JP4629695B2 - ワイパー - Google Patents

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本発明は、ワイパー(払拭用紙)に関するものである。
家庭における容器類や各種施設における試験器具などに付着した水滴や汚れを拭き取るためにワイパーが汎用されている。
従来、ワイパーの素材としては不織布又は紙が用いられている。また、ワイパーにおいては、柔軟性、嵩高さ、液吸収量、液吸収速度、拭き取り性、湿潤時の強度、低い発塵性(紙粉や毛羽が発生し難い性能、すなわち低リント性)などが要求される。不織布は、紙とは異なり発塵性や柔軟性、嵩高性、湿潤時強度が殆ど問題とならないため、ワイパー素材としては好適である。一方、紙は発塵性、柔軟性、嵩高性、湿潤時強度などの点で問題が残るが、不織布と比べて製造コストを低く抑えることができる、パルプの高い親水性により吸収性能に優れる、裏抜けし難い等の利点がある。
本発明者らは、このような紙の利点に着目し、ワイパー素材としての紙の利用について鋭意研究しており、化学繊維をパルプ繊維に混抄した化繊混抄紙が、低発塵性、嵩高性及び湿潤時強度の点でワイパー素材として好適であるとの知見を得ている。
一方、特許文献1及び2には、パルプシートとレーヨン不織布シートとを貼り合わせ、必要によるヒートエンボスロールにより熱接着したシートが提案されている。
しかしながら、本発明者らは、先行技術では、表裏を使い分ける必要がある、レーヨン不織布シートでは嵩高さをだすのが困難であり、前記のワイパーに必要な特性を満足し難いと考えている。
特開2001−314360号公報 特開2002−88660号公報
そこで、本発明の主たる課題は、ワイパーとの必要な諸特性を確保しつつ、特に低発塵性(低リント性)を向上させることにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
化学繊維及びパルプ繊維を含む抄紙原料を湿式抄紙によって作成された引張強度の縦横比が1.2〜3.1の化繊混抄紙シートに多数のヒートエンボス又は超音波シールエンボスを付与して繊維を圧着固定した化繊混合抄紙からなるワイパーであって、
米坪が40〜160g/m2であり、
化学繊維の繊維長が2〜10mmであり、
化学繊維の配合割合が10〜85%であり、
前記ヒートエンボス又は超音波シールエンボスは、そのエンボスは相互が離間しその離間距離が1.0〜6.0mmであり、ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによる圧着面積率が5〜30%であり、
かつ、ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによって圧着される部分の形状がワイパーの抄造方向に対し交差する方向が長い小判状、多角形、楕円である、
ことを特徴とするワイパー
(作用効果)
一般的には、化繊混抄紙は、パルプと化繊が水素結合しないため、熱融着するバインダー繊維を配合し、加熱することで、必要なシートの強度を出している。この場合、熱融着繊維が溶けて固まることで強度が出るために、風合いが固い化繊混抄紙となっていた。
他方、不織布を用いる場合、本発明に係る湿式抄紙よりも生産スピードが低く、生産コストは嵩む。そこで、本発明に係る短繊維を用いた湿式抄紙による場合には生産性は高いものの、ワイプに適する嵩高で柔らかな紙質にする条件下で抄紙したとしても、強度が弱く(拭き取り時の破断などを生じる)、リント(紙粉)の発生があるものとなる。
しかるに、湿式抄紙により作成した嵩高で柔らかな化繊混抄紙シートにヒートエンボス又は超音波シールエンボスをすると、リントの発生がない又は少なく、吸収性の低下も少なく、ワイプ゜として適する化繊混抄紙となる。
抄紙の段階で、繊維の配向性を持たせておき、具体的には引張強度の縦/横比が1.2〜3.0となるように繊維の配向性を持たせておき、配合した化学繊維の繊維長と同じか、短いピッチの離間距離(ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによる圧着部相互間の距離)のエンボスパターンをもって、すなわち1.0〜6.0mm以下の離間距離をもってヒートエンボス又は超音波シールエンボスを行うと、ほとんどの繊維の一部がヒートエンボス又は超音波シールエンボスによる圧着固定されるために、リントの発生がない又は少ないものとなるのである。離間距離が1.0mmよりも短くなると、圧着される面積が多くなってしまい、剛性が増し、嵩高性、吸液性が劣る。逆に、6.0mmを超える離間距離では、圧着されない繊維の割合が増えリントの発生防止効果が不十分である。
パルプ繊維の配向性の指標となる引張強度の縦/横比が1.2未満であると、配向がランダムとなり、離間距離が6.0mm以下であるとしても、圧着部に重ならない繊維の割合が増え、リントの発生が増える。また、縦/横比が3.0以上になると横方向の強度が弱くなり、清拭に耐えうる強度を保てない。
本発明では、圧着面積率を5〜30%とする。圧着面積率が5%未満であると、紙全体の強度向上効果が少なく、拭き取り時に必要な強度が得にくい、リントの発生割合が増える。30%を超えると、柔軟性が損なわれ、嵩高さが失われ、吸液性も劣るようになる。本発明における離間距離と圧着面積率とは相関し、パルプ繊維の圧着固定性と、嵩高性・柔軟性・強度とを定める。
エンボスパターンはライン状や格子状によってもリントの発生を抑制できるが、直線状に繋がったエンボスラインの直交する方向の剛性が増し、柔らかさが損なわれるため、相互に離間したヒートエンボス又は超音波シールエンボスによるものとしたのである。
また、本発明では抄造方向に配向性を持たせている。したがって、ヒートエンボス又は超音波シールエンボスが、化繊混抄紙の抄造方向に対し交差する方向が長いものとすることによって、パルプ繊維の圧着固定性を高める利点をもたらす。加えて、本発明では繊維の配向をMD方向に整えているため、CD方向の強度が弱くなってしまう。そこで、エンボスパターンをCD方向に長いものとすることで、CD方向の強度を向上させることができ、強度のバランスが良くなる。これはMD方向に任意に直線を引いたとき、圧着されている部分がまったくない部分があると、その部分の強度が弱くなる。CD方向に長い形状を用いた場合、圧着されている部分が存在する為、CD方向の強度が強くなる。
以上のとおり、本発明によれば、ワイパーとの必要な諸特性を確保しつつ、特に低発塵性(低リント性)が向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について詳説する。
本発明の化繊混抄紙はワイパーである。湿式抄紙による化繊混抄紙シートに、たとえば図1に示す形状の多数のヒートエンボス又は超音波シールエンボスを付与した化繊混抄紙からなるワイパーである。
本発明のワイパーとしては、米坪が40〜160g/m2で、特に50〜150g/m2が望ましい。米坪が低いと拭き取り時の強度及び吸液能力が十分でなく、他方で、過度に大きい米坪であると取扱性が悪くなるほか、ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによる圧着固定性が損なわれる。厚み(尾崎製作所製ピーコックG型にて測定)としては、0.2〜1.6mmが、特に0.5〜1.2mm望ましい。密度としては、0.05〜0.5g/cm3が、特に0.07〜0.3g/cm3望ましく、嵩高さと強度のバランスが良い。
また、本発明のワイパー(ヒートエンボス又は超音波シールエンボス前の化繊混抄紙)の引張強度の縦/横比が1.2〜3.1とする。特に引張強度の縦/横比は1.5〜2.5が望ましい。この縦/横比を規定した理由は前述のとおりである。
ヒートエンボスは表面に多数の凸部を有する金属ロールを加熱した状態で、たとえばラバーロールとの間を通る化繊混抄紙を押圧することにより付与できる。また、超音波シールエンボス加工は、超音波を伝えるホーンとエンボスロールの間を通し、超音波振動による摩擦熱によってエンボス部分のみ融着することにより付与できる。
ヒートエンボス又は超音波シールエンボスは、相互が離間しその離間距離が1.0〜6.0mm、より望ましくは1.5〜5.5mm以下である。離間距離を1.0〜6.0mmとしたのは離間距離が1.0mmより短いと、剛性が増し、嵩高さも失うためであり、6.0mmを超えると化繊やパルプの繊維長との関係で、ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによって圧着固定されない繊維が増え、リントの発生が増加するためである。ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによる圧着面積率とも関係するが、剛性が増すのを防止する観点から、離間距離の下限は1.0mmであるのが望ましい。離間距離としては、図1の例で示すと、D1、D2、D3があるが、この場合の離間距離としてはD1又D3が1.0〜6.0mmであることを示す。すなわち、ヒートエンボス又は超音波シールエンボス相互が最大に離間しているヒートエンボス又は超音波シールエンボス相互間の離間距離を基準とするものである。すべてのヒートエンボス又は超音波シールエンボス相互間の離間距離で表す場合には、1.5〜5.5mmが望ましい。
また、抄造方向のピッチMPといしては、2〜7mmが望ましい。幅方向のピッチCDとしては、2〜7mmが望ましい。
ヒートエンボス又は超音波シールエンボスの形状は、図1に示す、化繊混抄紙の抄造方向に対し交差する方向が長い小判状のほか、方形(正方形や長方形)、多角形、円、楕円などの適宜の形状を選択できる。必要により、花柄などの模様形態でもよい。
ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによる圧着面積率としては5〜30%、特に望ましくは10〜25%である。この圧着面積率を規定した理由は前述のとおりである。
ヒートエンボス又は超音波シールエンボスは、化繊混抄紙の抄造方向に対し交差する方向(CD方向)が長いもの、たとえば図1に示す小判状、長方形又は楕円などとすることが望ましい。本発明は繊維の配向をMD方向に整えMD方向のエンボス離間距離を1.0〜6mmすることでリントの発生を抑えているが、繊維の配向をMD方向に整えるとCD方向の強度が弱くなってしまう。そこで、エンボスパターンをCD方向に長いものとすることで、CD方向の強度を向上させることができ、強度のバランスが良くなる。
本発明にかかる化繊混抄紙は、公知の湿式抄紙技術により抄紙して形成することができる。すなわちパルプ、化学繊維及び添加物等を含む抄紙原料を湿紙の状態とした後に、ドライヤーにより乾燥して形成することができる。抄紙の最終段階で、あるいは別ラインでヒートエンボス又は超音波シールエンボス加工を行うことができる。ヒートエンボス加工としては、ラバースチール方式のほか、両面から圧着するスチール・スチール方式でもよい。また、超音波シールエンボス加工は、超音波を伝えるホーンとエンボスロールの間を通し、長音派振動による摩擦熱によって繊維が融着する。
本発明のは、パルプを主体とするものが望ましい。パルプとしては、例えばグランドウッドパルプ(GP)・プレッシャーライズドグランドウッドパルプ(PGW)・サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、セミケミカルパルプ(CP)、針葉樹高歩留り未晒クラフトパルプ(HNKP)・針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)・広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)・広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプ、及びデインキングパルプ(DIP)・ウェイストパルプ(WP)等の古紙パルプの中から一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。通常の場合、填料や異物を含まない化学パルプが好適であり、特にNBKPが望ましい。一般的にLBKPよりもNBKPのほうが、繊維長が長く(NBKP:2.0〜4.5mm、LBKP:0.8〜1.8mm)、繊維太さが太いため、NBKPが多いほうが、強度が高く、嵩高となるとともに、表裏面に付着した吸水性や吸油性が良好となり、水分・油分の保持性も良好となる。NBKPとLBKPとの質量比は10:0〜7:3の範囲で選択するのが好ましい。パルプの配合量としては10〜85%、特に好ましくは35〜75%とするのが良い。パルプが10%以下となると、親水性であるパルプが少なくなる為吸水性が低くなり、85%を超えると化学繊維の配合量が低くなるため、嵩高さが失われる。
パルプに対して混抄する化学繊維は適宜選択することができるが、主に嵩高性を確保するためにクリンプ繊維を含有させるのが好ましい。また、湿潤時強度、圧縮復元性、低発塵性等を確保するために熱融着繊維を含有させ、層中の繊維相互を融着させるのが好ましい。さらに他の化学繊維、すなわちクリンプ繊維及びバインダーとして機能する熱融着繊維以外の化学繊維が含まれていてもよい。
クリンプ繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維の長繊維に対して、正逆反対の撚りの繰り返しと熱処理とを繰り返して行うクリンプ加工(仮撚り加工、ウーリー加工とも言われる)を施して形成されるものが適する。中でもポリエチレンテレフタレート繊維をクリンプ加工して形成されるPETクリンプ繊維が好適である。なお、化学繊維をクリンプ加工して形成される繊維のほか羊毛等の天然のクリンプ繊維をも用い得る。
クリンプ繊維を含む化学繊維の繊度は適宜定めることができるが、通常の場合1〜30dtex、特に2〜20dtexとするのが好ましい。化学繊維が細過ぎると嵩高さを保つのが難しくなり、太過ぎると繊維が剛直となり固い紙となり、手触りも悪くなることに加え、繊維数が少なくなる為嵩高効果が少なくなる。
また、化学繊維の繊維長は適宜定めることができるが、通常の場合2〜10mm、特に3〜7mmとするのが好ましい。化学繊維が短過ぎると嵩高効果が確保できなくなるとともに、ヒートエンボス又は超音波シールエンボスにより圧着されない繊維が増える為リントの発生が増加する。また、長過ぎると絡まりやすく抄紙困難となる。
さらに、化学繊維の配合量は、適宜定めることができるが、通常の場10〜85質量%、特に20〜60質量%とするのが好ましい。化学繊維の配合量が少な過ぎると嵩高さが失われ、多過ぎると親水性のパルプが少なくなる為吸水性に劣る。
熱融着繊維としては、80〜140℃で熱融着機能を発揮するものが好適である。ここで熱融着とは、溶融又は軟化による接着機能のことである。一般に、抄紙工程におけるドライヤーパートでは80〜140℃の温度範囲の中から適宜の温度が選択される。従って、この温度範囲で熱融着機能を発揮する熱融着繊維を、乾燥抄紙原料中に混合しておけば、抄紙工程の特にドライヤーパートで溶融して熱融着機能が発揮される。よって、ドライヤーによる乾燥処理など抄紙工程の一連の工程のなかで極めて容易に、熱融着繊維をバインダーとして機能させることが可能である。
このような熱融着繊維の具体例としては、鞘部に芯部より融点の低い樹脂を用いた芯鞘構造の複合繊維、例えば、芯/鞘=PP(ポリプロピレン)/PP(ポリプロピレン)、PP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/低融点PET等の複合繊維や、低融点PET繊維、PP繊維などが挙げられる。特にPETの複合繊維が好適である。もちろん、芯鞘構造でない単一成分の熱融着繊維であってもよい。
熱融着繊維の繊度は適宜定めることができるが、通常の場合0.5〜20dtex、特に1〜5dtexとするのが好ましい。熱融着繊維が細過ぎると繊維の強度が低下するためシートの強度が低くなり、太過ぎても繊維数が少なくなるため強度が低下するとなる。
また、熱融着繊維の繊維長は適宜定めることができるが、通常の場合2〜10mm、特に2〜7mmとするのが好ましい。熱融着繊維が短過ぎると繊維の絡みが少なくなり強度が低くなり、長過ぎると抄紙し難くなる。
さらに、熱融着繊維の配合量は、適宜定めることができるが、通常の場合3〜20質量%、特に5〜15質量%とするのが好ましい。熱融着繊維の配合量が少な過ぎると強度不足となり、多過ぎると硬く剛直なシートとなる。
クリンプ繊維を用いる場合は嵩高くはなるが、表面の毛羽立ちが多いため表面層と裏面層に毛羽立ちの少ない化繊混抄紙を用い、3層構造にしてヒートエンボス又は超音波シールエンボスで一体化するのが好ましい。本発明にかかるワイパーは2枚の化繊混抄紙を接合するほか、3枚以上の化繊混抄紙を接合したものでもよい。厚みを確保するためには、3枚を同時に接合するものが最適である。
三層構造とする場合、表面層は、パルプ及び繊維度0.05〜1.0dtexの極細繊維を主体とする化繊混抄紙からなるものが好ましい。パルプとしては、中間層と同様のもの適宜選択して用いることができる。表面層に含有させるパルプは、中間層と同種のパルプとすることも、また異なる種類のパルプとすることもできる。極細繊維を用いる理由としては繊維が細いため柔らかく、手触りの良いものとなるとともに、拭き取り性も向上するためである。
表面層におけるパルプの配合量は10〜85質量%とされるが、特に30〜70質量%とするのが好ましい。パルプの配合量が少な過ぎると親水性が不十分となり、多過ぎると極細繊維量の低下により表裏面における柔軟性の向上効果が乏しくなる。
また、極細繊維としては、繊度が0.05〜1.0dtex、繊維長2〜10mmものが好ましい。特に好ましい繊度は0.08〜0.60dtexであり、繊維長は2〜7mmである。極細繊維の繊度を上記範囲としたのは、繊維が細すぎると湿式抄紙が困難となり、太過ぎると柔軟性の向上が不十分となるためである。また、極細繊維の繊維長が長すぎると抄紙が困難となり、短すぎると紙粉として脱落し易くなる。
極細繊維の素材としては、例えばレーヨン、アセテート、トリアセテート、ナイロン6、ナイロン66、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、アラミド、ポリビニルアルコールなどの有機高分子繊維等を用いることができる。中でもアクリル繊維等の有機高分子からなる繊維が好適である。
表面層における極細繊維の配合量は10〜85質量%がよく、特に30〜70質量%とするのが好ましい。極細繊維の配合量が少な過ぎると柔軟性の向上効果が乏しくなり、多過ぎるとパルプ量の低下により表裏面における親水性が不十分となる。
表面層には、極細繊維とは別に熱融着繊維を含有させるのが好ましい。表面層に用いる熱融着繊維としては、中間層と同様のものを適宜選択して用いることができる。表面層に含有させる熱融着繊維は、中間層と同種の熱融着繊維とすることも、また異なる種類の熱融着繊維とすることもできる。
表面層に用いる熱融着繊維の繊度は適宜定めることができるが、通常の場合0.5〜20dtex、特に1〜5dtexとするのが好ましい。熱融着繊維が細過ぎると繊維が融着しても繊維の強度が低い為強度不足となり、太過ぎると繊維本数が少なくなり、結果として熱融着部分が少なくなり強度不足となる。
また、熱融着繊維の繊維長は適宜定めることができるが、通常の場合2〜10mm、特に3〜7mmとするのが好ましい。熱融着繊維が短過ぎるとシートの強度不足となり、長過ぎると抄紙困難となる。
表面層における熱融着繊維の配合量は適宜定めることができるが、通常の場合、他の化繊とは別に3〜20質量%、特に5〜15質量%とするのが好ましい。熱融着繊維の配合量が少な過ぎると融着力が不十分となり、多過ぎると硬くなり、極細繊維による柔軟性の向上を阻害する。
他方、表面層の米坪は10〜40g/m2とされるが、特に15〜35g/m2とするのが好ましく、厚みは30〜400μmとされるが、特に60〜300μmとするのが好ましい。表面層の米坪及び厚みをこの範囲としたのは、層の密度が低過ぎると層の形状が安定せず拭き取りにくく、高過ぎると柔軟性が乏しくなるとともに液吸収速度が不十分となるためである。
また、表面層はクレープ加工されているのがよい。柔らかくなり嵩が高まる。
裏面層は、パルプ及び極細繊維を含む化繊混抄紙からなるものであり、基本的に表面層と同様の制限内で構成することができるものである。よって、説明は敢えて省略する。裏面層の構成は、その全てが表面層と同じであるのが好ましいが、上記制限内であれば一部または全ての構成を異ならしめることができる。ただし、熱融着繊維による各層の接着が好適に行えるようになることから、熱融着繊維に関しては、同種又は熱融着温度が同程度のものを同程度の量用いるのがよい。
表面層、裏面層及び中間層の合計米坪は、40〜160g/m2とされるが、より好ましくは50〜150g/m2である。40g/m2未満であると、嵩高となり難く、吸液性も発現し難くなる。160g/m2を越えると柔らかさを発現させ難くなる。
また、合計米坪に対する各層の米坪の割合は、表面層:中間層:裏面層=10〜30:40〜80:10〜30とするのがよい。各々この範囲であれば、薄葉紙全体として、清拭に耐えうる強度を有しつつ、嵩高で柔らかさのあるものが得られる。
本発明に係る化繊混抄紙には、湿潤紙力剤や、粘剤、分散剤、接着剤、剥離剤等の抄紙用薬品を適宜用いてもよい。
次に実施例及び比較例を示し本発明の効果を明らかにする。
湿式抄造により、表1に示す各種の化繊混抄紙からなるワイパーを得て、図2に示す種々のエンボスパターン(P1〜P6)により、ヒートエンボスを行い、得られたワイパーの特性を調べた。測定方法を次記に、結果を表2及び表3に示す。
(1)引張強度:JIS P 8113に準じて測定し、1500cN以上を○とした。
(2)柔らかさ:ハンドルオメーターにて測定。縦と横の測定結果の乗数の平方根にて表した。
(3)吸水量:10×10cmの試験片を水に浸漬し、引き上げた後30秒後の重量を測り、1m2当たりの吸水量を算出し、300g/m2以上のものを○とした。
(4)リント発生量:15×15cmに切った試験片を30秒間手もみしたときのリントの発生量を測定。リントの発生量の測定は、リヨン社製パーティクルカウンター「KC−20A」にて測定し、リント数500以下のものを○とした。
(5)拭き取り性:被験者が試料を実際に使用して、試験管を実際に拭き取り、拭き取りやすさについてどのように感じたかにより総合的に判断をすることとした。細かな凹凸を含め隅々まで拭き易く、吸収性があり、強度もあると感じたものを○、拭きにくいと感じたものを×とした。
(6)配向性:引張強度を測定し縦/横で算出した。
Figure 0004629695
Figure 0004629695
Figure 0004629695
表2、表3からも明らかなように、本発明に係る実施例は、比較例と比べて柔軟で拭き取り易く、リントの発生の少ないものであることが判明した。
家庭における容器類や各種施設における試験器具などに付着した水滴や汚れを拭き取るためにワイパーがとして利用できるものである。
ヒートエンボス又は超音波シールエンボスパターンの一例を示す平面図である。 実施例及び比較例で使用したヒートエンボスパターンを示す平面図である。

Claims (1)

  1. 化学繊維及びパルプ繊維を含む抄紙原料を湿式抄紙によって作成された引張強度の縦横比が1.2〜3.1の化繊混抄紙シートに多数のヒートエンボス又は超音波シールエンボスを付与して繊維を圧着固定した化繊混合抄紙からなるワイパーであって、
    米坪が40〜160g/m2であり、
    化学繊維の繊維長が2〜10mmであり、
    化学繊維の配合割合が10〜85%であり、
    前記ヒートエンボス又は超音波シールエンボスは、そのエンボスは相互が離間しその離間距離が1.0〜6.0mmであり、ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによる圧着面積率が5〜30%であり、
    かつ、ヒートエンボス又は超音波シールエンボスによって圧着される部分の形状がワイパーの抄造方向に対し交差する方向が長い小判状、多角形、楕円である、
    ことを特徴とするワイパー
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