JP4011030B2 - 多層不織布の製造方法 - Google Patents

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本発明は、シート嵩、表面のふんわり感、柔らかさを維持しながら繊維同士をしっかり交絡し、毛羽立ちの少ない多層不織布の製造方法に関する。
現在、不織布は乾式(カード法、エアレイド法)、湿式、サーマルボンド、ケミカルボンド、スパンレース、ニードルパンチなど各種の方法によって製造され、多種多様な用途に供されている。また、これらの用途の内、特に不織布に嵩(厚み)が要求される場合、例えば化粧用、医療用コットン、ガーゼ、ワイピングクロスなどの場合には、複数枚の不織布を積層して嵩を出すようにするか、或いは1層構成の場合には、スパンレース法のような水流交絡法の場合には、ライン内で完全に乾燥させることが困難であるといった操業上の理由から、エアレイド法に不織布ウエブを製造し、エアスルー法又はカレンダ法などの加熱処理によって繊維同士を熱融着する方法によって製造されている。
複数の不織布を積層して嵩のある不織布を得る製法としては、2枚の不織布をホットメルトや糊などで貼り合わせる方法や、例えば下記特許文献1に示されるように、熱融着性の芯鞘型複合繊維を含有し鞘成分の融着によって繊維相互間が接合された不織布と、同じく熱融着性の芯鞘型複合繊維を含有し鞘成分の融着によって繊維相互間が接合された不織布とを積層するとともに、これら2層の積層界面において一方の不織布の芯鞘型複合繊維と、他方の不織布の芯鞘型複合繊維とが鞘成分同士の融着によって結合して多層不織布を得る方法などがある。
また、下記特許文献2では、表裏面側に位置する第1及び第2の表面層を含む二層以上の多層構造を有し、第1の表面層が加工処理条件下において非熱融着性の繊維集積層からなり、第2の表面層が熱融着性繊維の繊維間を繊維自身の熱融解により結合させた熱融着性繊維の繊維集積層からなり、これら二層は積層界面において、熱風加熱により第2の表面層側に熱接着性を発揮させることにより層間を接合した多層不織布が開示されている。
特開2001−315239号公報 特開昭63−196753号公報
しかしながら、スパンレース(水流交絡)によって繊維同士を交絡させて結合を図った不織布の場合には、擦れなどで表面の毛羽立ちや繊維の脱落が顕著になる場合がある。
また、積層不織布を得るに当たり、各層間をホットメルトや糊で接合する場合には、これらホットメルトや糊剤が硬化すると違和感の原因になるとともに、医療用、化粧用パフ、ガーゼなど肌に直接触れる製品の場合には、これら異物の混入が肌荒れの原因となる場合があるなどの問題がある。
また、上記特許文献1記載の方法のように、各不織布層のそれぞれが熱融着繊維を含有し、熱風処理(エアスルー法)によって繊維同士及び層間の結合を図る場合には、熱融着部が全体に拡がるため、全体が硬化してしまい「しなやかさ」、「柔らかさ」が必要とされる不織布用途には不適となってしまう問題がある。例えば、前記化粧用、医療用コットンなどのように表面層がレーヨンやコットンなどの天然繊維層であることが望ましい不織布に対して適用自体ができない。
また、上記特許文献2の方法の場合には、例えば前記化粧用、医療用コットンなどのように表面層がレーヨンやコットンなどの天然繊維であっても適用が可能であるけれども、層間の剥離強度が小さく、使用中に層間剥離を起こす場合があるなどの問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、交絡によって繊維同士が接合された柔軟な外面層を持つ不織布であって、シート厚、外面のふんわり感、柔らかさを維持しながら繊維同士をしっかり交絡させ、毛羽立ちや繊維の脱落の少ない多層不織布を得ることにある。
また同時に、多層不織布の場合には、ホットメルトや糊といった異物を混入させることなく、すべての層間において十分な剥離強度を備えるようにすることにある。更には、スパンレース法によって嵩のある不織布を製造可能とすることにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、交絡によって繊維同士が結合された表面不織布層と、交絡によって繊維同士が結合された裏面不織布層と、これら表面不織布層と裏面不織布層との間に介在された、熱融着性のバインダー繊維を含有する複数層の中間不織布層とからなり、前記表面不織布層と、隣接する次層の中間不織布層との積層界面は繊維同士の交絡によって接合されるとともに、前記裏面不織布層と、隣接する次層の中間不織布層との積層界面は繊維同士の交絡によって接合され、かつ前記中間不織布層同士の積層界面は熱融着性のバインダー繊維同士の融着によって接合され、前記表面不織布層及び裏面不織布層には、スパンレース加工時における高圧水流によって薄肉化された筋状線が一方向に沿って多数形成されている多層不織布の製造方法であって、
前記多層不織布は、熱融着性のバインダー繊維を含有し、前記熱融着性のバインダー繊維同士の融着により繊維間及び/又は層間が接合された、前記中間不織布層の一部を構成する1又は複数層からなる第1の不織布ウエブと、前記表面不織布層となる第2の不織布ウエブとを重ね合わせた後、スパンレース法により積層界面において前記第1の不織布ウエブの繊維と前記第2の不織布ウエブの繊維とを絡ませることにより層間を接合するとともに、該スパンレース加工時に前記第2の不織布ウエブの外面側のみに高圧水流によって薄肉化された筋状線を一方向に沿って多数形成し第1の積層不織布を得る第1工程と、
熱融着性のバインダー繊維を含有し、前記熱融着性のバインダー繊維同士の融着により繊維間及び/又は層間が接合された、前記中間不織布層の一部を構成する1又は複数層からなる第3の不織布ウエブと、前記裏面不織布層となる第4の不織布ウエブとを重ね合わせた後、スパンレース法により積層界面において前記第3の不織布ウエブの繊維と前記第4の不織布ウエブの繊維とを絡ませることにより層間を接合するとともに、該スパンレース加工時に前記第4の不織布ウエブの外面側のみに高圧水流によって薄肉化された筋状線を一方向に沿って多数形成し第2の積層不織布を得る第2工程と、
前記第1の積層不織布と第2の積層不織布とを、第1の不織布ウエブ面と第3の不織布ウエブ面とが対面するように重ね合わせた後、熱風処理により第1の不織布ウエブ面と第3の不織布ウエブ面との積層界面において前記熱融着性のバインダー繊維同士を融着することにより最終製品としての不織布を得る第3工程と、からなる工程を経ることによって製造されることを特徴とする多層不織布の製造方法が提供される。
上記請求項記載の本発明においては、表面不織布層と中間不織布層の一部をスパンレース法によって積層する工程、裏面不織布層と中間不織布層の一部をスパンレース法によって積層する工程、これら各積層不織布を熱融着によって接合する工程の他段階工程を踏んで多層不織布を製造するようにするため、スパンレース法であっても、シート嵩のある不織布を製造することが可能となる。
また、スパンレース加工時に一定のピッチで高圧水流を局地的に当てることにより、薄肉化された筋状線が一方向に沿って多数形成されている。従って、シート嵩、表面のふんわり感、柔らかさを維持しながら繊維同士をしっかりと交絡させることができる。その結果、厚み感、ふんわり感がありながら、毛羽立たず、繊維の脱落が無く、様々なシーンで使い易い仕様が実現できるようになる。また、一定方向に前記筋状線を形成することにより、筋状線に平行に不織布シートを滑らせれば滑らかな肌触りが得られ、筋状線に対して直交方向に不織布シートを滑らせれば、掻き取り性が良好となるなど、1枚のシートに異なった作用を同時に持たせることができる。不織布は積層体とすることにより、高目付けの不織布とできる。
さらに、表面不織布層及び裏面不織布層は交絡によって繊維同士が結合された不織布層とし、前記表面不織布層及び裏面不織布層と、隣接する次層の中間不織布層との積層界面は繊維同士の交絡によって接合するようにし、他の積層界面は熱融着性のバインダー繊維同士の融着によって接合されている構造としたため、表面層が交絡によって繊維同士が結合された柔軟な表面層としながらも、これら表裏面の不織布層は次層とは交絡によって所定の剥離強度を有しながら接合されるようになるため、すべての層間において十分な剥離強度を備えるようになる。 なお、本発明において「熱融着性のバインダー繊維」とは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の如く、融点が200℃以下の低融点繊維をいうものとする。
請求項に係る本発明として、前記表面不織布層及び/又は裏面不織布層は熱融着性繊維のバインダー繊維を含有していない請求項記載の多層不織布の製造方法が提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、交絡によって繊維同士が接合された柔軟な外面層を持つ不織布であって、シート厚、外面のふんわり感、柔らかさを維持しながら繊維同士をしっかり交絡させ、毛羽立ちや繊維の脱落の少ない多層不織布を得ることができる
また、多層不織布の場合には、ホットメルトや糊といった異物を混入させることなく、すべての層間において十分な剥離強度を備えることができる。また、スパンレース法によって嵩のある不織布を製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔片面に筋状線を有する単層不織布及び積層不織布〕(参考形態例)
図1は本発明に係る単層の不織布1Aを示す、(A)は平面図、(B)は横断面図、(C)は縦断面図である。
本発明に係る不織布1Aは、乾式(カード法、エアレイド法)、湿式法によってウエブを製造した後、スパンレース法(水流交絡)によって繊維同士が交絡接合された不織布であり、前記スパンレース加工時に、一定のピッチで高圧水流を局所的に当てながら、ウエブを搬送することにより、薄肉化された筋状線8,8…が一方向(ライン方向)に沿って多数形成されている。
前記不織布1Aには、図2に示されるように、筋状線8が形成された面とは逆側の面に不織布9が積層されていてもよい。この積層不織布1A’の場合には、前記スパンレース加工は他段階処理とするのが望ましい。具体的には、まず、平均的に高圧水流を不織布面に与え、繊維同士を互いに交絡させるとともに、不織布1Aと不織布9との積層界面において繊維交絡によって積層界面を接合した後、次段階で一定のピッチで高圧水流を局所的に当てることにより筋状線8,8…を形成するようにする。
なお、前記不織布を構成する繊維種は、例えば、用途が化粧用、医療用コットンなどの場合には、熱融着性のバインダー繊維(融点200℃以下の繊維をいう。)を含有せず、コットン、レーヨン、麻等の天然繊維を組み合わせて、或いは単独で100%の層とするのが良く、用途によってはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、ポリブチレンテレフタレート(融点215℃)などのポリエステル繊維やナイロン等のポリアミド繊維を所定の割合で含有していてもよい。なお、図示例では1層の不織布9を積層させたが、2層以上積層させるようにしてもよい。
〔両面に筋状線を有する多層不織布〕(本発明形態例)
本発明に係る多層不織布1Bは、図3に示されるように、交絡によって繊維同士が結合されるとともに、スパンレース加工時に高圧水流によって薄肉化された筋状線8,8…が一方向に沿って多数形成された表面不織布層2Aと、交絡によって繊維同士が結合されるとともに、スパンレース加工時に高圧水流によって薄肉化された筋状線8,8…が一方向に沿って多数形成された裏面不織布層2Bと、これら表面不織布層2Aと裏面不織布層2Bとの間に介在された、熱融着性のバインダー繊維を含有する複数層の、図示例では4層の中間不織布層5とから構成されている。
そして、前記表面不織布層2Aと、隣接する次層の中間不織布層3Aとの積層界面は繊維同士の交絡によって接合されるとともに、前記裏面不織布層2Bと、隣接する次層の中間不織布層3Bとの積層界面は繊維同士の交絡によって接合され、かつ前記中間不織布層3A、4A、4B、3B同士の各積層界面は熱融着性のバインダー繊維同士の融着によって接合されている。なお、前記中間不織布層3A、4A、4B、3B同士を接合する熱融着接合とは、エアスルー法、カレンダー法等の加熱処理法を指すものである。
前記表面不織布層2A及び裏面不織布層2Bは、例えば、用途が化粧用、医療用コットンなどの場合には、熱融着性のバインダー繊維(融点200℃以下の繊維をいう。)を含有せず、コットン、レーヨン、麻等の天然繊維を組み合わせて、或いは単独で100%の層とするのが望ましい。また、用途によってはポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、ポリブチレンテレフタレート(融点215℃)などのポリエステル繊維やナイロン等のポリアミド繊維を所定の割合で含有していてもよい。
前記表面不織布層2A及び裏面不織布層2Bは繊維種組成を同じとし表面特性を同じくすることでもよいし、繊維種組成を異ならせて表面特性を異ならせてもよい。例えば、前記表面不織布層2Aはコットン100%の不織布とし、裏面不織布層2Bはコットンとレーヨンとの混合不織布とし水分の保水性を向上させるなどとし、それぞれの表面特性を変えることによりユーザーの使用の便に供するようにしてもよい。
前記中間不織布層5は、それぞれ熱融着性のバインダー繊維を20〜90%含有する層とするのが望ましい。前記熱融着性のバインダー繊維としては、加熱によって溶融し相互に接着性を発現する任意の繊維を用いることができる。この熱融着性繊維は、単一繊維からなる物でもよいし、2種以上の合成樹脂を組み合わせた複合繊維等であってもよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系単一繊維や、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート−エチレン・プロピレン共重合体、低融点ポリエステル−ポリエステルなどからなる鞘部分が相対的に低融点とされる芯鞘型複合繊維または偏心芯鞘型複合繊維、またはポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン、ポリプロピレン/ポリエチレンからなる各成分の一部が表面に露出している分割型複合繊維、あるいはポリエチレンテレフタレート/エチレン−プロピレン共重合体からなる一方の成分の熱収縮により分割する熱分割型複合繊維などを用いることができる。この場合、生産性および寸法安定性を重視する場合は芯鞘型複合繊維が好ましく、不織布のボリューム感を重視するならば偏心型複合繊維が好ましい。また、柔軟性を重視するならば、分割型複合繊維や熱分割型複合繊維を用いると、高圧水流処理時に各成分が容易に分割して極細繊維化されるようになる。
かかる熱融着性のバインダー繊維が20重量%未満の場合には、繊維の熱融着により接合する割合が少なく所定の剥離強度が確保できなくなる。また、90重量%を超えると全体が硬化してしまい風合いが損なわれるようになる。
また、図3に示されるように、前記中間不織布層5が4層構成、又はそれ以上の層構成となる場合には、これら複数層の内の上層及び下層は熱融着性のバインダー繊維を20〜60重量%、好ましくは40〜60重量%の割合で含有する層とし、他の中間の層はそれぞれ熱融着性のバインダー繊維を60〜90重量%、好ましくは70〜90重量%の割合で含有する層とするのが望ましい。前記中間不織布層5の内、上層及び下層はそれぞれ表面不織布層2A、裏面不織布層2Bと交絡によって積層界面が接合される層であり、製品として表面にソフト感、良好な肌触り感を出したい場合には、硬化の原因となる熱融着性のバインダー繊維の含有量を相対的に少なくした層とし、緩衝層或いはクッション層として機能させるようにするのが望ましい。また、他の中間の層は、剥離強度を重視して熱融着性のバインダー繊維を高含有率で配合した層とするのが望ましい。各中間不織布層3A、4A、4B、3Bにおいて、前記熱融着性のバインダー繊維以外の繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、ポリブチレンテレフタレート(融点215℃)などのポリエステル繊維やナイロン等のポリアミド繊維を含有することができる。場合によってはコットン、レーヨン、麻等の天然繊維を低い含有率で含有していてもよい。
前記中間不織布層5が図6(A)に示されるように、2層構成の場合には、熱融着性のバインダー繊維の含有率は、前記上層及び下層の中間不織布層3A、3Bの含有率に合わせて20〜60重量%、好ましくは40〜60重量%の割合で含有する層とするのが望ましい。
ところで、前記多層不織布1Bの層間剥離強度は、各積層界面において少なくとも10cN/5cm以上とするのが望ましい。前記層間剥離強度はJIS L 1086に準拠した試験方法によって測定した数値である。具体的には、50mm×125mmの試験供試体を作製し、端部から5cmを剥離させ、それぞれの剥離片をロードセル機のクランプでチャックし、100mm/分の速度で5cmの距離だけ引き剥がし、その際の最大剥離強度とした。層間剥離強度が10cN/5cm未満の場合には使用時に剥離が生じることがある。なお、層間剥離強度は、積層界面の接合を熱風処理による場合(中間不織布層3A、4A、4B、3B間の接合)には、熱融着性のバインダー繊維の含有率、加熱温度、加熱時間の調整によって制御が可能であり、積層界面の接合が交絡処理による場合(表面不織布層2Aと中間不織布層3Aとの接合及び裏面不織布層2Bと中間不織布層3Bとの接合)には、ジェット水流の水圧、処理時間などを調整することにより制御が可能である。
また、本発明に係る多層不織布1の目付けは60g/m以上、好ましくは80g/m以上200g/m未満であることが望ましい。
前述した多層不織布1、例えば図3に示される表面不織布層2A、裏面不織布層2B及び4層の中間不織布層5からなる多層不織布1Bは、下記第1工程〜第3工程の多段階工程を踏むことによって製造することができる。以下、その製造手順について、図5に示される不織布製造ラインを用いた具体的手法と共に説明を行う。
〔第1A工程〕
まず、図4(A)に示されるように、熱融着性のバインダー繊維を含有し、前記熱融着性のバインダー繊維同士の融着により繊維間及び/又は層間が接合されるとともに、前記中間不織布層5の内の半分の層を構成する、中間不織布層3A、4Aからなる第1の不織布ウエブ6Aを得るようにする。
具体的には、図5(A)に示されるように、ウエブ製造部10においてカード機2台を使用して、2層構成の不織布ウエブ3A、4Aを積層し、熱風処理部12を通し、熱融着性のバインダー繊維同士を熱融着させるとともに、積層界面において熱融着性のバインダー繊維同士を熱融着させて層間を接合し、第1の不織布ウエブ6Aを製造する。なお、第1の不織布ウエブ6Aの内、一方側の不織布ウエブ3Aは、後工程で表面不織布層2Aと接合される層であり、熱融着性のバインダー繊維が20〜60重量%の割合で含有されている。他方側の不織布ウエブ3Bは、後の第3工程で中間不織布層4Bと接合される層であり、熱融着性のバインダー繊維が60〜90重量%の割合で含有されている。
〔第1B工程〕
図4(B)に示されるように、前記第1A工程で得た第1の不織布ウエブ6Aに、前記表面不織布層2Aとなる第2の不織布ウエブを重ね合わせた後、スパンレースにより繊維同士を互いに交絡させるとともに、積層界面において前記第1の不織布ウエブ6A(中間不織布層3A)の繊維と前記第2の不織布ウエブ(表面不織布層2A)の繊維とを絡ませ、かつこのスパンレース加工時に高圧水流によって、薄肉化された筋状線8,8…が一方向に沿って多数形成された第1の積層不織布7Aを得るようにする。
具体的には、図5(B)において、第1の不織布ウエブ6Aのロール体をウエブ製造部10にセットし繰り出すとともに、カード機によって製造された表面不織布層2Aとなる第2の不織布ウエブを前記第1の不織布ウエブ6Aの上面に重ね合わせ、交絡処理部11において、ジェット水流を与えることにより、積層界面において、第2の不織布ウエブ(表面不織布層2A)の繊維を第1の不織布ウエブ6A側に絡めて層間の接合を図るとともに、このスパンレース加工時に一定のピッチで高圧水流を局所的に当てることにより薄肉化された筋状線8,8…が一方向に沿って多数形成された第1の積層不織布7Aを得るようにする。
〔第2A工程及び第2B工程〕
上記第1A工程、第1B工程と全く同様の工程により、熱融着性のバインダー繊維を含有し、前記熱融着性のバインダー繊維同士の融着により繊維間及び/又は層間が接合されるとともに、前記中間不織布層5の内の半分の層を構成する、中間不織布層3B、4Bからなる第3の不織布ウエブ6Bを得た後、この第3の不織布ウエブ6Bに、前記裏面不織布層2Bとなる第2の不織布ウエブを重ね合わせた後、高圧水流により、繊維同士を互いに交絡させるとともに、積層界面において前記第3の不織布ウエブ6B(中間不織布層3B)の繊維と前記第4の不織布ウエブ(表面不織布層2B)の繊維とを絡ませ、かつこのスパンレース加工時に高圧水流によって、薄肉化された筋状線8,8…が一方向に沿って多数形成された第2の積層不織布7Bを得るようにする。
〔第3工程〕
図4(C)に示されるように、前記第1の積層不織布7Aと第2の積層不織布7Bとを、第1の不織布ウエブ面(中間不織布層4A)と第3の不織布ウエブ面(中間不織布層4B)とが対面するように重ね合わせた後、熱風処理により第1の不織布ウエブ面(中間不織布層4A)と第3の不織布ウエブ面(中間不織布層4B)との積層界面において、熱融着性のバインダー繊維同士を融着することにより最終製品として、表裏面それぞれに、薄肉化された筋状線8,8…が一方向に沿って多数形成された嵩のある多層不織布1Bを得るようにする。
具体的には、図5(C)に示されるように、第1の積層不織布7Aのロール体と、第2の積層不織布7Bのロール体とを共にセットし、繰出し過程で第1の不織布ウエブ面(中間不織布層4A)と第3の不織布ウエブ面(中間不織布層4B)とが対面するように重ね合わせた後、熱風処理部12において、熱風を与えることにより、第1の不織布ウエブ面(中間不織布層4A)と第3の不織布ウエブ面(中間不織布層4B)との積層界面において前記熱融着性のバインダー繊維同士を融着することにより層間の接合を図り、最終製品として多層不織布1Bを製造する。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、上記〔両面に筋状線を有する多層不織布〕の欄では、表面不織布層2A、裏面不織布層2B及び4層の中間不織布層5からなる多層不織布1Bとについて詳述したが、前記中間不織布層5は図6(A)に示されるように、2層構成としてもよいし、図6(B)に示されるように、6層構成としてもよい。すなわち、中間不織布層5は少なくとも2層以上であればよい。なお、中間不織布層5が奇数層、例えば5層の場合には、3層と2層とに分割して製造すればよい。
本発明は、例えば化粧用、医療用コットン(カットコットン、コットンパフ又はパフとも言われる。)、ガーゼ、ワイピングクロス、ベッドシーツ、枕カバーなど厚地でかつ手触り感としてソフト感が要求されるものや、紙おむつの表面シートなどとして好適に使用されるものである。
参考形態例に係る単層の不織布1Aを示す、(A)は平面図、(B)は横断面図、(C)は縦断面図である。 積層不織布1A’の横断面図である。 本発明に係る多層不織布1Bの横断面図である。 前記多層不織布1Bの製造手順を示す図である。 前記多層不織布1Bの製造ラインを示す図である。 多層不織布1C、1Dの例を示す横断面図である。
符号の説明
1A…単層不織布、1B…多層不織布、2A…表面不織布層、2B…裏面不織布層、3A・4A・3B・4B…各中間不織布層、5…中間不織布層(全体)、6A…第1の不織布ウエブ、6B…第3の不織布ウエブ、7A…第1の積層不織布、7B…第2の積層不織布

Claims (2)

  1. 交絡によって繊維同士が結合された表面不織布層と、交絡によって繊維同士が結合された裏面不織布層と、これら表面不織布層と裏面不織布層との間に介在された、熱融着性のバインダー繊維を含有する複数層の中間不織布層とからなり、前記表面不織布層と、隣接する次層の中間不織布層との積層界面は繊維同士の交絡によって接合されるとともに、前記裏面不織布層と、隣接する次層の中間不織布層との積層界面は繊維同士の交絡によって接合され、かつ前記中間不織布層同士の積層界面は熱融着性のバインダー繊維同士の融着によって接合され、前記表面不織布層及び裏面不織布層には、スパンレース加工時における高圧水流によって薄肉化された筋状線が一方向に沿って多数形成されている多層不織布の製造方法であって、
    前記多層不織布は、熱融着性のバインダー繊維を含有し、前記熱融着性のバインダー繊維同士の融着により繊維間及び/又は層間が接合された、前記中間不織布層の一部を構成する1又は複数層からなる第1の不織布ウエブと、前記表面不織布層となる第2の不織布ウエブとを重ね合わせた後、スパンレース法により積層界面において前記第1の不織布ウエブの繊維と前記第2の不織布ウエブの繊維とを絡ませることにより層間を接合するとともに、該スパンレース加工時に前記第2の不織布ウエブの外面側のみに高圧水流によって薄肉化された筋状線を一方向に沿って多数形成し第1の積層不織布を得る第1工程と、
    熱融着性のバインダー繊維を含有し、前記熱融着性のバインダー繊維同士の融着により繊維間及び/又は層間が接合された、前記中間不織布層の一部を構成する1又は複数層からなる第3の不織布ウエブと、前記裏面不織布層となる第4の不織布ウエブとを重ね合わせた後、スパンレース法により積層界面において前記第3の不織布ウエブの繊維と前記第4の不織布ウエブの繊維とを絡ませることにより層間を接合するとともに、該スパンレース加工時に前記第4の不織布ウエブの外面側のみに高圧水流によって薄肉化された筋状線を一方向に沿って多数形成し第2の積層不織布を得る第2工程と、
    前記第1の積層不織布と第2の積層不織布とを、第1の不織布ウエブ面と第3の不織布ウエブ面とが対面するように重ね合わせた後、熱風処理により第1の不織布ウエブ面と第3の不織布ウエブ面との積層界面において前記熱融着性のバインダー繊維同士を融着することにより最終製品としての不織布を得る第3工程と、からなる工程を経ることによって製造されることを特徴とする多層不織布の製造方法。
  2. 前記表面不織布層及び/又は裏面不織布層は熱融着性繊維のバインダー繊維を含有していない請求項記載の多層不織布の製造方法
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