JP5016423B2 - リップタイプシール - Google Patents

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Description

本発明は、密封装置の一種であるリップタイプシールに関するものである。本発明のリップタイプシールは例えば、自動車等車両用の水ポンプシールとして用いられ、またはその他一般の汎用水ポンプシールとして用いられる。
従来から図6に示すように、ハウジング71の軸孔72内周に装着されて、前記軸孔72に挿通した軸73の周面に摺動自在に密接するリップタイプシール74が知られており、このリップタイプシール74は、密封流体側Aに配置されるゴム状弾性体製の第一シールリップ75と、大気側Bに配置される樹脂製の第二シールリップ76とを有している(特許文献1参照)。
上記従来のリップタイプシール74は、複数のシールリップ75,76を有してそれぞれがシール作用を奏することから、優れたシール効果を発揮することが可能とされているが、以下の点で不都合を生じている。
すなわち、近年の環境問題におけるリサイクル上の要請から、リップタイプシールの各構成部品は材質上の仕分けをしたうえで処分することが求められるところ、上記従来のリップタイプシール74では、ゴム状弾性体製の第一シールリップ75が金属製の補強環77に加硫接着され、両者75,77が一体の加硫成形品として成形されている。したがって両者75,77を処分時に容易に分離・分別することができず、よって上記リサイクル上の要請に応えることができない。
そこで、本願出願人は先に図7に示すように、密封流体側Aに配置される第一シールリップ83を設けたゴム状弾性体製の第一リップシール部材82と、大気側Bに配置される第二シールリップ85を設けた樹脂製の第二リップシール部材84と、両リップシール部材82,84を軸方向両側から挟み込む二つの金属製の保持環86,87とを有し、これらの四部品を非接着で組み立てる構造のリップタイプシール81を提案しており(特許文献2参照)、この先行技術によれば、各部品が非接着であることから各部品を容易に分離・分別することができ、よって上記リサイクル上の要請に応えることが可能とされている。しかしながらこの先行技術にはなお、以下の点で改良の余地がある。
(1)構成部品相互の組み付け保持性
すなわち、上記リップタイプシール81において、二つの保持環86,87はそれぞれ両リップシール部材82,84を軸方向両側から挟み込むための環状の平面部86a,87aを有してこの平面部86a,87aに筒状部86b,87bを一体成形したものとされ、筒状部86b,87bは、密封流体側Aの保持環86では第一リップシール部材82の円筒部82aの内周側に嵌合され、大気側Bの保持環87では第一リップシール部材82の円筒部82aに設けた差し込み穴82bに圧入固定されている。したがって各部品はこれらの嵌合や圧入に伴う嵌合しろや圧入しろの設定により組み立て状態に保持されるが、各部品が軸方向に力を受けた場合、各部品間には部品相互の軸方向の分離を防止するための係合構造が特に設けられているわけではない。したがってハウジング71の軸孔72内周に装着された状態のリップタイプシール81を取り外そうとして密封流体側Aの保持環86を軸方向(矢印C方向)に引っ張ると、この保持環86のみが引き抜かれて他の部品は装着されたままの状態で残ってしまうことがあり(或いは保持環86と第一リップシール部材82のみが引き抜かれ、第二リップシール部材84と大気側Bの保持環87が残ることもある)、これは部品同士の組み付け保持力が摩擦力のみに依存しているからに他ならない。
(2)装着作業性
また、上記リップタイプシール81において、二つの保持環86,87は互いの軸方向間隔を規定する構造を特に有していない。また両者の間に挟まれるゴム状弾性体製の第一リップシール部材82は軸方向に圧縮された状態で使用されないと十分なシール作用を発揮せず、すなわち樹脂製の第二リップシール部材84や大気側Bの保持環87との間から密封流体の漏れが発生する懸念がある。したがって上記リップタイプシール81を装着する際には、ハウジング71の軸孔72内周に設けた段差部88に当該リップタイプシール81を突き当てて軸方向の圧縮荷重を加えながらスナップリング89を用いて装着しており、これにより当該リップタイプシール81はその全体が段差部88とスナップリング89との間で軸方向に圧縮された状態で装着される。しかしながらこのように軸方向の圧縮荷重を加えながらスナップリング89を用いて装着する作業は、きわめて煩雑であると云う不都合がある。
また、第一リップシール部材82の円筒部82aに、大気側Bに開口する環状の差し込み穴82bが設けられているために、円筒部82aにおける差し込み穴82bよりも外周側の部位は、その大気側端部82cが円筒状のままで終端した形状とされている。したがって第一リップシール部材82をハウジング71の軸孔72内周に挿入するときに、大気側端部82cが軸孔72内周面と擦ることから、この大気側端部82cにめくれが生じることがある。
特開平10−318377号公報 WO2004/076894A1公報
本発明は以上の点に鑑みて、リップタイプシールの構成部品を材質ごとに容易に分離・分別することができ、もってリサイクル上の要請に応えることが可能であるとともに、構成部品相互の組み付け保持性が良好で、装着作業性も良好なリップタイプシールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるリップタイプシールは、ハウジングの軸孔内周に嵌合される円筒部と密封流体側に配置され軸に圧接される第一シールリップとを設けたゴム状弾性体製の第一リップシール部材と、大気側に配置され軸に圧接される第二シールリップを設けた樹脂製の第二リップシール部材と、前記第二リップシール部材を支持する金属製のバックアップリングと、前記第二リップシール部材およびバックアップリングを保持する金属製の保持環とを有し、前記保持環の外周面を前記第一リップシール部材の内周面に接し嵌め合わせて、前記各部品を非接着で組み立ててなるリップタイプシールであって、前記保持環は、筒状部と、前記筒状部の前記密封流体側端部に連続して設けられた折り返し部と、前記折り返し部に連続して設けられた第一内向きフランジ部と、前記筒状部の前記大気側端部に設けられた第二内向きフランジ部とを一体に有し、前記第一内向きフランジ部と第二内向きフランジ部との間に前記第二リップシール部材およびバックアップリングをカシメ固定してなり、前記第一リップシール部材は、前記保持環の筒状部の外周側に配置される前記円筒部と、前記円筒部の前記密封流体側端部から径方向内方へ向けて一体成形された径方向部と、前記径方向部の内周端部に一体成形された前記第一シールリップと、前記円筒部の前記大気側端部一体成形された内向き鍔部とを一体に有するとともに、前記第二リップシール部材およびバックアップリングをカシメ固定した状態の前記保持環を嵌め込むための嵌め込み凹部が、前記円筒部の内周側であって前記径方向部と前記内向き鍔部との間に設けられ、前記嵌め込み凹部の底面は、前記保持環の前記第二内向きフランジ部、前記筒状部および前記折り返し部の各外周面と接するように形成され、前記第二リップシール部材および前記バックアップリングをカシメ固定した前記保持環は、前記嵌め込み凹部に非接着で嵌合されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2によるリップタイプシールは、上記した請求項1記載のリップタイプシールにおいて、前記保持環は、前記第一内向きフランジ部の内周端部に、前記第一シールリップを前記大気側から支持するバックアップ部を一体に有することを特徴とするものである。
上記構成を備えた本発明のリップタイプシールは、ハウジングの軸孔内周に装着されて密封流体をシールするものであって、ハウジングの軸孔内周に嵌合される円筒部と密封流体側に配置され軸に圧接される第一シールリップとを設けたゴム状弾性体製の第一リップシール部材と、大気側に配置され軸に圧接される第二シールリップを設けた樹脂製の第二リップシール部材と、第二リップシール部材を支持する金属製のバックアップリングと、第二リップシール部材およびバックアップリングを保持する金属製の保持環との四部品を有し、このうち第二リップシール部材およびバックアップリングを保持環でカシメ固定するとともに保持環を第一リップシール部材の内周側に嵌合するものとされている。したがって各部品が非接着で組み立てられることから、分解時には各部品を容易に分離・分別することが可能とされている。
また、第二リップシール部材およびバックアップリングは保持環でカシメ固定されるので、この三部品は非接着であっても互いに強固に組み付けられ、軸方向に相対変位することがない。保持環は第一リップシール部材の円筒部の内周側であって径方向部と内向き鍔部との間(嵌め込み凹部)に嵌合されるので、この二部品は非接着であっても互いに強固に組み付けられ、軸方向に相対変位することがない。したがって四部品のすべてが互いに連関して強固に組み付けられることから、部品同士の組み付け保持力を増大することが可能とされている。
また、当該リップタイプシールを装着する際には、各部品相互が既に固定・一体化されており、即使用可能な状態に組み付けが完了しているので、従来の非接着リップシールの装着工程において必要とされたような、軸方向の組み付け長さ精度を維持するための調整工程等を省略することが可能とされている。
また、第一リップシール部材の円筒部の大気側端部に内向き鍔部が一体成形されてこの内向き鍔部が保持環と係合しているので、ハウジングの軸孔内周に挿入するときに円筒部の大気側端部にめくれが生じることがない。
また、当該リップタイプシールは、装着された状態において、保持環の筒状部がハウジングの軸孔内周に嵌合することによってハウジングに固定される。保持環の筒状部とハウジングの軸孔内周面の間には第一リップシール部材の円筒部が介在するが、この円筒部はゴム状弾性体であるので径方向に圧縮されて保持環の筒状部とハウジングの軸孔内周面との間のシール作用をなす。このような状況のもと当該リップタイプシールでは、筒状部の一端部に折り返し部が連続して設けられているために、折り返し部が設けられていない場合と比較して、筒状部の軸方向長さが実質延長されている。したがってハウジングに対する嵌合面が広く設定されている。
また、第一リップシール部材における径方向部として、円筒部の密封流体側端部から径方向内方へ向けて一体成形された平面部と、平面部の内周端部から大気側へ向けて一体成形された第二円筒部とを一体に設け、この第二円筒部に第一シールリップを一体成形する場合には、円筒部と第二円筒部が軸方向に一部オーバーラップして配置され、結果、円筒部と第一シールリップも軸方向に一部オーバーラップして配置されることになる。したがってこの一部がオーバーラップする分、リップタイプシール全体の軸方向長さを短縮することが可能とされている。
またこの場合、平面部の大気側であって第二円筒部の外周側に嵌め込み溝部が設けられ、この嵌め込み溝部に保持環の折り返し部が軸方向一方から嵌め込まれるので、保持環と第一リップシール部材とは軸方向のみでなく径方向にも強固に組み付けられることになる。
更にまた、保持環の内向きフランジ部の内周端部に、第一シールリップを大気側から支持するバックアップ部を一体に設ける場合には、このバックアップ部による支持作用によってゴム状弾性体製の第一シールリップの作動を安定化することが可能とされている。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明においては上記したようにリップタイプシールが、ゴム状弾性体製の第一リップシール部材、樹脂製の第二リップシール部材、金属製のバックアップリングおよび保持環を有し、第二リップシール部材およびバックアップリングを保持環でカシメ固定するとともに保持環を第一リップシール部材の内周側に嵌合するために、シール分解時には各部品を容易に分離・分別することが可能とされている。したがって、リップタイプシールの構成部品を材質上の仕分けをしたうえで処分すると云うリサイクル上の要請に応えることができる。
また、第二リップシール部材およびバックアップリングは保持環でカシメ固定されるので、この三部品は非接着でありながら強固に組み付けられる。保持環は第一リップシール部材の円筒部の内周側であって径方向部と内向き鍔部の間(嵌め込み凹部)に嵌合されるので、この二部品は非接着でありながら強固に組み付けられる。したがって四部品のすべてが強固に組み付けられることから、部品同士の組み付け保持力を増大することが可能とされている。したがって、上記先行技術のようにハウジングからリップタイプシールを取り外すに際して一部の部品のみが引き抜かれると云った不都合が生じるのを防止することができる。
また、リップタイプシールを装着する際に、各部品がすでに完全に組み立てられているので、従来の非接着リップシールの装着工程において必要とされたような、軸方向の組み付け長さ精度を維持するための調整工程等を省略することができる。
また、第一リップシール部材の円筒部の大気側端部に内向き鍔部が一体成形されてこの内向き鍔部が保持環と係合しているので、ハウジングの軸孔内周に挿入するときに円筒部の大気側端部にめくれが生じるのを防止することができる。
また、筒状部の一端部に折り返し部が連続して設けられているので、折り返し部が設けられていない場合と比較して、筒状部の軸方向長さが実質延長されている。したがってハウジングに対する嵌合面が拡大されることから、ハウジングに対して強固に固定されることになる。
また、第一リップシール部材における径方向部として、円筒部の密封流体側端部から径方向内方へ向けて一体成形された平面部と、平面部の内周端部から大気側へ向けて一体成形された第二円筒部とが一体に設けられ、この第二円筒部に第一シールリップが一体成形される場合には、円筒部と第二円筒部が軸方向に一部オーバーラップして配置されるために、結果、円筒部と第一シールリップも軸方向に一部オーバーラップして配置される。したがってこの一部がオーバーラップする分、リップタイプシール全体の軸方向長さを短縮してリップタイプシールをコンパクト化することができる。
また、この場合、平面部の大気側であって第二円筒部の外周側に嵌め込み溝部が設けられ、この嵌め込み溝部に保持環の折り返し部が軸方向一方から嵌め込まれるために、保持環と第一リップシール部材とは軸方向のみでなく径方向にも強固に組み付けられる。したがってこの点からも、部品同士の組み付け保持力を増大することができる。
更にまた、保持環の内向きフランジ部の内周端部に、第一シールリップを大気側から支持するバックアップ部が一体に設けられる場合には、このバックアップ部による支持作用によってゴム状弾性体製の第一シールリップの作動を安定化することができる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施例に係るリップタイプシール1の断面を示しており、当該リップシール1は以下のように構成されている。尚、当該リップシール1は自動車用水ポンプシールとして冷却水をシールするのに用いられるものである。図の右側が冷却水すなわち密封流体側A、図の左側が大気側Bである。
すなわちこのリップタイプシール1は、ハウジング(ポンプハウジング)71の軸孔(ボア)72内周に装着されて、前記軸孔72に挿通した軸73の周面に摺動自在に密接するものであって、ハウジング71の軸孔72内周に嵌合される円筒部12および密封流体側Aに配置され軸73に圧接される第一シールリップ14を設けたゴム状弾性体製の第一リップシール部材11と、大気側Bに配置され軸73に圧接される第二シールリップ23を設けた樹脂製の第二リップシール部材21と、第二リップシール部材21を支持する金属製のバックアップリング31と、第二リップシール部材21およびバックアップリング31を保持する金属製の保持環41との四部品よりなり、保持環41の外周面が第一リップシール部材11の内周面に接し、嵌め合わされた状態で、各部品11,21,31,41が非接着で組み立てられている。
このうち先ず、保持環41は、金属板のプレス品よりなり、筒状部42と、この筒状部42の密封流体側端部に連続して設けられた折り返し部43と、折り返し部43に連続して設けられた第一内向きフランジ部44と、筒状部42の大気側端部に設けられた第二内向きフランジ部45とを一体に有し、第一および第二内向きフランジ部44,45の間に第二リップシール部材21およびバックアップリング31がカシメ固定されている。折り返し部43は断面U字形の二重筒構造になり、その内周筒の大気側端部に径方向内方へ向けて第一内向きフランジ部44が一体成形されているので、折り返し部43は全体として内向きフランジ部44よりも密封流体側Aに突出していることになる。
第二リップシール部材21は、所定の樹脂材料(PTFE等)よりなり、環状の平面部22の内周端部にシールリップ(第二シールリップ)23が密封流体側Aへ傾斜するように一体成形されている。第二シールリップ23は、第一シールリップ14の大気側Bに配置されるので、二次シールをなすことになる。
バックアップリング31は、保持環41と同じく金属板のプレス品よりなり、環状の平面状に成形されている。このバックアップリング31は、第二リップシール部材21の更に大気側Bに配置されるので、第二リップシール部材21を大気側Bから支持する作用(バックアップ作用)をなす。
第一リップシール部材11は、所定のゴム状弾性体よりなり、保持環41の筒状部42の外周側に配置された円筒部12と、円筒部12の密封流体側端部から径方向内方へ向けて一体成形された径方向部13と、径方向部13の内周端部に一体成形された第一シールリップ14と、円筒部12の大気側端部に一体成形された内向き鍔部16とを一体に有している。第一シールリップ14は密封流体側Aへ長く延びるように形成され、その先端内周面にポンピング作用をなすネジシール15が設けられている。円筒部12の内周側であって径方向部13と内向き鍔部16との間には、環状の嵌め込み凹部17が径方向内方へ向けて開口するよう形成され、ここに、第二リップシール部材21およびバックアップリング31をカシメ固定した状態の保持環41が嵌め込み固定(嵌合)されている。この嵌め込み凹部17の底面(円筒部12の内周面)は、保持環41の第二内向きフランジ部45、筒状部42および折り返し部43の各外周面と接するように形成されている。また径方向部13の大気側端面には、環状の嵌め込み溝部18が大気側Bへ向けて開口するよう形成され、ここに、保持環41の折り返し部43が軸方向一方(大気側B)から嵌め込み固定(圧入)されている。嵌め込み凹部17と嵌め込み溝部18は互いに連続して設けられたものである。
また、径方向部13は、円筒部12の密封流体側端部から径方向内方へ向けて一体成形された環状の平面部13aと、平面部13aの内周端部から大気側Bへ向けて一体成形された第二円筒部13bとを一体に有し、第二円筒部13bの内周側に第一シールリップ14が一体成形されている。このような構造であると第一シールリップ14の外周側であって平面部13aの内周側に環状の窪み19が密封流体側Aへ向けて開口するよう形成されることから、円筒部12に対して第一シールリップ14のリップ本体14aはその一部が軸方向にオーバーラップして配置されることになる(円筒部12の軸方向長さはL、第一シールリップ14のリップ本体14aの軸方向長さはLであるので、窪み19の深さL分、オーバーラップして配置されることになる)。尚、第一シールリップ14はリップ本体14aとその大気側Bに設けられたリップ基部14bとよりなるものである。
上記構成のリップタイプシール1においては、密封流体側Aに配置される第一シールリップ14を設けたゴム状弾性体製の第一リップシール部材11と、大気側Bに配置される第二シールリップ23を設けた樹脂製の第二リップシール部材21と、第二リップシール部材21を支持する金属製のバックアップリング31と、第二リップシール部材21およびバックアップリング31を保持する同じく金属製の保持環41よりなる四部品が、第二リップシール部材21およびバックアップリング31を保持環41でカシメ固定するとともに保持環41を第一リップシール部材11の内周側に嵌合することにより非接着で組み立てられている。したがって各部品が非接着で組み立てられていることから、分解時には各部品を容易に分離・分別することが可能とされている。したがって、部品を材質上の仕分けをしたうえで処分すると云うリサイクル上の要請に応えることができる。
また、第二リップシール部材21およびバックアップリング31は保持環41でカシメ固定されているので、この三部品21,31,41は非接着であっても互いに強固に組み付けられている。保持環41は第一リップシール部材11の円筒部12の内周側であって径方向部13と内向き鍔部16との間すなわち嵌め込み凹部17に嵌合されているので、この二部品11,41は非接着であっても互いに強固に組み付けられている。したがって四部品のすべてが互いに強固に組み付けられていることから、部品同士の組み付け保持力を増大することが可能とされている。したがって、上記先行技術のようにハウジングからリップタイプシールを取り外すに際して一部の部品のみが引き抜かれると云った不都合が生じるのを未然に防止することができる。
また、当該リップタイプシール1をハウジング71の軸孔72内周に装着する際には、各部品がすでに完全に組み立てられているので、上記先行技術のようにハウジング挿入時に第一リップシール部材11の嵌め合い部(円筒部12の大気側端部)のめくれの虞がなく、また、組み付け精度を維持するためのスナップリングを使用する必要もない。したがって、リップタイプシールの装着作業を容易化し、装着作業性を向上することができる。
また、当該リップタイプシール1は、ハウジング71の軸孔72内周に装着された状態において、保持環41の筒状部42がハウジング71の軸孔72内周に嵌合することによってハウジング71に固定されるところ、筒状部42の密封流体側端部に断面U字形の折り返し部43が連続して設けられているために、折り返し部43が設けられていない場合と比較して、筒状部42の軸方向長さが実質的に延長されている。したがってハウジング71に対する広い嵌合面が設定されていることから、ハウジング71に強固に固定される構造とされている。
また、折り返し部43は、第一リップシール部材11の径方向部13に設けた嵌め込み溝部18に嵌め込まれているので、折り返し部43を設けた保持環41と第一リップシール部材11は軸方向のみでなく径方向にも強固に組み付けられている。したがってこの点からも、部品同士の組み付け保持力を増大することができる。
更にまた、第一リップシール部材11における径方向部13として、円筒部12の密封流体側端部から径方向内方へ向けて一体成形された平面部13aと、平面部13aの内周端部から大気側Bへ向けて一体成形された第二円筒部13bとが一体に設けられ、この第二円筒部13bに第一シールリップ14が一体成形されているために、円筒部12と第一シールリップ14が軸方向に一部オーバーラップして配置されている。したがってこの一部がオーバーラップする分、リップタイプシール1全体の軸方向長さが短縮されており、よってリップタイプシール1が軸方向にコンパクト化されている。
尚、当該実施例では、オーバーラップ量を大きく設定すべく、密封流体側Aに開口する窪み19の最深部が、大気側Bに開口する嵌め込み溝部18の最深部(溝底部)よりも大気側Bに配置されている。また、このように窪み19の深さが大きく設定されると、第一リップシール部材11の全体に亙ってゴム厚みが概略均一化されることから、同部材11を成形しやすくなる利点がある。
上記実施例では、保持環41は、筒状部42、折り返し部43ならびに第一および第二内向きフランジ部44,45よりなる四つの構成要素を有しているが、図2に示すように五つ目の構成要素として、第一内向きフランジ部44の内周端部に、第一シールリップ14を大気側Bから支持するバックアップ部46を一体成形しても良く、この場合には、バックアップ部46による支持作用(バックアップ作用)によってゴム状弾性体製の第一シールリップ14の作動を安定化することができる。バックアップ部46は第一シールリップ14のリップ基部14bのみならずリップ本体14aをも保持し得るように密封流体側Aへ向けて円弧状に大きく屈曲せしめられている。
また、このようにバックアップ部46で第一シールリップ14をバックアップすると、高圧が作用しても第一シールリップ14は大きく弾性変形しないことから、第一シールリップ14が第二シールリップ23を押さえ込んで第二シールリップ23の摩耗が進行し、延いては第一シールリップ14の姿勢制御が困難となり、密封性能の低下の要因となると云った不都合が発生するのを未然に防止することができる。
また上記実施例では、リップタイプシール1は、第一リップシール部材11の円筒部12をもってハウジング71の軸孔72内周に直接嵌合されるが、図3に示すようにカートリッジ51を介してハウジング71の軸孔72内周に装着されるものであっても良い。
図3に示したカートリッジ51は、金属等所定の剛材、例えば金属板のプレス品よりなり、全体として環状に成形され、筒部52の内周面に上記構成のリップタイプシール1を嵌合するとともに筒部52の外周面をもってハウジング71の軸孔72内周に嵌合されるものとされている。筒部52の外周面には、当該カートリッジ51と軸孔72内周面との間に介在してシール作用をなす弾性皮膜よりなる外周シール53が全周に亙って被着されている。筒部52の密封流体側端部には、当該カートリッジ51を軸孔72に挿入するときの挿入深さを規定するための外向きフランジ状の係合部54が一体成形されている。また筒部52の大気側端部には、当該カートリッジ51にリップタイプシール1を挿入するときの挿入深さを規定するための内向きフランジ状の係合部55が一体成形されている。
更にまた、カートリッジ51は、図4に示すように筒部52に軸直角平面状の段付き形状56を設けたものや、図5に示すように筒部52に断面S字形の段付き形状57を設けたものであっても良く、この場合、段付き形状56,57の径方向幅によってカートリッジ51の大きさ(径寸法)は様々なものとなる。したがってリップタイプシール1を実機に装着する際に実機の軸孔径に合致した大きさのカートリッジ51を選定することにより、リップタイプシール1を様々な大きさの軸孔72に対して装着することが可能となり、よってリップタイプシール1の汎用性を高めることが可能とされている。
本発明の実施例に係るリップタイプシールの要部断面図 本発明の他の実施例に係るリップタイプシールの要部断面図 図1のリップタイプシールにカートリッジを組み合わせた例を示す半裁断面図 同リップタイプシールにカートリッジを組み合わせた他の例を示す半裁断面図 同リップタイプシールにカートリッジを組み合わせた他の例を示す半裁断面図 従来例に係るリップシールの半裁断面図 他の従来例に係るリップシールの半裁断面図
符号の説明
1 リップタイプシール
11 第一リップシール部材
12 円筒部
13 径方向部
13a 平面部
13b 第二円筒部
14 第一シールリップ
14a リップ本体
14b リップ基部
15 ネジシール
16 内向き鍔部
17 嵌め込み凹部
18 嵌め込み溝部
19 窪み
21 第二リップシール部材
22 平面部
23 第二シールリップ
31 バックアップリング
41 保持環
42 筒状部
43 折り返し部
44 第一内向きフランジ部
45 第二内向きフランジ部
46 バックアップ部
51 カートリッジ
52 筒部
53 外周シール
54,55 係合部
56,57 段付き形状
71 ハウジング
72 軸孔
73 軸

Claims (2)

  1. ハウジング(71)の軸孔(72)内周に嵌合される円筒部(12)と密封流体側(A)に配置され軸(73)に圧接される第一シールリップ(14)とを設けたゴム状弾性体製の第一リップシール部材(11)と、大気側(B)に配置され軸(73)に圧接される第二シールリップ(23)を設けた樹脂製の第二リップシール部材(21)と、前記第二リップシール部材(21)を支持する金属製のバックアップリング(31)と、前記第二リップシール部材(21)およびバックアップリング(31)を保持する金属製の保持環(41)とを有し、前記保持環(41)の外周面を前記第一リップシール部材(11)の内周面に接し嵌め合わせて、前記各部品を非接着で組み立ててなるリップタイプシール(1)であって、
    前記保持環(41)は、筒状部(42)と、前記筒状部(42)の前記密封流体(A)側端部に連続して設けられた折り返し部(43)と、前記折り返し部(43)に連続して設けられた第一内向きフランジ部(44)と、前記筒状部(42)の前記大気側(B)端部に設けられた第二内向きフランジ部(45)とを一体に有し、前記第一内向きフランジ部(44)と第二内向きフランジ部(45)との間に前記第二リップシール部材(21)およびバックアップリング(31)をカシメ固定してなり、
    前記第一リップシール部材(11)は、前記保持環(41)の筒状部(42)の外周側に配置される前記円筒部(12)と、前記円筒部(12)の前記密封流体(A)側端部から径方向内方へ向けて一体成形された径方向部(13)と、前記径方向部(13)の内周端部に一体成形された前記第一シールリップ(14)と、前記円筒部(12)の前記大気側(B)端部一体成形された内向き鍔部(16)とを一体に有するとともに、前記第二リップシール部材(21)およびバックアップリング(31)をカシメ固定した状態の前記保持環(41)を嵌め込むための嵌め込み凹部(17)が、前記円筒部(12)の内周側であって前記径方向部(13)と前記内向き鍔部(16)との間に設けられ、
    前記嵌め込み凹部(17)の底面は、前記保持環(41)の前記第二内向きフランジ部(45)、前記筒状部(42)および前記折り返し部(43)の各外周面と接するように形成され、
    前記第二リップシール部材(21)および前記バックアップリング(31)をカシメ固定した前記保持環(41)は、前記嵌め込み凹部(17)に非接着で嵌合されていることを特徴とするリップタイプシール。
  2. 請求項1記載のリップタイプシールにおいて、
    前記保持環(41)は、前記第一内向きフランジ部(44)の内周端部に、前記第一シールリップ(14)を前記大気側(B)から支持するバックアップ部(46)を一体に有することを特徴とするリップタイプシール。
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