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。
図1に示す負荷駆動回路は、出力端子Toutと、npnトランジスタQ1およびQ13と、pnpトランジスタQ2およびQ14と、電流源1および2と、電流増幅回路3Aおよび3Bとを有する。
なお、npnトランジスタQ1は、本発明の第1トランジスタの一実施形態である。
pnpトランジスタQ2は、本発明の第2トランジスタの一実施形態である。
npnトランジスタQ13およびpnpトランジスタQ14は、本発明のバイアス回路の一実施形態である。
電流増幅回路3Aは、本発明の第1の電流増幅回路の一実施形態である。
電流増幅回路3Bは、本発明の第2の電流増幅回路の一実施形態である。
npnトランジスタQ1は、電源線VCCと出力端子Toutとの間に接続される。
すなわち、npnトランジスタQ1は、そのコレクタが電源線VCCに、エミッタが出力端子Toutにそれぞれ接続される。
pnpトランジスタQ2は、出力端子Toutとグランド線Gとの間に接続される。
すなわち、pnpトランジスタQ2は、そのコレクタがグランド線Gに、エミッタが出力端子Toutにそれぞれ接続される。
電流源1および2は、npnトランジスタQ1およびpnpトランジスタQ2の導通状態を相補的に制御するための差動電流信号をノードN1およびN2に入力する。
なお、ノードN1は本発明の第1ノード、ノードN2は本発明の第2ノードにそれぞれ相当する。
電流源1によって電源線VCCからノードN1に流れる電流I1、および、電流源2によってノードN2からグランド線Gに流れる電流I2は、例えば次式のように表される。
Figure 0004654609
ただし‘Iid2’は、出力端子Toutから図示しない負荷に対して出力される電流Ioutがゼロのときに、電源線VCCからノードN1およびN2を介してグランド線Gに流れるアイドリング電流を示す。また、‘Δi’は、このアイドリング電流Iid2に重畳される信号成分を示す。
npnトランジスタQ13およびpnpトランジスタQ14は、コレクタ−ベース間がそれぞれ短絡されており、ベース−エミッタ間のPN接合によってダイオードとして機能する。
このダイオードとして機能するトランジスタQ13およびQ14は、ノードN1とN2との間に直列に接続される。すなわち、ノードN1からノードN2へ流れる電流に対して、npnトランジスタ13のベース−エミッタ間のダイオードと、pnpトランジスタQ14のベース−エミッタ間のダイオードとがそれぞれ順方向になるように、直列に接続される。
電流増幅回路3Aは、ノードN1からnpnトランジスタQ1のベースに流れる電流を増幅する。
すなわち、ノードN1から入力される電流IAinを増幅率Gaで増幅し、該増幅した電流IAout(=Ga×IAin)をnpnトランジスタQ1のベースに入力する。
電流増幅回路3Bは、ノードN2からpnpトランジスタQ2のベースに流れる電流を増幅する。
すなわち、ノードN2から入力される電流IBinを増幅率Gbで増幅し、該増幅した電流IBout(=Gb×IBin)をpnpトランジスタQ2のベースに入力する。
ここで、上述した構成を有する図1に示す負荷駆動回路の動作を説明する。
電流I1が電流I2より大きい場合、差動電流信号2Δi(=I1−I2)のほとんどがnpnトランジスタQ1のベースに流れて、npnトランジスタQ1がオン、pnpトランジスタQ2がオフになる。そのため、電源線VCCから出力端子Toutを介して図示しない負荷に電流が吐き出される。一方、電流I1が電流I2より小さい場合、差動電流信号2ΔiのほとんどがpnpトランジスタQ2のベースに流れて、npnトランジスタQ1がオフ、pnpトランジスタQ2がオンになる。そのため、図示しない負荷から出力端子Toutを介してグランド線Gに電流が引き込まれる。
このように、2つのトランジスタ(Q1,Q2)を用いて負荷に対する電流の吐き出しと引き込みが行われるため、特に容量性の負荷を高速に駆動することができる。
次に、図1に示す負荷駆動回路の出力段のトランジスタ(Q1,Q2)に流れるアイドリング電流Iid1について説明する。
電流増幅回路3Aおよび3Bの入出力間の電位差がゼロであるとすると、トランジスタQ1,Q2,Q13,Q14のベース−エミッタ間電圧Vbe1,Vbe2,Vbe13,Vbe4は次式の関係を満たす。
Figure 0004654609
ここで、トランジスタQ1,Q2,Q13,Q14のコレクタ電流をそれぞれIc1,Ic2,Ic13,Ic14とし、その順方向飽和電流をそれぞれIs1,Is2,Is13,Is14とすると、式(8)の関係は次式のように近似することができる。
Figure 0004654609
ただし、式(9)において‘VT’は熱電圧と呼ばれており、電子の電荷q、ボルツマン定数k、絶対温度Tを用いて次式で表される。
Figure 0004654609
式(9)を整理すると、次式が得られる。
Figure 0004654609
ここで、トランジスタQ1,Q2の電流増幅率が十分に大きく、エミッタ電流とコレクタ電流とがほぼ等しいものとすると、出力端子Toutから負荷に流れる出力電流Ioutは、
Iout=Ic1−Ic2;
となる。出力段のトランジスタ(Q1、Q2)に流れるアイドリング電流Iid1は、出力電流IoutがゼロのときにトランジスタQ1,Q2に流れる電流であり、
Ic1=Ic2=Iid1;
の関係を満たす。
一方、出力電流Ioutがゼロのとき、電流の信号成分Δiがゼロになり、
I1=I2=Iid2;
が成立する。
ここで、トランジスタQ1,Q2,Q13,Q14の電流増幅率が十分に大きく、そのベース電流が微小で無視できるものとすると、トランジスタQ13,Q14のコレクタ電流Ic13およびIc14は
Ic13=Ic14=Iid2;
の関係を満たす。
したがって、
Ic1=Ic2=Iid1;
Ic13=Ic14=Iid2;
の関係を式(11)に代入して整理すると、アイドリング電流Iid1は次式のように表される。
Figure 0004654609
一方、トランジスタQ1,Q2,Q13,Q14がそれぞれエミッタ面積Se1,Se2,S213,Se14を有するものとすると、順方向飽和電流Is1,Is2,Is13,Is14は次に示すよに表される。
Figure 0004654609
式(13)および(14)を式(12)に代入すると、アイドリング電流Iid1は次式のよう表される。
Figure 0004654609
次に、出力電流Ioutの最大値とアイドリング電流Iid2との関係について説明する。
電源線VccからnpnトランジスタQ1および出力端子Toutを介して負荷に電流が吐き出される場合、差動電流信号2ΔiのほとんどがnpnトランジスタQ1のベースに入力される。また、出力端子ToutおよびpnpトランジスタQ2を介してグランド線Gに負荷の電流が引き込まれる場合、差動電流信号2ΔiのほとんどがpnpトランジスタQ2のベースに入力される。
したがって、出力端子Toutから吐き出される最大電流Iout_max(+)、および、出力端子Toutに引き込まれる最大電流Iout_max(−)は、それぞれ次式のように表される。
Figure 0004654609
ただし、‘Δi_max(+)’は電流吐き出し時の信号成分Δiの最大値を示し、‘Δi_max(−)’は電流引き込み時の信号成分Δiの最大値を示す。また、‘β1’はnpnトランジスタQ1の電流増幅率を示し、‘β2’はpnpトランジスタQ2の電流増幅率を示す。
式(6)および(7)ならびに式(16)および(17)の関係から、アイドリング電流Iid2は次式の関係を満たすように設定するのが一般的である。
Figure 0004654609
式(18)および(19)から分かるように、電流増幅回路3Aの増幅率Gaおよび電流増幅回路3Bの増幅率Gbを大きくすることによって、アイドリング電流Iid2を小さくすることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態に係る負荷駆動回路によれば、電流増幅回路3Aにおいて、ノードN1からnpnトランジスタQ1のベースに流れる電流が増幅されるとともに、電流増幅回路3Bにおいて、ノードN2からpnpトランジスタQ2のベースに流れる電流が増幅される。
そのため、これらの電流増幅回路を有さない場合と比較すると、出力端子Toutから負荷に所定の最大電流を出力させるために必要な信号成分Δiの振幅を小さくして、アイドリング電流Iid2を小さくすることが可能になる。アイドリング電流Iid2を小さくすることで、ノードN1とノードN2との間に接続されるバイアス回路(トランジスタQ13およびQ14)において発生するバイアス電圧を小さくし、アイドリング電流Iid1を減少させることができる。
すなわち、負荷に瞬時的に供給できる最大電流を高めつつ、アイドリング電流Iid1の増加による消費電力の増加を抑えることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を述べる。
第2の実施形態においては、電流増幅回路の構成例が示される。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。
図2に示す負荷駆動回路は、図1に示す負荷駆動回路と同様な構成(出力端子Tout、npnトランジスタQ1およびQ13、pnpトランジスタQ2およびQ14、電流源1および2、電流増幅回路3Aおよび3B)有する。
ただし、図2の構成例において、電流増幅回路3Aは、npnトランジスタQ3およびQ11と、pnpトランジスタQ4と、抵抗R5と、定電流回路M1とを有する。また、電流増幅回路3Bは、pnpトランジスタQ5およびQ12と、npnトランジスタQ6と、抵抗R6と、定電流回路M2とを有する。
npnトランジスタQ3は、本発明の第3トランジスタの一実施形態である。
pnpトランジスタQ4は、本発明の第4トランジスタの一実施形態である。
定電流回路M1は、本発明の第1の定電流回路の一実施形態である。
npnトランジスタQ5は、本発明の第5トランジスタの一実施形態である。
pnpトランジスタQ6は、本発明の第6トランジスタの一実施形態である。
定電流回路M2は、本発明の第2の定電流回路の一実施形態である。
npnトランジスタQ3は、ノードN1から入力される電流IAinをベースに入力する。
また、npnトランジスタQ3は、抵抗R5を介して電源線VCCにコレクタが接続され、本発明の第4ノードに相当するノードN4にエミッタが接続される。
pnpトランジスタQ4は、npnトランジスタQ3に流れる電流の少なくとも一部をベースに入力する。図2の例において、pnpトランジスタQ4のベースは、npnトランジスタQ3のコレクタに接続されており、このコレクタ電流の一部がpnpトランジスタQ4のベースに入力される。
また、pnpトランジスタQ4は、電源線VCCにエミッタが接続され、本発明の第3ノードに相当するノードN3にコレクタが接続される。
ノードN3は、npnトランジスタQ1のベースに接続される。ノードN3からは、pnpトランジスタQ4に流れる電流の少なくとも一部が電流IAoutとして出力される。
npnトランジスタQ11は、コレクタ−ベース間が短絡されており、ベース−エミッタ間のPN接合によってダイオードとして機能する。
このnpnトランジスタQ11は、pnpトランジスタQ4のコレクタとノードN4との間に接続される。すなわち、npnトランジスタQ11は、そのコレクタとベースがpnpトランジスタQ4のコレクタに接続され、そのエミッタがノードN4に接続される。
npnトランジスタQ11のエミッタ電流Ie11は、pnpトランジスタQ4のコレクタ電流Ic4と出力電流IAoutとの差に応じた電流である。
ノードN4は、電流定電流回路M1を介してグランド線Gに接続される。
定電流回路M1は、npnトランジスタQ3のエミッタ電流Ie3とnpnトランジスタQ11のエミッタ電流Ie11とをノードN4において合成した電流が一定の電流IEE1となるように制御する。
pnpトランジスタQ5は、ノードN2から入力される電流IBinをベースに入力する。
また、pnpトランジスタQ5は、抵抗R6を介してグランド線Gにコレクタが接続され、本発明の第6ノードに相当するノードN6にエミッタが接続される。
npnトランジスタQ6は、pnpトランジスタQ5に流れる電流の少なくとも一部をベースに入力する。図2の例において、npnトランジスタQ6のベースは、pnpトランジスタQ5のコレクタに接続されており、このコレクタ電流の一部がnpnトランジスタQ6のベースに入力される。
また、npnトランジスタQ6は、グランド線Gにエミッタが接続され、本発明の第5ノードに相当するノードN5にコレクタが接続される。
ノードN5は、pnpトランジスタQ2のベースに接続される。ノードN5からは、npnトランジスタQ6に流れる電流の少なくとも一部が電流IBoutとして出力される。
pnpトランジスタQ12は、コレクタ−ベース間が短絡されており、ベース−エミッタ間のPN接合によってダイオードとして機能する。
このpnpトランジスタQ12は、npnトランジスタQ6のコレクタとノードN6との間に接続される。すなわち、pnpトランジスタQ12は、そのコレクタとベースがnpnトランジスタQ6のコレクタに接続され、そのエミッタがノードN6に接続される。
pnpトランジスタQ12のエミッタ電流Ie12は、npnトランジスタQ6のコレクタ電流Ic6と出力電流IBoutとの差に応じた電流である。
ノードN6は、電流定電流回路M2を介して電源線VCCに接続される。
定電流回路M2は、pnpトランジスタQ5のエミッタ電流Ie5とpnpトランジスタQ12のエミッタ電流Ie12とをノードN6において合成した電流が一定の電流IEE2となるように制御する。
ここで、上述した構成を有する電流増幅回路3Aの増幅動作を説明する。
npnトランジスタQ3のエミッタ接地増幅率を‘β3’とすると、電流増幅回路3Aの入力電流IAinの微小変化に対してnpnトランジスタQ3のコレクタ電流Ic3の微小変化はβ3倍に増幅される。
仮に、pnpトランジスタQ4のベース−エミッタ間電圧Vbe4が概ね一定であるとすると、抵抗R5に流れる電流がほぼ一定になるため、npnトランジスタQ3のコレクタ電流Ic3の微小変化分は、pnpトランジスタQ4のベースに流れる。
したがって、pnpトランジスタQ4のエミッタ接地増幅率を‘β4’とすると、電流増幅回路3Aの入力電流IAinの微小変化に対してpnpトランジスタQ4のコレクタ電流Ic4の微小変化は(β3×β4)倍に増幅される。
npnトランジスタQ3のコレクタ電流Ic3が微小に増加すると、この増加分をβ4倍した分だけpnpトランジスタQ4のコレクタ電流Ic4が増加する。一方、npnトランジスタQ3のエミッタ電流Ie3とnpnトランジスタQ11のエミッタ電流Ie11とを合成した電流は、定電流回路M1によって一定電流IEE1に制御されるため、npnトランジスタQ3のコレクタ電流Ic3の増加によりエミッタ電流Ie3が増加すると、この増加分だけnpnトランジスタQ11のエミッタ電流Ie11が減少する。
そのため、npnトランジスタQ3のコレクタ電流Ic3の微小変化分に応じたpnpトランジスタQ4のコレクタ電流Ic4の微小変化分は、ほぼ出力電流IAoutの微小変化分になる。
したがって、入力電流IAinの微小変化に対する出力電流IAoutの微小変化の比、すなわち電流増幅回路3Aにおける微小振幅の電流増幅率は、概ね‘β3×β4’となる。
電流増幅回路3Bにおける増幅動作も上述と同様であり、pnpトランジスタQ5およびnpnトランジスタQ6の電流増幅率をそれぞれ‘β5’および‘β6’とすると、電流増幅回路3Bにおける微小振幅の電流増幅率は、概ね‘β5×β6’になる。
次に、出力電流Ioutの最大値と電流信号Δiの最大値との関係について説明する。
電流増幅回路3Aの出力電流IAoutが最大の場合、定電流回路M1に流れる電流IEE1のほとんどがnpnトランジスタQ3に流れ、この電流の大半がpnpトランジスタQ4のベースから供給される。
また、電流増幅回路3Bの出力電流IBoutが最大の場合、定電流回路M2に流れる電流IEE2のほとんどがpnpトランジスタQ5に流れ、この電流の大半がnpnトランジスタQ6のベースに供給される。
したがって、出力電流IAoutの最大値IAout_maxおよび出力電流IBoutの最大値IBout_maxは、それぞれ次式のように表される。
Figure 0004654609
式(20)および(21)を用いると、出力端子Toutから吐き出される最大電流Iout_max(+)、および、出力端子Toutに引き込まれる最大電流Iout_max(−)は、それぞれ次式のように表される。
Figure 0004654609
ただし、上式において、電流IEE1およびIEE2は電流IEEに等しいものとしている。
一方、出力端子Toutから吐き出される電流の最大のとき、npnトランジスタQ3のベースには差動電流信号の最大値2Δi_max(+)が流れ、そのエミッタには電流IEEが流れる。
また、出力端子Toutに引き込まれる電流が最大のとき、pnpトランジスタQ5のベースには差動電流信号の最大値2Δi_max(−)が流れ、そのエミッタには電流IEEが流れる。
したがって、差動電流信号の最大値2Δi_max(+)および2Δi_max(−)は、それぞれ次式のように表すことができる。
Figure 0004654609
この式(24)および(25)と、先に述べた式(6)および(7)の関係から、アイドリング電流Iid2は次式の関係を満たすように設定するのが一般的である。
Figure 0004654609
式(26)および(27)から分かるように、電流増幅回路3Aの増幅率Ga=β3×β4、電流増幅回路3Bの増幅率Gb=β5×β6を大きくすることによって、アイドリング電流Iid2を小さくすることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態に係る負荷駆動回路によれば、電流増幅回路3Aにおいて、ノードN1からnpnトランジスタQ1のベースに流れる電流が2段のトランジスタ(Q3,Q4)によって増幅されるとともに、電流増幅回路3Bにおいて、ノードN2からpnpトランジスタQ2のベースに流れる電流が2段のトランジスタ(Q5,Q6)によって増幅される。
仮に、トランジスタQ3〜Q6の電流増幅率が数10程度であるとすると、電流増幅回路3Aおよび3Bは100を越える増幅率を有することになり、その結果、これらの増幅回路を有さない場合に比べて、アイドリング電流Iid2を2桁以上も小さくすることができる。式(15)に示すように、出力段のアイドリング電流Iid1はバイアス回路(Q13,Q14)に流れるアイドリング電流Iid2に比例するため、アイドリング電流Iid2を2桁も小さくすることができれば、出力段のアイドリング電流Iid1を大幅に減らすことができる。
このように、本実施形態によれば、負荷に瞬時に供給できる最大電流を高めつつ、アイドリング電流Iid1を削減して消費電力を抑えることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について述べる。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。
図3に示す負荷駆動回路は、図1に示す負荷駆動回路における電流増幅回路3Aおよび3Bを、次に述べる電流増幅回路4Aおよび4Bに置き換えたものである。
電流増幅回路4Aは、電流増幅回路3Aと同様に、ノードN1からnpnトランジスタQ1のベースに流れる電流IAinを増幅するとともに、ノードN1とnpnトランジスタQ1のベースとの間に、npnトランジスタQ1の定常電流を減少させる電位差VSaを発生させる。
すなわち、npnトランジスタQ1のベース電位をノードN1の電位に対して電位差VSaだけ低下させる。
電流増幅回路4Bは、電流増幅回路3Bと同様に、ノードN2からpnpトランジスタQ2のベースに流れる電流IBinを増幅するとともに、ノードN2とpnpトランジスタQ2のベースとの間に、pnpトランジスタQ2の定常電流を減少させる電位差VSbを発生させる。
すなわち、pnpトランジスタQ2のベース電位をノードN2の電位に対して電位差VSbだけ上昇させる。
ここで、電流増幅回路4Aおよび4Bにおける電圧のシフトとアイドリング電流Iid1との関係について説明する。
電流増幅回路4Aおよび4Bにおけるシフト電圧VSaおよびVSbが電圧VSに等しいものとすると、トランジスタQ1,Q2,Q13,Q14のベース−エミッタ間電圧Vbe1,Vbe2,Vbe13,Vbe4とシフト電圧VSは次式の関係を満たす。
Figure 0004654609
ここで、トランジスタQ1,Q2,Q13,Q14のコレクタ電流をそれぞれIc1,Ic2,Ic13,Ic14とし、その順方向飽和電流をそれぞれIs1,Is2,Is13,Is14とすると、式(28)の関係は次式のように近似することができる。
Figure 0004654609
式(29)を整理すると、次式が得られる。
Figure 0004654609
ここで、先に述べたように、出力電流Ioutがゼロのとき
Ic1=Ic2=Iid1;
Ic13=Ic14=Iid2;
の関係が成立するものとすると、アイドリング電流Iid1は次式のよう表される。
Figure 0004654609
式(31)に示すように、シフト電圧VSを大きくすると、アイドリング電流Iid1は小さくなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、電流増幅回路4Aおよび4Bによって、ノードN1とnpnトランジスタQ1のベースとの間、および、ノードN2とpnpトランジスタQ2のベースとの間に電位差が作られる。
これにより、負荷に瞬時的に供給できる最大電流を高めつつ、上述した第1および第2の実施形態に比べて、出力段のアイドリング電流Iid1を更に減少させることができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態を述べる。
第4の実施形態においては、電圧シフト機能を有する電流増幅回路の構成例が示される。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。
図4に示す負荷駆動回路は、図3に示す負荷駆動回路と同様な構成(出力端子Tout、npnトランジスタQ1およびQ13、pnpトランジスタQ2およびQ14、電流源1および2、電流増幅回路4Aおよび4B)有する。
図4の構成例において、電流増幅回路4Aは、先に述べた電流増幅回路3Aと同一の構成(npnトランジスタQ3およびQ11、pnpトランジスタQ4、抵抗R5、定電流回路M1)を有するとともに、抵抗R1を有する。
抵抗R1は、npnトランジスタQ3のエミッタからノードN4へ流れる電流の経路上に挿入される。
また、図4の構成例において、電流増幅回路4Bは、先に述べた電流増幅回路3Bと同一の構成(pnpトランジスタQ5およびQ12、npnトランジスタQ6、抵抗R6、定電流回路M2)を有するとともに、抵抗R2を有する。
抵抗R2は、ノードN6からpnpトランジスタQ5のエミッタへ流れる電流の経路上に挿入される。
なお、抵抗R1は、本発明の第1抵抗の一実施形態である。
抵抗R2は、本発明の第2抵抗の一実施形態である。
ベース−コレクタ間を短絡されたnpnトランジスタQ11は、本発明の第1ダイオードの一実施形態である。
ベース−コレクタ間を短絡されたpnpトランジスタQ12は、本発明の第2ダイオードの一実施形態である。
ここで、上述した構成を有する電流増幅回路4Aの電圧シフト動作を説明する。
出力電流Ioutがゼロのとき、電流増幅回路4Aの出力電流IAoutが微小になり、pnpトランジスタQ4のベース電流が抵抗R5の電流に比べて十分小さく無視できるものとすると、npnトランジスタQ3のコレクタ電流Ic3およびnpnトランジスタQ11のコレクタ電流Ic11はそれぞれ次式のように表される。
Figure 0004654609
一方、ノードN1の電位V(N1)とノードN3の電位V(N3)との電位差は、次式のように表される。
Figure 0004654609
上式において‘V_R1’は抵抗R1の電圧を示す。
ここで、npnトランジスタQ3およびQ11の電流密度(コレクタ電流/順方向飽和電流)を等しくすることにより、それぞれのベース−エミッタ間電圧Vbe3およびVbe11を等しくするものとすると、式(34)は次式のように表される。
Figure 0004654609
同様に、出力電流Ioutがゼロのとき、ノードN5の電位V(N5)とノードN2の電位V(N2)との電位差は、次式のように表される。
Figure 0004654609
したがって、電位差V(N1)−V(N3)と電位差V(N5)−V(N2)とが共に電圧VSに等しいものとすると、式(31)および(35)より、アイドリング電流Iid1は次式のように表される。
Figure 0004654609
式(37)に示すように、本実施形態によれば、電流増幅回路4Aにおける抵抗R1とR5の抵抗値や、電流増幅回路4Bにおける抵抗R2およびR6の抵抗値を適切に調節することによって、ノードN1とnpnトランジスタQ1のベースとの間、および、ノードN2とpnpトランジスタQ2のベースとの間に電位差を作り、出力段のアイドリング電流Iid1を減少させることができる。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態を述べる。
図1〜図4に示す負荷駆動回路では、出力段の2つのトランジスタ(Q1,Q2)に対してそれぞれ独立に電流増幅回路が設けられており、これらの電流増幅回路の過渡特性を完全に一致させることは困難な場合がある。
そのため、出力段の2つのトランジスタの一方をオンからオフ、他方をオフからオンへ変化させるときに、電流増幅回路の過渡特性の違いから、2つのトランジスタが同時にオンして電源線VCCとグランド線Gとの間に貫通電流が流れる場合がある。
また、図2,図4に示す負荷駆動回路の電流増幅回路は、何れも、駆動対象のトランジスタをオフさせる速度がこれをオンさせる速度に比べて遅い。
例えば電流増幅回路3Aの場合、npnトランジスタQ1をオンさせるときは、pnpトランジスタQ4を介して大きな電流(式(20)によるとβ4×IEE1)をnpnトランジスタQ1のベースに流し込むことができるが、npnトランジスタQ1をオフさせるときにそのベースから引き抜くことができる電流は、最大でも電流IEE1である。
同様に、電流増幅回路3Bの場合、pnpトランジスタQ2をオンさせるときは、npnトランジスタQ6を介して大きな電流(式(21)によるとβ6×IEE2)をpnpトランジスタQ2のベースから引き抜くことができるが、npnトランジスタQ1をオフさせるときにそのベースに流し込むことができる電流は、最大でも電流IEE2である。
そのため、負荷の駆動速度が非常に高速になると、出力端子Toutの電圧が上昇する場合は、ノードN3に比べてノードN4の電圧上昇速度が遅くなり、出力端子Toutの電圧が下降する場合は、ノードN4に比べてノードN3の電圧下降速度が遅くなる。その結果、瞬時的にノードN3−N4間の電位差が大きくなり、npnトランジスタQ1およびpnpトランジスタQ2に貫通電流が流れる場合がある。
以下に述べる第5の実施形態に係る負荷駆動回路は、前記の実施形態を更に改善したものであり、電流増幅回路の過渡特性の違いや、出力段トランジスタ(Q1,Q2)のオンとオフの駆動速度の違いなどによって生じる貫通電流を抑制する回路を設けている。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。
図5に示す負荷駆動回路は、図4に示す負荷駆動回路と同様な構成(出力端子Tout、npnトランジスタQ1およびQ13、pnpトランジスタQ2およびQ14、電流源1および2、電流増幅回路4Aおよび4B)を有するとともに、pnpトランジスタQ7と、npnトランジスタQ8と、抵抗R3およびR4と、キャパシタC1およびC2とを有する。
なお、pnpトランジスタQ7は、本発明の第7トランジスタの一実施形態である。
npnトランジスタQ8は、本発明の第8トランジスタの一実施形態である。
抵抗R3は、本発明の第3抵抗の一実施形態である。
抵抗R4は、本発明の第4抵抗の一実施形態である。
キャパシタC1は、本発明の第1キャパシタの一実施形態である。
キャパシタC2は、本発明の第2キャパシタの一実施形態である。
pnpトランジスタQ7は、npnトランジスタQ3のコレクタ電流の少なくとも一部をベースに入力し、この入力電流に応じて、電源線VCCからpnpトランジスタQ2のベースに流れる電流を制御する。
図5の例において、pnpトランジスタQ7のベースは、pnpトランジスタQ4とともに、npnトランジスタQ3のコレクタに接続される。
また、pnpトランジスタQ7のコレクタはpnpトランジスタQ2のベースに接続され、そのエミッタは抵抗R3を介して電源線VCCに接続される。
npnトランジスタQ8は、pnpトランジスタQ5のコレクタ電流の少なくとも一部をベースに入力し、この入力電流に応じて、npnトランジスタQ1のベースからグランド線Gに流れる電流を制御する。
図5の例において、npnトランジスタQ8のベースは、npnトランジスタQ6とともに、pnpトランジスタQ5のコレクタに接続される。
また、npnトランジスタQ8のコレクタはnpnトランジスタQ1のベースに接続され、そのエミッタは抵抗R4を介してグランド線Gに接続される。
キャパシタC1は、抵抗R3に並列に接続される。
キャパシタC2は、抵抗R4に並列に接続される。
上述した構成によると、ノードN1からnpnトランジスタQ3のベースに流れる電流IAinが、npnトランジスタQ3に流れる電流を増大させる方向に変化したとき、npnトランジスタQ3のコレクタ電流に応じてpnpトランジスタQ7のベース電流が増加し、pnpトランジスタQ7のコレクタからpnpトランジスタQ2のベースに流れる電流が増加する。これにより、pnpトランジスタQ2に流れる電流が減少するようにpnpトランジスタQ2のベース電流が制御される。
すなわち、npnトランジスタQ1の電流が増加する過渡期において、pnpトランジスタQ2の電流の減少が加速されるため、npnトランジスタQ1とpnpトランジスタQ2とが同時にオンすることにより流れる貫通電流を抑制することができる。
貫通電流を抑制できることから、電源線VCCやグランド線Gに流れるスパイク状のノイズを抑制できるとともに、貫通電流による消費電力を削減できる。
また、ノードN2からpnpトランジスタQ5のベースに流れる電流IBinが、pnpトランジスタQ5に流れる電流を増大させる方向に変化したとき、pnpトランジスタQ5のコレクタ電流に応じてnpnトランジスタQ8のベース電流が増加して、npnトランジスタQ1のベースからnpnトランジスタQ8のコレクタに流れる電流が増加する。これにより、npnトランジスタQ1に流れる電流が減少するようにnpnトランジスタQ1のベース電流が制御される。
すなわち、pnpトランジスタQ2の電流が増加する過渡期において、npnトランジスタQ2の電流の減少が加速されるため、npnトランジスタQ1とpnpトランジスタQ2とが同時にオンすることにより流れる貫通電流を抑制することができる。これにより、電源ノイズの抑制と消費電力の削減を図ることができる。
また、上述した構成によると、抵抗R3,R4にキャパシタC1,C2がそれぞれ並列に接続されているため、出力端子Toutの電流に変化がない定常時には、pnpトランジスタQ7およびnpnトランジスタQ8に流れる電流を小さく抑えて消費電力の削減を図ることができるとともに、出力端子Toutの電流に変化が生じる過渡応答時には、pnpトランジスタQ7やnpnトランジスタQ8のエミッタにそれぞれ並列接続された抵抗とキャパシタの総インピーダンスが定常時より下がることで、pnpトランジスタQ7やnpnトランジスタQ8に流れる電流を大きくして貫通電流の抑制を図ることができる。
また、定常時にpnpトランジスタQ7およびnpnトランジスタQ8に流れる電流を小さく抑えることによって、過渡応答時にnpnトランジスタQ1やpnpトランジスタQ2のオンを妨げる電流が小さくなるため、応答速度を高速化することができる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について述べたが、本発明は上述した形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含む。
第5の実施形態では、図4に示す負荷駆動回路に対して貫通電流の防止用回路を付加する例が示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、同様な回路を図2に示す負荷駆動回路に対して付加しても、図5の負荷駆動回路と同様な効果を奏することが可能である。
また、本発明では、図1や図3に示す回路に対して、次のような第1の制御回路および第2の制御回路を付加しても良い
第1の制御回路は、ノードN1からnpnトランジスタQ1のベースに流れる電流IAinが、npnトランジスタQ1に流れる電流を増大させる方向に変化したとき、pnpトランジスタQ2に流れる電流が減少するようにpnpトランジスタQ2のベース電流を制御する。
第2の制御回路は、ノードN2からpnpトランジスタQ2のベースに流れる電流IBinが、pnpトランジスタQ2に流れる電流を増大させる方向に変化したとき、npnトランジスタQ1に流れる電流が減少するようにnpnトランジスタQ1のベース電流を制御する。
このような制御回路を付加することにより、出力段の2つのトランジスタ(Q1,Q2)を駆動する2つの電流増幅回路の過渡特性の違いによって該2つのトランジスタが同時にオンする現象を防止し、貫通電流を抑えることができる。
上述の実施形態では、電流源1の信号成分と電流源2の信号成分とがともに‘Δi’に等しいが、これに限らず、両者の信号成分は異なる振幅を有しても良い。
第1の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。 第3の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。 第4の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。 第5の実施形態に係る負荷駆動回路の構成の一例を示す図である。 一般的なプッシュプル回路の構成例を示す図である。
符号の説明
Q1,Q3,Q6,Q8,Q11,Q13…npnトランジスタ、Q2,Q4,Q5,Q7,Q12,Q14…pnpトランジスタ、1,2…電流源、M1,M2…定電流回路、R1〜R4…抵抗、C1,C2…キャパシタ、Tout…出力端子、3A,3B,4A,4B…電流増幅回路

Claims (9)

  1. 電流を出力する第1電流源および第2電流源と、
    上記第1電流源と第1ノードで接続され、上記第2電流源と第2ノードで接続され、上記第1ノードから上記第2ノードに流れる電流に応じたバイアス電圧を該ノード間に発生するバイアス回路と、
    上記第1ノードおよび上記第2ノードから入出力される差動電流信号に応じた電流を出力する出力端子と、
    第1の電源供給線と上記出力端子との間に接続される第1導電型の第1トランジスタ、および第2の電源供給線と上記出力端子との間に接続される第2導電型の第2トランジスタを有し、上記第1トランジスタおよび上記第2トランジスタの導通状態が、上記第1ノードおよび第2ノードに入力される上記差動電流信号に基づく電流駆動により相補的に制御される出力段回路と、
    上記第1ノードと上記第1トランジスタのベースに接続される第3ノードとの間に接続され、上記第1ノードの電流を増幅して上記第3ノードへ出力する第1の電流増幅回路と
    上記第1トランジスタおよび上記第2トランジスタの貫通電流を抑制するために、上記第1の電源供給線と上記第2トランジスタのベースに接続される第4ノードとの間に接続される第1の貫通電流抑制回路と、
    を有し、
    上記第1の電流増幅回路は、
    上記第1ノードにベースが接続され、上記第1ノードの電流を増幅する第1導電型の第3トランジスタと、
    上記第3トランジスタにベースが接続され、増幅した電流を上記第3ノードへ出力する第2導電型の第4トランジスタと、
    を有し、
    上記第1の貫通電流抑制回路は、
    上記第1の電流増幅回路の上記第3トランジスタにベースが接続され、上記第3トランジスタにより増幅された電流の増減に対応させて上記第1の電源供給線と上記第4ノードとの間に流す電流を増減させる第5トランジスタを有し、
    上記第1トランジスタの電流が増加する場合に、上記第5トランジスタによる上記第4ノードの電流により、上記第2トランジスタのベース電流を減らす
    負荷駆動回路。
  2. 上記第2ノードと上記第4ノードとの間に接続され、上記第2ノードの電流を増幅して上記第4ノードへ出力する第2の電流増幅回路と、
    上記貫通電流を抑制するために、上記第2の電源供給線と上記第3ノードとの間に接続される第2の貫通電流抑制回路と、
    を有し、
    上記第2の電流増幅回路は、
    上記第2ノードにベースが接続され、上記第2ノードの電流を増幅する第2導電型の第7トランジスタと、
    上記第7トランジスタにベースが接続され、増幅した電流を上記第4ノードへ出力する第1導電型の第8トランジスタと、
    を有し、
    上記第2の貫通電流抑制回路は、
    上記第2の電流増幅回路の上記第7トランジスタにベースが接続され、上記第7トランジスタにより増幅された電流の増減に対応させて上記第2の電源供給線と上記第3ノードとの間に流す電流を増減させる第9トランジスタを有し、
    上記第2トランジスタの電流が増加する場合に、上記第9トランジスタによる上記第3ノードの電流により、上記第1トランジスタのベース電流を減らす
    請求項1記載の負荷駆動回路。
  3. 上記第1の電流増幅回路は、
    上記第3ノードにダイオード接続された第6トランジスタと
    上記第3トランジスタおよび上記第6トランジスタが接続され、上記第4トランジスタに流れる電流と上記第3ノードから上記第1トランジスタのベースに出力される電流との差に応じた電流と、上記第3トランジスタに流れる電流とを合成する第5ノードと、
    上記第5ノードにおいて合成された電流が一定になるように制御する第1の定電流回路と、
    を有する
    請求項1または2記載の負荷駆動回路。
  4. 上記第1の電流増幅回路は
    記第3トランジスタ上記第5ノードとの間に接続された第1抵抗を有する
    請求項記載の負荷駆動回路。
  5. 上記第1の貫通電流抑制回路は、
    上記第5トランジスタと上記第1の電源供給線との間に接続される第2抵抗と、
    上記第2抵抗に並列に接続される第1キャパシタと、
    を有する
    請求項1から4のいずれか一項記載の負荷駆動回路。
  6. 上記第2の電流増幅回路は、
    上記第4ノードにダイオード接続された第10トランジスタと、
    上記第7トランジスタおよび上記第10トランジスタが接続され、上記第8トランジスタに流れる電流と上記第4ノードから上記第2トランジスタのベースに出力される電流との差に応じた電流と、上記第7トランジスタに流れる電流とを合成する第6ノードと、
    上記第6ノードにおいて合成された電流が一定になるように制御する第2の定電流回路と、
    を有する
    請求項2記載の負荷駆動回路。
  7. 上記第2の電流増幅回路は、
    上記第7トランジスタと上記第6ノードとの間に接続された第3抵抗を有する
    請求項記載の負荷駆動回路。
  8. 上記第2の貫通電流抑制回路は、
    上記第9トランジスタと上記第2の電源供給線との間に接続される第4抵抗と、
    上記第4抵抗に並列に接続される第2キャパシタと
    有する
    請求項2または6からのいずれか一項記載の負荷駆動回路。
  9. 上記第1の電流増幅回路は、上記第1ノードと上記第1トランジスタのベースとの間に、上記第1トランジスタの定常電流を減少させる電位差を発生させ、
    上記第2の電流増幅回路は、上記第2ノードと上記第2トランジスタのベースとの間に、上記第2トランジスタの定常電流を減少させる電位差を発生させる、
    請求項2または6から8のいずれか一項記載の負荷駆動回路。
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