JP4073928B2 - 清掃用物品 - Google Patents

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本発明は、起毛させた不織布を用いた清掃用物品に関する。
従来、ティッシュ、ウェットティッシュ、化粧落しティッシュ、乳児のお尻拭きシートや清掃用シート等に、不織布などを利用した使い捨て拭き取りシートが使用されている。これらは人の肌又は手に直接触れるものであるため、肌触りが良いことが要求される。
また、特に清掃用シートは手で保持して、若しくはいわゆる清掃用モップに取り付けられる形態で広く使用されている。通常、家庭内等の清掃において布又は不織布などを用いる場合、乾拭きと水拭きの二通りの清掃方法が行われている。ところが、この不織布を用いた清掃用物品は乾拭きと水拭き両方に使用できる形態にはなっていない。
不織布を用いた清掃用物品として、特許文献1には、凹凸形状を有し、且つ油剤を含浸させた不織布の清掃用物品が開示されている。しかし、この清掃用物品はゴミを吸着させるための油剤を含有しているため水拭きに用いることができない。また、本発明者らは特許文献2において、乾拭きと水拭きの両方に使用可能な積層構造の拭き取りシートを提案している。この拭き取りシートは水拭きの際には良好な拭き取り効果を発揮できるが、乾拭きしたときに小さく細かいゴミを絡め取る能力が十分ではない。
特開平5−245090号 特願平9−68728号
本発明の目的は、嵩高く、また肌触りの良い清掃用物品を提供することにある。
本発明の他の目的は、乾拭きおよび水拭きの両方に使用することができ、なお且つ乾拭き時において小さく細かなゴミを取る能力が高い清掃用物品を提供することにある。
本発明の前記目的及び利点は、疎水性繊維を含むエアスルーボンド不織布と、表面に位置するスパンレース不織布からなる多層構造の清掃用物品において、
前記スパンレース不織布は吸水性のレーヨン繊維および熱融着性繊維を含んでおり、
繊維の接着もしくは交絡で形成された前記スパンレース不織布の表面から、前記繊維が部分的に切断され、且つ繊維が部分的にほぐされて起毛されていることを特徴とする清掃用物品によって達成される。スパンレース不織布の繊維を起毛させることによって、嵩高く、また肌触りが良い表面を有する清掃用物品を得ることができる。この清掃用物品スパンレース不織布の表面近くの層の繊維が起毛されており、スパンレース不織布の中心部に位置する繊維は起毛処理後もその状態は変わらない。すなわち、清掃用物品の表面近くの層は繊維が起毛され繊維の密度が粗であり、清掃用物品の内部は繊維の密度が密である。従って、起毛処理を施しているが、清掃用物品の強度はほとんど低下することがない。
本発明の清掃用物品の表面に使用する不織布は、水流を用いて繊維同士を交絡させた、いわゆるスパンレース不織布である。不織布が接着剤などを使用しないで繊維同士の交絡のみで形成されているため、抵抗を与えたときに繊維が比較的容易にほどかれて起毛しやすい。
また、通常の方法において製造された不織布も表面に若干の毛羽立ち(起毛)が見られるが、本発明における起毛では、起毛長が起毛前のシート表面から0.4mm以上あることが好ましい。
さらに、拭き取りシートの表面積の1.6×10-5cm2あたりに起毛長が0.4mm以上の繊維が一本以上起毛していることが好ましい。この起毛密度によって、乾拭き時における小さく細かなゴミを捕捉する効果が高くなり、更には嵩高感や肌触りが良くなる。
本発明の清掃用物品は、繊維の接着もしくは交絡で形成されたスパンレース不織布の表面に、ニードルを利用して抵抗を与えて、繊維を部分的に切断し、且つ繊維を部分的にほぐして起毛させて製造することができる。
また、繊維の接着もしくは交絡で形成されたスパンレース不織布の表面に、バーを利用して抵抗を与えて、繊維を部分的に切断し、且つ繊維を部分的にほぐして起毛させることによって製造することもできる。
以上の製造方法においては、複数枚の不織布が重ねられた後に表面のスパンレース不織布に起毛処理を施すこともできる。
本発明清掃用物品は表面が起毛しているため、清掃において高い拭き取り効果を出すことができる。
本発明の清掃用物品スパンレース不織布に、エアスルーボンド不織布を重ねた多層構造であるエアスルーボンド不織布は、スパンレース不織布に重ねられて、又は中間シートとしてスパンレース不織布に挟まれて、多層構造を形成する。或いは、前記複数枚の不織布が重ねられた後に起毛処理が施されて多層構造の清掃用物品となる。清掃用物品にエアスルーボンド不織布を用いることにより、水分を保持する能力及び清掃用物品の剛性を高めることができる。従って、乾拭き水拭きの両方に使用することができ、且つ拭き取り効果が高い。更に好ましくは、起毛されたスパンレース不織布が拭き取り面である表面と裏面とに現れるように積層した清掃用物品であることが好ましい。この場合、清掃用物品の両面を清掃に使用することができる。
また、エアスルーボンド不織布にレーヨン等の吸水性繊維及び/又は吸汗PET等の親水性繊維が含まれていることが好ましい。このように構成することにより、清掃用物品が水を含有することが可能となる。従って水拭きが可能となる。但し、本発明ではレーヨンや吸汗PETを含まず、乾拭き専用として使用されるものであってもよい。
この多層構造の清掃用物品は、各層の不織布が熱融着樹脂を含有し、且つ熱処理により各層の不織布どうしを接合すれば簡便に製造することができる。更には、清掃用物品として剛性の高いものとすることができる。
本発明の清掃用物品表面が起毛しているため、嵩高く、且つ肌触りが良い。従って、ティッシュ、ウェットティッシュ、化粧落しティッシュ、赤ちゃんのお尻拭きシートや清掃用シートに適したものとすることができる。
また、本発明の清掃用物品、乾拭きの場合高い拭き取り効果を得ることができる。また、水分を保持する能力が高い不織布を重ねれば、乾拭きおよび水拭きの両方に使用できる清掃用物品を得ることができる。
以下本発明を図面を参照しながら説明する。
図1(A)は起毛前のスパンレース不織布の部分断面拡大図、(B)は本発明の清掃用物品の表面に用いるスパンレース不織布の部分断面拡大図である。
図1(A)に示すように、スパンレース不織布等の不織布1は、特に表面に起毛処理を施さなくても繊維の端が不織布の表面から若干突出している。しかし、その突出量は極めてわずかである。本発明では、この不織布1の表面に抵抗を与えて繊維を部分的に切断し、且つ繊維の交絡を部分的にほどくことによって、繊維の端を不織布の表面から更に突出させている。これが図1(B)に示す本発明の清掃用物品の表面に用いるスパンレース不織布2である。図1(B)に示されるように、起毛前の状態から比べて多くの繊維の端が不織布の表面から突出している。すなわち、起毛した繊維3が多く存在している。更に、起毛後は不織布自体の厚みが厚くなって、嵩高くなっている。
本発明の清掃用物品の表面の不織布は水流を用いて繊維同士を交絡させた、いわゆるスパンレース不織布である。不織布が繊維同士の交絡のみで形成されているため、表面から抵抗を与えたときに繊維が比較的容易にほどかれて起毛しやすい。また、2層抄の不織布に対して起毛処理を施すこともできる。
不織布の表面に抵抗を与えて、繊維の切断及び繊維の交絡をほぐすことを適度に行って起毛を生じさせる方法としては、針を用いて繊維をかき出したり、不織布とバーとを擦り合わせる方法などがある。
図2(A)(B)は針を用いて起毛させる本発明の清掃用物品の表面に用いる不織布の製造工程図の一例である。
表面に多数の針を有するローラーを不織布の表面に当てて回転させると、起毛加工を容易に行うことができ、且つ起毛量の調節も容易である。図2(A)に示すように、不織布1は駆動ローラー9aとピンチローラー9bとで挟持されて矢印6の方向へ周回するように繰り出される。矢印6と同じ方向である矢印7方向へ回転するカウンターパイルカーラー(CPR)4と、矢印6と同じ方向である矢印8方向へ回転するパイルカーラー(PR)5を不織布表面に当てることにより、不織布1の表面の繊維が起毛されて拭き取りシート2となる。
図2(B)に示すように、このカウンターパイルカーラー4とパイルカーラー5は表面に多数の針を有している。この針は鉤状になっており、カウンターパイルカーラー4の針の先部は矢印7と逆の方向に、パイルカーラー5の針の先部は矢印8と同じ方向を向いている。このカーラーが不織布1の表面上を転がると針に繊維が引っ掛かり、引っかかった繊維が切断され、又は引っかかった繊維の交絡がほぐされる。従って、拭き取りシート2には起毛した繊維3が多く現れる。
このとき、不織布の繰り出されて行く速度Vと、カウンターパイルカーラー4の回転周速度VCRP、パイルカーラー5の回転周速度VPRとの差(あるいは駆動ローラー9aと各カーラー4、5との回転数の差)によって起毛の状態を調節することができる。不織布が繰り出されて行く速度Vに対して、二つのカーラー4、5の周速度VCRPとVPRとを変えることによって、不織布に対するカウンターの抵抗が大きくなり、その結果、多くの繊維が起毛されることなる。また、カーラーの表面にある針の形状や数によっても起毛の状態を調節することができる。
図2に示すように二つのカーラーを用いて起毛させると不織布が効率よく且つ効果的に起毛されるが、カーラーを一つだけ用いても起毛加工は行うことができる。または、回転式ではなく固定された針を並べ、不織布をこの針上に繰り出すことによっても起毛を生じさせることができる。
図3は本発明の清掃用物品の表面のスパンレース不織布の他の製造工程図の一例である。
図3に示すように、不織布1は矢印6の方向へ繰り出される。そこで、不織布はロール10、10に保持された状態でバー11の抵抗を受けながら矢印6方向へ送られる。このバー11は硬質のものであり、例えばステンレス製などのバーが使用可能である。このバー11による抵抗によって繊維が切断され又は繊維の交絡がほぐれる。従って、不織布1は起毛される。
図4に起毛前の不織布1と起毛後のスパンレース不織布2の拡大断面図を対比して示す。図4の起毛前の状態に示すように、起毛前の不織布1においても表面に若干の毛羽立ち(起毛)が見られるが、本発明の表面に用いるスパンレース不織布では、起毛長が起毛前の表面から0.4mm以上あることが好ましい。この長さの起毛は、通常の方法において製造された不織布の表面に抵抗を与えない限り得ることができない。起毛長hとは図4に示すように、起毛前の不織布の表面から測定した、起毛後の起毛している部分の繊維の高さ、あるいは起毛した繊維長の高さの平均値である。さらに、不織布の表面積の1.6×10-5cm2あたりに、起毛長が0.4mm以上ある繊維が一本以上存在していることが好ましい。この密度の起毛によって、清掃用物品の嵩高感や肌触りが良くなる。
また図4から見てもわかるように、起毛処理によって不織布1の表面近くの繊維が起毛しているが、不織布1の中心部近くの繊維は起毛前と比べて状態はあまり変化していない。従って、起毛処理を施しても不織布1の強度は低下することは少ない。
以上のようにして得られる本発明の清掃用物品の表面に用いる不織布は嵩高く、且つ肌触りが良いため、ティッシュ、ウェットティッシュ、お化粧落しのシート、赤ちゃんのお尻拭き用シート等の拭き取りシートとして使用する場合に最適である。
次に起毛させたスパンレース不織布を用いた本発明の清掃用物品について述べる。
スパンレース不織布は表面が起毛しているため、清掃において高い拭き取り効果を出すことができる。表面に起毛加工を施すことによって、表面繊維がかき取られて清掃用物品の表面部分の密度が低くなる。従って、表面部分には繊維間の空間が三次元的に生まれる。この空間に埃や塵が入り込むので、乾拭き時の拭き取り効果が高くなる。
清掃用物品では、起毛長0.4mm以上あることが好ましい。0.4mm以上であれば、高い拭き取り効果を得ることができる。またこのとき、清掃用物品の表面積1.6×10-5cm2あたりに繊維が一本以上起毛していることが好ましい。以上の構成によって、乾拭き時に小さく細かいゴミを捕捉する効果が高くなる。したがって、床やトイレ周り等の拭き取り清掃用として最適なものとなる。
清掃用物品は、スパンレース不織布にエアスルーボンド不織布を重ねた多層構造であるエアスルーボンド不織布は、スパンレース不織布に重ねられて、又は中間シートとしてスパンレース不織布に挟まれて、多層構造を形成する。熱風で繊維間を融着させたエアスルーボンド不織布を用いることにより、清掃用物品の剛性を高めることができる。また、清掃用物品に厚みを持たせ、手で保持しやすいものとなる。
図5は本発明の多層構造の清掃用物品の一例の断面図である。
図5に示すように、起毛したスパンレース不織布2が、中間シートとなるエアスルーボンド不織布12を挟む形で重ねられて3層構造となっている。清掃用物品は、図5に示すように、起毛したスパンレース不織布2が拭き取り面である表面と裏面とに現れていることが好ましい。この場合、清掃用物品の両面を清掃に使用することができる。
清掃用物品の表面に位置する起毛したスパンレース不織布は疎水性繊維を含むことが好ましい。疎水性繊維を含むことにより、乾拭き時及び水拭き時の両方において床などの被清掃面に対して滑りやすくなる。また、起毛したスパンレース不織布に吸水性繊維と親水性繊維の少なくとも一方を含むことが好ましい。吸水性繊維や親水性繊維を含むことにより、水拭き時に表面のスパンレース不織布2が適度な保水力を有するものとなる。ただし、中間シートとなるエアスルーボンド不織布からの水の戻りを抑制するために、前記疎水性繊維をスパンレース不織布2に少なくとも5重量%以上含ませることが好ましい。
本発明の清掃用物品の中間層である中間シートの不織布12に、疎水性合成繊維を含有させることにより、清掃用物品の剛性を高くできる。また、吸水性繊維と親水性繊維の少なくとも一方を含有させることにより、水で濡らして拭き取りを行う際に、中央に位置する不織布12に保水機能を持たせることができる。
前記の起毛したスパンレース不織布2及び中間シートとなるエアスルーボンド不織布12に含まれる疎水性繊維としては、ポリプロピレン(PP)や、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、アクリルなどの繊維をあげることができる。また、熱可塑性の疎水性合成繊維、例えば低融点PET等を含ませることにより、スパンレース不織布2とエアスルーボンド不織布12が熱融着により接合することができる。
親水性繊維としては、吸汗ポリプロピレン(PP)、吸汗ポリエチレン(PE)や吸汗ポリエステル(PET)を使用することができる。吸汗PPや吸汗PE、吸汗PETとは、PPや、PE、PET繊維に親水性の界面活性剤がコーティングされたもの、あるいは練り込まれたものである。
吸水性繊維としては、例えばレーヨン繊維やセルロース繊維などが使用される。この他、保水性、吸水性を有する繊維であればこれに限定されない。
以上のように、疎水性合成繊維、吸水性繊維及び/又は親水性繊維を清掃用物品に含有させると、吸水性繊維や親水性繊維によって水分を保持でき、且つ疎水性繊維によって水の戻りを防止できるため、シート表面に水分が急激に流れ出ることを防止できる。すなわち、常に濡れた状態で広い面積を拭き取ることが可能となる。
また、このときの中央に位置する不織布12の目付は、約25g/m2以上で55g/m2以下程度であることが好ましい。この程度の目付であると、清掃用物品の柔軟性も適度であり、また剛性もよく、繰り返しの使用に耐えることができる。
図6は本発明の清掃用物品を上から見た平面図である。
図6に示すように、起毛したスパンレース不織布2と中間シートとなるエアスルーボンド不織布12とからなる多層構造の清掃用物品Sは、各層の不織布が熱融着樹脂を含有しており、且つ熱処理により各層が接合線13において接合されていることが製造上簡便であり好ましい。各層が重ねられたものが、表面に波状又はヘリンボーン状のエンボスが形成された加熱エンボスロールと、表面が平坦な加熱ロールまたは表面に波状又はヘリンボーン状のエンボスが形成された加熱エンボスロールとの間に挟まれる。そして前記エンボスにより各層が加圧され且つ加熱される。これにより、起毛したスパンレース不織布2と中間に挟まれた不織布12の熱可塑性の繊維が熱溶融し、各層が熱溶融接合されて接合線13が形成される。
本発明における熱処理とは、前記加熱ローラーを用いた加熱方法の他、高周波によって繊維を溶融させて接合することを含む。接合線は波形や鋸歯形など、どのような形態であってもかまわない。但し、図6に示すように接合線13を波状等に形成すると、接合線13を設けたことによる凹凸がシート表面に形成され、清掃時における拭き取り効果が高くなる。
なお、各層を接合する手段は、前記のような熱溶融接合に限られない。例えば、各層の対向面にホットメルト接着剤などの接着剤を塗布し、前記エンボスロールにより接着剤の塗布部分を加圧して接着してもよい。
また、本発明の多層構造の清掃用物品は、始めに各層の接合を行った後に起毛処理を施すこともできる。具体的には、スパンレース不織布と、エアスルーボンド不織布とを接合して多層構造を形成した後に、拭き取り面となるスパンレース不織布の表面に起毛処理を施すことによって、乾拭きと水拭の両方に使用できる清掃用物品を得ることができる。
上記清掃用物品は、乾燥状態および水分を含ませた状態の双方にて剛性が高い。よって、広げた状態で清掃するときにヨレや皺が生じにくい。また、水で洗って絞ったときに広がった状態に復元しやすいので、洗った後に手で広げる作業が容易である。
この清掃用物品は、手で掴んで使用されたり、または図7に示すような市販の清掃器具(清掃用モップM)に取り付けて使用される。清掃用モップMに取り付けられることを考え、清掃用物品Sの両側部分のホルダーに挟持される領域を柔軟に加工して両側部分の剛性を中央部の剛性よりも低くすることが好ましい。柔軟加工はエンボスなどによって施すことができる。こうすることによって、清掃用物品全体として高い剛性を有し、しかも清掃用モップMのホルダーに取付けやすいものとなる。
清掃用物品には、その拭き取り効果を高めるため、ニードルや水流等を用いて表面に多数の開孔部を設けても良い。
この多層構造の清掃用物品は、乾いた状態、あるいは薬液や水などを含浸させたウエットな状態で、家庭内で床の拭き掃除などに使用される。このとき、乾拭きにおいては起毛した繊維で細かいごみを絡めとることができる。また、清掃用物品に薬液または水を含浸させた場合、各層で液体を保水できるため、長時間濡れた状態を保持でき、拭き取り面積を大きくできる。また丈夫なため、汚れが付着した後に、布ぞうきんのように水洗いして絞って再度使用することもできる。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の多層構造の清掃用物品を得るため、起毛したスパンレース不織布2の元となる不織布1を以下の配合においてスパンレース法で製造した。
レーヨン(1.5デニール、繊維長38mm)を50重量%
吸汗PET(1.5デニール、繊維長44mm)を35重量%
低融点PET(2.0デニール、繊維長51mm)を15重量%
また、スパンレース不織布に挟まれる中間シートとなる不織布12を以下の配合においてスルーエアボンド法で製造した。
レーヨン(2.0デニール、繊維長51mm)を45重量%
低融点PET(2.0デニール、繊維長51mm)を40重量%
中空PET(2.0デニール、繊維長51mm)を15重量%
以上得られたスパンレース不織布でエアスルーボンド不織布の表裏両面から挟んで、以下の条件で接合した。
エンボス加工:上 へリンボン柄、下 メタルロール柄
温度:上 130℃、下 135℃
圧力:50Kg/cm2
接合スピード:6m/min
接合後、得られた不織布に以下の条件で起毛処理を施して本発明の清掃用物品を得た。この時用いた起毛機械(金井重量工業(株)製)は、ニードルによって起毛させる機能をもつもので、その概要は図2(A)(B)に示したとおりである。
VPR=99.7rpm
VCPR=99.5rpm
VCAP=99.8rpm
ここでVPR、VCPR、VCAPはパイルカーラー5、カウンターパイルカーラー4、キャプスタンローラー(駆動ロール)の回転数(rpm)である。駆動ロールによってシートが繰り出され、パイルカーラーとカウンターパイルカーラーによって起毛処理が施される。この実施例では、二つのパイルカーラーと二つのカウンターパイルカーラーとでそれぞれ一回ずつの処理を行う図2(A)の工程において、不織布を5回、20回、30回周回させて起毛を施し、清掃用物品を得た。それぞれの起毛長は実施例1(起毛処理5周回)が0.4mm、実施例2(起毛処理20周回)が0.6mm、実施例3(起毛処理30周回)が1.2mmであった。
以上において得られた本発明の清掃用物品について、乾拭き水拭きにおける拭き取り試験を行った。
[拭き取り試験−乾拭き−]
あらかじめ計りとっておいたパン粉0.5gを100×50cmの評価用枠内にできるだけ均一に散布する。市販の掃除用モップに実施例の清掃用物品を取付たものを用いて、評価用床の枠内を、どの表面に対しても一回拭いたこととなるようにしてパン粉を捕集した。付いたパン粉を落とさないようにして清掃用モップから清掃用物品を取り外し、その重量を測定した。以下の式により、拭き取り量を得た。
拭き取り量=拭き取り後の清掃用物品の重量−拭き取り前の清掃用物品の重量
また、比較例1として油剤を含浸させてある市販の清掃用モップ用お掃除シート(PETを使用した不織布。油剤として鉱物油を5重量%塗布してある)を、比較例2として実施例と同じ構成の不織布(起毛処理なし)を用いて、実施例と同様にして拭き取り試験を行った。
結果を図8に示す。
[拭き取り試験−水拭き−]
また、実施例及び比較例に250重量%の水分を含浸させたものについて乾拭きの拭き取り試験と同様にして、水拭きの拭き取り試験を行った。
なお、比較例1は油剤を含有しているため、水拭きすることができなかった。
結果を図9に示す。
図8及び図9の結果からわかるように、本発明の清掃用物品は、乾拭き、水拭きともに高い拭き取り効果を得ることができる。また、起毛長が0.6mm以上あると乾拭き、水拭きともに高い効果を得ることができることもわかる。
(A)は起毛前の不織布の部分断面拡大図、(B)は本発明の清掃用物品の表面のスパンレース不織布の部分断面拡大図、 (A)(B)は本発明の清掃用物品の表面のスパンレース不織布の製造工程図の一例、 本発明の清掃用物品の表面のスパンレース不織布の製造工程図の他の一例、 起毛前と起毛後のスパンレース不織布とを比較した拡大断面図、 本発明の多層構造の清掃用物品の一例の断面図、 本発明の清掃用物品を上から見た平面図、 清掃用物品の使用例を示す説明図、 実施例における乾拭きの拭き取り試験の結果、 実施例における水拭きの拭き取り試験の結果、
符号の説明
1 不織布
2 拭き取りシート
3 起毛した繊維
4 カウンターパイルカーラー(CPR)
5 パイルカーラー(PR)
6 不織布の流れる方向
9a 駆動ローラー
9b ピンチローラー
10 ロール
11 バー
12 中央に位置する不織布
13 接合線
h 起毛長
S 清掃用物品
M 清掃用モップ

Claims (7)

  1. 疎水性繊維を含むエアスルーボンド不織布と、表面に位置するスパンレース不織布からなる多層構造の清掃用物品において、
    前記スパンレース不織布は吸水性のレーヨン繊維および熱融着性繊維を含んでおり、
    繊維の接着もしくは交絡で形成された前記スパンレース不織布の表面から、前記繊維が部分的に切断され、且つ繊維が部分的にほぐされて起毛されていることを特徴とする清掃用物品
  2. 前記スパンレース不織布の表面近くの層は、繊維が起毛された繊維の密度が粗であり、前記スパンレース不織布の内部は繊維の密度が密である請求項1記載の清掃用物品
  3. 起毛長が、起毛前のシート表面から0.4mm以上である請求項1または2記載の清掃用物品
  4. 拭き取りシートの表面積の1.6×10-5cm2あたりに少なくとも一本の繊維が起毛している請求項1ないし3のいずれかに記載の清掃用物品
  5. 起毛されたスパンレース不織布が拭き取り面である表面と裏面とに現れている請求項1ないし4のいずれかに記載の清掃用物品。
  6. 前記エアスルーボンド不織布に、吸水性繊維が含まれる請求項1ないし5のいずれかに記載の清掃用物品。
  7. 各不織布が熱融着樹脂を含有し、且つ熱融着によって各不織布が接合されている請求項1ないし6のいずれかに記載の清掃用物品。
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