JP4634299B2 - リップ型シール - Google Patents
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Description
さらに、上記リップ型シールの組み付け状態において、第2シール部材3は第1シール部材2とバックアップリング4とに挟持されるようになっているが、第1シール部材2はゴム製であるため、その弾性変形あるいは経時変化等により、第2シール部材3を確実に挟持できなくなる虞がある。
この構成によれば、第2シール部材の被挟持部を挟み込んだ状態で、第1補強部材の円筒部を第1シール部材の基部に形成された環状の凹部に嵌入させ、さらに、第2補強部材の円筒部を基部の内側に嵌合させるだけで(カシメ加工あるいは接着剤等を用いることなく)第1補強部材、第1シール部材、第2シール部材、及び第2補強部材の組み付けが完了し、一方、第1補強部材の円筒部を環状の凹部から引き抜き、第2補強部材の円筒部を基部の内側から引き抜くだけで、各々の部品の分離及び分別を行うことができる。ここで、第1補強部材は、第1シール部材の凹部に嵌入されて埋れた状態となる円筒部に対して、露出した状態となる壁面部が一体的に形成されているため、壁面部を(その孔に指を入れて、あるいは、工具等を通して)掴むことで、第1補強部材を第1シール部材から容易に引き抜くことができる。このように、組み付け作業及び分解作業を容易に行うことができる。また、第1補強部材の円筒部と第2補強部材の円筒部とにより、第1シール部材の基部が挟持されるため、各々の部品をより確実に組み付けることができる。
さらに、第2補強部材を組み付けることで、その円筒部の先端に位置する当接部が、第1リップ部の付根領域の変形を規制しつつ第1補強部材の壁面部と協働して、第2シール部材(被挟持部)を確実に挟持することになり、第2シール部材がより確実に組み付けられる。
この構成によれば、上記のように第1シール部材と第2シール部材とを容易に分離することができるため、種類の違う部品であっても、リサイクルに際して分別作業を容易に行うことができる。
この構成によれば、第2シール部材は、第1補強部材と第1シール部材とにより挟持されているだけであるが、回り止めにより、第2シール部材が回転するのを防止できる。
この構成によれば、第1リップ部の径方向外側において、周りを取り囲むように円筒状の規制部が設けられているため、第1リップ部が許容範囲を超えて外向きに変形するのを防止でき、所望のシール性能を確保することができる。
この構成によれば、第1リップ部の外周領域に環状のスプリングが設けられているため、第1リップ部が許容範囲を超えて外向きに変形するのを防止でき、所望のシール性能を確保することができる。また、このスプリングは着脱自在となっているため、組み付け及び分解を容易に行うことができる。
この構成によれば、第3補強部材により第1リップ部が許容範囲を超えて径方向内向きに変形するのを防止でき、所望のシール性能を確保することができる。また、第3補強部材は、第1シール部材と第2シール部材との間において単に挟持されるため、その組み付け及び分解を容易に行うことができる。
図2は、本発明に係るリップ型シールが適用されるエアーコンプレッサの概略を示す部分断面図である。
図3は、本発明に係るリップ型シールの一実施形態を示す分解斜視図である。
図4は、図3に示すリップ型シールの部分断面図である。
図5は、本発明に係るリップ型シールの他の実施形態を示す分解斜視図である。
図6は、図5に示すリップ型シールの部分断面図である。
図7は、図5に示すリップ型シールの他の取付手法を示す部分断面図である。
図8は、本発明に係るリップ型シールのさらに他の実施形態を示す分解斜視図である。
図9は、図8に示すリップ型シールの部分断面図である。
図10は、本発明に係るリップ型シールのさらに他の実施形態を示す分解斜視図である。
図11は、図10に示すリップ型シールの部分断面図である。
図12は、本発明に係るリップ型シールのさらに他の実施形態を示す分解斜視図である。
図13は、図12に示すリップ型シールの部分断面図である。
すなわち、図2に示すように、エアーコンプレッサCは、外輪郭を画定するハウジングH、ハウジングH内に収容され圧縮機構に外部から回転駆動力を伝達する回転軸S、回転軸Sの外周面とハウジングHとの間を密封して大気Aと内部空間Bとを遮断するリップ型シール10等により形成されている。
リップ型シール10は、図3及び図4に示すように、環状の第1補強部材11と、環状の第1シール部材12と、により構成されている。
尚、第1シール部材12には、基部12aの外周面において、径方向外側に向けて環状に突出する二つの突条部12a´が形成されており、壁面H1との密着性を高めるようになっている。
先ず、組み付けに際しては、図3に示すように、第1補強部材11と第1シール部材12とを軸線方向Lに並べ、第1補強部材11の円筒部11bを第1シール部材12の基部12aに形成された環状の凹部12cに嵌入させる。この嵌入作業だけで、カシメ加工あるいは接着剤等を用いることなく、容易に両者の組み付けが完了する。この組み付け状態において、基部12aは、円筒部11b及び内側円筒部11cにより確実に挟持されて両者の組み付けが確実に行われる。
一方、分解に際しては、円筒部11bを環状の凹部12cから引き抜くだけで、第1補強部材11と第1シール部材12とを確実に分離することができる。ここで、第1補強部材11は、第1シール部材12の凹部12cに嵌入されて埋れた状態となる円筒部11bに対して、露出した状態となる壁面部11aが一体的に形成されているため、例えば、円孔11a´に指を入れてあるいは工具等を通して壁面部11aを掴むことで、容易に分解することができる。
この実施形態においては、第1補強部材11において、内側円筒部11cを設けた場合を示したが、これに限定されるものではなく、内側円筒部11cを廃止して壁面部11aの外縁から屈曲して円筒部11bを直接設ける構成を採用してもよい。
リップ型シール20は、図5及び図6に示すように、環状の第1補強部材21と、環状の第1シール部材22と、第1補強部材21と第1シール部材22との間に挟持される第2シール部材23と、第1補強部材21と反対側において第1シール部材22に嵌合される第2補強部材24と、により構成されている。
壁面部21aには、第2シール部材23が接合される面において、周方向に配列して形成された回り止めとしての複数の突起21a´´が形成されている。この突起21a´´により、第2シール部材23が単に挟持されただけであっても、その回転を有効に規制することができる。
尚、基部22aの外周面には、径方向外側に向けて環状に突出する二つの突条部22a´が形成されており、前述の実施形態と同様に、壁面H1との密着性を高めるようになっている。
先ず、組み付けに際しては、図5に示すように、第1補強部材21、第2シール部材23、第1シール部材22、第2補強部材24を軸線方向Lに並べ、第2シール部材23の被挟持部23aを挟み込むようにして、第1補強部材21の円筒部21bを第1シール部材22の凹部22aに嵌入させ、さらに、第2補強部材24の円筒部24bを基部22aの内側に嵌入させる。これらの嵌入作業だけで、カシメ加工あるいは接着剤等を用いることなく、第1補強部材21、第1シール部材22、第2シール部材23、及び第2補強部材24の組み付けが完了する。
また、第1補強部材21の円筒部21bと第2補強部材24の円筒部24bとにより、基部22aの一部22a´´(凹部22cと基部22aの内周面とにより画定される部分)が、径方向において確実に挟持され、第1補強部材21、第1シール部材22、第2補強部材24の相互の組み付けが確実に行われる。
尚、リップ型シール20がエアーコンプレッサCに取り付けられる際には、図6に示すように、前述同様のスナップリングRが装着される。
この実施形態においては、第2シール部材23の回転を規制する回り止めとして、壁面部21a上に突起21a´´を設けたが、第1シール部材22の付根領域22b´´に同様に突起を一体的に成形してもよい。
また、この実施形態においては、第2補強部材24において、当接部24b´を設けたが、第2シール部材23が確実に挟持される限り、円筒部24bを短くして、当接部24b´を廃止してもよく、又、円筒部24bが基部22aの内側に対して若干緩めに嵌められるようにしてもよい。
すなわち、このリップ型シール20´においては、図8及び図9に示すように、第2補強部材24´が、環状壁面部24a、円筒部24b、当接部24b´に加えて、当接部24b´からさらに内側に屈曲して軸線方向Lに伸長するように円筒状に形成された規制部24cを有する。
このリップ型シール20´においても、前述同様に、所望のシール性能を確保しつつ、組み付け作業及びその分解作業を容易に行うことができる。
すなわち、このリップ型シール20´´においては、図10及び図11に示すように、第1シール部材22´が、環状の基部22a、第1リップ部22b、環状の凹部22c、開口22c´等の他に、第1リップ部22bの外周面に形成された環状の溝22b´´´を有する。
すなわち、このリップ型シール20´´´においては、図12及び図13に示すように、第1シール部材22と第2シール部材23との間において、環状の第3補強部材26が挟持されている。
斜面部26bは、図13に示すように、第1シール部材22の第1リップ部22bに隣接(密接)するように形成されており、第1リップ部22bが許容範囲を超えて内向きに変形するのを防止するようになっている。したがって、内部空間B内の流体の影響等を受けることなく、所望のシール性能を確保することができる。このリップ型シール20´´´においても、前述同様に、所望のシール性能を確保しつつ、組み付け作業及びその分解作業を容易に行うことができる。
S 回転軸
10 リップ型シール
11 第1補強部材
11a 壁面部
11b 円筒部
11c 内側円筒部
12 第1シール部材
12a 基部
12b 第1リップ部
12b´´ 付根領域
12c 凹部
20,20´,20´´,20´´´ リップ型シール
21 第1補強部材
21a 壁面部
21a 突起(回り止め)
21b 円筒部
21c 鍔部
22,22´ 第1シール部材
22a 基部
22b 第1リップ部
22b´´ 付根領域
22b´´´ 溝
22c 凹部
23 第2シール部材
23a 被挟持部
23b 第2リップ部
24,24´ 第2補強部材
24a 環状壁面部
24b 円筒部
24b´ 当接部
24c 規制部
25 環状のスプリング
26 第3補強部材
26a 被挟持部
26b 斜面部
Claims (6)
- 所定のハウジングに支持された回転軸の外周を密封するリップ型シールであって、
回転軸を通す孔を画定する壁面部及び前記壁面部の外縁から屈曲して形成された円筒部を有する環状の第1補強部材と、
ハウジングに接合される環状の基部,前記基部から径方向内側に向けて略円錐状に延出し回転軸に当接し得る第1リップ部,前記円筒部を挿脱自在に嵌合するべく前記基部に形成された環状の凹部を有する第1シール部材と、
前記第1補強部材と第1シール部材との間に挟持される第2シール部材と、
前記第1補強部材と反対側において,前記第1シール部材に嵌合される環状の第2補強部材と含み、
前記第2シール部材は、前記壁面部と前記第1リップ部の付根領域とにより挟持される被挟持部,前記被挟持部から径方向内側に向けて略円錐状に延出し回転軸に当接し得る第2リップ部を有し、
前記第2補強部材は、回転軸の軸線方向において前記基部に当接される環状壁面部,前記環状壁面部の内縁から屈曲して形成され前記基部の内側に嵌合される円筒部を有し、
前記第2補強部材の円筒部は、回転軸の軸線方向において、前記第1リップ部の付根領域に当接する当接部を有する、
ことを特徴とするリップ型シール。 - 前記第1シール部材は、ゴム材料により形成され、
前記第2シール部材は、樹脂材料により形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のリップ型シール。 - 前記第1補強部材の壁面部には、前記第2シール部材の回転を規制する回り止めが設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリップ型シール。 - 前記第2補強部材は、前記円筒部からその内側に屈曲して円筒状に形成され前記第1リップ部の径方向外側への変形を所定の範囲に規制する規制部を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のリップ型シール。 - 前記第1シール部材には、前記第1リップ部の外周領域において、その径方向内側に向けて付勢力を及ぼす環状のスプリングが着脱自在に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載のリップ型シール。 - 前記第1シール部材と第2シール部材との間には、前記第1リップ部の径方向内側への変形を所定の範囲に規制する環状の第3補強部材が挟持されている、
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一つに記載のリップ型シール。
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