JPH1093248A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

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JPH1093248A
JPH1093248A JP24606896A JP24606896A JPH1093248A JP H1093248 A JPH1093248 A JP H1093248A JP 24606896 A JP24606896 A JP 24606896A JP 24606896 A JP24606896 A JP 24606896A JP H1093248 A JPH1093248 A JP H1093248A
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JP
Japan
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organic resin
resin insulating
insulating layer
thin film
thin
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Application number
JP24606896A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kume
健士 久米
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】従来は配線導体を高密度に形成することができ
ずまた全体の形状が大型化していた。 【解決手段】薄膜配線導体4a、4b、4cとを交互に
配設するとともに有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに設
けたスルーホール導体9を介して接続して成る多層配線
部2と、前記有機樹脂絶縁層の少なくとも一層3bに比
誘電率が20以上の誘電物フィラーを含有させて高誘電
率有機樹脂絶縁層となすとともに薄膜配線導体4a、4
bの一部で対向挟持させて形成され前記薄膜配線導体4
a、4b間に電気的に接続されている容量素子Aとから
成る多層配線基板であって、薄膜配線導体4bは間に絶
縁樹脂膜10を介して高誘電率有機樹脂絶縁層の上面に
接合され、且つ高誘電率有機樹脂絶縁層の下面側に配設
されている薄膜配線導体4aはその表面粗さを中心線平
均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5μmとして高
誘電率有機樹脂絶縁層の下面に直接接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線基板に関
し、より詳細には混成集積回路装置や半導体素子を収容
する半導体素子収納用パッケージ等に使用される多層配
線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子等の能動部品や容量素
子、抵抗器等の受動部品を多数搭載し、所定の電子回路
を構成するようになした混成集積回路装置は、通常、絶
縁基板の内部及び表面にタングステン、モリブデン等の
高融点金属粉末から成る配線導体を形成した構造の配線
基板を準備し、次に前記配線基板の表面に半導体素子や
容量素子、抵抗器等を搭載取着するとともに該半導体素
子等の電極を前記配線導体に接続することによって混成
集積回路装置となる。
【0003】かかる従来の混成集積回路装置等に使用さ
れる配線基板は一般にセラミックスの積層技術及びスク
リーン印刷法等の厚膜技術を採用することによって製作
されており、具体的には以下の方法によって製作されて
いる。
【0004】即ち、 (1)先ず、アルミナ等の電気絶縁性に優れたセラミッ
ク原料粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して複数枚のセ
ラミック生シートを得るとともに該各セラミック生シー
トの上下面にタングステン、モリブデン等の高融点金属
粉末から成る導電ペーストを従来周知のスクリーン印刷
法等の厚膜手法を採用することによって所定パターンに
印刷塗布する。
【0005】(2)次に前記各セラミック生シートを積
層し、積層体を得るとともにこれを約1500℃の温度
で焼成し、内部及び表面にタングステン、モリブデン等
の高融点金属粉末から成る配線導体を有する絶縁基板を
得る。
【0006】(3)そして最後に、前記配線導体のう
ち、大気中に露出する表面にニッケル及び金等の耐蝕性
に優れ、良導電性で、半田等のロウ材と濡れ性(反応
性)の良い金属をめっき法により被着させ、これによっ
て製品としての配線基板が完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の配線基板においては、配線導体がタングステンやモ
リブデン等の高融点金属粉末から成る導電ペーストをス
クリーン印刷法等の厚膜手法を採用し所定パターンに印
刷塗布することによって形成されており、配線導体の微
細化が困難で配線導体を高密度に形成することができな
いという欠点を有していた。
【0008】またこの従来の配線基板は表面に半導体素
子等の能動部品や容量素子、抵抗器等の受動部品が多数
搭載され、部品の搭載数に応じて大型化してしまうとい
う欠点も有していた。
【0009】本発明は上述の欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は配線導体を薄膜形成技術により形成され
る薄膜配線導体とするとともに内部に容量素子を内蔵さ
せることによって小型にして、且つ配線が高密度の多層
配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
と、該基板の少なくとも一主面上に被着され、複数の有
機樹脂絶縁層と複数の薄膜配線導体とを交互に多層に配
設するとともに上下に位置する薄膜配線導体を各有機樹
脂絶縁層に設けたスルーホール導体を介して接続して成
る多層配線部と、前記有機樹脂絶縁層の少なくとも一層
に比誘電率が20以上の誘電物フィラーを含有させて高
誘電率有機樹脂絶縁層となすととも該高誘電率有機樹脂
絶縁層をその上下両面に配設されている薄膜配線導体の
一部で対向挟持させることによって形成され、前記薄膜
配線導体間に電気的に接続されている容量素子とから成
る多層配線基板であって、前記高誘電率有機樹脂絶縁層
の上面側に配設されている薄膜配線導体は間に絶縁樹脂
膜を介して高誘電率有機樹脂絶縁層の上面に接合され、
且つ高誘電率有機樹脂絶縁層の下面側に配設されている
薄膜配線導体はその表面粗さを中心線平均粗さ(Ra)
で0.05μm≦Ra≦5μmとして高誘電率有機樹脂
絶縁層の下面に直接接合されていることを特徴とするも
のである。
【0011】請求項2の発明は、前記誘電物フィラーが
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸
カルシウム、チタン酸マグネシウムの少なくとも1種よ
りなることを特徴とするものである。
【0012】請求項3の発明は、前記誘電物フィラーの
粒径が直径0.5μm乃至50μmであることを特徴と
するものである。
【0013】請求項4の発明は、前記絶縁樹脂膜上面の
表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.05μm≦R
a≦5μmであることを特徴とするものである。
【0014】本発明の多層配線基板によれば、配線導体
を薄膜形成技術によって形成したことから配線導体の微
細化が可能となり、配線導体を極めて高密度に形成する
ことが可能となる。
【0015】また本発明の多層配線基板によれば、有機
樹脂絶縁層と薄膜配線層とを交互に積層して形成される
多層配線部のうち、有機樹脂絶縁層の少なくとも一層に
比誘電率が20以上の誘電物フィラーを含有させて高誘
電率有機樹脂絶縁層となすととも該高誘電率有機樹脂絶
縁層をその上下両面に配設されている薄膜配線導体の一
部で対向挟持させることによって容量素子を形成すると
ともに該容量素子を薄膜配線導体間に電気的接続させた
ことから多層配線基板に半導体素子や容量素子、抵抗器
等の部品を搭載して混成集積回路装置等となす場合、多
層配線基板に別途、容量素子を多数実装する必要はな
く、その結果、多層配線基板に実装される部品の数が減
り、混成集積回路装置等を小型となすことが可能とな
る。
【0016】更に本発明の多層配線基板によれば、高誘
電率有機樹脂絶縁層の上面側に配設されている薄膜配線
導体を間に絶縁樹脂膜を介して高誘電率有機樹脂絶縁層
の上面に接合させ、下面側に配設されている薄膜配線導
体をその表面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.05
μm≦Ra≦5μmとして高誘電率有機樹脂絶縁層の下
面に直接接合させたことから高誘電率有機樹脂絶縁層と
薄膜配線導体との接合強度が極めて高いものとなり、そ
の結果、多層配線基板としての信頼性が極めて優れたも
のとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1及び図2は、本発明の多層配線基
板の一実施例を示し、1は基板、2は多層配線部であ
る。
【0018】前記基板1はその上面に3つの有機樹脂絶
縁層3a、3b、3cと3つの層の薄膜配線導体4a、
4b、4cを交互に多層に配設して成る多層配線部2が
形成されており、該多層配線部2を支持する支持部材と
して作用する。
【0019】前記基板1は酸化アルミニウム質焼結体や
ムライト質焼結体等の酸化物系セラミックス、或いは表
面に酸化物膜を有する窒化アルミニウム質焼結体、炭化
珪素質焼結体等の非酸化物系セラミックス、更にはガラ
ス繊維を織り込んだ布にエポキシ樹脂を含浸させたガラ
スエポキシ樹脂等の電気絶縁材料で形成されており、例
えば、酸化アルミニウム質焼結体で形成されている場合
には、アルミナ、シリカ、カルシア、マグネシア等の原
料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状と
なすとともにこれを従来周知のドクターブレード法やカ
レンダーロール法を採用することによってセラミックグ
リーンシート(セラミック生シート)を形成し、しかる
後、前記セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加
工を施し、所定形状となすとともに高温(約1600
℃)で焼成することによって、或いはアルミナ等の原料
粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して原料粉末を
調整するとともに該原料粉末をプレス成形機によって所
定形状に成形し、最後に前記成形体を約1600℃の温
度で焼成することによって製作され、またガラスエポキ
シ樹脂から成る場合は、例えばガラス繊維を織り込んだ
布にエポキシ樹脂の前駆体を含浸させるとともに該エポ
キシ樹脂前駆体を所定の温度で熱硬化させることによっ
て製作される。
【0020】また前記基板1には上下両主面に貫通する
孔径が例えば、直径300μm〜500μmの貫通孔5
が形成されており、該貫通孔5の内壁には両端が基板1
の上下両面に導出する導電層6が被着されている。
【0021】前記貫通孔5は後述する基板1の上面に形
成される多層配線部2の薄膜配線導体4aと外部電気回
路とを電気的に接続する、或いは基板1の上下両主面に
多層配線部2を配設した場合には両主面の多層配線部2
の薄膜配線導体同士を電気的に接続する導電層6を形成
するための形成孔として作用し、基板1にドリル孔あけ
加工法を施すことによって基板1の所定位置、所定形状
に形成される。
【0022】更に前記貫通孔5の内壁及び基板1の上下
両面に被着形成されている導電層6は例えば、銅やニッ
ケル等の金属材料から成り、従来周知のめっき法及びエ
ッチン法を採用することによって貫通孔5の内壁に両端
を基板1の上下両面に導出させた状態で被着形成され
る。
【0023】前記導電層6は基板1の主面に配設される
多層配線部2の薄膜配線導体3aを外部電気回路に電気
的に接続したり、絶縁基板1の上下両主面に配設される
各々の多層配線部2の薄膜配線導体同士を電気的に接続
する作用をなす。
【0024】また前記基板1に形成した貫通孔5はその
内部にエポキシ樹脂から成る有機樹脂充填体7が充填さ
れており、該有機樹脂充填体7によって貫通孔5が完全
に埋められ、同時に有機樹脂充填体7の両端面が基板1
の上下両主面に被着させた導電層6の面と同一平面とな
っている。
【0025】前記有機樹脂充填体7は基板1の上面及び
/又は下面に後述する複数の有機樹脂絶縁層3a、3
b、3cと複数の層の薄膜配線導体4a、4b、4cと
から成る多層配線部2を形成する際、多層配線部2の各
有機樹脂絶縁層3a、3b、3cと各薄膜配線導体4
a、4b、4cの平坦化を維持する作用をなす。
【0026】尚、前記有機樹脂充填体7は基板1の貫通
孔5内にエポキシ樹脂の前駆体を充填し、しかる後、こ
れに80℃〜200℃の温度を0.5〜3時間印加し、
完全に熱硬化させることによって基体1の貫通孔5内に
充填される。
【0027】更に前記基板1はその上面3つの有機樹脂
絶縁層3a、3b、3cと3つの層の薄膜配線導体4
a、4b、4cとが交互に多層に配設された多層配線部
2が形成されており、且つ該薄膜配線導体4aは導電層
6と電気的に接続されている。
【0028】前記多層配線部2を構成する有機樹脂絶縁
層3a、3b、3cは上下に位置する薄膜配線導体4
a、4b、4cの電気的絶縁を図る作用を為し、各薄膜
配線導体4a、4b、4cは電気信号を伝達するための
伝達路として作用する。
【0029】前記多層配線部2の各有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cはエポキシ樹脂から成り、例えば、エポ
キシ樹脂から成る場合、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型
エポキシ樹脂等にアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化
剤、酸無水物系硬化剤等の硬化剤を添加混合してペース
ト状のエポキシ樹脂前駆体を得るとともに該エポキシ樹
脂前駆体を絶縁基板1の上部にスピンコート法により被
着させ、しかる後、これを約80℃〜200℃の熱で
0.5乃至3時間熱処理し、熱硬化させることによって
形成される。
【0030】また前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3
cはその各々の所定位置に最小径が有機樹脂絶縁層の厚
みに対して約1.5倍程度のスルーホール8が形成され
ており、該スルーホール8は後述する各有機樹脂絶縁層
3a、3b、3cを介して上下に位置する各薄膜配線導
体4a、4b、4cの各々を電気的に接続するスルーホ
ール導体9を形成するための形成孔として作用する。
【0031】前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに
設けるスルーホール8は例えば、フォトリソグラフィー
技術、具体的には各有機樹脂絶縁層3a、3b、3c上
にレジスト材を塗布するとともにこれに露光、現像を施
すことによって所定位置に所定形状の窓部を形成し、次
に前記レジスト材の窓部にエッチング液を配し、レジス
ト材の窓部に位置する有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
を除去して、有機樹脂絶縁層3a、3b、3cに穴(ス
ルーホール)を形成し、最後に前記レジスト材を有機樹
脂絶縁層3a、3b、3c上より剥離させ除去すること
によって行われる。
【0032】更に前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3
cの各々の上面には所定パターンの薄膜配線導体4a、
4b、4cが、また各有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
に設けたスルーホール8の内壁にはスルーホール導体9
が各々配設されており、スルーホール導体9によって有
機樹脂絶縁層3a、3b、3cの各々を間に挟んで上下
に位置する各薄膜配線導体4a、4b、4cが電気的に
接続されるようになっている。
【0033】前記各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの
上面及びスルーホール8内に配設される薄膜配線導体4
a、4b、4c及びスルーホール導体9は銅、金、アル
ミニウム等の金属材料を無電解めっき法や蒸着法、スパ
ッタリング法等の薄膜形成技術及びエッチング加工技術
を採用することによって形成され、例えば銅で形成され
ている場合には、各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cの
上面及びスルーホール8の内表面に硫酸銅0.06モル
/リットル、ホルマリン0.3モル/リットル、水酸化
ナトリウム0.35モル/リットル、エチレンジアミン
四酢酸0.35モル/リットルからなる無電解銅メッキ
浴を用いて厚さ1μm乃至40μmの銅層を被着させ、
しかる後、前記銅層をエッチング加工法により所定パタ
ーンに加工することによって各有機樹脂絶縁層3a、3
b、3c間及び各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cのス
ルーホール8内壁に配設される。この場合、薄膜配線導
体4a、4b、4cは薄膜形成技術により形成されるこ
とから配線の微細化が可能であり、これによって薄膜配
線導体4a、4b、4cを極めて高密度に形成すること
が可能となる。
【0034】尚、前記多層配線部2は各有機樹脂絶縁層
3a、3b、3cの厚みが100μmを越えると各有機
樹脂絶縁層3a、3b、3cにフォトリソグラフィー技
術を採用することによってスルーホール8を形成する
際、エッチングの加工時間が長くなってスルーホール8
を所望する鮮明な形状に形成するのが困難となり、また
5μm未満となると各有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
の上面に上下に位置する有機樹脂絶縁層の接合強度を上
げるための粗面加工を施す際、各有機樹脂絶縁層3a、
3b、3cに不要な穴が形成され上下に位置する薄膜配
線導体4a、4b、4cに不要な電気的短絡を招来して
しまう危険性がある。従って、前記有機樹脂絶縁層各有
機樹脂絶縁層3a、3b、3cはその各々の厚みを5μ
m乃至100μmの範囲としておくことが好ましい。
【0035】また前記多層配線部2の各薄膜配線導体4
a、4b、4cはその厚みが1μm未満となると各薄膜
配線導体4a、4b、4cの電気抵抗が大きなものとな
って各薄膜配線導体4a、4b、4cに所定の電気信号
を伝達させることが困難なものとなり、また40μmを
越えると各薄膜配線導体4a、4b、4cを各有機樹脂
絶縁層3a、3b、3cに被着させる際、各薄膜配線導
体4a、4b、4c内に大きな応力が内在し、該内在応
力によって各薄膜配線導体4a、4b、4cが各有機樹
脂絶縁層3a、3b、3cより剥離し易いものとなる。
従って、前記多層配線部2の各薄膜配線導体4a、4
b、4cの厚みを1μm乃至40μmの範囲としておく
ことが好ましい。
【0036】更に前記有機樹脂絶縁層3a、3b、3c
と各薄膜配線導体4a、4b、4cとで形成される配線
導体部2はその有機樹脂絶縁層3bに比誘電率が20以
上の誘電物フィラーが含有されて高誘電率有機樹脂絶縁
層となっており、該高誘電率有機樹脂絶縁層をその上下
両面に配設されている薄膜配線導体4a、4bの一部で
対向挟持することによって容量素子Aが形成され、該容
量素子Aは薄膜配線導体4a、4bに電気的に接続され
ている。
【0037】前記容量素子Aの静電容量値は比誘電率が
20以上の誘電物フィラーが含有された高誘電率有機樹
脂絶縁層の比誘電率と、高誘電率有機樹脂絶縁層の厚み
と、薄膜配線導体4a、4bの対向面積の大きさによっ
て決定され、有機樹脂絶縁層3bに含有させる誘電物フ
ィラーの比誘電率及び薄膜配線導体4a、4bの対向面
積の大きさを可変することによって所定の静電容量値に
調整される。
【0038】前記容量素子Aは基板1上に設けた多層配
線部2の内部に内蔵されており、そのためこの多層配線
基板に半導体素子や容量素子、抵抗器等の部品を搭載し
て混成集積回路装置等となす場合、多層配線基板に別
途、容量素子を多数実装する必要はなく、その結果、多
層配線基板に実装される部品の数が減り、混成集積回路
装置等を小型となすことが可能となる。
【0039】尚、前記誘電物フィラーの有機樹脂絶縁層
3bへの含有はエポキシ樹脂等の有機樹脂前駆体を使用
して有機樹脂絶縁層3bを形成する際に予め有機樹脂前
駆体に誘電物フィラーを添加混合させておくことによっ
て有機樹脂絶縁層3bに含有される。
【0040】また前記有機樹脂絶縁層3bに含有される
誘電物フィラーはその比誘電率が20(室温1MHz)
未満となると有機樹脂絶縁層3bの比誘電率が小さくな
って容量素子Aの静電容量値が実用に供しない小さな値
となってしまう。従って、前記有機樹脂絶縁層3bに含
有される誘電物フィラーはその比誘電率が20(室温1
MHz)以上のものに特定され、チタン酸バリウムやチ
タン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸
マグネシウム等の比誘電率が高い材料が好適に使用され
る。
【0041】更に前記誘電物フィラーはその粒径が直径
0.5μm未満となると誘電物フィラーの比表面積が大
きくなってこの誘電物フィラーを添加混合した有機樹脂
前駆体の粘度を高くしてしまい、その結果、この誘電物
フィラーを添加混合した有機樹脂前駆体をスピンコート
法等を採用して有機樹脂絶縁層3bを形成する際、有機
樹脂絶縁層3bの厚みが不均一となり、有機樹脂絶縁層
3bを所定の均一厚みとすることが困難となってしま
い、また50μmを越えると誘電物フィラーによって有
機樹脂絶縁層3bの表面に凹凸が形成され、容量素子A
が形成される領域における有機樹脂絶縁層3bの比誘電
率にバラツキが発生したり、有機樹脂絶縁層3bにおけ
る誘電物フィラーの接着強度が低下し、誘電物フィラー
が有機樹脂絶縁層3bより脱落したりしてしまう危険性
がある。従って、前記誘電物フィラーはその粒径を直径
0.5μm乃至50μmの範囲としておくことが好まし
い。
【0042】また更に前記誘電物フィラーの有機樹脂絶
縁層3bへの含有量は、誘電物フィラーの量が有機樹脂
絶縁層3bの全有機樹脂量に対し20重量%未満となる
と有機樹脂絶縁層3bの比誘電率が小さく、実用に供す
ることができる容量素子Aを形成するのが困難となり、
また75重量%を越えると有機樹脂絶縁層3bにおける
誘電物フィラーの接着強度が低下し、誘電物フィラーが
有機樹脂絶縁層3bより脱落してしまう危険性がある。
従って、前記誘電物フィラーの有機樹脂絶縁層3bへの
含有量は20重量%乃至75重量%の範囲としておくこ
とが好ましい。
【0043】更にまた、前記誘電物フィラーが含有され
ている有機樹脂絶縁層3b(高誘電率有機樹脂絶縁層)
とその上下両面に配設されている薄膜配線導体4a、4
bとは、図2に示すように高誘電率有機樹脂絶縁層の上
面側に配設されている薄膜配線導体4bは間に絶縁樹脂
膜10を介して高誘電率有機樹脂絶縁層の上面に接合さ
れ、下面側に配設されている薄膜配線導体はその表面粗
さを中心線平均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5
μmとして高誘電率有機樹脂絶縁層の下面に直接接合さ
れている。
【0044】前記高誘電率有機樹脂絶縁層の上面側に配
設されている薄膜配線導体4bは、有機樹脂材から成
り、誘電物フィラーを含有する有機樹脂絶縁層3bと薄
膜配線導体4bの両方に対して接合性がよい絶縁樹脂膜
10を間に介して高誘電率有機樹脂絶縁層の上面に接合
されるため高誘電率有機樹脂絶縁層と該高誘電率有機樹
脂絶縁層の上面側に配設されている薄膜配線導体4bと
の接合強度は強くなり、また高誘電率有機樹脂絶縁層の
下面側に配設されている薄膜配線導体4aはその表面粗
さを中心線平均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5
μmの粗いものとしたため、高誘電率有機樹脂絶縁層の
下面と該高誘電率有機樹脂絶縁層の下面側に配設される
薄膜配線基板4aとはその接合面積が広くなって接合強
度が強くなり、これによって高誘電率有機樹脂絶縁層と
その上下両面に配設されている薄膜配線導体4a、4b
との接合強度は強く、多層配線部2等に外力が印加され
ても高誘電率有機樹脂絶縁層と薄膜配線導体4a、4b
との間に剥離等が発生することはなく、多層配線基板と
しての信頼性が著しく向上する。
【0045】尚、前記高誘電率有機樹脂絶縁層の上面側
に配設されている薄膜配線導体4bと高誘電率有機樹脂
絶縁層の上面との間に介在される絶縁樹脂膜10は、例
えば、各有機樹脂絶縁層3a、3b、3cを構成する材
料と同じエポキシ樹脂から成り、各有機樹脂絶縁層3
a、3b、3cを形成するのと同様の方法によって誘電
物フィラーが含有されている有機樹脂絶縁層3bの上面
と薄膜配線導体4bとの間に所定厚みに被着形成され
る。
【0046】また前記絶縁樹脂膜10はその厚みが2.
0μm未満となると、高誘電率有機樹脂絶縁層の上面側
に配設されている薄膜配線導体4bと高誘電率有機樹脂
絶縁層の上面との接合強度が低下し、また50μmを越
えると薄膜配線導体4aと4bとの間に形成される容量
素子Aの静電容量値を実用に供する所望の値とするのが
困難となる危険性がある。従って、前記絶縁樹脂膜10
はその厚みを2.0μm乃至50μmの範囲としておく
ことが好ましい。
【0047】更に前記絶縁樹脂膜10はその上面の表面
粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.05μm乃至5μ
mの範囲としておくと、絶縁樹脂膜10と薄膜配線導体
4bとの接合面積が広くなって、両者の接合強度がより
強固となる。従って、前記絶縁樹脂膜10はその上面の
表面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.05μm乃至
5μmの範囲としておくことが好ましい。
【0048】また更に前記高誘電率有機樹脂絶縁層の下
面側に配設されている薄膜配線導体4aはその表面の粗
さが中心線平均粗さ(Ra)で0.05μm未満となる
と、高誘電率有機樹脂絶縁層の下面側に配設されている
薄膜配線導体4aと高誘電率有機樹脂絶縁層との接合強
度が低下し、また5μmを越えると高誘電率有機樹脂絶
縁層に欠陥を生じ、容量素子Aの静電容量値にバラツキ
が発生してしまう。従って、前記高誘電率有機樹脂絶縁
層の下面側に配設されている薄膜配線導体4aはその表
面の粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.05μm≦R
a≦5μmの範囲に特定される。
【0049】前記薄膜配線導体4aの表面の粗さを中心
線平均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5μmの範
囲とするには薄膜配線導体4aの表面に所定のエッチン
グ加工を施すことによって形成される。
【0050】かくして本発明の多層配線基板によれば、
例えば、絶縁基板1の上面に被着させた多層配線部2上
に半導体素子等の能動部品や容量素子、抵抗器等の受動
部品を実装させることによって混成集積回路装置とな
り、絶縁基板1の下面に被着されている導電層6を外部
電気回路に接続すればかかる混成集積回路装置が外部電
気回路に電気的に接続されることとなる。
【0051】尚、本発明は上述の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種
々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例において
は絶縁基板1の上面のみに複数の有機樹脂絶縁層3a、
3b、3cと複数の薄膜配線導体4a、4b、4cとか
ら成る多層配線部2を設けたが、該多層配線部2を絶縁
基板1の下面側のみに設けても、上下の両主面に設けて
もよい。
【0052】また上述の実施例において、更に前記薄膜
配線導体4bの表面を中心線平均粗さ(Ra)で0.0
5μm≦Ra≦5μm、表面の2.5mmの長さにおけ
る凹凸の高さ(Pc)のカウント値を0.01μm≦P
c≦0.1μmが30000個以上、0.1μm≦Pc
≦1μmが3000個乃至10000個、1μm≦Pc
≦10μmが500個以下となるように粗しておくと薄
膜配線導体4bと有機樹脂絶縁層3cとの接合面積が極
めて広いものとなり、その結果、薄膜配線導体4bと有
機樹脂絶縁層3cとの密着性を著しく向上させることが
できる。従って、前記薄膜配線導体4bはその表面を中
心線平均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5μm、
表面の2.5mmの長さにおける凹凸の高さ(Pc)の
カウント値を0.01μm≦Pc≦0.1μmが300
00個以上、0.1μm≦Pc≦1μmが3000個乃
至10000個、1μm≦Pc≦10μmが500個以
下となるように粗しておくことが好ましい。
【0053】
【発明の効果】本発明の多層配線基板によれば、配線導
体を薄膜形成技術によって形成したことから配線導体の
微細化が可能となり、配線導体を極めて高密度に形成す
ることが可能となる。
【0054】また本発明の多層配線基板によれば、有機
樹脂絶縁層と薄膜配線層とを交互に積層して形成される
多層配線部のうち、有機樹脂絶縁層の少なくとも一層に
比誘電率が20以上の誘電物フィラーを含有させて高誘
電率有機樹脂絶縁層となすととも該高誘電率有機樹脂絶
縁層をその上下両面に配設されている薄膜配線導体の一
部で対向挟持させることによって容量素子を形成すると
ともに該容量素子を薄膜配線導体間に電気的接続させた
ことから多層配線基板に半導体素子や容量素子、抵抗器
等の部品を搭載して混成集積回路装置等となす場合、多
層配線基板に別途、容量素子を多数実装する必要はな
く、その結果、多層配線基板に実装される部品の数が減
り、混成集積回路装置等を小型となすことが可能とな
る。
【0055】更に本発明の多層配線基板によれば、高誘
電率有機樹脂絶縁層の上面側に配設されている薄膜配線
導体を間に絶縁樹脂膜を介して高誘電率有機樹脂絶縁層
の上面に接合させ、下面側に配設されている薄膜配線導
体をその表面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.05
μm≦Ra≦5μmとして高誘電率有機樹脂絶縁層の下
面に直接接合させたことから高誘電率有機樹脂絶縁層と
薄膜配線導体との接合強度が極めて高いものとなり、そ
の結果、多層配線基板としての信頼性が極めて優れたも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施例を示す断面図
である。
【図2】図1に示す多層配線基板の要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・絶縁基板 2・・・多層配線部 3a、3b、3c・・有機樹脂絶縁層 4a、4b、4c・・薄膜配線導体 5・・・貫通孔 6・・・導電層 7・・・有機樹脂充填体 10・・絶縁樹脂膜 A・・・容量素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板の少なくとも一主面上に被
    着され、複数の有機樹脂絶縁層と複数の薄膜配線導体と
    を交互に多層に配設するとともに上下に位置する薄膜配
    線導体を各有機樹脂絶縁層に設けたスルーホール導体を
    介して接続して成る多層配線部と、前記有機樹脂絶縁層
    の少なくとも一層に比誘電率が20以上の誘電物フィラ
    ーを含有させて高誘電率有機樹脂絶縁層となすととも該
    高誘電率有機樹脂絶縁層をその上下両面に配設されてい
    る薄膜配線導体の一部で対向挟持させることによって形
    成され、前記薄膜配線導体間に電気的に接続されている
    容量素子とから成る多層配線基板であって、前記高誘電
    率有機樹脂絶縁層の上面側に配設されている薄膜配線導
    体は間に絶縁樹脂膜を介して高誘電率有機樹脂絶縁層の
    上面に接合され、且つ高誘電率有機樹脂絶縁層の下面側
    に配設されている薄膜配線導体はその表面粗さを中心線
    平均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5μmとして
    高誘電率有機樹脂絶縁層の下面に直接接合されているこ
    とを特徴とする多層配線基板。
  2. 【請求項2】前記誘電物フィラーがチタン酸バリウム、
    チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン
    酸マグネシウムの少なくとも1種よりなることを特徴と
    する請求項1に記載の多層配線基板。
  3. 【請求項3】前記誘電物フィラーの粒径が直径0.5μ
    m乃至50μmであることを特徴とする請求項1に記載
    の多層配線基板。
  4. 【請求項4】前記絶縁樹脂膜上面の表面粗さが中心線平
    均粗さ(Ra)で0.05μm≦Ra≦5μmである請
    求項1に記載の多層配線基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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