JP2018047072A - 皮脂・湯垢除去具及びその製造方法 - Google Patents

皮脂・湯垢除去具及びその製造方法 Download PDF

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【課題】入浴中若しくは入浴後の浴槽の湯面又は湯中に浮遊する皮脂を効率よく吸着し、湯垢が浴槽の壁面に付着している場合にも容易に掻き取り、回収、除去することができる皮脂・湯垢除去具及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の皮脂・湯垢除去具1は、一面側から他面側への断面方向に通気性を有するシート状の樹脂部材10を含み、樹脂部材10は、親油性部11と、該親油性部11の少なくとも一面側に配された親水性表層部14とを備え、親水性表層部14は毛羽立ち部15を備える。樹脂部材10は、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリウレタンから選ばれた少なくとも一種を含有することが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、入浴中若しくは入浴後の浴槽の湯面又は湯中に浮遊する皮脂を吸着し、湯垢が浴槽の壁面に付着している場合にも容易に掻き取り、回収、除去することができる皮脂・湯垢除去具及びその製造方法に関する。
従来、一般家庭において、複数の人が入浴すると、浴槽の湯の量が少なくなったり、湯の温度が低下したりするので、水を足して追い炊きしたり、給湯器から湯を補充したりすることはあっても、全ての湯を入れ換えすることは少ない。従って、その後の浴槽の湯面又は湯中には、先に入浴した人の疎水性(親油性)の皮脂、湯垢、毛髪等が浮遊していることもしばしばである。このような場合、入浴の度にこれらを掬い取って、入浴を快適なものとしている。
一方で、浴槽の湯面に浮遊する湯垢を吸着させる技術や、浴槽の壁面の喫水線付近で湯垢の付着を抑制する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、浴槽に浮かべて用いられ、親油性繊維を素材として略長円形又は略方形のシート状に形成された湯垢吸着体を有することを特徴とする浴槽用湯垢吸着シートが開示されている。また、特許文献2には、入浴時に浴槽に浮かべて人体から発生する皮脂を吸着し、また皮脂及び湯垢が浴槽壁面に付着することを防止する吸着具であって、外形が帯状で、その両端には互いを適切な位置で連結するための連結手段を持ち、これを用いて両端を連結し輪状にして浴槽内壁に沿って浮かせることが出来、またその輪の内側の少なくとも水に接する部分が親油性と疎水性を併せ持つ有機ポリマーで構成されたことを特徴とする浴槽用の皮脂及び湯垢吸着具が開示されている。更に、特許文献3には、スクリュー用モーターのシャフト部分からの水浸入を防止する為、スクリューと一体となった水放出ファンを設け、水のシャフト部分からの浸入を防止する装置が開示されている。
特開2002−355185号公報 特開2009−153633号公報 特開2010−75653号公報
本発明の課題は、入浴中若しくは入浴後の浴槽の湯面又は湯中に浮遊する皮脂を効率よく吸着し、湯垢が浴槽の壁面に付着している場合にも容易に掻き取り、回収、除去することができる皮脂・湯垢除去具及びその製造方法を提供することである。
本発明は、以下に示される。
1.一面側から他面側への断面方向に通気性を有するシート状の樹脂部材を含む皮脂・湯垢除去具であって、
上記樹脂部材は親油性部と、該親油性部の少なくとも一面側に配された親水性表層部とを備え、
上記親水性表層部は毛羽立ち部を備えることを特徴とする皮脂・湯垢除去具。
2.上記樹脂部材が、樹脂繊維を含む不織布又は樹脂発泡体に由来する構造を有する上記項1に記載の皮脂・湯垢除去具。
3.上記樹脂部材が、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリウレタンから選ばれた少なくとも一種を含有する上記項1又は2に記載の皮脂・湯垢除去具。
4.親油性樹脂を含むシートの表面に、プラズマ照射による親水化処理、及び、スクラッチ処理を、順次、行うことを特徴とする皮脂・湯垢除去具の製造方法。
5.上記シートが、上記親油性樹脂を含む繊維からなる不織布、又は、上記親油性樹脂を含む樹脂発泡体シートである上記項4に記載の皮脂・湯垢除去具の製造方法。
本発明の皮脂・湯垢除去具によれば、入浴中若しくは入浴後の浴槽に入れておくことで、湯面又は湯中に浮遊する皮脂、湯垢、人毛等を効率よく吸着させることができ、また、毛羽立ち部を利用して、浴槽の内壁(特に、喫水線付近)又は底壁に付着した湯垢等の掻き取り、回収、除去が容易となる。従って、後から入浴する人が浄化された湯を利用して快適に入浴することができるだけでなく、残り湯を洗濯水として好適に利用することができる。本発明の皮脂・湯垢除去具を使用した後、汚れ等が付着した皮脂・湯垢除去具の洗浄は容易であり、また、洗浄後も形状保持性を有し耐久性に優れるため、繰り返し使用にも好適である。
本発明の皮脂・湯垢除去具の製造方法によれば、上記効果を与える皮脂・湯垢除去具を効率よく製造することができる。
本発明の皮脂・湯垢除去具を構成する樹脂部材の断面構造の一例を示す概略図である。 本発明の皮脂・湯垢除去具を構成する樹脂部材の断面構造の他例を示す概略図である。 本発明の皮脂・湯垢除去具を構成する樹脂部材の断面構造の他例を示す概略図である。 本発明の皮脂・湯垢除去具の使用形態の一例を示す概略断面図である。
本発明の皮脂・湯垢除去具は、一面側から他面側への断面方向に通気性(通液性)を有するシート状の樹脂部材を含み、樹脂部材は、親油性部と、該親油性部の少なくとも一面側に配された親水性表層部とを備え、親水性表層部は、毛羽立ち部を備えることを特徴とする。
図1は、親油性部11と、毛羽立ち部15を含む親水性表層部14とを備え、上面側を親水性とした樹脂部材10を備える、本発明の皮脂・湯垢除去具1の断面構造の一例である。図1の皮脂・湯垢除去具1では、下面側を、親油性部11がそのまま露出する形態としているため、下面側は親油性となっている。図1の皮脂・湯垢除去具1によれば、一面側から他面側への断面方向に通気性(通液性)を有するため、その両面から、親油性部11において皮脂を吸着することができ、上面側の毛羽立ち部15を利用し、浴槽の壁面に付着した湯垢等を掻き取って、回収、除去することができる。
また、図2は、毛羽立ち部15を含む親水性表層部14を、親油性部11の両面に備える、他態様の皮脂・湯垢除去具1の断面構造の例である。一面側の親油性部11及び他面側の親油性部11は、互いに、同一又は異なる構成とすることができるが、この皮脂・湯垢除去具1によれば、その両面側の親油性部11において皮脂を吸着することができ、いずれか一方又は両面の毛羽立ち部15を利用し、湯垢等を除去することができる。
上記親水性表層部14の構成材料は、後述される。毛羽立ち部15を含む親水性表層部14の厚さは、浴槽の壁面に付着した湯垢等の掻き取り性の観点から、好ましくは200〜1000μm、より好ましくは400〜600μmである。尚、上記毛羽立ち部15の形状及び大きさは、特に限定されない。この毛羽立ち部15の形状は、好ましくは、繊維状であり、その長さ方向の形状は、直線状、曲線状、螺旋状等とすることができる。また、各毛羽立ち部15は、通常、樹脂部材10に対して、垂直方向又は斜め方向に、多方向に伸びている。尚、上記毛羽立ち部15は、親水性表層部14に含まれるため、通常、毛羽立ち部15のみの厚さ(長さ)は、明確ではない。
本発明の皮脂・湯垢除去具を構成する樹脂部材10の断面形状は、特に限定されず、図1及び図2に示す平板状、図3に示す曲板状又はジグザグ状等とすることができる。また、上記樹脂部材10は、図示していないが、一面側から他面側に開口する孔部を備えてもよい。上記孔部の平面形状は、点(多角形、円、楕円、星等)、線(直線、曲線)等とすることができる。尚、上記孔部の大きさ(平面の面積)は、特に限定されない。
上記樹脂部材10の構成材料は、特に限定されない。上記樹脂部材10は、好ましくは、樹脂繊維を含む不織布若しくは織布又は樹脂発泡体に由来するものであり、より好ましくは、一面側から他面側への断面方向の確実な通気性(通液性)の観点から、樹脂繊維を含む不織布又は連続気泡型の樹脂発泡体に由来するものであり、特に好ましくは、繊維どうしの間の空隙の形状及びサイズが不均一であり、湯面又は湯中に浮遊する多様なサイズの皮脂を吸着させやすいことから、樹脂繊維を含む不織布に由来するものである。
上記樹脂部材10が、不織布に由来するものである場合、その表面が親油性を有する樹脂繊維(以下、「親油性樹脂繊維」という)を主とする親油性部11と、いずれも、その表面が親水性を有する樹脂繊維(以下、「親水性樹脂繊維」という)からなる親水性表層部14及び毛羽立ち部15とを備えることが好ましい。また、上記親油性部11の構造は、単層型及び積層型のいずれでもよい。
上記親油性部11に含まれる親油性樹脂繊維は、その表面が親油性を有する限りにおいて、基材繊維そのものであってよいし、表面の親油性の有無を問わない基材繊維が親油化処理されて、表面に親油性被膜を有する繊維であってもよい。
それ自体で親油性を有する基材繊維を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂及び硬化樹脂のいずれでもよいが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
親油性の基材繊維を与える熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を含む)、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート等のポリエステル樹脂;(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の1種又は2種以上からなるアクリル樹脂;エチレンに由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位とからなるアクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体等の芳香族ビニル系樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリウレタン等が挙げられる。
また、それ自体で親水性を有する基材繊維を与える樹脂であって、親油性樹脂繊維の形成のために、表面の親油化処理が必要な樹脂としては、ビニルアルコール系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂、(メタ)アクリルアミドに由来する構造単位を含むアクリル樹脂、レーヨン、セルロース等が挙げられる。
本発明において、上記親油性樹脂繊維としては、皮脂の吸着性及び皮脂・湯垢除去具1の取り扱いやすさの観点から、オレフィン樹脂及びポリウレタンを含有する繊維が好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリウレタンがより好ましく、皮脂・湯垢除去具1の耐久性の観点から、ポリプロピレンを含有する繊維が特に好ましい。
上記のように、上記親油性樹脂繊維は、基材繊維の表面が親油化処理された、親油性被膜を有する繊維であってもよい。親油化処理によって形成された親油性被膜は、シリコーン(以下、「シリコーンオイル」という)、アルキルシリル化剤、金属石鹸等によるものとすることができる。
上記シリコーンオイルは、非変性シリコーンオイル及び変性シリコーンオイルのいずれでもよく、これらの組み合わせであってもよい。
上記非変性シリコーンオイルは、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーであって、ポリシロキサンの側鎖及び末端をアルキル基(ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基等)、アルケニル基(オレイル基、リノール基、リノレイル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等)等の炭化水素基としたシリコーンオイルである。この非変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖及び末端がすべてメチル基であるジメチルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部が水素原子であるメチルハイドロジェンシリコーンオイル等が挙げられる。
また、上記変性シリコーンオイルとしては、上記非変性シリコーンオイルに対して、アルコキシ変性、シラザン変性、フェノール変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性等としたものが挙げられる。
上記アルキルシリル化剤としては、アルキルシラン、アルキルクロロシラン、ジアルキルジクロロシラン等が挙げられる。
また、上記金属石鹸としては、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の、炭素原子数が10〜24の脂肪酸のアルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等が挙げられる。
上記親油性部11に含まれる親油性樹脂繊維は、一種のみであってよいし、二種以上であってもよい。二種以上の場合、混合状態であってよいし、厚さ方向に異なる種類の繊維が配置された形態であってもよい。
上記親油性部11は、親油性樹脂繊維のみからなるものであってよいし、親油性樹脂繊維と、それ以外の、親水性樹脂繊維等の、他の繊維とからなるものであってもよい。
上記親水性樹脂繊維は、その表面が親水性を有する限りにおいて、上記ビニルアルコール系樹脂等を含む基材繊維そのものであってよいし、表面の親水性の有無を問わない基材繊維が表面処理により親水化され、表面にヒドロキシル基、カルボニル基、−COO基、スルホ基、−SO 基、アミノ基、オキシエチレン基等の官能基が形成された繊維であってもよい。尚、この親水性樹脂繊維は、親水性表層部14及び毛羽立ち部15を構成することができる。
上記の親油性樹脂繊維及び他の繊維は、樹脂の性能を高めるために併用される添加剤である、従来、公知の、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、消臭剤、防黴剤、抗菌剤、金属不活性剤、着色剤等を含んでもよい。
上記親油性部11が、親油性樹脂繊維及び他の繊維からなる場合、親油性樹脂繊維及び他の繊維が均一に含まれる構成であってよいし、他の繊維の含有割合を、親油性部11の一面側から他面側への断面方向に、増加又は減少させる等、他の繊維の分布が変化したものとすることができる。
上記親油性部11に含まれる親油性樹脂繊維(及び他の繊維)の断面の概形形状並びに構造、繊維径、繊維長等は、特に限定されない。断面の概形形状は、円、楕円、多角形又はこれらの変形形状(外表面に凹凸を有する等)とすることができる。断面構造は、中実体及び環状のいずれでもよく、環状の場合、長さ方向に部分的に中空となっている繊維、両端が閉じた中空繊維等であってもよい。また、中実体の場合、一部と他部とで互いに異なる材料としたサイドバイサイド型であってもよい。親油性樹脂繊維及び他の繊維の繊維径は、特に限定されない。
尚、上記親油性部11は、樹脂部材10の構造安定性等の観点から、交絡されていることが好ましい。
上記親油性部11及び親水性表層部14の全体の目付量(樹脂部材10の目付量)は、特に限定されない。
上記目付量は、樹脂部材10の一面側から他面側への断面方向に対して、同一分布であってよいし、傾斜分布であってもよい。
上記樹脂部材10が、不織布に由来するものである場合、上記親油性部11及び親水性表層部14を含む樹脂部材10の厚さは、湯垢除去具の扱いやすさ、湯面又は湯中に浮遊する皮脂、湯垢等の吸着性等の観点から、好ましくは0.8〜4mm、より好ましくは1〜3mmである。
不織布に由来する樹脂部材10は、例えば、親油性樹脂繊維からなる単層型又は積層型の不織布の少なくとも一面側の親油性樹脂繊維の表面を親水化処理した後、親水化面において毛羽立たせることにより得られたもの、親油性樹脂繊維からなる第1不織布と、親水性樹脂繊維からなる第2不織布とを積層した後、得られた積層体の第2不織布側表面において毛羽立たせることにより得られたもの等とすることができる。
次に、上記樹脂部材10が、連続気泡型の樹脂発泡体に由来するものである場合、その表面が親油性を有するセル壁を備える樹脂発泡層(以下、「親油性樹脂発泡層」という)からなる親油性部11と、親水性を有するセル壁を備える樹脂発泡層(以下、「親水性樹脂発泡層」という)からなる親水性表層部14とを、順次、備え、毛羽立ち部15が親水性樹脂からなることが好ましい。また、上記親油性樹脂発泡層の構造は、単層型及び積層型のいずれでもよい。
上記親油性部11を構成する親油性樹脂発泡層のセル壁に含まれる樹脂は、特に限定されない。上記セル壁は、それ自体が親油性を有する、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を含む)、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂等の芳香族ビニル系樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリウレタン等の樹脂を含むことが好ましい。
上記樹脂としては、連続気泡型を構成しやすく、皮脂の吸着性に優れ、皮脂・湯垢除去具1の取り扱いが容易であることから、オレフィン樹脂及びポリウレタンが好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリウレタンがより好ましく、皮脂・湯垢除去具1の耐久性の観点から、ポリプロピレン及びポリエチレンが特に好ましい。
上記親油性樹脂発泡層のセル壁に含まれる樹脂は、一種のみであってよいし、二種以上であってもよい。二種以上の場合、混合状態であってよいし、上記親油性樹脂発泡層の一面側から他面側への断面方向に異なる種類の樹脂が含まれた形態であってもよい。
一方、上記親水性表層部14を構成する親水性樹脂発泡層のセル壁に含まれる樹脂は、特に限定されない。上記セル壁は、それ自体が親水性を有する、ヒドロキシル基、カルボニル基、−COO基、スルホ基、−SO 基、アミノ基、オキシエチレン基等の官能基を有するオレフィン樹脂からなるものであってよいし、例えば、非変性のオレフィン樹脂等、親油性樹脂を含む発泡層のセル壁の表面に、高分子型帯電防止剤である、従来、公知の、ポリエーテル、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、アイオノマー等を含む被膜が形成されたものであってもよい。本発明においては、ヒドロキシル基、カルボニル基、−COO基、スルホ基、−SO 基、アミノ基、オキシエチレン基等の官能基を有するオレフィン樹脂が好ましい。
上記樹脂部材10が、連続気泡型の樹脂発泡体に由来するものである場合、上記親油性部11及び親水性表層部14を含む樹脂部材10の厚さは、湯垢除去具の扱いやすさ、湯面又は湯中に浮遊する皮脂、湯垢等の吸着性等の観点から、好ましくは1〜4mm、より好ましくは1.2〜3mmである。
樹脂発泡体に由来する樹脂部材10は、例えば、セル壁を含む全体が親油性樹脂からなる樹脂発泡体シートの少なくとも一面側の表面を親水化処理した後、親水化面において毛羽立たせることにより得られたもの等とすることができる。
本発明に係る樹脂部材10は、連続気泡型の樹脂発泡体に由来する親油性部11と、不織布に由来する毛羽立ち部15を含む親水性表層部14とを、順次、備える積層構造を有するものであってもよい。
本発明の皮脂・湯垢除去具1は、樹脂部材10のみからなるものであってよいし、いずれも図示していないが、皮脂・湯垢除去具1に浮水性を付与させたり、樹脂部材10が浮水性を有する場合に、その浮水性を更に安定化させたりするために、例えば、図1における樹脂部材10の下面側に、浴槽の湯と親油性部11とを、親油性部11の下面側で接触させる孔部を有する膜部を備える複合物であってよいし、図1又は図2における樹脂部材10の外周縁を保護等するために、その外周縁に外枠部を備える複合物等であってもよい。また、上記のように、樹脂部材10は、その一面側から他面側に開口する孔部を備えることができるが、樹脂部材10における孔部の内周縁を保護等するための内枠部を備える皮脂・湯垢除去具1とすることができる。
本発明の皮脂・湯垢除去具は、親油性樹脂を含むシート(以下、「原料シート」という)の表面に、プラズマ照射による親水化処理(以下、「第1工程」という)、及び、スクラッチ処理(以下、「第2工程」という)を、順次、行うことにより、製造することができる。以下、これを、「本発明の製造方法」という。
上記原料シートは、好ましくは、親油性樹脂を含む繊維(親油性樹脂繊維)からなる不織布(以下、「原料シート(S1)」という)、又は、親油性樹脂を含む樹脂発泡体シート(以下、「原料シート(S2)」という)である。
上記原料シート(S1)を構成する親油性樹脂繊維は、その表面が親油性を有する限りにおいて、基材繊維そのものであってよいし、表面の親油性の有無を問わない基材繊維が親油化処理されて、表面に親油性被膜を有する繊維であってもよい。本発明の製造方法において、この親油性樹脂繊維は、得られる皮脂・湯垢除去具による皮脂の吸着性の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン樹脂及びポリウレタンを含有する繊維が好ましく、耐久性の観点から、ポリプロピレンを含有する繊維が特に好ましい。
上記原料シート(S1)は、皮脂・湯垢除去具の構造安定性、耐久性等の観点から、ニードルパンチ法、スパンレース法、サーマルボンド法等により交絡された不織布であることが好ましい。
上記原料シート(S1)は、以下の方法で作製されたものとすることができる。
(A)親油性を有する樹脂(r1)からなる親油性樹脂繊維(f1)、及び、親油性の有無を問わない樹脂(r2)からなる繊維の表面を(更に)親油化処理させてなる親油性樹脂繊維(f2)から選ばれた少なくとも一種の親油性樹脂繊維と、樹脂(r1)及び(r2)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r3)からなる熱融着性繊維(f3)とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、熱融着性繊維(f3)のみを溶融させつつ加圧することにより得られた、親油性樹脂繊維(f1)どうし又は親油性樹脂繊維(f2)どうしが接合された親油性不織布。
(B)サイドバイサイド型繊維であって、親油性を有する樹脂(r4)からなり、親油性表面を有する樹脂繊維部と、樹脂(r4)、下記樹脂(r6)及び(r7)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r5)を含む樹脂部とを備える複合繊維(f4)と、必要に応じて、親油性を有する樹脂(r6)からなる親油性樹脂繊維(f5)、及び、親油性の有無を問わない樹脂(r7)からなる繊維の表面を(更に)親油化処理させてなる親油性樹脂繊維(f6)から選ばれた少なくとも一種の親油性樹脂繊維とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、樹脂(r5)を含む樹脂部のみを溶融させつつ加圧することにより得られた、樹脂(r4)からなる樹脂繊維部に由来する親油性樹脂繊維どうしが接合された親油性不織布(親油性樹脂繊維(f5)又は(f6)を用いた場合は、これらの繊維と、樹脂(r4)からなる樹脂繊維部に由来する親油性樹脂繊維とが接合された不織布)。
(C)芯鞘型繊維であって、芯部が、親油性を有する樹脂(r8)からなり、鞘部が、樹脂(r8)、下記樹脂(r10)及び(r11)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r9)からなる複合繊維(f7)と、必要に応じて、親油性を有する樹脂(r10)からなる親油性樹脂繊維(f8)、及び、親油性の有無を問わない樹脂(r11)からなる繊維の表面を(更に)親油化処理させてなる親油性樹脂繊維(f9)から選ばれた少なくとも一種の親油性樹脂繊維とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、樹脂(r8)を含む樹脂部のみを溶融させつつ加圧することにより得られた、樹脂(r7)からなる芯部に由来する親油性樹脂繊維どうしが接合された親油性不織布(親油性樹脂繊維(f8)又は(f9)を用いた場合は、樹脂(r7)からなる芯部に由来する親油性樹脂繊維及び親油性樹脂繊維(f8)又は(f9)の混合繊維が接合された不織布)。
(D)親油性の有無を問わない樹脂(r12)からなる繊維(f10)と、樹脂(r12)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r13)からなる熱融着性繊維(f11)とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、熱融着性繊維(f11)のみを溶融させつつ加圧し、樹脂(f10)からなる繊維どうしを接合し、次いで、パディング又はスプレーを利用した、親油化剤による表面処理に供することにより得られた、繊維(f10)の表面に親油性被膜が形成された親油性不織布。
(E)サイドバイサイド型繊維であって、親油性の有無を問わない樹脂(r14)からなる樹脂繊維部と、樹脂(r14)及び下記樹脂(r16)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r15)を含む樹脂部とを備える複合繊維(f12)と、必要に応じて、親油性の有無を問わない樹脂(r16)からなる繊維(f13)とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、樹脂(r15)を含む樹脂部のみを溶融させつつ加圧することにより、樹脂(r14)からなる樹脂繊維部に由来する繊維どうしを接合し(繊維(f13)を用いた場合は、樹脂(r14)からなる樹脂繊維部に由来する繊維及び繊維(f13)の混合繊維が接合される)、次いで、パディング又はスプレーを利用した、親油化剤による表面処理に供することにより得られた、繊維の表面に親油性被膜が形成された親油性不織布。
(F)芯鞘型繊維であって、芯部が、親油性の有無を問わない樹脂(r17)からなり、鞘部が、樹脂(r17)及び下記樹脂(r19)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r18)からなる複合繊維(f14)と、必要に応じて、親油性の有無を問わない樹脂(r19)からなる繊維(f15)とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、樹脂(r18)を含む樹脂部のみを溶融させつつ加圧することにより、樹脂(r17)からなる芯部に由来する繊維どうしを接合し(繊維(f15)を用いた場合は、樹脂(r17)からなる芯部に由来する繊維及び繊維(f15)の混合繊維が接合される)、次いで、パディング又はスプレーを利用した、親油化剤による表面処理に供することにより得られた、繊維の表面に親油性被膜が形成された親油性不織布。
上記原料シート(S1)の厚さの上限は、好ましくは4mmである。
上記原料シート(S2)は、好ましくは、連続気泡型の樹脂発泡体シート(スポンジ)である。
上記原料シート(S2)を構成する親油性樹脂は、得られる皮脂・湯垢除去具による皮脂の吸着性の観点から、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン樹脂及びポリウレタンであり、耐久性の観点から、オレフィン樹脂が特に好ましい。
上記原料シート(S2)は、以下の方法で作製されたものとすることができる。
(P)非架橋のオレフィン樹脂、発泡剤及び架橋剤を含有する発泡体原料を、反応及び発泡させた後、所定の厚さに加工して得られた樹脂発泡体シート。
(Q)ポリイソシアネート、ポリオール、架橋剤、発泡剤及び触媒を含有する発泡体原料を反応及び発泡させた後、所定の厚さに加工して得られた樹脂発泡体シート。
上記原料シート(S2)のセル数及び通気性は、特に限定されない。
上記原料シート(S2)の厚さの上限は、好ましくは4mmである。
本発明の製造方法に係る第1工程では、原料シートに対して、プラズマ照射を行い、原料シートの表面層を親水化する。この第1工程により形成される親水化領域の深さの上限は、通常、1000μmである。
プラズマ照射による親水化処理方法は、原料シートの表面に、親水性基を形成するものであれば、特に限定されない。プラズマ処理により形成させることができる親水性基としては、ヒドロキシル基、カルボニル基、−COOH基等が挙げられ、これらのうち、ヒドロキシル基を形成する場合には、酸素ガス、炭酸ガス及び水蒸気から選ばれた少なくとも一種のヒドロキシル基形成用ガスを含む雰囲気において、大気圧プラズマ照射する方法が好適である。具体的には、原料シートを載置し、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、窒素ガス、空気等のプラズマ化が容易なガスをベースガス(キャリアーガス)として、上記ヒドロキシル基形成用ガスを含む密閉環境の中で、大気圧条件下、パルス電源、交流電源、非対称交番電源、直流アーク電源等を利用して電界を印加して、プラズマを生成させ、原料シートの一面側又は両面の表面処理を行うことが好ましい。
その後、第2工程では、原料シートの親水化処理面に対してスクラッチ処理を行い、毛羽立ち部を形成する。
スクラッチ処理による毛羽立ち部形成方法は、親水化処理面を残しつつ、毛羽立ち部を形成するものであれば、特に限定されず、従来、公知の、起毛加工法等を適用することができる。本発明においては、やすり、針等を用いて、毛羽立たせることが好ましい。
上記のように、本発明の皮脂・湯垢除去具1は、他の部材を備える複合物とすることができるので、本発明の製造方法は、その複合物の構造に応じて、他の部材を配設する工程を、更に備えることができる。
本発明の皮脂・湯垢除去具は、一般家庭の浴槽、公衆浴場、足湯場、温水プール等における浴槽において好ましく用いられる。例えば、図4に示すような形態で、皮脂・湯垢除去具1を、入浴中若しくは入浴後の浴槽30の湯面に浮かせた場合、湯面又は湯中に浮遊する皮脂を吸着し、人毛等を除去することができる。また、湯垢が浴槽30の壁面に付着している場合には、スポンジタワシと同様の使用方法により、これを容易に掻き取り、回収、除去することができる。入浴後に、湯垢を除去する場合には、洗剤を使用しなくても、これを容易に掻き取り、回収、除去することができる。
また、本発明の皮脂・湯垢除去具を、洗濯機の洗濯槽に、汚れの付着した衣料、タオル等とともに入れて洗濯することにより、洗濯水における皮脂等が吸着され、排水時における衣料等への再付着を抑制することができる。
以下、本発明を、実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
実施例1
ポリプロピレンからなる樹脂繊維を用いてウェブを形成し、交絡させて、不織布N1(80mm×80mm×1mm)を得た。その後、この不織布N1を、真空槽の内部であって、間隔を100mmとした一対の放電電極対の間に載置し、真空槽内の減圧、及び、空気の導入による圧力調整(0.1Pa)を行ったところで、放電電極対に交流電圧(5kV)を印加し、プラズマ放電を発生させた。放電時間を10秒間とし、不織布N1の両面を親水化した(親水化領域の深さ:約500μm)。次いで、不織布N1のプラズマ処理面の両面を、紙やすりで、30回ずつ摩擦させて毛羽立たせ、これを皮脂・湯垢除去シートA1とした。
得られた皮脂・湯垢除去シートA1について、34.2質量%のトリグリセリド、34.2質量%の遊離脂肪酸、15.8質量%の脂肪酸エステル、7.9質量%のコレステロール及び7.9質量%の脂肪酸炭化水素からなる人工皮脂を用いて、以下の方法で吸油性を評価した。
容積250リットルの琺瑯製浴槽に、45℃の湯を150リットル収容した後、上記人工油脂を6.8グラム添加し、十分に撹拌した。そして、皮脂・湯垢除去シートA1を投入して、湯面に浮いた状態として放置し、人工油脂を吸着させた後、浴槽に付着した人工油脂を拭き取った。次に、皮脂・湯垢除去シートA1を浴槽から取り出し、デシケーター内で十分に乾燥させ、質量変化を調べたところ、6.0グラムの人工油脂が吸着していることが分かった。吸着率は88%であった。
比較例1
不織布N1を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.9グラムであり、吸着率は57%であった。
比較例2
不織布N1を、真空槽の内部であって、間隔を100mmとした一対の放電電極対の間に載置し、真空槽内の減圧、及び、空気の導入による圧力調整(0.1Pa)を行ったところで、放電電極対に交流電圧(5kV)を印加し、プラズマ放電を発生させた。放電時間を10秒間とし、不織布N1の両面を親水化し、これを、皮脂・湯垢除去シートA2とした。
次に、この皮脂・湯垢除去シートA2を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.4グラムであり、吸着率は50%であった。
比較例3
不織布N1の一面側表面を、紙やすりで、30回摩擦させて毛羽立たせ、これを、皮脂・湯垢除去シートA3とした。
次に、この皮脂・湯垢除去シートA3を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は5.1グラムであり、吸着率は75%であった。
比較例4
不織布N1の一面側表面を、紙やすりで、30回摩擦させて毛羽立たせた。その後、毛羽立たせた不織布N1を、真空槽の内部であって、間隔を100mmとした一対の放電電極対の間に載置し、真空槽内の減圧、及び、空気の導入による圧力調整(0.1Pa)を行ったところで、放電電極対に交流電圧(5kV)を印加し、プラズマ放電を発生させた。放電時間を10秒間とし、不織布N1の両面を親水化し、これを、皮脂・湯垢除去シートA4とした。この皮脂・湯垢除去シートA4では、毛羽立ち部が消滅していた。
次に、この皮脂・湯垢除去シートA4を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.4グラムであり、吸着率は50%であった。
実施例2
50質量%のポリプロピレン及び50質量%のポリエチレンを用いて、発泡成形し、連続気泡型のスポンジシートS1(50mm×50mm×2mm)を作製した。その後、大気圧条件で、ヘリウムガスをスポンジシートS1の片面側表面に吹き付けながらパルス状高電圧(10kV)を印加して発生させたプラズマを照射した。照射時間を60秒間とし、スポンジシートS1の片面を親水化した(親水化領域の深さ:約500μm)。次いで、スポンジシートS1のプラズマ処理面に対して、多数の金属製針を備える剣山を、紙やすりで削るように用いて、20回摩擦させて毛羽立たせ、これを皮脂・湯垢除去シートB1とした。
得られた皮脂・湯垢除去シートB1を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は5.8グラムであり、吸着率は85%であった。
比較例5
スポンジシートS1を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は4.0グラムであり、吸着率は59%であった。
比較例6
大気圧条件で、ヘリウムガスをスポンジシートS1の表面に吹き付けながらパルス状高電圧(10kV)を印加して発生させたプラズマを照射した。照射時間を60秒間とし、スポンジシートS1の片面を親水化し、これを、皮脂・湯垢除去シートB2とした。
次に、この皮脂・湯垢除去シートB2を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.2グラムであり、吸着率は47%であった。
比較例7
多数の金属製針を備える剣山を、紙やすりで削るように用いて、スポンジシートS1の片側表面を、20回摩擦させて毛羽立たせ、これを、皮脂・湯垢除去シートB3とした。
次に、この皮脂・湯垢除去シートB3を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は4.8グラムであり、吸着率は71%であった。
比較例8
多数の金属製針を備える剣山を、紙やすりで削るように用いて、スポンジシートS1の片側表面を、20回摩擦させて毛羽立たせた。その後、大気圧条件で、ヘリウムガスをスポンジシートS1の毛羽立ち部を有する面に吹き付けながらパルス状高電圧(10kV)を印加して発生させたプラズマを照射した。照射時間を60秒間とし、スポンジシートS1の片面を親水化し、これを、皮脂・湯垢除去シートB4とした。この皮脂・湯垢除去シートB4では、毛羽立ち部が消滅していた。
次に、この皮脂・湯垢除去シートB4を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.3グラムであり、吸着率は49%であった。
本発明の皮脂・湯垢除去具は、湯面又は湯中に浮遊する皮脂を吸着するため、一般家庭の浴槽、公衆浴場、足湯場、温水プール等における使用に好適である。また、洗濯機の洗濯槽に、汚れの付着した衣料、タオル等とともに入れて洗濯してもよい。更に、本発明の皮脂・湯垢除去具は、毛羽立ち部を有するため、浴槽の壁面に付着した湯垢の除去、浮遊する人毛等の除去等に好適である。
1:皮脂・湯垢除去具、10:樹脂部材、11:親油性部、12:親油性の樹脂繊維又はセル壁、14:親水性表層部、15:毛羽立ち部、30:浴槽

Claims (5)

  1. 一面側から他面側への断面方向に通気性を有するシート状の樹脂部材を含む皮脂・湯垢除去具であって、
    前記樹脂部材は、親油性部と、該親油性部の少なくとも一面側に配された親水性表層部とを備え、
    前記親水性表層部は、毛羽立ち部を備えることを特徴とする皮脂・湯垢除去具。
  2. 前記樹脂部材が、樹脂繊維を含む不織布又は樹脂発泡体に由来する構造を有する請求項1に記載の皮脂・湯垢除去具。
  3. 前記樹脂部材が、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリウレタンから選ばれた少なくとも一種を含有する請求項1又は2に記載の皮脂・湯垢除去具。
  4. 親油性樹脂を含むシートの表面に、プラズマ照射による親水化処理、及び、スクラッチ処理を、順次、行うことを特徴とする皮脂・湯垢除去具の製造方法。
  5. 前記シートが、前記親油性樹脂を含む繊維からなる不織布、又は、前記親油性樹脂を含む樹脂発泡体シートである請求項4に記載の皮脂・湯垢除去具の製造方法。


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