JP6812298B2 - 不織布ワイパーおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、天然セルロース繊維や再生セルロース繊維(以下、セルロース系繊維と称する)と合成繊維とによって形成した基材シートを重ね合わせて形成してある、新規な構造の不織布ワイパーに関する。
セルロース系繊維とポリプロピレンなどの合成繊維とによって形成される複合型の不織布ワイパーは、セルロース系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとを積層状態にした後、これに水流交絡処理することにより得られる。この様な不織布ワイパーは強度と保水性等とを両立させている優れた不織布製品となるので、工業用ワイパーや対人用のワイパーとして様々な用途で使用されている。
上記の複合型の不織布ワイパーについては、例えば特許文献1に基本的な製造工程が開示されており、セルロース系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとの比率や坪量を適宜に調整して所望する不織布ワイパーを製造することができる。
特許第2533260号公報
不織布ワイパーの保水性を向上させることができれば、高吸水能な不織布ワイパーとしてユーザに提供することができる。ここで、従来にあっては、不織布における保水性を向上させるための対処としては一般にウエブの坪量を上げることであった。
しかしながら、ウエブの坪量を上げて、前述した水流交絡処理を実行すると、繊維が交絡する密度も増加してしまう。その結果、完成した不織布は厚みが低下し、嵩高感(バルク感)に乏しく、風合いに劣る不織布になる傾向があった。
よって、本発明の主な目的は、保水性および嵩高感に優れている新規な不織布ワイパーを提供することにある。また、この不織布ワイパーの製造方法を提供することにある。
上記目的は、セルロース系繊維に熱融着性繊維が配合されている熱融着性セルロース系繊維ウエブと、合成繊維から成る合成繊維系ウエブとが積層され水流交絡処理されている基材シートを2枚含み、前記熱融着性繊維を構成する合成繊維は、前記合成繊維系ウエブを構成している合成繊維よりも低い融点のものが採用されており、前記基材シートが重ね合わされ、前記基材シート同士は前記熱融着性セルロース系繊維ウエブの前記熱融着性繊維が溶融固化した接合部を介して接合されており、前記合成繊維系ウエブ同士を対面させた形態で重ね合わせてある、ことを特徴とする不織布ワイパーにより達成できる。
そして、前記不織布ワイパーの製造時の搬送方向に対して直角である幅方向において、前記接合部以外の領域となる非接合部が全幅で存在することが無いように、当該接合部の配置が設計してあるものが望ましい。
そして、前記接合部の配置面積割合は4〜25%の範囲であるのが好ましい。
そして、前記基材シートの坪量が40〜90g/mであるものを好適に採用することができる。
上記目的は、セルロース系繊維に熱融着性繊維が配合されている熱融着性セルロース系繊維ウエブと、合成繊維から成る合成繊維系ウエブとが積層され水流交絡処理されている基材シートを2枚準備し、前記熱融着性繊維を構成する合成繊維は、前記合成繊維系ウエブを構成している合成繊維よりも低い融点のものが採用されており、前記複数の基材シートを個別に送り出した後、前記合成繊維系ウエブ同士を対面させた形態で前記基材シート同士を重ね合わせて予備的積層体を得る積層形成工程と、前記予備的積層体を挟持しながら、所定の配置面積割合で部分的な加熱処理を行って前記熱融着性セルロース系繊維ウエブの前記熱融着性繊維の少なくとも一部を溶融固化させた接合部によって前記基材シート同士を接合して固定化する固定処理工程とを含む、ことを特徴とする不織布ワイパーの製造方法によっても達成される。
そして、前記加熱処理を行うための加熱手段として、ヒータ装置または超音波装置を採用するこができる。
本発明による不織布ワイパーは、強度と保水性とを兼ね備えた複合型の不織布を基材シートとし、これを重ね合せた新規な構造に形成してあるので、嵩高さと保水性の両方に優れた高機能な不織布ワイパーとして提供できる。
本発明に係る不織布ワイパーについて示す拡大した模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は(a)におけるY−Y矢視断面図である。 本発明に係る不織布ワイパーの表面の様子、数例について示した図である。 本発明に係る不織布ワイパーの製造工程を説明するために示した工程の概略図である。
以下、本発明の一実施形態に係る不織布ワイパーを、図を参照して説明する。
図1は本発明の不織布ワイパー1について一部を拡大して示している模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は(a)におけるY−Y矢視断面図である。
不織布ワイパー1について、その概略を予め説明すると、通常の機能を備えた複合型の不織布(セルロース系繊維ウエブと合成繊維系ウエブとによる不織布)を基材シートとして、この基材シートを重ね合せた新規な構造に形成してある。この新規な構造を実現するために、セルロース系繊維に熱融着性繊維を配合した熱融着性セルロース系繊維ウエブが採用されている。これにより、隣接配置された基材シート同士は、配合された熱融着性繊維が溶融固化して形成される接合部により互いに固定化され、重ね合された構造(積層構造)の不織布ワイパー1が得られる。
なお、本発明者は、単体の不織布の坪量を単に増加させると先に指摘の問題が生じるが、坪量の少ない不織布を複数重ね合せて同じ坪量とした場合、保水性が改善され、厚さの減少(嵩高感の減少)も抑制できることを確認して、本発明の着眼点を得た。しかし、水流交絡の場合には、通常の紙と異なり、セルロース繊維が密に重なり合った構造を取っていないため、接着部の繊維が抜けやすく、セルロース系繊維同士の接着が困難であった。この点について、セルロース系繊維に熱融着性繊維を配合するという構成を採用することにより、その問題を解消して本発明の完成に至ったものである。
以下、図に基づいて、不織布ワイパー1を更に詳細に説明する。
図1(b)を参照すると、不織布ワイパー1は第1の基材シート10と第2の基材シート20とを重ね合せて形成してある。ここで、第1の基材シート10、第2の基材シート20のそれぞれは同様に、熱融着性セルロース系繊維ウエブ12、22と合成繊維系ウエブ14、24とによる複合型の不織布である。セルロース系繊維と合成繊維とによる複合型の不織布は、強度と保水性を兼ね備えているという長所がある。そして、前述したように、セルロース系繊維に熱融着性繊維を配合することによって、接合(接着)機能を有したものとなる。
上記基材シート10、20は、積層されたウエブ上に水流を噴射することによって繊維同士を交絡させる従来公知の水流交絡処理により製造されている。一般的に、水流交絡処理は合成繊維系ウエブの上にセルロース系繊維ウエブを配置して、上方から所定圧の水流を噴射して行う。これによりセルロース系繊維が合成繊維ウエブ側に入り込んで繊維同士が絡み合う状態(交絡)が形成されて、一体的に積層された不織布が得られる。
上記のように製造される不織布では、水流交絡処理によりにセルロース系繊維の一部が下側の合成繊維ウエブを貫通して不織布の裏面(すなわち、合成繊維ウエブの表面)側にも多数存在している状態になっている。
一方、基材シート10、20を重ね合せて得られる、本発明の不織布ワイパー1については、表裏の区別なく、親水性のセルロース系繊維ウエブ側が両表面側に位置している形態であれば保水性に優れたワイパーにすることができる。
そこで、図1(b)では基材シート10、20それぞれの合成繊維系ウエブ14、24側同士が対面するように(すなわち、セルロース系繊維ウエブ12、22が表面側に位置するように)配置して、不織布1を設計している。
ただし、前述したように、熱融着性繊維が配合されているセルロース系繊維ウエブ12、22は反対側まで貫通して、反対側の合成繊維系ウエブ14、24上に多数存在している。よって、図1(b)では貫通し反対側に出現した熱融着性セルロース系繊維ウエブの一部を符号12a、22aで示している。
セルロース系繊維を構成するものとして、パルプ、コットンなどの天然繊維に基づくものを採用することができる。例えば、木材パルプを採用する場合には、材種としてラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、スプルース、ダグラスファー等のNBKPが好ましく、解繊性や歩留まり等を考慮して適宜に選定すればよい。再生セルロース繊維としてはレーヨンなどを好適に用いることができる。
そして、セルロース系繊維に配合される熱融着性繊維としては、上記合成繊維系ウエブを構成する合成繊維よりは融点が低く、溶融固化した時にセルロース系繊維同士を接合できるものを採用するのが好ましい。例えば、中心側に融点が相対的に高い第1の合成樹脂、その外側に第1の合成樹脂より融点が低い第2の合成樹脂を配置してある、所謂、芯鞘構造に形成した複合型の熱融着性繊維を採用することができる。
上記第1の合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド類、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等のポリオレフィン類のホモポリマー、コポリマ−、グラフト変性体あるいはこれらのポリマーアロイなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
そして、第2の合成樹脂としては、としては例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレン三元共重合体等のプロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
そして、上記合成繊維系ウエブを構成する合成繊維としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等から選択するのが好ましい。
なお、上記基材シート10、20の坪量は40〜90g/mとするのが好ましい。例えば基材シート10、20それぞれの坪量を40g/mとすれば、不織布ワイパー1の坪量は2倍の80g/mとなる。後述の実施例で示すように、坪量が80g/mである単体の不織布ワイパーと比較して、本発明の不織布ワイパー1の方が保水性、嵩高感で優れたものとなる。
上記基材シート10、20は、ここでは図示していない加熱手段により加熱されると、複数箇所において上記熱融着性繊維が溶融固化することによって形成される接合部30により互いに固定される。接合部30は、熱融着性繊維の溶融に伴い、合成繊維同士の接合の他、合成繊維とセルロース繊維、あるいはセルロース繊維同士の接合が実現しているものでもよい。図1(b)は、そのような断面の様子を拡大して示している。
不織布ワイパー1では、上記のように、接合部30は基材シート10と基材シート20とを固定するために機能する部分であり、ワイパーとしては保水性が低い部分である。その一方で面積当たりの接合部30の割合が低く過ぎると基材シート10と基材シート20とが分離し易くなり、重ね合せた不織布ワイパー1の外形を維持できないおそれがある。
そこで、接合部30の配置面積割合(単位面積当たりでの接合部面積の割合)は4〜25%とするのが好ましい。配置面積割合が4%を下回ると、基材シート10と基材シート20との接合が不安定となる。また、配置面積割合が25%を越えると、ワイパーとしての拭取り能力の低下が懸念される。
上記接合部30を形成する際、例えば周表面に複数の凸部が設けてある加熱ローラ装置を用い、ローラ間に重ね合せ状態の基材シート10、20を挟持しながら加熱することによって、複数の溶融固化部分が接合部30として形成される。このように形成される接合部30は厚みが顕著に減少するので、各接合部30に対応してワイパー表面に複数の凹部35となって現れることになる(図1(b)参照)。
このように凹部35が複数存在するワイパー表面の状態は、エンボス処理を施した場合と同様の形態になる。エンボス処理されたワイパーは、汚れに対する掻き取り性能などが改善することが知られている。よって、本発明の不織布ワイパー1は、掻き取り性能においても改善がされている不織布ワイパーになる。
接合部30の配置に関しては、1つの接合部30の形状と、その配置を適宜に調整して不織布ワイパーを設計することができ、これは凹部35として不織布ワイパーの表面に現れることになる。不織布ワイパーの表面の様子の数例を示したのが図2である。
図2(a)は凹部35(接合部30)の1つを四角形状のドッドとし、均等に配置してドット柄に形成した場合、同様に(b)は帯形状を採用した場合、(c)はクロス形状を採用した場合、(d)は「く」の字形状を採用した場合である。
図2のいずれの場合も、前述したように、接合部30の配置面積割合は4〜25%の範囲となるように設定するのが好ましい。
図2(a)の場合、1つのドッドを1mm×1mmとし、ピッチ5mmとしたパターンにすると、配置面積割合は4%となる。同様に、ドッドを1mm×1mmとし、ピッチ3.16mmとすると配置面積割合は10%となる。またドッドを1mm×1mmとし、ピッチ2.00mmとすると配置面積割合は25%となる。
また、ドッドを1.3mm×1.3mmとし、ピッチ6.5mmとすると配置面積割合は4%となる。同じドットとしてピッチ4.11mmにすると配置面積割合は10%となる。さらに、同じドットとしてピッチ2.60mmにすると配置面積割合は26%となる。
また図2(b)の場合、1mm×30mmの帯形状とし、不織布の搬送方向MDにおけるピッチを10mmとし、搬送方向MDに直角な幅方向CDのピッチを20mmとした場合は配置面積割合4.3%となる。そして、幅方向CDのピッチを15mmと狭めた場合は配置面積割合5.7%となる。
また図2(c)の場合、幅1mm×長さ3mmのクロス形状のドッドとし、ピッチ9mmとすると配置面積割合は14.8%となる。
図2(d)の場合、短辺1mm、長辺2mmとして「く」字形状のドッドとし、ピッチ16mmとすると配置面積割合は4.7%となる。
図2で示す凹部35(接合部30)の配置に関して、製造工程における円滑な製造を考慮したときに好ましい条件がある。
図2で、ウエブの搬送方向MDと直角な方向が幅方向CDである。何れの不織布ワイパー1についても、幅方向CDで凹部35(接合部30)が少なくとも1つ、好ましくは複数存在しているように設計するのが望ましい。換言すると、凹部35(接合部30)以外の領域となる部分(非接合部と称す)が、不織布ワイパー1の幅方向CDの全幅で存在することが無いように、設計するのが望ましい。
上記の条件は、製造工程で、接合部30を形成する際に円滑なウエブ搬送を実現するものである。例えば加熱ローラ装置におけるローラ対の一方の周面に凸部を配置し、この凸部に基づいてウエブに接合部30を設けることを想定する。ここで、ローラの周表面上に全幅に亘り平坦な領域部分(すなわち、凸部が存在しない非接合部)が周方向で定期的に存在すると、ローラが回転したときにガタつくことになり、円滑なウエブ搬送の妨げとなる。これを防止するためには、幅方向で見て必ず凸部が存在するようにローラを設計することが必要となる。そして、このような条件を満たしているローラ装置を用いて製造される不織布ワイパー1は、非接合部が幅方向CDの全幅で存在していない、という構造的特徴を有していることになる。
よって、不織布ワイパー1では、図2で示す例のように、幅方向CDにおいて、凹部35(接合部30)が必ず存在するように、好ましくは複数存在するようにパターンが設計してあるのである。
図3は不織布ワイパー1の製造工程の概略を模式的に示した図である。
図3の左側には、ロール状に巻かれた2つの基材シート10、20が予め準備されている。各基材シート10、20は、セルロース系繊維に熱融着性繊維が配合されている熱融着性セルロース系繊維ウエブと、合成繊維から成る合成繊維系ウエブとが積層され水流交絡処理によって得られたものである。
なお、上記基材シート10、20を製造する際に、セルロース系繊維ウエブは湿式方式、乾式方式のいずれによる工程で製造してもよいものであるが、セルロース系繊維に熱融着性繊維が均一に配合されている熱融着性セルロース系繊維ウエブを製造するという観点からは、乾式により製造するのが好ましい。
図3で、上側の基材シート20は上面側に熱融着性セルロース系繊維ウエブ22が位置している不織布であり、下側の基材シート10は下面側に熱融着性セルロース系繊維ウエブ12が位置している不織布である。この基材シート10、20は、互いに合成繊維系ウエブ14、24側が対面するように設定されている。ただし、前述したように、この合成繊維系ウエブ14、24の表面は、反対側から貫通している熱融着性セルロース系繊維ウエブの一部12a、22aが存在している状態となっている。
上記ロールから送り出された基材シート10、20は、先ず積層形成工程を経る。この工程では、基材シート10、20が一緒に挟持ローラ装置2の間に案内されて、基材シート同士を重ね合わせた予備的積層体40が形成される。
その下流では、予備的積層体40を挟持しながら、所定の配置面積割合で部分的な加熱処理を行う固定処理工程が実行される。
ここでは、予備的積層体40に部分的な加熱処理をするための加熱手段3が配設してある。加熱手段3は、所定の配置面積割合で部分的な加熱処理を行って熱融着性繊維の少なくとも一部を溶融する。加熱手段3としては、発熱部を備えて、予備的積層体40を挟持しながら部分的な加熱処理を実行するヒータ装置や超音波を用いて熱融着性繊維を溶融する超音波装置など、公知の加熱装置を適宜に採用することができる。よって、固定処理工程を経ると、熱融着性繊維の少なくとも一部が溶融固化させた接合部30により基材シートが同士を接合されている不織布ワイパー1を得ることができる。
図3で例示しているのは、基材シート2枚(2PLY)によって製造される不織布ワイパーの場合である。これよりも多い、例えば基材シート3枚(3PLY)とする場合は、基材シートのロールを1つ追加して、3枚の重ね合わせにして同様に製造すればよい。
この場合、製造された不織布ワイパーの表裏両面に、熱融着性セルロース系繊維ウエブが位置しているように設計しておくのが好ましい。親水性のある熱融着性セルロース系繊維ウエブを表側に配置して保水性の高い不織布ワイパーとすることができる。これにより、表裏を意識せずに使用しても、吸水能力の高いワイパーとしてユーザに提供することができる。
(実施例)
以下、更に本発明に係る不織布ワイパーの実施例について説明する。実施例1は坪量62g/mの基材シートを2枚重ね合せ(2PLY)の不織布ワイパー1A、実施例2は坪量62g/mの基材シートを2枚重ね合せ(2PLY)の不織布ワイパー1B,実施例3は坪量58g/mの基材シートを3枚重ね合せ(3PLY)の不織布ワイパー1C,そして、比較例1は坪量123.7g/mである単体(1PLY)の不織布ワイパー100である。
各不織布ワイパーについて、坪量、厚み、比容積、強度、風合いおよび保水性について評価して総合判断した。
坪量:JIS P8124に規定されている方法に準拠して測定した。
厚み:ピーコック紙厚形を用い、37.85g/cm加重下で測定した。
比容積:厚さ(mm)×1000/坪量(g/m)により求めた。
比容積は嵩高さ(バルク感)を反映する数値であり、60mm未満のものは嵩高さ不足で×とした。
強度: JIS P8113の規定に基づき乾燥時の縦と横の引張強さを試験片幅25mmとして測定した。縦はウエブ搬送方向、横は幅方向に対応している。
風合い:モニタ10人による官能評価で、○:良い、△:普通、×:悪い、とした。
保水性:得られた不織布シートを76×76mmの正方形の試験片に切断し、乾燥重量(W)を測定した。その後、この試験片を蒸留水中に2分間浸漬した後、試験片の1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態(100%RH)で吊るし、30分放置した後の重量(W)を測定した。
(W−W)の値を算出し、この値を不織布シートの単位面積当たり(1m)の保水量(g)及び単位重さ当たり(1g)の保水量(g)を換算した。いずれの換算値も数値の大きい方が保水性に優れることを示している。単位面積当たりについては500g/m以上が○、未満の場合はXとした。また、単位重さ当たりについては400g/g以上が○、未満の場合はXとした。
総合判断:全て○の場合を優、×を含む場合を不可とした
各不織布ワイパーのデータは、下記表1に示した通りである。
Figure 0006812298
以上から、本発明によると、所定の強度を備えつつ、保水性および嵩高さ、風合いで優れている新規な構造の不織布ワイパーを提供できることが分かる。
比較例1による不織布ワイパー(坪量を増加した単体の不織布ワイパー)は、保水性、厚みおよび嵩高さのいずれについても減少が顕著で、強度はあるがゴワゴワ感の強い不織布であった。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
1 不織布ワイパー
10、20 基材シート(複合型の不織布)
12、22 熱融着性セルロース系繊維ウエブ
12a、22a 熱融着性セルロース系繊維ウエブの一部
14、24 合成繊維系ウエブ
30 接合部
35 凹部
40 予備的積層体
MD 不織布の搬送方向
CD 幅方向

Claims (6)

  1. セルロース系繊維に熱融着性繊維が配合されている熱融着性セルロース系繊維ウエブと、合成繊維から成る合成繊維系ウエブとが積層され水流交絡処理されている基材シートを2枚含み、
    前記熱融着性繊維を構成する合成繊維は、前記合成繊維系ウエブを構成している合成繊維よりも低い融点のものが採用されており、
    前記基材シートが重ね合わされ、前記基材シート同士は前記熱融着性セルロース系繊維ウエブの前記熱融着性繊維が溶融固化した接合部を介して接合されており、
    前記合成繊維系ウエブ同士を対面させた形態で重ね合わせてある、ことを特徴とする不織布ワイパー。
  2. 前記不織布ワイパーの製造時の搬送方向に対して直角である幅方向において、前記接合部以外の領域となる非接合部が全幅で存在することが無いように、当該接合部の配置が設計してある、ことを特徴とする請求項1に記載の不織布ワイパー。
  3. 前記接合部の配置面積割合が4〜25%である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布ワイパー。
  4. 前記基材シートの坪量が40〜90g/mである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不織布ワイパー。
  5. セルロース系繊維に熱融着性繊維が配合されている熱融着性セルロース系繊維ウエブと、合成繊維から成る合成繊維系ウエブとが積層され水流交絡処理されている基材シートを2枚準備し、前記熱融着性繊維を構成する合成繊維は、前記合成繊維系ウエブを構成している合成繊維よりも低い融点のものが採用されており、
    前記複数の基材シートを個別に送り出した後、前記合成繊維系ウエブ同士を対面させた形態で前記基材シート同士を重ね合わせて予備的積層体を得る積層形成工程と、
    前記予備的積層体を挟持しながら、所定の配置面積割合で部分的な加熱処理を行って前記熱融着性セルロース系繊維ウエブの前記熱融着性繊維の少なくとも一部を溶融固化させた接合部によって前記基材シート同士を接合して固定化する固定処理工程とを含む、ことを特徴とする不織布ワイパーの製造方法。
  6. 前記加熱処理を行うための加熱手段が、ヒータ装置または超音波装置である、ことを特徴とする請求項5に記載の不織布ワイパーの製造方法。
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