JP3423200B2 - 増幅器 - Google Patents

増幅器

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JP3423200B2
JP3423200B2 JP26605697A JP26605697A JP3423200B2 JP 3423200 B2 JP3423200 B2 JP 3423200B2 JP 26605697 A JP26605697 A JP 26605697A JP 26605697 A JP26605697 A JP 26605697A JP 3423200 B2 JP3423200 B2 JP 3423200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に低周波増幅の
ためのゼロバイアスタイプの差動増幅回路を利用した増
幅器、例えば集積型の音響用BTL増幅器に使用される
ものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の増幅器の構成を示してい
る。負荷RLをBTL駆動するための従来の増幅器は、
差動増幅回路1、バイアス源回路2、スタンバイスイッ
チ回路3、リップルフィルタ回路4、電力増幅回路5を
備えている。
【0003】差動増幅回路1は、入力端子INから供給
される入力信号を増幅し、非反転出力(+OUT)/反
転出力(−OUT)の各出力を得る電流帰還タイプの差
動増幅回路であり、この回路1の入力部は、入力端子I
Nとグランドとの間に信号源抵抗Rgが接続され、また
トランジスタQ10のベースがこの入力端子INに直接
接続されゼロバイアスタイプとなっている。
【0004】差動増幅回路1の非反転/反転出力部に
は、電力増幅回路5の2つの増幅回路がそれぞれ接続さ
れている。電力増幅回路5は電源VCC1を動作電源とし
ており、差動増幅回路1からの非反転/反転出力(±O
UT)を電力増幅して±OUT端子から出力し、負荷R
LをBTL駆動する。
【0005】バイアス源回路2は、差動増幅回路1にバ
イアス電流を供給して差動増幅回路1を動作させるため
の回路であり、スタンバイスイッチ回路3は、差動増幅
回路1及びバイアス源回路2の電源VCC2をON/OF
F制御している。更にリップルフィルタ回路4は、電源
リップルを減衰させるためにスタンバイスイッチ回路3
とバイアス源回路2との間に設けられている。
【0006】差動増幅回路1は、トランジスタQ8〜Q
15等からなる差動部と、この差動部に定電流を供給す
るためのカレントミラー回路12を備える。また、差動
増幅回路1内の符号10は、リファレンスバッファであ
り、電源VCC2を抵抗R17及びR18で分圧して得た
電圧を入力とし、抵抗R15を介して非反転出力(+O
UT)に、抵抗R16を介して反転出力(−OUT)に
基準電圧を供給している。なお、リファレンスバッファ
10に代えて単に基準電圧電源を配置することもでき
る。
【0007】カレントミラー回路12の入力側トランジ
スタQ1は、そのコレクタ・ベースがバイアス源回路2
のトランジスタQ32のコレクタに接続されており、各
出力側トランジスタQ2〜Q7は、バイアス源回路2の
トランジスタQ32の流すバイアス電流に応じた定電流
を電源VCC2からそれぞれ抵抗R2〜R7を介して流
す。
【0008】カレントミラー回路12の出力側トランジ
スタQ3及びQ4にはそれぞれ差動部のトランジスタQ
8、Q9のエミッタが接続されており、これらのトラン
ジスタQ8及びQ9のエミッタは、電流帰還として機能
する抵抗R8で互いに接続されている。
【0009】カレントミラー回路12の出力側トランジ
スタQ2のコレクタ側には、グランドとの間に、順方向
のダイオードD1、D2及び入力端子INにそのベース
が接続されたトランジスタQ10のエミッタ、コレクタ
がこの順に接続されて配置されている。そして、上記差
動回路の一方のトランジスタQ8のベースは、ダイオー
ドD1と出力側トランジスタQ2のコレクタ側との間に
接続されている。
【0010】また、カレントミラー回路12の出力側ト
ランジスタQ5のコレクタ側には上記差動回路の一方を
成すトランジスタQ9のベースが接続されると共に、グ
ランドとの間に、順方向のダイオードD3、D4及びベ
ースが抵抗R14を介してグランドに接続されたトラン
ジスタQ15のエミッタ、コレクタがこの順に接続され
て配置されている。
【0011】差動接続されたトランジスタQ8とトラン
ジスタQ9の内、トランジスタQ8のコレクタ側には、
カレントミラー回路13の入力側トランジスタQ11の
コレクタ・ベースが接続されている。このカレントミラ
ー回路13の出力側トランジスタQ12のコレクタ側
は、カレントミラー回路12の出力側トランジスタQ6
のコレクタ及び差動増幅回路1の非反転出力部に接続さ
れている。また、トランジスタQ9のコレクタ側には、
カレントミラー回路14の入力側トランジスタQ13が
接続され、このカレントミラー回路14の出力側トラン
ジスタQ14は、カレントミラー回路12の出力側トラ
ンジスタQ7のコレクタ及び差動増幅回路1の反転出力
部に接続されている。
【0012】このような差動増幅回路1において、バイ
アス源回路2が通常動作している状態では、カレントミ
ラー回路12の各出力側トランジスタQ2〜Q7が定電
流を流し出している。ここで、入力端子INに入力信号
としてオーディオ信号が供給され、例えば、オーディオ
信号の電圧レベルが増加すると、トランジスタQ10の
エミッタ−コレクタ間電流が減少し、トランジスタQ8
のコレクタ電流が減少する。更に、これに応じて、カレ
ントミラー回路13の入力側トランジスタQ11が、抵
抗R10を介してグランドに流し出す電流量が減少し、
対応して出力側トランジスタQ12が抵抗R11を介し
てグランドに流し出す電流量も減少する。このトランジ
スタQ12のコレクタ側には、カレントミラー回路12
の出力側トランジスタQ6から定電流が供給されてい
る。よって、カレントミラー回路13の流す定電流の減
少により、差動増幅回路1の非反転出力(+OUT)が
上昇する。
【0013】また、トランジスタQ8のコレクタ電流の
減少に伴って、トランジスタQ9のコレクタ電流が増加
し、カレントミラー回路14の流す定電流が増加する。
このため、差動増幅回路1の反転出力(−OUT)は、
非反転出力(+OUT)とは反対に低下する。このよう
にして、差動増幅回路1の非反転/反転出力部には、入
力信号に応じた互いに逆位相の非反転出力(+OU
T)、反転出力(−OUT)が得られ、これが電力増幅
回路5でそれぞれ電力増幅され、負荷RLがBTL駆動
されることとなる。
【0014】以上のような増幅器において、その立ち上
げ時に、まず、スタンバイスイッチ(STBY)11を
ONにすると、スタンバイスイッチ回路3を構成するト
ランジスタQ41がONし、更にトランジスタQ42も
ONとなる。そのため、リップルフィルタ回路4のトラ
ンジスタQ43のベース電位は、抵抗R45、コンデン
サCRFによって決まる時定数に従って上昇する。同時に
トランジスタQ43のエミッタ電位VCC2は、トランジ
スタQ43のベース電位−VBEの電位であり、ベース電
位の上昇に伴って上昇する。このような抵抗R45、コ
ンデンサCRFの時定数によって上昇するトランジスタQ
43のエミッタ電圧は、差動増幅回路1及びバイアス源
回路2の電源電圧VCC2となっているため、トランジス
タQ43のエミッタ電圧の上昇に伴い、差動増幅回路
1、バイアス源回路2とも、回路がゆるやかにON状態
へ移行する。
【0015】ここで、差動増幅回路1およびバイアス源
回路2の回路動作閾値電圧は、以下のようになる。ま
ず、差動増幅回路1では、上述のような回路構成となっ
ていることから、その回路動作閾値電圧は、次式(1)
のようになる。
【0016】
【数1】 VBEQ10 +VFD2 +VFD1 +VBEQ8+VCEsatQ3 +VR3BE=VF とすれば、 4・VBE+VCEsatQ3 +VR3 ・・・(1) なお、(1)式中、VBEQ10、VBEQ8はトランジスタQ
10、Q8の各ベース−エミッタ間電圧、VFD2、VFD1
はダイオードの順方向電圧、VCEsatQ3は、トランジス
タQ3のコレクタ−エミッタ間飽和電圧、VR3は、抵抗
R3による電圧降下分であり、VBEとVFとは共に順方
向電圧としてほぼ等しい。また、バイアス源回路2で
は、電源VCC2とグランドとの間に抵抗R31、ダイオ
ードD31、D32がこの順に接続されており、抵抗R
31とダイオードD31との間に、トランジスタQ32
のベースが接続されている。従って、バイアス源回路2
の回路動作閾値電圧は、VFD32、VFD31をそれぞれダイ
オードD32、D31の順方向電圧とすると、[VFD32
+VFD31]となる。
【0017】以上の電圧値から明らかなように、電源O
N時の差動増幅回路1及びバイアス源回路2の動作タイ
ミングは、まずバイアス源回路2が先にその回路動作を
開始し、差動増幅回路1へバイアス電流を供給する。そ
して、遅れて差動増幅回路1の差動部が動作を開始する
ことになる。
【0018】このときの差動増幅回路1の非反転/反転
出力(±OUT)の各出力電圧の変化を考えてみる。図
4は、このような増幅器のON時、OFF時における各
部の電圧変化を示している。まず、バイアス源回路2が
動作開始したところで、差動増幅回路1のカレントミラ
ー回路12を構成するトランジスタQ1〜Q7がONと
なるが、差動部のトランジスタQ8〜Q15はまだOF
F状態である。そのため、この時点で、差動増幅回路1
の各非反転/反転出力は、カレントミラー回路12の出
力側トランジスタQ6、Q7から電流供給を受けること
により、リップルフィルタ回路4のQ43のエミッタ電
圧(VCC2)付近へ上昇することになる。
【0019】その後、VCC2ラインの電位上昇ととも
に、差動増幅回路1の差動部のトランジスタQ8〜Q1
5が動作状態になると、トランジスタQ6とQ12、ト
ランジスタQ7とQ14との電流をそれぞれ等しく設定
しておくことにより、差動増幅回路1の各非反転/反転
出力部における出力電圧は、およそVCC2/2を維持し
ながら、VCC2の上昇に同期した動きとなる。
【0020】また、増幅器において、その電源OFF時
においては、上記ON動作の場合と逆動作となり、まず
差動増幅回路1が先にOFFし、それからバイアス源回
路2がOFFすることになる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示すように、差動増幅回路1とバイアス源回路2の回路
動作閾値電圧に差がある場合、差動増幅回路1の非反転
/反転出力(±OUT)には電源ON/OFFの過渡時
に「ハネ上がり」が発生することになる。差動増幅回路
1の非反転/反転出力(±OUT)は、それぞれ電力増
幅回路5へ直結されており、この電力増幅回路5でさら
に増幅されるために、電力増幅回路5の出力である負荷
RL端での電圧変化はより大きく急なものになる。
【0022】そして、そのときに、回路構成素子のバラ
ツキ等により、非反転/反転出力又は負荷RLのいずれ
か一方でもその電位変化にズレが生ずると、これによっ
て不快なポップ音が発生することになる。
【0023】このようなポップ音の原因となるバイアス
源回路2と差動増幅回路1との動作電圧のずれを解消す
るための構成として、バイアス源回路2を図5に示すよ
うな回路構成とすることが考えられる。この構成は、V
CC2ラインとグランドとの間に分割抵抗RD1、RD2を
設け、トランジスタQ32のベース電位を調整して、バ
イアス源回路2の回路動作閾値電圧を差動増幅回路1と
同じく設定する。分割抵抗等を利用して差動増幅回路1
とバイアス源回路2が同時にON/OFFするように調
整すれば、図4に示すようなハネ上がりを、ある程度、
抑制することができる。
【0024】しかし、抵抗のバラツキや、特に温度変化
による差動増幅回路1とバイアス源回路2のVBE変化に
よる動作点のズレの影響は大きい。従って、図5のよう
な構成では、動作条件が変化した場合に、常に差動増幅
回路1とバイアス源回路2を同時にON/OFFさせる
ことは困難であり、図5のような構成を採用してもポッ
プ音の発生を確実に防ぐことはできない。
【0025】上記課題を解決するために、この発明は、
より確実にポップ音の発生を防止することの可能な増幅
器を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、以下のような特徴を有する。
【0027】この発明では、非反転及び反転出力を備え
た差動部と、前記差動部に定電流を供給する定電流部と
を有する差動増幅回路と、前記差動増幅回路の定電流部
の動作タイミングと、前記差動増幅回路の差動部の動作
タイミングとを一致させるための動作点調整用回路と、
を備える
【0028】また、前記差動増幅回路の回路動作閾値電
圧を決定する回路素子による合計の順方向電圧と、前記
動作点調整用回路の回路動作閾値電圧を決定する回路素
子による合計の順方向電圧と、を等しく設定する。或い
は、前記差動増幅回路の前記回路動作閾値電圧を決定す
るトランジスタの構成数又はダイオードの構成数、若し
くはトランジスタ及びダイオードの合計の構成数と、前
記動作点調整用回路の前記回路動作閾値電圧を決定する
トランジスタの構成数又はダイオードの構成数、若しく
はトランジスタ及びダイオードの合計の構成数と、を等
しく設定する。
【0029】本発明では、上述のようにして、上記動作
点調整用回路の回路動作閾値電圧が、前記差動増幅回路
の回路動作閾値電圧と等しい回路動作閾値電圧に設定さ
れている。
【0030】このように、差動増幅回路の回路動作閾値
電圧に対応するように、動作点調整回路を構成すれば、
温度変化による両回路の動作点変化についても同一にす
ることが可能となり、温度変化に対する安定性も高める
ことが可能である。
【0031】更に、この発明では、前記差動増幅回路の
前記定電流部にバイアス電流を供給して前記差動増幅回
路を動作させるためのバイアス源回路を有し、前記動作
点調整用回路は、前記バイアス源回路から前記差動増幅
回路の定電流部へのバイアス電流供給経路中に設けられ
ていることを特徴とする。
【0032】このような動作点調整回路を設ければ、電
源ON/OFFの過渡時に、差動増幅回路の定電流部と
差動部とをほぼ同時にオンオフさせることができ、過渡
時に差動増幅回路の非反転/反転出力がはね上がること
を防止できる。従って、例えば音響用増幅器に用いる場
合には、電源ON/OFF時における不快なポップ音の
発生を確実に防止することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明の好
適な実施の形態(以下実施形態という)について説明す
る。
【0034】図1は、この実施形態に係る増幅器の構成
例を示している。なお、既に説明した図3に示す構成と
同様な部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0035】この実施形態に係る増幅器では、差動増幅
回路1と、この差動増幅回路1にバイアス電流を供給し
て差動増幅回路1を動作させるバイアス源回路2と、の
間に動作点調整回路6を設け、増幅器のON/OFF時
における差動増幅回路1とバイアス源回路2の動作タイ
ミングのずれによるポップ音の発生を防止している。
【0036】この動作点調整回路6は、その回路動作閾
値電圧が、差動増幅回路1と同一となるように、つま
り、差動増幅回路1のカレントミラー回路12の動作タ
イミングが差動増幅回路1の差動部の動作タイミングと
一致するように構成されている。
【0037】動作点調整回路6は、VCC2ラインにそれ
ぞれ抵抗R51、R52、R53を介して接続されたト
ランジスタQ51、Q52、Q53よりなるカレントミ
ラー回路18を備える。このカレントミラー回路18の
入力側トランジスタQ51のコレクタ・ベースは、バイ
アス源回路2のトランジスタQ32のコレクタに接続さ
れており、このトランジスタQ32の流すバイアス電流
に応じた電流を出力側トランジスタQ52及びQ53か
ら流し出している。
【0038】カレントミラー回路18の出力側トランジ
スタQ52のコレクタ側には、グランドとの間にダイオ
ードD51、D52、D53がこの順に設けられてお
り、ダイオードD51と出力側トランジスタQ52のコ
レクタとの間にトランジスタQ54のベースが接続され
ている。
【0039】トランジスタQ54は、そのエミッタが調
整用の抵抗R54を介してカレントミラー回路18の出
力側トランジスタQ53のコレクタ側に接続されてい
る。また、このトランジスタQ54のコレクタ側には、
トランジスタQ55、Q56よりなるカレントミラー回
路19が設けられている。トランジスタQ56のコレク
タ側は差動増幅回路1のカレントミラー回路12の入力
側トランジスタQ1に接続されている。従って、カレン
トミラー回路19の出力側トランジスタQ56は、トラ
ンジスタQ54の流す電流に応じた電流を流し、これに
応じて差動増幅回路1のカレントミラー回路12が定電
流を流す。
【0040】以上のような構成において、動作点調整回
路6のダイオードD53は、差動増幅回路1のトランジ
スタQ10に対応し、ダイオードD51及びD52は、
差動増幅回路1のダイオードD2、D1に対応する。ま
た動作点調整回路6のトランジスタQ54は差動増幅回
路1のトランジスタQ8に、トランジスタQ53と抵抗
R53が、差動増幅回路1のトランジスタQ3、抵抗R
3に対応している。また、動作点調整回路6の抵抗R5
4は動作点の更なる調整に用いている。
【0041】動作点調整回路6の回路動作閾値電圧は、
次式(2)のようになる。
【0042】
【数2】 VFD3 +VFD52 +VFD51 +VBEQ54 +VR54 +VCEsatQ53+VR53+VR54BE=VF とすれば、4VBE+VCEsatQ53+VR54 +VR53 ・・・(2) なお、(2)式中、VBEQ54はトランジスタQ54の各
ベース−エミッタ間電圧、VFD53、VFD52、VFD51はダ
イオードの順方向電圧、VCEsatQ53は、トランジスタQ
3のコレクタ−エミッタ間飽和電圧、VR53、VR54は、
それぞれ抵抗R53、R54による電圧降下分であり、
BEとVFとは共に順方向電圧としてほぼ等しい。差動
増幅回路1の回路動作閾値電圧と、その順方向電位の合
計値についてほぼ同様な値となることがわかる(上記
(1)式参照)。
【0043】この実施形態の増幅器においてバイアス源
回路2の回路動作閾値電圧は、従来同様、[VFD32+V
FD31]と最も低いので、電源ON時には、差動増幅回路
1よりも先にONし、OFF時には、差動増幅回路1よ
りも後にOFFする。しかし、差動増幅回路1と動作点
調整回路6の回路動作閾値電圧がそろっている。よっ
て、図2に示すように、電源ON/OFFの過渡時に
は、差動増幅回路1及び動作点調整回路6が同時にON
/OFFし、差動増幅回路1の非反転/反転出力(±O
UT)電位は、リップルフィルタ回路4の動作によるV
CC2ラインのなめらかな変化に追従してなめらかに変化
する。つまり、図2からも明らかなように、非反転/反
転出力(±OUT)電位のハネ上がりはなく、ポップ音
の発生をより確実に防止することができる。
【0044】更に、上記(1)式、(2)式からも明ら
かなように、温度依存性を有する順方向電位相当のVBE
(VBE=VFとした場合のVFも含む)は、差動増幅回路
1と動作点調整回路6において、共に4VBE存在してお
り、このVBEは、温度変化に対して同じ変化となる。従
って、温度変化により差動増幅回路1と動作点調整回路
6の動作点がずれてしまうことも防止されている。
【0045】なお、以上、図1に示すような構成の差動
増幅回路1に対して、動作点調整回路6のVBEと動作点
を一致させるように構成した場合を例にとって説明して
いるが、差動増幅回路1と動作点調整回路6とでVBE
び動作点を一致させることができれば、他の回路構成も
適用可能である。
【0046】また、この実施形態のように動作点調整回
路6を備える増幅器に、更にミュート機能を付加する場
合には、動作点調整回路6の差動増幅回路1へのバイア
ス電流供給経路に、例えば図1に示すようなミュート回
路16を接続すればよい。
【0047】図1に示す構成例では、動作点調整回路6
のトランジスタQ54のエミッタ側にミュート回路16
のスイッチング用トランジスタQ60のコレクタを接続
している。ミュート回路16では、外部から印加される
ミュート制御信号に抵抗R63とコンデンサC63によ
って時定数を与え、トランジスタQ60のベースに印加
している。ミュート制御信号に応じてトランジスタQ6
0がON動作すると、動作点調整回路6のトランジスタ
Q54への電流供給が絶たれ、ミュートが実行される。
ミュート解除時には、反対にトランジスタQ60がOF
F制御されて、ミュート回路16が動作点調整回路6か
ら切り離されることとなる。ミュート動作の実行によ
り、差動増幅回路1及び動作点調整回路6がオン又はオ
フした際、差動増幅回路1と動作点調整回路6との動作
点が一致するため、ミュート動作が行われてもポップ音
の発生を防止することができる。
【0048】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明によれば、
差動増幅回路及び動作点調整回路の回路動作閾値電圧を
一致させる等により、電源ON/OFFの過渡時におい
て、差動増幅回路と動作点調整回路の動作タイミングを
一致させることができる。従って、差動増幅回路の非反
転、反転出力電圧が、電源ON/OFFの過渡期にハネ
上がることなく、電源ラインの変化に追従してなめらか
に変化させることが可能となる。このため、音響用増幅
器として用いる場合、電源ON/OFFの過渡期におい
て、極めて低いポップ音レベルを実現することができ
る。
【0049】また、差動増幅回路と動作点調整回路の回
路動作閾値電圧を決定する順方向電位の合計数などを、
この2つの回路で一致させておくので、温度変化に対す
る2つの回路の動作点の変化を同じとすることができ、
温度変化による両回路の動作点のズレによる不具合を防
止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る音響増幅器の概略構
成を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る音響増幅器のVCC2
ライン及び差動増幅回路1の非反転/反転出力の電源O
N/OFF時における過渡時直流電圧変化を示す図であ
る。
【図3】 従来の音響増幅器の概略構成を示す図であ
る。
【図4】 従来の音響増幅器のVCC2ライン及び差動増
幅回路1の±各出力の電源ON/OFF時における過渡
時直流電圧変化を示す図である。
【図5】 従来の音響増幅器におけるバイアス源回路の
他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 差動増幅回路、2 バイアス源回路、3 スタンバ
イスイッチ回路、4リップルフィルタ回路、5 電力増
幅回路、6 動作点調整回路、10 リファレンスバッ
ファ、11 スタンバイスイッチ、12,13,14,
18,19カレントミラー回路、16 ミュート回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非反転及び反転出力を備えた差動部と、
    前記差動部に定電流を供給する定電流部とを有する差動
    増幅回路と、 前記差動増幅回路の定電流部の動作タイミングと、前記
    差動増幅回路の差動部の動作タイミングとを一致させる
    ための動作点調整用回路と、 を備え、 前記差動増幅回路の回路動作閾値電圧を決定するトラン
    ジスタの構成数又はダイオードの構成数、若しくはトラ
    ンジスタ及びダイオードの合計の構成数と、 前記動作点調整用回路の回路動作閾値電圧を決定するト
    ランジスタの合計数又はダイオードの合計数、若しくは
    トランジスタ及びダイオードの合計の構成数とは、等し
    く設定され、 該動作点調整用回路の前記回路動作閾値電圧が、前記差
    動増幅回路の前記回路動作閾値電圧と等しい電圧に設定
    されている ことを特徴とする増幅器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の増幅器において、 更に、前記差動増幅回路の前記定電流部にバイアス電流
    を供給して前記差動増幅回路を動作させるためのバイア
    ス源回路を有し、 前記動作点調整用回路は、前記バイアス源回路から前記
    差動増幅回路の定電流部へのバイアス電流供給経路中に
    設けられていることを特徴とする増幅器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の増幅器に
    おいて、 前記差動増幅回路の前記回路動作閾値電圧を決定する回
    路素子による合計の順方向電圧と、前記動作点調整用回
    路の前記回路動作閾値電圧を決定する回路素子による合
    計の順方向電圧と、が等しく設定されていることを特徴
    とする増幅器。
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