JP4641589B2 - コンデンサおよび多層プリント配線板 - Google Patents

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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板に実装するコンデンサおよび多層プリント配線板に関し、特に、多層プリント配線板に内蔵させるコンデンサ、および、該コンデンサを内蔵した多層プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パッケージ基板用のプリント配線板では、電源からICチップの電源/アースまでのループインダクタンスを低減するために、チップコンデンサを表面実装していた。即ち、伝送損失となるループインダクタンスは、図15(a)に示すICチップ190の電源端子192Pからプリント配線板300内の電源線を介して電源までの配線長および電源からプリント配線板300内のアース線を介してICチップ190のアース端子192E間での配線長に比例する。このため、図15(b)に示すように、プリント配線板300にチップコンデンサ200を表面実装し、電源とICチップの電源端子/アース端子との間にチップコンデンサを介在させることで、ループインダクタンスを決定するループ長を図中の実線で示すように、短縮することができる。
【0003】
しかしながら、ループインダクタンスのリアクタンス分は周波数に依存するため、ICチップの駆動周波数が増加するのに伴って、上述の多層プリント配線板の表面にチップコンデンサを実装させても、ループインダクタンスを充分に低減することができなくなってきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は、電源からICチップの電源/アースまでのループインダクタンスをより低減させるために、鋭意研究を行った結果、多層プリント配線板にコンデンサを内蔵させれば良いことを知見し、前に、コンデンサが内蔵または収納(以下、両者をあわせて単に内蔵ともいう)されている基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、前記電子部品と導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板を提案した。
このような多層プリント配線板では、ICチップとコンデンサとの間の距離が、コンデンサを表面実装する場合に比べて短く、高周波数で駆動するICチップを実装した場合でも、ループインダクタンスが充分に低い。
【0005】
上記多層プリント配線板においては、基板にザクリ(凹部)、貫通孔等のコンデンサを内蔵するためのキャビティが設けられ、該キャビティ内に接着剤を介してコンデンサが取り付けられており、さらに、このコンデンサが内蔵された基板の両面には、層間樹脂絶縁層と導体回路とが形成され、コンデンサの接続端子と上層の導体回路、及び、層間樹脂絶縁層を介した上下の導体回路間は、バイアホールを介して接続されている。
【0006】
しかしながら、従来の多層プリント配線板実装用コンデンサは、表面実装を目的に製造されたものであり、通常、コンデンサの一面のみが多層プリント配線板表面に接触するものであり、コンデンサを基板に内蔵する使用形態が想定されたものではなかった。従って、コンデンサの表面全体の状態は均一ではなく、そのため、該コンデンサを基板に内蔵した際には、コンデンサの表面状態が不均一であることに起因して、コンデンサと接着剤との間で剥離が発生したり、該接着剤にクラックが発生したりするという問題があった。この場合、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層に膨れが生じたりし、これが、多層プリント配線板の電気的接続性、信頼性を低下させる原因になっていた。
【0007】
また、上記以外にコンデンサを基板中に埋め込む従来技術として、特開平6−326472号公報、特開平7−263619号公報、特開平11−45955号公報、特開平11−126978号公報、特開平1−312868号公報等がある。
【0008】
特開平6−326472号公報には、ガラスエポキシからなる樹脂基板にコンデンサを埋め込んだ発明が記載されており、このように基板にコンデンサを埋設することにより、電源のノイズが低減され、かつ、チップコンデンサを実装するスペースが不要となり、基板のサイズを小さくすることができるという効果が得られることが記載されている。
【0009】
また、特開平7−263619号公報には、セラミック、アルミナなどの基板にコンデンサを埋め込み、このコンデンサを電源層と接地層との間で接続した発明が記載されており、このように構成することで、配線の長さを短くすることができ、インダクタンスを低減させることができるという効果が得られることが記載されている。
【0010】
しかしながら、これらの公報に記載されたコンデンサが埋設された基板においても、例えば、ヒートサイクルを1000回繰り返す信頼性試験を行うと、電気特性の低下、基板や層間樹脂絶縁層におけるクラックの発生、コンデンサと基板や層間樹脂絶縁層との間での剥離の発生等が起こるという問題があった。
【0011】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、コンデンサ表面の少なくとも一部に粗面を形成することにより、コンデンサと接着剤との密着性が向上し、該コンデンサと接着剤との間で剥離が発生したり、該接着剤にクラックが発生したりしにくくなることを見出し本発明を完成した。
【0014】
即ち、本発明の多層プリント配線板は、キャビティにコンデンサが内蔵または収納されている基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板であって、
上記コンデンサは、その表面の少なくとも一部に粗面が形成されており、
上記基板は、キャビティを穿設した基板であり、
上記コンデンサの上記粗面は、上記基板に形成されたキャビティの内壁面に接着されていることを特徴とする。
また、上記粗面の平均粗度(Rj)は、0.01〜5μmであることが望ましい。
また、上記粗面は、エンボス加工、研磨処理、酸や酸化剤等による処理、めっき処理、酸化還元処理、エッチング処理のいずれかにより形成されていることが望ましい。
更に、コンデンサの上記粗面は、接着剤を介して上記キャビティの内壁面に接着されていてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のコンデンサは、多層プリント配線板に収納または内蔵されるコンデンサであって、その表面の少なくとも一部に粗面が形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明のコンデンサによれば、その表面の少なくとも一部に粗面が形成されているため、このコンデンサを多層プリント配線板の基板のキャビティ等に接着剤を介して埋設した場合には、該接着剤との密着性に優れ、コンデンサと接着剤との間で剥離が発生したり、該接着剤にクラックが発生したりすることがない。従って、本発明のコンデンサは、多層プリント配線板の内蔵用として適したものである。
【0017】
上記コンデンサは、その表面の少なくとも一部に粗面が形成されたものであり、具体例としては、例えば、図1(a)、(b)、(c)または(d)に示すようなチップコンデンサ等が挙げられる。
なお、図1(a)〜(d)は、本発明のコンデンサの一例を模式的に示す断面図である。
【0018】
図1(a)〜(d)に示すように、コンデンサ20、120、220、320は、第1電極21と第2電極22と、第1電極21、第2電極22に挟まれた誘電体23とからなり、誘電体23には、第1電極21側に接続された第1導電膜24と、第2電極22側に接続された第2導電膜25とが複数枚対向配置されている。
また、第1電極21、第2電極22の周囲にはSn等からなる金属層26、226が形成されていてもよい。金属層26、226を形成することにより、防錆性、半田付き性等を向上させることができる。
【0019】
また、図1(a)に示すコンデンサ20では、第1電極21および第2電極22の周囲に金属層26が形成されており、金属層26の表面全体にのみ粗面27が形成されている。(b)に示すコンデンサ120では、コンデンサ20同様、第1電極21および第2電極22の周囲に金属層26が形成されており、金属層26の表面、および、誘電体23の表面に粗面127が形成されいる。また、(c)に示すコンデンサ220では、第1電極および第2電極22の上面を除いた部分に金属層226が形成されており、金属層226の表面にのみ粗面227が形成されている。また、(d)に示すコンデンサ320では、誘電体23の表面にのみ粗面327が形成されている。
このように、本発明のコンデンサでは、表面の少なくとも一部に粗面が形成されていればよく、必ずしも、全体に粗面が形成されている必要はない。
従って、図示していないが、電極の側面にのみ粗面が形成されていてもよいし、誘電体の表面の一部にのみ粗面が形成されていてもよい。
【0020】
上記コンデンサの表面に形成される粗面の平均粗度(Rj)は、0.01〜5μmであることが望ましい。
上記平均粗度が0.01μm未満では、コンデンサ表面と接着剤との密着性が不充分なため、該コンデンサと接着剤との間で剥離が発生したり、該接着剤にクラックが発生したりするのを充分に抑制することができないことがあり、一方、粗面の平均粗度が5μmを超えると、使用時の熱膨張や熱収縮により接着剤に損傷が発生してしまうことがあり、また、粗面を形成する際に、コンデンサにクラックや割れが発生してしまうことがある。
【0021】
上記コンデンサに粗面を形成する方法としては特に限定されず、該コンデンサの表面に所望の凹凸を有する粗面を形成することができる方法であればよい。粗面形成方法としては、例えば、エンボス加工、研磨処理、酸や酸化剤等による処理、めっき処理、酸化還元処理、エッチング処理等が挙げられる。
【0022】
上記エンボス加工としては、例えば、コンデンサを製造する際に、誘電体となるセラミック材料の最外面にエンボス加工により粗面を形成する方法が挙げられる。
即ち、コンデンサの製造は、通常、誘電体となるセラミックス材料のグリーンシートに、導電膜となる金属ペーストを印刷し、その後、この金属ペーストを印刷したグリーンシートを複数枚積層し、さらに、外部電極形成用ペーストを塗布した後、焼成することにより行う。そこで、このグリーンシートを焼成する前に、エンボス加工により、積層した際に最外層となるグリーンシートの外側の面に粗面を形成しておき、これを焼成することにより、コンデンサの表面に粗面を形成することができる。
また、エンボス加工以外の方法で、グリーンシートに粗面を形成してもよい。
【0023】
上記研磨処理としては、従来公知の各種研磨材を用いて、完成したコンデンサの表面を研磨処理する方法等が挙げられる。
以下に示す粗面形成方法は、いづれも完成したコンデンサの表面に施す処理である。
【0024】
上記酸や酸化剤等による処理において、酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ふっ酸、りん酸等が挙げられる。また、酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過マンガン酸、クロム酸等が挙げられる。
【0025】
上記めっき処理としては、例えば、硫酸銅(1〜40g/l)、硫酸ニッケル(0.1〜6.0g/l)、クエン酸(10〜20g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10〜100g/l)、ホウ酸(10〜40g/l)および界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)(0.01〜10g/l)を含むpH≒9の無電解めっき浴にて無電解めっきを施す方法等が挙げられる。
【0026】
上記エッチング処理としては、例えば、有機酸と第二銅錯体とを含むエッチング液を用いて行う方法等が挙げられる。
上記有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、スルファミン酸等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0027】
また、上記混合溶液において、上記有機酸の含有量は、0.1〜30重量%が望ましい。酸化された銅の溶解性を維持し、かつ、触媒安定性を確保することができるからである。
【0028】
上記第二銅錯体としては、アゾール類の第二銅錯体が望ましい。このアゾール類の第二銅錯体は、金属銅等を酸化する酸化剤として作用する。アゾール類としては、例えば、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール等が挙げられる。これらのなかでは、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾールが望ましい。上記エッチング液において、上記第二銅錯体の含有量は、1〜15重量%が望ましい。溶解性および安定性に優れ、また、触媒核を構成するPd等の貴金属をも溶解させることができるからである。
【0029】
また、上記酸化還元処理としては、例えば、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)、を含む水溶液を黒化浴とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行う方法等が挙げられる。
【0030】
これらの粗面を形成する方法は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
なお、上記した粗面を形成する方法は、電極や金属層の表面に粗面を形成するのに適した方法と、誘電体の表面に粗面を形成するのに適した方法とが混在している。具体的には、酸や酸化剤等による処理、めっき処理、酸化還元処理、および、エッチング処理は、電極や金属層の表面に粗面を形成する方法として適しており、エンボス加工は、誘電体の表面に粗面を形成する方法として適している。また、研磨処理は両者に適している。
【0031】
従って、コンデンサの表面に粗面を形成する際には、粗面を形成する部位を考慮して、形成方法を適宜選択することが望ましく、コンデンサの全表面に粗面を形成する場合には、複数の形成方法を組み合わせることが望ましい。
【0032】
このような方法を用いて、コンデンサ表面の少なくとも一部に粗面を形成することにより、従来の表面実装用コンデンサを多層プリント配線板に内蔵するのに適したコンデンサとすることができる。
【0033】
次に、本発明の多層プリント配線板について説明する。
本発明の多層プリント配線板は、コンデンサが内蔵または収納されている基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板であって、
上記コンデンサは、本発明のコンデンサであることを特徴とする。
【0034】
本発明の多層プリント配線板によれば、表面の少なくとも一部に粗面が形成された本発明のコンデンサが基板に内蔵されているため、コンデンサと接着剤との間で剥離が発生したり、該接着剤にクラックが発生したりすることがない。そのため、上記多層プリント配線板は、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層に膨れが生じたりすることがなく、電気的接続性、信頼性に優れる。
【0035】
この場合、ヒートサイクル等により、コンデンサ周辺の樹脂に応力が発生し、伸縮するが、本発明のコンデンサでは、その全面に粗化面が形成されており、該コンデンサとその周囲の樹脂とが強力に接着されているため、その応力が樹脂の一部に集中することがない。
その結果、本発明の多層プリント配線板では、周辺樹脂にクラックやコンデンサからの剥離が発生せず、コンデンサのずれも発生しない。
【0036】
以下、本発明の多層プリント配線板について図面を参照しながら説明する。
まず、上記多層プリント配線板の第一の実施形態について説明する。
図2は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図であり、図3は、図2に示す多層プリント配線板にICチップを実装し、ドータボードに取り付けた状態を模式的に示す断面図である。
【0037】
図2に示すように多層プリント配線板10は、コンデンサ20と、コンデンサ20を内蔵する基板30と、層間樹脂絶縁層40、60とからなる。層間樹脂絶縁層40には、バイアホール46および導体回路48が形成され、層間樹脂絶縁層60には、バイアホール66および導体回路68が形成されている。
また、基板30を介した上下の導体回路間を接続するために、スルーホール36が形成されている。
【0038】
また、層間時絶縁層60上には、ソルダーレジスト層70が配設されており、ソルダーレジスト層70の開口部71下の導体回路68(バイアーホール66を含む)には、ドータボード、マザーボード等の外部基板と接続するための半田バンプ76がニッケルめっき層および金めっき層を介して設けられている。
【0039】
この多層プリント配線板10では、基板にコンデンサ20が接着剤32を介して内蔵され、コンデンサ20の表面の少なくとも一部には粗面(図示せず)が設けられている。このため、コンデンサ20と接着剤32との密着性が高く、ヒートサイクル条件下においても、コンデンサ20と接着剤32との接触面で剥離が発生したり、接着剤にクラックが発生したりすることがない。従って、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層に膨れが生じたりすることがなく、多層プリント配線板10は、電気的接続性、信頼性に優れる。
【0040】
上記接着剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0041】
また、図3に示すように、ICチップ90が実装され、ドータボードへ取り付けられた多層プリント配線板では、上側のソルダーレジスト層70の開口部71内に形成されたバンプ76と、ICチップ90のパッド92S1、92S2、92P1、92P2とが接続されている。また、下側のソルダーレジスト層70の開口部71内に形成されたバンプ76は、ドータボード94のパッド96S1、96S2、96P1、96P2へ接続されている。
【0042】
また、図3中に示すICチップ90の信号用のパッド92S2は、バンプ76−導体回路68−バイアホール66−スルーホール36−バイアホール66−バンプ76を介して、ドータボード94の信号用のパッド96S2に接続されている。一方、ICチップ90の信号用のパッド92S1は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−バイアホール66−バンプ76を介して、ドータボード94の信号用のパッド96S1に接続されている。
【0043】
ICチップ90の電源用パッド92P1は、バンプ76−バイアホール66−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第1電極21へ接続されている。一方、ドータボード94の電源用パッド96P1は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第1電極21へ接続されている。
【0044】
ICチップ90の電源用パッド92P2は、バンプ76−バイアホール66−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第2電極22へ接続されている。一方、ドータボード94の電源用パッド96P2は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第2電極22へ接続されている。
【0045】
従って、本発明の多層プリント配線板では、図15(c)に示すように、コンデンサ20を基板に内蔵することにより、ICチップ90の直下にコンデンサ20が配置されることとなり、コンデンサを介した電源とICチップ90の電源端子92E/アース端子92Pとの間の距離、即ち、ループインダクタンスを決定するループ長が図15(c)中の実線で示すように、さらに短縮されている。
その結果、高周波数で駆動するICチップ90を実装した場合でも、ループインダクタンスが充分に低く、また、電力を瞬時的にICチップ側へ供給することが可能である。
【0046】
さらに、コンデンサ20同士の間にスルーホール36を設けることにより、コンデンサを信号線が通過しない構成にすることができる。そのため、コンデンサを信号線が通過する構成にした場合に発生する高誘電体によるインピーダンス不連続による反射、および、高誘電体通過による信号伝搬遅延を防ぐことができる。
【0047】
次に、図2に示した第1の実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法(第一の多層プリント配線板の製造方法)について、図4〜図8を参照しながら説明する。
【0048】
(1)片面に金属膜41を積層した樹脂フィルム40αを出発材料とする(図4(a)参照)。樹脂フィルム40αとしては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂等の熱硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるもの等が挙げられる。また、感光性樹脂を用いることもできる。
【0049】
上記ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、住友スリーエム社製の商品名:1592等が挙げられる。また、融点が200℃以上の熱可塑型ポリオレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、三井石油化学工業社製の商品名:TPX(融点240℃)、出光石油化学社製の商品名:SPS(融点270℃)等が挙げられる。
【0050】
これらのなかでは、シクロオレフィン系樹脂が望ましい。
シクロオレフィン系樹脂は、誘電率が低く、GHz帯域の高周波信号を用いた場合でも信号遅延や信号エラーが起きにくいことに加え、機械的特性、特に、剛性が高いため、しっかりとした層間樹脂絶縁層を形成することができ、その結果、多層プリント配線板の接続信頼性を充分に確保することができる。
【0051】
また、上記シクロオレフィン系樹脂は、導体回路との密着性にも優れるため、層間樹脂絶縁層が導体回路から剥離することを防止することができ、剥離に起因する層間樹脂絶縁層でのクラックの発生等も防止することができる。
さらに、上記シクロオレフィン系樹脂は、吸水率が小さいため、導体回路間の電気絶縁性が高くなり、信頼性も向上する。
【0052】
上記シクロオレフィン系樹脂としては、2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンまたはこれらの誘導体からなる単量体の単独重合体または共重合体であることが望ましい。上記誘導体としては、2−ノルボルネン等のシクロオレフィンに、架橋を形成するためのアミノ基や無水マレイン酸残基あるいはマレイン酸変性したもの等が結合したもの等が挙げられる。
上記共重合体を合成する場合の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
【0053】
上記シクロオレフィン系樹脂は、上記した樹脂の2種以上の混合物であってもよく、シクロオレフィン系樹脂以外の樹脂を含むものであってもよい。
また、上記シクロオレフィン系樹脂が共重合体である場合には、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。
【0054】
また、上記シクロオレフィン系樹脂は、熱硬化性シクロオレフィン系樹脂であることが望ましい。加熱を行って架橋を形成させることにより、より剛性が高くなり、機械的特性が向上するからである。
上記シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、130〜200℃であることが望ましい。
【0055】
上記シクロオレフィン系樹脂は、フィラー等を含まないものであってもよく、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸エステル等の難燃剤を含むものであってもよい。
【0056】
また、上記樹脂複合体は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを含むものである。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
これらのなかでは、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PI)および/またはフェノキシ樹脂が望ましい。耐熱性、絶縁性に優れるとともに、高い靱性値を有するため、耐クラック性、形状保持性に優れる層間樹脂絶縁層を形成するのに特に適しているからである。
【0057】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂は、感光化した樹脂であってもよく、具体的には、例えば、メタクリル酸やアクリル酸等と熱硬化基とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂をアクリレート化したものが望ましい。これらのなかでは、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。
【0058】
上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0059】
上記樹脂複合体における熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合割合は、熱硬化性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保することができるからである。
【0060】
上記樹脂複合体の具体例としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散した粗化面形成用樹脂組成物等が挙げられる。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0061】
上記可溶性粒子としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0062】
上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができるからである。
【0063】
上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径ものを含有してもよい。すなわち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均粒径が1〜3μmの可溶性粒子とのを含有する等である。これにより、より複雑な粗化面を形成することができ、導体回路との密着性にも優れる。なお、本明細書において、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分の長さである。
【0064】
上記可溶性樹脂粒子としては、酸あるいは酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)等からなるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるものであってもよい。
【0065】
また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン酸でも溶解することができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低濃度で溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際に、触媒が付与されなかったり、触媒が酸化されたりすることがない。
【0066】
上記可溶性無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。
【0067】
上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0068】
上記可溶性金属粒子としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0069】
上記可溶性粒子を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため上下の導体回路間の絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
【0070】
上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものであればよく、上記熱可塑性樹脂と上記熱硬化性樹脂との混合物を用いることができる。
【0071】
上記樹脂複合体として、粗化面形成用樹脂組成物を用いる場合、上記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、バイアホールを含む導体回路との密着性を確保することができるからである。
また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を含有するフィルムを用いてもよい。この場合、フィルムの表層部以外は、酸または酸化剤にさらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性が確実に保たれる。
【0072】
上記可溶性粒子の混合重量比は、難溶性樹脂の固形分に対して5〜50重量%が望ましく、10〜40重量%がさらに望ましい。
可溶性粒子の混合重量比が5重量%未満では、充分な粗さの粗化面を形成することができない場合があり、50重量%を超えると、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解して粗化面を形成する際に、層間樹脂絶縁層の深部まで溶解してしまい、樹脂絶縁層を介した上下の導体回路間の絶縁性を確保することができず、短絡の原因となる場合がある。
【0073】
上記粗化面形成用樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂および上記熱硬化性樹脂以外に、硬化剤、その他の成分等を含有していることが望ましい。
上記硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル化したもの、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。
【0074】
上記硬化剤の含有量は、粗化面形成用樹脂組成物に対して、0.05〜10重量%であることが望ましい。0.05重量%未満では、層間樹脂絶縁層を形成する際に、樹脂複合体が充分に硬化せず、酸や酸化剤を用いて層間樹脂絶縁層表面に粗化面を形成し、酸等が樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、層間樹脂絶縁層の絶縁性が損なわれることがある。一方、10重量%を超えると過剰な硬化剤成分が樹脂の組成を変成させることがあり、信頼性の低下を招いてしまうことがある。
【0075】
上記その他の成分としては、例えば、粗化面の形成に影響しない無機化合物や樹脂等のフィラーが挙げられる。
上記無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのフィラーを含有させることにより、熱膨張係数の整合や耐熱性、耐薬品性の向上等を図り、多層プリント配線板の性能をより向上させることができる。
【0076】
また、上記粗化面形成用樹脂組成物は、溶剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0077】
(2)次に、金属膜41をパターンエッチングして所定の回路パターン42を形成する(図4(b)参照)。続いて、樹脂フィルム40αの下面の回路パターン42にコンデンサ20を半田、導電性ペースト等の接着材料34を介して接着する。なお、コンデンサの表面に形成された粗面については、図示していない。
この場合、コンデンサは、半田等の接着材料を介して回路パターン42に接続されるため、コンデンサの第1および第2電極の周囲には、Snからなる金属層が形成されていることが望ましい。
【0078】
(3)上記樹脂フィルム40αとは別に、コンデンサ20を内蔵するキャビティ31を穿設した基板30αを用意する。
キャビティ31は、ザクリ、貫通孔を形成したプリプレグと貫通孔を形成しないプリプレグとの接合や、射出成形等により形成する。
基板30αとしては、一般的にプリント配線板で使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、BT樹脂、フェノール樹脂等にガラスエポキシ樹脂等の補強材や心材を含浸させた樹脂からなる基板や、エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを積層した基板等が挙げられる。また、両面銅張積層板、片面板、金属膜を有さない樹脂板、樹脂フィルム等を用いてもよい。
【0079】
(4)次に、コンデンサ20を取り付けた樹脂フィルム40αと、キャビティ31を設けた基板30αと、更に、もう1枚の樹脂フィルム40αとを積層した後プレスし(図4(c)および(d)参照)、その後、必要に応じて、加熱硬化させることにより、樹脂フィルムの硬化層40βを形成する(図5(a)参照)。
このとき、予め、キャビティ31の内壁面および/またはコンデンサに接着剤を塗布しておくことにより、コンデンサをキャビティ31の内壁面に接着剤32を介して接着させる。
【0080】
(5)次に、樹脂フィルムの硬化層40βにバイアホール用開口43を形成し、層間樹脂絶縁層40とする(図5(b)参照)。
バイアホール用開口43の形成は、レーザ処理により行う。このとき、使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガス(CO2 )レーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
【0081】
上記エキシマレーザは、後述するように、バイアーホール用開口を形成する部分に貫通孔が形成されたマスク等を用いることにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができ、また、短パルスの炭酸ガスレーザは、開口内の樹脂残りが少なく、レーザ照射部位の周囲の樹脂に対するダメージが特に小さいからである。
【0082】
また、エキシマレーザのなかでも、ホログラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レンズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射する方式であり、この方式を用いることにより、一度の照射で樹脂フィルム層に多数の開口を効率的に形成することができる。
【0083】
また、炭酸ガスレーザを用いる場合、そのパルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望ましい。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間は、10〜500μm秒であることが望ましい。
また、バイアホール用開口を形成する部分に貫通孔が形成されたマスクの貫通孔は、レーザ光のスポット形状を真円にするために、真円である必要があり、上記貫通孔の径は、0.1〜2mm程度が望ましい。
【0084】
また、光学系レンズと、マスクとを介してレーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射強度が同一のレーザ光を複数の部分に照射することができるからである。
【0085】
また、樹脂フィルム40αとして感光性樹脂を用いた場合には、露光・現像処理によりバイアホール用開口を形成してもよい。
なお、この場合は、樹脂フィルム40αを積層して、プレスした後、加熱硬化する前に、露光・現像処理を施すことが望ましい。
完全に硬化した層は、露光・現像処理により開口を形成するのに適さず、所望の形状の開口を形成することができないからである。
【0086】
(6)次に、必要に応じて、デスミア処理を行う。上記デスミア処理は、クロム酸、過マンガン酸塩等の水溶液からなる酸化剤を使用して行うことができる。また、酸素プラズマ、CF4 と酸素との混合プラズマやコロナ放電等で処理してもよい。また、低圧水銀ランプを用いて紫外線照射することにより、表面改質することもできる。
その後、ドリル加工またはレーザ処理によりスルホール用貫通孔33を形成する。スルホール用貫通孔33の径としては、50〜500μmが望ましい(図5(c)参照)。
【0087】
また、スルホール用貫通孔33を形成した後、層間樹脂絶縁層40表面(バイアホール用開口およびスルーホール用貫通孔の内壁面を含む)に粗化面を形成してもよい。
例えば、層間樹脂絶縁層40の材料として、上記ポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、プラズマ処理により粗化面を形成することができ、上記粗化面形成用樹脂組成物を用いた場合には、酸や酸化剤を用いて粗化面を形成することができる。
【0088】
(7)次に、無電解めっき、スパッタリング等により層間樹脂絶縁層40表面(バイアホール用開口およびスルーホール用貫通孔の内壁面を含む)に薄膜導体層44を形成する(図6(a)参照)。薄膜導体層44は、単層であってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。
なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、予め、層間樹脂絶縁層40表面にパラジウム触媒等の触媒核を付与しておくことが望ましい。
【0089】
薄膜導体層44の材質としては、例えば、スズ、亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、タリウム、鉛等が挙げられる。これらのなかでは、電気特性、経済性等に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望ましい。
薄膜導体層44の厚さとしては、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、0.6〜1.2μmが望ましく、スパッタリングにより形成する場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
【0090】
(8)次に、薄膜導体層44を形成した層間樹脂絶縁層40上の一部にドライフィルムを用いてめっきレジスト51を形成し、その後、薄膜導体層44をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層45を析出させる(図6(b)参照)。
上記電解めっきとしては、銅めっきが望ましい。
また、このとき、バイアホール用開口を電解めっきにより充填してフィールドビア構造としてもよく、バイアホール用開口に導電性ペーストを充填した後、その上に蓋めっき層を形成してフィールドビア構造としてもよい。フィールドビア構造を形成することにより、バイアホールの直上にバイアホールを設けることができる。
【0091】
(9)次に、めっきレジスト51を除去した後、そのめっきレジスト51下に存在する薄膜導体層44をエッチングにて溶解除去し、薄膜導体層44と電解めっき層45とからなる導体回路48、バイアホール46およびスルーホール36を形成する(図6(c)参照)。
なお、触媒を付着させた後、無電解めっきにより薄膜導体層44を形成した場合は、酸、または、酸化剤を用いて層間樹脂絶縁層40上の触媒を除去してもよい。触媒を除去することにより、電気特性の低減を防止することができる。
【0092】
(10)次に、必要に応じて、導体回路48、バイアホール46およびスルーホール36の表面に粗化面を形成する。該粗化面は、エッチング処理、黒化還元処理、めっき処理等により形成することができる。
【0093】
上記エッチング処理は、例えば、有機酸と第二銅錯体とを含むエッチング液を用いて行うことができる。
上記有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、スルファミン酸等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。上記混合溶液において、上記有機酸の含有量は、0.1〜30重量%が望ましい。酸化された銅の溶解性を維持し、かつ、触媒安定性を確保することができるからである。
【0094】
上記第二銅錯体としては、アゾール類の第二銅錯体が望ましい。このアゾール類の第二銅錯体は、金属銅等を酸化する酸化剤として作用する。アゾール類としては、例えば、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール等が挙げられる。これらのなかでは、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾールが望ましい。上記エッチング液において、上記第二銅錯体の含有量は、1〜15重量%が望ましい。溶解性および安定性に優れ、また、触媒核を構成するPd等の貴金属をも溶解させることができるからである。
【0095】
上記黒化還元処理の具体的な方法としては、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)、を含む水溶液を黒化浴とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行う方法等が挙げられる。
【0096】
上記めっき処理の具体的な方法としては、硫酸銅(1〜40g/l)、硫酸ニッケル(0.1〜6.0g/l)、クエン酸(10〜20g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10〜100g/l)、ホウ酸(10〜40g/l)および界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)(0.01〜10g/l)を含むpH=9の無電解めっき浴にて無電解めっきを施す方法等が挙げられる。
【0097】
(11)次に、スルホール36内を樹脂充填材を用いて充填し、その後、導体回路48を形成した基板30の両面に樹脂フィルム60αを張り付ける(図7(a)参照)。
上記樹脂充填材としては、エポキシ樹脂等の樹脂を主成分とする導電性を有さない樹脂や、銅等の金属ペーストを含有させた導電性樹脂等を用いることができる。また、熱硬化性エポキシ樹脂に、シリカ等の無機フィラーを配合して熱膨張率を層間樹脂絶縁層と整合させた樹脂充填材を用いてもよい。
また、樹脂フィルム60αとしては、樹脂フィルム40αと同様のものを用いることができる。
【0098】
(12)次に、必要に応じて、樹脂フィルムを硬化させた後、上記(5)〜(10)の工程(スルーホール用貫通孔の形成工程を除く)を繰り返すことにより、更に上層の層間樹脂絶縁層60および導体回路66(バイアホール68)を形成する(図7(b)〜図8(b)参照)。
【0099】
(13)次に、最外層の導体回路68を含む基板面に開口部71を有するソルダーレジスト層70を形成する。上記ソルダーレジスト層としては、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性エラストマー、ソルダーレジスト樹脂組成物等からなるものが挙げられる。
上記ソルダーレジスト層は、未硬化の樹脂(樹脂組成物)をロールコータ法等により塗布したり、未硬化の樹脂フィルムを熱圧着したりした後、レーザ処理、露光・現像処理等により開口処理を行い、さらに、硬化処理等を行うことにより形成する。
【0100】
上記ソルダーレジスト樹脂組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体等が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調製されていることが望ましい。
【0101】
上記ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノールノボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテルをアクリル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹脂等が挙げられる。
また、上記2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては特に限定されず、例えば、各種ジオール類やアクリル酸やメタクリル酸のエステル等が挙げられる。
また、開口部71は、露光・現像処理、レーザ処理等により形成する。
【0102】
(14)この後、ソルダーレジスト層70の開口部71内の導体回路68上にニッケルめっき層72、金めっき層74等を形成することにより、半田パッドを設け、該半田パッド上に、はんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることにより、半田バンプ76を形成する。これにより、ICチップ20が基板に内蔵され、半田バンプを有する多層プリント配線板を得ることができる(図2参照)。
また、上記ソルダーレジスト層の開口部に、はんだペーストを印刷した後、開口部に導電性ピンを載置し、200℃でリフローすることにより、外部端子と接続するためのPGA(Pin Grid Array)が配設された多層プリント配線板としてもよい。
【0103】
次に、第二の実施形態の多層プリント配線板について図9を参照しながら説明する。
図9は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
図9に示した第二の実施形態の多層プリント配線板110は、第一の実施形態の多層プリント配線板とほぼ同様である。
ただし、多層プリント配線板110では、コンデンサの内蔵方法が異なる。
即ち、第一の実施形態では、コンデンサの第1、第2電極21、22とバイアホール46との間は、半田や導電性ペースト等の接着材料34を用いて電気的に接続していたが、第二の実施形態の多層プリント配線板では、第1および第2電極にめっきを施すことにより、バイアホールとの間を電気的に接続する。そのため、それぞれの内蔵方法に適したコンデンサを使用している。
【0104】
そこで、第一および第二の実施形態で用いるコンデンサについて説明する。
第一の実施形態で用いるコンデンサ20は、図1(a)、(b)に示すように、第1電極21および第2電極22の外周にSn等からなる金属層26が形成されている。これは、Sn等からなる金属層26を有する場合、半田付け性が向上するとともに、防錆効果を有するからである。従って、金属層26表面に形成する粗面が金属層26と同様の材質のものから形成されている場合、即ち、エンボス加工、酸や酸化剤による処理、研磨処理やエッチング処理等により形成されている場合は、半田付け部分に粗面が形成されていてもよいが、粗面が金属層26と異なる材質のものから形成されている場合、即ち、めっき処理、酸化還元処理等により形成されている場合は、半田付け部分には粗面が形成されていない方が好ましい。
【0105】
一方、第二の実施形態で用いるコンデンサ220は、図1(c)に示すように、第1電極21および第2電極22の上面が露出するように金属層226が形成されている。そのため、めっきを用いて、電極とバイアホールとを接続するのに適している。なお、めっきにより、電極とバイアホールとを接続した場合には、接続抵抗を低減させることができる。
【0106】
次に、図9に示した多層プリント配線板の製造方法(第二の多層プリント配線板の製造方法)について、図10〜図12を参照しながら説明する。
【0107】
(1)ビスマレイミド・トリアジン樹脂(BT樹脂)板35に、コンデンサ内蔵用の貫通孔を形成し、これを4枚積層した積層板30αと、貫通孔を形成しないBT樹脂板35を2枚積層した積層板30βとを出発材料とする(図10(a)参照)。
積層板30α、30βとしては、上記BT樹脂からなる積層板以外に、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂からなるもの、または、ガラスクロス等の強化材を含有したもの等を用いることができる。
【0108】
(2)次に、積層板30αに形成した貫通孔37にコンデンサ220を内蔵する。なお、コンデンサ220は、接着剤32を介して貫通孔37内に取り付ける。その後、積層板30αと積層板30βとを積層した後、圧着することによりコンデンサ内蔵基板30とする(図10(b)参照)。
上記接着剤としては、第一の多層プリント配線板の製造方法で用いた接着剤と同様のものを用いることができる。
【0109】
(3)次に、コンデンサ内蔵基板30の両面に、樹脂フィルム40αを積層した後、圧着し、その後、必要に応じて、加熱硬化させることにより樹脂フィルムの硬化層40βを形成する(図10(c)および(d)参照)。
樹脂フィルム40αとしては、第一の多層プリント配線板の製造方法で用いるものと同様のもの、即ち、エポキシ樹脂、BT樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂等の熱硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合物等を用いることができる。
【0110】
(4)次に、ドリル加工やレーザ処理を用いて、スルホール用開口33を形成する(図11(a)参照)。スルホール用開口33の径としては、50〜500μmが望ましい。
次に、基板の両面に形成した樹脂フィルムの硬化層40βにバイアホール用開口43を形成し、層間樹脂絶縁層40とする(図5(b)参照)。
バイアホール用開口43の形成は、レーザ処理により行う。このとき、使用するレーザとしては、第一の多層プリント配線板の製造方法と同様のものを用いることができる。
なお、樹脂フィルム40αとして感光性樹脂を用いた場合には、露光・現像処理によりバイアホール用開口を形成してもよい。
【0111】
(5)次に、必要に応じて、デスミア処理を行う。特に、炭酸ガスレーザを用いて、バイアホール用開口を形成した場合には、デスミア処理を行うことが望ましい。
上記デスミア処理は、第一の多層プリント配線板の製造方法と同様の方法で行うことができる。
また、デスミア処理終了後、必要に応じて、層間樹脂絶縁層40表面(バイアホール用開口43およびスルーホール用貫通孔33の内壁面を含む)に粗化面を形成してもよい。
【0112】
(6)次に、無電解めっき、スパッタリング等により層間樹脂絶縁層40表面(バイアホール用開口43およびスルーホール用貫通孔33の内壁面を含む)に薄膜導体層44を形成する(図11(c)参照)。薄膜導体層44は、単層であってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。
なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、予め、層間樹脂絶縁層40表面にパラジウム触媒等の触媒核を付与しておくことが望ましい。
薄膜導体層44の材質および厚さとしては、第一の多層プリント配線板の製造方法と同様のものが望ましい。
【0113】
(7)次に、薄膜導体層44を形成した層間樹脂絶縁層40上の一部にドライフィルムを用いてめっきレジスト51を形成し(図12(a)参照)、その後、薄膜導体層44をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層45を析出させる(図12(b)参照)。
なお、めっきレジスト51の形成、および、電解めっき層45の析出は、第一の多層プリント配線板の製造方法と同様の方法により行うことができる。
【0114】
(8)次に、めっきレジスト51を除去した後、そのめっきレジスト51下に存在する薄膜導体層44をエッチングにて溶解除去し、薄膜導体層44と電解めっき層45とからなる導体回路48、バイアホール46およびスルーホール36を形成する(図12(c)参照)。
なお、触媒を付着させた後、無電解めっきにより薄膜導体層44を形成した場合は、酸、または、酸化剤を用いて層間樹脂絶縁層40上の触媒を除去してもよい。触媒として用いたパラジウムを除去することにより、電気特性の低減を防止することができる。
【0115】
これ以降は、図示していないが、図7(a)〜図8(c)に図示した方法と同様の方法である。
(9)次に、必要に応じて、導体回路48、バイアホール46およびスルーホール36の表面に粗化面を形成する。該粗化面は、第一の製造方法と同様、エッチング処理、黒化還元処理、めっき処理等により形成することができる。
【0116】
(10)次に、スルホール36内を樹脂充填材を用いて充填する。
上記樹脂充填材としては、第一の多層プリント配線板の製造方法と同様のものを用いることができる。
【0117】
(11)次に、必要に応じて、(3)〜(10)の工程(スルーホール用貫通孔の形成工程を除く)を繰り返すことにより、更に上層の層間樹脂絶縁層60および導体回路68(バイアホール66を含む)を形成する。
【0118】
(12)さらに、第一の多層プリント配線板の製造方法(13)および(14)の工程と同様にして、ソルダーレジスト層および半田バンプを形成し、コンデンサの内蔵された多層プリント配線板とする(図9参照)。
【0119】
次に、第三の実施形態の多層プリント配線板について図13を参照しながら説明する。
図13は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
図13に示した第三の実施形態の多層プリント配線板210は、第二の実施形態の多層プリント配線板とほぼ同様である。
ただし、多層プリント配線板210では、コンデンサの内蔵方法が異なる。即ち、第二の実施形態では、第1電極21および第2電極22のICチップ側(上側)のみ、電気的に接続していたが、本実施形態では、第1電極21および第2電極22のICチップ側(上側)およびドータボード側(下側)の両側をそれぞれ電気的に接続している。従って、コンデンサの外部電極がいわゆるスルーホールの機能を備えており、パッケージ構造を簡単にできるので、高周波のICチップに対応することができる。
【0120】
従って、第三の実施形態で用いるコンデンサとしては、図1(d)に示すような第1電極21、第2電極22の周囲に金属層が形成されておらず、誘電体膜23の表面にのみ粗面が形成されているコンデンサが望ましい。
上述したように、第三の実施形態では、コンデンサの外部電極がいわゆるスルホールの機能を備えているため、該外部電極の表面に粗面を形成した場合には、この粗面に起因した表皮効果等により、多層プリント配線板の電気特性が低下することがあるからである。
【0121】
次に、図13に示した多層プリント配線板の製造方法(第三の多層プリント配線板の製造方法)について、図14を参照しながら説明する。
(1)まず、ビスマレイミド・トリアジン樹脂(BT樹脂)板を積層してなる積層板30αにコンデンサを内蔵する貫通孔37を形成する(図14(a)参照)。
積層板30αとしては、上記BT樹脂からなる積層板以外に、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂からなるもの、または、ガラスクロス等の強化材を含有したもの等を用いることができる。
【0122】
次に、積層板30α内の貫通孔37内に,コンデンサ320を内蔵させる(図14(b)参照)。なお、貫通孔37の内壁面には、予め、接着剤を塗布しておき、接着剤を介して貫通孔37の内壁面に、コンデンサを接着する。
【0123】
(2)樹脂フィルム40αと、コンデンサ320を内蔵する積層板30αと、樹脂フィルム40αとを積層して、圧着し、その後、加熱硬化させることでコンデンサ320を内蔵する基板30および樹脂フィルムの硬化40βを形成する(図14(c)および(d)参照)。
(3)その後、第二の製造方法の工程(4)〜(12)と同様にして、コンデンサ内蔵基板130の両面に、層間樹脂絶縁層および導体回路を順次形成し、さらに、最外層にソルダーレジスト層を形成することによりコンデンサ内蔵多層プリント配線板を製造する(図13参照)。
【0124】
また、本発明の多層プリント配線板の実施形態は、上記第一〜第三の実施形態に限定されず、例えば、多数のコンデンサが一つのキャビティに並列に内蔵された形態であっても良い。このような実施形態の多層プリント配線板では、電源電圧の不足分を補うことができ、ICの誤動作がなくすことができる。従って、このような多層プリント配線板は、フリップチップ用として最適である。
【0125】
このような多層プリント配線板では、基板にコンデンサ内蔵されているため、ICチップを実装した際に、該ICチップとコンデンサとの距離が短く、高周波数で駆動するICチップを実装した場合でも、ループインダクタンスが充分に低い。また、基板に内蔵するコンデンサは、その表面の少なくどせ一部に粗面が形成されているため、コンデンサと接着剤との密着性が高く、ヒートサイクル条件下においても、コンデンサと接着剤との接触面で剥離が発生したり、接着剤にクラックが発生したりすることがない。従って、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層に膨れが生じたりすることがなく、電気的接続性、信頼性に優れる。
【0126】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0127】
(実施例1)
(1)片面に銅からなる金属膜41を積層したエポキシ樹脂フィルム40αを出発材料とする(図4(a)参照)。
まず、金属膜41をパターンエッチングすることにより、所定の回路パターン42を形成した(図4(b)参照)。
【0128】
(2)次に、樹脂フィルム40αに形成した回路パターン42に、半田34を介してコンデンサ20を取り付けた(図4(c)参照)。
コンデンサ20としては、市販のチップコンデンサ(村田製作所社製、GPM33)の金属層26表面に、研磨材として、砥粒を用いた研磨処理により、平均粗度(Rj)=0.5〜1.0μmの粗面を形成したものを用いた(図1(b)参照)。
【0129】
なお、コンデンサの表面に形成した粗面の平均粗度は、以下の方法を用いて測定した。
即ち、JIS94に準じた方法により、表面粗さ形状測定機(東京精密社製、サーフコム130A/480A)を用いて、粗面の平均粗度を測定した。
【0130】
(3)上記とは別に、コンデンサ20を内蔵するためのキャビティ31を穿設した基板30αを用意する。
次に、キャビティ31の内壁に接着剤を塗布した後、コンデンサ20を取り付けた樹脂フィルム40αと、キャビティ31を穿設した基板30αと、もう1枚の樹脂フィルム40αとを積層してプレスした(図4(c)および(d)参照)。
なお、接着剤としては、エポキシ系樹脂を用いた。
【0131】
(4)次に、加熱硬化処理を施し、コンデンサ20を内蔵する基板30と、樹脂フィルムの硬化層40βを形成した(図5(a)参照)。
続いて、樹脂フィルムの硬化層40β上に、貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、ドップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、2ショットの条件で樹脂フィルムの硬化層40βに、直径60μmのバイアホール用開口43を形成し、層間樹脂絶縁層40とした(図5(b)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行った。
【0132】
(5)次に、層間樹脂絶縁層50を形成した基板30に、ドリル加工により、直径300μmのスルーホール用貫通孔33を形成した(図5(c)参照)。
さらに、層間樹脂絶縁層40の表面(バイアホール用開口43およびスルーホール用貫通孔33の内壁面を含む)に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層40の表面に触媒核を付着させた。
【0133】
(6)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層40およびスルーホール用貫通孔33の表面全体に厚さ0.6〜0.9μmの薄膜導体層(無電解銅めっき層)44を形成した(図6(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 40 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分
【0134】
(7)次に、市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき44に張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト51を設けた。
さらに、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、めっきレジスト非形成部に電解銅めっき層45を形成した(図6(b)参照)。
【0135】
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 1.95 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0136】
(8)次に、めっきレジスト51を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト51下の無電解めっき層44を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチングして除去し、層間樹脂絶縁層40には導体回路48とバイアホール46を形成し、基板30にはスルーホール36を形成した(図6(c)参照)。
【0137】
(9)次に、導体回路48、バイアホール46およびスルーホール36の表面を、有機酸塩と第二銅錯体とからなるエッチング液を用いて、エッチング処理することにより、該表面に粗化面(図示せず)を形成した。
さらに、導体回路48等を形成した基板を、800g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に3分間浸漬して、導体回路非形成部分に位置する導体回路間の層間樹脂絶縁層40の表面を1μmエッチングし、その表面に残存するパラジウム触媒を除去した。
【0138】
さらに、スルホール36内にスキージを用いて樹脂充填剤を充填し、100℃で20分間乾燥させることにより、樹脂充填剤層38を形成した。
なお、樹脂充填剤としては、ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の粒径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度を23±1℃で45〜49Pa・sに調製したものを使用した。ここで、硬化剤としては、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0139】
その後、基板の両面に樹脂フィルム60αを張り付けた(図7(a)参照)。なお、樹脂フィルム60αとしては、エポキシ樹脂からなる樹脂フィルムを用いた。
【0140】
(10)上記(4)〜(8)の工程(スルーホール用貫通孔の形成工程を除く)を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路68(バイアホール66を含む)を形成し、その後、導体回路66の表面をエッチング処理することにより、粗化面(図示せず)を形成することにより、最外層に導体回路の形成された多層配線板を得た(図7(b)〜図8(b)参照)。
【0141】
(11)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調整し、この混合組成物に対して光重量開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0142】
(12)次に、多層配線板に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジストレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層70に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71を形成した(図8(c)参照)。
【0143】
(13)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層(図示せず)を形成した。さらに、その基板を、シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に厚さ0.03μmの金めっき層(図示せず)を形成することで、導体回路68およびに半田パッドを形成した。
【0144】
(14)この後、ソルダーレジスト層70の開口部71に、はんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることにより、半田バンプ76を形成した。これにより、コンデンサ20を内蔵し、半田バンプ76を有する多層プリント配線板10を得た(図2参照)。
【0145】
(実施例2)
実施例1で用いた金属層26の表面に粗面が形成されたコンデンサに、さらに、研磨材として、砥粒を用いて、誘電体23の表面に研磨処理を施すことにより、平均粗度(Rj)=0.5〜1.0μmの粗面を形成したコンデンサ(図1(b)参照)を用いた以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0146】
(実施例3)
コンデンサとして、市販のチップコンデンサ(村田製作所社製、GPM33)の金属層の表面に、有機酸塩と第二銅錯体とからなるエッチング液を用いたエッチング処理を施すことにより、平均粗度(Rj)=1.0〜1.5μmの粗面を形成したものを用いた以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0147】
(実施例4)
(1)エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ35を4枚積層し、コンデンサを内蔵するための貫通孔を形成した積層板30αと、プリプレグ35を2枚積層した積層板30βとを出発材料とした(図10(a)参照)。
【0148】
(2)次に、積層板30αに形成した貫通孔に、接着剤(熱硬化性樹脂)を介在させてコンデンサ220を取り付け、さらに、積層板30αと積層板30βと積層して張り付け、コンデンサ220を内蔵する基板30を得た(図10(b)参照)。なお、コンデンサ220の底面と積層板30βとの間にも上記接着剤を介在させた。
【0149】
コンデンサ220は、市販のチップコンデンサ(村田製作所社製、GPM33)の第1電極および第2電極22の上面には金属層を形成せず露出させておき、金属層226の表面に、下記の無電解めっき液を用いためっき処理を施すことにより、平均粗度(Rj)=1.0〜2.0μmの粗面を形成したものを用いた(図1(c)参照)。
【0150】
無電解めっき液としては、硫酸銅(8g/l)、硫酸ニッケル(0.6g/l)、クエン酸(15g/l)、次亜リン酸ナトリウム(29g/l)、ホウ酸(31g/l)および界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)(0.1g/l)を含むpH=9の無電解めっき液を使用した。
【0151】
(3)次に、コンデンサ220を内蔵した基板30の上下に樹脂フィルム40αを積層してプレスし、その後、加熱硬化処理を施し、コンデンサ220を内蔵した基板の両面に樹脂フィルムの硬化層40βを形成した(図10(c)および(d)参照)。
なお、樹脂フィルム40αとしては、熱硬化性シクロオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムを使用した。
【0152】
(4)次に、樹脂フィルムの硬化層40βを形成した基板30に、ドリル加工により、直径300μmのスルーホール用貫通孔33を形成した(図11(a)参照)。
【0153】
続いて、樹脂フィルムの硬化層40β上に、貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、ドップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、2ショットの条件で樹脂フィルムの硬化層40βに、直径60μmのバイアホール用開口43を形成し、層間樹脂絶縁層40とした(図11(b)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行った。
【0154】
(5)次に、日本真空技術株式会社製のSV−4540を用いてプラズマ処理を行い、層間樹脂絶縁層40の表面に粗化面(図示せず)を形成した。この際、不活性ガスとしは、アルゴンガスを使用し、電力200W、ガス圧0.6Pa、温度70℃の条件で2分間プラズマ処理を実施した。
【0155】
(6)次に、同じ装置を用い、内部アルゴンガスを使用した後、Ni−Cu合金をターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で行い、Ni−Cu合金からなる厚さ0.2μmの薄膜導体層44を層間樹脂絶縁層40および貫通孔33の表面に形成した(図11(c)参照)。
【0156】
(7)次に、市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき44に張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト51を設けた(図12(a)参照)。
さらに、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、めっきレジスト非形成部に電解銅めっき層45を形成した(図12(b)参照)。
【0157】
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 1.95 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0158】
(8)次に、めっきレジスト51を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト51下の無電解めっき層44を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチングして除去し、層間樹脂絶縁層40に導体回路48とバイアホール46を、基板30にスルーホール36を形成した(図12(c)参照)。
【0159】
(9)次に、導体回路48、バイアホール46およびスルーホール36の表面を、有機酸塩と第二銅錯体とからなるエッチング液を用いて、エッチング処理することにより、該表面に粗化面(図示せず)を形成した。
さらに、導体回路48等を形成した基板を、800g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に3分間浸漬して、導体回路非形成部分に位置する導体回路間の層間樹脂絶縁層40の表面を1μmエッチングし、その表面に残存するパラジウム触媒を除去した。
【0160】
さらに、スルホール36内にスキージを用いて樹脂充填剤を充填し、100℃で20分間乾燥させることにより、樹脂充填剤層38を形成した。
なお、樹脂充填剤としては、実施例1で用いた樹脂充填剤と同様のものを用いた。
【0161】
その後、基板の両面に樹脂フィルム60αを張り付けた。なお、樹脂フィルム60αとしては、樹脂フィルム40αと同様のものを用いた。
【0162】
(10)上記(4)〜(8)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路68(バイアホール66を含む)を形成し、その後、導体回路66の表面をエッチング処理することにより、粗化面(図示せず)を形成することにより、最外層に導体回路の形成された多層配線板を得た。
【0163】
(11)実施例1の(11)〜(14)と同様にして、コンデンサ220を内蔵し、半田バンプ76を有する多層プリント配線板110を得た(図9参照)。
【0164】
(実施例5)
(1)コンデンサを内蔵するための貫通孔37を形成したビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂板30αを出発材料とした(図14(a)参照)。
【0165】
(2)次に、積層板30αに形成した貫通孔に、接着剤(熱硬化性樹脂)を介在させてコンデンサ320を取り付け、コンデンサ320を内蔵する基板30を得た(図14(b)参照)。
コンデンサ320としては、製造時に誘電体の表面に平均粗度(Rj)=0.5〜1.0μmの粗面を形成したものを用いた(図1(d)参照)。
【0166】
(3)次に、コンデンサ320を内蔵した基板30の上下に樹脂フィルム40αを積層してプレスし、その後、加熱硬化処理を施し、コンデンサ220を内蔵した基板の両面に樹脂フィルムの硬化層40βを形成した(図14(c)および(d)参照)。
なお、樹脂フィルム40αとしては、熱硬化性シクロオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムを使用した。
【0167】
(4)以下、実施例4の(4)〜(11)と同様の方法を用いて、コンデンサ320を内蔵し、半田バンプ76を有する多層プリント配線板210を得た(図13参照)。
なお、実施例4では、コンデンサ220の第1、第2電極21、22の上面のみをバイアホールと接続するように、多層プリント配線板を製造したが、本実施例では、コンデンサ320の第1、第2電極21、22と上面と下面のそれぞれをバイアホールと接続するように多層プリント配線板を製造した。
【0168】
実施例1〜5で得られた多層プリント配線板について、下記の条件でヒートサイクル試験を行った後、下記の評価方法により、コンデンサと接着剤と間での剥離の発生の有無、接着剤中でのクラックの発生の有無、短絡または断線の発生の有無、層間樹脂絶縁層の膨れの有無を評価した。結果を表1に示した。
【0169】
ヒートサイクル試験
得られた多層プリント配線板を、130℃の雰囲気下に3分間維持した後、−65℃の雰囲気下に3分間維持するサイクルを、1000回および2000回繰り返した。
【0170】
評価方法
(1)コンデンサと接着剤との間での剥離の発生の有無
多層プリント配線板をカッターで切断し、切断した断面を顕微鏡で観察した。なお、ここでは、コンデンサを切断するように、多層プリント配線板を切断した。
(2)接着剤中でのクラックの発生の有無
上記(1)と同様にして多層プリント配線板を切断し、その断面を顕微鏡で観察した。
【0171】
(3)短絡または断線の発生の有無
多層プリント配線板にICチップを実装した後、導通試験を行い、モニターに表示される結果から導通状態を評価した。
(4)層間樹脂絶縁層の膨れの有無
上記(1)と同様にして多層プリント配線板を切断し、その断面を顕微鏡で観察した。
(5)信頼性試験前後における静電容量の測定
ピコアンメータを用い、上記信頼性試験の前後において、コンデンサの静電容量を測定した。その結果を下記の表2に示した。
【0172】
【表1】
Figure 0004641589
【0173】
【表2】
Figure 0004641589
【0174】
表1に示したように、実施例1〜5で得られた多層プリント配線板について、1000サイクルのヒートサイクル試験を行った場合、コンデンサと接着剤と間での剥離は発生しておらず、接着剤中にもクラックは発生していなかった。
また、短絡や断線、層間樹脂絶縁層の膨れも発生していなかった。
【0175】
また、2000サイクルのヒートサイクル試験を行った場合には、実施例1、3、4および5で得られた多層プリント配線板では、粗面を形成していない部分の一部で、コンデンサと接着剤と間での剥離が発生しており、接着剤中にもわずかにクラックが発生していたが、製品に影響を与える程のものではなく、短絡や断線、層間樹脂絶縁層の膨れは発生していなかった。
また、実施例2で得られた多層プリント配線板では、コンデンサと接着剤と間での剥離は発生しておらず、接着剤中にもクラックは発生していなかった。
また、この場合でも、短絡や断線、層間樹脂絶縁層の膨れも発生していなかった。
【0176】
さらに、表2に示したように、実施例1〜5で基板に埋設したコンデンサは、信頼性試験の前後で静電容量に変化が少なく、導体回路−コンデンサの間においても、電気的接続による影響が殆どない。
【0177】
【発明の効果】
以説明したように、本発明のコンデンサは、その表面の少なくとも一部に粗面が形成されているため、多層プリント配線板の基板に接着剤を介して内蔵された場合に、該接着剤との密着性に高く、コンデンサと接着剤との間で剥離が発生したり、該接着剤にクラックが発生したりすることがなく、多層プリント配線板に内蔵するコンデンサとして好適である。
【0178】
また、本発明の多層プリント配線板は、コンデンサが内蔵されているため、ICチップとコンデンサとの距離が短く、高周波数で駆動するICチップを実装した場合でもループインダクタンスが充分低い。
さらに、内蔵されるコンデンサは、表面の少なくとも一部に粗面が形成された本発明のコンデンサであるため、コンデンサと接着剤との間で剥離が発生したり、該接着剤にクラックが発生したりすることがない。そのため、上記多層プリント配線板は、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層に膨れが生じたりすることがなく、電気的接続性、信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)は、本発明のカーボンの一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】図2に示す多層プリント配線板にICチップを実装し、ドータボードに取り付けた状態を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の多層プリント配線板の別の一例を模式的に示す断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明の多層プリント配線板の更に別の一例を模式的に示す断面図である。
【図14】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図15】(a)、(b)は、従来の多層プリント配線板のループインダクタンスの説明図であり、(c)は、本発明の多層プリント配線板のループインダクタンスの説明図である。
【符号の説明】
10、110、210 多層プリント配線板
20、120、220、320 コンデンサ
21 第1電極
22 第2電極
23 誘電体
24 第1導電膜
25 第2導電膜
26、226、326 金属層
27、227、327 粗面
30 基板
40、60 層間樹脂絶縁層
46、66 バイアホール
48、68 導体回路
70 ソルダーレジスト層
76 半田バンプ
90 ICチップ

Claims (4)

  1. キャビティにコンデンサが内蔵または収納されている基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、前記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板であって、
    前記コンデンサは、その表面の少なくとも一部に粗面が形成されており、
    前記基板は、キャビティを穿設した基板であり、
    前記コンデンサの前記粗面は、前記基板に形成されたキャビティの内壁面に接着されていることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 前記粗面の平均粗度(Rj)は、0.01〜5μmである請求項1に記載の多層プリント配線板。
  3. 前記粗面は、エンボス加工、研磨処理、酸や酸化剤等による処理、めっき処理、酸化還元処理、エッチング処理のいずれかにより形成されている請求項1または2に記載の多層プリント配線板。
  4. コンデンサの前記粗面は、接着剤を介して前記キャビティの内壁面に接着されている請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線板。
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