JP4859270B2 - コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4859270B2
JP4859270B2 JP2000399449A JP2000399449A JP4859270B2 JP 4859270 B2 JP4859270 B2 JP 4859270B2 JP 2000399449 A JP2000399449 A JP 2000399449A JP 2000399449 A JP2000399449 A JP 2000399449A JP 4859270 B2 JP4859270 B2 JP 4859270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capacitor
wiring board
printed wiring
multilayer printed
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000399449A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002203734A (ja
Inventor
英郎 矢橋
誠二 白井
克敏 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2000399449A priority Critical patent/JP4859270B2/ja
Publication of JP2002203734A publication Critical patent/JP2002203734A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4859270B2 publication Critical patent/JP4859270B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板に内蔵させるコンデンサ、ならびに、該コンデンサを内蔵した多層プリント配線板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パッケージ基板用のプリント配線板では、電源からICチップの電源/アースまでのループインダクタンスを低減するために、チップコンデンサを表面実装していた。即ち、伝送損失となるループインダクタンスは、図14(a)に示すICチップ190の電源端子192Pからプリント配線板300内の電源線を介して電源までの配線長および電源からプリント配線板300内のアース線を介してICチップ190のアース端子192E間での配線長に比例する。このため、図14(b)に示すように、プリント配線板300にチップコンデンサ200を表面実装し、電源とICチップの電源端子/アース端子との間にチップコンデンサを介在させることで、ループインダクタンスを決定するループ長を図中の実線で示すように、短縮することができる。
【0003】
しかしながら、ループインダクタンスのリアクタンス分は周波数に依存するため、ICチップの駆動周波数が増加するのに伴って、上述の多層プリント配線板の表面にチップコンデンサを実装させても、ループインダクタンスを充分に低減することができなくなってきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は、電源からICチップの電源/アースまでのループインダクタンスをより低減させるために、鋭意研究を行った結果、多層プリント配線板にコンデンサを内蔵させれば良いことを知見し、先に、コンデンサが内蔵または収納(以下、両者をあわせて単に内蔵ともいう)されている基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板を提案した。
このような多層プリント配線板では、ICチップとコンデンサとの間の距離が、コンデンサを表面実装する場合に比べて短く、高周波数で駆動するICチップを実装した場合でも、ループインダクタンスが充分に低い。
【0005】
上記多層プリント配線板においては、基板にザクリ(凹部)、貫通孔等のコンデンサを内蔵するためのキャビティが設けられ、該キャビティ内に接着剤を介してコンデンサが取り付けられており、さらに、このコンデンサが内蔵された基板の両面には、層間樹脂絶縁層と導体回路とが形成され、コンデンサの接続端子と上層の導体回路、及び、層間樹脂絶縁層を介した上下の導体回路間は、バイアホールを介して接続されている。
【0006】
しかしながら、従来の多層プリント配線板実装用コンデンサは、表面実装を目的に製造されたもので、通常、コンデンサの一面のみが多層プリント配線板表面に接触するものであり、コンデンサを基板に内蔵する使用形態が想定されたものではなかった。従って、コンデンサの表面状態は均一ではなく、また、コンデンサの表面は、通常、金属からなる電極やセラミックからなる誘電膜が剥き出しであるため樹脂との親和性が低くかった。そのため、該コンデンサを基板に内蔵した際には、その表面状態が不均一であることや樹脂(層間樹脂絶縁層や接着剤)との親和性が低いことに起因して、コンデンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生したり、該層間樹脂絶縁層等にクラックが発生したりするという問題があった。この場合、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層に膨れが生じたりし、これが、多層プリント配線板の電気的接続性、信頼性を低下させる原因になっていた。
【0007】
また、上記以外にコンデンサを基板中に埋め込む従来技術として、特開平6−326472号公報、特開平7−263619号公報、特開平11−459555号公報、特開平11−126978号公報、特開平1−312868号公報等がある。
【0008】
特開平6−326472号公報には、ガラスエポキシからなる樹脂基板にコンデンサを埋め込んだ発明が記載されており、このように基板にコンデンサを埋設することにより、電源のノイズが低減され、かつ、チップコンデンサを実装するスペースが不要となり、基板のサイズを小さくすることができるという効果が得られることが記載されている。
【0009】
また、特開平7−263619号公報には、セラミック、アルミナなどの基板にコンデンサを埋め込み、このコンデンサを電源層と接地層との間で接続した発明が記載されており、このように構成することで、配線の長さを短くすることができ、インダクタンスを低減させることができるという効果が得られることが記載されている。
【0010】
しかしながら、これらの公報に記載されたコンデンサが埋設された基板においても、例えば、ヒートサイクルを1000回繰り返す信頼性試験を行うと、電気特性の低下、基板や層間樹脂絶縁層におけるクラックの発生、コンデンサと基板や層間樹脂絶縁層との間での剥離の発生等が起こるという問題があった。
【0011】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、コンデンサ表面にポリイミド膜を形成することにより、コンデンサ表面と層間樹脂絶縁層や接着剤との密着性(親和性)が向上し、該コンデンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生したり、層間樹脂絶縁層等にクラックが発生したりしにくくなることを見出し本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明のコンデンサは、多層プリント配線板に内蔵または収納させるコンデンサであって、
その表面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、上記コンデンサは、内部電極と誘電膜とが交互に積層された積層体の両端面を含む部分に外部電極が形成されたコンデンサであって、
上記外部電極は少なくとも銅からなることが望ましい。
【0014】
また、上記コンデンサは、内部電極と誘電膜とが交互に積層された積層体の両端面を含む部分に外部電極が形成されたコンデンサであって、
上記外部電極は少なくとも2層で構成され、最外層はめっき層であることも望ましい。
また、上記外部電極の最内層は導電性ペースト層であることが望ましい。
更に、上記めっき層は、銅めっき層であることが望ましい。
【0015】
また、上記コンデンサは、内部電極と誘電膜とが交互に積層された積層体に外部電極が形成されたコンデンサであって、
上記外部電極はマトリックス状に形成されていることも望ましい。
【0016】
また、本発明のコンデンサにおいて、上記外部電極の表面の少なくとも一部には、金属被覆層が形成されていることが望ましい。
【0017】
また、本発明の多層プリント配線板は、コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板であって、
上記コンデンサは、本発明のコンデンサであることを特徴とする。
【0018】
また、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板の製造方法であって、
少なくとも下記(A)〜(D)の工程を含むことを特徴とする。
(A)樹脂フィルムに本発明のコンデンサを取り付けるコンデンサ取り付け工程、
(B)凹部または貫通孔が形成された基板の上記凹部または上記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、上記樹脂フィルムを上記基板に圧着する樹脂フィルム圧着工程、
(C)上記樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする層間樹脂絶縁層形成工程、および、
(D)上記バイアホール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層表面に導体回路を形成する導体回路形成工程。
【0019】
また、第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板の製造方法であって、
少なくとも下記(a)〜(e)の工程を含むことを特徴とする。
(a)本発明のコンデンサを基板Aに取り付けるコンデンサ取り付け工程、
(b)貫通孔が形成された基板Bの上記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、上記コンデンサを取り付けた基板Aに上記貫通孔が形成された基板Bを積層する基板積層工程、
(c)上記貫通孔が形成された基板Bのコンデンサが露出している側に樹脂フィルムを圧着する樹脂フィルム圧着工程、
(d)上記樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする層間樹脂絶縁層形成工程、および、
(e)上記バイアホール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層表面に導体回路を形成する導体回路形成工程。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のコンデンサについて説明する。
本発明のコンデンサは、多層プリント配線板に内蔵または収納されるコンデンサであって、その表面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明のコンデンサは、その表面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成されており、該ポリイミド膜は、セラミックからなる誘電膜や金属からなる外部電極との密着性が、多層プリント配線板を構成する接着剤層や層間樹脂絶縁層に通常用いられるエポキシ樹脂やフェノール樹脂等と比べて高く、また、他の樹脂と比べて耐熱性にも優れ、ヒートサイクル試験でも劣化しないため、多層プリント配線板に内蔵した際に、コンデンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生したり、層間樹脂絶縁層や接着剤にクラックが発生したりしにくい。従って、本発明のコンデンサは、多層プリント配線板の内蔵用として適したものである。
【0022】
本発明のコンデンサは、その表面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成されている。
なお、本発明において、ポリイミドとはイミド結合を含む高分子をいい、環状イミドと芳香族核とからなるものは勿論、ポリアミドイミドやポリアミノビスマレイミドも含むものとする。
上記ポリイミド膜としては、従来公知のポリイミドからなるものが挙げられ、具体的には、例えば、下記化学式(1)〜(4)に示すポリイミド等が挙げられる。
【0023】
【化1】
Figure 0004859270
【0024】
(式中、nは、1〜5の整数を表す。)
【0025】
【化2】
Figure 0004859270
【0026】
(式中、mは、1〜5の整数を表す。)
【0027】
【化3】
Figure 0004859270
【0028】
(式中、lは、1〜5の整数を表す。)
【0029】
【化4】
Figure 0004859270
【0030】
(式中、pは、1〜5の整数を表す。)
【0031】
また、下記化学式(5)で表されるポリアミノビスマレイミド等からなるものも、本発明のコンデンサの表面に形成されるポリイミド膜として用いることができる。
【0032】
【化5】
Figure 0004859270
【0033】
(式中、qは、1〜5の整数を表す。)
また、下記一般式(6)で表されるポリアミドイミド等からなるものも、本発明のコンデンサの表面に形成されるポリイミド膜として用いることができる。
【0034】
【化6】
Figure 0004859270
【0035】
(式中、rは、1〜5の整数を表し、Rは、下記化学式(7)または(8)で表される2価の官能基である。)
【0036】
【化7】
Figure 0004859270
【0037】
【化8】
Figure 0004859270
【0038】
これらのポリイミドからなる膜は、金属との密着性により優れ、外部電極と接着剤や層間樹脂絶縁層との密着性を高めることができる。
【0039】
次に、本発明のコンデンサの形状について、図面を参照しながら説明する。
本発明のコンデンサとしては、例えば、内部電極と誘電膜とが交互に積層された積層体の両端面を含む部分に外部電極が形成されたコンデンサが挙げられ、具体的には、例えば、図1(a)〜(d)に示す形状のコンデンサ等が挙げられる。図1(a)〜(d)は、本発明のコンデンサの一例を模式的に示す断面図である。
なお、図1(b)に示すコンデンサは、後述する第三の実施形態の多層プリント配線板に好適に用いることができ、図1(c)および(d)に示す多層プリント配線板は、それぞれ第二および第一の実施形態の多層プリント配線板に好適に用いることができる。これについては、後に詳述する。
【0040】
図1(a)〜(d)に示すように、コンデンサ120、320、220、20は、第1電極21と第2電極22とからなる外部電極と、第1電極21、第2電極22に挟まれた誘電体(積層体)23とからなり、誘電体23には、第1電極21側に接続された第1導電膜(内部電極)24と、第2電極22側に接続された第2導電膜(内部電極)25とが複数枚対向配置されている。
【0041】
また、第1電極21および第2電極22は、図1(a)に示すように、1層から構成されていてもよいし、図1(b)に示すように2層から構成されていてもよい。なお、図示していないが3層以上から構成されていてもよい。
【0042】
また、第1電極21および第2電極22は、少なくとも銅からなるものが望ましい。
多層プリント配線板を構成する導体回路の材質としては、銅が好適に用いられているためコンデンサの外部電極に銅からなるものを用いることにより、電気特性の不都合が発生しにくくなるからである。
加えて、後述するように、めっきを用いて電極とバイアホールとを接続する場合、第1電極および第2電極が銅からなるものであると、銅めっきとの密着性に優れるからである。
【0043】
また、図1(b)に示すように2層から構成されている場合や3層以上から構成されている場合には、導電性ペースト層とめっき層とを含む少なくとも2層からなるものであることが望ましい。また、複数の導電性ペースト層から構成されていてもよい。
図1(a)〜(d)に示すようなコンデンサは、通常、誘電膜と導電膜(内部電極)とを交互に積層した後、両端面を含む部分に外部電極を形成することにより製造する。ここで、外部電極の形成は、導電性ペーストを塗布することにより行うことが、安価で、かつ、容易に電極を形成することができる点から有利である。
【0044】
しかしながら、導電性ペーストを用いて形成された電極は、銅等の金属成分以外に接着剤等が含まれており、金属のみから形成される電極に比べて、導電性に劣り、また、導電性ペーストのみを用いて形成された電極は、表面の凹凸が大きく、ピンホール等も発生しやすい。そのため、本発明のコンデンサの電極は、導電性ペースト層の上にめっき層にが形成された構成であることが望ましい。なお、この理由については、後で、本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する際に詳述する。
また、上記めっき層は銅めっき層であることが望ましい。
【0045】
また、図1(c)に示すように、コンデンサ220の第1電極21および第2電極22の表面の一部(側面および底面)や、図1(d)に示すように、コンデンサ20の第1電極21および第2電極22の表面全体には、Sn等からなる金属被覆層226、26が形成されていてもよい。
このように、金属被覆層226、26を形成することにより、防錆性、半田付き性等を向上させることができる。
なお、上記金属被覆層の形成部分は、図1(c)および(d)に示した部分に限定されず、任意の部分に形成されていてよく、例えば、側面のみに形成されていたり、底面のみに形成されていたりしてもよい。
【0046】
また、本発明のコンデンサの形状は、外部電極がマトリックス状に形成されたコンデンサであってもよい。具体的には、例えば、図15または図16に示す形状のコンデンサ等が挙げられる。
図15(a)は、多数個取り用の裁断前のコンデンサを示し、(b)は、(a)を裁断した後のコンデンサの1個を示す。なお、図15(a)において、一点鎖線は、裁断線を示す。
図15に示すコンデンサ420は、その側縁に第1電極21および第2電極22が形成されている。
【0047】
図16(a)は、多数個取り用の裁断前のコンデンサを示し、(b)は、(a)を裁断した後のコンデンサの1個を示す。なお、図16(a)において、一点鎖線は、裁断線を示す。
図16に示すコンデンサ520は、その側縁の内側に第1電極21および第2電極22が形成されている。
コンデンサ420およびコンデンサ520は、その外縁の内側に第1電極および第2電極が形成されているため、容量が大きい。
【0048】
また、上記外部電極がマトリックス状に形成されたコンデンサは、コンデンサ420やコンデンサ520のように、小さく切断されたものではなく、図17に示すような大容量の大判のコンデンサ620であってもよい。
図17は、本発明のコンデンサの一例を模式式に示す平面図である。
コンデンサ620は、第1電極21と第2電極22と、誘電体と、第1電極側へ接続された第1導電膜と第2電極側に接続された第2導電膜と、第1導電膜および第2導電膜へ接続されていないコンデンサ620を介した基板の上下面の接続用の電極27とからなる。
後述する本発明の多層プリント配線板において、この大判のコンデンサ620を内層させる場合、その容量が大きく、また、ヒートサイクル条件下においても、よりプリント配線板等に反り等が発生しにくい。
【0049】
また、上記外部電極がマトリックス状に形成されたコンデンサは、図18に示すような大容量の大判のコンデンサ720であってもよい。
図18(a)は、多数個取り用の裁断前のコンデンサを示し、(b)は、(a)を裁断した後の本発明の多層プリント配線板に内蔵または収納するコンデンサを示す。なお、図18(a)において、一点鎖線は、裁断線を示す。
コンデンサ720は、図18(a)の多数個取り用のコンデンサを裁断線で裁断した後、複数個(図中の例では3個)連結させたものである。
このようなコンデンサ720もまた、大判でその容量が大きく、コンデンサ720を内蔵した多層プリント配線板では、ヒートサイクル条件下においても反り等が発生しにくい。
【0050】
これらの外部電極がマトリックス状に形成されたコンデンサにおいても、その外部電極は、1層から構成されていてもよいし、2層以上から構成されていてもよい。
さらに、このマトリックス状の外部電極は、少なくとも銅からなるものであることが望ましく、また、上記マトリックス状の外部電極が2層以上からなる場合には、該外部電極は、複数の導電性ペースト層からなるものや、導電性ペースト層である最内層とめっき層である最外層とを含むものであるとこが望ましい。この場合、上記めっき層は、銅めっき層であることが望ましい。
さらに、上記マトリックス状の外部電極は、その表面の一部に金属被覆層が形成されていることが望ましい。
このような外部電極がマトリックス状に形成されたコンデンサは、後述する本発明の多層プリント配線板に内蔵するコンデンサとして好適に用いることができる。
【0051】
本発明のコンデンサは、このような形状のコンデンサにおいて、その表面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成されているため、接着剤や層間樹脂絶縁層との密着性(親和性)に優れる。従って、上記コンデンサは、必要とされる接着剤等との密着性を考慮して、コンデンサ表面の少なくとも一部にポリイミド膜を形成すればよいが、コンデンサの全表面にポリイミド膜が形成されていることが望ましい。
【0052】
上記ポリイミド膜を形成する方法としては特に限定されず、ポリイミドの種類に応じて適宜選択すればよい。
具体的には、例えば、ポリイミド(ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド)を含む20〜50℃の溶液中にコンデンサを浸漬する方法等を用いることができる。上記溶液の温度が20℃未満では、ポリイミドがコンデンサの表面に付着しにくく、一方、50℃を超えると、分解、劣化することがある。より好ましい温度は25〜35℃である。
また、ポリイミドを含む溶液中にコンデンサを浸漬する方法に代えて、該溶液をコンデンサ表面にスプレーしたり、塗布したりする方法等も用いることができる。
【0053】
また、ポリイミドの原料モノマー(例えば、芳香族酸二無水物および芳香族ジアミン等)を溶媒に溶かして、これをコンデンサに塗布し、コンデンサ表面で重合させることによりポリイミド膜を形成してもよい。
具体的には、例えば、上記一般式(1)で表されるポリイミド膜を形成する場合には、無水ピロメリト酸とジアミノジフェニルエーテルとをジメチルアセトアミド中、室温下で混合することによりポリアミド酸溶液を得、これをコンデンサ表面に塗布したり、このポリアミド酸溶液中にコンデンサを浸漬したりした後、300℃程度まで昇温しながら、30分〜2時間加熱することによりコンデンサ表面にポリイミド膜を形成してもよい。
また、ポリイミドからなるフィルムを形成し、該フィルムをコンデンサ表面に圧着した後、加熱処理を施すことによりポリイミド膜を形成してもよい。
【0054】
また、コンデンサ表面のポリイミド膜が形成される部分には、予め、プラズマ処理、洗浄処理、酸処理等の前処理が施されていることが望ましい。
このような前処理を施すことにより、コンデンサの表面状態が均一になり、ポリイミド膜を形成するのに適した状態となるからである。
【0055】
上記プラズマ処理としては、例えば、酸素、窒素、炭酸ガス、四塩化炭素等を用いる方法等が挙げられる。
これらのなかでは、酸素を用いる方法が望ましい。コンデンサを損傷することがなく、また、安価に処理することができるからである。
【0056】
また、上記プラズマ処理におけるプラズマ放射量としては200〜1000Wが望ましく、処理時間としては真空下で1〜20分間が望ましい。処理時間が1分未満では、コンデンサの表面状態を充分に改善することができないことがあり、一方、20分を超えても表面状態の改善効果はほとんど変わらないからである。また、上記処理は減圧下で行うことが望ましい。
【0057】
上記洗浄処理としては、例えば、アルカリ洗浄、酸洗浄、中性洗浄等が挙げられる。
上記洗浄処理では、主に、脱脂作用や酸化膜等の異物の除去作用によりコンデンサの表面状態を所望の状態にすることができる。
【0058】
上記アルカリ洗浄は、例えば、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤とにカセイソーダや、アルカリ性のケイ酸、炭酸、リン酸、縮合リン酸等の塩を添加した溶液をスプレーしたり、該溶液中にコンデンサを浸漬したりすることにより行うことができる。また、界面活性剤を添加した電解洗浄法により行うこともできる。
【0059】
上記酸洗浄は、例えば、硫酸や塩酸等の酸に、陽イオン界面活性剤を添加した溶液をスプレーしたり、該溶液中にコンデンサを浸漬したりすることにより行うことができる。
【0060】
上記酸処理としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸およびリン酸からなる群より選択される少なくとも一種の酸を含む溶液に浸漬する方法等が挙げられる。
これらのなかでは、硫酸および/またはフッ酸を用いて行う処理が望ましい。
短時間で接触角を上記範囲に改善することができるとともに、処理後、コンデンサ表面に残渣が残ることもないからである。
【0061】
上記酸処理において、溶液中の酸の濃度は10重量%以上であることが望ましい。
上記酸の濃度が10重量%未満では、コンデンサの表面状態を所望の状態にするのに長時間を要し、その結果、コンデンサに変質、変形等が発生してしまうことがあるからである。
【0062】
また、酸からなる溶液への浸漬時間は、使用する酸の種類、および、その濃度を考慮して適宜選択すればよいが、通常、1〜15分間が望ましい。
上記浸漬時間が、1分未満では、コンデンサの表面状態を充分に改善することができないことがあり、一方、15分を超えても、コンデンサの表面状態はほとんど変化しないからである。酸からなる溶液への浸漬時間は、2〜10分がより望ましい。コンデンサの表面状態が改善されるとともに金属等へのダメージが少ないからである。
また、上記酸からなる溶液の液温度は、20〜40℃が望ましい。
上記温度が40℃を超えると、コンデンサに変質、変形等が発生してしまうことがあるからである。
【0063】
このような処理方法は、単独で用いてもよいし、複数の処理方法を組み合わせて用いてもよい。従って、外部電極表面、金属被覆層表面、誘電体表面のそれぞれを異なる方法で処理してもよい。
【0064】
次に、本発明の多層プリント配線板について説明する。
本発明の多層プリント配線板は、コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板であって、
上記コンデンサは、本発明のコンデンサであることを特徴とする。
【0065】
本発明の多層プリント配線板では、本発明のコンデンサが基板に内蔵されているため、コンデンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生したり、該層間樹脂絶縁層や接着剤にクラックが発生したりすることがない。そのため、上記多層プリント配線板は、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層にクラックや膨れが生じたりすることがなく、電気的接続性、信頼性に優れる。
【0066】
基板内に表面実装用のコンデンサをそのまま内蔵した場合、金属やセラミックと樹脂との密着性(親和性)が低いことに起因して、コンデンサとその周辺樹脂(接着材や層間樹脂絶縁層)との間で剥離が発生したり、周辺樹脂にクラックが発生したりするが、本発明のコンデンサは、その表面にポリイミド膜が形成されているため、周辺樹脂との密着性に優れる。
従って、本発明の多層プリント配線板では、周辺樹脂(層間樹脂絶縁層や接着剤)にクラックやコンデンサからの剥離が発生せず、コンデンサのずれも発生しない。
【0067】
以下、本発明の多層プリント配線板について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の多層プリント配線板の第一の実施形態について説明する。
図2は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図であり、図3は、図2に示す多層プリント配線板にICチップを実装し、ドータボードに取り付けた状態を模式的に示す断面図である。
【0068】
図2に示すように多層プリント配線板10には、コンデンサ20と、コンデンサ20を内蔵する基板30と、層間樹脂絶縁層40、60とが形成されている。層間樹脂絶縁層40には、バイアホール46および導体回路48が形成され、層間樹脂絶縁層60には、バイアホール66および導体回路68が形成されている。また、基板30を介した上下の導体回路間を接続するために、スルーホール36が形成されている。
【0069】
また、層間樹脂絶縁層60上には、ソルダーレジスト層70が配設されており、ソルダーレジスト層70の開口部71下の導体回路68(バイアーホール66を含む)には、ドータボード、マザーボード等の外部基板と接続するための半田バンプ76がニッケルめっき層および金めっき層を介して設けられている。
【0070】
この多層プリント配線板10では、基板にコンデンサ20が接着剤32を介して内蔵されており、コンデンサ20は、本発明のコンデンサである。このため、コンデンサ20と接着剤32との密着性が高く、ヒートサイクル条件下においても、コンデンサ20と接着剤32との接触面で剥離が発生したり、接着剤にクラックが発生したりすることがない。従って、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層にクラックや膨れが生じたりすることがなく、多層プリント配線板10は、電気的接続性、信頼性に優れる。
【0071】
また、図3に示すように、ICチップ90が実装され、ドータボードへ取り付けられた多層プリント配線板では、上側のソルダーレジスト層70の開口部71内に形成されたバンプ76と、ICチップ90のパッド92S1、92S2、92P1、92P2とが接続されている。また、下側のソルダーレジスト層70の開口部71内に形成されたバンプ76は、ドータボード94のパッド96S1、96S2、96P1、96P2へ接続されている。
【0072】
また、図3中に示すICチップ90の信号用のパッド92S2は、バンプ76−導体回路68−バイアホール66−スルーホール36−バイアホール66−バンプ76を介して、ドータボード94の信号用のパッド96S2に接続されている。一方、ICチップ90の信号用のパッド92S1は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−バイアホール66−バンプ76を介して、ドータボード94の信号用のパッド96S1に接続されている。
【0073】
ICチップ90の電源用パッド92P1は、バンプ76−バイアホール66−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第1電極21へ接続されている。一方、ドータボード94の電源用パッド96P1は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第1電極21へ接続されている。
【0074】
ICチップ90の電源用パッド92P2は、バンプ76−バイアホール66−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第2電極22へ接続されている。一方、ドータボード94の電源用パッド96P2は、バンプ76−バイアホール66−スルーホール36−導体回路48−バイアホール46を介してチップコンデンサ20の第2電極22へ接続されている。
【0075】
従って、本発明の多層プリント配線板では、図14(c)に示すように、コンデンサ20を基板に内蔵することにより、ICチップ90の直下にコンデンサ20が配置されることとなり、コンデンサを介した電源とICチップ90の電源端子92E/アース端子92Pとの間の距離、即ち、ループインダクタンスを決定するループ長が図14(c)中の実線で示すように、さらに短縮されている。
その結果、高周波数で駆動するICチップ90を実装した場合でも、ループインダクタンスが充分に低く、また、電力を瞬時的にICチップ側へ供給することが可能である。
【0076】
さらに、コンデンサ20同士の間にスルーホール36を設けることにより、コンデンサを信号線が通過しない構成にすることができる。そのため、コンデンサを信号線が通過する構成にした場合に発生する高誘電体によるインピーダンス不連続による反射、および、高誘電体通過による信号伝搬遅延を防ぐことができる。
【0077】
次に、本発明の多層プリント配線板の第二の実施形態について説明する。
図4は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
図4に示した第二の実施形態の多層プリント配線板110は、第一の実施形態の多層プリント配線板10とほぼ同様である。
ただし、多層プリント配線板110では、コンデンサの内蔵方法が異なる。
即ち、第一の実施形態では、コンデンサの第1電極21、第2電極22とバイアホール46との間は、半田や導電性ペースト等の接着材料34を用いて電気的に接続していた(図2参照)が、第二の実施形態の多層プリント配線板では、第1電極21、第2電極22にめっきを施すことにより、バイアホールとの間を電気的に接続する。そのため、それぞれの内蔵方法に適したコンデンサを使用している。
【0078】
そこで、第一および第二の実施形態で用いるコンデンサについて説明する。
第一の実施形態で用いるコンデンサ20は、図1(d)に示すように、第1電極21および第2電極22の外周にSn等からなる金属層26が形成されている。これは、Sn等からなる金属層26を有する場合、半田付け性が向上するとともに、防錆効果を有するからである。
なお、半田や導電性ペースト等の接着材料を用いて電極とバイアホールとを接続する場合に用いるコンデンサは、接着材料の接触部分にポリイミド膜が形成されていないことが望ましい。
【0079】
一方、第二の実施形態で用いるコンデンサ220は、図1(c)に示すように、第1電極および第2電極の上面が露出するように金属層226が形成されている。
これはめっき層が露出しているほうが、めっきを用いて電極とバイアホールとを接続するのに適しており、めっきにより、電極とバイアホールとを接続した場合には、接続抵抗を低減させることができるからである。
【0080】
次に、本発明の多層プリント配線板の第三の実施形態について説明する。
図5は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
図5に示した第三の実施形態の多層プリント配線板210は、第二の実施形態の多層プリント配線板とほぼ同様である。
ただし、多層プリント配線板210では、コンデンサの内蔵方法が異なる。即ち、第二の実施形態では、第1電極21および第2電極22のICチップ側(上側)のみ、電気的に接続していた(図4参照)が、本実施形態では、第1電極21および第2電極22のICチップ側(上側)およびドータボード側(下側)の両側をそれぞれ電気的に接続している。また、本実施形態では、外部電極とバイアホールとをめっきにより接続しているため、図1(b)に示すように外部電極の外周に金属被覆層が形成されていないコンデンサを用いている。このような構成の多層プリント配線板では、コンデンサ320の外部電極21、22がいわゆるスルーホールの機能を備えており、パッケージ構造を簡単にすることができるので、高周波のICチップに対応することができる。
なお、本発明の多層プリント配線板の実施形態は、上記第一〜第三の実施形態に限定されず、例えば、多数のコンデンサが1つのキャビティに並列に内蔵された形態であってもよい。このような実施形態の多層プリント配線板では、電源電圧の不足分を補うことができ、ICの誤作動をなくすことができる。従って、このような多層プリント配線板は、フリップチップ用として好適に用いることができる。
また、本発明の多層プリント配線板の実施形態は、図15〜図18に示した、外部電極がマトリックス状に形成されたコンデンサが内蔵された形態であってもよい。
【0081】
このような多層プリント配線板では、基板にコンデンサが内蔵されているため、ICチップを実装した際に、該ICチップとコンデンサとの距離が短く、高周波数で駆動するICチップを実装した場合でも、ループインダクタンスが充分に低い。また、基板に内蔵されているコンデンサは、本発明のコンデンサであり、その表面にポリイミド膜が形成されているため、コンデンサと周辺樹脂との密着性が高く、ヒートサイクル条件下においても、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との接触面で剥離が発生したり、接着剤や層間樹脂絶縁層にクラックが発生したりすることがない。従って、コンデンサの外部電極とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層に膨れが生じたりすることがなく、電気的接続性、信頼性に優れる。
【0082】
次に、本発明の多層プリント配線板を構成するコンデンサ以外の部材について説明する。
上記多層プリント配線板は、コンデンサが内蔵または収納されている基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成されている。
【0083】
上記基板としては、一般的にプリント配線板で使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂、フェノール樹脂等にガラスクロス等の補強材や心材を含浸させた樹脂からなる基板や、エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを積層した基板等が挙げられる。また、補強材や心材を含浸しない樹脂を用いることもできる。なお、両面銅張積層板、片面板、金属膜を有さない樹脂板、樹脂フィルム等を用いてもよい。
【0084】
また、上記基板にはコンデンサが内蔵または収納されているが、ここで、上記コンデンサは、接着剤を介して内蔵または収納されていることが望ましい。コンデンサのズレ等がより発生しにくくなるからである。
上記接着剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0085】
また、上記層間樹脂絶縁層の材質としては、例えば、エポキシ樹脂、BT樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂等の熱硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるもの等が挙げられる。また、感光性樹脂を用いることもできる。
【0086】
上記ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、住友スリーエム社製の商品名:1592等が挙げられる。また、融点が200℃以上の熱可塑型ポリオレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、三井石油化学工業社製の商品名:TPX(融点240℃)、出光石油化学社製の商品名:SPS(融点270℃)等が挙げられる。
【0087】
これらのなかでは、シクロオレフィン系樹脂が望ましい。
シクロオレフィン系樹脂は、誘電率が低く、GHz帯域の高周波信号を用いた場合でも信号遅延や信号エラーが起きにくいことに加え、機械的特性、特に、剛性が高いため、しっかりとした層間樹脂絶縁層を形成することができ、その結果、多層プリント配線板の接続信頼性を充分に確保することができる。
【0088】
また、上記シクロオレフィン系樹脂は、導体回路との密着性にも優れるため、層間樹脂絶縁層が導体回路から剥離することを防止することができ、剥離に起因する層間樹脂絶縁層でのクラックの発生等も防止することができる。
さらに、上記シクロオレフィン系樹脂は、吸水率が小さいため、導体回路間の電気絶縁性が高くなり、信頼性も向上する。
【0089】
上記シクロオレフィン系樹脂としては、2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンまたはこれらの誘導体からなる単量体の単独重合体または共重合体であることが望ましい。上記誘導体としては、2−ノルボルネン等のシクロオレフィンに、架橋を形成するためのアミノ基や無水マレイン酸残基あるいはマレイン酸変性したもの等が結合したもの等が挙げられる。
上記共重合体を合成する場合の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
【0090】
上記シクロオレフィン系樹脂は、上記した樹脂の2種以上の混合物であってもよく、シクロオレフィン系樹脂以外の樹脂を含むものであってもよい。
また、上記シクロオレフィン系樹脂が共重合体である場合には、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。
【0091】
また、上記シクロオレフィン系樹脂は、熱硬化性シクロオレフィン系樹脂であることが望ましい。加熱を行って架橋を形成させることにより、より剛性が高くなり、機械的特性が向上するからである。
上記シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、130〜200℃であることが望ましい。
【0092】
上記シクロオレフィン系樹脂は、フィラー等を含まないものであってもよく、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸エステル等の難燃剤を含むものであってもよい。
【0093】
また、上記樹脂複合体は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを含むものである。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
これらのなかでは、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PI)および/またはフェノキシ樹脂が望ましい。耐熱性、絶縁性に優れるとともに、高い靱性値を有するため、耐クラック性、形状保持性に優れる層間樹脂絶縁層を形成するのに特に適しているからである。
【0094】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂は、感光化した樹脂であってもよく、具体的には、例えば、メタクリル酸やアクリル酸等と熱硬化基とをアクリル化反応させたもの等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂をアクリレート化したものが望ましい。これらのなかでは、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。
【0095】
上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0096】
上記樹脂複合体における熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合割合は、熱硬化性樹脂/熱可塑性樹脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なうことなく、高い靱性値を確保することができるからである。
【0097】
上記樹脂複合体の具体例としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散した粗化面形成用樹脂組成物等が挙げられる。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0098】
上記可溶性粒子としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0099】
上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができるからである。
【0100】
上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径のものを含有してもよい。即ち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均粒径が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。これにより、より複雑な粗化面を形成することができ、導体回路との密着性にも優れる。なお、本明細書において、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分の長さである。
【0101】
上記可溶性樹脂粒子としては、酸あるいは酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)等からなるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるものであってもよい。
【0102】
また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン酸でも溶解することができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低濃度で溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際に、触媒が付与されなかったり、触媒が酸化されたりすることがない。
【0103】
上記可溶性無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。
【0104】
上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0105】
上記可溶性金属粒子としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0106】
上記可溶性粒子を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため上下の導体回路間の絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
【0107】
上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものであればよく、上記熱可塑性樹脂と上記熱硬化性樹脂との混合物を用いることができる。
【0108】
上記樹脂複合体として、粗化面形成用樹脂組成物を用いる場合、上記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、バイアホールを含む導体回路との密着性を確保することができるからである。
また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を含有するフィルムを用いてもよい。この場合、フィルムの表層部以外は、酸または酸化剤にさらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性が確実に保たれる。
【0109】
上記可溶性粒子の混合重量比は、難溶性樹脂の固形分に対して5〜50重量%が望ましく、10〜40重量%がさらに望ましい。
可溶性粒子の混合重量比が5重量%未満では、充分な粗さの粗化面を形成することができない場合があり、50重量%を超えると、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解して粗化面を形成する際に、層間樹脂絶縁層の深部まで溶解してしまい、樹脂絶縁層を介した上下の導体回路間の絶縁性を確保することができず、短絡の原因となる場合がある。
【0110】
上記粗化面形成用樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂および上記熱硬化性樹脂以外に、硬化剤、その他の成分等を含有していることが望ましい。
上記硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル化したもの、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。
【0111】
上記硬化剤の含有量は、粗化面形成用樹脂組成物に対して、0.05〜10重量%であることが望ましい。0.05重量%未満では、層間樹脂絶縁層を形成する際に、樹脂複合体が充分に硬化せず、酸や酸化剤を用いて層間樹脂絶縁層表面に粗化面を形成し、酸等が樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、層間樹脂絶縁層の絶縁性が損なわれることがある。一方、10重量%を超えると過剰な硬化剤成分が樹脂の組成を変成させることがあり、信頼性の低下を招いてしまうことがある。
【0112】
上記その他の成分としては、例えば、粗化面の形成に影響しない無機化合物や樹脂等のフィラーが挙げられる。
上記無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのフィラーを含有させることにより、熱膨張係数の整合や耐熱性、耐薬品性の向上等を図り、多層プリント配線板の性能をより向上させることができる。
【0113】
また、上記粗化面形成用樹脂組成物は、溶剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0114】
また、上記導体回路の材質としては、例えば、スズ、亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、タリウム、鉛等が挙げられる。これらのなかでは、電気特性、経済性等に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるものが望ましい。
また、上記導体回路は、単層であってもよいし、2層以上からなるものであってもよく、無電解銅めっき層と電解銅めっき層の2層からなるものが望ましい。
【0115】
また、上記多層プリント配線板において、コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路は、バイアホールを介して接続されている。
上記バイアホールの材質としては、上記導体回路の材質と同様のもの等が挙げられる。また、上記バイアホールは、単層であってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。
このような構成からなる本発明の多層プリント配線板は、例えば、後述する第一または第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法等を用いて製造することができる。
【0116】
次に、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する。
第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板の製造方法であって、
少なくとも下記(A)〜(D)の工程を含むことを特徴とする。
(A)樹脂フィルムに本発明のコンデンサを取り付けるコンデンサ取り付け工程、
(B)凹部または貫通孔が形成された基板の上記凹部または上記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、上記樹脂フィルムを上記基板に圧着する樹脂フィルム圧着工程、
(C)上記樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする層間樹脂絶縁層形成工程、および、
(D)上記バイアホール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層表面に導体回路を形成する導体回路形成工程。
【0117】
第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法では、本発明の多層プリント配線板、即ち、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との間で剥離が発生したり、接着剤や層間樹脂絶縁層にクラックが発生したりすることがない多層プリント配線板を製造することができる。
ここでは、まず、上記(A)〜(D)の工程について説明し、この(A)〜(D)の工程を含む多層プリント配線板の全製造工程については、後に詳述する。
【0118】
上記(A)の工程、即ち、コンデンサ取り付け工程では、樹脂フィルムに本発明のコンデンサを取り付ける。
ここでは、樹脂フィルムの表面の一部に予め導体層を形成しておき、この導体層に半田ペースト等の接着材料を介してコンデンサを取り付ける。また、半田ペースト等を介してコンデンサを取り付けるため、コンデンサとしてはSnからなる金属被覆層が形成されたコンデンサを用いることが望ましい。
また、樹脂フィルムに導体層を形成することなく、コンデンサは樹脂フィルムに直接取り付けてもよい。この場合は、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の接着剤を介してコンデンサを取り付けることが望ましい。
【0119】
樹脂フィルムの表面の一部に導体層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきやスパッタリング等を施したり、金属箔を張り付けたりすることにより、樹脂フィルムの表面全体に導体膜を形成した後、パターンエッチングを施す方法等を用いることができる。
また、無電解めっき等により樹脂フィルムの表面全体に導体膜を形成した後、電解めっきを行い、導体膜の厚さを調整してもよい。
なお、この工程でコンデンサを取り付ける樹脂フィルムが、本発明で製造する多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層となる。
【0120】
上記(B)の工程、即ち、樹脂フィルム圧着工程では、凹部または貫通孔が形成された基板の上記凹部または上記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、上記樹脂フィルムを上記基板に圧着する。
従って、この工程では、コンデンサを取り付けた樹脂フィルムとは別に、凹部または貫通孔が形成された基板を用意する。
上記凹部が形成された基板は、例えば、貫通孔や凹部を形成したプリプレグと貫通孔等を有しないプリプレグとを接合したり、射出成形等により形成することができる。
また、上記貫通孔が形成された基板は、基板にドリル等で貫通孔を形成したり、射出成形等により得ることができる。
【0121】
このとき、予め、凹部や貫通孔の内壁面および/またはコンデンサ表面に接着剤を塗布しておくことにより、コンデンサを凹部や貫通孔の内壁面に接着剤を介して接着させることができる。
ここで用いるコンデンサは、本発明のコンデンサであり、その表面にポリイミド膜が形成されているため接着剤との密着性に優れる。ポリイミド膜は、コンデンサと接着剤の両者と親和性を有するからである。
なお、このとき、基板のコンデンサを取り付けた樹脂フィルムを圧着する面と反対側の面にも、樹脂フィルムを圧着してもよい。基板の両面に層間樹脂絶縁層が形成されることとなるからである。特に、貫通孔が形成された基板に樹脂フィルムを圧着する場合には、基板の両面に樹脂フィルムを圧着することが望ましい。また、この後、必要に応じて、加熱硬化させることにより、樹脂フィルムの硬化層を形成する。具体的には、熱硬化性樹脂や樹脂複合体からなる樹脂フィルムを用いた場合には、加熱硬化を行い、樹脂フィルムの硬化層を形成する。
なお、本明細書においては、以下、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを圧着して形成した樹脂フィルムの層も樹脂フィルムの硬化層という。
【0122】
この樹脂フィルム圧着工程において、貫通孔が形成された基板を用いた場合には、コンデンサの外部電極がいわゆるスルーホールとしての機能を備えた多層プリント配線板を好適に製造することができる。
【0123】
さらに、上記(C)の工程、即ち、層間樹脂絶縁層形成工程を行い、樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする。
バイアホール用開口の形成は、例えば、レーザ処理を用いて行うことができる。このとき、使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
【0124】
上記エキシマレーザは、後述するように、バイアーホール用開口を形成する部分に貫通孔が形成されたマスク等を用いることにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができ、また、短パルスの炭酸ガスレーザは、バイアホール用開口内の樹脂残りが少なく、レーザ照射部位の周囲の樹脂に対するダメージが特に少ないからである。
【0125】
この工程でバイアホール用開口を形成した場合、上記(A)の工程で導体層を介することなくコンデンサを直接取り付けた樹脂フィルムを用いていると、バイアホール用開口の底面にコンデンサの外部電極が露出することとなる。
ここで、コンデンサの外部電極が導電性ペーストのみで構成されている場合、導電性ペーストが柔らかいことに起因して以下のような不都合が発生することとなる。
【0126】
即ち、上記樹脂フィルムの硬化層にレーザを照射した場合、該樹脂フィルムの硬化層の下に存在する導電性ペーストが柔らかいため、樹脂フィルムの硬化層が導電性ペースト層中に押し込まれてしまい、その結果、レーザ処理終了時に導電性ペースト層に樹脂残りが発生することがある。このような樹脂残りは、バイアホールを形成した際の接続不良の原因となり、多層プリント配線板の信頼性の低下に繋がる。
【0127】
しかしながら、コンデンサとして、その外部電極が少なくとも2層から構成され、最内層が導電性ペースト層であり、最外層がめっき層であるコンデンサを用いた場合には、バイアホール用開口の底面に露出するのはめっき層であり、該めっき層は、導電性ペースト層に比べて固いため、上述した不都合が発生しにくく、より信頼性に優れる多層プリント配線板を製造することができる。
なお、場合によっては、外部電極が導電性ペーストのみから構成されていてもよく、この場合、該導電性ペーストは、Ni、Cu、Ag、Pdを含むものであることが望ましく、Cuを含むものであることがより望ましい。これは、通常、バイアホールが銅を用いて形成されているため、電気特性の低下が少なく、バイアホールと外部電極との間で剥離が発生しにくいからである。なお、ヒートサイクル条件下においても同様に剥離が発生しにくい。
【0128】
エキシマレーザを用いてバイアホール用開口を形成する場合には、ホログラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レンズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射する方式であり、この方式を用いることにより、一度の照射で樹脂フィルム層に多数の開口を効率的に形成することができる。
【0129】
また、炭酸ガスレーザを用いる場合、そのパルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望ましい。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間は、10〜500μ秒であることが望ましい。
また、バイアホール用開口を形成する部分に貫通孔が形成されたマスクの貫通孔は、レーザ光のスポット形状を真円にするために、真円である必要があり、上記貫通孔の径は、0.1〜2mm程度が望ましい。
【0130】
また、光学系レンズと、マスクとを介してレーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射強度が同一のレーザ光を複数の部分に照射することができるからである。
【0131】
また、樹脂フィルムが感光性樹脂からなる場合には、露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成してもよい。
なお、この場合は、樹脂フィルムを基板に積層して、プレスした後、加熱硬化する前に、露光・現像処理を施すことが望ましい。
完全に硬化した層は、露光・現像処理により開口を形成するのに適さず、所望の形状の開口を形成することができないからである。
【0132】
また、露光、現像処理を用いてバイアホール用開口を形成する場合においても、バイアホール用開口の底面にコンデンサの外部電極が露出する場合には、コンデンサは、その外部電極が少なくとも2層から構成され、最内層が導電性ペースト層であり、最外層がめっき層であるものが望ましい。
導電性ペーストは、通常、球状や破砕状等の導電性粒子を含んでおり、この導電性粒子同士の間には隙間が存在している。そのため、樹脂フィルムを基板に積層してプレスした際に、該樹脂フィルムが導電性粒子間の隙間にも入り込むこととなる。このように、導電性粒子間の隙間に入り込んだ樹脂フィルムは、露光現像処理により除去することが難しく、その結果、バイアホール用開口を形成した際に導電性ペースト層に樹脂残りが発生することがある。
しかしながら、導電性ペーストに比べて硬いメッキ層では、このような不都合が発生しにくい。
【0133】
また、露光現像処理を用いてバイアホール用開口を形成した際に、該バイアホール用開口の底面に外部電極が露出する場合は、この外部電極の露出面に、ポリイミド膜が形成されていないコンデンサを用いることが望ましい。露光現像処理では、ポリイミド膜を除去することができず、ポリイミド膜が存在したままバイアホールを形成すると、外部電極とバイアホールとの間で導通不良が発生したり、両者の間で剥離が発生したりすることがあるからである。
ただし、レーザ処理によりバイアホール用開口を形成する場合は、外部電極の露出面にポリイミド膜が形成されたコンデンサを用いてもよい。レーザ処理時にポリイミド膜も除去することができるからである。
【0134】
また、バイアホール用開口を形成した後、必要に応じて、デスミア処理を行う。上記デスミア処理は、クロム酸、過マンガン酸塩等の水溶液からなる酸化剤を使用して行うことができる。また、酸素プラズマ、CF4 と酸素との混合プラズマやコロナ放電等で処理してもよい。また、低圧水銀ランプを用いて紫外線照射することにより、表面改質することもできる。
【0135】
また、必要に応じて、層間樹脂絶縁層の表面(バイアホール用開口の内壁面を含む)に粗化面を形成してもよい。
粗化面を形成することにより、後工程で層間樹脂絶縁層上に形成する導体回路(バイアホールを含む)との密着性がより優れたものとなる。
上記粗化面を形成する方法としては、例えば、層間樹脂絶縁層の材料として、上記ポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、プラズマ処理により粗化面を形成することができ、上記粗化面形成用樹脂組成物を用いた場合には、酸や酸化剤を用いて粗化面を形成することができる。
【0136】
なお、このバイアホール用開口形成工程終了後、その両面に層間樹脂絶縁層を形成した基板にスルーホール用貫通孔を形成し、下記する導体回路形成工程を行う際に、同時にスルーホール用貫通孔壁面にも導体層を形成し、スルーホールとしてもよい。
上記スルーホール用貫通孔は、ドリル加工やレーザ処理等により形成することができる。なお、補強材や心材を含浸させた樹脂からなる基板を用いている場合には、ドリル加工を用いることが望ましい。
また、上記スルーホール用貫通孔の径は、50〜500μmが望ましい。
なお、スルーホール用貫通孔を形成した場合には、該スルーホール用貫通孔の壁面に導体層を形成する前に、デスミア処理や粗化面形成処理を施してもよい。
【0137】
さらに、上記(D)の工程、即ち、導体回路形成工程を行い、上記バイアホール用開口の壁面を含む樹脂フィルムの表面に導体回路を形成する。
この工程を経ることにより、層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成することができるとともに、この導体回路とコンデンサとを電気的に接続するためのバイアホールを形成することができる。
【0138】
以下、この導体回路形成工程について詳細に説明する。
まず、無電解めっき、スパッタリング等により層間樹脂絶縁層表面(バイアホール用開口およびスルーホール用貫通孔の内壁面を含む)に薄膜導体層を形成する。薄膜導体層は、単層であってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。
薄膜導体層は、例えば、無電解めっきやスパッタリング等により形成することができる。
なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、予め、層間樹脂絶縁層表面にパラジウム触媒等の触媒核を付与しておくことが望ましい。
【0139】
また、薄膜導体層の厚さとしては、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、0.6〜1.2μmが望ましく、スパッタリングにより形成する場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
【0140】
次に、薄膜導体層を形成した層間樹脂絶縁層上の一部にドライフィルムを用いてめっきレジストを形成し、その後、薄膜導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を析出させる。
また、このとき、バイアホール用開口を電解めっきにより充填してフィールドビア構造としてもよく、バイアホール用開口に導電性ペーストを充填した後、その上に蓋めっき層を形成してフィールドビア構造としてもよい。フィールドビア構造を形成することにより、バイアホールの直上にバイアホールを設けることができる。
【0141】
次に、めっきレジストを除去した後、そのめっきレジスト下に存在する薄膜導体層をエッチングにて溶解除去し、薄膜導体層と電解めっき層とからなる導体回路(バイアホールおよびスルーホールを含む)を形成する。
なお、触媒を付着させた後、無電解めっきにより薄膜導体層を形成した場合は、酸、または、酸化剤を用いて層間樹脂絶縁層上の触媒を除去してもよい。触媒を除去することにより、電気特性の低減を防止することができる。
【0142】
また、上記したような薄膜導体層形成後めっきレジストを形成し、さらに、電解めっき処理とエッチング処理とを施すことにより導体回路を形成する方法に代えて、以下の方法を用いて導体回路を形成してもよい。
【0143】
即ち、まず、上記した方法と同様の方法を用いて薄膜導体層を形成する。次いで、この薄膜導体層をめっきリードとして、薄膜導体層上全面に電解めっき層を形成し、さらに、電解めっき層上にドライフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、エッチングレジスト非形成部下の電解めっき層と無電解めっき層とをエッチング除去することにより導体回路を形成してもよい。
このような(A)〜(D)の工程を経ることにより、コンデンサを収納した基板上に層間樹脂絶縁層と導体回路とを形成することができる。
【0144】
次に、上記(A)〜(D)の工程を含む本発明の多層プリント配線板の製造方法の全製造工程、即ち、上記(A)〜(D)の工程を経た後、多層プリント配線板を完成するまでの全製造工程について、工程順に説明する。
【0145】
(1)上記(A)〜(D)の工程を経た後、必要に応じて、導体回路、バイアホールおよびスルーホールの表面に粗化面を形成する。
該粗化面は、エッチング処理、黒化還元処理、めっき処理等により形成することができる。
【0146】
上記エッチング処理は、例えば、有機酸と第二銅錯体とを含むエッチング液を用いて行うことができる。
上記有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、スルファミン酸等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。上記混合溶液において、上記有機酸の含有量は、0.1〜30重量%が望ましい。酸化された銅の溶解性を維持し、かつ、触媒安定性を確保することができるからである。
【0147】
上記第二銅錯体としては、アゾール類の第二銅錯体が望ましい。このアゾール類の第二銅錯体は、金属銅等を酸化する酸化剤として作用する。アゾール類としては、例えば、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール等が挙げられる。これらのなかでは、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾールが望ましい。上記エッチング液において、上記第二銅錯体の含有量は、1〜15重量%が望ましい。溶解性および安定性に優れ、また、触媒核を構成するPd等の貴金属をも溶解させることができるからである。
【0148】
上記黒化還元処理の具体的な方法としては、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)、を含む水溶液を黒化浴とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行う方法等が挙げられる。
【0149】
上記めっき処理の具体的な方法としては、硫酸銅(1〜40g/l)、硫酸ニッケル(0.1〜6.0g/l)、クエン酸(10〜20g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10〜100g/l)、ホウ酸(10〜40g/l)および界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)(0.01〜10g/l)を含むpH=9の無電解めっき浴にて無電解めっきを施す方法等が挙げられる。
【0150】
(2)次に、上記(D)の工程でスルーホールを形成した場合には、スルーホール内を樹脂充填材を用いて充填し、さらに、導体回路を形成した基板の両面に樹脂フィルムを張り付ける。
上記樹脂充填材としては、エポキシ樹脂等の樹脂を主成分とする導電性を有さない樹脂や、銅等の金属ペーストを含有させた導電性樹脂等を用いることができる。また、熱硬化性エポキシ樹脂に、シリカ等の無機フィラーを配合して熱膨張率を層間樹脂絶縁層や基板と整合させた樹脂充填材を用いてもよい。
また、樹脂フィルムとしては、樹脂フィルムと同様のものを用いることができる。
【0151】
(3)次に、必要に応じて、樹脂フィルムを硬化させた後、上記(c)および(d)の工程と、上記(1)および(2)の工程を繰り返すことにより、更に上層の層間樹脂絶縁層および導体回路(バイアホールを含む)を形成する。
なお、この工程では、スルーホール用貫通孔の形成を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0152】
(4)次に、最外層の導体回路を含む基板面に開口部を有するソルダーレジスト層を形成する。上記ソルダーレジスト層としては、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性エラストマー、ソルダーレジスト樹脂組成物等からなるものが挙げられる。
上記ソルダーレジスト層は、未硬化の樹脂(ソルダーレジスト樹脂組成物)をロールコータ法等により塗布したり、未硬化の樹脂フィルムを熱圧着したりした後、レーザ処理、露光・現像処理等により開口処理を行い、さらに、硬化処理等を行うことにより形成する。
【0153】
上記ソルダーレジスト樹脂組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体等が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調製されていることが望ましい。
【0154】
上記ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノールノボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテルをアクリル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹脂等が挙げられる。
また、上記2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては特に限定されず、例えば、各種ジオール類やアクリル酸やメタクリル酸のエステル等が挙げられる。
また、開口部は、露光、現像処理、レーザ処理等により形成する。
【0155】
(5)この後、ソルダーレジスト層の開口部内の導体回路上にニッケルめっき層、金めっき層等を形成することにより、半田パッドを設け、該半田パッド上に、はんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることにより、半田バンプを形成する。これにより、ICチップが基板に内蔵され、半田バンプを有する多層プリント配線板を得ることができる。
また、上記ソルダーレジスト層の開口部に、はんだペーストを印刷した後、開口部に導電性ピンを載置し、230℃でリフローすることにより、外部端子と接続するためのPGA(Pin Grid Array)が配設された多層プリント配線板としてもよい。
【0156】
次に、第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する。
第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板の製造方法であって、
少なくとも下記(a)〜(e)の工程を含むことを特徴とする。
(a)本発明のコンデンサを基板Aに取り付けるコンデンサ取り付け工程、
(b)貫通孔が形成された基板Bの上記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、上記コンデンサを取り付けた基板Aに上記貫通孔が形成された基板Bを積層する基板積層工程、
(c)上記貫通孔が形成された基板Bのコンデンサが露出している側に樹脂フィルムを圧着する樹脂フィルム圧着工程、
(d)上記樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする層間樹脂絶縁層形成工程、および、
(e)上記バイアホール用開口の壁面を含む樹脂フィルムの表面に導体回路を形成する導体回路形成工程。
【0157】
第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法では、本発明の多層プリント配線板、即ち、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との間で剥離が発生したり、接着剤や層間樹脂絶縁層にクラックが発生したりすることがない多層プリント配線板を製造することができる。
【0158】
第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法と比べて、(a)〜(e)の工程、即ち、基板にコンデンサを収納し、さらに、層間樹脂絶縁層と導体回路とを形成する工程が異なるのみであるため、ここでは、(a)〜(e)の工程についてのみ説明することとし、第二の本発明の製造方法の全製造工程についての説明は、省略することとする。
【0159】
上記(a)の工程、即ち、コンデンサ取り付け工程では、本発明のコンデンサを基板Aに取り付ける。
この工程では、通常、接着剤を介して、基板Aにコンデンサを取り付ける。
ここで用いるコンデンサは、本発明のコンデンサであり、その表面にポリイミド膜が形成されているため接着剤との密着性に優れる。ポリイミド膜は、コンデンサと接着剤の両者と親和性を有するからである。
【0160】
上記(b)の工程、即ち、基板積層工程では、貫通孔が形成された基板Bの上記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、コンデンサを取り付けた基板Aに上記貫通孔が形成された基板Bを積層する。
従って、この工程では貫通孔の形成された基板Bを別に用意する。上記貫通孔の形成は、例えば、レーザ処理やドリル加工を用いて行うことが望ましく、基板Bとしてガラスクロス等の強化材を含む基板を用いる場合には、ドリル加工を用いて行うことが望ましい。
また、上記貫通孔の形成された基板Bの材質は特に限定されず、上記(a)の工程でコンデンサを取り付けた基板Aの材質と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0161】
また、この工程でコンデンサを取り付けた基板Aに上記貫通孔が形成された基板Bを積層する際には、予め、上記コンデンサを取り付けた基板Aのコンデンサ取り付けた面や、上記貫通孔が形成された基板Bの貫通孔壁面や基板Aに対向する面に接着剤を塗布しておくことが望ましい。
基板同士を強固に接着することができるとともに、その表面にポリイミド膜が形成されたコンデンサを、接着剤を介して貫通孔内にしっかりと固定することができるからである。
接着剤を塗布する場合には、上記コンデンサを取り付けた基板Aのコンデンサ取り付けた面に接着剤を塗布する方法を選択することが望ましい。貫通孔壁面に接着剤を塗布する方法に比べて操作が容易であり、コンデンサ取り付けた面に充分な量の接着剤を塗布しておいた場合、該接着剤が流動性を有するため、基板Aに基板Bを積層する際に接着剤がコンデンサと貫通孔壁面との間にも入り込みコンデンサをしっかりと固定することができるからである。
このような(a)および(b)の工程を経ることによりコンデンサ内蔵基板を形成することができる。
【0162】
上記(c)の工程、即ち、上記樹脂フィルム圧着工程では、上記貫通孔が形成された基板Bのコンデンサが露出している側に樹脂フィルムを圧着する。
この工程では、樹脂フィルムを圧着した後、必要に応じて、加熱硬化を施すことにより樹脂フィルムの硬化層を形成することができる。
なお、加熱硬化を施す場合、加熱硬化は下記(d)の工程でバイアホール用開口を形成した後に行ってもよい。
この工程で圧着する樹脂フィルムが本発明の製造方法で製造する多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層となる。
なお、樹脂フィルムを圧着する際には、コンデンサを取り付けた基板Aのコンデンサを取り付けた面と反対側の面にも樹脂フィルムを圧着してもよい。
【0163】
上記(d)の工程、即ち、層間樹脂絶縁層形成工程では、上記樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。
この工程では、樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成することにより層間樹脂絶縁層を形成することができる。
バイアホール用開口の形成は、例えば、レーザ処理を用いて行うことができる。このとき、使用するレーザとしては、第一の本発明の製造方法で用いるレーザと同様のもの等が挙げられる。
また、上記(c)の工程で、樹脂フィルムとして感光性樹脂からなるものを用いた場合には、露光、現像処理によりバイアホール用開口を形成してもよい。
【0164】
また、第一の本発明の製造方法と同様、露光現像処理を用いてバイアホール用開口を形成した際に、該バイアホール用開口の底面に外部電極が露出する場合は、この外部電極の露出面に、ポリイミド膜が形成されていないコンデンサを用いることが望ましい。ただし、レーザ処理によりバイアホール用開口を形成する場合は、外部電極の露出面にポリイミド膜が形成されたコンデンサを用いてもよい。
【0165】
バイアホール用開口形成後、必要に応じて、デスミア処理を行ってもよい。
上記デスミア処理は、クロム酸、過マンガン酸塩等の水溶液からなる酸化剤を使用して行うことができる。また、酸素プラズマ、CF4 と酸素との混合プラズマやコロナ放電等で処理してもよい。また、低圧水銀ランプを用いて紫外線照射することにより、表面改質することもできる。
また、必要に応じて、層間樹脂絶縁層表面(バイアホール用開口の内壁面を含む)に粗化面を形成してもよい。
【0166】
さらに、上記(e)の工程、即ち、導体回路形成工程を行い、上記バイアホール用開口の壁面を含む樹脂フィルムの表面に導体層を形成する。
この工程を経ることにより、層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成することができるとともに、この導体回路とコンデンサとを電気的に接続するためのバイアホールを形成することができる。
【0167】
なお、この工程を行う前に、層間樹脂絶縁層を形成した基板にスルーホール用貫通孔を形成しておき、上記導体回路形成工程を行う際に、同時に貫通孔壁面に導体層を形成し、スルーホールとしてもよい。
【0168】
上記導体回路形成工程を行う具体的な方法としては、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法で行う具体的な方法、即ち、薄膜導体層を成形した後、めっきレジストを設け、電解めっきとエッチング処理を行うことにより導体回路を形成する方法や、薄膜導体層を成形した後、電解めっきを行い、エッチングレジストを設けてエッチング処理を行うことにより導体回路を形成する方法等が挙げられる。
このような(a)〜(e)の工程を経ることにより、コンデンサを収納した基板上に層間樹脂絶縁層と導体回路とを形成することができる。
【0169】
このような第一または第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法を用いることにより、本発明の多層プリント配線板を好適に製造することができる。
なお、本発明の多層プリント配線板は、第一または第二の本発明の製造方法以外の方法を用いても製造することができる。
【0170】
具体的には、例えば、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法における(a)および(b)の工程、即ち、コンデンサを取り付けた樹脂フィルムを、予め貫通孔等を形成しておいた基板に圧着し、コンデンサ内蔵基板と樹脂フィルムの硬化層とを形成する工程に代えて、下記(1)および(2)の工程を行い、その他の工程を第一の本発明の製造方法と同様の方法で行うことによっても、本発明の多層プリント配線板を製造することができる。
【0171】
(1)まず、基板に貫通孔を形成する。該貫通孔は、例えば、ドリル加工やレーザ処理等により形成する。
さらに、上記基板の貫通孔内に本発明のコンデンサを内蔵する。ここでは、貫通孔の内壁面および/またはコンデンサの側面に、予め、接着剤を塗布しておき、貫通孔内にコンデンサを収納する。
【0172】
(2)次に、コンデンサを内蔵した基板の両面に、樹脂フィルムを圧着し、その後、必要に応じて、加熱硬化を施すことによりコンデンサ内蔵基板と樹脂フィルムの硬化層とを形成する。
このような工程を経る多層プリント配線板の製造方法でも、本発明の多層プリント配線板を製造することができる。
【0173】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(1)片面に銅からなる金属膜41を積層したエポキシ樹脂フィルム40αを出発材料とする(図6(a)参照)。
まず、金属膜41をパターンエッチングすることにより、所定の回路パターン42を形成した(図6(b)参照)。
【0174】
(2)次に、樹脂フィルム40αに形成した回路パターン42に、半田34を介してコンデンサ20を取り付けた(図6(c)参照)。
コンデンサ20としては、市販のチップコンデンサ(村田製作所社製、LL0612)の表面全体に、以下の方法でポリイミド膜が形成されたコンデンサを使用した。なお、コンデンサとしては、外部電極の表面全体が銅で形成されたものを使用した(図1(d)参照)。
【0175】
また、ポリイミド膜の形成は以下のようにして行った。即ち、40重量%のポリアミドイミドを含む35℃の溶液中にチップコンデンサを浸漬し、ポリイミド膜を形成した。
【0176】
(3)上記とは別に、コンデンサ20を内蔵するための凹部31を穿設した基板30αを用意する。
次に、凹部31の内壁に接着剤を塗布した後、コンデンサ20を取り付けた樹脂フィルム40αと、凹部31を穿設した基板30αと、もう1枚の樹脂フィルム40αとを積層してプレスした(図6(c)および(d)参照)。
なお、接着剤としては、エポキシ系樹脂を用いた。
【0177】
(4)次に、加熱硬化処理を施し、コンデンサ20を内蔵する基板30と、樹脂フィルムの硬化層40βを形成した(図7(a)参照)。なお、図7(a)において、32は接着剤層である。
続いて、樹脂フィルムの硬化層40β上に、貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、2ショットの条件で樹脂フィルムの硬化層40βに、直径60μmのバイアホール用開口43を形成し、層間樹脂絶縁層40とした(図7(b)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行った。
【0178】
(5)次に、層間樹脂絶縁層50を形成した基板30に、ドリル加工により、直径100μmのスルーホール用貫通孔33を形成した(図7(c)参照)。
さらに、層間樹脂絶縁層40の表面(バイアホール用開口43およびスルーホール用貫通孔33の内壁面を含む)に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層40の表面に触媒核を付着させた。
【0179】
(6)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層40およびスルーホール用貫通孔33の表面全体に厚さ0.6〜0.9μmの薄膜導体層(無電解銅めっき層)44を形成した(図8(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 40 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分
【0180】
(7)次に、市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき44に張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト51を設けた。
さらに、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、めっきレジスト非形成部に電解銅めっき層45を形成した(図8(b)参照)。
【0181】
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 1.95 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0182】
(8)次に、めっきレジスト51を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト51下の無電解めっき層44を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチングして除去し、層間樹脂絶縁層40には導体回路48とバイアホール46を形成し、基板30にはスルーホール36を形成した(図8(c)参照)。
【0183】
(9)次に、導体回路48、バイアホール46およびスルーホール36の表面を、有機酸塩と第二銅錯体とからなるエッチング液を用いて、エッチング処理することにより、該表面に粗化面(図示せず)を形成した。
さらに、導体回路48等を形成した基板を、800g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に3分間浸漬して、導体回路非形成部分に位置する導体回路間の層間樹脂絶縁層40の表面を1μmエッチングし、その表面に残存するパラジウム触媒を除去した。
【0184】
さらに、スルホール36内にスキージを用いて樹脂充填剤を充填し、100℃で20分間乾燥させることにより、樹脂充填剤層38を形成した。
なお、樹脂充填剤としては、ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の粒径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)72重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度を23±1℃で30〜60Pa・sに調製したものを使用した。ここで、硬化剤としては、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0185】
その後、基板の両面に樹脂フィルム60αを張り付けた(図9(a)参照)。なお、樹脂フィルム60αとしては、エポキシ樹脂からなる樹脂フィルムを用いた。
【0186】
(10)上記(4)〜(8)の工程(スルーホール用貫通孔を形成する工程を除く)を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路68(バイアホール66を含む)を形成し、その後、導体回路66の表面をエッチング処理し、粗化面(図示せず)を形成することにより、最外層に導体回路の形成された多層配線板を得た(図9(b)〜図10(b)参照)。
【0187】
(11)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調整し、この混合組成物に対して光重量開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0188】
(12)次に、多層配線板に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジストレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層70に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71を形成した(図10(c)参照)。
【0189】
(13)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層(図示せず)を形成した。さらに、その基板を、シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層上に厚さ0.03μmの金めっき層(図示せず)を形成することで、導体回路68およびに半田パッドを形成した。
【0190】
(14)この後、ソルダーレジスト層70の開口部71に、はんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることにより、半田バンプ76を形成した。これにより、コンデンサ20を内蔵し、半田バンプ76を有する多層プリント配線板10を得た(図2参照)。
【0191】
(実施例2)
(1)エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ35を2枚積層した積層板30βを出発材料とした。まず、この積層板30βに接着剤(熱硬化性樹脂)を介在させてコンデンサ220を取り付けた(図11(a)参照)。
【0192】
コンデンサ220としては、市販のチップコンデンサ(村田製作所社製、LL0612)の表面全体に、以下の方法でポリイミド膜が形成されたコンデンサを使用した。なお、コンデンサとしては、外部電極の上面が銅めっき層であるものを使用した(図1(c)参照)。
【0193】
また、ポリイミド膜の形成は以下のようにして行った。即ち、45重量%のポリアミドイミドを含む38℃の溶液中にチップコンデンサを10分間浸漬した後、45℃まで昇温しながら1時間加熱することによりポリイミド膜を形成した。
【0194】
(2)上記とは別に、プリプレグ35を4枚積層し、コンデンサを収納するための貫通孔37を形成した積層板30αを用意し、この積層板30αとコンデンサ220を取り付けた積層板30βとを積層して張り付け、コンデンサ220を内蔵する基板30を得た(図11(b)参照)。なお、このとき、積層板30βのコンデンサを取り付けた側の面に予め接着剤を塗布しておいた。その結果、積層板30αと積層板30βとを張り付けた際に接着剤が流動し、コンデンサ220の壁面と貫通孔37の壁面との間に接着剤層が形成された。
【0195】
(3)次に、コンデンサ220を内蔵した基板30の上下に樹脂フィルム40αを積層してプレスし、その後、加熱硬化処理を施し、コンデンサ220を内蔵した基板の両面に樹脂フィルムの硬化層40βを形成した(図11(c)および(d)参照)。
なお、樹脂フィルム40αとしては、熱硬化性シクロオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムを使用した。
【0196】
(4)次に、樹脂フィルムの硬化層40βを形成した基板30に、ドリル加工により、直径100μmのスルーホール用貫通孔33を形成した(図12(a)参照)。
【0197】
続いて、樹脂フィルムの硬化層40β上に、貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、ドップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、2ショットの条件で樹脂フィルムの硬化層40βに、直径60μmのバイアホール用開口43を形成し、層間樹脂絶縁層40とした(図12(b)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行った。
【0198】
(5)次に、日本真空技術株式会社製のSV−4540を用いてプラズマ処理を行い、層間樹脂絶縁層40の表面に粗化面(図示せず)を形成した。この際、不活性ガスとしては、アルゴンガスを使用し、電力200W、ガス圧0.6Pa、温度70℃の条件で2分間プラズマ処理を実施した。
【0199】
(6)次に、同じ装置を用い、内部アルゴンガスを使用した後、Ni−Cu合金をターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で行い、Ni−Cu合金からなる厚さ0.2μmの薄膜導体層44を層間樹脂絶縁層40および貫通孔33の表面に形成した(図12(c)参照)。
【0200】
(7)次に、市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき44に張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト51を設けた(図13(a)参照)。
さらに、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、めっきレジスト非形成部に電解銅めっき層45を形成した(図13(b)参照)。
【0201】
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 1.95 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0202】
(8)次に、めっきレジスト51を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト51下の無電解めっき層44を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチングして除去し、層間樹脂絶縁層40に導体回路48とバイアホール46を、基板30にスルーホール36を形成した(図13(c)参照)。
【0203】
(9)次に、導体回路48、バイアホール46およびスルーホール36の表面を、有機酸塩と第二銅錯体とからなるエッチング液を用いて、エッチング処理することにより、該表面に粗化面(図示せず)を形成した。
さらに、導体回路48等を形成した基板を、800g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に3分間浸漬して、導体回路非形成部分に位置する導体回路間の層間樹脂絶縁層40の表面を1μmエッチングし、その表面に残存するパラジウム触媒を除去した。
【0204】
さらに、スルホール36内にスキージを用いて樹脂充填剤を充填し、100℃で20分間乾燥させることにより、樹脂充填剤層を形成した。
なお、樹脂充填剤としては、実施例1で用いた樹脂充填剤と同様のものを用いた。
【0205】
その後、基板の両面に樹脂フィルム60αを張り付けた。なお、樹脂フィルム60αとしては、樹脂フィルム40αと同様のものを用いた。
【0206】
(10)上記(4)〜(8)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路68(バイアホール66を含む)を形成し、その後、導体回路66の表面をエッチング処理することにより、粗化面を形成することにより、最外層に導体回路の形成された多層配線板を得た。
【0207】
(11)実施例1の(11)〜(14)と同様にして、コンデンサ120を内蔵し、半田バンプ76を有する多層プリント配線板110を得た(図4参照)。
【0208】
(実施例3)
コンデンサとして、市販のチップコンデンサ(村田製作所社製、LL0612)の表面全体に、実施例2と同様の方法でポリイミド膜が形成されたコンデンサを使用し、さらに、実施例2の(6)の工程に代えて、下記(1)〜(2)の工程を行った以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。なお、コンデンサとしては、金属被覆層が形成されておらず、外部電極の表面全体が銅めっき層であるものを使用した(図1(b)参照)。
なお、コンデンサとしては、金属被覆層から銅が露出したものを用いてもよい。
【0209】
(1)層間樹脂絶縁層の表面(バイアホール用開口およびスルーホール用貫通孔の内壁面を含む)にパラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層40の表面に触媒核を付着させた。
【0210】
(2)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層40およびスルーホール用貫通孔33の表面全体に厚さ0.6〜0.9μmの薄膜導体層(無電解銅めっき層)44を形成した(図8(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 40 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分
【0211】
(実施例4)
実施例1の(2)の工程で、外部電極がマトリックス状に形成されており、該外部電極の表面全体が銅で形成されたコンデンサを用いた以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0212】
(比較例1)
実施例1の(2)の工程で、その周囲にポリイミド膜を形成していないコンデンサを用いた以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0213】
(比較例2)
実施例2の(2)の工程で、その周囲にポリイミド膜を形成していないコンデンサを用いた以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0214】
実施例1〜4、および、比較例1、2で得られた多層プリント配線板について、下記の条件でヒートサイクル試験を行った後、下記の評価方法により、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層と間での剥離の発生の有無、接着剤や層間樹脂絶縁層中でのクラックの発生の有無、短絡または断線の発生の有無、層間樹脂絶縁層の膨れの有無を評価した。結果を表1に示した。
【0215】
ヒートサイクル試験(信頼性試験)
得られた多層プリント配線板を、130℃の雰囲気下に3分間維持した後、−65℃の雰囲気下に3分間維持するサイクルを、1000回および2000回繰り返した。
【0216】
評価方法
(1)コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との間での剥離の発生の有無
多層プリント配線板をカッターで切断し、切断した断面を顕微鏡で観察した。なお、ここでは、コンデンサを切断するように、多層プリント配線板を切断した。その結果を下記の表1に示した。
【0217】
(2)接着剤や層間樹脂絶縁層中でのクラックの発生の有無
上記(1)と同様にして多層プリント配線板を切断し、その断面を顕微鏡で観察した。その結果を下記の表1に示した。
【0218】
(3)短絡または断線の発生の有無
多層プリント配線板にICチップを実装した後、導通試験を行い、モニターに表示される結果から導通状態を評価した。その結果を下記の表1に示した。
(4)層間樹脂絶縁層の膨れの有無
上記(1)と同様にして多層プリント配線板を切断し、その断面を顕微鏡で観察した。その結果を下記の表1に示した。
【0219】
(5)信頼性試験前後における静電容量の測定
ピコアンメータを用い、上記信頼性試験の前後において、コンデンサの静電容量を測定した。その結果を下記の表2に示した。
【0220】
【表1】
Figure 0004859270
【0221】
【表2】
Figure 0004859270
【0222】
表1に示したように、実施例1〜4で得られた多層プリント配線板について、1000サイクルおよび2000サイクルのヒートサイクル試験を行った場合、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層と間での剥離は発生しておらず、接着剤や層間樹脂絶縁層中にもクラックは発生していなかった。
また、短絡や断線、層間樹脂絶縁層の膨れも発生していなかった。
【0223】
一方、比較例1、2で得られた多層プリント配線板では、コンデンサと樹脂(接着剤層や層間樹脂絶縁層)との接触面を起点にクラックや剥離が発生していた。
【0224】
さらに、表2に示したように、実施例1〜4で基板に埋設したコンデンサは、信頼性試験の前後で静電容量に変化が少なく、導体回路−コンデンサの間においても、電気的接続による影響が殆どない。
一方、比較例1、2で得られた多層プリント配線板では、信頼性試験後の静電容量を測定することができず、断線が発生していることが明らかとなった。
【0225】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンデンサは、その表面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成されているため、セラミックからなる誘電膜や金属からなる外部電極と接着剤や層間樹脂絶縁層との親和性が高く、コンデンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生したり、層間樹脂絶縁層や接着剤にクラックが発生したりすることがない。
従って、本発明のコンデンサは、多層プリント配線板の内蔵用として適したものである。
【0226】
また、本発明の多層プリント配線板は、本発明のコンデンサが基板に内蔵されているため、コンデンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生したり、該層間樹脂絶縁層や接着剤にクラックが発生したりすることがない。そのため、上記多層プリント配線板は、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶縁層にクラックや膨れが生じたりすることがなく、電気的接続性、信頼性に優れる。
【0227】
また、第一および第二の多層プリント配線板の製造方法では、本発明の多層プリント配線板、即ち、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との間で剥離が発生したり、接着剤や層間樹脂絶縁層にクラックが発生したりすることがない多層プリント配線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明のコンデンサの一例を模式的に示す断面部である。
【図2】本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】図2に示す多層プリント配線板にICチップを実装し、ドータボードに取り付けた状態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図13】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
【図14】(a)、(b)は、従来の多層プリント配線板のループインダクタンスの説明図であり、(c)は、本発明の多層プリント配線板のループインダクタンスの説明図である。
【図15】(a)は、多数個取り用の裁断前のコンデンサを示し、(b)は、(a)を裁断した後の本発明のコンデンサの1個を示す。
【図16】(a)は、多数個取り用の裁断前のコンデンサを示し、(b)は、(a)を裁断した後の本発明のコンデンサの1個を示す。
【図17】本発明のコンデンサの一例を模式的に示す平面図である。
【図18】(a)は、多数個取り用の裁断前のコンデンサを示し、(b)は、(a)を裁断した後の本発明のコンデンサの1個を示す。
【符号の説明】
10、110、210 多層プリント配線板
20、120、220、320 コンデンサ
21 第1電極
22 第2電極
23 誘電体
24 第1導電膜
25 第2導電膜
26、226、326 金属層
27、227、327 粗面
30 基板
40、60 層間樹脂絶縁層
46、66 バイアホール
48、68 導体回路
70 ソルダーレジスト層
76 半田バンプ
90 ICチップ

Claims (6)

  1. コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、前記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板であって、
    前記コンデンサは、その全表面にポリイミド膜が形成されており、内部電極と誘電膜とが交互に積層された積層体の両端面を含む部分に外部電極が形成されており、前記外部電極は少なくとも2層で構成され、最外層はめっき層であり、
    前記コンデンサの全表面に形成されたポリイミド膜には、バイアホール用開口が形成されていることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 前記外部電極の最内層は導電性ペースト層である請求項1に記載の多層プリント配線板。
  3. 前記めっき層は、銅めっき層である請求項1又は2に記載の多層プリント配線板。
  4. 前記外部電極の表面の少なくとも一部に金属被覆層が形成されている請求項1〜3のいずれか1に記載の多層プリント配線板。
  5. コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、前記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板の製造方法であって、
    少なくとも下記(A)〜(D)の工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
    (A)樹脂フィルムに請求項1〜4のいずれか1に記載の多層プリント配線板に用いられるコンデンサを取り付けるコンデンサ取り付け工程、
    (B)凹部または貫通孔が形成された基板の前記凹部または前記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、前記樹脂フィルムを前記基板に圧着する樹脂フィルム圧着工程、
    (C)前記コンデンサ表面に形成されたポリイミド膜、及び、前記樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする層間樹脂絶縁層形成工程、および、
    (D)前記バイアホール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層表面に導体回路を形成する導体回路形成工程。
  6. コンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、前記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板の製造方法であって、
    少なくとも下記(a)〜(e)の工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
    (a)請求項1〜4のいずれか1に記載の多層プリント配線板に用いられるコンデンサを基板Aに取り付けるコンデンサ取り付け工程、
    (b)貫通孔が形成された基板Bの前記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、前記コンデンサを取り付けた基板Aに前記貫通孔が形成された基板Bを積層する基板積層工程、
    (c)前記貫通孔が形成された基板Bのコンデンサが露出している側に樹脂フィルムを圧着する樹脂フィルム圧着工程、
    (d)前記コンデンサ表面に形成されたポリイミド膜、及び、前記樹脂フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする層間樹脂絶縁層形成工程、および、
    (e)前記バイアホール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層表面に導体回路を形成する導体回路形成工程。
JP2000399449A 2000-12-27 2000-12-27 コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法 Expired - Lifetime JP4859270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000399449A JP4859270B2 (ja) 2000-12-27 2000-12-27 コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000399449A JP4859270B2 (ja) 2000-12-27 2000-12-27 コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002203734A JP2002203734A (ja) 2002-07-19
JP4859270B2 true JP4859270B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=18864227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000399449A Expired - Lifetime JP4859270B2 (ja) 2000-12-27 2000-12-27 コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4859270B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5589891B2 (ja) * 2010-05-27 2014-09-17 株式会社村田製作所 セラミック電子部品及びその製造方法
KR102121579B1 (ko) 2018-10-02 2020-06-10 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품
KR102500107B1 (ko) * 2018-10-02 2023-02-15 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품
KR102574416B1 (ko) * 2018-10-02 2023-09-04 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품
KR102148446B1 (ko) * 2018-10-02 2020-08-26 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품
KR102126414B1 (ko) * 2018-10-05 2020-06-24 삼성전기주식회사 적층 세라믹 전자부품

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6321859A (ja) * 1986-07-16 1988-01-29 Toshiba Corp 半導体装置
JP2830456B2 (ja) * 1990-11-06 1998-12-02 三菱マテリアル株式会社 セラミックコンデンサ
JPH05291071A (ja) * 1992-04-14 1993-11-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd チップコンデンサ及びその製造方法
JPH0684687A (ja) * 1992-08-31 1994-03-25 Toshiba Corp セラミックチップ部品およびチップ部品実装構造
JPH0864473A (ja) * 1994-08-26 1996-03-08 Nippon Carbide Ind Co Inc 印刷セラミックコンデンサ
JPH09260194A (ja) * 1996-03-25 1997-10-03 Taiyo Yuden Co Ltd 積層電子部品
JP3427713B2 (ja) * 1997-01-22 2003-07-22 株式会社日立製作所 樹脂封止型半導体装置およびその製造方法
JPH11126978A (ja) * 1997-10-24 1999-05-11 Kyocera Corp 多層配線基板
JP2000068648A (ja) * 1998-08-19 2000-03-03 Hitachi Aic Inc 多層印刷配線基板の製造方法
JP2000100647A (ja) * 1998-09-24 2000-04-07 Kyocera Corp 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP3792445B2 (ja) * 1999-03-30 2006-07-05 日本特殊陶業株式会社 コンデンサ付属配線基板
JP3673448B2 (ja) * 2000-05-30 2005-07-20 京セラ株式会社 コンデンサ素子内蔵配線基板
JP4740406B2 (ja) * 2000-02-09 2011-08-03 日本特殊陶業株式会社 配線基板およびその製造方法
JP4641588B2 (ja) * 2000-05-18 2011-03-02 イビデン株式会社 コンデンサおよび多層プリント配線板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002203734A (ja) 2002-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9060446B2 (en) Printed circuit board
JP4641589B2 (ja) コンデンサおよび多層プリント配線板
JP4753470B2 (ja) コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法
JP4863563B2 (ja) プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
JP4646371B2 (ja) プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
JP4641588B2 (ja) コンデンサおよび多層プリント配線板
JP2001015931A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP4859270B2 (ja) コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法
JP4863546B2 (ja) コンデンサ内蔵プリント配線板及びコンデンサ内蔵プリント配線板の製造方法
JP2012033949A (ja) プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
JP4707273B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP4863564B2 (ja) プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
JP4877694B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP4535598B2 (ja) 多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法
JP3916946B2 (ja) 電解めっき液の評価方法および多層プリント配線板の製造方法
JP4605888B2 (ja) 多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法
JP4863561B2 (ja) プリント配線板の製造方法
JP4697828B2 (ja) プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
JP4521947B2 (ja) 無電解めっき用前処理液、無電解めっき用処理液、および、多層プリント配線板の製造方法
JP3219396B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP2000328256A (ja) 無電解めっき液およびそれを用いたプリント配線板の製造方法
JP4869486B2 (ja) プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
JP3219395B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP2001094239A (ja) 多層プリント配線板および半導体装置
JP2002217547A (ja) 樹脂フィルムおよび多層プリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040318

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100714

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110817

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4859270

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term