JPH11318791A - 起毛させた拭き取りシート及びその製造方法並びにこの拭き取りシートを用いた清掃用物品 - Google Patents
起毛させた拭き取りシート及びその製造方法並びにこの拭き取りシートを用いた清掃用物品Info
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- JPH11318791A JPH11318791A JP10135285A JP13528598A JPH11318791A JP H11318791 A JPH11318791 A JP H11318791A JP 10135285 A JP10135285 A JP 10135285A JP 13528598 A JP13528598 A JP 13528598A JP H11318791 A JPH11318791 A JP H11318791A
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- D06C—FINISHING, DRESSING, TENTERING OR STRETCHING TEXTILE FABRICS
- D06C11/00—Teasing, napping or otherwise roughening or raising pile of textile fabrics
Abstract
る。また、清掃用にも適した起毛した不織布を得る。 【解決手段】 繊維の接着もしくは交絡で形成された不
織布の表面から、前記繊維が部分的に切断され、且つ繊
維が部分的にほぐされて起毛されていることを特徴とす
る拭き取りシートは、嵩高く、且つ肌触りがよい。ま
た、この拭き取りシートを用いた清掃用物品は乾拭き、
水拭き共に使用することができる。
Description
た拭き取りシート及びその製造方法に関する。さらに詳
しくは、この拭き取りシートを用いた清掃用物品に関す
る。
シュ、ウェットティッシュ、化粧落しティッシュ、乳児
のお尻拭きシートや清掃用シート等に、不織布などを利
用した使い捨て拭き取りシートが使用されている。これ
らは人の肌又は手に直接触れるものであるため、肌触り
が良いことが要求される。また、特に清掃用シートは手
で保持して、若しくはいわゆる清掃用モップに取り付け
られる形態で広く使用されている。通常、家庭内等の清
掃において布又は不織布などを用いる場合、乾拭きと水
拭きの二通りの清掃方法が行われている。ところが、こ
の不織布を用いた清掃用物品は乾拭きと水拭き両方に使
用できる形態にはなっていない。
5−245090号には、凹凸形状を有し、且つ油剤を
含浸させた不織布の清掃用物品が開示されている。しか
し、この清掃用物品はゴミを吸着させるための油剤を含
有しているため水拭きに用いることができない。また、
本発明者らは特願平9−68728号において、乾拭き
と水拭きの両方に使用可能な積層構造の拭き取りシート
を提案している。この拭き取りシートは水拭きの際には
良好な拭き取り効果を発揮できるが、乾拭きしたときに
小さく細かいゴミを絡め取る能力が十分ではない。
い起毛させた拭き取りシート及びその製造方法を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、起毛させた拭き取
りシートを用いて、乾拭きおよび水拭きの両方に使用す
ることができ、なお且つ乾拭き時において小さく細かな
ゴミを取る能力が高い清掃用物品を提供することにあ
る。
点は繊維の接着もしくは交絡で形成された不織布の表面
から、前記繊維が部分的に切断され、且つ繊維が部分的
にほぐされて起毛されていることを特徴とする拭き取り
シートによって達成される。繊維を起毛させることによ
って、嵩高く、また肌触りが良い拭き取りシートを得る
ことができる。このシートは不織布の表面近くの層の繊
維が起毛されており、不織布の中心部に位置する繊維は
起毛処理後もその状態は変わらない。すなわち、不織布
の表面近くの層は繊維が起毛され繊維の密度が粗であ
り、不織布の内部は繊維の密度が密である。従って、起
毛処理を施しても不織布の強度はほとんど低下すること
がない。
は、水流を用いて繊維同士を交絡させた、いわゆるスパ
ンレース不織布であることが好ましい。不織布が接着剤
などを使用しないで繊維同士の交絡のみで形成されてい
るため、抵抗を与えたときに繊維が比較的容易にほどか
れて起毛しやすい。また、通常の方法において製造され
た不織布も表面に若干の毛羽立ち(起毛)が見られる
が、本発明における起毛では、起毛長が起毛前のシート
表面から0.4mm以上あることが好ましい。さらに、
拭き取りシートの表面積の1.6×10-5cm2あたり
に起毛長が0.4mm以上の繊維が一本以上起毛してい
ることが好ましい。この起毛密度によって、乾拭き時に
おける小さく細かなゴミを捕捉する効果が高くなり、更
には嵩高感や肌触りが良くなる。
しくは交絡で形成された不織布の表面に、ニードルを利
用して抵抗を与えて、繊維を部分的に切断し、且つ繊維
を部分的にほぐして起毛させて製造することができる。
また、繊維の接着もしくは交絡で形成された不織布の表
面に、バーを利用して抵抗を与えて、繊維を部分的に切
断し、且つ繊維を部分的にほぐして起毛させることによ
って製造することもできる。以上の製造方法において
は、複数枚の不織布が重ねられた後に表面の不織布に起
毛処理を施すこともできる。
毛しているため、清掃において高い拭き取り効果を出す
ことができる。以下にその清掃用部品について説明す
る。本発明の拭き取りシートを清掃用物品として用いる
場合、本発明の拭き取りシートに、エアスルーボンド不
織布、スパンボンド不織布及び/又はポイントボンド不
織布を重ねた多層構造とすることが好ましい。これらの
不織布は、本発明の拭き取りシートに重ねられて、又は
中間シートとして本発明の拭き取りシートに挟まれて、
多層構造を形成する。或いは、複数枚の不織布が重ねら
れた後に起毛処理が施されて多層構造の清掃用物品とな
る。清掃用物品にエアスルーボンド不織布、スパンボン
ド不織布及び/又はポイントボンド不織布を用いること
により、水分を保持する能力及び清掃用物品の剛性を高
めることができる。従って、乾拭き水拭きの両方に使用
することができ、且つ拭き取り効果が高い。更に好まし
くは、本発明の起毛された拭き取りシートが拭き取り面
である表面と裏面とに現れるように積層した清掃用物品
であることが好ましい。この場合、清掃用物品の両面を
清掃に使用することができる。
れるシート若しくは中間シートのいずれか一方又は両方
にレーヨン等の吸水性繊維及び/又は吸汗PET等の親
水性繊維が含まれていることが好ましい。このように構
成することにより、清掃用物品が水を含有することが可
能となる。従って水拭きが可能となる。但し、本発明で
はレーヨンや吸汗PETを含まず、乾拭き専用として使
用されるものであってもよい。
布が熱融着樹脂を含有し、且つ熱処理により各層の不織
布どうしを接合すれば簡便に製造することができる。更
には、清掃用物品として剛性の高いものとすることがで
きる。
説明する。図1(A)は起毛前の不織布の部分断面拡大
図、(B)は本発明の拭き取りシートの部分断面拡大図
である。図1(A)に示すように、スパンレース不織布
等の不織布1は、特に表面に起毛処理を施さなくても繊
維の端が不織布の表面から若干突出している。しかし、
その突出量は極めてわずかである。本発明では、この不
織布1の表面に抵抗を与えて繊維を部分的に切断し、且
つ繊維の交絡を部分的にほどくことによって、繊維の端
を不織布の表面から更に突出させている。これが図1
(B)に示す本発明の起毛させた拭き取りシート2であ
る。図1(B)に示されるように、起毛前の状態から比
べて多くの繊維の端が不織布の表面から突出している。
すなわち、起毛した繊維3が多く存在している。更に、
起毛後は不織布自体の厚みが厚くなって、嵩高くなって
いる。
接着もしくは交絡で形成された不織布は、どのような不
織布であっても良い。例えば、スパンレース不織布、ス
パンボンド不織布、メルトブローン不織布、ニードルパ
ンチ不織布、ステッチボンド不織布、乾式不織布、湿式
不織布等を使用することができる。この中でも、水流を
用いて繊維同士を交絡させた、いわゆるスパンレース不
織布であることが好ましい。不織布が繊維同士の交絡の
みで形成されているため、表面から抵抗を与えたときに
繊維が比較的容易にほどかれて起毛しやすい。また、2
層抄の不織布に対して起毛処理を施すこともできる。
及び繊維の交絡をほぐすことを適度に行って起毛を生じ
させる方法としては、針を用いて繊維をかき出したり、
不織布とバーとを擦り合わせる方法などがある。
本発明の拭き取りシートの製造工程図の一例である。表
面に多数の針を有するローラーを不織布の表面に当てて
回転させると、起毛加工を容易に行うことができ、且つ
起毛量の調節も容易である。図2(A)に示すように、
不織布1は駆動ローラー9aとピンチローラー9bとで
挟持されて矢印6の方向へ周回するように繰り出され
る。矢印6と同じ方向である矢印7方向へ回転するカウ
ンターパイルカーラー(CPR)4と、矢印6と同じ方
向である矢印8方向へ回転するパイルカーラー(PR)
5を不織布表面に当てることにより、不織布1の表面の
繊維が起毛されて拭き取りシート2となる。
パイルカーラー4とパイルカーラー5は表面に多数の針
を有している。この針は鉤状になっており、カウンター
パイルカーラー4の針の先部は矢印7と逆の方向に、パ
イルカーラー5の針の先部は矢印8と同じ方向を向いて
いる。このカーラーが不織布1の表面上を転がると針に
繊維が引っ掛かり、引っかかった繊維が切断され、又は
引っかかった繊維の交絡がほぐされる。従って、拭き取
りシート2には起毛した繊維3が多く現れる。このと
き、不織布の繰り出されて行く速度Vと、カウンターパ
イルカーラー4の回転周速度VCRP、パイルカーラー5
の回転周速度VPRとの差(あるいは駆動ローラー9aと
各カーラー4、5との回転数の差)によって起毛の状態
を調節することができる。不織布が繰り出されて行く速
度Vに対して、二つのカーラー4、5の周速度VCRPと
VPRとを変えることによって、不織布に対するカウンタ
ーの抵抗が大きくなり、その結果、多くの繊維が起毛さ
れることなる。また、カーラーの表面にある針の形状や
数によっても起毛の状態を調節することができる。
起毛させると不織布が効率よく且つ効果的に起毛される
が、カーラーを一つだけ用いても起毛加工は行うことが
できる。または、回転式ではなく固定された針を並べ、
不織布をこの針上に繰り出すことによっても起毛を生じ
させることができる。
工程図の一例である。図3に示すように、不織布1は矢
印6の方向へ繰り出される。そこで、不織布はロール1
0、10に保持された状態でバー11の抵抗を受けなが
ら矢印6方向へ送られる。このバー11は硬質のもので
あり、例えばステンレス製などのバーが使用可能であ
る。このバー11による抵抗によって繊維が切断され又
は繊維の交絡がほぐれる。従って、不織布1は起毛され
て拭き取りシート2となる。図4に起毛前の不織布1と
起毛後の拭き取りシート2の拡大断面図を対比して示
す。図4の起毛前の状態に示すように、起毛前の不織布
1においても表面に若干の毛羽立ち(起毛)が見られる
が、本発明の拭き取りシートでは、起毛長が起毛前の表
面から0.4mm以上あることが好ましい。この長さの
起毛は、通常の方法において製造された不織布の表面に
抵抗を与えない限り得ることができない。起毛長hとは
図4に示すように、起毛前の拭き取りシートの表面から
測定した、起毛後の起毛している部分の繊維の高さ、あ
るいは起毛した繊維長の高さの平均値である。さらに、
拭き取りシートの表面積の1.6×10-5cm2あたり
に、起毛長が0.4mm以上ある繊維が一本以上存在し
ていることが好ましい。この密度の起毛によって、拭き
取りシートの嵩高感や肌触りが良くなる。
理によって不織布1の表面近くの繊維が起毛している
が、不織布1の中心部近くの繊維は起毛前と比べて状態
はあまり変化していない。従って、起毛処理を施しても
不織布1の強度は低下することは少ない。以上のように
して得られる本発明の拭き取りシートは嵩高く、且つ肌
触りが良いため、ティッシュ、ウェットティッシュ、お
化粧落しのシート、赤ちゃんのお尻拭き用シート等の拭
き取りシートとして使用する場合に最適である。
用いた清掃用物品について述べる。本発明の拭き取りシ
ートは表面が起毛しているため、清掃において高い拭き
取り効果を出すことができる。表面に起毛加工を施すこ
とによって、表面繊維がかき取られて拭き取りシートの
表面部分の密度が低くなる。従って、表面部分には繊維
間の空間が三次元的に生まれる。この空間に埃や塵が入
り込むので、乾拭き時の拭き取り効果が高くなる。
ることが好ましい。0.4mm以上であれば、高い拭き
取り効果を得ることができる。またこのとき、清掃用物
品の表面積1.6×10-5cm2あたりに繊維が一本以
上起毛していることが好ましい。以上の構成によって、
乾拭き時に小さく細かいゴミを捕捉する効果が高くな
る。したがって、床やトイレ周り等の拭き取り清掃用と
して最適なものとなる。清掃用物品においては、本発明
の拭き取りシートにエアスルーボンド不織布、スパンボ
ンド不織布及び/又はポイントボンド不織布を重ねた多
層構造とすることが好ましい。これらの不織布は、本発
明の拭き取りシートに重ねられて、又は中間シートとし
て本発明の拭き取りシートに挟まれて、多層構造を形成
する。熱風で繊維間を融着させたエアスルーボンド不織
布、部分的に熱融着されたスパンボンド不織布及び/又
はポイントボンド不織布を用いることにより、清掃用物
品の剛性を高めることができる。また、清掃用物品に厚
みを持たせ、手で保持しやすいものとなる。
例の断面図である。図5に示すように、本発明のスパン
レース不織布を起毛させた拭き取りシート2が、中間シ
ートとなる不織布12、例えばエアスルーボンド不織
布、スパンボンド不織布又はポイントボンド不織布を挟
む形で重ねられて3層構造となっている。清掃用物品
は、図5に示すように、本発明の起毛した拭き取りシー
ト2が拭き取り面である表面と裏面とに現れていること
が好ましい。この場合、清掃用物品の両面を清掃に使用
することができる。
品の表面に位置するスパンレース不織布は疎水性繊維を
含むことが好ましい。疎水性繊維を含むことにより、乾
拭き時及び水拭き時の両方において床などの被清掃面に
対して滑りやすくなる。また、起毛した拭き取りシート
に吸水性繊維と親水性繊維の少なくとも一方を含むこと
が好ましい。吸水性繊維や親水性繊維を含むことによ
り、水拭き時に表面の拭き取りシート2が適度な保水力
を有するものとなる。ただし、中間シートとなる不織布
からの水の戻りを抑制するために、前記疎水性繊維を拭
き取りシート2に少なくとも5重量%以上含ませること
が好ましい。また、起毛する拭き取りシート2を二層構
造とし、起毛させたシートが現れている表面側に向く表
層側に疎水性繊維を多く含ませ、不織布側に向く裏層に
吸水性繊維又は親水性繊維を多く含ませることにより、
滑りやすさと保水性に優れ、且つ水の戻り抑制ができる
ものとなる。
ートの不織布12に、疎水性合成繊維を含有させること
により、清掃用物品の剛性を高くできる。また、吸水性
繊維と親水性繊維の少なくとも一方を含有させることに
より、水で濡らして拭き取りを行う際に、中央に位置す
る不織布12に保水機能を持たせることができる。
シートなる不織布12に含まれる疎水性繊維としては、
ポリプロピレン(PP)や、ポリエチレン(PE)、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、アク
リルなどの繊維をあげることができる。また、熱可塑性
の疎水性合成繊維、例えば低融点PET等を含ませるこ
とにより、拭き取りシート2と不織布12が熱融着によ
り接合することができる。
(PP)、吸汗ポリエチレン(PE)や吸汗ポリエステ
ル(PET)を使用することができる。吸汗PPや吸汗
PE、吸汗PETとは、PPや、PE、PET繊維に親
水性の界面活性剤がコーティングされたもの、あるいは
練り込まれたものである。
やセルロース繊維などが使用される。この他、保水性、
吸水性を有する繊維であればこれに限定されない。以上
のように、疎水性合成繊維、吸水性繊維及び/又は親水
性繊維を清掃用物品に含有させると、吸水性繊維や親水
性繊維によって水分を保持でき、且つ疎水性繊維によっ
て水の戻りを防止できるため、シート表面に水分が急激
に流れ出ることを防止できる。すなわち、常に濡れた状
態で広い面積を拭き取ることが可能となる。また、この
ときの中央に位置する不織布12の目付は、約25g/
m2以上で55g/m2以下程度であることが好ましい。
この程度の目付であると、清掃用物品の柔軟性も適度で
あり、また剛性もよく、繰り返しの使用に耐えることが
できる。
面図である。図6に示すように、起毛した拭き取りシー
ト2と中間シートとなる不織布12とからなる多層構造
の清掃用物品Sは、各層の不織布が熱融着樹脂を含有し
ており、且つ熱処理により各層が接合線13において接
合されていることが製造上簡便であり好ましい。各層が
重ねられたものが、表面に波状又はヘリンボーン状のエ
ンボスが形成された加熱エンボスロールと、表面が平坦
な加熱ロールまたは表面に波状又はヘリンボーン状のエ
ンボスが形成された加熱エンボスロールとの間に挟まれ
る。そして前記エンボスにより各層が加圧され且つ加熱
される。これにより、拭き取りシート2と中間に挟まれ
た不織布12の熱可塑性の繊維が熱溶融し、各層が熱溶
融接合されて接合線13が形成される。
ラーを用いた加熱方法の他、高周波によって繊維を溶融
させて接合することを含む。接合線は波形や鋸歯形な
ど、どのような形態であってもかまわない。但し、図6
に示すように接合線13を波状等に形成すると、接合線
13を設けたことによる凹凸がシート表面に形成され、
清掃時における拭き取り効果が高くなる。なお、各層を
接合する手段は、前記のような熱溶融接合に限られな
い。例えば、各層の対向面にホットメルト接着剤などの
接着剤を塗布し、前記エンボスロールにより接着剤の塗
布部分を加圧して接着してもよい。
始めに各層の接合を行った後に起毛処理を施すこともで
きる。具体的には、スパンレース不織布と、エアスルー
ボンド不織布とを接合して多層構造を形成した後に、拭
き取り面となるスパンレース不織布の表面に起毛処理を
施すこによって、乾拭きと水拭の両方に使用できる清掃
用物品を得ることができる。
含ませた状態の双方にて剛性が高い。よって、広げた状
態で清掃するときにヨレや皺が生じにくい。また、水で
洗って絞ったときに広がった状態に復元しやすいので、
洗った後に手で広げる作業が容易である。この清掃用物
品は、手で掴んで使用されたり、または図7に示すよう
な市販の清掃器具(清掃用モップM)に取り付けて使用
される。清掃用モップMに取り付けられることを考え、
清掃用物品Sの両側部分のホルダーに挟持される領域を
柔軟に加工して両側部分の剛性を中央部の剛性よりも高
くすることが好ましい。柔軟加工はエンボスなどによっ
て施すことができる。こうすることによって、清掃用物
品全体として高い剛性を有し、しかも清掃用モップMの
ホルダーに取付けやすいものとなる。清掃用物品には、
その拭き取り効果を高めるため、ニードルや水流等を用
いて表面に多数の開孔部を設けても良い。
態、あるいは薬液や水などを含浸させたウエットな状態
で、家庭内で床の拭き掃除などに使用される。このと
き、乾拭きにおいては起毛した繊維で細かいごみを絡め
とることができる。また、清掃用物品に薬液または水を
含浸させた場合、各層で液体を保水できるため、長時間
濡れた状態を保持でき、拭き取り面積を大きくできる。
また丈夫なため、汚れが付着した後に、布ぞうきんのよ
うに水洗いして絞って再度使用することもできる。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。本発明の多層構造の清掃用物品を得るため、拭き
取りシート2の元となる不織布1を以下の配合において
スパンレース法で製造した。 レーヨン(1.5デニール、繊維長38mm)を50重
量% 吸汗PET(1.5デニール、繊維長44mm)を35
重量% 低融点PET(2.0デニール、繊維長51mm)を1
5重量% また、拭き取りシートに挟まれる中間シートとなる不織
布12を以下の配合においてスルーエアボンド法で製造
した。 レーヨン(2.0デニール、繊維長51mm)を45重
量% 低融点PET(2.0デニール、繊維長51mm)を4
0重量% 中空PET(2.0デニール、繊維長51mm)を15
重量% 以上得られたスパンレース不織布でエアスルーボンド不
織布の表裏両面から挟んで、以下の条件で接合した。
て本発明の清掃用物品を得た。この時用いた起毛機械
(金井重量工業(株)製)は、ニードルによって起毛さ
せる機能をもつもので、その概要は図2(A)(B)に
示したとおりである。
ターパイルカーラー4、キャプスタンローラー(駆動ロ
ール)の回転数(rpm)である。駆動ロールによって
シートが繰り出され、パイルカーラーとカウンターパイ
ルカーラーによって起毛処理が施される。この実施例で
は、二つのパイルカーラーと二つのカウンターパイルカ
ーラーとでそれぞれ一回ずつの処理を行う図2(A)の
工程において、不織布を5回、20回、30回周回させ
て起毛を施し、清掃用物品を得た。それぞれの起毛長は
実施例1(起毛処理5周回)が0.4mm、実施例2
(起毛処理20周回)が0.6mm、実施例3(起毛処
理30周回)が1.2mmであった。
について、乾拭き水拭きにおける拭き取り試験を行っ
た。 [拭き取り試験−乾拭き−]あらかじめ計りとっておい
たパン粉0.5gを100×50cmの評価用枠内にで
きるだけ均一に散布する。市販の掃除用モップに実施例
の清掃用物品を取付たものを用いて、評価用床の枠内
を、どの表面に対しても一回拭いたこととなるようにし
てパン粉を捕集した。付いたパン粉を落とさないように
して清掃用モップから清掃用物品を取り外し、その重量
を測定した。以下の式により、拭き取り量を得た。 拭き取り量=拭き取り後の清掃用物品の重量−拭き取り
前の清掃用物品の重量 また、比較例1として油剤を含浸させてある市販の清掃
用モップ用お掃除シート(PETを使用した不織布。油
剤として鉱物油を5重量%塗布してある)を、比較例2
として実施例と同じ構成の不織布(起毛処理なし)を用
いて、実施例と同様にして拭き取り試験を行った。
250重量%の水分を含浸させたものについて乾拭きの
拭き取り試験と同様にして、水拭きの拭き取り試験を行
った。なお、比較例1は油剤を含有しているため、水拭
きすることができなかった。結果を図9に示す。図8及
び図9の結果からわかるように、本発明の清掃用物品
は、乾拭き、水拭きともに高い拭き取り効果を得ること
ができる。また、起毛長が0.6mm以上あると乾拭
き、水拭きともに高い効果を得ることができることもわ
かる。
ートは起毛しているため、嵩高く、且つ肌触りが良い。
従って、ティッシュ、ウェットティッシュ、化粧落しテ
ィッシュ、赤ちゃんのお尻拭きシートや清掃用シートに
適したものとすることができる。
品とした場合、乾拭きの場合高い拭き取り効果を得るこ
とができる。また、水分を保持する能力が高い不織布を
本発明の拭き取りシートに重ねれば、乾拭きおよび水拭
きの両方に使用できる清掃用物品を得ることができる。
(B)は本発明の起毛後の拭き取りシートの部分断面拡
大図、
工程図の一例、
例、
比較した拡大断面図、
図、
Claims (13)
- 【請求項1】 繊維の接着もしくは交絡で形成された不
織布の表面から、前記繊維が部分的に切断され、且つ繊
維が部分的にほぐされて起毛されていることを特徴とす
る拭き取りシート。 - 【請求項2】 不織布の表面近くの層は、繊維が起毛さ
れ繊維の密度が粗であり、不織布の内部は繊維の密度が
密である請求項1記載の拭き取りシート。 - 【請求項3】 不織布がスパンレース不織布である請求
項1又は2記載の拭き取りシート。 - 【請求項4】 起毛長が、起毛前のシート表面から0.
4mm以上である請求項1、2又は3記載の拭き取りシ
ート。 - 【請求項5】 拭き取りシートの表面積の1.6×10
-5cm2あたりに少なくとも一本の繊維が起毛している
請求項1、2、3又は4記載の拭き取りシート。 - 【請求項6】 吸水性繊維及び/又は親水性繊維が含ま
れている請求項1、2、3、4又は5記載の拭き取りシ
ート。 - 【請求項7】 繊維の接着もしくは交絡で形成された不
織布の表面に、ニードルを利用して抵抗を与えて、繊維
を部分的に切断し、且つ繊維を部分的にほぐすことによ
って起毛させることを特徴とする拭き取りシートの製造
方法。 - 【請求項8】 繊維の接着もしくは交絡で形成された不
織布の表面に、バーを利用して抵抗を与えて、繊維を部
分的に切断し、且つ繊維を部分的にほぐすことによって
起毛させることを特徴とする拭き取りシートの製造方
法。 - 【請求項9】 複数枚の不織布が重ねられた後に表面の
不織布に起毛処理を施す請求項7又は8記載の拭き取り
シートの製造方法。 - 【請求項10】 請求項3、4、5又は6記載の拭き取
りシートにエアスルーボンド不織布、スパンボンド不織
布及び/又はポイントボンド不織布が重ねられた多層構
造となっている清掃用物品。 - 【請求項11】 起毛された拭き取りシートが拭き取り
面である表面と裏面とに現れている請求項10記載の清
掃用物品。 - 【請求項12】 エアスルーボンド不織布、スパンボン
ド不織布、ポイントボンド不織布に、吸水性繊維及び/
又は親水性繊維が含まれる請求項10又は11記載の清
掃用物品。 - 【請求項13】 各不織布が熱融着樹脂を含有し、且つ
熱融着によって各不織布が接合されている請求項10、
11又は12記載の清掃用物品。
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