JP2002204074A - 多層プリント配線板 - Google Patents

多層プリント配線板

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JP2002204074A
JP2002204074A JP2000400648A JP2000400648A JP2002204074A JP 2002204074 A JP2002204074 A JP 2002204074A JP 2000400648 A JP2000400648 A JP 2000400648A JP 2000400648 A JP2000400648 A JP 2000400648A JP 2002204074 A JP2002204074 A JP 2002204074A
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layer
resin
inner layer
wiring board
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JP2000400648A
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Hiroshi Segawa
博史 瀬川
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スルーホールで定在波や反射が発生せず、且
つ、廉価に製造できる多層プリント配線板を提案する。 【解決手段】 同軸スルーホール66を備えるため、ス
ルーホールで定在波や反射が発生せず多層プリント配線
板の電気特性を高めることができる。一方、コア基板の
中央部に主として同軸スルーホール66を、外周部に主
として単軸スルーホール34を配置するため、必要とす
る電気性能を達成しながら、信頼性が低く製造コストの
高い同軸スルーホールの数を減らすことができ、信頼性
を高め、廉価に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スルーホールを
介して表裏が電気的接続をされた多層プリント配線板に
関し、特に、樹脂絶縁層と導体回路層とを交互にビルド
アップしてなる多層プリント配線板から成り、ICチッ
プなどの電子部品を載置するパッケージ基板に好適に用
い得る多層プリント配線板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】信号の高周波化に伴って、プリント配線
板の材料は、低誘電率、低誘電正接であることが求めら
れるようになってきている。そのためプリント配線板の
材料は、セラミックから樹脂へとその主流が移りつつあ
る。
【0003】係るパッケージ基板を構成する樹脂製の多
層プリント配線板は、コア基板に配線層と層間樹脂絶縁
層とを交互に積層することにより構成され、コア基板に
形成されるスルーホールにより、上層側と下層側との接
続を取る。コア基板は、1mm程度の厚みを有し、層間樹
脂絶縁層は数十μmの厚みに形成される。
【0004】ICチップの高周波化により、パッケージ
基板は、信号線での定在波や反射の低減が求められてい
る。このため、樹脂製の多層プリント配線板において
も、セラミックの積層パッケージ基板と同様に、層間の
配線をマイクロストリップライン構造及びストリップラ
イン構造にして、配線のインピーダンスなどの電気特性
を整合させることにより対応していた。
【0005】一方、配線ではなく、厚さ1mm程度のコア
基板を貫通するスルーホールで、上記ストリップライン
構造を取ることができないため、定在波や反射が発生
し、動作が不安定になり易い。このため、スルーホール
を内層スルーホールと外層スルーホールとからなる同軸
構造とする技術が、特開2000−68648号にて提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2
000−68648号では、レーザで内層スルーホール
及び外層スルーホールを穿設しているため、レーザの入
射側の開口径が大きく、反対側の開口径が小さくなり、
外層スルーホール及び内層スルーホールがテーパ状にな
っている。このため、外層スルーホールと内層スルーホ
ールとの中心が少しでもずれると、外層のスルーホール
と内層のスルーホールとの間のギャップが不均一に成り
易く、外層スルーホールと内層スルーホールとの間の絶
縁信頼性が懸念される。
【0007】更に、上述した同軸スルーホールは、製造
コストが高く、また、信頼性が低くなるという課題があ
る。
【0008】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、スルー
ホールで定在波や反射が発生せず、且つ、廉価に製造で
きる多層プリント配線板を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1は、スルーホールの形成されたコア基
板の両面に層間絶縁層と導体回路とが積層されてなる多
層プリント配線板において、前記スルーホールは、前記
コア基板の通孔の壁面に形成した外層スルーホールと、
前記外層スルーホール内に外層樹脂充填剤を施して形成
した内層スルーホールとからなる同軸スルーホールと、
内層スルーホールを備えない単軸スルーホールとからな
り、前記コア基板の中央部に主として同軸スルーホール
を、外周部に主として単軸スルーホールを配置したこと
を技術的特徴とする。
【0010】また、請求項2は、スルーホールの形成さ
れたコア基板の両面に層間絶縁層と導体回路とが積層さ
れてなる多層プリント配線板において、前記スルーホー
ルは、前記コア基板の通孔の壁面に形成した外層スルー
ホールと、前記外層スルーホール内に外層樹脂充填剤を
施して形成した内層スルーホールと、前記内層スルーホ
ールの直上にめっきにより形成された蓋めっき層と、前
記内層スルーホール内に充填した内層樹脂充填剤とから
なる同軸スルーホールと、内層スルーホールを備えない
単軸スルーホールとからなり、前記コア基板の中央部に
主として同軸スルーホールを、外周部に主として単軸ス
ルーホールを配置したことを技術的特徴とする。
【0011】請求項1、請求項2では、同軸スルーホー
ルを備えるため、スルーホールで定在波や反射が発生せ
ず多層プリント配線板の電気特性を高めることができ
る。一方、コア基板の中央部に主として同軸スルーホー
ルを、外周部に主として単軸スルーホールを配置するた
め、必要とする電気性能を達成しながら、信頼性が低く
製造コストの高い同軸スルーホールの数を減らすことが
できるため、信頼性を高めることができ、更に、廉価に
製造することができる。つまり、言い換えるとICチッ
プの直下のスルーホールとしては主として同軸スルーホ
ールを配置させて、それ以外の領域には、主として単軸
スルーホールを配置させているのである。
【0012】請求項3では、ドリルを用いて外層スルー
ホール及び内層スルーホールを形成する。つまり、ドリ
ルを用いることで、スルーホールがテーパ状になるのを
防止し、外層スルーホールと内層スルーホールとの間の
絶縁層を形成する外層樹脂充填剤の厚みを均一にでき
る。このため、外層のスルーホールと内層のスルーホー
ルとの間のでの短絡を防止でき、信頼性が向上する。
【0013】請求項4,請求項5では、外層スルーホー
ル及び内層スルーホールに充填される樹脂充填剤は、無
機粒子を10〜80vlo%配合させている。無機粒子
の配合量を10vol%以上にすることによって、樹脂充
填剤の熱膨張率と、コア基板を形成している樹脂基板の
熱膨張率と、層間樹脂絶縁層である樹脂フィルムの熱膨
張率とが整合され、ヒートサイクル条件下においても熱
収縮差による応力を発生することがない。したがって、
樹脂基板と樹脂フィルムとの境目付近で、導体部分にク
ラックが発生するのを防止して、電気的接続性、信頼性
の向上を可能にする。層間樹脂絶縁層を構成する樹脂フ
ィルムは、粗化処理によって粗化面を形成させる可溶性
の粒子が含まれるが、樹脂充填剤の無機粒子の配合量を
80vol%以下とすることで、熱膨張率の整合を取るこ
とができる。より望ましいのは、10〜70vol%であ
る。
【0014】請求項6では、内層スルーホール上に蓋め
っき層を形成して、この蓋めっき層上にバイアホールを
形成する。つまり、内層スルーホール上に導電性の蓋め
っき層を施すことによって、スルーホールの直上にバイ
アホールを形成することができるため、配線長を短縮で
き、高周波性能を向上させれる。
【0015】本発明のスルーホール充填用樹脂組成物を
構成する樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を
用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂から選ばれるい
ずれか少なくとも1種の樹脂がよい。熱可塑性樹脂とし
ては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4フ
ッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、
4フッ化エチレンパーフロロアルコキシ共重合体(PF
A)等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンス
ルフィド(PPS)、熱可塑型ポリフェニレンエーテル
(PPE)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリ
エーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフォン
(PPES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオレフ
ィン系樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1種がよ
い。
【0016】特に、スルーホールの充填に用いられる最
適樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂および
ノボラック型エポキシ樹脂から選ばれるいずれか少なく
とも1種がよい。この理由は、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂は、A型、F型などの樹脂を適宜選択することに
より、希釈溶媒を使用しなくともその粘度を調整でき、
またノボラック型エポキシ樹脂は、高強度で耐熱性や耐
薬品性に優れ、無電解めっき液のような強塩基性溶液中
でも分解せず、また熱分解しないからである。前記ビス
フェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂から
選ばれるいずれか少なくとも1種を用いることが望まし
い。なかでも、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、低
粘度で無溶剤で使用することができるため有利である。
前記ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1種を用いる
ことが望ましい。このような樹脂の中で、ノボラック型
エポキシ樹脂とビスフェノール型エポキシ樹脂を配合し
て用いる場合、その配合割合は、重量比で1/1〜1/
100 が望ましい。この理由は、粘度の著しい上昇を抑制
できる範囲だからである。また、含有される無機粒子に
は、配合量は、10〜80vol%であることがよい。さ
らに望ましいのは、20〜70vol%である。無機粒子
が凝集、分散しても前述の不具合が起きないからであ
る。含有される無機粒子には、アルミニウム化合物、カ
ルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合
物、ケイ素化合物のいずれか1種類以上が配合されてい
ることがよい。アルミニウム化合物としては、例えばア
ルミナ、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。カルシ
ウム化合物としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウ
ム、等が挙げられる。カリウム化合物としては、炭酸カ
リウム等が挙げられる。マグネシウム化合物としては、
マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウムなど
が挙げられる。ケイ素化合物としては、シリカ、ゼオラ
イトなどが挙げられる。
【0017】このような樹脂組成物に使用される硬化剤
としては、イミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤、ア
ミン系硬化剤が望ましい。硬化収縮が小さいからであ
る。硬化収縮を抑制することにより、充填材とそれを被
覆する導体層との一体化してその密着性を向上させるこ
とができる。
【0018】また、このような樹脂組成物は、必要に応
じて溶剤で希釈することができる。この溶剤としては、
NMP(ノルマルメチルピロリドン)、DMDG(ジエ
チレングリコールジメチルエーテル)、グリセリン、
水、1−又は2−又は3−のシクロヘキサノール、シク
ロヘキサノン、メチルセルソルブ、メチルセルソルブア
セテート、メタノール、エタノール、ブタノール、プロ
パノール、などがある。より望ましいのは、充填樹脂組
成物中に、溶剤が含有させないのがよい。
【0019】本発明では、充填材が充填されるスルーホ
ールの内壁導体表面に粗化層が形成されてなることが望
ましい。この理由は、充填材とスルーホールとが粗化層
を介して密着し隙間が発生しないからである。もし、充
填材とスルーホールとの間に空隙が存在すると、その直
上に電解めっきで形成される導体層は、平坦なものとな
らなかったり、空隙中の空気が熱膨張してクラックや剥
離を引き起こしたりし、また一方で、空隙に水が溜まっ
てマイグレーションやクラックの原因となったりする。
この点、粗化層が形成されているとこのような不良発生
を防止することができる。
【0020】また、本発明において、充填材を覆う導体
層の表面には、スルーホール内壁の導体表面に形成した
粗化層と同様の粗化層が形成されていることが有利であ
る。この理由は、粗化層により層間樹脂絶縁層やバイア
ホールとの密着性を改善することができるからである。
特に、導体層の側面に粗化層が形成されていると、導体
層側面と層間樹脂絶縁層との密着不足によってこれらの
界面を起点として層間樹脂絶縁層に向けて発生するクラ
ックを抑制することができる。
【0021】このようなスルーホール内壁や導体層の表
面に形成される粗化層の厚さは、0.1〜10μmがよい。
この理由は、厚すぎると層間ショートの原因となり、薄
すぎると被着体との密着力が低くなるからである。この
粗化層としては、スルーホール内壁の導体あるいは導体
層の表面を、酸化(黒化)−還元処理して形成したも
の、有機酸と第二銅錯体の混合水溶液で処理して形成し
たもの、あるいは銅−ニッケル−リン針状合金のめっき
処理にて形成したものがよい。
【0022】これらの処理のうち、酸化(黒化)−還元
処理による方法では、NaOH(20g/l)、NaClO2(50g
/l)、Na3PO4(15.0g/l)を酸化浴(黒化浴)、Na
OH(2.7g/l)、NaBH4 ( 1.0g/l)を還元浴とす
る。
【0023】また、有機酸−第二銅錯体の水溶液を用い
た処理では、スプレーやバブリングなどの酸素共存条件
下で次のように作用し、導体回路である銅などの金属箔
を溶解させる。 Cu+[Cu(II)A]n →[2Cu(I)A]n/2
n/4O2 +nAH(エアレーション)→[2Cu(I
I)A]n +n/2H2 O Aは錯化剤(キレート剤として作用)、nは配位数であ
る。
【0024】この処理で用いられる第二銅錯体は、アゾ
ール類の第二銅錯体がよい。このアゾール類の第二銅錯
体は、金属銅などを酸化するための酸化剤として作用す
る。アゾール類としては、ジアゾール、トリアゾール、
テトラゾールがよい。なかでもイミダゾール、2−メチ
ルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−ウンデシルイミダゾールなどがよい。このアゾ
ール類の第二銅錯体の含有量は、1〜15重量%がよい。
この範囲内にあれば、溶解性および安定性に優れるから
である。
【0025】また、有機酸は、酸化銅を溶解させるため
に配合させるものである。具体例としては、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリ
ル酸、クロトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸、乳
酸、リンゴ酸、スルファミン酸から選ばれるいずれか少
なくとも1種がよい。この有機酸の含有量は、 0.1〜30
重量%がよい。酸化された銅の溶解性を維持し、かつ溶
解安定性を確保するためである。なお、発生した第一銅
錯体は、酸の作用で溶解し、酸素と結合して第二銅錯体
となって、再び銅の酸化に寄与する。また、有機酸に加
えて、ホウフッ酸、塩酸、硫酸などの無機酸を添加して
もよい。
【0026】この有機酸−第二銅錯体からなるエッチン
グ液には、銅の溶解やアゾール類の酸化作用を補助する
ために、ハロゲンイオン、例えば、フッ素イオン、塩素
イオン、臭素イオンなどを加えてもよい。このハロゲン
イオンは、塩酸、塩化ナトリウムなどを添加して供給で
きる。ハロゲンイオン量は、0.01〜20重量%がよい。こ
の範囲内にあれば、形成された粗化面と層間樹脂絶縁層
との密着性に優れるからである。
【0027】この有機酸−第二銅錯体からなるエッチン
グ液は、アゾール類の第二銅錯体および有機酸(必要に
応じてハロゲンイオン)を、水に溶解して調製する。
【0028】また、銅−ニッケル−リンからなる針状合
金のめっき処理では、硫酸銅1〜40g/l、硫酸ニッケ
ル 0.1〜6.0 g/l、クエン酸10〜20g/l、次亜リン
酸塩10〜100 g/l、ホウ酸10〜40g/l、界面活性剤
0.01〜10g/lからなる液組成のめっき浴を用いること
が望ましい。
【0029】本発明では、層間樹脂絶縁層を熱硬化型樹
脂シートを用いて形成することが好適である。熱硬化型
樹脂シートには、難溶性樹脂、可溶性粒子、硬化剤、そ
の他の成分が含有されている。それぞれについて以下に
説明する。
【0030】本発明の製造方法において使用する熱硬化
型樹脂シートは、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以
下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹
脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散したものであ
る。なお、本発明で使用する「難溶性」「可溶性」とい
う語は、同一の酸または酸化剤からなる溶液に同一時間
浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上
「可溶性」と呼び、相対的に溶解速度の遅いものを便宜
上「難溶性」と呼ぶ。
【0031】上記可溶性粒子としては、例えば、酸また
は酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒
子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶
性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以
下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性
粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよ
い。
【0032】上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、
球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の
形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さ
の凹凸を有する粗化面を形成することができるからであ
る。
【0033】上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.
1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2
種類以上の異なる粒径のものを含有してもよい。すなわ
ち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均
粒径が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。
これにより、より複雑な粗化面を形成することができ、
導体回路との密着性にも優れる。なお、本発明におい
て、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分
の長さである。
【0034】上記可溶性樹脂粒子としては、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸あるい
は酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹
脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されな
い。上記可溶性樹脂粒子の具体例としては、例えば、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフ
ェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等から
なるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるもの
であってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるも
のであってもよい。
【0035】また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴム
からなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとし
ては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウ
レタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変
性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メ
タ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられ
る。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒
子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸
を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の
酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂
粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン
酸塩でも溶解することができる。また、クロム酸を用い
た場合でも、低濃度で溶解することができる。そのた
め、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述
するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を
付与する際に、触媒が付与されなたかったり、触媒が酸
化されたりすることがない。
【0036】上記可溶性無機粒子としては、例えば、ア
ルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合
物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群
より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げら
れる。
【0037】上記アルミニウム化合物としては、例え
ば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記
カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物と
しては、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム
化合物としては、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸
マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物として
は、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独
で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0038】上記可溶性金属粒子としては、例えば、
銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、
マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より
選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられ
る。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保す
るために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0039】上記可溶性粒子を、2種以上混合して用い
る場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとして
は、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両
者とも導電性が低くいため樹脂フィルムの絶縁性を確保
することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張
の調整が図りやすく、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶
縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路
との間で剥離が発生しないからである。
【0040】上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層
に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化
面の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例
えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等
が挙げられる。また、これらの樹脂に感光性を付与した
感光性樹脂であってもよい。感光性樹脂を用いることに
より、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてビア用
開口を形成することできる。これらのなかでは、熱硬化
性樹脂を含有しているものが望ましい。それにより、め
っき液あるいは種々の加熱処理によっても粗化面の形状
を保持することができるからである。
【0041】上記難溶性樹脂の具体例としては、例え
ば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン
樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに
は、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂がより望ましい。前述の粗化面を形成することが
できるばかりでなく、耐熱性等にも優れてるため、ヒー
トサイクル条件下においても、金属層に応力の集中が発
生せず、金属層の剥離などが起きにくいからである。
【0042】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基
を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、
トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れる
ものとなる。
【0043】本発明で用いる樹脂フィルムにおいて、上
記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散さ
れていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗
化面を形成することができ、樹脂フィルムにビアやスル
ーホールを形成しても、その上に形成する導体回路の金
属層の密着性を確保することができるからである。ま
た、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を含有す
る樹脂フィルムを用いてもよい。それによって、樹脂フ
ィルムの表層部以外は酸または酸化剤にさらされること
がないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁
性が確実に保たれる。
【0044】上記樹脂フィルムにおいて、難溶性樹脂中
に分散している可溶性粒子の配合量は、樹脂フィルムに
対して、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子の配合
量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化面を形
成することができない場合があり、40重量%を超える
と、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解した際
に、樹脂フィルムの深部まで溶解してしまい、樹脂フィ
ルムからなる層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁
性を維持できず、短絡の原因となる場合がある。
【0045】上記樹脂フィルムは、上記可溶性粒子、上
記難溶性樹脂以外に、硬化剤、その他の成分等を含有し
ていることが望ましい。上記硬化剤としては、例えば、
イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系
硬化剤、これらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの
硬化剤をマイクロカプセル化したもの、トリフェニルホ
スフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェ
ニルボレート等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられ
る。
【0046】上記硬化剤の含有量は、樹脂フィルムに対
して0.05〜10重量%であることが望ましい。0.
05重量%未満では、樹脂フィルムの硬化が不十分であ
るため、酸や酸化剤が樹脂フィルムに侵入する度合いが
大きくなり、樹脂フィルムの絶縁性が損なわれることが
ある。一方、10重量%を超えると、過剰な硬化剤成分
が樹脂の組成を変性させることがあり、信頼性の低下を
招いたりしてしまうことがある。
【0047】上記その他の成分としては、例えば、粗化
面の形成に影響しない無機化合物あるいは樹脂等のフィ
ラーが挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、
シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂
としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラ
ニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの
フィラーを含有させることによって、熱膨脹係数の整合
や耐熱性、耐薬品性の向上などを図りプリント配線板の
性能を向上させることができる。
【0048】また、上記樹脂フィルムは、溶剤を含有し
ていてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよ
い。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図を参照して説明する。 [第1実施形態]先ず、本発明の第1実施形態に係るパッ
ケージ基板として用いられる多層プリント配線板の構成
について、図7、図8及び図9を参照にして説明する。
図7は、本発明の第1実施形態に係るパッケージ基板1
0の断面図を示している。図8は、図7中の同軸スルー
ホール66を拡大して示す説明図である。図9は、図7
のX−X断面図である。
【0050】パッケージ基板10は、コア基板30の表
面及び裏面にビルドアップ配線層80A、ビルドアップ
配線層80Bが形成されている。ビルドアップ配線層8
0A、ビルドアップ配線層80Bは、導体回路58及び
バイアホール60の形成された層間樹脂絶縁層44と、
導体回路158及びバイアホール160の形成された層
間樹脂絶縁層144とからなる。表面側のビルドアップ
配線層80Aと裏面側のビルドアップ配線層80Bと
は、コア基板30に形成された信号線として用いられる
同軸スルーホール66と、主としてアース線・電源線と
して用いられる導通用スルーホール34とを介して接続
されている。層間樹脂絶縁層144の上にはソルダーレ
ジスト層70が形成されており、ソルダーレジスト70
の開口部71を介して、導体回路158及びバイアホー
ル160に半田バンプ76U、半田バンプ76Dが形成
されている。表面側の半田バンプ76Uは、ICチップ
90のパッド92に接続されている。一方、裏面側の半
田バンプ76Dもしくは、外部端子部品(PGA/BG
A)は、ドータボード95のパッド96に接続されてい
る。
【0051】図8に示すように、同軸スルーホール66
は、外層スルーホール36及び内層スルーホール62か
ら成る。外層スルーホール36及び内層スルーホール6
2は、上述したように表面側のビルドアップ配線層80
Aと裏面側のビルドアップ配線層80Bとを接続してい
る。外層スルーホール36は、コア基板30の貫通孔3
3の壁面に金属膜38が形成されて成る。そして、外層
スルーホール36の内側には、外層樹脂絶縁層(外層樹
脂充填剤)42が形成されている。外層樹脂絶縁層42
の内側には、内層スルーホール62が形成されている。
【0052】内層スルーホール62は、金属層50、無
電解めっき膜52、電解めっき膜56の3層からなる。
なお、2層で形成することも可能である。また、内層ス
ルーホール62の内側には、内層樹脂絶縁層(内層樹脂
充填剤)64が形成されている。信号線として用いられ
るスルーホール66を外層スルーホール36と内層スル
ーホール62とを同軸構造とすることにより、スルーホ
ール66内での定在波や反射の発生を防ぐことが可能と
なる。
【0053】図9に図7のX−X断面を示す。図9中の
Y−Yが、図7の切断端面に相当する。本実施形態で
は、コア基板30の中央部に主として同軸スルーホール
66を、外周部に主として単軸スルーホール(導通用ス
ルーホール)34を配置する。即ち、ICチップの直下
には、ICチップ−ドータボード間の距離が最短になる
ように、反射、定在波の発生を防ぎ得る同軸スルーホー
ル66を高周波数の信号線(或いは電源線)として配置
する。他方、外周部は、ICチップ−ドータボード間の
距離が遠くなるため、導通用スルーホール34を配置
し、相対的に低い周波数の信号線を配置する。このた
め、必要とする電気性能を達成しながら、信頼性が低く
製造コストの高い同軸スルーホール66の数を減らすこ
とができるので、信頼性を高めることができ、更に、廉
価に製造することが可能となる。
【0054】外層スルーホール36の内側にある外層樹
脂絶縁層42、及び、内層スルーホール62の内側にあ
る内層樹脂絶縁層64は、熱硬化性樹脂、硬化剤、無機
粒子が配合された樹脂充填剤39を充填することにより
形成される。この樹脂充填剤39は、少なくとも無機粒
子を10〜80vol%の範囲で配合させているため、外
層樹脂絶縁層42と内層樹脂絶縁層64とコア基板30
と層間絶縁層44との熱膨張率を整合させ、熱収縮によ
る応力集中を防止できる。したがって、クラックの発生
を防止して、電気的接続性、信頼性の向上を可能にす
る。
【0055】なお、後述するように第1実施形態のパッ
ケージ基板10では、ドリルを用いてコア基板20に垂
直壁を有するスルーホール用貫通孔33を形成して外層
スルーホール36を形成し、また、更に小径のドリルを
用いて内層スルーホール62を形成する。つまり、レー
ザではなく、ドリルを用いることで、外層スルーホール
36及び内層スルーホール62がテーパ状になるのを防
止し、外層スルーホール36と内層スルーホール62と
の間の絶縁層を形成する外層樹脂絶縁層(樹脂充填剤)
42の厚みを均一にする。これにより、外層のスルーホ
ール36と内層のスルーホール62との間のでの短絡を
防止し、電気的接続性、信頼性を向上させる。
【0056】特に、第1実施形態では、熱膨張率差によ
って内部でクラックが発生するのを防ぐため、外層スル
ーホール36と内層スルーホール62との間の外層樹脂
絶縁層(樹脂充填剤)42に、無機粒子を10%以上含
ませてある。このため、無機粒子を伝わってマイグレー
ションが起きやすく、短絡が発生し易いが、外層樹脂絶
縁層(樹脂充填剤)42の厚みを均一にすることで、外
層のスルーホール36と内層のスルーホール62との間
のでの短絡を防止する。
【0057】引き続き、第1実施形態に係る上記パッケ
ージ基板10の製造方法について図1〜図8を参照して
説明する。ここでは、先ず、該パッケージ基板の製造方
法に用いるA.樹脂充填剤の組成について説明する。
【0058】A.樹脂充填剤の調製 〔熱硬化性樹脂〕 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル製、
分子量310 、YL983U)100重量部。 〔硬化剤〕 イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)6.5 重量
部。 〔無機粒子〕シリカ(アドマテック製、CRS 1101−C
E、ここで、使用するシリカは表面にシランカップリン
グ剤がコーティングされた平均粒径 1.6μmのSiO2
球状粒子、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターン
の厚み(15μm)以下とする) 170重量部。第1実施形
態では、樹脂充填剤に添加する無機粒子は、上述したよ
うに10〜80vol%、ここでは、50vol%にする。上
記ビスフェノールF型エポキシモノマー、イミダゾール
硬化剤、シリカにレベリング剤(サンノプコ製、ペレノ
ールS4)1.5 重量部を攪拌混合することにより、その
混合物の粘度を23±1℃で5〜30Pa.Sに調整す
る。第1実施形態では、粘度5Pa.Sに調整して得た
ものを用いる。
【0059】パッケージ基板の製造 (1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂からなる基板30
の両面に12μmの銅箔31がラミネートされている銅
張積層板30Aを出発材料とする(図1(A))。な
お、FR4、FR5、ガラスエポキシ樹脂などの補強材
が含浸された基材などを用いることができる。予め多層
にしたコア基板を用いてもよい。
【0060】(2)この銅張積層板30Aをドリルで削
孔し、直径300μmの導通用スルーホール貫通孔32
と直径350μmの外層スルーホール用貫通孔33を形
成する(図1(B))。レーザを用いて削孔してもよい
が、テーパとなるのを防ぐためドリルを用いるのが好適
である。本実施形態では、同軸スルーホールと通常のス
ルーホールとを混在させているため、それぞれを別々の
ドリルを用いて形成する。外層スルーホール用貫通孔3
3の開口径は、200〜400μmで形成するのがよ
い。特に望ましいのは、250〜350μmである。ま
た、導通用スルーホール用貫通孔32の開口径は、50
〜400μmで形成するのがよい。
【0061】(3)続いて、基板30に無電解銅めっき
処理を施し、導通用スルーホール34及び外層スルーホ
ール36を形成する(図1(C))。さらに、銅箔31
にテンティング法やセミアディティブ法を用いて、基板
30の両面に内層銅パターン(金属膜)38を形成する
(図1(D))。
【0062】(4)内層銅パターン(金属膜)38およ
び導通用スルーホール34、外層スルーホール36を形
成した基板30を水洗いし、乾燥させる。その後、酸化
浴(黒化浴)として、NaOH(20g/l),NaClO
2 (50g/l),Na3PO4(15g/l)、還元浴と
して、NaOH(2.7g/l),NaBH4 (1.0g/
l)を用いた酸化−還元処理により、内層銅パターン
(金属膜)38および導通用スルーホール34、外層ス
ルーホール36の表面に粗化層34α、粗化層36α、
粗化層38αを設ける。(図1(E))めっき、エッチ
ング処理などによって、粗化層を形成してもよい。
【0063】(5)導通用スルーホール34及び外層ス
ルーホール36に、上記Aで調整した樹脂充填剤39を
印刷で充填させる(図2(A))。導通用スルーホール
34及び外層スルーホール36に上記Aで調整した樹脂
充填剤39を充填することで、クラックの発生を防止し
て、電気的接続性、信頼性を向上させる。ここで、従来
の充填剤(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、もしくはその
樹脂複合体)をベースにして、有機樹脂フィラー、無機
フィラー、金属フィラーなどを配合してコア基板と内層
充填剤との熱膨張の整合を行ってもよい。この際、フィ
ラーの配合量は、10〜80vol%であることが望ま
しい。80℃で30分、充填剤を半硬化した。半硬化し
たのは、研磨し易くするためである。
【0064】(6)上記(5)の処理を終えた基板30
の片面をベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベル
トサンダー研磨により、下層導体回路(内層銅パター
ン)38の表面や導通用スルーホール34のランド34
a、外層スルーホール36のランド36a表面に樹脂充
填剤39が残らないように研磨を行う。ついで、上記ベ
ルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を
行う。この工程を基板の他方の面についても同様に行
う。そして、充填した樹脂充填剤39を加熱硬化させ
て、導通用スルーホール34内に樹脂絶縁層40を、外
層スルーホール36内に外層樹脂絶縁層42を形成する
(図2(B))。なお、バフ研磨のみで行ってもよい。
【0065】(7)次に、上記(6)の処理を終えた基
板30の両面に、上記(4)と同様に一旦平坦化された
下層導体回路38の表面と導通用スルーホール34及び
外層スルーホール36のランド34a、ランド36a表
面とをエッチングを施すことにより、下層導体回路38
の表面及びランド34a、ランド36a表面に粗化面3
4β、粗化面36β、粗化面38βを形成する(図2
(C))。エッチング液としては、第二銅さく体と有機
酸塩からなるものがある。無電解めっきや酸化還元処理
を用いて粗化面を形成することもできる。
【0066】(8)上記(7)工程を終えた基板30の
両面に、厚さ50μmの可溶性フィラーを含む熱硬化型
樹脂シートを温度50〜150℃まで昇温しながら圧力
5kg/cm2で真空圧着ラミネートし、層間樹脂絶縁
層44を設ける(図2(D))。層間樹脂絶縁層として
は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂からなる樹脂あるい
は、それらに感光性を有する基を置換した樹脂でもよ
い。具体例として、エポキシ樹脂、ポリフェノール樹
脂、ポリイミド樹脂等のプリント配線板に使用されてい
る樹脂がある。また、高周波領域において低誘電率であ
る樹脂を用いてもよい。樹脂の真空圧着時の真空度は、
10mmHgである。なお、ここでは樹脂フィルムを貼
り付けて層間絶縁層を形成したが、印刷機を用いて、樹
脂を塗布することにより層間絶縁層を形成してもよい。
【0067】(9)次に、層間樹脂絶縁層44にバイア
ホールとなる開口46を形成する(図3(A))。ここ
では、炭酸(CO2)ガスレーザにて、ビーム径5m
m、パルス幅15μ秒、マスクの穴径0.8mm、1シ
ョットの条件で層間樹脂絶縁層44に直径80μmのバ
イアホール用開口46を設ける。
【0068】(10)径60〜200μmのドリルを用
いて、コア基板30に形成された外層スルーホール36
の外層樹脂絶縁層42及び層間樹脂絶縁層44を貫通す
る内層スルーホール用貫通孔48を形成する(図3
(B))。第1実施形態では、先端にダイヤモンドチッ
プを取り付けた145μm径のドリルを毎分16回転さ
せ、150μm径の貫通孔48を穿設する。必要に応じ
て、内層スルーホール用貫通孔48内のスミアを過マン
ガン酸などのウェットプロセスあるいはプラズマ、コロ
ナ処理などのドライエッチング処理で除去する。内径1
50μmの内層スルーホールを形成した。内層スルーホ
ール用貫通孔48の径は、75〜200μmで形成され
るのがよい。特に望ましいのは、100〜150μmで
ある。第1実施形態では、ドリルを用いて垂直壁を有す
るスルーホール用貫通孔48を形成するため、レーザと
異なり内層スルーホールの形状がテーパ状になるのを防
止できる。したがって、後述する工程で形成される内層
スルーホールと外層スルーホールとの間で短絡の発生を
防ぐことができる。
【0069】(11)次に、クロム酸、過マンガン酸塩
などの酸化剤等に浸漬させることによって、層間樹脂絶
縁層44の粗化面44αを設ける(図3(C)参照)。
該粗化面44αは、0.1〜5μmの範囲で形成される
ことがよい。その一例として、過マンガン酸ナトリウム
溶液50g/l、温度60℃中に5〜25分間浸漬させ
ることによって、2〜3μmの粗化面44αを設ける。
上記以外には、層間樹脂絶縁層44にプラズマ処理を行
い、層間樹脂絶縁層44の表層を粗化し、粗化層44α
を形成する。この際には、不活性ガスとしてアルゴンガ
スを使用し、電力200W、ガス圧0.6Pa、温度7
0℃の条件で(プラズマ装置日本真空技術株式会社製
SV−4540)、2分間プラズマ処理を実施する。
【0070】(12)層間樹脂絶縁層44の表層および
内層スルーホール用貫通孔48にスパッタリングでCu
(又はNi、P、Pd、Co、W)の合金をターゲット
した金属層50を形成する(図3(D))。形成条件と
して、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時
間5分(プラズマ装置日本真空技術株式会社製 SV−
4540)で実施する。これにより、層間樹脂絶縁層4
4の表層と内層スルーホール用貫通孔48に合金層を形
成させることができる。このときの金属層50の厚み
は、0.2μmである。金属層50の厚みとしては、
0.1〜2μmがよい。スパッタ以外には、蒸着、スパ
ッタなどを行わないで、めっき層を形成させてもよい。
あるいは、これらの複合体でもよい。
【0071】めっきの一例を説明する。基板30をコン
ディショニングし、アルカリ触媒液中で触媒付与を5分
間行う。基板30を活性化処理し、ロッシェル塩タイプ
の化学銅めっき浴で厚さ0.6μmの無電解めっき膜5
2を付ける(図4(A))。 化学銅メッキのメッキ条件: CuSO4 ・5H2O 10g/l HCHO 8g/l NaOH 5g/l ロッシェル塩 45g/l 添加剤 30ml/l 温度 30℃メッキ 時間 18分
【0072】(13)金属膜52上に、厚さ25μmの
感光性フィルム(ドライフィルム)を貼り付けて、マス
クを載置して、100 mJ/cmで露光、0.8 %炭酸ナト
リウムで現像処理し、めっきレジスト54を設ける(図
4(B))。
【0073】(14)無電解めっき膜52上のめっきレ
ジスト54の非形成部に下記条件で電解めっきを施し、
電解めっき膜56を形成する(図4(C))。電解めっ
き膜56の厚みとしては、5〜20μmがよい。 電解めっきのめっき条件 CuSO4 ・5H2O 140g/l H2SO4 120g/l Cl- 50mg/l 添加剤 300mg/l スルホン酸アミン 100mg/l 温度 25℃ 電流密度 0,8A/dm2 メッキ時間 30分 膜厚 18μm
【0074】(15)次いで、50℃、40g/lのN
aOH水溶液中でめっきレジスト54を剥離除去する。
その後、硫酸―過酸化水素水溶液を用い、エッチングに
より、めっきレジスト54下の金属層50及び無電解め
っき膜52を除去して、層間樹脂絶縁層44上に導体回
路58(バイアホール60を含む)を形成し、外層スル
ーホール36内に内層スルーホール62を形成する。そ
の後、導体回路58、バイアホール60及び内層スルー
ホール62の表面に粗化処理を施す(図4(D))。
【0075】(16)次に、前述(4)〜(6)の工程
と同様に、内層スルーホール62内にも上記Aで調整し
た樹脂充填剤を充填する。その後、樹脂充填剤39を研
磨する。研磨は、片面をバフ等の研磨材入りの不織布を
用いて、内層層スルーホール62のランド62a表面に
樹脂充填剤が残らないように研磨を行う。この工程を基
板の他方の面についても同様に行う。そして、充填した
樹脂充填剤39を加熱硬化させて、内層スルーホール6
2内に内層樹脂絶縁層64を形成する(図5(A))。
これにより、外層スルーホール36及び内層スルーホー
ル62から成る同軸スルーホール66を形成する。第1
実施形態では、樹脂充填剤39への無機粒子の配合量を
70vol%以下にしてあるため、ベルトサンダー研磨な
どの機械研磨を行わずに容易に研磨を行うことができ、
層間絶縁層44を傷つけることなく、また、層間絶縁層
44の粗化面を失うことなく研磨することが可能にな
る。
【0076】ここでは、樹脂充填剤39を充填すること
によって内層スルーホール62を形成したが、印刷によ
って形成することもできる。なお、従来の充填剤(熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂、もしくはその樹脂複合体)を
ベースにして、有機樹脂フィラー、無機フィラーなどを
配合して層間絶縁層と外層充填剤との熱膨張の整合を行
ってもよい。この際、配合量は、10〜80vol%、粘
度は、5〜50Pa.Sであることが望ましい。また、
上記Aで整合した樹脂充填剤39によって、外層樹脂絶
縁層42と内層樹脂絶縁層64とコア基板30と層間絶
縁層44との熱膨張率を整合して、熱収縮による応力集
中を防止できる。したがって、クラックの発生を防止し
て、電気的接続性、信頼性の向上を可能にする。
【0077】(17)その後、上層に層間樹脂絶縁層1
44を形成し、前述(9)〜(16)の工程を経て、導
体回路158(スルーホール160を含む)を形成し、
6層からなるパッケージ基板を得る(図5(B))。
【0078】(18)一方、DMDGに溶解させた60重
量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオ
リゴマー(分子量4000)を 46.67g、メチルエチルケト
ンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ
樹脂(油化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ−C
N)16g、感光性モノマーである多価アクリルモノマー
(日本化薬製、R604 )3g、同じく多価アクリルモノ
マー(共栄社化学製、DPE6A ) 1.5g、に分散系消泡剤
(サンノプコ社製、S−65)0.71gを混合し、さらにこ
の混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関
東化学製)を2g、光増感剤としてのミヒラーケトン
(関東化学製)を 0.2g加えて、粘度を25℃で 2.0Pa・
sに調整したソルダーレジスト組成物を得る。なお、粘
度測定は、B型粘度計(東京計器、 DVL-B型)で 60rpm
の場合はローターNo.4、6rpm の場合はローターNo.3に
よる。
【0079】(19)前述(18)で得られたパッケー
ジ基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μm
の厚さで塗布する。次いで、70℃で20分間、70℃で30分
間の乾燥処理を行った後、円パターン(マスクパター
ン)が描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルムを密
着させて載置し、1000mJ/cmの紫外線で露光し、DM
TG現像処理する。そしてさらに、80℃で1時間、 100℃
で1時間、 120℃で1時間、 150℃で3時間の条件で加
熱処理し、半田パッド部分(バイアホールとそのランド
部分を含む)に開口部71を有するソルダーレジスト層
70(厚み20μm)を形成する(図5(C))。ICチ
ップ接続の半田バンプを形成させる半田パッドは、開口
径100〜170μmで開口させるのがよい。また外部
端子接続のためBGA/PGAを配設させる半田パッド
は開口径300〜650μmで開口させるのがよい。
【0080】(20)その後、塩化ニッケル2.3 ×10
−1mol/l、次亜リン酸ナトリウム2.8 ×10−1
ol/l、クエン酸ナトリウム1.6 ×10−1mol/
l、からなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液
に、20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケ
ルめっき層72を形成する。その後、表層には、シアン
化金カリウム7.6 ×10−3mol/l、塩化アンモニウ
ム1.9 ×10−1mol/l、クエン酸ナトリウム1.2 ×
10−1mol/l、次亜リン酸ナトリウム1.7 ×10−1
mol/lからなる無電解金めっき液に80℃の条件で
7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に厚さ0.
03μmの金めっき層74を形成する(図5(D))。
【0081】(21)そして、ソルダーレジスト層70
の開口部71に、ICチップ側には低融点金属として半
田ペーストを印刷して230℃でリフローすることによ
り、半田バンプ(半田体)76U、半田バンプ(半田
体)76Dを形成し、パッケージ基板10を完成する
(図6参照)。
【0082】完成したパッケージ基板10の半田バンプ
76Uに、ICチップ90のパッド92が対応するよう
に載置し、リフローを行いICチップ90を搭載する。
このICチップ90を搭載したパッケージ基板10を、
ドータボード95側のパッド96に対応するように載置
してリフローを行い、ドータボード95へ取り付ける
(図7参照)。これにより、BGAが配設され、外層ス
ルーホールと内層スルーホールとを同軸構造としたスル
ーホール66を有するパッケージ基板10を得ることが
できる。
【0083】パッケージ基板10のスルーホール66を
充填している樹脂充填剤39に無機粒子を10〜80%
配合することによって、熱収縮による応力の発生を防止
できる。したがって、導体部分にクラックが発生するの
を防止できるため、電気的接続性、信頼性の向上を可能
にする。
【0084】本発明の第1実施形態に係るパッケージ基
板10の製造方法について、BGAを配設した場合を例
示したが、図10に示すようにPGAを配設してもよ
い。PGAを配設した場合も(1)〜(21)までの工
程は同様である。それ以降の工程について説明する。ま
ず、基板の下面側(ドータボード、マザーボードとの接
続面)となる開口部71内に導電性接着剤78として半
田ペーストを印刷する。次に、導電性接続ピン97を適
当なピン保持装置に取り付けて支持し、導電性接続ピン
97の固定部97Aを開口部71内の導電性接着剤78
に当接させる。そしてリフローを行い、導電性接続ピン
97を導電性接着剤78に固定する。また、導電性接続
ピン97の取り付け方法としては、導電性接着剤78を
ボール状等に形成したものを開口部71内に入れる、あ
るいは、固定部97Aに導電性接着剤78を接合させて
導電性接続ピン97を取り付け、その後にリフローさせ
てもよい。なお、上面の開口部71には、半田バンプ7
6を設ける。これにより、PGAが配設され、外層スル
ーホールと内層スルーホールとを同軸構造としたスルー
ホール66を有するパッケージ基板10を得ることがで
きる。
【0085】[第2実施形態]第2実施形態に係るパッケ
ージ基板の構成を図12に示し、図13中に図12中の
同軸スルーホール66を拡大して示す。第2実施形態の
パッケージ基板10は、第1実施形態とほぼ同様であ
る。但し、第2実施形態では、内層スルーホール62の
真上に蓋めっき層94を形成し、蓋めっき層94を介し
て内層スルーホール62と上層のバイアホール160と
を接続をしている。蓋めっき層94を介在させること
で、内層スルーホール62と上層のバイアホール160
との接続性が向上する。そして、蓋めっき層94によっ
て、内層スルーホール62の直上にバイアホール160
を配設できるため、配線長を短縮できる。なお、第2実
施形態の外層樹脂絶縁層42及び内層樹脂絶縁層64に
は、第1実施形態と同様に無機粒子が10〜80vol%
含有させてある。
【0086】ここで、第2実施形態のパッケージ基板の
製造工程について説明する。なお、蓋めっき層94を配
設した場合も(1)〜(16)までの製造工程は第1実
施形態と同様である。それ以降の製造工程を図11を参
照して説明する。
【0087】(17)基板に無電解めっき用触媒を付与
した後、無電解めっきを施し、無電解めっき膜68を形
成する(図11(A))。第2実施形態では、内層スル
ーホール62内に充填される樹脂充填剤39の無機粒子
を80vol%以下にしてあるため、触媒の付与量の低下
や無電解めっき膜の反応停止を防止して、無電解めっき
膜68を適正に析出させることができる。
【0088】(18)次いで、基板に所定パターンのめ
っきレジスト67を形成した後、電解めっきを施して、
電解めっき膜69を形成する(図11(B))。その
後、めっきレジスト67を剥離後、めっきレジスト67
下の無電解めっき膜68をライトエッチングで除くこと
により、内層スルーホール62上に無電解めっき膜68
及び電解めっき膜69からなる蓋めっき層94を形成す
る(図11(C))。
【0089】(19)その後、上層に層間樹脂絶縁層1
44を形成し、第1実施形態で前述した(9)〜(1
6)の工程を経て、導体回路158(スルーホール16
0を含む)を形成し、6層からなるパッケージ基板を得
る(図11(D))。なお、以後の製造工程は、第1実
施形態の(18)〜(21)と同様であるため、説明を
省略する。第2実施形態では、内層樹脂充填剤64の無
機粒子を80vol%以下にすることによって、蓋めっき
形成の際の触媒の付与量の低下や、無電解めっき膜の反
応停止を防ぐことができ、蓋めっきを適正に形成するこ
とで、電気的接続性、信頼性の向上を可能にする。
【0090】[第3実施形態]第3実施形態に係るパッケ
ージ基板の構成を図14に示し、図15に図14中の同
軸スルーホール66を拡大して示す。第3実施形態のパ
ッケージ基板は、第1実施形態とほぼ同様である。但
し、第1実施形態では、内層スルーホール66内に内層
樹脂絶縁層(樹脂充填剤)64が充填された。これに対
して、第3実施形態では、内層スルーホール66が銅め
っきにより全て充填されている。
【0091】この第3実施形態の構成では、小径の内層
スルーホール内で断線の生じる可能性を低下させること
ができる。
【0092】なお、上述した第1〜第3実施形態では、
スルーホール66を同軸としたが、スルーホール66の
外層スルーホール36と内層スルーホール66とを別々
の信号線として用いることも可能である。この場合に
は、コア基板の配線密度を高めることができる。また、
上述した第1〜第3実施形態では、外層スルーホール3
6と内層スルーホール66により同軸構造としたが、外
層スルーホール36と内層スルーホール66との間の外
層樹脂充填剤として、高誘電率の樹脂を配設することで
コンデンサとして用いることも可能である。
【0093】
【発明の効果】以上記述したように本発明では、同軸ス
ルーホールを備えるため、スルーホールで定在波や反射
が発生せず多層プリント配線板の電気特性を高めること
ができる。一方、コア基板の中央部に主として同軸スル
ーホールを、外周部に主として単軸スルーホールを配置
するため、必要とする電気性能を達成しながら、信頼性
が低く製造コストの高い同軸スルーホールの数を減らす
ことができるため、信頼性を高めることができ、更に、
廉価に製造することができる。
【0094】ICチップのバンプ径が狭ピッチになると
引き出される配線も狭ピッチになるために、上記のよう
な構成を取ることで、適切に配線を形成することを可能
にする。
【0095】特に、本発明では、ドリルを用いて垂直壁
を有するスルーホール用貫通孔を形成することで、スル
ーホールがテーパ状になるのを防止し、外層スルーホー
ルと内層スルーホールとの間の絶縁層を形成する外層樹
脂充填剤の厚みを均一にできる。このため、外層のスル
ーホールと内層のスルーホールとの間のでの短絡を防止
でき、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、
本発明の第1実施形態に係るパッケージ基板の製造工程
図である。
【図2】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の
第1実施形態に係るパッケージ基板の製造工程図であ
る。
【図3】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の
第1実施形態に係るパッケージ基板の製造工程図であ
る。
【図4】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の
第1実施形態に係るパッケージ基板の製造工程図であ
る。
【図5】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の
第1実施形態に係るパッケージ基板の製造工程図であ
る。
【図6】本発明の第1実施形態に係るパッケージ基板の
断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るパッケージ基板に
ICチップを搭載し、ドータボードに取り付けた状態を
示す断面図である。
【図8】図7中の同軸スルーホールの構成を拡大して示
す説明図である。
【図9】図7に示すパッケージ基板のX−X断面図であ
る。
【図10】本発明の第1実施形態の改変例に係るパッケ
ージ基板の断面図である。
【図11】(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明
の第2実施形態に係るパッケージ基板の製造工程図であ
る。
【図12】本発明の第2実施形態に係るパッケージ基板
の断面図である。
【図13】図12中の同軸スルーホールの構成を拡大し
て示す説明図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係るパッケージ基板
の断面図である。
【図15】図14中の同軸スルーホールの構成を拡大し
て示す説明図である。
【符号の説明】
30 コア基板 34 導通用スルーホール(単軸スルーホール) 36 外層スルーホール 38 内層銅パターン 39 樹脂充填剤 40 樹脂絶縁層 42 外層樹脂絶縁層 44 層間樹脂絶縁層 48 内層スルーホール用貫通孔 50 金属層 52 無電解めっき膜 56 電解めっき膜 58 導体回路 60 バイアホール 62 内層スルーホール 64 内層樹脂絶縁層 66 同軸スルーホール 70 ソルダーレジスト層 71 開口部 72 ニッケルめっき層 74 金めっき層 76U、76D 半田バンプ 78 導電性接着剤 80A、80B ビルドアップ配線層 90 ICチップ 92 固定部 94 蓋めっき層 97 導電性接続ピン 144 層間樹脂絶縁層 158 導体回路 160 バイアホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E314 AA25 AA42 FF05 FF08 FF19 GG24 5E317 AA24 BB02 BB12 CC32 CC33 CC53 CD32 GG16 5E346 AA41 CC04 CC09 CC10 CC13 CC32 DD12 DD33 EE31 EE39 FF01 FF07 FF15 FF45 GG15 HH33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルーホールの形成されたコア基板の両
    面に層間絶縁層と導体回路とが積層されてなる多層プリ
    ント配線板において、 前記スルーホールは、 前記コア基板の通孔の壁面に形成した外層スルーホール
    と、前記外層スルーホール内に外層樹脂充填剤を施して
    形成した内層スルーホールとからなる同軸スルーホール
    と、 内層スルーホールを備えない単軸スルーホールとからな
    り、 前記コア基板の中央部に主として同軸スルーホールを、
    外周部に主として単軸スルーホールを配置したことを特
    徴とする多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 スルーホールの形成されたコア基板の両
    面に層間絶縁層と導体回路とが積層されてなる多層プリ
    ント配線板において、 前記スルーホールは、 前記コア基板の通孔の壁面に形成した外層スルーホール
    と、前記外層スルーホール内に外層樹脂充填剤を施して
    形成した内層スルーホールと、前記内層スルーホールの
    直上にめっきにより形成された蓋めっき層と、前記内層
    スルーホール内に充填した内層樹脂充填剤とからなる同
    軸スルーホールと、 内層スルーホールを備えない単軸スルーホールとからな
    り、 前記コア基板の中央部に主として同軸スルーホールを、
    外周部に主として単軸スルーホールを配置したことを特
    徴とする多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 前記内層スルーホール及び外層スルーホ
    ールがドリルにより穿設された貫通孔に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の多層プリント
    配線板。
  4. 【請求項4】 前記内層スルーホール内に内層樹脂充填
    剤が充填され、 前記外層樹脂充填剤及び前記内層樹脂充填剤には、少な
    くとも熱硬化性樹脂と硬化剤と10〜80vol%の無機
    粒子とが配合されていることを特徴とする請求項1の多
    層プリント配線板。
  5. 【請求項5】 前記外層樹脂充填剤及び前記内層樹脂充
    填剤には、少なくとも熱硬化性樹脂と硬化剤と10〜8
    0vol%の無機粒子とが配合されていることを特徴とす
    る請求項2の多層プリント配線板。
  6. 【請求項6】 前記蓋めっき層の直上にバイアホールを
    形成したことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載
    の多層プリント配線板。
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