JP4643869B2 - 折畳み可能な車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は折畳み可能な車両の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
折畳み可能な軽車両は各種の形式の物が提案されており、例えば特開平10−194179号公報「折り畳み可能な自転車」の図1に走行可能状態の自転車、そして図6に折畳み状態の自転車が示されている。
【0003】
すなわち、図1に示される枢支軸33を中心に車体フレーム5と向けて、リヤフレーム31を折畳み、前輪8に後輪37を接近させる。そして、図6において、締結具13を緩めることにより、破線で示されるハンドル10を図時計回りに回すことにより実線で示される位置へ移動する。この結果、図7に示される通りに、ハンドル10にて折畳み状態の自転車は自立させることでき、しかも符号82,82のボールを転動させることで、横移動も可能となるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の自転車では、図6,7のサドル18に手を掛けて横移動させることになり、サドル18は形状的に手掛りとしては不十分であり、横移動性は良くない。
【0005】
また、この種の自転車ではハンドル10の前に籠を設けることが多い。しかし、仮にハンドル10は籠を設けても、この籠は天地逆になり内容物が落下すること、及び籠の存在によりハンドル10が図6のように回すことができない可能性がある。これらのことから、上記公報の自転車ではハンドル10の前方に何も配置できないことになり、自転車として使い勝手が悪くなる。
【0006】
そこで、本発明の目的は折畳み状態で横移動が容易であり、且つハンドルに籠などを設けることのできる車両を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、折畳み可能とした車体フレームに前輪、後輪及びハンドルを備えた車両において、後輪とパワーユニットを一体に取付けた後部フレームを前方へ揺動させ、後輪を前輪の側部に位置させると共に前輪の前方へ突出するフレーム部材を車体フレームに設け、フレーム部材の先端を接地させて折畳み車両を自立可能に構成すると共に、ハンドルを車両後方へ回動可能とし、突出したフレーム部材に沿わせる如くしたことを特徴とする。
【0008】
車体フレームに設けたフレーム部材を用いて折畳み状態の車両を自立させる。このフレーム部材にハンドルを沿わせたので、ハンドルは高い位置になり、人手で操作しやすくなる。従って、ハンドルに手を掛けて、折畳み状態の車両を容易に移動させることができる。加えて、ハンドルに籠などの付属部品を取付けることもできる。
【0009】
請求項2では、フレーム部材は、シートを保持する棒状体であり、車両の前後方向にスライド自在に構成したことを特徴とする。
【0010】
シートを保持する棒状体、すなわちシートフレームを利用して、フレーム部材を構成することができるため、部品点数の削減と全体構成のコンパクト化とが図れる。
加えて、フレーム部材をスライド自在にしたので、非折畳み時(走行可能時)にはフレーム部材を後退させることができ、ユーザーの体格に合せたシート位置の調整ができる上に車両の外観性を高めることができる。
【0011】
請求項3では、ハンドルは、左右のグリップ部と、そのグリップ部外端部より後方に延出して左右の第2のグリップ部を構成することを特徴とする。
【0012】
ハンドルは、単なるバーハンドルではなくループハンドルにしたため、左右のグリップ部のみならず、第2のグリップ部にも手を掛けることができる。この結果、折畳み状態の車両を移動する際に簡単にハンドルに手を掛けることができ、移動作業が容易になる。
加えて、折畳み作業や戻し作業のときに容易にハンドルに手を掛けることができる。
【0013】
請求項4では、フレーム部材は、ヘッドパイプを保持するメインフレームにスライド自在に設けると共に当該スライドをロックする第1のロック手段を備え、このロック手段を解除する第1のロック解除レバーをシート後部に備えることを特徴とする。
【0014】
フレーム部材をスライド可能にしたので、ロック手段を備えることでフレーム部材の移動を制限する。このロック手段の解除は、シート後部に備えたロック解除レバーで行うので、ロック解除操作が容易になる。特に、シート後部のロック解除レバーを握り、シートを前後に動かすことでフレーム部材がスライドできるので、操作は極めて容易である。
【0015】
請求項5では、メインフレームに、後部フレームを揺動自在に取付け、折畳み時に後部フレームをメインフレームに保持する保持手段を、メインフレームに設けたことを特徴とする。
【0016】
メインフレームに設けた保持手段で、後部フレームを保持させることで折畳み状態を安定化させる。よって、一層折畳み状態での移動が容易になる。
【0017】
請求項6では、車両後方へ回動させた状態のハンドルを係合する係合手段をフレーム部材に備えたことを特徴とする。
【0018】
フレーム部材に備えた係合手段に、ハンドルを係合させることで折畳み状態を安定化させる。折畳み時の移動において、その操作部であるハンドルの近傍が車体フレームと係合することにより、操作感も良好である。
【0019】
請求項7では、係合手段は、シート後部に設けられたグリップ部材でありハンドルパイプと嵌合することを特徴とする。
【0020】
係合手段を、シート後部に設けるグリップ部材に一体形成することで、部品の集約とコンパクト化とを図る。また、グリップを用いることで係脱が極めて容易になる。
【0021】
請求項8では、ハンドルは、回動をロックする第2のロック手段を備え、このロック手段を解除する第2のロック解除レバーをハンドル近傍に備えたことを特徴とする。
【0022】
ハンドルは車両の折畳みの際に後方へ揺動させるが、そのときにハンドル近傍にある第2のロック解除レバーを操作するため、ハンドルを折畳みながらロックを解除することができ、作業が容易になる。
【0023】
請求項9では、メインフレームに、揺動中の後部フレームをガイドする左右のガイドプレートを備えたことを特徴とする。
【0024】
この種の折畳み可能な車両では、折畳み時に前輪の横に後輪を重ねるようにする。そのためには、後輪を揺動中に車幅方向にも移動させる必要がある。請求項9では、車幅方向の移動を左右一対のガイドプレートでガイドするようにした。従って、車体前後方向のラインに対して交差した揺動ラインに誤差が生じてもガイドプレートで後部フレームとメインフレームが位置決めされるので、保持手段が後部フレームを良好に保持できる。また、ガイドプレートであるから、構成が簡単であり、コスト低減が図れる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。図面は符号の向きに見るものとする。
なお、本実施例の車両10は、複数のロック手段及び同数のロック解除レバーを備えているため、便宜上、フレーム部材のスライドに係るものを「第1のロック手段60」及び「第1のロック解除レバー46」、ヘッドパイプ回りのロック及びロック解除に係るものを「第2のロック手段70」及び「第2のロック解除レバー27」、折畳み時にメインフレームに後部フレームを保持する保持手段を「第3のロック手段84」及び「第3のロック解除レバー89」と区別し、各々を図3〜図5で詳しく説明する。
【0026】
図1は本発明に係る車両の分解斜視図であり、車両10の車体フレーム11は、前輪16を支持するフロントメンバ15と、ヘッドパイプ12を保持するメインフレーム13と、シート41を保持するフレーム部材31と、後輪54及びパワーユニットとしてのホイールインモータ54(後述の図12参照)を支持する後部フレーム14とからなる。ヘッドパイプ12にはフロントメンバ15を介して前輪16を回動自在に取付け、フロントメンバ15の上端に一体形成されるヒンジ17を介してステアリングシャフト19を軸回り回転自在に取付ける。従って折畳み時においても、ハンドル21により前輪16は操舵可能に構成されている。
【0027】
そして、ステアリングシャフト19には、ループ状のハンドル21をクランプ93を介して取付ける。ループ状のハンドル21は、前部のハンドルパイプ22と後部の第2のグリップ部23とからなり、ハンドルパイプ22に左のグリップ部24、右のアクセル用グリップ部25、左右のブレーキレバー26L,26R(Lは運転者から見て左、Rは同右を示す。以下同じ)及び第2のロック解除レバー27を取付ける。
【0028】
31はフレーム部材であり、このフレーム部材31は、例えば、角柱部32と、この角柱部32から前へ延ばした棒部33と、この棒部33の先に設けたキャスターと称する自在車輪34とからなる。そして、メインフレーム13の後部上面に予め設けた2個のベースピース35,36に前記角柱部32を載せ、コ字状のガイドピース37,38を被せ、ガイドピース37,38をボルト39,39でベースピース35,36に止めれば、フレーム部材31をスライド可能にメインフレーム13に取付けることができる。
【0029】
本例では角柱部32の後端に、シート41から延びるシート支柱42を受けるシート受けブロック43を設けることで、フレーム部材31をシート41を保持する棒上体、すなわちシートフレームを兼ねさせた。シート支柱42は、ブロック43に対して上下に摺動可能とし、シート41の高さ調整ができるように保持される。さらに、シート受けブロック43にブラケット44を介してグリップ部材45及び第1のロック解除レバー46を設けた。47はグリップ部材45に一体形成した係合手段である。
【0030】
メインフレーム13の後部に、左右一対の円弧状のガイドプレート48L,48Rを設け、且つこれらのガイドプレート48L,48Rの外側に左右一対の支持板49L,49Rを設ける。断面が逆T字形をなす後部フレーム14の水平部14aを左右のガイドプレート48L,48R間に挟めるようにして、後部フレーム14の前部ボス14bを左右の支持板49L,49R間に介在させる。支持板49L,49Rとボス14bは、ボス14bの回転軸が車体前後方向中心線に直交するラインに対して、左側が後方にズレた軸を構成しており、軸の回動により、後輪54が前輪16の左側に位置するよう揺動される。
【0031】
そして、左の支持板49Lと前部ボス14bとの間に左のステップブラケット51Lを挿入し、右の支持板49Rと前部ボス14bとの間に右のステップブラケット51Rを挿入し、長いボルト52で止める。すなわち、左右の支持板49L,49Rに左右のステップブラケット51L,51R及び後部フレームの前部ボス14bを支持板49L,49Rに対して回動自在に一括して止める。
【0032】
これで、ステップブラケット51L,51R及び後部フレーム14は、ボルト52を中心に上下に揺動可能になる。そして、後部フレーム14にはパワーユニットとしてのホイールインモータ53を介して後輪54を取付け、さらにリヤクッションとしてのガスダンパー55及びスプリング56を左の支持板49Lと後部フレーム14とに掛け渡す。なお、ステップブラケット51L,51Rには車幅方向に可倒自在にステップ50L,50Rを各々設け、ステップ50L,50Rを折畳むことで、収納時の幅を狭めることができようにした。
【0033】
図2は本発明に係る車両の走行可能状態を示す側面図であり、図1と共通部分は符号を流用して説明を省略する(図3以降も同様)。
車両10は、折畳み可能とした車体フレーム11に前輪16、後輪54及びハンドル21を備え、一部が前輪16から前方へ突出するフレーム部材31を車体フレーム11に設けたことを示す。
【0034】
すなわち、運転者は、ハンドル21の近傍に設けた籠58に小物を入れ、シート41に座り、ハンドル21を握り、アクセル用グリップ部25を操作することにより、バッテリ59からの給電で回転するホイールインモータ53で後輪54を駆動することにより、原動機付二輪車として走行させることができる。
なお、バッテリ59はシート41に下に配置する、若しくは想像線で示すように、メインフレーム13に収納する。
【0035】
図3は本発明の第1のロック手段の構造図であり、便宜上(a)は側面図、(b)は平面図とした。
(a)において、第1のロック手段60は、フレーム部材31に左右動可能に埋設した第1ロックピン61と、この第1ロックピン61を昇降させためにメインフレーム13に揺動可能に取付けたL字レバー62と、このL字レバー62を引く第1ワイヤ63とからなる。
【0036】
車両が走行可能状態であるときには、フレーム部材31に予め開けた第1孔64に第1ロックピン61を嵌合することで、フレーム部材31のスライドを制限にする。この孔64を複数個設けることにより、フレーム部材31を所定の位置でロックすることが可能となり、ユーザーの体格や好みに合せたシート41の位置調整が可能となる。
【0037】
(b)において、ブラケット44に三角プレート81を介在させ、この三角プレート81の3つの頂点におのおの、第1のロック解除レバー46、リターンばね82、第1ワイヤ63を連結する。
【0038】
折畳み操作の一環として、第1のロック手段60をロック解除するには、第1のロック解除レバー46を操作することで、第1ロックピン61を強制的に右側へ移動させることができる。これで、フレーム部材31はスライド可能となる。折畳み時はフレーム部材31を図左へスライドさせ、第1ロックピン61を第2孔65に差込めばよい。
【0039】
図4は本発明の第2のロック手段の構造図であり、第2のロック手段70はフロントメンバ15の上端に取付けた下プレート71と、ステアリングシャフト19の下端に取付けた上プレート72と、これらを繋ぐヒンジ17と、上下プレート71,72の先端部73,74に開けた通孔75,76と、これらの通孔75,76に挿通する第2ロックピン77と、この第2ロックピン77を下プレート71側に取付けるボス78と、第2ロックピン77を挿通方向へ付勢するスプリング79と、からなる。
【0040】
走行可能状態では、下プレート71に上プレート72が重なった状態で両プレート71,72の先端部73,74を第2ロックピン77で連結させる。すなわち、ロック状態が成立している。
【0041】
折畳み操作の一環といてロックを解除する必要があれば、図1のハンドル21に設けた第2のロック解除レバー27を握れば、第2ワイヤ83を介して第2ロックピン77をロック解除方向に引くことができ、結果、ヒンジ17を中心に下プレート71に対して上プレート72を分離することができる。
【0042】
なお、ヒンジ17のピンは図面表裏方向に傾斜しており、フロントメンバ15に対してステアリングシャフト19を図右(車体後方)へ倒すと、ステアリングシャフト19は図面奥へ傾くように構成した。これは、折畳み時にメインフレームが地面に対して傾いても、ステアリングシャフト19は地面に対して垂直にし、ステアリングシャフト19の使い勝手を良くするためである。
【0043】
図5は本発明の第3のロック手段及びロック解除レバーの構成図兼作用図である。なお、第3のロック手段及びロック解除レバーはメインフレーム13の右側面に設けたので、図5は図右は前、左が後となる。そして、(a)はロック直前の状態図、(b)はロック完了図、(c)はロック解除図であり、以下詳しく説明する。
【0044】
折畳み時にメインフレーム13に後部フレーム14を保持する保持手段としての第3のロック手段84は、ブラケット85に第1揺動片86と第2揺動片87とを揺動可能に取付け、第2揺動片87にロッド又はワイヤ88を介して第3のロック解除レバー89を連結したものである。第1揺動片86は揺動軸に設けられたコイルスプリングBにより矢印A方向に常時付勢されており、レバー89もスプリングCにより矢印D方向に付勢されている。
【0045】
(a)において、折畳み操作の一環として、後部フレーム14をボルト52を中心に矢印▲1▼のごとく揺動させると、後部フレーム14側のフック91が第1揺動片86を押して、図時計方向に回す。
【0046】
(b)において、第1揺動片86の止め爪92がフック91に掛る。フック91が抜けようとしても第1揺動片86の反時計方向の回転が第2揺動片87で阻止されているため、フック91が抜けることはない。すなわち、ロックが完了する。折畳み時はこのロック状態に保つ。
【0047】
折畳み状態を止めて走行可能状態に戻す時には、(c)において第3のロック解除レバー89を矢印▲2▼の通りに押す。すると、ロッド88の引き作用で第2揺動片87が反時計回りに回る。すると、第1揺動片86は前記スプリングの付勢力により反時計方向へ回転し、結果、フック91を外すことができ、後部フレーム14を矢印▲3▼のごとく揺動させることができる。
【0048】
以上の構成からなる車両の折畳み操作を次に述べる。
図6は本発明の第1作用説明図であり、シート41後部のグリップ部材45を握って第1のロック解除レバー46を引き、フレーム部材31をスライド可能にし、矢印の通りに押してフレーム部材31を前に移動する。次に、グリップ部材45近傍の第2のロック解除レバー27(図1,図4(b)参照)を引いて、ステアリングシャフト19を折り曲げ可能にする。
【0049】
図7は本発明の第2作用説明図であり、ハンドル21を大きく図右(車体後方)へ倒す。そして、ハンドル21の第2のグリップ部23を係合手段47に嵌合する。なお、本操作は、後部フレーム14を折畳んだ後に(図9の想像線から)最後に行うようにしても良い。これによれば、後部フレーム14を折畳む際にハンドル21の重さを感じなくて済むのでよい。
【0050】
図8は本発明の第3作用説明図であり、前輪16に制動を施し、後輪54を反時計方向に回しながらボルト52を中心にして、後部フレーム14及びステップブラケット51L,51Rを矢印の方向へ揺動させる。この操作はホイールインモータ53の駆動力をもって、又は人手で行うことの何れであってもよい。
【0051】
本例では、ステップブラケット51L,51Rを後部フレーム14に同期して揺動させるようにしたので、邪魔になりやすいステップブラケット51L,51Rを邪魔にならぬ位置へ移動できる。なお、ステップ50L,50Rを折畳むことで、収納時の一層のコンパクト化を図ることができる。
【0052】
図9は本発明の第4作用説明図であり、後部フレーム14をガイドプレート48L,48Rでガイドした結果、前輪16に後輪54が図面表裏方向で重なり、且つフレーム部材31の先端の自在車輪34が接地したことを示す。すなわち、これが、折畳み姿である。
まず、籠58が図2(走行可能状態)とほぼ同じ高さ及び向きにあるため、この籠58は折畳み状態でも物入れとして継続して使用することができる。
【0053】
次に、折畳み姿が十分に縦長であるため、収納に要する床面積が小さくなる。そのため、通常の買物バギー感覚で気軽にエレバータや電車に持込むことができる。
さらに、ハンドル21が図2(走行可能状態)とほぼ同じ高さにあるため、このハンドル21を用いて、走行させることができる。加えて、ハンドル21近傍のブレーキレバーを操作すれば、パーキング時の制動を掛けることができる。
【0054】
以上の作用を、高層住宅に住む人の買物行動に適用すれば、次の通りになる。
図2の姿で店に向う。買物した品物は籠58に入れて帰途につく。高層住宅の入口で図6〜図9の手順で車両を折畳む。このときに、品物の種類によっては籠58に入れたままで折畳み操作を行うことができる。図9の状態で廊下を走らせ、エレベータで居住階まで上り、更に廊下を走らせ、自宅の玄関に入り、玄関の隅にブレーキを掛けた状態で立てかけておく。このように本発明の車両は買物バギー兼乗り物の役割を果すから極めて有用である。また、ハンドルを押す力を検出する機構を備えれば、その力に応じて後輪内のモータを駆動して、人の力をアシストしても良い。
【0055】
図10は図9の10矢視図であり、図4の説明した通りに、折畳み後はフロントメンバ15に対してステアリングシャフト19は相対的に車幅方向に傾き、結果として、図10に示す通りに、車両を後から見たときに「く」の字になる。しかし、図示する通りに、折畳み時にフロントメンバ15と共にメインフレーム13が地面Gに対して傾いても、ステアリングシャフト19は地面に対して垂直になり、ステアリングシャフト19の使い勝手が良くなる。
【0056】
また、折畳みに際して、ボルト52を中心にして揺動させることにより、後部フレーム14は図面手前から奥へ移動させる。このときに、車体前後方向のラインに対して交差した揺動ラインに誤差が生じてもガイドプレート48L,48Rで後部フレーム14がメインフレーム13に対して良好に位置決めされる。
【0057】
加えて、ハンドル21が操作しやすい、高い位置にあるため、移動に際してこのハンドル21を使用することができること、並びにシート41が操作しやすい位置にあるため、それの後部に設けたグリップ部材45及び第1のロック解除レバー46も操作しやすくなる。
【0058】
なお、図1で説明したハンドル21に多数のレバーが設けてあるため、第2のロック解除レバー27の利便性を考慮した構造を次に説明する。
図11(a),(b)は本発明の第2のロック解除レバーの取付け構造例を示す図である。
【0059】
(a)において、ハンドルパイプ22に、中央のクランプ93から端部に向って、第2のロック解除レバー27、左のブレーキレバー26L、グリップ部24を設けるが、左のブレーキレバー26Lにはパーキングブレーキのためのロック部材94を設けると共に、このロック部材94を大型にして非パーキングブレーキ時には第1のロック解除レバー46に被さるようにするとともに、制限ピン95で第2のロック解除レバー27の移動を制限する。
【0060】
すなわち、走行可能状態を示す(a)では、ロック部材94はストッパ部96に当るまで、図示せぬスプリングの付勢作用で図時計方向に揺動しているため、第2のロック解除レバー27のカバーの役割を果す。
【0061】
(b)はパーキングブレーキのためにロック部材94を図反時計方向に回して、左のブレーキレバー26Lに掛け止めた状態を示す。この状態は折畳み開始状態によく合致する。ロック部材94及び制限ピン95が邪魔にならないので、第2のロック解除レバー27を容易に操作することができる。
【0062】
図12は本発明に係る後輪の構造を示す断面図(分解図)であり、後輪54は、車軸117を受けるハブ部121と、このハブ部121から径外方に広がるディスク部122と、このディスク部122の外周に設けたリム部123とからなり、このリム部123にタイヤ124を装着した部材である。
【0063】
ディスク部122は、リヤスイングアーム42に面する側にドラムブレーキ126を構成するドラム127を一体成形した部分である。なお、128は後述するブレーキシューが当接する耐摩耗性を高めるためにドラム127の内側にインサート成形した鋳鉄製ライナ、131は回転磁石体112を嵌めるためにリム部123の内面に設けた磁石体嵌合部、132は固定用リング113を嵌める環状溝、133・・・は回転磁石体112の回転方向の位置決めを行うための120゜ごと3本の位置決めピンである。
【0064】
後部フレーム14は、車軸117の周囲に凸部135を設け、この凸部135にステータ115をボルト137・・・で取付け、また、凸部135でブレーキパネル(ドラムブレーキ126の構成品である。)を兼ねる部材である。
即ち、凸部135は、ドラム127の鋳鉄製ライナ128の内周面に当てるブレーキシュー(不図示)のスイング軸となるブレーキシュー軸138,138(一方のブレーキシュー軸138は不図示)と、ブレーキシューをドラム側に移動させるカム141を一端に形成するとともに他端にブレーキ操作に伴ってスイングするアーム部材142を一体的に取付けたカム軸143とを取付けた部分である。
【0065】
すなわち、回転磁石体112及びステータ115を要部として、図1で述べたホイールインモータ53を構成した。
【0066】
尚、請求項1では車両は自転車、アシスト自転車、原動機付車両の何れでもよい。ハンドル近傍に設ける籠はその他の車両部品であってもよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1によれば、車体フレームに設けたフレーム部材を用いて折畳み状態の車両を自立させることができる。このフレーム部材にハンドルを沿わせたので、ハンドルは高い位置になり、人手で操作しやすくなる。従って、ハンドルに手を掛けて、折畳み状態の車両を容易に移動させることができる。加えて、ハンドルに籠などの付属部品を取付けることもできる。
【0068】
請求項2では、シートを保持する棒状体、すなわちシートフレームを利用して、フレーム部材を構成することができるため、部品点数の削減と全体構成のコンパクト化とが図れる。
加えて、フレーム部材をスライド自在にしたので、非折畳み時(走行可能時)にはフレーム部材を後退させることができ、ユーザーの体格に合せたシート位置の調整ができる上に車両の外観性を高めることができる。
【0069】
請求項3では、ハンドルは、左右のグリップ部と、そのグリップ部外端部より後方に延出して左右の第2のグリップ部を構成することを特徴とする。ハンドルは、単なるバーハンドルではなくループハンドルにしたため、左右のグリップ部のみならず、第2のグリップ部にも手を掛けることができる。この結果、折畳み状態の車両を移動する際に簡単にハンドルに手を掛けることができ、移動作業が容易になる。
加えて、折畳み作業や戻し作業のときに容易にハンドルに手を掛けることができる。
【0070】
請求項4では、フレーム部材をスライド可能にしたので、ロック手段を備えることでフレーム部材の移動を制限する。このロック手段の解除は、ハンドル近傍に備えた解除レバーで行うので、ロック解除操作が容易になる。特に、シート後部のロック解除レバーを握り、シートを前後に動かすことでフレーム部材がスライドできるので、操作は極めて容易である。
【0071】
請求項5によれば、メインフレームに設けた保持手段で、後部フレームを保持させることで折畳み状態を安定化させる。よって、一層折畳み状態での移動が容易になる。
【0072】
請求項6によれば、フレーム部材に備えた係合手段に、ハンドルを係合させることで折畳み状態を安定化させる。折畳み時の移動において、その操作部であるハンドルの近傍が車体フレームと係合することにより、操作感も良好である。
【0073】
請求項7によれば、係合手段を、シート後部に設けるグリップ部材に一体形成することで、部品の集約とコンパクト化とを図ることができる。また、グリップを用いることで係脱が極めて容易になる。
【0074】
請求項8では、ハンドルは、回動をロックする第2のロック手段を備え、このロック手段を解除する第2のロック解除レバーをハンドル近傍に備えた。ハンドルは車両の折畳みの際に後方へ揺動させるが、そのときにハンドル近傍にある第2のロック解除レバーを操作するため、ハンドルを折畳みながらロックを解除することができ、作業が容易になる。
【0075】
請求項9では、メインフレームに、揺動中の後部フレームをガイドする左右のガイドプレートを備え、これらのガイドプレートで後部フレームを挟みながらガイドするようにしたことを特徴とする。この種の折畳み可能な車両では、折畳み時に前輪の横に後輪を重ねるようにする。そのためには、後輪を揺動中に車幅方向にも移動させる必要がある。請求項9では、車幅方向の移動を左右一対のガイドプレートでガイドするようにした。従って、車体前後方向のラインに対して交差した揺動ラインに誤差が生じてもガイドプレートで後部フレームとメインフレームが位置決めされるので、保持手段が後部フレームを良好に保持できる。また、ガイドプレートであるから、構成が簡単であり、コスト低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の分解斜視図
【図2】本発明に係る車両の走行可能状態を示す側面図
【図3】本発明の第1のロック手段の構造図
【図4】本発明の第2のロック手段の構造図
【図5】本発明の第3のロック手段及びロック解除レバーの構成図兼作用図
【図6】本発明の第1作用説明図
【図7】本発明の第2作用説明図
【図8】本発明の第3作用説明図
【図9】本発明の第4作用説明図
【図10】図9の10矢視図
【図11】本発明の第2のロック解除レバーの取付け構造例を示す図
【図12】本発明に係る後輪の構造を示す断面図(分解図)
【符号の説明】
10…車両、11…車体フレーム、12…ヘッドパイプ、13…メインフレーム、14…後部フレーム、14a…後部フレームの水平部、15…フロントメンバ、16…前輪、17…ヒンジ、19…フロントメンバ、21…ハンドル、23…第2のグリップ部、24,25…ハンドルに設けたグリップ部、27…第2のロック解除レバー、31…フレーム部材、34…自在車輪、46…第1のロック解除レバー、47…係合手段、48L,48R…左右一対のガイドプレート、54…後輪、60…第1のロック手段、70…第2のロック手段、84…保持手段としての第3のロック手段。
Claims (9)
- 折畳み可能とした車体フレームに前輪、後輪及びハンドルを備えた車両において、後輪とパワーユニットを一体に取付けた後部フレームを前方へ揺動させ、後輪を前輪の側部に位置させると共に前輪の前方へ突出するフレーム部材を車体フレームに設け、前記フレーム部材の先端を接地させて折畳み車両を自立可能に構成すると共に、ハンドルを車両後方へ回動可能とし、前記突出したフレーム部材に沿わせる如くしたことを特徴とする折畳み可能な車両。
- 前記フレーム部材は、シートを保持する棒状体であり、車両の前後方向にスライド自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の折畳み可能な車両。
- 前記ハンドルは、左右のグリップ部と、そのグリップ部外端部より後方に延出して左右の第2のグリップ部を構成することを特徴とする請求項1記載の折畳み可能な車両。
- 前記フレーム部材は、ヘッドパイプを保持するメインフレームにスライド自在に設けると共に当該スライドをロックする第1のロック手段を備え、このロック手段を解除する第1のロック解除レバーをシート後部に備えることを特徴とする請求項2記載の折畳み可能な車両。
- 前記メインフレームに、前記後部フレームを揺動自在に取付け、折畳み時に後部フレームをメインフレームに保持する保持手段を、メインフレームに設けたことを特徴とする請求項4記載の折畳み可能な車両。
- 車両後方へ回動させた状態の前記ハンドルを係合する係合手段を前記フレーム部材に備えたことを特徴とする請求項1記載の折畳み可能な車両。
- 前記係合手段は、シート後部に設けられたグリップ部材でありハンドルパイプと嵌合することを特徴とする請求項6記載の折畳み可能な車両。
- 前記ハンドルは、回動をロックする第2のロック手段を備え、このロック手段を解除する第2のロック解除レバーをハンドル近傍に備えたことを特徴とする請求項1記載の折畳み可能な車両。
- 前記メインフレームに、揺動中の後部フレームをガイドする左右のガイドプレートを備えたことを特徴とする請求項5記載の折畳み可能な車両。
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